xR技術活用バーチャルライブのLATEGRAが小学館、Bilibili、トーハンから資金調達

LATEGRA ラテグラ

ライブエンターテイメントをxRや最新デジタル技術で拡張するLATEGRA(ラテグラ)は7月17日、第三者割当増資による資金調達の実施を発表した。調達額は非公開。引受先は小学館、Bilibili(ビリビリ)、トーハン。

今回調達した資金は、独自のライブエンターテイメント制作基盤ソリューション「LATEGRA engine.」の国内外における拡大展開、新規事業となるバーチャル空間上のライブエンターテイメントサービス「Live3.0」の開発促進に利用する。事業推進に伴うエンジニアやディレクター、マーケターなどの人材開発強化も行う。

また、引受先各社との事業シナジーを視野に入れ、xRやメイドインジャパンIPを中心に据えたライブエンターテイメント事業の強化・拡大を目指すという。

LATEGRAは、リアルとバーチャルを融合可能なLATEGRA engine.により、ARやリアルタイムモーションキャプチャー、ゲーム系グラフィックエンジンによるコンテンツ表現技術、演出力を統合させたライブイベントを実現。

リアルなライブ会場にバーチャルキャラクターを登場させ、生身の人間が行うコンサートと同様に、歌やダンス、演劇を披露できる。ステージ上でバーチャルキャラクターと人間の共演も可能。

Live3.0は、スマートフォン、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)、3Dシアター設備を介し、バーチャル・キャラクターによるライブを展開可能なxRライブソリューション。

LATEGRAは、ドワンゴが主催し、歌舞伎役者・中村獅童氏とバーチャル・シンガーの初音ミクが共演した「超歌舞伎」において、デジタル面の演出・制作とテクニカルを担当。中国のバーチャルキャラクター「洛天依」(ルォ・テンイ)のコンテンツやイベント制作、映像メディアへの出演も全面的に手がけている。

関連記事
VRやAR内広告を扱うロンドン拠点のアドテックAdmixが約7.5億円を調達
インスタのARフィルターがますますダイナミックに、音楽に視覚的に応答するなどユニーク
アップルがVR配信スタートアップのNextVRを買収した理由
ゲームエンジンのUnityがAR/VRスタートアップのFinger Foodを買収
2億人近いユーザーを抱えUGC中心のBilibiliは中国版YouTubeになりつつある
NianticがARスタートアップの6D.aiを買収してアップルとFacebookに対抗

2億近いユーザーを抱えるBilibiliは中国のYouTubeになりつつある

中国のビデオストリーミングサイトBilibiliは、かつて若者のサブカルチャーの聖地と見なされていたが、ユーザーの高年齢化およびコンテンツの多様化により、着実にメインストリームになっていった。NASDAQに上場している同社は、第1四半期に前年同期比で70%の成長を記録し、月間アクティブユーザーは1億7200万に達した。同社は今は、TencentとBaiduが運営しているビデオサービスであるiQiyiと肩を並べている。

ユーザーの1日の滞留時間は87分間という記録的な長さになったが、それはおそらく新型コロナウイルス(COVID-19)による在宅命令が延長されたためだろう。

同四半期にTencent Videoは1億1200万のサブスクライバーを報告し、iQiyiは1億1890万を集めた。ほぼ全員が有料ユーザーだろう。対照的にBilibiliは、MAUのわずか約8%が有料ユーザーだ。

しかしBilibiliの成長要因は独特だ。Tencent VideoとiQiyiがNetflixのようにプロが制作した商業的コンテンツ中心であるのに対して、BilibiliはYouTubeのようにユーザーが作成したコンテンツが中心だ。クリエイターの数は毎月146%増えており、現在は180万で彼らが提出するコンテンツ数は毎月490万本だ。上位のクリエイターの中には、なんとCommunist Youth League of China(中国共産主義青年団)がいる。

Bilibiliはゲームやアニメファンのフォーラム、または中国版の最新のYouTubeだと思ってるかもしれないが、AlibabaとTencentがバックについてからは、1億3000万の愛国的な若者たちにもサービスを提供している。Youth LeagueはBilibiliの上位から7番目のクリエイターで、下のグラフに示すように、いいね!の数では最高だ。ここやその他の国が公認しているサイトにはウイルス関連の陰謀説が氾濫し、反アメリカ的な感情を煽っている。

Bilibiliは収益化の方法も独特だ。若いユーザーが多くてモバイルゲームのプラットフォームという性格もあるので、Q1の売上の半分はビデオゲームだ。その他の売上源は、ライブのブロードキャストにおける仮装アイテムの売上、広告収入、そしてBilibiliにショップがあるコンテンツクリエイターの売上だ。

ユーザーは順調に伸びているが、Bilibiliは今期、損失が7610万ドル(約82億円)に増えている。前年同期の2738万ドル(約29億5000万円)と比べて急激な増加だ。その原因としては、新型コロナウイルスによる商品配送の遅れが挙げられている。

しかしそれでも、同社の現金準備はSony(ソニー)からの4億ドル(約431億円)の巨額投資もあって11億3000万ドル(約1217億5000万円)と厚い。Sonyは両社間のアニメとゲームのシナジーに期待している。また、長年のライバルだったAlibabaとTencentはこのところ共同投資の事案が増えており、Bilibiliもその対象のひとつだ。

同社のCFOであるFan Xin(ファン・シン)氏は決算報告の席で「弊社のキャッシュフローはプラスであり、損失よりも大きい。全体として弊社の財務状態は健全である」と述べている。

画像クレジット:Bilibiliホームページのスクリーンショット

[原文へ]
(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソニーが中国エンタメ企業のビリビリに約430億円を投資

ソニーは中国のエンターテインメント大手ことBilibili(ビリビリ)の株式4.98%を取得するため、4億ドル(約430億円)を投資すると明らかにした。

10年前にアニメ動画サイトとしてスタートしたBilibiliは、eスポーツやユーザー投稿のミュージックビデオ、ドキュメンタリー、ゲームなど、他のカテゴリーにも事業を拡大している。1億3千万人以上のユーザーを持つ同サービスは、中国大手企業のTencent(テンセント)やAlibaba(アリババ)を含む、複数の大口投資を長年に渡って集めてきた。

この発表により、Bilibiliの株価は市場前取引で7.6%上昇した。ソニーは完全子会社のソニー・コーポレーション・オブ・アメリカを通じてこの投資を行う。

ソニーは声明の中で、中国はエンターテインメント事業における重要な戦略地域だと考えていると述べた。Bilibiliは中国のZ世代をターゲットとしており、ユーザーの大部分(約80%)は1990年から2009年の間に生まれた人たちだ。

両社はまた、アニメーションやモバイルゲームアプリなど、中国のエンターテインメント分野におけるコラボレーションの機会を探求することでも合意したという。

Bilibiliのビジネスと中国でのシェアについての詳細は、こちらの記事で読むことができる。

原文へ

(翻訳:塚本直樹 Twitter