MicrosoftがAzure Portal上でクラウドベースのフル機能Bashを提供

Microsoftは本日(米国時間5月10日)、Buildデベロッパーカンファレンスにて、Azure上で動作するアプリケーションを管理するための中央ダッシュボードである、Azure Portalの新機能を発表した。新しいAzure Cloud ShellではPortalで完全なBashシェルを利用することが可能になる。Microsoft独自のPowerShellへのサポートもこの先提供される予定だ。またAzureモバイルアプリからでもこのシェルへのアクセスは可能だ。

Cloud Shellのセッションは永続的ではないが、セッション間でデータは維持される。もちろん、Azureのコマンドラインツールはプリインストール済だ。セッションは自動的に$Homeディレクトリ(ここにはファイルやスクリプトを再利用のために保存することができる)に同期される。つまり、例えばAzure Portalからviを利用することができるようになったということだ。また例えば、Dockerコマンドラインツールを使ってコンテナを起動することもできる。

訂正 :当初Cloud Shellセッションは永続的であると誤って報告した。実際には永続的ではない。データはセッション間で保存されるものの、ログアウトすれば実際の環境はリサイクルされる。

MicrosoftのScott Guthrieは「Azureのすべてのリソースを管理するための素晴らしい方法を提供できます」と述べ、この機能が開発者の生産性向上に役立つと考えていると付け加えた。

同社は昨年12月に、新しいクラウドシェルの初期プレビューを提供していた。

現在すべてのAzureユーザがこの機能を使えるようになっている。

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(翻訳:Sako)

Build 2016で驚きの発表―Microsoftはこの夏Windows 10でBashシェルをサポート

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Microsoftは今日(米国時間3/30)のBuild 2016カンファレンスで多くの重要な発表を行ったが、その中で驚きのニュースがあった。

GNUプロジェクトのBashシェル(Bash=Bourne Again SHell)がWindowsに移植される。このシェルは長年Linuxの各種ディストリビューションとOS Xの標準シェルだった。 一方Microsoftは独自のPowerShellをコマンドラインの標準シェルと位置づけてきた。

いちばん重要な点は、WindowsでBashが使えること以上に、これまでデベロッパーが書いてきた膨大な .sh BashスクリプトがWindowsでも作動するようになったことだ。同時にBashスクリプトをEmacsで編集できるという点も見逃せない。なおMicrosoftはこの発表に関連してWindows 10にLinuxサブシステムを導入すべく〔Ubuntuのデベロッパーである〕Canonicalと協力していることを発表した。

「バーチャル化やエミュレーションなしにフル機能のUbuntu環境がWindowsネーティブで利用できるようになることは、〔コンピューティングにとって〕伝統的にありえないとされてきた決定的な一歩だ。これによってWindowsにとってまったく未知の領域への扉が開かれる」とCanonicalのファウンダー、Mark Shuttleworthは今日発表された声明で述べた。「フリーソフトウェアを最大限の多数のオーディエンスに届けるというわれわれの当初からの目的にとっても、この進展は考えていないものだった。今やMicrosoftはUbuntu for Windowsにコミットしており、Canonicalはこれを歓迎する。Windowsのデベロッパーはこの驚くべき方法によりLinuxの世界を探検できる。われわれ自身も予期しなかった事態の進展によ、り広大な可能性が開けてきた」とShutleworthは付け加えた。

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今回のMicrosoftの動きは、Windows以外のプラットフォームもターゲットにするデベロッパーにとってWindowsをよりよいOSに改良するという効果がある。MicrosoftのCEOがサティア・ナデラに交代して以後、同社はWindowsだけでなく、それ以外のあらゆるプラットフォームとそのデベロッパーをターゲットする方向に一挙に舵を切った。

数年前ならMicrosoftがWindowsのライバルであるLinuxオペレーティング・システムと、たとえわずかでも関係を持つなどということは可能性する考えられなかった。しかし今やMicrosoftはLinuxをAzureでサポートしており、自社の独自テクノロジーを数多くオープンソース化している。また家宝ともいうべきSQLサーバーソフトをLinuxにポーティングする計画だという。

Bashはこの夏に予定されているWindows 10の1周年記念アップデート(Anniversary Update)でリリースされる。ただしWindows Insiderプレビュー版のユーザーはその前に入手できる。また将来の計画として、MicrosoftはBash以外のシェルもWindowsに移植する予定だとしている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Apple曰く、OS Xのユーザのほとんどはbashの悪用に対して安全

AppleがいわゆるShellshock脆弱性に対応する公開声明を発表し、OS Xのユーザはほとんどの場合、いかなる攻撃の可能性に対しても安全である、と確証した。Appleのスポークスパーソンは本誌TechCrunchに、この脆弱性に関する次のような一文を提供した。それは、AppleのデスクトップOSにも含まれているUNIXのシェル、bashに見つかった脆弱性だ。

大半のOS Xユーザは、最近報道されたbashの脆弱性のリスクにさらされていない。OS Xに含まれているUNIXのコマンドシェルでコマンド言語でもあるbashには、不正なアクセスをしたユーザがリモートで脆弱なシステムを操作できる弱点がある。OS Xでは、システムはデフォルトで安全であり、ユーザが高度なUNIXサービスを構成していなければbashがリモートで悪用されることはない。われわれは高度なUNIXユーザのためのソフトウェアアップデートを迅速に提供すべく、目下作業中である。

本誌もさきほど、読者のためのShellshock対策をポストした。しかしAppleがここで言っているように、OS Xでは高度なアクセスを構成していなければ安全だ(だから読者のほとんど全員が安全)。Appleは、このセキュリティホールを塞ぐためのOS Xのアップデートをもうすぐ提供するはずだから、それまではUNIXの高度なオプションを有効にしないように。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))