Alexaで慈善団体に寄付できるようになった

2018年のサイバーマンデーに史上最大の売上を記録したAmazonは、Alexaオーナーが「ギビングチューズデイ」に簡単に参加できるようにした。これは感謝祭セールの買い物熱冷めやらぬ中の国際的慈善寄付の日だ。今日からAlexaオーナーは、”Alexa, donate to ‘Toys for Tots'” というだけで子供たちにおもちゃを贈れる

このコマンドを言うと、Alexaはさまざまな年齢の子供たち向けの手頃価格なプレゼントを提示する。

慈善団体が用意したリストには、ミッキーとミニーのぬいぐるみやナーフのフットボール、ボードゲームのモノポリーなどいろいろなおもちゃが集められている、とAmazonは言っている。

ユーザーが注文を確認すると、AmazonはToys for Totsに直接商品を発送する。通常の注文と同じく、配送の追跡も可能でAlexaに “where’s my stuff?” と声をかけるか、Alexa Shopping Notificationsに登録すればよい

Amazonは2018年12月31日まで、最大10万ドルのマッチングドネーションも行っている。

これはまさしく、いちばん簡単なお返しの方法で、これまでになかったものだ。

Amazonは、Alexaプラットフォームを寄付に使うのはこれが初めてであり、成功すれば将来も同様の取り組みを行うつもりだと言っている。

「Alexaはこのホリデーシーズンに報いるいちばん簡単な方法として、顧客がToys for Totsに60秒以内に商品を寄付できるようにした」とAlexaショッピング担当VP Chuck Mooreが声明で言った。「みなさんの惜しみない愛情のおかげで明るい時期を迎えることができた。Alexa Shoppingの発展とともに、Amazonは顧客が自分のためだけでなく、広いコミュニティーのニーズにも答えられるよう、さまざまショッピングニーズを満たしていきたい」

Amazonは、Toys for Totsとの連携以外にも、自分の選んだ慈善団体への寄付金にも対応している。Alexaオーナーは “Alexa, I want to make a donation” と言えば手続きが始まる。

ちなみにAmazon.comは小売業として、Charity Listsという非営利団体向けの新機能を今年公開した。これはユーザーがAmazonで買い物をするたびにAmazonが慈善団体に寄付するAmazonSmileプログラムの一環で、非営利団体は自分たちが必要としている項目のリストを作ることができる。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Dell基金、ハリケーン被災地に3600万ドルを寄付

テキサス州をハリケーン被害から救うべく、Michael Dell、Susan Dell夫妻はIT業界を率先して行動している。夫妻はふたりの基金を通じて3600万ドルを被災地に寄付した。

この金額は、この災害に向けられた寄付の中で最高だ。通常の寄付、1800万ドル、同額の上乗せ1800万ドルを合わせて3600万ドルが贈られた。

「妻と私はこの重要な事業に3600万ドルを提供する。半額をこの基金の立ち上げに使用し、今日から9月4日深夜まで、寄付上乗せキャンペーンを実施する。期間中、寄付金2ドルにつき1ドルを基金が上乗せする」とDell夫妻が基金ウェブサイトのブログに書いた

目標は、嵐に襲われた人々のために個別の寄付とDell基金の上乗せを合わせて1億ドルの募金を集めることだ。

Dell夫妻は共にこの被災地テキサスで育った。「この災害はテキサスにルーツのある人なら誰でも他人事とは思えない。私たちは共にテキサスで生まれテキサスで育った。Michaelの育ったヒューストンの町は今水の底に沈んでいる」とブログに書いている。

Dellは15年前に基金を設立し、都市部の貧困地域に住む子供たちを世界規模で支援するために、教育と医療に注力してきた。同基金はパートナー組織と協力して、これまでに13.8億ドル以上の資金を供出してきた、と基金のウェブサイトに書いてある。

Michael Dellは、1984年にオースチンのテキサス大学学生寮の一室でDell Computerを設立したことで知られている。その後、企業向けハードウェアとソフトウェアで数十億ドル規模の大企業にまで成長した。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

重度のアレルギーに苦しむショーン・パーカー、アレルギー研究センター建設に2400万ドル寄付

Napsterの共同ファウンダー、Facebook初代CEOにして大株主のビリオネア、ショーン・パーカーは小さいときから重度のアレルギーと喘息に苦しんできた。ピーナツに触れた食べ物を知らずに食べて救急病棟に運び込まれた回数は文字通り数えきれないほどだという。 私の電話インタビューに対してパーカーは「結婚してからだけでも14回入院している。ピーナツ、アボカド、甲殻類、全部ダメだ。大学4年のときには集中治療室に3週間も入院した」と語った。

アレルギーには遺伝子が関係していることは2児の父であるパーカーには大いに気がかりな問題となった。そこでパーカーはアレルギーの原因解明と治療法の開発のためにスタンフォード大学に個人として2400万ドルを寄付することにした。

この資金はスタンフォード大学にショーン・N. パーカーアレルギー研究センターを建設するために使われる。アメリカにおけるアレルギー研究のための寄付としては過去最大となるそうだ。

全人類は30から40%がなんらかのアレルギーを持っていると推定されている。 全米アレルギー、喘息、免疫学アカデミーの調査によると、世界の小学生のアレルギー率は40から50%に近づいているという。

アレルギーに悩んだパーカーはFacebookで友達になったシェリル・サンドバーグに紹介してもらい、アメリカにおけるアレルギー治療の最高権威の一人、Kari Nadeau博士に相談した。しかしNadeau医師でもパーカーに完全な答えは与えられないことがわかった。

「食物アレルギーを持つ人の25%はアナフィラキシーショックで少なくとも1度は死にかけています。現在FDA(食品医薬品局)に承認された治療法は存在しません」とNadeau博士は言う。

現在の治療法は、患者にアレルギーの原因物質をアナフラキシーショックを起こさない程度の微量与えるというかなり危険度の高いものだ。繰り返しアレルゲンを与えることによって患者の免疫システムがこの物質を無視するようになることを期待するわけだ。この減感作療法はいつも成功するとは限らない。また成功した場合でもその理由は不明だ。実際、なぜ人はアレルギーになるのか、アレルギー患者が増えているのはなぜなのかも分かっていない。そもそもアレルギーについて分かっていることはほんのわずかしかない。パーカーはNadeau博士他の専門家が分子レベルでアレルギーのメカニズムを解明してくれることを期待している。

私自身、パーカーのアレルギーほど重症ではないが枯草熱の持病があることを話した。「きみの枯草熱も、結局は免疫システムの問題なんだ。基本的には同じ原因だ。特定の物質が体内のタンパク質と特異的に結合する。研究によってそのブラックボックスを開いて欲しいんだ」とパーカーは語った。

パーカーはこの寄付がかなり風変わりであることを認める。「むしろベンチャーキャピタルのアプローチに近いだろう。スタートアップに投資するのと同じ戦略だ。優秀なチーム、適切な環境、正しいタイミングを見極める必要がある。治療法の研究でも同じことだ」。

パーカーが医療分野で寄付をするのはこれが初めてではない。ガンの研究に2000万ドルを寄付しているし、マラリア・ノー・モア運動の寄付集めを手助けしている。またeシガレットのスタートアップ、NJOYはパーカーらから10億ドルの資金調達を行っている。

パーカーは「新センターは5年から10年で新しい治療法を発見できると思う。ある程度進捗したらスタンフォードから世界へ臨床治験を広げたい」と語った。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+