米政府がロシアのカスペルスキーを「国家安全保障上の脅威」と認定、チャイナ・モバイルやチャイナ・テレコムも追加

米政府がロシアのカスペルスキーを「国家安全保障上の脅威」と認定、チャイナ・モバイルやチャイナ・テレコムも

Sergei Karpukhin / reuters

米連邦通信委員会(FCC)は25日、ロシアの情報セキュリティ企業Kaspersky Lab(カスペルスキー)を「国家安全保障上の脅威」に認定したことを発表しました。FCCによってロシア企業が「米国の国家安全保障に受け入れがたいリスクをもたらす」リストに加えられたのは、これが初めてのことです。

カスペルスキーは、China Mobile(中国移動通信)やChina Telecom(中国電信)とともに、25日付けでリストに追加されています。このほか、中国ZTEやHuaweiもリストに含まれており、全8社の名前が並んでいるかっこうです。

このリストで名指しされた企業の製品については、米国内の企業はFCCが運営するユニバーサルサービス基金(USF)を使って購入することが禁じられます。この基金は低所得者層や農村部、離島など採算が合わない地域でも、都市部と平等に通信サービスを受けられるようにする補助金であり、今回の措置が大手企業に与える影響の範囲は限定的と見られています。

FCCのBrendan Carr委員は「FCCは、我が国の通信ネットワークの安全確保に重要な役割を果たしており、対象リストを最新の状態に保つことは、そのために自由に使える重要な手段である」と表明。さらにカスペルスキーを含めた3社をリストに加えることを「スパイ行為やアメリカの国益を損ねようとする中国やロシアの国家支援団体による脅威から、我々のネットワークを守るのに役立つだろう」と説明しています。

この決定に対してカスペルスキーは、失望したとの声明を発表。「カスペルスキー製品の技術的評価に基づいておらず、政治的な理由によるものだ」との趣旨をコメントしています。

米国内でカスペルスキー製品に規制が課されたのは今回が初めてではなく、2017年末にも米トランプ政権が政府機関全体での使用を全面的に禁止する大統領命令を出しています。それを受けてカスペルスキーは評判を毀損し、営業を妨害されたとして米政府を相手に訴訟を起こしていました

また、今回の件に先立ちドイツの情報セキュリティ当局も、ロシアによるウクライナ侵攻が続くなか、カスペルスキー製品を使うことは「相当程度」のサイバーリスクがあるとして、利用を控えるよう警告していました。日本政府も同じような対応を取るのか、注視していきたいところです。米政府がロシアのカスペルスキーを「国家安全保障上の脅威」と認定、チャイナ・モバイルやチャイナ・テレコムも

(Source:FCCBleepingComputer。Via AppleInsiderEngadget日本版より転載)

AlphabetのLoonとSoftBankのHAPSMobileによる成層圏ネットワーク構想に世界的大企業が続々参加

Alphabetの高高度気球企業Loonと、SoftBankの子会社で成層圏にグライダーを飛ばすHAPSMobileが率いる、全業界的企業連合が、高高度の送受信メカニズムを利用するネットワーク接続のスタンダードと関連技術を開発していくことになった。

これは両社が2019年4月に結んだパートナーシップの拡張で、Loonが使用するネットワークハードウェアが、HAPSMobileの長翼成層圏ドローンと互換性を持つことになる。両社はもっと多くのメンバーを歓迎しており、すでにAirbusの防衛および宇宙部門やBharti Airtel、China Telecom、Deutsche Telekom、Ericsson、Intelsat、Nokia、HAPSMobileの親会社SoftBank、Telefonicaなどが企業連合に参加している。

この企業連合はHAPS Allianceと呼ばれ、HAPSはHigh Altitude Platform Station(高高度プラットホームステーション)の頭字語だ。目的は技術の利用を宣伝するとともに、この技術を利用しようとする市場で規制当局と協力することだ。彼らが共同してネットワークの相互運用性のベースとなる共通の規格を開発し、企業連合各社が互いに衝突や妨害をしないような成層圏の利用技術ないし相互監視技術を作り出す。

現在のメンバーが増えたグループには、世界で最も強力なネットワーク事業者や、ネットワークインフラストラクチャの重要なプレーヤー、それに航空宇宙企業が含まれている。これだけ揃うことで、成層圏ネットワークに何か重要なことが起きると期待される。成層圏は地球に近く、人工衛星を利用するインターネット接続と比べてアドバンテージがあり、また困難な地形や狭い圏域など、地上基地局の不便さもない。

この動きをきっかけに、未来の携帯電話やインターネットの接続は、高い空を飛ぶ自律的な基地局が提供することになるのだろうか。現時点ではどこまで普及するか不明だが、現在、すでにそうそうたるメンバーが企業連合に参加しているだけに、実現性は高いと感じられる。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa