GoogleのCloud Spannerデータベースに新しい機能とリージョンが加わる

Googleのグローバルな分散リレーショナルデータベースCloud Spannerが今日(米国時間12/19)、新しいリージョンと、複数のリージョンにまたがる構成をセットアップする方法により、さらにその分散性を高めた。またデベロッパーがリソースをもっとも消費するクエリを調べる方法も、加わった。

このアップデートでCloud Spannerの最新のデータセンターとしてHong Kong(asia-east2)が加わる。これによりCloud Spannerを、Google Cloud Platform(GCP)の18のリージョンのうち14で使えるようになる。そのうち7つは、今年加えたリージョンだ。今後の新しいGCPのリージョンでも、それらがオンラインになり次第、Cloud Spannerを可利用にしていく予定だ。

リージョンに関連したそのほかのニュースとして、マルチリージョンをカバーするための二つの新しい構成がある。ひとつはeur3と呼ばれ、欧州連合(European Union, EU)を対象とする。言うまでもなくこの地域の顧客にサービスを提供するユーザーが対象だ。もうひとつはnam6と呼ばれ、北米(North America)が対象で、データセンターはオレゴン、ロサンゼルス、サウスカロライナ、アイオワに置かれる。これまでのマルチリージョン構成は、三つのリージョンにまたがる北米地区と、北米、ヨーロッパ、アジアにまたがるグローバルな構成だけだった。

Cloud Spannerはもちろんグローバルなデプロイメントを想定しているが、これらの新たな構成により、特定の市場だけを対象とするサービス用にも利用できる

クエリに関する新しい機能としては、Cloud Spannerはデベロッパーがクエリを見る、調べる、そしてデバッグできるようになる。その目的は主に、デベロッパーが頻度の高い高価なクエリ詳しく調べられるようになることだ。その結果、それらをもっと安価なクエリに変えられるかもしれない。

Cloud Spanner以外のニュースでは、Google Cloudは今日、Cloud Dataproc Hadoop とSparkサービスが新たにR言語をサポートすることを発表した。ほかにはApp Engineが前から、Python 3.7をサポートしている。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Google Cloudのマネージドデータベースサービスがクラウドサービスとしての機能を充実

Googleがクラウドから提供しているデータベースが今日(米国時間4/25)、アップデートされた。画期的な新製品に生まれ変わったわけではないけど、それらのアップデートはすべて、企業がクラウドへ移行するときに経験するさまざまな痛点に対処している。

Googleのプロダクト管理のディレクターDominic Preussによると、Googleは長年、データベースの世界における思想のリーダーを自負している。思想のリーダーとは言ってもこれまでは、Bigtableに関するペーパーなどが主で、実際の製品で示す思想ではなかった。しかし最近では、グローバル分散データベースCloud Spannerが示すように、市場でもその姿が目立つようになった。

Preussによると、Googleのエンタープライズユーザーは彼らの既存のワークロードをクラウドへ移すことから始めるところが多い。しかしそれが一巡したら、新しいアプリケーションをクラウドに載せようとする。そしてそのとき求めるのが、クラウドのプロバイダーがアプリケーションやインフラの管理を肩代わりしてくれる、いわゆるマネージドサービスだ。

今日の発表も、エンタープライズに、彼らが求めるある種のマネージドデータベースサービスを提供していくことがメインのテーマだ。

まずそれは、ベータでローンチされるCloud Memorystore for Redisだ。これは完全に管理されるインメモリのデータストアで、大きなバッファリングをインメモリのキャッシュでやりたい、などのニーズに応える。

ビッグデータワークロード用のNoSQLデータベースサービスCloud Bigtableに、新しい機能が加わった。その、いずれregional replication(リージョナルレプリケーション)という正式名で呼ばれることになる機能は、オンプレミスのワークロードにApache Cassandraを使っていたエンタープライズに、Google Cloudにおけるその代替系を与える。そして、この、異なるゾーンにまたがるレプリケーションにより、Google Cloudに保存するデータの可用性と耐久性が高くなる。

今回のアップデートには、Cloud SQL for PostgreSQLのSLAにおける可用性を99.95%にすることも含まれる。またCloud Spannerには、コミットのタイムスタンプがつく。

Googleのクラウドデータベース周辺には、今後どんな新メンバーが登場するのか。Preussはその答を言わないが、今同社はエンタープライズができるだけ多くのワークロードをクラウドへ移行できるようにしたい、と考えているそうだ。つまり、マネージドサービスが今後も増える、ということだろう。

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GoogleのCloud Spannerデータベースがマルチリージョンをサポート、年間ダウンタイム累計5分未満を約束

Googleのグローバルな分散データベースCloud Spannerが今日(米国時間11/14)アップデートされ、マルチリージョン(複数リージョン)がサポートされた。データベースを複数のリージョンにまたがって複製しても、レイテンシーは増えず、良好なパフォーマンスが保証されるという。また、サービス水準合意(Service Level Agreement, SLA, サービス品質保証)も、顧客が満足すると思われる方向へ改定された。

上記後者(新SLA)によると、Cloud Spannerデータベースは99.999%(five nines)の可用性が保証される。Cloud SpannerのプロダクトマネージャーDeepti Srivastavaによると、これは年間のダウンタイムに換算すると5分未満となる。

“システムの可用性と効率を高める改造を行ったので、サービスにそのことが反映されると期待される”、と彼女は述べる。なお、Cloud Spannerは、このようにサービスとして提供される前には、AdWordsなどGoogle内部のプロダクトで使われていた。今でもそうだから、GoogleにとってAdWordsがダウンしたら直接、売上に響く。だからまずGoogleにとって、それはダウンタイムがあってはならない。今では同社の人気サービスの多くが、Cloud Spannerを使っている。

“それは、Googleが動かしているミッションクリティカルなアプリケーションの最前線でテストされている”、とSrivastavaは説明する。

しかしこれまでは、複数リージョンにまたがるサポートが欠けていたので、Cloud Spannerを一箇所に置くことしかできなかった。それが、今日のマルチリージョンサポートの発表で変わった。ユーザー企業は、データベースをエンドユーザーに近いところに置けるようになる。それにより当然、レイテンシーが減り、応答性が良くなるだろう。

Cloud Spannerは今年の初めにベータで提供されたが、それはまるでマジックのように思えた。それは、SQLデータベースのようなトランザクションの一貫性と、NoSQLデータベースのスケーラビリティを兼備している。この両者が揃うことは稀であり、今日ではEvernoteやMarketoなどもCloud Spannerを利用している。

Googleは、Cloud Spannerの導入はわずか4クリックで完了、と謳っているが、既存のデータベースを移行する場合はそう簡単ではないだろう。Srivastavaによると、それはシステムのタイプ次第だ、という。まったく新しいアプリケーションのために新たに導入するのは簡単だが、Cloud Spannerを使うために既存のデータベースシステムのアーキテクチャを変えなければならない場合は、それなりの時間がかかるだろう、と彼女は語る。

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Googleのグローバル分散データベースCloud Spannerが一般供用を開始、MicrosoftのCosmos DBに対抗か

Googleのグローバルな分散リレーショナル・データベースCloud Spannerが、4か月という比較的短いベータを終えて、今日(米国時間5/16)から一般供用される。

このサービスの立ち上げ時のGoogleの位置づけは、既存の関係データベースが手狭になってきた企業のための代替製品、だった。GoogleのDeepti Srivastavaは、こう言っていた: “トランザクションデータベース(transactional database, 日常のトランザクション用のデータベース)のスケールで悩むようになったら、シャーディング(sharded database)かNoSQLにソリューションを求めようとするだろう。しかしこの二つのどっちかを選ぶとなると、今度はトレードオフに悩む。そんなときは、Spannerが最適解だ。それはユーザーが使い慣れているシステムでもある〔リレーショナル・データベース〕。われわれは、ユーザーがトレードオフでなるべく悩まないようにしたい”。

今回一般供用になって、Googleが約束する可用性は99.999%、そして強力な整合性(コンシステンシー)だ。今日のGoogleのブログ記事では、こう述べられている: “ソフトウェアとハードウェアを組み合わせたソリューションとして、Googleのグローバルなネットワーク全域にわたるアトミックなクロックとGPS受信機能を提供する。Cloud Spannerはさらに、完全に管理されたクラウドデータベースなので、精度と信頼性と性能も高い”。

Cloud Spannerの今回の一般供用は、MicrosoftがCosmos DBサービスを発表してから一週間足らずで行われたことになる。Cosmos DBはグローバル+分散という点でCloud Spannerに似ているが、整合性のモデルが多様だ。後者は99.999%のアップタイムだけだが、Microsoftはスループットやレイテンシーと共にコンシステンシーを保証している〔サポートするデータモデルもリレーションだけではない〕。

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