TechCrunch Disrup NY:大統領候補、カーリー・フィオリーナ、テクノロジーによる政治の変革を訴える

2015-05-06-fiorinar

今日(米国時間5/5)、ニューヨークで開催中のTechCrunch Disrupのステージに共和党から大統領候補に名乗りを挙げたカーリー・フィオリーナが登場した。 「アメリカン・アイドル〔人気リアリティーショー〕に人々が毎週携帯電話から何回投票するか皆さんは知っているだろうか? 市民、特に若い市民がアメリカの大統領に対してアメリカン・アイドルに対するのと同様に対話するようになったらすばらしいはずだ」とフィオリーナは問いかけた。

テクノロジーの世界でフィオリーナは1999年から2005年にかけてHPのCEOを務めたことで知られている。大統領選に立候補するにあたってフィオリーナは、「現代のテクノロジーによって政府を再構想する」ことをモットーに掲げている。最近、ストリーミング・アプリのPeriscopeを使って若い有権者にそのことを訴えた。「テクノロジーはディスラプトを起こす力だ。われわれは政治の現状を打ち壊すのにテクノロジーの力を用いるべきだ」とフィオリーナは語った。

「シリコンバレーでの経験は世界がどう動いているかについて深い洞察を与えてくれた。私はそれををホワイトハウスで活かしたい」という。

テクノロジーはディスラプトを起こす力だ。われわれは政治の現状を打ち壊すのにテクノロジーの力を用いるべきだ

— カーリー・フィオリーナ

ただし、フィオリーナの在任期間中、HPでは大規模なレイオフが行われ、Compaqとの合併に失敗し、売上は大幅にダウンした。また彼女は気難しいリーダーで、ウォルター・ヒューレット(HPの共同ファウンダーのウォルター・ヒューレットの息子)を含む一部の取締役と激しく衝突したと言われている。実否はともあれ、女性CEOは経営スタイルについてこのような批判を受けることが多い。

しかしフィオリーナは「HPを停滞からリーダーへと活気づけた。政治では事実はあいまいだが、事実と数字はきわめて明白だ」と自賛した。

フィオリーナは2005年に大きな話題になった取締役会による自身の解任の理由を、一部の取締役の情報リーク、不況、そして変革への抵抗によるものだと説明した。「現状を打ち破り変革を主導しようとすると敵を作ってしまう。これは人間の本性によるものだ」という。

事実当時は他のテクノロジー企業のCEOにとっても環境は非常に厳しかった。Fiorinaはドットコムバブルの絶頂の頃にCEOに就任し、2000年代初期のバブルが破裂した期間を通じてHPを指揮しなければならなかった。とはいえ、Fiorinaの経営者としての実績は「最悪のもののひとつ」だとする声は強い。

「現在はテクノロジー・バブルの再来だと思うか?」という質問に対してフィオリーナは「環境が〔当時と〕同じだとは思わないが、多少の類似点はある。テクノロジー産業は多少泡だっているかもしれない。しかし私が問題にしているのは物理的世界からデジタル世界への30年から40年はかかるはずの変貌だ」と述べた。

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その長期的課題のひとつが最近のFCC〔連邦通信委員会〕によるインターネット中立性を担保する裁定だ。テクノロジー業界を始めとして多くの人々が大手インターネット接続業者による差別的なシステム―金を払えば高速接続が提供される―の構築を許すべきでないとしているのに対して、フィオリーナはFCCの裁定は政府による自由競争への介入だと主張する。「FCCが作った400ページにも上るインターネットへの規制をすべて白紙に戻す」つもりだと述べた。

フィオリーナは自身のテクノロジー産業での経験がホワイトハウスで必須のものだととして、「政府はテクノロジー産業のイノベーションを規制しようとすべきではない」と述べた。

フィオリーナは自身のサイトとソーシャルメディアで昨日大統領選に立候補すると正式に発表した。しかしHPでの経営者として実績への疑問、混戦模様の共和党の大統領予備選など今後の展望には楽観を許さないものがある。お得意のはずのテクノロジー分野でもcarlyfiornia.orgというドメインの取得に失敗し、自称「フィオリーナにレイオフされた怒れる市民」にいたずらサイトを作るのを許してしまった。

「関連ありそうなドメイン名を全部買うわけにはいかない。しかし買っておけばよかったかも」とフィオリーナは述べた。

Fiorinaはテクノロジー産業での経験が自分を大統領にもっともふさわしい候補にしている固く信じている。 最後にTechCruchのサラ・レインに「副大統領になるつもりはあるか?」と尋ねられ「私が男だったらそういう質問をするだろうか?」といったんは問い返した後、「私は大統領以外の職を目指していない。私は勝利するつもりだし、その職にふさわしい能力があると考えている」と答えた。

〔原文に全インタビューのビデオあり〕

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

大統領選への出馬を表明した元HPのCEO Carly Fiorinaの名前のドメインで誰かがいたずら

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もとHPのCEO Carly Fiorniaは今朝(米国時間5/4)、大統領選への出馬を表明したが、誰か別の人が彼女の名前のドメインを一つ持っていたため、ちょっと困ったことになった。

Fiorinaの選挙戦のための公開Webサイトはcarlyforpresident.comだが、誰かがcarlyfiorina.orgのドメインを取得し、そこのページに、彼女がHPでレイオフした人たち全員を表す30000個の悲しい顔「:(」をポストした(上図)。なお、Carlyfiorina.comcarlyforpresident.comへリダイレクトされる。

そのページの最後には:

“彼女がレイオフした30000名の人たちだ。みんな、家族がいた。もっと別のやり方はなかったか?という問に彼女はこう答えた:”

Screen Shot 2015-05-04 at 9.16.34 AM
[“もっと速くやれたわね。”]

Fiorinaは火曜日(米国時間5/5)のDisrupt NYのステージに登場するが、彼女は.com(ドットコム)バブルがはじけた直後のいちばん厳しい時期にHPの舵取りを引き受けた。彼女の選挙戦サイトはHPでの功績を讃えているが、確かにそれは、どのテクノロジ企業にとっても困難な時期だったのだ。

でも、ドメインネームを買って騒ぎを起こすことにかけては、Taylor Swiftの方が一枚上手(うわて)かもしれない。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

大統領選に出る元Hewlett-PackardのCEO Carly FiorinaがDisrupt NYに登場

First In The Nation Republican Leadership Summit Held In New Hampshire

[筆者: Sarah Lane]
二週間後に行われるDisrupt NYでCarly Fiorinaがスピーチする。ステージで彼女とお話をする名誉をたまわったのは、誰あろう、ほかならぬこの娘(こ)*であります。〔*: 本稿の筆者。〕

タイミングが最高だ。今朝はThe Wall Street Journalが、Hewlett-Packardの元CEOは5月4日に大統領選に正式出馬する、と報じた。本誌TechCrunchのDisrupt NY(5月4-6)のステージに登場するのは、その翌日だ。

これはFiorinaの初めての政界進出ではない。2008年には共和党のJohn McCainの大統領選でアドバイザーを務め、2010年にはカリフォルニア州から選ばれる合衆国上院議員の共和党候補に指名されたが、民主党の現職議員Barbara Boxerに敗れた。80年代〜90年代前半はAT&Tに在籍、その後同社からのハードウェア系技術系スピンオフLucentに移り、1999年から2005年までHPのCEOを務めた。Fortune 50企業の女性トップは彼女が初めてで、HPをもっとも利益の多い企業の28位から11位に押し上げた。

共和党の候補が出馬の宣言をするのは、5月の第一週が多いらしい。共和党党員であるFiorinaは、まずインターネットで出馬宣言をする、と噂されている。同じ日に元神経外科医のBen Carsonも出馬を表明する。元アーカンソー州知事Mike Huckabeeは今月の初めごろ、大統領選出馬に関する決定を5月5日に発表する、とFox Newsに語っている。このほか、Ted Cruz、Rand Paul、そしてMarco Rubioらが共和党からの出馬を表明している。

民主党は、今のところ大統領選に出ると発表したのはHillary Clintonだけだ。したがって2016年の女性候補者は(今のところ)二人だけである。ま、それはどうでもいいことだけど、私がFiorinaにぜひ聞いてみたいのは、テクノロジと政界の両方の経験者であることを、自由世界のリーダーになったとき、どのようなアドバンテージとして活かすつもりか、ということだ。

Disrupt NYでFiorinaがスピーチするステージには、FCCの委員長Tom WheelerやYahooのCEO Marissa Mayerらも前後して登場する。

開催期間は5月4日から6日まで、場所は由緒あるManhattan Centerだ。チケットはまだある

画像クレジット: Getty

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa