最新のホテル運営を目指すMewsが35億円を調達

これまでのホテルビジネスを考えてみると、イノベーションはあまり起きていない。たいていチェックインの列に並ぶし、チェックアウトで並ばなくてはならないこともある。ドアの外にプレートをかけて「起こさないでください」とホテルのスタッフに知らせる。Mewsはホテルを、特に管理業務を、もっと現代的でデジタルを取り入れたやり方で運営すべき時が来たと考えている。米国時間8月29日、同社はBattery Venturesが主導したシリーズBで3300万ドル(約35億円)を調達した。

Mewsの創業者のRichard Valtr(リチャード・ヴァルター)氏はそれまでのホテル運営を変えたいと考えて、2012年にプラハで事業を始めた。同氏はTechCrunchに対して「過去100年間変わっていないホテルのプロセスを実行するのではなく、私は本当にホテルのシステムを変えてゲストの体験を向上させたいと思った」と語った。

ヴァルター氏はAirbnbを主な例として挙げながら、ホテル業界のイノベーションの大半はB2Cの領域で起きていると語る。同氏が目指すのはホテル運営のイノベーションだ。「Mewsが目指すのはホテル運営の部分だ。なぜ旅が好きなのか、なぜホテルに滞在し体験しプロフェッショナルのスタッフの接客を受けるのが好きなのかという基本的な事柄に力を入れていきたい。我々は一人ひとりのお客様に対して真に有意義でパーソナライズされた体験を提供することに取り組んでいる」と同氏は説明する。

手始めにMewsは、部屋の割り振りなど多くのタスクを自動化するクラウドベースのシステムを構築している。多くのホテルではこうしたタスクをいまだに手作業で実施している。こうした面倒な作業から解放されればスタッフはもっとゲストに集中できるという信念をヴァルター氏は持っている。

ゲストとホテルが滞在をカスタマイズして体験の質を上げる取り組みもしている。同氏によれば、このアプローチによってホテルは売上の機会を柔軟に創出できる一方、ゲストは自分に合う滞在の仕方を選べるという。

ゲストの立場から見ると、宿泊者情報を事前にホテルに提供し、入室のためのパスコードを携帯電話で受け取ることにより、チェックインのプロセスを省ける。このシステムは、Booking.comやExpediaなど他社のホテル予約サイトやその他のサービスとAPIで統合されていて、地元企業と連携して多くのチャンスを活かすことができる。

Mewsは現在、47カ国で1000カ所の施設を運営しているが、米国ではまだプレゼンスに欠ける。このラウンドで調達した資金でニューヨークにオフィスを開設し、米国へ進出したい考えだ。ヴァルター氏は「米国の市場で成功したい。主要チェーンの意思決定者の多くが米国にいるからだ。最大規模のブランドの考え方を変えなければ、業界を変えることにはならないだろう」と言う。

現在、同社は世界中に10カ所のオフィスを構え、従業員数は270人。本社はプラハとロンドンだが、ニューヨークオフィスの開設も準備中で、開設すれば従業員数も増える見込みだ。

画像:Hispanolistic / Getty Images

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(翻訳:Kaori Koyama)

ホテル予約の大手、ExpediaがAirbnbのライバル、HomeAwayを39億ドルで買収

2015-11-05-expedia

今日(米国時間11/4)、ホテル予約の大手、Expedia Incはバケーションの部屋貸し仲介サービスで上場企業のHomeAwayを39億ドルで買収することで同社と合意したと発表したHomeAwayの組織とブランドは(VRBO.comを含む)は従来どおり維持される。支払いはキャッシュとExpediaの普通株で行われる。

HomeAwayはテキサス州オースティンに本拠を置き、 2005年に創立された。同社は5回のベンチャー・ラウンドで5億500万ドル弱を調達した後、2011年に株式を上場している。

Expediaは発行済のHomeAwayの株式を1株あたり10.15ドルの現金ないしExpedia普通株の0.2065株と交換に購入する。この取引は2016年の第1四半期には完了するものとみらている。

HomeAwayでは、同サイトには有料で借りられる休暇用物件が190ヵ国にわたって100万部屋以上リストアップされているとしている。同社は他にVRBO.comやVacationRental.com(これはアメリカの物件のみ)などのリスティング・サイトを傘下に所有している。またイギリス、ドイツ、フランス、スペイン、プラジル、オーストラリアにHomeAwayの同種のサイトがある。HomeAwaydではBedandBreakfast.comも運営している。

今日の発表でExpediaはHotels.com、Hotwire.com、Travelocity、Orbitz、VeneraなどAirbnbの直接のライバルとなる企業群を所有していることが明らかにされた。Airbnbは急成長を続けているが、Expediaは自前でサービスを拡大するよりHomeAwayのような大型サイトを買収することでAirbnbに対抗できる巨大組織を築いていくつもりのようだ。

ExpediaのCEO、Dara Khosrowshahiは今日、次のようなコメントを発表した。

われわれは以前からバケーションや出張などで利用できる部屋を仲介する1000億ドル規模の非伝統的ビジネスに注目しており、この分野で独自のサービスを作ろうとしてきた。今回、世界的なバケーション・レンタルのトップ企業であるHomeAwayの協力を得られたことで、われわれがこの分野において2年以内に世界のリーダー企業となる道が開けた。HomeAwayがExpedia Incグループに参加したことは世界的に認知され信頼されるExpediaのブランドをわれわれも利用できるようになったことを意味する。これはわれわれの次の段階への発展のために絶好の礎石となるだろう。.

Expediaの主要なライバルであるPriceline Groupは現在まだ「シェアリング・エコノミー」を代表するようなバケーションと旅行のブランドを持っていない。ただし傘下のBooking.com brandはゆっくりとだが、共有経済を実践する方向に動いている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+