Raspberry PiがCode Clubに続いてCoderDojoを併合、元々のねらい(子どもたちのプログラミング教育)の実践力を拡大

Raspberry Pi Foundationが、またひとつ、子どもや若者にプログラミングを教えるチャリティ団体を併合した。今日(米国時間5/25)発表されたそれは、ダブリンのCoderDojo。ねらいは、Piの最初の目的であった若い世代へのコンピューティング教育を、共に推進するためだ。

CoderDojoは2011年に始まり、現時点で傘下のプログラミングクラブは69か国に1250あまりあり、7歳から17歳まで総計35000人以上の若者が、常時出席参加している。

合併のねらいは、その数を4倍にすることだ。2020年の目標はCoderDojoのクラブが5000箇所になることだ。

Pi FoundationのCEO Philip Colliganが、合併を発表するブログ記事でこう述べている: “両者および(2015年11月に併合したCode Clubが力を合わせることにより、若い世代にコンピューティングとデジタルのものづくりを広める活動としては世界最大の規模になる。

Pi Foundationの中核的ミッションはつねに、もっともっと多くの子どもたちにプログラミングを教えることだった。Piは安価な単層のマイコンボードではあるけれども、その設計は今やすべての世代のメイカーたちに気に入られ歓迎されている。

CoderDojo Foundationはこれまでと変わらずアイルランドの独立系チャリティであり続け、その実践的、財政的、および組織的支援をPi Foundationが行う。合併は今後、アイルランド当局の認可により発効する。

つまり、Colligan曰く、“CoderDojoのブランドと精神は併合によって何も変わらない。CoderDojosは今後も、Piなど特定のプラットホームにとらわれることなく、学習効果が良いと判断されたキットを採用していく”、ということだ。

合併の財政的組織的側面として、ColliganがCoderDojo Foundationの理事会に理事として加わる。そしてPi FoundationはCoderDojoの企業会員になるが、どちらも非営利企業なのでそこに財務的利害関係はない。

Code Clubの方は、2015年11月のPi併合の時点でイギリスに3150のクラブがあり、44000人が学んでいた。ほかに、海外のクラブが1000あった。現在はイギリスだけでクラブが5900、全世界では約10000のクラブでおよそ10万の子どもたちが学んでいる。

Colliganはこう語る: “Code ClubとCoderDojoは共に、それぞれの地域で大きく成功している組織だ。ブランドの知名度と人気も高い。併合の理由はどちらも同じで、目標とコミュニティと日常の活動を整合することだが、現時点でも事業と資金源に重複はあまりない。併合によってより大きな、規模の経済を達成したいし、お互いの異なるやり方や経験から学び合いたい”。

“とくにCoderDojoは、途上国で顔が広いことが、魅力だね”。

そして彼によると、今のところ、さらなる併合の計画はないそうだ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Raspberry Pi FoundationとイギリスのCode Clubが合併して世界中の子どもたちにプログラミング教育を展開

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さあ、‘Pi Club’様のご誕生だ。35ドルの世界的に大人気の超小型コンピュータボードRaspberry Pi日本語ページ)を作っている非営利団体Raspberry Pi Foundationと、イギリスで学校の放課後に子どもたちにプログラミングを教えているボランティアチャリティ団体Code Clubがこのたび合併し、後者が前者の傘下に入る形になる。

その目的は、両団体の中核的ミッションをさらに前進させるためだ。Piとしては、もっと多くの子どもたちにテクノロジの知識と能力をつけること。Piは2012年のローンチ以来、700万台も売れたが、その成功は主に、大人のメイカーたちがこの安いハードウェアでいろんなプロジェクトを作っていったところにある。

しかしPiの創始者(Eben Upton)のそもそもの動機が子どものテクノロジ教育にあり、Pi Foundationは今でも、学齢期の児童たちにこそ触ってもらいたいと願っている。

一方Code Clubの方は、2013年にローンチし、主に9〜11歳層の子どもたちにプログラミングによるものづくりの楽しさを教えようとしている。今イギリスでは44000名の子どもたちが放課後のクラブに参加していて、その約40%が女の子だ。

Code Clubのクラブはイギリスだけでも3150あり、ほかにブラジルやオーストラリア、ニュージーランドなどに1000あまりのクラブがある。

両団体とも、いくつかの慈善指向の出資者がついている。たとえばGoogleの場合は、次世代の労働者たちの多くがプログラミングのスキルを持っていれば、同社の事業もいよいよますます元気活発になれるだろう。

このほかCode Clubには、ARMやNesta、Samsung、それに英国内閣府もお金を出している。

Raspberry Pi FoundationのCEO Philip Colliganによれば、両団体は前にも一緒に仕事をしたことがあり、したがって今回の合体は‘当然の成り行き’だそうだ。

彼曰く、“両団体は活動分野がほぼ同じであり、目標も共通している。その達成を目指すやり方がすこし違うだけだ。しかし両者の能力の多くは、一緒にした方がより多くの人びとに到達できると思われる。両者が力を合わせれば、両方のスキルとリーチをを有効に組み合わせ、また投資を成長途上のCode Clubに振り向けることにより、世界中のすべてのコミュニティにクラブがある、という状態を作り出せるだろう”。

Code Clubの創始者の一人Clare Sutcliffe*はこう語る: “たしかにRaspberry Piにも世界中にすばらしいコミュニティがあり、その一部、たとえばこの国のRaspberry Piコミュニティは、すでにCode Clubのボランティアだ。したがってわれわれのねらいは、両者のコミュニティを刺激して世界中にCode Clubをスタートすることだ。そしてそれが、われわれの国際的な成長にも寄与するだろう。それも、ねらいの一つだ。Code Clubを世界のすべてのコミュニティに置くことが、われわれの計画だ”。〔*: もう一人の創始者。〕

“もはや、ぐずぐずしてるヒマはないね!”、とColliganは説く。

Pi FoundationとCode Club、どちらの団体にも、教師たちが子どもにコンピュータ科学やデジタルのメイカーへのなり方を教えられるようにするための、教師育成事業がある。イギリスではプログラミングが小中学校の必須科目になったが、しかし教師の数と能力が追いつかないのが最大の問題だ。(たとえば昨年イギリス政府は、教師にテクノロジ教育の能力を身につけさせるための補助事業…既存教育機関等への助成…に50万ポンドを支出した。)

“Piにも、教育者たちの強力なコミュニティがいくつかある”、とColliganは語る。“だから両団体の協働には理念だけではなく現実的な機会があり、これまでよりも、もっともっと多くの先生たちにリーチできる”。

もうひとつ両団体で共通しているのは、どちらも、プログラミングとデジタルのメイカースキルを勉強するための、無料のオンライン教材や学習サイトを、作ってきたことだ。

Colliganはこう述べる、“世界中の誰もが、自分の空き時間や学校の教程でわれわれの教材にアクセスし、それらを利用できる。両者が合体したことによってそれは、従来よりもずっとずっと強力なオンラインリソースになる”。

“Code Clubのやり方は、今のやり方で十分だが、イギリスでも世界でも対象人口を大きく広げたい”、と彼は話を締めくくった。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa)。