倉庫サービス〜邪魔物保管サービスのClutterがSoftBankのリードで2億ドルを調達

目下、SoftBankのVision Fundの投資家たちの不満気な様子をめぐっていろんな憶測が溢れているが、しかしドラムは鳴り続けているし、小切手もどんどん書かれている。この1000億ドルのメガファンドの最新の取引相手はオンデマンドの倉庫サービスClutter、このほど成長資金として2億ドルを獲得した。

目ざとい読者は覚えておられると思うが、本誌TechCrunchは早くも1月に、この巨額投資を特ダネで報じた。そしてそれが今日(米国時間2/20)、公式になった。

Clutterは、一般消費者が捨てたくはないけど家が狭すぎて置けない、と思っている物を貸し倉庫にしまってくれる。この業態は、今とても多い。Clutterの場合はアプリで呼びだせばスタッフが来て荷造りをして品物を持ち去る。もちろん、後で返してくれる。しかし長期保管だけでなく、引っ越しのときなどの一時的な“物置”としても利用できる。物の搬入先として、同社の倉庫ではなく自分の引っ越し先である新居を指定してもよい。主なコンペティターは、MakeSpaceOmniTroveLivibleClosetboxなどだ。

SoftBankがリードするラウンドに参加したのは、Sequoia、Atomico、GV、Fifth Wall、そしてFour Riversだ。Four Riversは、2年近く前の6400万ドルのラウンドをリードした。今回の2億を合わせると、同社の調達額は2億9700万ドルになる。

Clutterの評価額について確定情報はないが、本誌TechCrunchの、いつも良い位置で獲物を狙っている筋によると、今回の評価額は4億から5億ドルだろう、という。ひとつだけ確実なこととして、SoftBankのJustin WilsonがClutterの取締役会に加わる。

この資金は、発表声明によると、アメリカ国内での事業拡張に充てられる。でも、海外進出の匂いもかすかにある:

この資金により、同社の2019年における新しい市場への拡張が加速される。新市場は、フィラデルフィア、ポートランド、そしてサクラメントだ。また、ニューヨーク、サンフランシスコ、ロサンゼルス、シカゴ、シアトル、サンディエゴ、オレンジカウンティ、ニュージャージー北部など既存の市場でも業務を拡大し、アメリカの50大都市のすべてに拠点を置くという目標達成を目指すとともに、国際的な拡張も行なう。

SoftBankのWilsonは、声明でこう言っている: “倉庫サービスは市場規模がきわめて大きく、これからディスラプトしていける既存市場もその潜在的規模は巨大だ。Clutterのテクノロジーと優れた消費者対応は同社の将来の成長を支え、スペースが貴重な都市地域で市場を拡大していけるだろう”。

関連記事: Sources: Clutter is raising $200-250M led by SoftBank for on-demand storage and moving…ClutterがSoftBankのリードで$200-250Mを調達(未訳)

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

ネット上の運転手付き物置サービスClutterが$64Mを調達、あのAtomicoも将来性を確信

ベンチャーの投資家たちがストレージ(storage)*に数千万ドルを注ぎこんでいる、と聞けば、それはクラウドストレージかフラッシュストレージのことだ、と思うだろう。しかしClutterについて語るときは、まったく違うストレージだ。〔*: storage, 保存, 保管〕

服や家具など、物理的な所有物を保管してくれるロサンゼルスのスタートアップClutterは、スタートアップの世界で著名な投資家たちから6400万ドルの資金を調達した。このシリーズCのラウンドはイギリスのAtomicoがリードし、Sequoia Capital, Google Ventures(GV), そしてFifth Wallが参加した。

Clutterはオンデマンドで品物を持って行ったり届けたりしてくれるが、すべてのコミュニケーションがネット上で行われる。いわば、物を保存/保管すること専門のネット上の便利屋さんだ。

しかもこの市場は大きいから、ご存知の方も多いと思うが、MakeSpace, Omni, Troveなど競合他社も多い。

SequoiaのパートナーOmar Hamouiはこう言う: “保管は大きな産業だが、これまではテクノロジーによって最適化ないし洗練されることがなかった”。彼は、まだまだ需要に対して供給、すなわちスタートアップの数や規模が足りない、と見ている。

よく見ると、誰の家にも大量の物がある。しかし自分で倉庫へ行って物を入れたり出したりするのは、かったるい。画面のボタンを押すだけで自分のスキーが来る方が、今の消費者好みだ。

しかも、保管するのも取り出すのもユーザー本人ではないから、便利な場所でなくても構わない。だから、高額な不動産投資は必要ない。

それでもClutterは、競合他社に比べるとユニットエコノミクス*が良い、と主張する。しかし具体的な数字は教えてもらえなかった。〔*: unit economics, 単位経済, そのビジネスの1扱い単位あたりの売上額、利益率(額)、LTV、CACなど。〕

Clutterの協同ファウンダーでCMOのAri Mirが、数字を挙げずに抽象的に言う: “個々の顧客から利益を上げているだけでなく、進出したどの都市でも粗利益が出ている”。しかし、売上額は数千万ドルあるが、事業全体としてはまだ黒字ではない。

今同社は、都市数を増やすことに注力している。目下稼働しているのは、ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨーク、ニュージャージー、シカゴ、シアトル、サンタバーバラ、サンディエゴ、そしてオレンジカウンティだ。また、海外進出もしたい。

Atomicoとのパートナーシップも、それが理由の一部だ。AtomicoのパートナーHiro Tamura(田村裕之)は、“Clutterがアメリカの国境を越えるつもりなら、大々的に支援する。同社のチームとビジネスについては、強い確信を持っている”、とベタぼれだ。

Clutterに関わっている人なら誰もが、Clutterなら350億ドルの上場企業Public Storageにチャレンジできる、と信じている。では、ClutterのIPOはどうか? Mirは即答する: “100%ありだ。この会社を売るつもりは、絶対にないからね”。

〔参考: Atomico関連記事。〕

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))