今や非営利事業も支援しているY Combinator, 次の育成対象はプログラミング教育のCodeNow

本誌の記事の昔からの常連で高名なインキュベータY Combinatorの傘下に、プログラミング教育を行う意欲的な非営利団体CodeNowが加わることになった。CodeNowのファウンダでCEOのRyan Seashoreは、YCの助力による今後の成長を期待している。

CodeNowはプログラミングの基礎を、高校生、中でもとくに女子や少数民族など、社会で被差別的な扱いを受けがちな層に教えている。ワシントンD.C.で2011年にローンチし、その後ニューヨークとサンフランシスコにも手を広げた。

その教育事業の構成は、週末のセッションとオンラインのコースワークと夏休みなどに行う合宿訓練から成る。Seashoreによると、彼が絶えず自問し、YCに加わることで一層増幅された問いは、“生身の人間対人間の教育をスケールしたい…しかしどうやって?”だ。

彼がとりあえず見つけた答は、とにかく集団教育やオンライン教育でも人間的側面を失わないようにすることだ。これまでCodeNowはクラスのサイズを最大30名に限定してきたが、最近その方針を変えて、クラスの人数は多いがそれを6~8名から成るグループに分割している。そして各グループにボランティアの先生がつき、各グループの能力や特質に合わせた進み方をする。

また企業やそのほかの団体などが、いわばCodeNowの‘分校’として独自に教育活動を展開できるために、標準化されたカリキュラム”CodeNow in a Box”を開発している。協力企業を探すのはこれからの作業だが、すでに数社が関心を示しているそうだ。

Seashoreは曰く、これが、どうやってスケールするかという問いへの答の一つである、と。彼によるとYCは、自分をそれまでのぬるま湯から蹴り出して、大きな視野を持つことを強制した、という。“これまでは毎回数百名の子どもたちが相手だったが、これからは一度に数十万という規模になる”、と彼は言った。

YCが、非営利団体も育てると発表してから手がけた最初の雛(ひな)が、1年あまり前のWatsiだった。そして昨年の秋にこのインキュベータは、一回の育成事業に複数のノンプロフィットがいてもよい、という方針を発表した。その育成資金は、寄付でまかなう予定のようだ。

YCの今のバッチにも、複数のノンプロフィットがいる。Seashoreは今、YCの‘生徒’になるためにMountain Viewに来ていて、サンフランシスコもCodeNowの重要な市場だと認めているが、本社は今後もニューヨークだ。つまり、YCがニューヨークのノンプロフィットを手がけるのは今回が初めて、ということになる。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


CodeNow、少数派グループの高校生向けプログラミング教室をニューヨークでも展開

高校生(特に女子および少数民族等のグループ)にコーディングの基本を教える非営利プログラム、CodeNowが大規模拡大中だ。

2011年にワシントンDCで立ち上げれらた同プログラムは、このたびニューヨーク市でもスタートを切り、現在最初の講習が行われている。数ヵ月のうちに、この夏に行われる第一回奨学プログラムの参加者が選抜される。さらに今年中にサンフランシスコでも開催される予定だ。

CodeNowのカリキュラムでは、Hackety Hack(プログラミング基礎)やLego MindStorms(ロボティクス)などのツールを使用する。日程は週末のスクーリングとオンラインコースの組み合わせからなり、さらにRubyの「集中訓練」を含むブートキャンプもある(長い休暇または連続した週末を利用する)。

同プログラムの目標の一つは、生徒をプログラマーにすることだ。ファウンダーで同会代表のRyan Seashoreは、10名の高校卒業生のうち3名がコンピューター科学に進んでいる。同時にこのプログラムは「仮にそれ以降1行もコードを書かなかい子供がいたとしても」恩恵があると彼は言う。それは「論理的に考える」ための訓練を受けることができ「テクノロジーを怖れなくなる」からだ。

プログラムが始まったのはワシントンDC(今後も継続予定)だが、Seashoreはニューヨークに移住してニューヨークでの同プログラムにはより意欲的であり、生徒数やクラスを増やし奨学プログラムも開始する予定だ。

「ワシントンDCではこうしたプログラムに対するニーズと欲求が強かった ― そして経済的支援を得ることが難しかった」とSeashoreは語る。

CodeNowの奨学プログラムは、ニューヨークでの最初の2クラスで最優秀だった生徒たちに贈られ、ソフトウェア開発の訓練と作業6週間分の給与も支払われる。最初のCodeNow訓練と奨学制度を通じて参加者は「300時間の対人訓練」を受け、CodeNowは「すごいテクノロジー企業」でのインターンも計画している。

私は実際のセッションを見ていないが、Seashoreは生徒たちの熱中度を示す証拠をいくつか送ってきてくれた。高校2年生のTaharaは、「週末で嬉しいのはCodeNowのために目覚めること」だと言った。中3のMamadouは、「お気に入りはArduinosでライトをつけたり消したりするコードを書いたこと」と言った。

CodeNowがニューヨークでプログラムを立ち上げる際には250人の応募があり、その中から女子13名、男子12名が選ばれてチームが結成された。SeashoreによるとCodeNowはニューヨークの5地区すべてから応募者を受け入れており、マンハッタン中心部で行われるクラスに通うための地下鉄カードを提供する予定だという。

興味のあるニューヨークの生徒はここで申し込める。締切は4月17日(水曜日)。ちなみに、大人はボランティアに登録できる。

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(翻訳:Nob Takahashi)