メディア・ストリーミングのBoxeeをSamsungが買収―スマートテレビにクラウド・ストリーミング機能がやってくる

イスラエル生まれでニューヨークにもオフィスを持つメディア・ストリーミングのスターアップ、Boxeeが韓国のエレクトロニクスの巨人、Samsungに買収されたもようだ〔Samsungが公式確認ずみ〕。

テルアビブに本拠を置くBoxeeはBoxee Cloud DVR(当初はBoxee TV)というセットトップボックスを販売している。ユーザーはこのデバイスを利用して地上波HDTVをBoxeeの提供するクラウドに録画し、ストリーミングによってさまざまなデバイスで自由に再生することができる。Samsungはインターネット接続機能を備えたスマートテレビの主要メーカーの一つであり、同社のメディア・エコシステムの拡張のために理にかなった買収といえるだろう。

イスラエルのメディア、The MarkerThe Calcalistがこの買収を報じているが、買収価格については一致しない。われわれの独自の取材によれば3000万ドル以下だったようだ。 この価格はBoxeeがハードウェア・メーカーでありこれまでに2650万ドルの資金を調達していることを考えると安すぎるようにも思える。SamsungはBoxeeの全資産と45人の社員を傘下に収めることに成功した。Boxeeは相当数のユーザーを獲得していたとはいえ、ストリーミング・ハードウェアの販売を主な収入源として維持可能なビジネスに育てるためにはさらに巨額の資金を必要とすることが明らかになっていたのかもしれない。

現在Boxeeのハードウェアは初代のBoxee Boxも最新のCloud DVRもD-LinkがOEMしている。BoxeeのCloud DVRは、昨年10月にBoxee TVとして99ドルでWalmart独占で発売された。録画機能は月額10ドルの料金で提供された(最新のCloud DVRでは月額料金は廃止されて無料となった)。サービス対象地域は当初主要都市に限定され、段階的に拡大された。

Boxeeの容量無制限のクラウドDVR機能がSamsungのテレビに組み込まれることになれば、スタンドアローンのBoxee製品がいつまでサポートされるのか、その将来には疑問符がつく。もちろんSamsungはスマートテレビに組み込むだけでなく、セットトップボックスのBoxeeも独立の製品として残す可能性はある。そうなればAndroid携帯でクラウドDVRを楽しめることになる。

アップデート: SamsungはNew York Timesの取材に対してBoxeeの買収を確認した。BoxeeもTechCrunchに対して買収が事実であると認めた。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+