体験型ストア運営のb8ta Japanが日本における全ライセンス取得し米国b8taから独立、アジア進出も視野

体験型ストア運営のb8ta Japanが日本における全ライセンス取得し米国b8taから独立、アジア進出も視野

体験型ストアb8ta(ベータ)を国内で3店舗運営するb8ta Japan(ベータ・ジャパン)は2月24日、米国b8ta inc.から、日本国内向け事業における商標権およびソフトウェアのライセンスをb8ta Japan JV, LLCにおいて2021年12月末独占的に取得したと発表した。

b8ta Japanでは現在、合同会社から株式会社への移行の準備を進めており、これを機に第三者割当増資を実施し、日本のb8ta事業を一気に加速させる。体験型ストア運営のb8ta Japanが日本における全ライセンス取得し米国b8taから独立、アジア進出も視野

b8ta Japanは、米国VCのEvolution Venturesとb8ta.incの合弁会社、ベータ・ジャパン合同会社として2019年に設立。日本国内における事業を運営してきたが、2020年9月には米国b8taとの資本関係を解消、b8taの商標とソフトウェアの日本国内での使用に対してライセンス料を支払うモデルに移行していたという。

そして今回、約1年にわたる協議の末、日本国内における事業に関わる「b8ta」の商標権およびソフトウェアのライセンスをb8ta Japan側で独占的に取得することで合意に至った。

なお2022年2月18日、米国b8taは全店舗閉店したが、b8ta Japanは米国b8taから独立した法人であり、日本国内における運営には一切影響はない。事業継続に必要な資産はすべてb8ta Japan側で確保しており、今後とも米国の事業に左右されることなく日本での事業展開を継続する。

代表の北川卓司氏は、「これからも創業者の掲げたミッションである『リテールを通じて人々に新たな発見をもたらす』を体現し、日本国内でb8taの店舗事業、また付随するRaaS(Retail as a Service)の新事業を拡大して参ります。また、日本からアジアの他地域への進出も計画しており、売ることを主目的としない店舗の更なる拡大を進めていければと考えております」と述べている。

体験型ストア「b8ta」が国内3店舗目を渋谷に11月オープン、試飲・試食も可能なカフェスペースにより食品カテゴリー拡充

体験型ストア「b8ta」が国内3店舗目を渋谷に11月オープン、試飲・試食も可能なカフェスペースにより食品カテゴリー拡充

b8ta Japan(b8ta、ベータ)は8月16日、国内3店舗目となる「b8ta Tokyo – Shibuya」を発表した。2021年11月中に、渋谷区にオープンする予定。住所は、〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目14番11号 小林ビル1階。営業時間は11:00~19:30。定休日は不定休。

渋谷駅から徒歩約1分という好立地にオープンする新店舗のコンセプトは、「より進化した体験型ストアを見据えた実証実験店舗b8ta 1.5」。b8ta Japan代表の北川卓司氏によると、実店舗での体験価値向上のために今どのような機能や体験が実店舗で求められているのかを探るという。b8taのビジネスモデルであるRaaS(Retail as a Service)を進化させるため、3つの新しい取り組みを実施する。

3つの新しい取り組み

  • 新たにカフェスペースを設置し、食品カテゴリーの体験拡充:カフェスペースではコーヒーなどの飲み物を提供。既存店舗では取り扱いが少なかった食品カテゴリーを充実させ、試飲・試食など五感に訴える体験を充実させる
  • 店内での体験をリッチにするアプを開発:より手軽に店内で商品・サービスの体験や発見できるようにする。帰宅後も店内で体験した商品情報を覚えておけるアプリを新たに開発し、提供
  • フレキシブルなイベントスペース:従来の店舗では店内のレイアウトを自由に変更することが難しかったが、可動式什器を導入することで、大型商品設置やイベントなどの様々なニーズに沿ったレイアウトを可能にする

体験型ストア「b8ta」が国内3店舗目を渋谷に11月オープン、試飲・試食も可能なカフェスペースにより食品カテゴリー拡充関連記事
体験型ストアb8taが国内初のポップアップストア形式店舗を福岡市内3拠点で4月から展開
体験型小売店+ソフトウェアのRaaSスタートアップb8ta、今夏日本上陸時の46商品を先行公開
今夏日本進出のb8taがスタートアップ・D2C支援プログラムを発表
「体験型小売店+ソフトウェア」RaaSスタートアップb8taの戦略

カテゴリー:その他
タグ:小売(用語)b8tab8ta Japan日本(国・地域)

今夏日本進出のb8taがスタートアップ・D2C支援プログラムを発表

米国で、ガジェットやテックプロダクトなどを試したり購入したりできる体験型小売店を展開するb8ta。今年1月、サンフランシスコ拠点のVC、Evolution Venturesと合弁で日本法人b8ta Japanを設立し、アジア初となる2店舗を東京・新宿と有楽町へ今夏、同時出店することを明らかにしていた。

そのb8ta Japanが4月1日、スタートアップ企業やD2Cブランドを支援する「b8ta スタートアップ・D2C サポートプログラム」提供を発表した。通常日本のb8ta店舗へ出品する際には月額30万円前後の費用がかかるが、同プログラムの採択企業に対してはb8ta Japanが1社当たり上限22万円、最大2カ月間補助する。本日より、応募フォームで受付を開始する。

b8taは2015年に創業。その特徴は、オンライン小売で商品を閲覧するような気軽さで、新しいコンセプトを持つプロダクトを実店舗で触ってみたり、使ってみたりすることができる点だ。メーカーの側は、テナント料や従業員の賃金などの固定費を抑えながら、顧客にプロダクトを見せる場を提供できるだけでなく、どのようにプロダクトを体験したのか、分析レポートを得ることもできる。

b8taはパロアルトで最初の店舗をオープンして以来、Retail as a Service(RaaS)スタートアップとして、1000点以上のブランド、プロダクトを紹介してきた。現在は新型コロナウイルスの感染拡大により、残念ながら米国の店舗はクローズしているが、ドバイの1店舗を含めた25店舗を世界で展開する。

今夏に日本でオープンするのは、有楽町電気ビル1階に店舗を構えるb8ta Tokyo – Yurakuchoと、新宿マルイ本館1階に出店するb8ta Tokyo – Shinjuku Maruiの2店舗だ。

b8ta Tokyo – Yurakucho 外観イメージ

b8ta Tokyo – Shinjuku Marui 内装イメージ

サポートプログラムでは、応募企業の中から選考の上、上述した出店料補助のほか、2店舗で今夏、今のところ8月8日に開かれる予定の店内イベントに、b8taと共同開催で出展できる。

応募期間は4月14日の23時59分まで。ガジェットや家電だけでなく、ファッション、コスメ、飲料・食料や、アプリ、サブスクリプションサービスなど、さまざまな商品・サービスで応募できる。ただし4月30日時点で日本国内での販売が可能な製品・サービス、または体験可能なプロトタイプが存在していることが条件だ。

b8ta Japanは、新型コロナ感染拡大による経済活動への影響が懸念される中で「可能な限り多くのスタートアップ企業やオンライン中心で事業を展開するD2Cブランドのリアル店舗出店をサポートし、当座の売上支援を行いたい」と同プログラムの提供について説明している。

また、b8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司氏も、以下の通りコメントしている。

「小売業をはじめとした多くのサービス業が昨今の事態で大きな影響を受ける中、体験をメーンにおくb8taもアメリカやドバイの店舗で打撃を受けています。自社を含め多くのスタートアップやD2Cが難しい局面にある中、1社でも多くのスタートアップやD2Cブランドをサポートすることで、新しいテクノロジーや、今まで触れたことの無い面白い商品やサービスとの出会いを創出し、少しでも日本を元気にすることが出来ればと願っています」(北川氏)

関連記事
TechCrunch Tokyo 2019講演:「体験型小売店+ソフトウェア」RaaSスタートアップb8taの戦略