元気活発な小型犬の名前をつけたPocketBeagleは今の市場で最小のシングルボードコンピューターだ

25セント硬貨〔ø23mm〕を数枚並べたぐらいのLinuxマシンが必要な人いる? ここにあるよ。それはBeagleBoard PocketBeagleと呼ばれ、25ドルで買える最小のLinuxコンピューターだ。〔*: beagle, ビーグル犬。〕

ぼくがシングルボードコンピュータの大ファンである理由は簡単だ: 子どものころは、そんなものを可能にする技術がまったく存在しなかった。しかも、こんな小さなキットがRAM 512MB、Octavo SystemsのOSD3358システム-イン-パッケージ、1GHzのARM Cortex-A8プロセッサー、電源やI/Oを含む72の拡張ピンありだから、今のホビーエレクトロニクスは本当に強力だ。これだけのものを25ドルで買えることは、ほんの10年前には不可能だった。今では、ふつうだ。

PocketBeagleは完全にオープンソースで、ブートROMも載っているから、小さなLinuxの頭脳を必要とするほとんどどんなプロジェクトにも組み込める。

あなたなら、これで何ができるかな? Linuxをすこし知ってて半田ごてを使える人なら、たくさんのことができる。たとえばSDカードやUSBからオペレーティングシステムをブートして、小さな衛星を動かしたり、ドローンを制御したり、小さなゲーム機を作ったりできるだろう。コンピューターの勉強にも最適だ。beagleboard.orgのFAQから引用しよう:

PocketBeagleはお気軽な費用で、あなたのプロジェクトの一つ々々に、専用機として恒久的に貼り付けておける。PocketBeagleはとてもローコストだが、開発と製造の技術はとても高い。誤用によって壊れても、安価に交換できる。PocketBeagleはオンボードのROMから直接ブートするので、事故で書き換えられることもなく、ソフトウェアをUSBやmicroSDカードなどからロードできる。ChromeのプラグインやNode.JSで書かれたクロスプラットホームなElectronアプリケーションでボードをブートし、接続したmicroSDカードに別のLinuxのディストリビューションを加えることもできる。ボードの振る舞いは毎回つねに同じだから、このボードを使って確実に、再生可能なインストラクションを作れる。

 

これがもしも、人が飲み込めるサイズになったら、Linuxで動く胃の中で操作するゲーム機という、ぼくの長年の夢も実現するだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

MinifreeのLibreboot T400は無料ではなく自由の意味でfreeなコンピューター

Libreboot T400の外見は、とても平凡だ。要するにそれはLenovo Thinkpadの改造機で、Lenovo/IBMの伝統的なトラックポイント*と、小さなタッチパッドがある。単純に黒一色のラップトップで、平社員が出張のとき必ず持つようなやつだ。でもその内部は、自由のために闘うマシンなのだ。〔*: トラックポイント、[G][B][H]キーに囲まれている小さな円形の赤いボタン、機能はマウスと同じ。〕

このT400は、まず、BIOSがフリーでオープンなBIOS Librebootだ。そしてOSはTrisquel GNU/Linux。この二つがあることで、同機のセキュリティのレベルは高い。“あなたのLibreboot T400はあなたに従います。ほかの誰にも従いません!”、と作者たちは書いている。たぶん、そのとおりだろう。

で、性能などはどうか? LinuxをインストールしたThinkpad改造機を300ドルで買うべきか? 答は、あなたが何をしたいかによるだろう。ぼくが試したのはローエンド機で、スピードや性能は十分なはずだが、Trisquelはややのろいし、セキュアなブラウザー、すなわち“フリーでないソフトウェアを非推奨するMozillaベースのノーブランドブラウザー” は、厳しすぎて使いづらい。いくつかの問題はユーザーが自力で回避できるが、気の弱い人が使うのは無理だろう。

とは言うものの、あなたの目の前にあるのは、ほとんど完全にオープンなコンピューターだ。スクリーンは14.1インチ、プロセッサーはIntel Core 2 Duo P8400、RAMは4GBから、ハードディスクは160GBからだ。価格は257ドル+送料、バッテリーとアメリカ仕様の充電器がつく〔アメリカ仕様とは、電源コードのこと〕。

このT400を実際に使い始めたら、完全にクリーンなマシンが動く。フリーな(自由という意味でのfree)オペレーティングシステムが動き、ドライバーとアプリケーションはすべてオープン、BIOSもオープンだから、中身のよくわからない私企業規格に閉じ込められることはない。パッケージを自分で作り変えることも容易にできるが、でも、ぼくの場合のように、どうしてもプロプライエタリなソフトでないとだめ、というニーズにぶつかることもあるだろう。今後はMinifree社がもっと多くのフリーソフトを揃えてくれると、いいのだが。

プライバシーとセキュリティとオープン・スタンダードにあくまでもこだわる人は、このラップトップを使うべきだ。安くて丈夫だから、最初から予備機を買っておいてもよい。

ここまでセキュアで自由なデバイスではなく、もっと一般的なLinuxデスクトップの時代も、まだ訪れていない。最近のLinuxは簡単にそして楽しくインストールできるが、毎日使うラップトップでそれをやる人は、あまりいないだろう。でも、T400はそこらのスマホよりも安いし、しかも多くの私企業の利害にまったく奉仕しない形で、安全でセキュアなコンピューティング体験を確保できる。完全なラップトップではないけれども、他人ではなく自分が(自分だけが)完全にコントロールできるコンピューターを探していた人には、まさにぴったりの製品だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))