CES 2021はベガスでのリアル開催を計画、新型コロナ感染防止対策や関連イベントのオンライン化も進める

今年1月に開催された消費者向けエレクトロニクスのトレードショーであるCESは、新型コロナウイルス(COVID-19)によるパンデミックの直前という際どいタイミングだった。翌月バルセロナで開催が予定されていたMWCは一時は延期が検討されて、新型コロナウイルスの流行がヨーロッパに拡大したことで結局は開催そのものがキャンセルされた。その後は「ドミノ倒し」のように次々にカンファレンスやトレードショーの開催が中止になった。中には実際の会場ではなくオンラインに場所を移して開催されたイベントもあった。

CESは来年もリアルな会場での開催を計画していることがわかった。米国時間6月2日、CESの運営組織であるCTA(Consumer Technology Association)は「2021年のカンファレンスをラスベガスで開催することを計画している」と発表した。ベルリンで開催されるIFA(未訳記事)で入場者数の制限を計画しているが、CESでは意図的に規模を縮小するような手段を取るつもりはない。しかしCESでもイベントの関連行事の多くをオンライン化して対面開催のリスクを最小限にする努力をするという。

さらにCTAは、来場者の安全を確保するために以下のような一連の対策を採る。

  • 会場全体のスペースを頻繁に清掃・消毒し、各所に来場者向け消毒ステーションを設置
  • 展示エリアでは通路を拡張。講演会場その他参加者が密集する可能性のあるエリアでは席の間隔を広くするなど、ソーシャルディスタンスの確保に努める
  • 参加者、出展者は、マスクを着用する、握手をしないなど、感染の予防、拡大の防止に効果がある手段を採ることを勧める
  • 購入や契約にキャッシュレスシステムを導入するなど、イベント全体で対人接触が必要となる場所を制限
  • 会場の主要な入り口で非接触式サーマルスキャンによる体温測定を行うために各種システムをテスト
  • 会場における救急・医療サービスを強化

ほかの効果的方法についてもラスベガス市その他の地元コミュニティと「緊密に協力している」と主催者は述べた。ラスベガス市長のCarolyn Goodman(キャロリン・グッドマン)氏は、これまでも新型コロナウイルスによるイベントの中止に激しく反対してきたことで知られている。4月中旬にグッドマン市長は感染拡大防止のためのロックダウンを「馬鹿げている」と非難し、内外の旅行者にカジノやその他のビジネスをオープンし続けることによりラスベガスを「コントロールグループ」(比較対象を設定した対照実験の対象)とするよう提案した。困難な情勢が続くいてるが、総工費に1000億円以をかけたLVCC(ラスベガス・コンベンション・センター)のリニューアルは完成に近づいており、CESのような大型イベントを開催を確保する必要性はかつてなく高まっている。

他方、イベント主催の多くは新型コロナウイルスの第2波、第3波を世界中に拡散することになるのを恐れて、引き続き対面開催には慎重だ。パンデミックが起きる以前でも関してコンベンションが風邪やインフルエンザの拡大に大きな役割を果たしてきたことを考えれば、多くの常連企業が参加を中止することになるのは無理ない。また今回の発表でCTAが「計画」という言葉を使っていることに注意すべきだろう。世界が明日どうなるのか分からない時期だ。まして7か月後の状況となると想像することさえ難しい。

画像: ROBYN BECK/AFP/Getty Images

新型コロナウイルス 関連アップデート

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

消えた自動運転、都市OS覇権へ向けてのアプローチ、CES2020を振り返る

編集部注:本稿はDNXベンチャーズでインダストリーパートナーを務める山本康正氏による寄稿記事だ。

年初にテクノロジーの潮流を確認するイベント「CES」では、今年も様々な企業が新しい構想を発表した。

そんなCESで注目すべきは、「何が出展されたか」ではなく、「何が消えたか」。「昨年までは展示されていたのに、今年はない」、それは方針の変更を意味している。

全体の潮流として、今年は昨年に比べ、自動運転の展示が減った。これは「自動運転の開発が想定通りに進んでいない」ということを意味している可能性がある。(一方でホンダなどが出資する自動運転開発ベンチャーのGMクルーズはライドシェア用の無人運転車をCESではなく後日の1月21日に発表しており、評価が分かれている)

代わりに目立ったのは、地に足のついた電気自動車内のエンタメシステムや、自動運転の先を行くスマートシティの整備などについての発表だ。構想が自動運転の手前と周辺に二分したのは興味深い。

電気自動車というカテゴリでは、ソニーが発表した試作車、「Vision-S」が特に注目を集めた。

「ソニーがもし車を作ったらどうなるのか」。期待感、そして「非自動車メーカー」からの発表という意外性から、多くの参加者がVision-Sに熱いまなざしを向けていた。Vision-Sは今年のCESで一番注目された車だ。

Vision-Sの左後部座席の下には「Sony Design」という文字が刻まれている。「誰が作ったか」ということで期待感が高まる製造企業は、アップルやソニーなど、限られたブランドのみだろう。

ここ数年間、CESでは「未来の車の形」を示すようなコンセプトカーが数多く展示された。しかし、それらは、発売されるまでに10年もの歳月を要しそうな奇をてらったデザインのものだったり、実際の走行はできない模型だったりすることが多く、「現実性」と「驚き」のバランスがとれていなかった。だが、Vision-Sは、今にも走り出しそうな「現実的な車」であることから、来場者の注目を集めた。

車体自体はマグナ、ボッシュ、コンチネンタルなどが作っているため、そもそも「これをソニーが作った車と言っていいのか」、という疑問は残る。なぜ、他のパートナー企業の展示エリアではなく、ソニーのブースを選んだのか。そこは推測せざるを得ないが、消費者に驚きを与えるブランドとしては、ソニーが一番適していたのだと考えられる。 

ソニーが実際に提供しているのは、CMOSなど、安全性に使える高性能のセンサーや、ビデオ、音楽などのエンタメシステム。同様のコンセプカーは他社も作っているが、あくまで展示に留めており、プレゼンの目玉としての扱いではない。プレゼンの中でもあくまで「試作車」と強調しているものの、メディアによっては「ソニーが車を作る」と断定した書き方をしている。いずれにせよ、「驚き」による報道の広がりというプラスの効果は大きそうだ。

あくまで「試作車」であり発売すると明言していないことは、既存他社への配慮が伺える。しかし、中国で充電池を開発していた企業が電気自動車を発売し、一気に世界でも有数な電気自動車を販売する規模に成長したように、ガソリンエンジンからモーターに変わったときに、大きなチャンスはある。車内インテリアはバイトンやテスラと似ているところもあるため、どう差別化し、どうパートナーシップを作っていくかは注目だ。

CESにおけるもう一つの大きな潮流の変化を象徴しているのは、トヨタが発表した「Woven City(ウーブン・シティ)」という、スマートシティの実験場だ。トヨタは2018年のCESで、「モビリティ企業になる」と宣言し、「e-Palette(イーパレット)」というコンセプトカーを発表。しかし、そのコンセプトカーは実際に動くものではなく、2019年、実物の展示はなかった。本年、e-Paletteは展示はされていたものの、主役ではなかった。トヨタのコンセプトが「都市そのものをスマート化したい」というものに変化していたからだ。 

静岡の工場跡に建てる(2000人規模、2021年着工)予定とのことで、社員が強制的に転勤させられるのかが少し心配だが、要するに、物理的な実験場を建設するというものだ。しかし、同様の実験は既にトロントでグーグルが、北京近郊でアリババが進めている。これらと何が違うのかを、いかに示すかが、これからの課題の様に見える。

スマートシティではデータのやりとりが必須になる。その際に、「どの企業がOSを提供するか」で覇権が決まる。パソコンメーカーとウィンドウズの関係と似ている、と考える。

今回の構想は、パソコンメーカーに似ているところがある。プレゼンの最後で、「パートナー募集」という言葉があった。肝心なOSのところを外注すると、足元をすくわれかねず、バランスを考えなければならない開発になりそうだ。

その他の潮流について。日本でいうbodygram(ボディグラム)のような採寸アプリが当たり前となり、フードテックも増えてきた。人工栽培の展示も増加し、植物性由来の代替肉を開発するImpossible Foods(インポッシブル・フーズ)も出展した。

米国との貿易戦争の関係もあり、中国のブースは昨年同様に、非常に小規模であった。ファーウェイも単に携帯電話などを展示するのみで、ヨーロッパのバルセロナで行われるMWCでの世界を制覇しそうな勢い(画像下)とのコントラストは興味深い。

展示自体は近年同様だが、サムソンは「世界感」をうまく表現しているように見える。あらゆるデバイスにアプリが入っており、それは家の中だけでなく、外までもを制するというメッセージ。これに関しては、アマゾンも、ガソリンスタンドとアレクサをつなげるという展示を、控えめながらもしていた。「家の中から外までを制する」というスマートシティのお手本の様なやり方だと思う。

結局は消費者が選ぶので、家の中からまず制したほうが、スマートシティも制しやすいということだと思われる。加えて、サムソンは独自の5Gアンテナ、チップもあるので、ファーウェイの5Gアンテナが米国同盟国では使いにくい状況では有利な立場にある。

CESでは、「どのような世界になるか」、また、そのためには「どの様な製品が役に立つか」、というメッセージが必要で、既存の技術を単に展示する旧来の方式からとは変わってきている。

国別で、特に「スタートアップの振興」という意味では、フランスが「フレンチテック」というキーワードを掲げ、相変わらず大きなブースを構えていた。今年は特にオランダも力を増していた印象だ。他国ではイギリスも力を入れていたが、「ヨーロッパ全体の一体感の無さ」はもったいなく感じられた。

アジアは中国が米国との貿易戦争により息を潜め、韓国が勢いを増しており、日本は相対的にもっと拡大をしていかなければ「良い取り組みが埋もれてしまう危険性がある」と感じた次第だ。

山本康正(やまもと・やすまさ):DNXベンチャーズ、インダストリーパートナー。ベンチャーキャピタリストとして日本と海外のベンチャー企業のビジネスモデルを精査し投資している。ハーバード大学客員研究員。1月15日、著書「次のテクノロジーで世界はどう変わるのか」発売。

「次のテクノロジーで世界はどう変わるのか」 (講談社現代新書)

著:山本康正

【内容紹介】

新世界はAI+5G+クラウドの3角形(トライアングル)で激変する。理学修士・38歳ベンチャー投資家にして元グーグル・京大特任准教授がわかりやすく描くこれから必須の「テクノロジー基礎教養」。

  • 近未来の企業・世界はどのような形となるのか
  • テクノロジーの根本を理解するカギ「トライアングル」とは?
  • FAANG+M(フェイスブック、アップル、アマゾン、ネットフリックス、グーグル、マイクロソフト)はなぜ強いのか?
  • 世界を変える、近未来の7つのメガトレンドとは?
  • これから基幹となる、主流を占めるテクノロジーとは?

これらの大枠を2時間で知ることのできる、近未来のテクノロジーを知るための入門書。

今年のCESに登場しそうなもの

1年の中で2番目に素晴らしい季節がやってきた。一般の人が、1週間も続いた新年のほろ酔い気分を振り払いながら仕事に戻ろうとしているとき、目を血走らせたITジャーナリストたちはラスベガスに集結して、IT業界の大ニュースを掘り起こそうと躍起になる。

CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー )は、製品発表の機会以上のものであることは言うまでもない。もちろん製品の発表が大部分を占めるは確かだが、その年のIT業界のトレンドが設定される場でもある。モバイルから自動車まで、そしてロボットからセックステクノロジーまで、多くの企業にとって、その後1年の活動の足場を固めるための最初にして最高の機会なのだ。

いつもどおり、TechCrunchではスタッフ全員が現場に張り付いて、随時ニュースをお届けする予定だ。しかしその前に、このハードウェアにとって最も重要な週に何が期待できるのか、トレンドをまとめておこう。

スマートホーム

Amazon.com Inc.の本社にある球状植物園「Spheres」に展示された画面付きのスマートスピーカー「Amazon Echo Show」。2018年9月20日木曜日に米国ワシントン州シアトルで開催されたお披露目イベントでのひとコマ(写真クレジット:Getty ImagesのAndrew Burton/Bloomberg)

コネクテッドホーム関連のテクノロジーは、ここ数年間、CESを支配してきた。今年もそれが変わることはないだろう。Amazon(アマゾン)やGoogle(グーグル)のようなビッグネームは、おそらく今回のショーでも大きな存在感を示すはず。Amazonは、昨年後半に多くのハードウェアを発表したが、Googleは間違いなく何かしら発表の準備を整えているはずだ。コネクテッドホームに関するあらゆるもの、たとえば家のロック、オーブン、冷蔵庫、洗濯機、その他風変わりでニッチな製品が期待できる。

スマートディスプレイも、間違いなく話題の中心となるはずだ。オフィスに焦点を当てたLenovo(レノボ)の製品についてはすでに記事を書いたが、今後はそのトレンドも注目に値する。

5Gとフォルダブル

CESは、モバイルに関しては、いつも投げやりな感じがあるのが否めない。というのも、スマホ最大のショーであるMobile World Congress(モバイル・ワールド・コングレス)が、1カ月ちょっと後に控えているのだから、無理もないことかもしれない。それに加えて、Samsung(サムスン)やApple(アップル)など、多くのメーカーが、各社の都合で独自の発表を行うようになっている点も影響している。

すでに発売されているサムスンのGalaxy Foldや、やはりすでに発表されているHuawei(ファーウェイ)のMate Xなど、フォルダブルについても、会場のあちこちで多少は話題になるかもしれない。米国内のショーにファーウェイが登場するのは、控えめに言っても興味深い。この分野についての新しい発表は、ほとんどのメーカーがバルセロナまで控えるのではないかと思われる。

とはいえ、2020年には、ほとんど5Gだらけとなるだろう。各キャリアも、ようやくカバーエリアを市場全域に拡げてくる。この次世代のワイヤレステクノロジーは、携帯電話だけでなく、もっと幅広いデバイスに搭載されるのを期待していいだろう。

8Kとスマートで風変わりなカタチのテレビ

CESは、前々からホームエンターテイメントの重要なショーだった。主要な企業がこぞって参加して、人々が汗水たらして稼いだ金を使わせる方策を次々と打ち出してくる。今回は8Kが大きなテーマとなるはずだ。実際に消費者向けの8Kコンテンツを用意するのに苦労しているのは、また別問題だ。昨年は、LGの巻き取れるディスプレイなど、ユニークなフォームファクターの製品が登場した。今年はそれ以上に「コンセプト」といった言葉の使われ方に注意すべきかもしれない。

テレビというのは、GoogleやAlexaのようなアシスタントにとっても、事実上避けて通ることのできない領域の1つだ。また、どうやってスマートホームにうまく組み込むことができるかという課題もある。

スリープテック

指輪のように着けて寝ることで睡眠の質をモニタリングするOura Ring

昨年私は「心の健康がCESの中心的な話題となった」と書いた。さらに今年は、多くの企業が様々なテクノロジーを駆使して、スクリーンタイムのような利用制限に挑むことになるだろう。それが、スリープテックにも大々的に波及することが期待できる。ウェアラブルからスマートベッドまで、さまざまなスタートアップがユーザーの睡眠パターンをコントロールしようと競っている。

モビリティ

2015年9月に最初に公開されたMission Eコンセプトカーのインテリア

この分野には大きく2つの注目すべきものがある。1つはADAS(Advanced Driver Assistance Systems、先進的運転者補助システム)だ。このところ自動車メーカーは、自動運転車から、人間の運転者を効果的に補助することに目を向け始めている。完全な自動運転システムは、近年いわば暗礁に乗り上げた感もあるからだ。一方で、運転者の補助は、自動車メーカーにとっては良い機会であると同時に自動運転車を実現するための一歩としても意味がある。そして2つ目は、人間の声だ。音声による自然な対話が、エンターテインメントシステムだけでなく、ドライブ体験におけるさまざまな領域で重要な役割を果たすようになることが期待できる。

その他

Northのスマートグラス、第1世代のFocals

ウェアラブルは、エクササイズ用のバンドを超えて発展し、ECG(心電計)といった本格的な健康器具だけでなく、ヘッドアップディスプレイなど、身体の他の部分にも進出する。そこでは、ARやVRが重要な役割を果たすはずだ。やはりAppleやGoogleが、このカテゴリでの重要なプレーヤーには違いないが、小規模のハードウェアメーカーも、このカテゴリ内でそれぞれの得意分野を生かしてくるだろう。

また、ラップトップとタブレットのハイブリッド的な製品にも注目すべきものが登場する可能性がある。大麻とセックステックも、かなりホットな話題になるはず。これまでCESは、そうしたものを阻止しようとしてきた経緯があるのだが。また、ストリーミング戦争も、会場を大いに盛り上げるはずだ。

あ、そうだ。Ivanka Trump(イヴァンカ・トランプ)氏も、訳あって登場することになるだろう。よく知らないが、CESなのだから何でもアリだ。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

日本の抹茶とアメリカのミレニアル世代を繋ぐWorld Matcha

「僕はアメリカで抹茶の可能性を試したい。コーヒーの代わりとして次のエナジードリンクになる可能性が抹茶にはあるものの、現状ではまだカフェでしか飲まれていない状態だ」

そう話すのは、World Matchaの創業者でCEOを務める塚田英次郎氏。同社は抹茶の飲用機会を世界に広めることを目指し、現在、アメリカで挑戦している。

スタンフォード大学を卒業し、長年サントリーに勤めながら日本とカリフォルニアを行き来したという塚田氏は、心や身体の健康意識の高いアメリカの“ミレニアル世代”と日本が誇る“抹茶文化”は非常に相性が良いと確信し、彼らの「より健康的でよりサステイナブルな生き方をサポート」するべく、抹茶を誰でも簡単に自宅やオフィスなどで楽しめるようにするソリューションの「Cuzen Matcha」を開発している。

Cuzen Matchaはハードウェアの「Matcha Maker」と専用の碾茶(抹茶をひく前の茶葉)「Matcha Leaf」から成り、挽きたての“抹茶の濃い液体”である「Matcha-presso」が作られる。このMatcha-pressoはストレートで飲むことも可能だが、World Matchaではミルクにかけて抹茶ラテにしたり、炭酸水と割って味わうことも推奨している。

World Matchaの設立は2019年1月。それ以前、塚田氏はサンフランシスコのミッション地区に店舗を構える抹茶のカフェ「Stonemill Matcha」を立ち上げ、1日に700杯くらいの抹茶のドリンクが飲まれるほどの「大ヒット」を経験した。

塚田氏いわく、抹茶はアメリカでも「飲み物としての市民権は得られている」。だが、まだカフェなど“外”で飲むものとして認識されており、「なかなか家やオフィスには来ていない」(塚田氏)

そもそも、「Stonemill Matchaは抹茶の飲用を家庭やオフィスに広げていくために、ある意味では、旗艦店として展開していた」と塚田氏は言う。「だが、残念ながら、(抹茶の)粉が凄く売れたかというと、そういうわけではない」(塚田氏)

抹茶の粉が売れないのは“使い勝手の悪さ”も1つの原因だった。そのため、碾茶を使った美味しい抹茶がマシンを使い簡単に楽しめるCuzen Matchaを開発するに至った。

World Matchaは1月6日、毎年ラスベガスで開催されている家電展示会のCESにて、Cuzen Matchaが「CES 2020 Innovation Awards Honoree (イノベーション賞)」を受賞したことを発表。この賞は、デザインや機能性が優れているプロダクトに与えられる。

Cuzen MatchaはCESの前夜祭「CES Unveiled Las Vegas 2020」にて初公開され、1月7日から10日のCES開催期間中、展示されている。そして同プロダクトのプレオーダーも本日、開始した。

プレオーダーではマシンと茶葉をセットで販売している。サブスクリプションでの販売を行うかは未定だが、塚田氏は「碾茶は茶農家とお茶屋さんの間で取引されているため、基本的に流通していない。従って、僕らがきちんとブランドを作れば、僕らから買い続けてもらえる素材に成り得る」と言う。そしてBtoCもしくはBtoB、どちらを主軸としていくかは今後決めていく方針だ。

World Matchaは2019年12月には、プレシードラウンドで、総勢25もの匿名の投資家から約1億円を調達したことを発表した。

BMWがようやくAndroid Autoを採用へ

BMWは米国時間12月11日、ようやく2020年7月からAndroid Autoを同社の車に搭載することを発表した。これにより同社の車では、AppleのCarPlayと併せて利用できるようになる。

BMWによるAndroid Autoの最初のライブデモは、来月のCES 2020で行われる。その後、BMW OS 7.0を搭載した車で、20か国のドライバーに対するアップデートとして利用可能になる予定だ。ただし、BMWはAndroid Autoをワイヤレス接続でサポートするので、一般のものとまったく同じにはならない。

わずか2年前には、同社はAndroid Autoのサポートに興味がないと述べていた。当時、デジタルサービスおよびビジネスモデル担当の上級副社長だったDieter May(ディーター・メイ)氏は独占インタビューで「車内のインターフェイスを完全に掌握するため、自社の純正アプリにこだわっている」と語っていた。従って、BMWではAndroid Autoの採用に興味はないと。メイ氏はその後退社したが、Android Auto自体、その後の2年間で大幅に洗練されたものになったことも頭に入れておく必要があるだろう。

「Android Auto上でGoogleアシスタントを利用すれば、道順の検索も簡単で、人との連絡を保ち、生産性を維持できます。多くのお客様が、BMW独自の機能とサービスに加えて、Android Autoが車内で利用できるようになることの重要性を指摘しています。運転から気を散らすことなく安全に、多くの使い慣れたAndroidスマートフォンの機能が使えるようになるからです」と、BMWの製品管理担当の上級副社長であるPeter Henrich(ペーター・ヘンリッヒ)氏は、発表の場で述べた。

これによりBMWは、早くからAlexa、Cortana、そして独自にMicrosoft(マイクロソフト)のAIスタックの上に構築したBMW Assistantのサポートに手を出してきた後、ついにGoogleアシスタントもサポートすることになった。同社はずっと、一般に使われているデジタルアシスタントは、すべてサポートしたいと表明してきた。Googleアシスタントをサポートするには、少なくとも今のところ、Android Autoを利用するしかなかった。

BMWの場合、Android Autoは、BMWのInfo Displayと道順表示用のヘッドアップディスプレイに加えて、車のデジタルコックピットにも統合されることになる。これは非常に深い統合であり、現在ほとんどの自動車メーカーが実現しているものを超えている。

「BMWと協力して、来年には世界中のBMWのお客様に、ワイヤレスのAndroid Autoをお届けできることを楽しみにしています」と、Googleのエンジニアリング担当副社長であるPatrick Brady(パトリック・ブレイディ)氏は、述べている。「AndroidスマートフォンからBMWの車へのシームレスな接続により、お客様は、ご愛用のアプリやサービスへのアクセスを安全に維持したまま、車に乗り込んですぐに運転を始めることができるのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

CESがセックステック企業の出展を1年限定の試行として認可

毎年開催される消費者向け電子製品の展示会CES(Consumer Electronics Show)の主催団体CTA(Consumer Technology Association)が、遅まきながら時流に合わせようとしている。米国時間7月17日にCTAは、セックステックのスタートアップが健康とウェルネス(Health and Wellness)のカテゴリーに参加して賞を競うことを1年かぎりの試行として認めると発表した。

この決定の前の昨年には、CTAはセックステックの企業Lora DiCarlo(ローラ・ディッカーロ)と激しくもめた。CTAは、女性のGスポットとクリトリスを同時に刺激する、手を使う必要のない男性性器に似せた性具を作っている同社のイノベーション賞を取り消したが、5月にはそのことを謝罪して再び賞を与えた

CTAの執行副社長Karen Chupka(カレン・チャプカ)氏は、声明文で次のように述べている。「CTAは常に積極的に進化しており、差別のない、万人に歓迎される体験の創造を続けている。今回、多くのアドバイザーおよびパートナーと相談した結果、CESのポリシーをアップデートし改善することになった」。

さらにCTAは、各ブースのイベントコンパニオン(Booth Babes)を禁ずることになった。女性に限定しないために同団体はそれを、Booth Peopleと呼んでいる。

今回の発表で「ブースのスタッフは性的な露出のある衣料や、下着と見紛う衣類を着てはならない。肌の露出の多い衣料や、体や性器をぴったり覆う衣料を着てはならない」というルールが設けられる。

画像クレジット: Lora DiCarlo

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

CES 2019の主役はメンタルヘルスだった

先週ラスベガスのコンベンションセンターでは今年最大の新製品の数々が展示された。しかしここ数年、サンズ・ホテルが本当の魔法の起こる場所になった。ショウの中でユーレカ・パークと呼ばれる場所には、スタートアップやアクセラレーターが集結し、まだ数年先と思われる製品を披露するも多い。

ざっと見渡した限りでも、業界最大のトレンドが大きく取り上げられていた。昨年からの持ち越しも多かったが——スマートホームとウェアラブルが今回も支配的だった——今後数年間にテクノロジーが向かう先を予感させるものもあった。

この一年間に急上昇した大きなトレンドのひとつが、メンタルヘルスだ。睡眠、くつろぎ、集中、瞑想などの製品が立ち並び、5フィート歩く間に売り込みに合わないことは難しい。なかには、Museの瞑想・睡眠ヘッドセットのように見慣れた顔(少なくともわれわれには)もあったが、山ほどの新顔がそろった。

こうした製品の多くは、数年前大流行したフィットネス・トラッカーの拡張ともいえる。スタートアップたちは、まずわれわれに体を鍛えさせ、次に睡眠を監視し、ついには人の精神状態を追跡しようとしている。基本的脳活動などを追跡するセンサーの利用が容易になったことが、精神健康のコンセプトを推進する後押しになっている。

もちろんこれは価値ある大義である。この数年間、さまざまなテクノロジーの増殖によって、われわれの体と脳はかなり手荒い扱いを受けてきた。テクノロジーがそれを改善できたらすばらしいと思わないだろうか?

多くのケースで効果は明白。長年にわたる研究の結果、静かに座って瞑想しているだけで、ストレスレベルやメンタルヘルスが改善させることがわかった。そういう製品を使って習慣づけができるのはよいことだ。しかし、そこにはフィットネスよりもいっそう多くの詐欺商法が蔓延している。

ここは当然FDAが役割を果たし、検証されていない医学的効果を謳ってはならないことを徹底すべきだが、結局ほとんどの負荷は結局ジャーナリストと消費者にかかってくる。この分野では、プラセボ効果が重要な要素になってくる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

世界初の画面折りたたみ式スマートフォンがいよいよ現実になった

折りたたみ式スマートフォンの噂は何年も前からあったが、ついにそれが実現した。中国のRoyoleという企業がその製品FlexPaiを、今ラスベガスで行われているCESで展示している。ちょっとだけ、いじってみた。

スマートフォンとしても使えるし、小型のタブレットとしても使えるから、どちらかに決めつけることはできない。印象としてはタブレットサイズの方が使いやすそうだが、メーカーはフォーンと呼んでいる。開いたときの画面サイズは7.8インチで、Androidが動いている。

そのAMOLEDディスプレイを折りたたむと、半分サイズになる二つのスクリーンの間に小さなギャップがある。でもそれは、開いたときよりもかなり小さい。でっかいスマートフォンだけど、タブレットに比べればバッグなどにしまいやすい。

アメリカに住んでる人なら、このデバイスのデベロッパーバージョンを1300ドルですでに買える。OSはAndroidだが、ソフトウェアによる独自の機能がたくさんある。たたむと、すべてのコンテンツがスクリーンの片方へ移動する。その動きは、流れるようにとは言いがたいがまあまあだ。

折りたたみスマホ(“画面を折りたためるスマートフォン”)は、SamsungやHuaweiが話題としては先行したが、実物で先頭を切ったRoyoleはエラい! 今後同社は、これを自力で売るのか、それともどこかとパートナーするのか、その両方か? なお、今週の後半にはこの製品のビデオをお見せできるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

CES 2019:自動車運転車からロボット犬が降りてくる――Continentalが新宅配システムを発表

犬好きには朗報だ。タイヤ、自動車部品のメーカー、Continentalの新しいパッケージ配達システムでは最後のステップをロボット犬が担う。今日(米国時間1/7)、CES 2019の開催を明日に控えて、ContinentalはSF的な黒と黄色の自動車運転車とロボット犬を組み合わせた宅配システムを発表した。

クールでちょっとばかり人を驚かせる見た目だが、自動配達の安全性、効率性、適用範囲を大きく拡大しようという試みだ。パッケージ配送のラストワンマイルの前半はCUbE(Continentalアーバン・モビリティー・エクスペリエンス)と呼ばれるワンボックス型の自動運転車が実施する。この自動運転車は配送の最終段階を担当する多数のロボット犬を搭載している。つまりCUbEが家の前に停まるとロボット犬が降りてきてパッケージを玄関に届けてくれるわけだ。

Continentalのシステムズ・テクノロジー・シャーシー・セーフティー部門の責任者、Ralph Lauxmannはプレスリリースでこう述べている。

Continentalは戸口までのパッケージ配送全体をシームレスに実現するモビリティー・システムの実現を目指している。われわれはロボットと自動運転車を階層的に用いることにより、効率的な配送チームを実現できると考えている。双方とも電動かつ自律的に動作する。両者は同じテクノロジー・プラットフォーム上にあり、規模の拡大が容易だ。 目的達成のために各ステップごとに最適のテクノロジー・ソルーションを用いることはホーリスティックな未来型配送システムを実現する上で大きな効果が期待される。 このシステムを基盤としてさらに多様なバリューチェーンが展開できれるものと考えている。

このシステムがいつ、どのように実際に利用されるようになるのかは明らかではない。それでも印象的な未来像であることは確かだ。SegwayもCES向けに新型電動スクーターと無人配送ロボットを発表している。

画像:Continental

CES 2019 coverage - TechCrunch

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滑川海彦@Facebook Google+

イノベーションのためには携帯を捨てろ

われわれは今、過渡期を生きている。1980年代のはじめ頃には、デスクトップコンピュータの時代に入り、ドットコムの崩壊でクライマックスを迎えた。それは2000年問題に対応するためのコンサルティング料と、ハードウェアへの支出、さらにはPets.comなどの理不尽な繁栄に支えられた財政バブルだったのだ。その直近の過渡期は、コンピュータがより小さくより奇抜に、より薄く、そしてずっと強力になった時期だった。それは、長い退屈な時期を経て、われわれをモバイル時代へと導いた。それが今も続いている。次の10年間で革新を起こしたいのなら、以前のデスクトップPCがそうだったように、もはや携帯電話は行き止まりだということを認めるべき時が来ている。

われわれは、10年ごとに何かを創造しては、その後それを磨き続けることを繰り返している。その進歩の速度は増加しているものの、それは革新ではない。たとえば2007年のiPhoneと、現在のPixel 3との違いは信じられないほどだ。しかし、Pixelにできて、オリジナルのiPhoneやAndroid携帯にできないことが何かあるだろうか? あったとしても多くはない。

われわれは、現在の技術が可能にするユースケースに縛られている。1903年には、自転車は自転車であり、飛ぶことはできなかった。しかし、ライト兄弟や、その他の人々が、前進する機械的な動きから揚力を得ることに成功すると、われわれは離陸することができるようになった。2019年には、携帯は携帯であり、われわれと真にやりとりすることはできない。人間の体とは独立した部品に過ぎないからだ。そうした制限の先を見据える人が出てくれば、われわれは飛べるようになるかもしれない。

モバイル技術の未来を断定するつもりはないが、携帯電話を捨てて、この世界を見つめ直さない限り、注目に値するようなことは何もできないだろう、ということだけは言っておく。確かにきれいな写真が撮れるようになり、FaceTimeでやりとりできるようにはなった。しかし、そうした技術の限界に気付かなければ、それらの外の世界は見えてこないのだ。

もうすぐ新しい年(そして新しいCES)がやってくる。そしてまた、より多くの同じようなものがやってくる。画面−手−目の連携にとどまって、実質的に携帯電話を顔に押し当てるだけようなVRデバイスや、ほとんどテレビのようにしか見えない大画面のパソコンを作るのは、安全であり安心だ。しかし、その次に何があるのだろうか? そうしたデバイスはどこに行こうとしているのか? どのように変わるのか? ユーザーインターフェイスは、どのように凝縮され、形を変えるのか? そろそろ真剣に考えなければ、やがて身動きが取れなくなってしまうだろう。

たぶん、あなたはもう考えている。でも、急がなければならない。これまでもそうだったように、この時代も急激にガラッと変わるかもしれない。そうなれば、よく見積もっても得られるチャンスは限られる。なぜVRは軌道に乗らないのか? なぜなら、それはまだ辺境のものであり、モバイル思考に囚われた人たちによって探索されている段階だからだ。機械学習やAIの普及も、なぜこんなに遅いのか? それは、そのユースケースが、チャットボットと、より良い顧客応対に狙いを定めているからだ。われわれが、携帯電話の黒い鏡(この意味は分かるだろう)の向こう側に注目し始めなければ、イノベーションは失敗する。

起動するすべてのアプリ、スクロールするすべての写真、すべてのタップ、ダサいFacebookのちょっとした改良に期待して祈ることは、みんな予想を上回るより良い未来の到来に抵抗する砦を築くためのレンガなのだ。だから、来年こそは携帯から手を離して、何かを創ろうではないか。手遅れになる前に。

画像クレジット:Fuse/Getty Images

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

組み立てロボットキットのZiroはAlexaからもコマンドできる子ども向けロボティクス入門機

Ziro(ザイロ)は、子ども向けの、なかなか良くできてるプログラマブルなロボットで、昨年Indiegogoでクラウドファンディングに成功した。メーカーのZeroUIは、今でも新しい機能を加えつつある。

Ziroは、同梱のスマートグラブ(smart glove, 電脳手袋)でコントロールする。手のどんな動きでZiroに何をさせるかを、モバイルアプリで設定できる。たとえば手のひらを前に傾けたら前に進む、とか。

Ziroに、AmazonのAlexa*で命令できる。何を言ったら何をする、という音声コマンドも、ユーザーが設定できる。たとえば、手を振って、と言ったら、Ziroがユーザーの方を向いて腕を振ったりする、など。

Ziroがたくさん売れてユーザーのコミュニティができたら、いろんなロボットのデザインなどを共有できる。ネット上のフォーラムでみんなと話し合って、ボール紙製の恐竜やダンスを踊るロボットなどを作れるようになったら、楽しいだろうな。



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これはキーボードを弾きながらピッチベンドをかけられる指輪だ

今週のCESでは面白いガジェットを山ほど見てきたが、今も心に残っているはこれだ。

これはMIDIキーボードを演奏するときにはめる指輪で、手を振ったり鍵盤の上で指を滑らせてビブラートや音の強さを変えることができる。こういうものはビデオで見るのが一番だろう。

手のジェスチャーがサウンドを変化させているのをご覧あれ。ROLIのSeaboardというMIDIコントローラーを思い出させるが、これは標準MIDIキーボードで使える。

作ったのはフランスのEnhanciaという小さな会社。リングには9つのセンサーが組み込まれ、ジェスチャーを検出してキーボードに接続したハブに送信する。展示されていたプロトタイプは優先だったが、出荷時には完全ワイヤレスになるとEnhanciaのチームは言っていた。

3月にKickstarterに登場する予定だとEnhanciaは言っているが…残念ながら価格はまだ決まっていない。
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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Google、雨のためCESの屋外ブースを一時閉鎖。防水ではなかった!

われわれは今日(米国時間1/9)のCES開幕に先立ち、Googleのブースを内覧できるはずだった。しかし今ラスベガスは雨で、Googleの2階建て屋外CESブースは明らかに雨を想定していなかった。私の見立てではその防水IP等級は50前後だ。

現在ブースは閉鎖され、屋根とあらゆる電子機器部分にシートがかけられている。

通常であれば、さほどの大事ではないだろうが、これはGoogleにとって初めてのCES参加であり、この展示に向けて大きな思いと努力が注ぎ込まれていたことは間違いない。

ブースはラスベガス・コンベンションセンターの屋外駐車場に設置されており、滑り台のほかGoogleとパートナー各社が昨日発表した数多くのガジェットを披露するための広い展示スペースが用意されている。外壁の1面は巨大なビデオ画面になっている。どう見てもこれは安価な仕事ではなく、一日これを閉鎖することはGoogleの計画になかった事態であることは明らかだ。

この雨は午後まで止みそうにないので、ブースの中を見学できるのは明日になりそうだ。

念のために言っておくと、Googleはブースの閉鎖理由を「駐車場周辺の安全への配慮」のためと言っている。もっともわれわれは駐車場を問題なく横切ることができ誰に止められることもなかった。

明日またここへ戻って来てブース内のツアーをするとともに、本誌のTito HamzeがGoogleの特設スライドを滑り降りるところを見る予定だ。

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    Maker:0x4c,Date:2017-9-5,Ver:4,Lens:Kan03,Act:Lar01,E-ve

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Kuboは、子供たちにプログラミングを教えるロボット。Indiegogo募集中

今年のCESでは山ほどの新製品を見てきた。しかし、中でもわれわれの目を捕えたのはKubo、子供たちにプログラミングを教えるロボットだ。

Kuboは実にシンプルなロボットだ。大きさはジュースの缶くらいで車輪が2つついていてデスクやテーブルの上を動き回る。そして高度な身体能力に欠ける部分は頭脳が補う。

Kuboには独自のプログラミング言語、TagTileがある。この言語はKuboに命令を与えるパズルピースからなる。例えば、次の3つのピースを並べる ― 前進、ターン、前進。するとKuboはピースの上を一度走って命令を「学習」し、記憶した後はピースなしで実行する。

KuboはパズルピースをRFID技術を使って読み取る。それぞれのピースにはRFIDタグが埋め込まれていて、Kuboはリーダーを内蔵している。

単純そうに思えるだろうが、子供たちに画面を見せることなくプログラミングの基礎を教えるにはなかなかいいやり方だ。

TagTile言語には拡張パックもあり、プログラミング以外にKuboを使ってスペリングや足し算引き算を教えることもできる。例えば家の絵の描かれたピースと、H、O、U、E、Sの文字のピースを並べる。Kuboはまず家のピースの上を通り、houseのスペリングだと理解し、次にそれぞれの文字の上を走っていく。間違った文字を見つけるとストップして子供に注意を促す。

現在KuboはIndiegogoで169ドルで募集中。開始数時間で目標金額の40%を集めた。本来私は、実際に出荷する前にクラウドファンディングしている製品を紹介することには抵抗があるのだが、数週間前にCESでこれの完動品を見ている。会社は「すでに生産に入っている」と言っており、2017年春の出荷を予定している。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

2017年ハードウェア・バトルフィールドの勝者は…Siren Care

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ハードウェア・バトルフィールド第4回の競争は非常に厳しかった。13組の驚くほど優れたハードウェア・スタートアップが、誰もが欲しがるメタルマン・トロフィーの獲得を目指して競いあった。

参加チームはSands Expoのステージで複数グループの審査員を前にして発表するという、非常に特別なCES体験を味わった。スタートアップたちは5万ドルの賞金とハードウェアバトルフィールド勝者の名を賭けて戦った。

慎重な審査を重ねた結果ファイナリスト4組が決定した。妊婦のためのウェアラブル機器、 Bloomlife、建築現場のためのスマート・センサー、Pillar、衣類に電子センサーを織り込む、Siren Care、および錠剤識別装置のStratioの4つだ。

この4組が、最終審査団の前でデモを行うフィナーレへの切符を把んだ。審査員は、CyPhy Worksファウンダー・CTOのHelen Greiner、米国特許商標庁審査官、Michelle K. Lee、Intel Capitalのプレジデント、Wendell Brooks、およびTechCrunchシニアエディターのMatt Burnsが務めた。

TechCrunch Disrupt NYのスタートアップ・バトルフィールドは来月申し込み受付を開始する。本誌のスタートアップ・バトルフィールド・ページで詳細を読んで無料申し込みしよう。

それでは、TechCrunchハードウェア・バトルフィールド2017の勝者を発表する。

最優秀賞:Siren Care

Siren Careは人の健康状態をモニターするために、衣服に電子センサーを織り込む。最初の製品は糖尿病患者のために足の温度変化を追跡する靴下で、不調が始まったことをいち早く検知して医者に診断してもらうのに役立つ。

Siren Careを紹介した本誌記事に詳しく書かれている。

次点:Bloomlife

Bloomlifeは、妊婦のためのウェアラブル機器で、妊婦が陣痛の状態を追跡しやすくする。今後はデータの種類を増やし、妊娠中に身体が発する様々な信号を妊婦が理解するのを助ける。

詳細はBloomlifeの本誌個別記事で読まれたい。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

CESで開催した本誌のHardware Battlefield、妊娠中の陣痛管理など4社のファイナリストが決定

metalman

これまでの二日間、13社のスタートアップが本誌TechCrunch主催のHardware Battlefieldのステージに立った。そして今、本誌の編集部は専門家の審査員(すごーく専門家だ!)と共に熟考を重ね、優勝賞金5万ドルと、メタルマン(Metal Man)という愛称で呼ばれているトロフィー(上図)を争う4社のファイナリストを選んだ。

決勝のプレゼンテーションは明日(米国時間1/7)、太平洋時間午後2時から行われ、本誌へライブでストリーミングされる。そのときCESにいる人は、Sands Expoのエントリーホールに来れば実際のステージを見られる。

以下が、そのファイナリストたちだ:

BloomLife

BloomLifeが作ったデバイスは、妊婦が陣痛に正しく対応するために使う。今後はもっと多くのデータを加えて、妊娠中に体が発するすべての信号を正しく理解できるようにすることが、同社の目標だ。

Pillar Technologies

Pillarは、建設現場のためのスマート・センサーを開発した。それを使って建設会社と保険会社は、火や水による被害の危険性や、型枠の損傷などをチェックする。そのセンサーは靴箱よりも小さく、現場の至るところに設置できる。

Siren Care

Siren Careは、センサーを衣類に織り込んで人の健康をモニタする。最初の製品であるソックスは、体温の変化を調べて糖尿病を診断する。状態が悪いことを検出したら、病院へ行くことをすすめる。

Stratio

Stratioが作ったポータブルなデバイスは、錠剤が何の錠剤であるかを数秒で当てる。そのデバイスは超高感度なセンサーを使って、錠剤の“光学的フィンガープリント”を検出する。それは各錠剤が光に反応するときの、他と違う独自の特性だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Withingsとロレアル、マイク内蔵のスマート・ヘアブラシを開発

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あらゆる物がCESに行き着いたとわかるのはどんな時か? スマート・ヘアブラシが出てくるようになれば、かなりその兆候は強い。これまでに発売された数多くのつながった歯ブラシと同じく、Kérastase Hair Coach Powered by Withingsは、アーリーアダプターを相手に、さらにつながりが深まっていくこの世界で、能なしの古い製品はもうついてこられないことを説得しようとしている。

この奇抜な美容製品はいくつものセンサーを内蔵していて、ユーザーの髪を定量的に分析する。「L’Oréal の研究者らのレポートによると、強すぎるヘアブラッシングが髪にダメージを与えることは証明されており、切れ毛や枝毛の原因にもなる」。この研究結果に反論することは難しい。

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内蔵マイクはブラッシングのパターンを聞き取るように作られており、「扱いやすさ、縮れ具合、乾燥度、枝毛、切れ毛等を見抜く」。頭皮に与えられた力を測定するためのセンサーや、加速度計、ジャイロスコープ等によってブラッシングのパターンを分析し、導電センサーが湿気を測定する。

データはすべてBluetooth経由で対応アプリに送られ、湿度、温度、風力等の環境データと相互参照することによって、助言を与えたり、「髪質スコア」を提供したりする。

このブラシは本気で小売を目的としているようで、今年中頃に200ドルで販売される予定だ。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

HPの3Dスキャン機能のあるオールインワンPC SproutがSprout Proになって教育や企業ユースをねらう

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ついにHP Sproutの時代がやってきたようだ。2014年の晩(おそ)くに発表された、この、3Dスキャンのできるオールインワン機は、一部の人の好奇心に訴えるだけで、とても本格的な商品とは思えなかった。でもそれからの二年間、VRやARデバイスの相次ぐ登場に押されて同社のハードウェア部門は、3Dの創作と消費に向けて本格的な普及推進活動を展開してきた。

もうひとつ忘れてならないのがMicrosoftだ。今年(2016)前半の同社はWindows 10 Creators UpdateとSurface Studioのローンチに全勢力を傾け、それらの製品には、まるで3Dをこれまでの傍流から主流に昇格させたいと思っているような、‘本気’が感じられた。

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そこで今回HPは、この系列の第二世代製品、Sprout Proを今日(米国時間1/3)発表した。そのユニークな形は前と同じで、3Dスキャナーとプロジェクター、そしてタッチ入力用のマットがある。

しかし、狙う市場は最初のバージョンと違うようだ。処理能力が大きくなり、3Dスキャンと高解像度のプロジェクターは改良され、主に教育や企業での利用、それにキオスク店や製造業もねらうようだ。

発売は3月とされているが、価格は未公表だ。最初のバージョンが1600ドル(3Dプリンターなどいろいろな付属品つき)だったから、今回もそのあたりだろう。〔このHPサイトでは、2199.99ドル(およそ2200ドル)となっている。〕

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HPの3Dスキャン機能のあるオールインワンPC SproutがSprout Proになって教育や企業ユースをねらう

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ついにHP Sproutの時代がやってきたようだ。2014年の晩(おそ)くに発表された、この、3Dスキャンのできるオールインワン機は、一部の人の好奇心に訴えるだけで、とても本格的な商品とは思えなかった。でもそれからの二年間、VRやARデバイスの相次ぐ登場に押されて同社のハードウェア部門は、3Dの創作と消費に向けて本格的な普及推進活動を展開してきた。

もうひとつ忘れてならないのがMicrosoftだ。今年(2016)前半の同社はWindows 10 Creators UpdateとSurface Studioのローンチに全勢力を傾け、それらの製品には、まるで3Dをこれまでの傍流から主流に昇格させたいと思っているような、‘本気’が感じられた。

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そこで今回HPは、この系列の第二世代製品、Sprout Proを今日(米国時間1/3)発表した。そのユニークな形は前と同じで、3Dスキャナーとプロジェクター、そしてタッチ入力用のマットがある。

しかし、狙う市場は最初のバージョンと違うようだ。処理能力が大きくなり、3Dスキャンと高解像度のプロジェクターは改良され、主に教育や企業での利用、それにキオスク店や製造業もねらうようだ。

発売は3月とされているが、価格は未公表だ。最初のバージョンが1600ドル(3Dプリンターなどいろいろな付属品つき)だったから、今回もそのあたりだろう。〔このHPサイトでは、2199.99ドル(およそ2200ドル)となっている。〕

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インソールを作っているDigitsoleから本格的なネット接続型スニーカー、靴底の各部にかかる圧力をチェックする

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Digitsoleといえば、誰もが知っているのがあの、インターネットに接続される加温式のインソールだ。今年のCESで同社は、靴用のインナーの専門家として、とても意欲的な製品を披露した。今回の製品はインナーではなくて、靴そのものだ。

名前は“The Active Cushioning Run Profiler”となっていて、とてもAir Jordanと張り合うつもりの製品ではなさそうだ。実物はまだ見てないが、最高にセクシーなスニーカー、というわけでもない。

でもそんなことは、この製品にとってどうでもよいことだ。靴本体を発売するのも、今回が初めてではなく、過去のCESでは、自動靴紐結びタイプの、異様にかさばったスニーカーを出品したこともある。本気で売る気を見せているのは、今回が初めてだと思うが、発売予定は“年内”、という漠然とした発表だ。

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機能はとても多くて、靴底各部のクッション性を調節できるから、ユーザーはそれらを自分がいちばん走りやすいように設定できるし、衝撃による傷害も防げる。やりすぎ、という気もするが、同社は、これは三年がかりの開発努力の成果だ、と言っている:

NeoTechのマイクロセルポリマーを採用して、中底の場所によって硬度を変えられる。そのために必要なエネルギーは、ごくわずかだ。

‘場所によって’というのは、足の裏を5つのゾーンに分割してそれぞれに圧力センサーを置き、それらに加わる力を検出する。CESの会場で現物デモをやるはずだから、そこでは、具体的にもっとよく分かるだろう。

走ったスピード、距離、歩数、消費カロリーなど、フィットネスの標準的なメニューもある。また疲労を自動的に検出するから、練習のしすぎを防止できる。

さらにもっと凝っているのは(上記だけでも十分に凝っているが)、アプリに音声によるコーチ機能があることだ。フィットネス用のヘッドフォーンにもそんな機能があるが、とにかくスマートフォンをわざわざ取り出さなくても、エクササイズのヒントとか、いろんな情報を音声で教えてもらえる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))