マウスの動きからユーザのネガティブな感情が分かる…Webサイトデザイン改良システムをBYUの研究者が開発

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不満やイライラを抱えているときは、マウスの動きが遅いといわれる。そこでブリガムヤング大学(BYU, ユタ州プロボ)の研究者たちは、マウスの動きからその人のフラストレーションや怒り、混乱などの心理状態を検出するシステムを作ろうとしている。

彼らの発見によると、ユーザが“動転したり混乱している”ときには、マウスがきれいな曲線や直線で動かずに、ギクシャクした動きになる。また、怒っているときには、マウスの動きが通常より遅くなる。

“この技術を使えば、Webサイトが無能な‘でくのぼう’状態から脱することができる”、とJeffrey Jenkins教授は語る。“Webサイトは情報を提示するだけでなく、ユーザを人間として感じ取れるようになる。ユーザの入力を受け取るだけでなく、ユーザの感情を理解できるようになる”。

Jenkins先生曰く、“ふつうの人は、‘フラストレーションを感じているときはマウスの動きも速くなるよ’、と思うかもしれない。でも実際には、そんなとき、マウスの動きは遅くなるのだ”。

そのシステムはマウスの動きをリアルタイムで捉え、それを気分にマッチさせる。教授の展望では、Webのデザイナーはこれを使ってサイトのデザインを改良できる。ユーザがどこで混乱を感じたかが分かるから、と言う。

Jenkinsはこの技術をライセンスし、またWebサイトのデザインを改良するサービスを提供する小さな企業を作った。モバイルでは、スワイプやタップの動作から怒りを検出できる、という。

“これまでは、ユーザがいらついていることが分からないから、デザイナーはサイトの再訪率を上げることができなかった”、と彼は語る。“ユーザの否定的な感情が分かれば、それをなくす方向でデザインを改良できる”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。

Instagramはダイエットにも効果あり?!(あるいは人類の進化について)

ダイエットを考えている人にはぜひ読んでもらいたい。

ご存じのようにInstagramには、食べ物の写真が数多く登録されている。そしてJournal of Consumer Psychologyで発表されたBYU(ブリガムヤング大学)の最新の研究によると、食べ物写真を見ることは、その写真の食べ物に対する食欲を減退させる効果があるのだそうだ。

発表によれば、実際には食べなくても、食べ物の写真を見るだけで、その食べ物に対する欲求が抑えられるとのこと。すなわち実際に目の前に出された時、あまり魅力的に感じなくなってしまうのだそうだ。

今回の実験が行われた方法を見ておこう。BYUのRyan Elder教授とJeff Larsonは232人の被験者を集めて、料理写真の評価を行わせた。被験者の半分には塩味の効いた食べ物の写真を扱わせ、あとの半分には甘いものの写真を見せた。そしてそれぞれが写真を見てレーティング作業を終えた段階で、ピーナツを供したのだ。

すると塩味の食べ物を見ていたグループは、ピーナツ自体は写真になかったにも関わらず、ピーナツに興味を示さなかったのだ。塩味の料理写真を数多く見ることにより、十分な塩を味わった感じがしてしまったのだ。実際に口には入れていないのに、感覚的には充分であると感じてしまったわけだ。

もちろん、ほんの数枚の写真では効果は現れない。店で食べ物の写真を撮って共有したからといって、営業妨害に問われることはなさそうだ。

「効果が現れるのは相当数の写真を見たあとのことです」とElderは言っている。「2、3枚の写真を見てもう十分だと感じるようなことはありません」。

さて、本題は以上だが、この調査レポートから得るべき内容とは何か。

もちろん「大いなる希望」を読み取るべきだ。動物世界の一員であるにも関わらず、私たちの食生活というのはずいぶんと奇妙なものとなってしまっている。動物たちは、基本的には生きるために食べる。そしてその生きるための食べ物こそ、彼らにとって美味であるわけだ。生きるのに必要なだけ食べ、そして食べた分はしっかりと消化して、エネルギーに変える。

一方で私たちは、素材をいろいろと料理してさまざまな化学調味料を加えてから食すようになっている。そして、アメリカ人はあきれるほどの肥満大国になってしまったのだ。美味しそうなものを見かけると、まるでその時こそが最期のチャンスになるとばかりにむさぼり食う食事習慣を持ってしまっている。そうしておいて、またしばらくすると食事の時間だと、レストランに向かうのだ。

ところで現在の私たちは、美味しそうなものを見ると写真に撮って共有しないと気が済まない状態になりつつある。これはすなわち、食べ物との付き合い方を考え直せという神の啓示なのではないだろうか。別の言い方をすれば、人類は進化しようとしているのだ。食べ物の写真を見れば食欲を抑制できる。近々、Instagramの#foodpornハッシュタグは、新しい「治療方法」としてメディカルジャーナルに掲載されることになるに違いない(めでたしめでたし、と、話を終えておきたい)。

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(翻訳:Maeda, H