「サイバーパンク2077」のCD Projektがランサムウェア攻撃を受けるも身代金支払いは拒否

「Cyberpunk 2077(サイバーパンク2077)」や「The Witcher(ウィッチャー)」を開発したポーランドのゲームデベロッパーのCD Projektは、ランサムウェアの攻撃を受けたことを認めた。

CD ProjektはTwitterアカウントの投稿の中で、ハッカーとは「譲歩も交渉もしません」とし、バックアップが存在すると伝えている。「私たちはすでにITインフラを保護し、データの復元を開始しています」と同社は述べている

要求によると、身代金を支払わなければハッカーらはCD Projektの盗まれたソースコードと他の内部ファイルを公開するとしている。しかし同社は「バックアップからリカバリーできる可能性が高いだろう」と述べている。

なお現在のところ、CD Projektは個人データは盗まれていないと述べている。「私たちは事件の調査を続けていますが、我々の知る限り現時点では、漏洩したシステムにはプレイヤーやサービスに関連する個人データは含まれていないことが確認されています」。

これは、ランサムウェアの実行者が用いる敵対的な戦術だ。ハッカーはファイルを暗号化するマルウェアを使って価値の高い企業や企業をターゲットにし、身代金を要求してファイルを保持する。しかし多くの企業がバックアップを保存しているため、身代金が支払われない限り盗まれたファイルを公開すると脅すランサムウェアグループもある。

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CD Projekt Redは、同社のシステムを攻撃するためにどのようなランサムウェアが使用されたのかといったTechCrunchから質問に返答していない。

CD Projektがランサムウェアの標的となったのは、ここ数年で2回目だと考えられる。同ディベロッパーは2017年にハッキングにより、「サイバーパンク2077」に関連する初期の作業が侵害されたことを確認している。なお同タイトルの発売後の数週間、Sony(ソニー)とMicrosoft(マイクロソフト)は古いゲーム機でのバグやパフォーマンスの悪さを理由に、プレイヤーに返金を申し出ている。

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画像クレジット:Philip Fong / Getty Images

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(文:Zack Whittaker、翻訳:塚本直樹 / Twitter

「サイバーパンク2077」が大量のバグで発売停止、開発元CD Projekt Redとソニー、マイクロソフトが返金受付中

ソニーは、互換性の問題やバグに関する顧客からの大量の苦情や嘲笑の声が殺到したため、近年最も期待されていたゲームタイトルの1つ「Cyberpunk 2077」(サイバーパンク2077)をPlayStation Storeから削除した。

ソニーは、PlayStation StoreでCD Projekt Redのタイトルを購入したすべてのユーザーに全額返金すると発表したが、ユーザーはそれを要求する必要がある。先にCD Projekt Redは「サイバーパンク2077」が800万回以上予約注文されたと発表した。その翌日に同社はデジタル予約販売の収益だけで「サイバーパンク2077」の開発、マーケティング、プロモーションコストをすべて上回ったと発表している。

【更新】日本時間12月19日午前3時25分Microsoft(マイクロソフト)もまた、一部の「古いコンソール」のプレーヤーが「サイバーパンク2077」に満足していないことを認め(Twitter投稿)、Microsoft Storeでゲームを購入した希望者に返金を行うとしている。アップデートの時点で、「サイバーパンク2077」はまだXbox Storeに掲載されていたため、マイクロソフトは同ゲームをストアから削除していないようだ。

【更新】日本時間12月19日午前3時25分)

CD Projekt Redは、小売店で「サイバーパンク2077」のディスクまたはデジタルコピーを購入した顧客に払い戻しを行う意向であると述べている(未訳記事)。同社はツイートで「必要であれば自腹を切って」と述べた。BestBuyは顧客にも返金を提供している(Polygon記事)。

Niko PartnersのシニアアナリストであるDaniel Ahmad(ダニエル・アフマド)氏(Twitter投稿)は、待望のタイトルの上場廃止はゲーム業界では前例のないことだと述べた。「ゲーム業界において、このようなことは今までなかったと思います。似たようなこととしてはWarner Bros(ワーナー・ブラザース)が技術的な問題でPC版『‘Batman Arkham Knight(バットマン アーカム・ナイト)』の販売を中止したことだったが、これはパブリッシャー自身が行ったものだった。今回はプラットフォームが販売している」。

アフマド氏によるとCD Projekt Redが「サイバーパンク2077」の発売を1年遅らせることで、このような状態を避けることができた可能性があると述べている。「サイバーパンク2077」は発売前に3000万本以上のセールスを記録されると予想されていた。しかしゲームの状態と同社の対応がこのような事態を招いてしまいました」。

CD Projekt Redは「サイバーパンク2077」を7年に初お披露目し、何階も延期したあと2020年12月10日に発売した。CD Projekt Redの株価は、発売時点で13%以上下落している。

Sony Interactive Entertainment(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は「高いレベルの顧客満足度を確保するために努力しており、PlayStation Store経由で『サイバーパンク2077』を購入し、返金を希望するすべてのゲーマーに全額返金を始める」と述べている。同タイトルは他のプラットフォームでもバグや不具合に悩まされている

今週初め、CD Projekt Redは「PlayStation 4とXbox Oneでより良くプレイできるようもっと注意を払うべきだった」と認めている。同社は満足していないユーザーには返金を行うと述べたが、多くのユーザーから返金を受けていないという声が寄せられている。

「数カ月前から、このような事態になるとわからなかったわけはない」とNiko Partnersのアフマド氏はいう。「開発者やQAが問題点を指摘したり、(CD Projekt Redが認めたように)ゲームの最終版で英ゾうが意図的に隠されたり、削除されていました。ここから学ぶべきはたくさんあります」。

「重要なのは、管理・生産プロセスを改善する必要があるということです。数カ月の間、ずっと開発を続けても、ゲームが良いものにならないことがわかりました。開発者の健康だけでなく、ゲームにも悪影響を及ぼします。またパブリッシャーやプラットフォームホルダーのレベルでのマーケティング、認証、返金のガイドラインは、業界に大きな影響を与えるでしょう。CD Projekt Redがどのように反応し、長年にわたり同社が築き上げてきた信頼をどうやって取り戻すのか、興味深いところです」とアフマド氏は付け加えた。

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画像クレジット:CD Projekt Red

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(翻訳:TechCrunch Japan)