サーバーレスやコンテナなど多様な実行環境でライブデバッグを提供するRookout

サーバーレスコンテナなど、さまざまな環境のためにデバッグサービスを提供しているRookoutは米国時間8月7日、シリーズAで800万ドル(約8億5000万円)の資金を獲得したと発表した。その資金は、デバッグ以外の新しい分野の開拓に当てられる予定だ。

このラウンドはCisco Investmentsがリードし、従来の投資家TLV PartnersとEmergeが参加した。またGitHubのCEOであるNat Friedman(ナット・フリードマン)氏やLaunchDarklyのCTOで共同創業者のJohn Kodumal(ジョン・コデュマル)氏、Codecovの収益担当副社長であるRaymond Colletti(レイモンド・コレッティー)氏らも参加した。

Rookoutの共同創業者でCEOのOr Weis(オー・ウェイス)氏は「Rookoutは創業の時点から、すべてのプラットホームにプロダクションレベルのデバッグサービスを提供している」と語る。そして彼の言うすべてのプラットホームとは、AWS Lambdaのようなサーバーレスの環境やコンテナとKubernetesの環境、Google App EngineやAWSのElastic BeanstalkのようなPaaS環境などのことだ。

同社は単純にデバッグサービスを提供するだけでなく、バグが起きているプラットホーム内部への可視性も提供する。バグは基本的に短命な現象だから、その可視化はかなり難しい技術だ。声明でウェイス氏は「昨年我々は、顧客がRookoutのコードレベルのデータ収集機能のまったく新しい利用方法を見つけていることを発見した。そこで我々は、弊社のコードレベルの観察機能とパイプラインの多様な使われ方に対応し、それらをサポートし、強化する必要性に迫られた」とコメントしている。

ここで特に印象的なのは、Ciscoのような古参のベテラン企業がRookoutへの投資に積極的に関わっていることだ。Ciscoのグローバル企業開発担当副社長であるRob Salvagno(ロブ・サルヴァグノ)氏はRookoutのデベロッパーフォーカスを賞賛して声明中で「デベロッパーはエンタープライズのIT関連支出の鍵を握っている。Rookoutを利用すると再デプロイせずにオンデマンドでデータを収集できるから、同社のそのようなデベロッパー中心型のソフトウェアはプロダクションレベルの面倒なデバッグを単純化し、デベロッパーの効率性を増し、そしてITのOpsとDevの間に存在する軋轢を軽減する」と述べている。

2017年にローンチしたRookoutはサンフランシスコとテルアビブにオフィスがあり、社員数は20名だ。これまでに1200万ドルあまりを調達している。

関連記事:AWS LambdaのサーバーレスのコードをライブでデバッグできるRookoutのデバッグツール

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

SoftBankのVision FundがCohesityのハイパーコンバージドデータプラットホームへのシリーズD$250Mの投資をリード

サンノゼのエンタープライズソフトウェア企業Cohesityが、SoftBankのVision Fundが率いる応募過多のシリーズDラウンドで2億5000万ドルを調達し、その調達総額が4億1000万ドルに達した。同社は、プロダクションアプリケーションの外に発生する二次的データをすべて保存し管理するための、ハイパーコンバージドデータプラットホームを顧客に提供している。

今日(米国時間6/11)のプレスリリースで同社は、SoftBankの巨大なVision Fundがエンタープライズソフトウェア企業に投資するのは今回でわずか二度目だ、と言っている。総サイズ約1000億ドルと言われるこのファンドは、今後の投資計画を除外して言えば、2017年の9月にエンタープライズメッセージング企業Slackへの同じく2億5000万ドルの投資をリードしている。

Cohesityはハイパーコンバージドセカンダリーストレージ を、パブリックおよびプライベートなクラウドにまたがる、エンタープライズのインフラストラクチャのもっと大きな変容を目指す第一歩として開拓した。SoftBank Investment AdvisersのシニアマネージメントパートナーDeep Nisharは、この投資を支持する声明の中で、こう述べている: “CohesityのWebスケールでGoogle的なアプローチと、クラウドネイティブなアーキテクチャ、そしてそのとてつもない単純性は、ITのビジネスを抜本的に変えようとしている”。

今回の投資にはCohesiveの既存の戦略的投資家たちも参加している。それらは、Cisco Investments, Hewlett Packard Enterprise(HPE), そしてMorgan Stanley Expansion Capital, 初期の投資家であるSequoia Capitalらも参加した。

同社によるとこの投資は同社の今後の“大規模なグローバル展開”に充てられ、同社プロダクトのコストメリットや、複数の別々の点的ソリューションを一点に統合することによる大きな節約効果を、もっと多くのエンタープライズに訴求していきたい、としている。顧客獲得のためのもうひとつの重要な訴求が、同社の戦略的投資家であるCiscoやHPEからのサポートがある、という点だ。

Cohesityによると、最前の二つの四半期で200社以上の新たなエンタープライズ顧客が増えた。それらは、Air Bud Entertainment, AutoNation, BC Oil and Gas Commission, Bungie, Harris Teeter, Hyatt, Kelly Services, LendingClub, Piedmont Healthcare, Schneider Electric, San Francisco Giants, TCF Bank, U.S. Department of Energy(合衆国エネルギー省), U.S. Air Force(アメリカ空軍), などだ。年商は、2016年から2017年にかけて600%増加した。

同社のファウンダーでCEOのMohit Aronは、こう述べている: “私のビジョンはつねに、エンタープライズにクラウドのような単純性を提供し、彼らの複雑に断片化しているアプリケーションやデータをシンプルに統一することだった。そうすれば、バックアップでもテストでも開発でもアナリティクスでも確実に同じデータが使われていることが保証され、IT全体の費用効率と質が向上する”*。〔*: これがハイパーコンバージド(超収束)のキモである。統一には、ハードウェアの統一も含まれる。参考記事。〕

“Cohesityは過去12か月で業績に大きな勢いがつき、マーケットシェアも伸びた。まだスタートしたばかりの企業なのに〔創業2013年〕”。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa