AIがダイエットメニュー・レシピを提案するアプリ「CALNA」運営が1億円を調達

健康的な食生活をサポートする人工知能アシスタント「CALNA」を提供するmeuron(ミューロン)は1月17日、INTAGE Open Innovation FundSBIインベストメントを引受先とする第三者割当増資を実施したと発表した。調達金額は1億円だ。

アプリのリリース時にTechCrunch Japanでも紹介したCALNAは、ユーザーが入力した身長や体重などのデータとアンケート診断の結果をもとに、AIがユーザーに最適なダイエットメニューを提案してくれるアプリだ。

同アプリを単に“料理レシピ”として捉えると、競合には今では定番アプリとなった「クックパッド」がある。しかし、CALNAはユーザーの好みを学習したAIが何品分ものレシピをまとめて提案し、それをすべて考慮したうえで作業工程を最適化し、買い物リストや調理手順まで教えてくれるという特徴がある。

CALNAは2016年10月のリリース時より、大手コンビニや外食チェーンのメニューの中から適切な組み合わせを提案する「外食中心ダイエットプログラム」を無料で提供。また、2017年3月からは、レンジで簡単につくれるレシピなど、1品あたり5〜20分で調理できる作り置きレシピを毎月配信する「あっという間の作り置きプログラム」を月額480円で提供開始した。

有料プログラム「あっという間の作り置きプログラム」のリリース後の状況についてmeuron代表取締役の金澤俊昌氏は、「徐々に継続率も伸びてきているが、まだユーザーからは沢山の要望を頂いており、今月末にリニューアルする予定だ」としている。

これまでにユーザーとCALNAの人工知能との会話は1900万件を超えた。同社は今回の資金調達により、ラウンドに参加したINTAGE Open Innovation Fundの設立会社であるインテージホールディングスおよびSBIインベストメントとの連携を開始する。具体的には、市場調査とマーケットリサーチを本業とするインテージホールディングスの協力の下、ユーザーと人工知能との会話データを活用した事業開発を進めていくと金澤氏は話す。

meuronは2014年10月の創業。今回を含む累計調達金額は2億1800万円となる。

AIが作り置きレシピを提案 ― ダイエット支援アプリ「CALNA」に新プログラム

1人暮らし世代のTechCrunch読者の中には、「外食や飲み会が増えたのでお腹まわりが気になってきたが、自炊をして健康的な生活を送るための時間や気力がない」という悩みをもつ人も多いのではないだろうか(僕もその1人だ)。そんな悩みを解決してくれるのが人工知能(AI)アシスタントの「CALNA(カルナ)」だ。

日本のmeuron(ミューロン)が提供するCALNAは、ユーザーが入力した身長や体重などのデータとアンケート診断の結果をもとに、AIがユーザーに最適なダイエットメニューを提案してくれるというアプリ(2016年10月のリリースはTechCrunch Japanでも紹介している)。

当初からCALNAはユーザーの目的に合わせていくつかのダイエットプログラムを用意する計画だった。リリース時から提供している「外食中心ダイエットプログラム」では、大手コンビニや飲食チェーン店(「ガスト」などのホームレストランや「ほっともっと」などの弁当チェーン)など、計13店舗のメニューをデータベース化しており、約700万点あるメニューから適切な組み合わせを提案してくれる。

そのmeuronは3月13日、これまで提供していたプログラムに加えて、CALNAに「あっという間の作り置きプログラム」を追加すると発表した。

平日は自炊する時間はなくても、「休日ならばできるかも」という人も多いだろう。平日に食べるご飯を休日にまとめて作り置きしておけば、より健康的な生活も送りやすい。

この新プログラムでは、レンジで簡単につくれるレシピなど、1品あたり5〜10分で調理できる作り置きレシピを毎月配信する。月額480円でレシピ本1冊分のボリュームのあるコンテンツが配信されるようだ。レシピの幅も広く、カレーやシチューなどの定番作り置きメニューだけでなく、ハーブチキンや魚を使ったメニューなどもあるそうだ。

なお、既存の「外食中心ダイエットプログラム」は今後も無料で提供を続けるとのこと。

新プログラム開発の背景について、meuron代表取締役の金澤俊昌氏は「CALNAを利用するユーザーから『簡単にできる自炊のプログラムを作ってほしい』という要望があったのがきっかけでした。また社内からの意見でも、『すべての食事を外食で済ませるダイエットユーザーはいないよね』という声もあり、ユーザーが簡単に調理可能で、かつ作り置きができる料理に特化したプログラムを開発することに決めました」と語る。

料理レシピを見るだけならクックパッドでも事足りる。しかし、あくまでも「作り置き」にフォーカスしたこの新プログラムでは、ユーザーの好みを学習したAIが何品分ものレシピをまとめて提案し、それをすべて考慮したうえで作業工程を最適化。買い物リストや調理手順まで教えてくれる。西澤氏は、「料理を何品も作るときには、例えば5品分の野菜をまとめて切って、つぎに野菜を切ってという作業になる。CALNAでは、そういった『まとめて作る』という作業工程をシステム側で再設計することで、『料理を作る』という体験をアシストすることが目的です」と語る。

リリースから約5ヶ月が経過するいま、CALNAは累計で8万ダウンロードを達成。「リリース当初に比べると、ユーザーの継続率は2倍程度まで伸びている」という(西澤氏)。2014年10月に創業のmeuronは、これまでに累計で1億8000万円の資金調達を完了している。

ミューロンの新アプリ「CALNA」は、コンビニ・外食ダイエットを人工知能でサポートする

ダイエットと言えば専任のトレーナーがついて、毎日の運動量から食事までを管理するというものから、コンビニでおでんを食べるなんてものまでさまざま。だが肝心なのはそれを継続すること。毎日しっかり献立を立てて健康的な食事をとるというのはそんなに簡単なわけではない。meuron(ミューロン)が10月4日にリリースした「CALNA(カルナ)」は、そんなダイエットの課題を人工知能で解決してくれるという。

ユーザーは自身の身長や体重を入力したのち、ダイエットプログラムを選択(現状は体重の2%原料を目指す無料プログラムのみ提供)。さらにアンケートによる診断を行うと、人工知能がユーザーに最適なメニューを毎食提案してくれる。提案されたメニューを食べられない場合は、どれ位のカロリーを摂取するのであればいいかといった情報も表示される。

現在、大手コンビニ(ローソン、ナチュラルローソン、ファミリーマート、セブンイレブン、サークルKサンクス)の商品、飲食チェーン店(大戸屋、ロイヤルホスト、スープストック、エクセルシオール)のメニューをデータベース化。その中から最適なものを組み合わせて700万通りの献立を提供する。

また、提案されるメニューを食べていくことでどれだけダイエット効果があるかという体重予測のデータも提供。さらに人工知能とのチャットを通じて、ダイエットプランの相談や改善などもできるとしている。なおこの体重予測データは、ミューロンがすでに提供中のオンライントレーナーサービスで実際に得たモノをベースにしており、精度も高いという。

ミューロンは2014年10月の設立。代表取締役の金澤俊昌氏は、ヘッドハンターを経てBEENOSに入社。同社でおもに人材面から起業家の支援をしてきたが、その中でCALNAの原型となるプロダクトを開発。BEENOSをスピンアウトしてミューロンを立ち上げるに至った。ミューロンはこれまでにANRI、ベンチャーユナイテッド、BEANOS、BEENEXTおよびエンジェル投資家2人から、合計約1億1800万円の資金を調達している。

「ヘッドハンターをやっていた頃から、『誰がやっても成果を出す』という仕組み作りに興味があった。ハイパフォーマーがやっていることをいかにオペレーションに落とすか。そんなことを考えている中で、ダイエット支援のサービスが盛り上がってきた。だがこれらのサービスはトレーナーに体の管理をしてもらえるのはいいが、月額5万円、10万円とかかる。これをアルゴリズム化して提供できないか考えた」(金澤氏)

「またダイエット始めると、サラダチキンやキャベツといったものだけ食べてしまいがち。ダイエット中でももっと色んなを食べられるのに、それを工夫していくこと自体に負担がかかる。商品データを持ち、システム側でロジックを組んであげれば、自分だけでは発想しないような組み合わせのメニューもできる」(金澤氏)

ミューロンでは今後は有料プログラムをはじめとしたサブスクリプション型の課金サービスや、サプリやレシピの提供などでのマネタイズを検討している。

ミューロンのメンバーら。後列中央が代表取締役の金澤俊昌氏

meuronのメンバーら。後列中央が代表取締役の金澤俊昌氏