アメリカのQ1ではインターネット接続の新規契約は携帯より自動車の方が多かった

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アメリカには昔から何千万という携帯電話ユーザーがいる。われわれは時折デバイスを買い換えたり、データプランをアップグレードしたりする。しかしその場合でもわれわれはすでに携帯電話を持っており、携帯でのインターネット接続を契約ずみなのが普通だ。しかしインターネット接続を新たに販売するターゲットが品切れになったわけではない。キャリヤの次の狙いは自動車だ。2016年の第1四半期に新規に契約されたインターネット接続のうち、3分の1は自動車が占め、件数でトップとなった。

モバイル産業のコンサルタント、Chetan Sharmaのレポートは、新規にインターネットに加わった自動車の台数は新規の携帯電話の契約数より多いとしている。なおタブレットの純増数は前年を下回った。アナリストによれば、アメリカでのスマートフォン普及率は84%となっており、新規契約者からの売上は事実上ゼロに近くなっている。しかし自動車のインターネット化は比較的新しい現象でまだ進展中だ。メーカーもショップも自動車のインターネット化に全力を挙げている。

800万台の自動車がAT&Tのネットワークに加入しており、Chetan Sharmaによれば「おそらくモバイル・キャリヤで最大の台数」だという。AT&Tの新規の自動車契約件数は他のキャリヤにおける契約をすべて合わせたより多い。AT&Tは自動車間通信、テレマティクス、エンターテイメント・アプリ、ソフトのOTA(携帯無線)アップデート、4G、 LTEホットスポットなど自動車向けのありとあらゆるサービスを提供している。

一般ユーザーは自分の車がインターネット接続可能であるかどうかを知らない場合もある。この春、ロンドンの調査企業、TNSとBearingPoint Instituteがヨーロッパの3700人のドライバーを対象に調査した結果では、10人に4人は所有する自動車にインターネット接続能力が備わっていることを知らなかった。残る6割のユーザーは自動車のインターネット機能は車種を選ぶ際の基準の一つになると答えている。また32%がインターネット接続は「購入に影響する重要な基準に含まれる」と回答した。一方では車種を選ぶ際にインターネット接続ができるかどうかを検索するユーザーも多いが、最近の自動車には接続機能がビルトインされていることを知らないユーザーもまだ多数いるようだ。

TNSの調査によれば、回答者の半数は自動車を購入する際にディーラーで担当者からインターネット機能の説明を受けている。しかしインターネットに関してディーラー担当者の知識がユーザーとほとんど変わらないという不満も多い。TNSは「ディーラーにおけるインターネットの接続機能、利用方法の説明は購入を決める上で非常に重要」と結論している。自分たちの持つ車のインターネット機能を知らないという4割もの人々にこのことは特に当てはまるだろう。

〔日本版〕Chetan Sharmaのレポートは記事中で引用されている部分以外にもアメリカのインターネット市場に関して興味あるデータを掲載している。スライドの10枚目以降が一見してわかりやすいグラフ。スライドは全画面に拡大表示できる。引用されているスライドは16枚目で、新規契約純増では自動車が32%、携帯が31%、タブレットが23%、機器間通信(M2M)が14%となっている。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+