コロナ禍で増える悪質な広告を撃退するClean.ioが5.3億円を調達

ウェブサイトを悪質な広告から守るClean.ioがこのほど、シリーズAで500万ドル(約5億3000万円)を調達した。

メリーランド州ボルチモアにある同社は、マルバタイジング(malvertising、悪質な広告、ビジターを他のサイトへ強制的にリダイレクトする広告など)と戦う唯一の企業ではない。しかし共同創業者のSeth Demsey(セス・デムジー)氏による2019年の言葉によると(未訳記事)、Clean.ioは「悪質なJavaScriptを見つけるだけでなく、それをロードした者を同定できる」という。

CEOのMatt Gillis(マット・ギリス)氏は今週のメールで、「敵は絶えず進化している」といっている。

「ウイルスの撃退もコンスタントに定義をアップデートして保護を改良しなければならないが、我々も同じく、常に悪者たちが見つからないための努力を重ね、壁を乗り越えようとしていることを忘れてはならない」とギリス氏は述べている。

現在、同社の技術を700万あまりのウェブサイトが利用しており、顧客の中にはWarnerMediaのXandr(元AppNexus)やThe Boston Globe、Imgurなどがいる。

画像クレジット:Clean.io

Clean.ioの調達総額はこれで750万ドル(約7億9000万円)になる。シリーズAをリードしたのはTribeca Venture Partnersで、これにReal Ventures、Inner Loop Capital、およびGrit Capital Partnersらが参加した。

ギリス氏によると、この次の資金調達は2020年2月末の予定だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)のために延期になった。今や営業もすべてZoomで行っている。この体験についてギリス氏は「ニューヨークの自分の小さなアパートの一室をもう見飽きるぐらい見たよ」という。そして彼はTribecaのChip Meakem(チップ・ミーケム)氏のことを、「ワールドクラスのパートナーだ」と褒めている。ミーケム氏は以前、AppNexusなどにも投資している。

もちろんデジタル広告に及ぼすパンデミックの影響は、ギリス氏が資金調達を遅らせたくらいでどうかなるものでもない。しかもギリス氏によればデジタル広告は3月の終わりごろから単価が下がったことで出稿量が増えているため、「悪者たちの活躍の場が広がっている」のだ。

「3月中旬から5月初旬にかけて急激に犯行が増加している。これはパンデミックがもたらしたものでもあるが、我々のソリューションへの需要も一貫して増えている。今やかつてなかったほど、ユーザー体験とウェブサイトの収益を保護するニーズが高まっている」とギリス氏はいう。

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画像クレジット:LeoWolfert / Getty Images

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa