AWSの成長率はやや鈍化したがAmazonのために金の卵を産み続ける

先週のAzureと同じく、AWSも米国時間7月26日の決算報告で成長率の鈍化を報告した。それは昨年の49%に対して、本年今期は37%だった。総売上高は昨年のQ2の61億500万ドル(約6630億円)から今期は83億8100万ドル(約9100億円)に増加した。年商としては330億ドル(約3兆5800億円)という驚異的な額になる、AWSだけで。つまりそれは、それでも成功している企業の一部門の売上にすぎないのだ。

でも、本体のAmazonもうれしいはずだ。今四半期AWSは同社の総収入の13%を占め、Amazon全体を引っ張るほどの勢いになっている。しかし多くの点でこれはいいニュースであると同時に、加速を続けている市場でMicrosoftとAmazonの両者がやや減速したことは奇妙だ。それでもなお、両社のクラウドインフラストラクチャ市場の支配は続いている。

Amazonは市場のほぼ33%をコントロールし、Microsoftはほぼ16%。アナリストによって数字に若干の違いはあるが、AWSのマーケットシェアはMicrosoftのほぼ倍である。しかし現時点では、2位以下の中でシェアが2桁の企業はMicrosoftだけだ。

両社の成長率の低下は、単純に大数の法則かもしれない。つまり、この2社のように大きくなりすぎると、成長市場においてもかつてのような高い成長率を長期的に維持することが困難になる。

Moor Insights & Strategyの主席アナリストであるPatrick Moorhead(パトリック・ムーアヘッド)氏は「これはいわゆる大数の法則であり、売上が大きくなりすぎると高い成長率の維持は困難になる。それでもAWSの売上は、2位から5位までを合わせた額より大きい」とコメントしている。

市場が成熟すると成長は自然に鈍化し、市場がどれだけホットでもAmazonが40%台の成長を維持することはできない。でも、その売上高は依然高く、AWSはAmazonの成功の大きな要因であり続けている。

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画像クレジット: Ron Miller

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Microsoft Azureの売上成長率はこのところやや低下

Microsoft(マイクロソフト)が米国時間7月18日に発表した2019会計年度第四四半期決算報告によると、同社のIaaSプロダクトであるAzureは64%成長した。大きな数字のように見えるかもしれないが実は、本会計年度全体を通して同製品の成長率は低下している。

すなわち2019会計年度の成長率は、Q1が76%、Q2が76%、Q3が73%で、最後の今四半期では64%にダウンした。成長率としては立派な数字だからレドモンドの廊下では誰もパニくっていないと思うし、大数の法則によれば、大きくなればなるほど成長は遅くなる。突出した数字は束の間なのだ。

Microsoft自身はクラウドインフラストラクチャ市場の第2位をしっかり確保しているから、束の間の突出とは言えない。Synergy ResearchのJohn Dinsdale(ジョン・ディンスデール)氏によると、成長率の低下よりもむしろ重要なのは、それでも市場全体の成長率よりは高いから、結果として同社のマーケットシェアが安定的に伸びていることだ。

ディンスデール氏はこう言っている。「Microsoftは明らかにクラウドインフラストラクチャサービス(IaaS、PaaS、プライベートクラウドのホスティング)のナンバーツーだ。AWSとの差は大きいが、その他大勢ははるか後方にいる。売上の増加率は市場全体の成長率–2016年9%、2017年11%、2018年14%、2019年Q1が16%–よりずっと高いから、マーケットシェアは徐々に増えている」。

CIS Q119

売上成長率が落ちても、今週のMicrosoftはAzureとOffice 365のサービスでAT&Tとの20億ドル(約2150億円)の契約を勝ち取った。Office 365はIaaSの市場とは無関係だが、同社が大きな顧客を獲得したことにはかわりない。

企業がワークロードをMicrosoftやAmazon、Googleなどのパブリッククラウドに移すというトレンドは、まだ始まったばかりの段階だから市場の成長率も大きい。そしてMicrosoftなどの前途には巨大な機会が待ち受けている。だから成長率がやや落ちたMicrosoftのAzureも、未来には大きな売上拡大の余地がある。

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