クラウドの購入を財務が判断して最適化できるDensifyのコスト分析ツール

Densifyは、エンジニアたちによるクラウドリソースのコスト効率の良い買い方を支援する企業だったが、最近同社は、そのクラウド支出データを財務にも利用してほしいと考えた。今週同社が発表したCloud Cost Intelligence(CCI)と呼ばれるプロダクトを使うと、財務部門が企業のクラウド支出の適否を明確に判断できるようになる。

DensifyのCEOであるGerry Smith(ゲリー・スミス)氏によると、同社のこの新製品の狙いは、クラウド支出に対する顧客としての理解を、実際にその料金を払っている部門すなわち財務にも持ってもらうことだ。同氏は「そのためにこれまでのプロダクトを改善して、エンジニアがクラウドを選ぶために利用するのと同じ情報を、財務部門も利用できるようにした」と語る。

CCI Screen

スプレッドシート提供:Densify

同社が発見したのは、多くの顧客企業に、リソースを買うエンジニアと、その料金を支払う財務の連中との間に断絶があることだ。でも結局彼らは、盲目的に金を払うだけでなく、自分たちが何を買ってるのかを知る必要があるし、その情報に基づいて、エンジニアたちに彼らのニーズに合った適正な買い物を推奨しなければならない。

スミス氏の説明では、財務は技術的要件を知らないままクラウドのベンダーと商談をすることが多い。例えば、技術チームが定期的に一定の構成を買っていると、それはCCIに載るから財務も見る。そして例えば、それを複数買いとか年間買いなどにして価格を下げさせたり、あるいは低価格バージョンがアップデートとして提供されていることを見つけたりするだろう。それらはいずれも、技術者たちが気づかないことだ。

同氏はさらに説明を続けて「財務は、単純に請求書を見るだけでなく、CCIを見てもっといい仕事ができる。CCIを見れば、どんな選択肢があって、それらの長所や短所も分かる。そうすると財務は、単純な費用配分以上のことができる。彼らはエンジニアに付加価値を付けることができ、たとえばもっとコスト効率の良いリザーブドインスタンスを使わせたりできる」と語る。

Crunchbaseによると、Densifyは本社をカナダのトロントに置き、これまでに3820万ドルを調達。1999年に創業したときはCirbaという社名で、主にデータセンターに対しストレージの需給に関するアナリティクスとソリューションを提供していた。同社のスポークスパーソンは曰く、「最初の最適化プロダクトの名前がDensifyだった。結局それが会社の名前になり、2017年には最適化にのみフォーカスした企業になった」。

関連記事:Densify announces new tool to optimize container management in the cloud(クラウド上のコンテナ管理を最適化するDensify、未訳)

[原文へ]

(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

AWSが早くも今年ニつ目の買収、今度はクラウドリソース最適化のTSO Logic

AWSは新年早々から買い物マニアだ。まず先週はイスラエルのディザスタリカバリ(クラウドの災害復旧)屋さんCloudEndureを買い、そして今週は、クラウドのリソースの有効利用を企業に教えるバンクーバーのTSO Logicだ。

両社とも、買収価額は明かさない。

Amazonはこの買収をメールで確認し、TSO LogicのWebサイトにあるCEO Aaron Ralloの声明を読め、と言っている。Ralloはそこで、“TSO LogicがAWSの家族に加わることはとても嬉しい”、と述べている。

同社はワークロードやアプリケーションに関するデータを分析し、リソースのニーズ優先かコスト優先かなどの要求を勘案しながら、それらを動かすためのもっとも効率の良い場所や、ニーズとコストの正しいバランスを見つける。

ワークロードのバランスは、クラウドのパブリックvs.プライベートにおいても重要だ。11月にAWSのre:Inventで発表されたAmazonのOutpostsは、ワークロードの載せ方をオンプレミスとクラウドとの間でバランスするためのツールだ。同社はそれを便利に利用する。

関連記事: AWSのクラウドをそのままオンプレミスのデータセンターに持ち込むAWS Outposts

TSO Logicは成長しているスタートアップの体の一部になって、クラウドのワークロードを最適化する方法を見つける。そしてときにはスポットインスタンスすら使ってワークロードを安いクラウドオプションへ移し、顧客のお金を節約する。

企業がますます多くのワークロードをクラウドに移していくと、そのコスト管理が難しくなる。そこでTSO Logicのようなツールが、クラウドリソースのより効率的な利用法を知るための手助けをする。

Microsoftgが2017年に買ったCloudynも、これと同様のサービスだ。大手クラウドベンダーたちが好位置を取ろうとして頑張ると、こんなサービスが常備薬になる。高いお薬でも、MicrosoftやAmazonにはお金がたくさんある。

Amazonのスポークスパーソンによると、同社はバンクーバーで操業を続け、社員たち全員にAmazonの職階が与えられる。

関連記事: Update: Amazon has acquired Israeli disaster recovery service CloudEndure for around $200M…Amazonが CloudEndureを買収(未訳)

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa