5月31日にEngadgetと共同開催「5G時代のガジェットとIoT」を語るイベント

TechCrunch Japanは5月31日、姉妹メディアEngadgetと合同で次世代通信技術5Gをテーマとしたイベントを開催する。それぞれの編集部が5Gにまつわるゲストとのトークセッションを繰り広げる。

5Gといえば、安定した高速通信で低遅延、それでいて多人数の同時接続を可能にする通信技術。米国では大手キャリアのVerizonが、韓国では大手3キャリアであるSKテレコム、KT、LGユープラスがそれぞれサービスを開始(TechCrunch JapanはVerizonグループに属している)。日本では2020年春にNTTドコモやKDDI(au)がサービスを開始する見込みだ。

スマホやGPSが普及したことで、さまざまなスタートアップがさまざまなサービスや製品を世に送り出してきた。前述のように、これまでとは次元の違う特徴を備える5G通信のサービスが始まることで、さらに新しいサービスやプロダクトが登場しそうだ。

TechCrunchでは、バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターで代表取締役を務める加藤直人氏を招き、ファイヤーサイドチャットを開催予定。5G通信によってバーチャルアーティストの活動がどのような広がりを見せるのかを、加藤代表にじっくりと聞いていく。

Engadget meetup Special featuring.TechCrunch開催概要

開催日時:5月31日(金)19:15~21:45(予定)
開催場所:都内某所(選定中)
参加費用:無料
応募条件:参加者のみなさまのSNSやイベント記事などでの顔出しがOKな方。未成年の方も参加いただけますが、必ず保護者の方が最後まで同伴されることが条件となります。

また、TwitterやFacebookなどでイベントの模様をどしどし発信できる方だとうれしいです。

※会場に限りがありますので応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。当選結果は5月23日から順次ご連絡いたします。
※未成年の方が参加される場合は必ず保護者の方が最後まで同伴いただきますようお願いします。保護者の方がいらっしゃらない場合は入場をお断りさせていただきますので予めご了承ください。

【タイムスケジュール(予定)】
19時00分:受付開始
19時15分:イベント開始(トークセッションなど)
21時00分:懇親会開始
21時45分:懇親会終了、閉場


申し込みはこちらから

VRイベントプラットフォーム「cluster」でスタートアップピッチバトルが開催決定

バーチャルイベントプラットフォーム「cluster」を運営するクラスターは1月29日、cluster上で同社いわく国内初となるスタートアップ企業によるピッチイベントを開催すると発表した。

「国内初!バーチャルピッチグランプリ in cluster presented by KDDI∞Labo」と題されたこのスタートアップピッチイベントは2月13日に開催。KDDIが手掛けるスタートアップ企業支援の事業共創プラットフォーム「KDDI∞Labo」とclusterとの共催となる。cluster会場YouTube会場が用意されている。

このイベントでは事前選考を通過したスタートアップ企業5社が、バーチャル空間上でアバターに扮して登壇し、「テクノロジーで世界に挑む」というテーマでピッチバトルを行う。

KDDIの発表によると、登壇企業は以下の通りだ。

このイベントでは最大5000名がVRヘッドマウントディスプレイやPC、スマートフォンを介して、遠隔でイベントに同時参加することができる。参加者は登壇企業に対して、拍手やコメントを送ることが可能なほか、バーチャル空間内を自由に移動し、自分の好きな場所や角度からイベントを楽しむことも。会場まで足を運ぶ必要がないので、自宅にひきこもってピッチイベントに参加できる。

審査員を務めるのはKDDIビジネスインキュベーション推進部 部長の中馬和彦氏、GREE Ventures代表パートナー堤達生氏、IT批評家・藤原投資顧問書生 尾原和啓氏、世界初男性バーチャルYouTuberのばあちゃる氏。MCはクラスター広報兼バーチャルタレントのくらすたーちゃん氏。

VRイベントプラットフォーム「cluster」運営が4億円をシリーズBラウンドで調達

VRイベントプラットフォーム「cluster」を提供するクラスターは9月12日、シリーズBラウンドで総額約4億円を調達したことを明らかにした。第三者割当増資の引受先はXTech Venturesグローバル・ブレインKDDIの各社が運営するファンド。また資金調達にあわせ、前ユナイテッド取締役の手嶋浩己氏が社外取締役として就任した。

クラスターは、VR上で音楽ライブやイベントなどを開催できるプラットフォームclusterを運営する。cluster上では同時に最大5000人と接続が可能。クラスターが目指すのは“ひきこもりを加速させる”バーチャル上でのエンタメ体験の提供だ。

例えば、バーチャルYouTuber(VTuber)をはじめとしたバーチャルアイドルが増える中、リアルタレントが行うような商業活動をバーチャル上でもできるように、有料イベントを開催できるチケット機能を7月にcluster上で公開している。

今回の資金調達でクラスターは、事業拡大に向けたプロダクト開発や人材採用強化を図る。

クラスターは2016年4月に5000万円を調達2017年5月に2億円を調達しており、これまでの累計調達額は約6.5億円。2017年6月よりcluster正式版を提供している。

「cluster.」にVR上で有料イベントができるチケット機能、第1弾はVTuber輝夜月の音楽ライブ

2017年末あたりから、バーチャルタレント業界が急速に盛り上がってきている。

YouTube上で活動しているバーチャルYouTuber(VTuber)が一気に増え、多くのファンを獲得。ユーザーローカルが公開するVTuberのランキングを見ても、1位のキズナアイを筆頭にそのファン数や動画の総再生回数の多さに驚かされる。

今後バーチャル上で活動するタレントが増えれば、例えば握手会やライブといったイベント活動やグッズの販売など「リアルなタレントが行っているような商業活動」も本格化していくだろう。

VRイベントプラットフォーム「cluster.」が目指しているのも、まさに「バーチャル上の商業スペース」を作ること。その一歩として運営元のクラスターは7月12日より、cluster.上で有料イベントを開催できるチケット機能のβ版を公開した。

有料イベントの第1弾は、8月31日に開催が予定されている人気VTuber輝夜月(かぐや るな)の音楽ライブだ。

VR上で音楽ライブやコミケを

cluster.については過去に何度か紹介しているけれど、ユーザーがバーチャル空間上にルームを作り、イベントやライブを楽しむことができるプラットフォームだ。バーチャルなので広さや距離といった物理的な制約を受けないのが大きな特徴。数千名規模のイベントやカンファレンスにも対応する。

運営元のクラスターは2017年5月にエイベックス・ベンチャーズ、ユナイテッド、DeNA、Skyland Venturesおよび個人投資家らから2億円を調達。6月にcluster.の正式版をリリースした。

同社の創業者でCEOを務める加藤直人氏の話では、リリース以降ゲームやコミュニティのユーザー同士の会合、会社の会議など、幅広い用途で利用が進むも「どういうところでしっかりとビジネスを回していくのか」で悩んでいたという。

もともとcluster.を立ち上げた背景のひとつとして「VRヘッドセットを着けた時に、ここで音楽ライブができたらいいなと考えていた」こともあり、イグニスの子会社でVR領域の事業を手掛けるパルスと業務提携を締結。2017年の夏頃からバーチャルアイドルの活動サポートも始めていたそうだ。

「当初はバーチャルタレントがブームになるのは2〜3年後を想定していたので、長いスパンでの事業になると考えていた」(加藤氏)というが、冒頭でも触れたように一気にブームが到来した。

バーチャルタレントの場合、リアルなタレントとは違い握手会やオフ会などファンとの接点が少ないことが一つの課題。それを解決するために3Dアバターのアップロード機能などを拡充したところ、VTuberを中心とした利用が増えてきたという。

「VR上で音楽ライブやコミケができるようになる、そしてそれに自宅から参加できるようになるというのがひとつの目標だった。バーチャル上に商業スペースを作りたかったので、有料チケットやグッズの販売機能などは以前から準備に取り掛かっていた」(加藤氏)

輝夜月が「Zepp VR」でライブ開催へ

今回チケット機能のβ版がリリースされることによって、今後企業はcluster.を使ってバーチャル上で有料のイベントを開催できるようになる(現在は社数を限定し、問い合わせベースで提供)。

冒頭で触れた通り第1弾のイベントは、ソニー・ミュージックエンタテインメントが主催する「輝夜 月 LIVE@Zepp VR」。チケット価格は5400円となっていて、「高い」と思う人もいるかもしれない。

ただこの点について加藤氏は「そこでしか味わえない希少な体験を提供できれば成立しうると考えているし、むしろ安いとすら思われる文化になっていく可能性もある」という。

「(ネット上に)情報が増え、情報の価値自体は下がってきている。でもVRデバイスが届けるのは情報ではなく、体験。ユーザーが求めているのも体験であり、(デジタルコンテンツに対しても)希少な価値を感じることができればお金を払うと考えている」(加藤氏)

VR上でビジネスが成り立つ主要ジャンルは「ゲーム」「イベント」「成人向けコンテンツ」の3つというのが加藤氏の見解。クラスターが狙っていくのはこのイベントのニーズだ。

あくまでチケットはそのためのひとつの機能にすぎず、今後はバーチャルアイテムの購入機能を始め商業活動に必要な要素をアップデートしていく。

「バーチャル上の商業スペースのニーズは今後10年、20年のスパンで高まっていくはず。そこで必要となるインフラを作っていく。直近はバーチャルタレントがアーティスト活動をしやすい場所として機能を強化し、バーチャルイベントの箱となるサービスにしていきたい」(加藤氏)

セカンドライフはなぜ失敗したのか、そしてclusterはVRリビングルームで何を目指すのか?

2000年代後半に一大センセーションを巻き起こした「Second Life」を覚えているだろうか? 凄まじい勢いでブームが燃え広がり、そしてほぼ何も起こらずに忘れさられていった、あの3Dアバターたちの住む「仮想世界」だ。

Second Life内の住人たち(image source: Wikipedia)

Second Life内では商行為も想定されていた。これは健康関連のアドバイス(image source: Wikipedia)

1990年代後半に登場したMMORPGは多数のプレイヤーが仮想世界で一緒に冒険に出たり戦ったりする多人数参加型ゲームだった。それまで技術的に不可能だった多数の同時接続とGPU進化を背景とした3Dグラフィックスの高い表現力によって、リアルな仮想世界(メタバース)が生まれた。そして2003年にスタートしたSecond Lifeは、このメタバースをゲーム目的以外で使った野心的なプロジェクト(スタートアップ)だった。Second Lifeという名称が示すとおり、そこはユーザーがアバターとして住まい、もう1つの人生を生きる世界。常識的に考えて人生に目的など存在しないが、Second Lifeも「無目的な仮想世界」だった。ドラゴンを倒すとか敵地を攻略するといった目的がなかったのだ。ただ、そこにはリンデンドルという仮想通貨があり、経済活動らしきものが存在した。だから「これは特大のビジネスチャンス到来!」とばかりにビッグウェーブに乗ろうとする人たちが(日本からも含めて)大挙してSecond Lifeのメタバースに乗り込んだ。そして、これといって何も起こらずに忘れられていった。

Second Lifeは何故失敗したのか? こういう問いに対して、そもそも何か有用なものが生まれるとなぜ思ったのか、と皮肉に問い返す人も少なくないだろう。ただ、日本のVR関連スタートアップ企業であるクラスター創業者の加藤直人氏のSecond Life失敗の分析と、いまその反省を取り入れて取り組もうとしている新しい仮想世界の考え方は傾聴に値すると思うのだ。

アバター密度の低さがSecond Life衰退の原因

クラスターが開発・運営する「cluster.」は、VRを使って多地点から参加できる仮想的なイベント開催プラットフォームだ。TechCrunch Japanでも過去2度ほど、そうお伝えしている。そのクラスターが2016年4月の5000万円の資金調達を挟んで準備を進めてきたプラットフォームを5月上旬にオープンするべく、本日より事前登録を開始した。VRで利用するにはHTC ViveかOculus Riftが必要だが、PC版クライアントもWindows、Mac用とも用意されている。

これまでクラスターの加藤CEOの話では、clusterは大規模イベントを仮想空間で行うためのプラットフォームという話だった。HTC ViveやOculus Rift、Gear VRなどのHMDをかぶって仮想空間で開催するイベント会場に「入って」いく。すると、そこには別地点から「入って」きているほかの参加者がいて、同じ発表者の画面を見ながらアバター同士でユーザーが交流ができる。そういう話だった。実際、昨年にはアルファ版サービスの段階で900人同時接続の仮装イベントを実現したという。以下のようなものだ。

サーバー側の処理能力的には1000人程度までは同時アクセス可能なので(ボトルネックはサーバーの帯域とクライアントの描画能力だそうだ)、物理的な会場を用意することなく大規模イベントが行えるプラットフォームというのが売りだった。

このコンセプト自体は有効であるものの、今回改めて加藤CEOに話を聞いたところ、仮想イベントとは違った世界観のサービスを5月リリースに向けて準備中だった。東京・五反田にあるクラスターの拠点でぼくが体験させてもらったのは、むしろ以下の画面のような「仮想リビングルーム」なのだった。

クラスター創業者 加藤直人氏

「弊社が提案するイベントも含めて、リリース初期には500〜1000人程度のイベントをやっていきたいと考えています。ただ、イベントはトリガーでしかありません。むしろ本命と考えているのは、少人数で長時間使うユースケース。clusterでは、誰でも仮想的な部屋を作れます。これはバーチャルのレンタルルームサービスなんです。そのバーチャルルームのVRポータルを狙っています」(クラスター加藤CEO)

加藤CEOの見立てでは、Second Life失敗の最大の理由は「過疎りやすい構造」だ。

「Second Lifeでは1つのワールド(シムと呼ぶ)に最大50人しか入れませんでした。さらに、ユーザーが自由に空間が作れたので(アバター)密度が低くなりがちだったのです」

Second Lifeでは同時刻にユーザーたちが集まる仕組みもなかったのでセレンディピティー頼みだった。延々と仮想世界をアテもなくさまよえるのは一部の熱狂的なユーザーだけだった。

一方、clusterは誰かがバーチャルルームを作ると、そこに人が集まる仕組み。まず生成された部屋にはユニークなURLが発行される。このURLは十分に長いハッシュ値を含んでいて、そこそこ機密性の高い部屋となる。ソーシャルでURLをシェアすると、これを見た人たちは誰でも部屋に入ってこれる。でも、特定の友人のみにメッセでURLをシェアすれば、ほかの誰もその部屋を発見することはできない(偶然にハッシュ値が発見されることは、まずない)。

このバーチャルルームは部屋を作った人が退室すると消えるようになっている。つまり存在する時間が区切られている。基本的に目的ベースで部屋を作ることを想定しているそうだ。Second Lifeと違い、場所も空間も限定されているのだ。

「集まるためのシステムを用意したいんです。これまでにもSkypeなどで4、5人でしゃべるというのはありました。でも、あくまで『ネット越しの体験』だったんです。VRで同じ部屋に入れば違います。その場に集まる、という体験を提供したいんです」

誰かの誕生日に家族や友人が集まったり、友だちとカラオケやゲーム、映画を楽しむといった用途、あるいは少人数の会議やセミナーをやるといったユースケースを想定しているそうだ。

「例えばゲームをしながら4人くらいでダラダラと話すような利用層。そこが大きいと思っています。そうなれば課金ポイントは変わってくるはず。コアな長時間ユーザーにプレミアムで課金してもらえる。最終的には場所貸しビジネスです」(加藤CEO)

密なコミュニケーションにはPCよりもVRが向く

5月のローンチ時には部屋は数個のテンプレートを用意するが、将来的にはカスタマイズや3Dオブジェクトのマーケットプレイス開設などもあり得るという。蓋を開けてみないと分からないものの、「例えば性的マイノリティーの方々が集まるとか、人気ブロガーがサロン的なものを開催するといったこともあるかもしれません。こちらが想定していない使い方が出てくるはず」(加藤CEO)

企業ユースなら朝会とか社内勉強会をclusterでやったりといったこともある。実際クラスターでは朝会は仮想空間の会議室でやるそうだ。

仮想空間内では巨大スクリーンを好きな位置に配置して、「みんなで見る」ことができる。音声は距離に応じた範囲で届く。マイクを握れば参加者全員に声が届く。この辺りは実際の物理的な世界に近い。ちなみにログは残すが録画はしない方針という。

サロンなどだと参加希望者の多くはVRデバイスを持っていないだろう。PS VRが売れているといっても、まだ出荷実績は100万〜200万台のレンジ。Oculus RiftもHTC Viveも100万台にも届いていない。加藤CEOはモバイルVRこそ本命とみていて「VRは(接続概念として)Apple Watchに近いものになる。ペアリングして使うメガネのようなデバイスがiPhone向けに出てくるのではないか」と予想しているそう。ただ、当面はVRデバイスを前提にはできない。このためclusterではPCでの参加も可能になっている。

開催側もPCでもオッケーだ。面白いのは「VRで入る」のと「PCで見る」ことのニュアンスの違いだ。

「密にコミュニケーションが取りたいならVRのほうががいいんです。でも、受動的にコンテンツを受け取るような、参加感が不要のときはPCでも構いません」(加藤CEO)

PCで参加すると自分のアバターは第三者視点で表示されている。自分で自分をみれる。ところがVRで入ると一人称視点になる。これが単なる「視聴」と異なることは、次のようなエピソードでも良く分かる。

「仮想空間のイベントで何百人というユーザーが集まったとき、みんな他のアバターと適度な距離を置くんですよ。実際にはアバター同士は(衝突せず)すり抜けるので、同じ位置に立ってもいいんですが、やっぱり気持ちが悪い。パーソナルスペースはVR空間でも存在しています」(加藤CEO)

配信サーバーに多数の視聴者がぶら下がる「ウェビナー」では参加者同士の交流というのはあまりない。でも、VRで同じ空間を共有していると、参加者同士がヒソヒソ話をすることもできるのだという。親しい人とテレビを見ながら感想を言ったり、感想を言わないまでも顔を見合わせるコミュニケーションというのがある。あれもコンテンツ視聴の重要な体験の一部だと思うが、そうしたものが徐々にVRで再現できるようになるのかもしれない。

clusterのバーチャルルームの利用は無料提供を予定している。マネタイズは有料イベントなどのチケット販売の30%課金ということを考えているそうだ。法人向け大規模イベントや、たくさんの人が集まるところをメイン市場と見ていないことについては、「人気コンテンツは人が集まるでしょう。でも、例えば人気スポーツ配信の放映権を取得したところで、そうやって集まる視聴者はプラットフォームには定着しません。すぐに離れていくでしょう」(加藤CEO)と考えているそう。また主催者側からミニマムチャージなどは課金しない。これはUstreamがプラットフォームとして失敗した原因だと考えているそうだ。

グローバル市場で見ればBigscreenAltspaceVRといった競合サービスがある。部屋の中に巨大ディスプレイがあるかのようなVR空間を提供するBigscreenは15万ユーザーと先を行っている。ただ、加藤CEOは「VRは最初から世界を取りにいかないと駄目だと考えています」と話していて、日本を足がかりに早い段階で世界市場に打って出たい考えだ。

グループでの写真共有やアルバム管理を簡単にするCluster、いよいよAndroid版も登場

写真共有アプリケーションを提供しているClusterAndroid版が登場して、より便利に使えるようになった。

ちなみにClusterは今年の夏、Instagramに初期から投資していたBaseline VenturesのSteve Andersonの主導によるラウンドで160万ドルの資金を調達してもいる。アプリケーションの機能としては、以前から提供されているiOSアプリケーションと同様で、簡単にフォトコレクションを作成して他の人に見せたり、写真を投稿してもらったり、あるいはプライベートで共有したりすることができる。

Clusterが最初に登場したのは2月のことで、まずはiOS版がリリースされた(そういうアプリケーションは多い)。以来、コメント機能、共有機能などを追加したり、デザイン面のアップデートを行ったりしている。

Android版の方でも、使い勝手はiPhone版とほぼ同じであるようだ。「new」をタップすれば新しいアルバムを作成することができる。そして「event」か「topic」のどちらを目的とするアルバムなのかを指定する。誕生日や結婚式、パーティーやバケーションについてのものなのか、それとも何かのテーマについて、特定のイベントとは関係なく綴っていくのか(たとえばペットの写真など)で区別するわけだ。

写真を登録する際は、登録する写真と同じ日付ないし同じ場所で撮った写真が一括で選択されるようにすることもできる。これはアルバム作成の手間を大いに減らすことに繋がる。たいていのアプリケーションでは、追加する写真をひとつひとつ指定する必要がある。派手さはないが、本当に便利な機能だと思う。

アルバムを作成すれば、寄稿者もワンタッチで登録できる。追加以来はメールないしテキストメッセージで行う。また、多くのソーシャルアプリケーションが自分友だちスパムを送るようになってしまった中、友だちの招待をClusterに任せるのか、それとも自分で行うのかを選ぶことができるようになっている。これは昨今のアプリケーションとしては「良心的」と言えるかもしれない。また、アプリケーション内から招待通知を送るのか、それとも招待コードを発行しておいて、後ほどFacebook経由やメール、あるいはサイトへの投稿あるいはテキストメッセージ経由で招待することを選択することもできる。

もちろんAndroid版で、iOS版の機能を全て実装したというわけでもない。しかしアルバムを作ったり、あるいは知り合いの招待を受けて、アルバム作成に参加したりということは問題なく行える。個人的には、近しい友人や家族と写真を共有するのに、Flock(今やGoogleに買収されたBumpのプロダクト)を使っていた。しかしiOS版とAndroid版のあまりの違いにがっかりしていたりしたものだった。ことClusterについてはそのようなこともないようで、なかなか便利に使えそうな印象を持っている。

また、ウェブ上でのエクスペリエンスにも気を配っているのが興味深い。ウェブからも、スマートフォンと同様に、写真のアップロード、コメント、お気に入りへの登録などを行うことができるのだ。これも他の写真共有サービスが見落としているところではないだろうか。より多くの人に使ってもらうためには、多くの人が使っているプラットフォームで利用できるプロダクトを出す必要があるのだ。最新のデバイスを手に、最新機能への対応をせまるテック系の人も大事だが、シェアの大きな既存技術を放置していてもいけないのだ。

ところで私たちは日に日に、自らが生み出す写真コンテンツのボリュームに圧倒されるようになってきている。昨今では写真をFacebookのアルバムにまとめたりする人も減ってきていいる。友だちのためになるのならと苦労してまとめたものだったが、見てもらおうと思った人以外にもうっかり公開してしまうようなことも続出した。そこで、たとえばメッセージングアプリケーションを使ってごく限られた人と共有したり、あるいはInstagramのようなオープンなプラットフォームを使う場合は当たり障りのない写真のみをシェアするというようになってきてしまったのだ。そうした中で、写真共有を改めて楽しいものとしてくれそうなのがClusterだ。基本的にはごく近い人とのみシェアするようにしつつ、それをたとえばFacebookなどに公開して、より広い範囲のひとと共有するオプションも用意しているわけだ。

モバイルを主戦場とした写真アプリケーションということで、たとえばApp Store内だけを見渡しても競合は多い。また、AppleのiCloudやGoogle+、あるいはFacebookやYahooのFlickrなどという大手も「競合」になるだろう。さらに利用者拡大には資金が必要で、その大変さに道を見失うスタートアップも多い。さらには投資家たちが、消費者向けサービスへの出資を渋りつつあるという話もある。利用者の拡大がなければ、フォトブックやギフトなどというマネタイズの仕組みも実装できない。但し、使いやすい仕組みをモバイルおよびウェブ上で展開しているのは魅力だ。徐々に利用者も増えていくこととなりそうだ。

最近リリースされたAndroid版アプリケーションについては、こちらから入手することができる。

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(翻訳:Maeda, H