DropboxのExtensionsでストアしたコンテンツへの仕事がDropboxに居ながらにしてできる

Dropboxには前から、そこに保存したファイルにプログラムからアクセスするためのAPIがある。また同社は、Adobe, Google, Autodesk, Microsoftなどの大企業とパートナーシップを結んできた。そして今日(米国時間11/5)は、サードパーティのパートナーとのワークフローの構築と統合を(Dropbox内で)していくための、Dropbox Extensionsと呼ばれるサービスをローンチした。

Dropboxでエンジニアリングとプロダクトとデザインを担当しているSVP Quentin Clarkによると、同社はかねてから、ユーザーがDropboxに保存したコンテンツを、彼らが使っているそのほかのツールと統合するニーズがあることを、認識していた。“Dropboxだけに限定されないもっと広いエコシステムを支えることに、最大の価値がある。Extensionsはそのための障害を取り除き、エンゲージメントを広く深くしていくための方法の一つだ”、とClarkは語る。

彼によると、APIを使えば、コンテンツを取り出して、それで何かをして、結果をDropboxの置くことは可能だが、ExtensionではユーザーがDropboxの中で直接、アクションできる。ほかのアプリケーションを開かなくても、ユーザーが今いるところで何でもできる、というエンタープライズツールは目下のトレンドであり、Dropboxもそのトレンドに乗りたいのだ。

またそのやり方で、ある種の自動化が可能になる場合もある。その一つの例として、Dropbox Extensionsを電子署名のサービスAdobe Sign, DocuSign, HelloSignなどと統合すると、契約書をDropboxに保存し、それをあちこち送って署名を求め、すべての署名が集まったら、すべての署名入りドキュメントが自動的にDropboxへ返される、という使い方がありえる。そのとき、そのプロセスを始動した者には、完了通知が行く。

今日のリリースに含まれているそのような統合は、Vimeoでビデオの編集、Pixlrで画像の編集、NitroやairSlate, SmallpdfなどでPDFの編集、HelloFaxでFAXを送る(まだFAXが必要なところへ!)、などだ。Clarkによると、これら初期に導入した統合は、ユーザーが、Dropboxとのディープな統合を一番多く望んでいたアイテムだ。

Dropboxのパートナーチームは、Extensionsのそのほかの使い方も追究していくが、実装はエンジニアリングチームとの協働になるので、ユーザーの要望が多いと思われるものから順に着手していく、という。

Extensionsの発表は今日だったが、一般公開は11月27日だ。企業ユーザーだけでなく、すべてのユーザーが利用できる。それは、Dropboxでは単なるストレージだけでなく、いろんな使い方ができることを、広く知ってもらいたいからだ、とClarkは言っている。また、このやり方によって、統合の便利さが知れ渡り、今後の企業ユーザー、企業向けプロダクトのユーザーも増えるであろう、という皮算用もしている。

画像クレジット: TechCrunch

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DropboxがコラボツールPaperにタイムラインを加えてプランニングツールとしても使えるように

Dropboxはその、ドキュメント・コラボレーション・ツールPaperを、2015年の発表以来一貫して、多機能化してきた。今日(米国時間10/25)加わったのはタイムライン機能で、これにより単純なコラボレーションだけでなく、Paperを軽量級のプロジェクトプランニングツールとしても使えるようになる。

Dropboxの顧客は前から、Paperに計画立案機能がほしい、と要望を寄せていた。この新しい機能を発表する同社のブログ記事は、こう述べている: “プランニングには、さまざまな可動部品を調整する面倒な作業があります。今回Dropbox Paperでは、新しいタイムライン機能により、その苦痛を取り除きます”。

そういうツールに誰もが期待するように、タイムラインを作ってその上にマイルストーン(スケジュール項目)を置いていくが、土台がPaperなので各マイルストーンをチームメンバーに割り当てることができる。いろんな情報のノートも付記できるが、それには関連ドキュメントのリンクがあってもよい。

タスクを割り当てられた人のためのトゥドゥリストをタイムラインに埋め込んで、その仕事の無事完了を補佐できる。それが、プロジェクトを割り当てられた全員のための単一のアクセスポイントになる。

Gif画像提供: Dropbox

発表のブログ記事にはこうある: “トゥドゥや@mentionや締め切り(予定日)などによってチームメンバーはお互いが容易にプロジェクトを調整できる。しかも、この一歩進んだタイムライン機能では、チームメンバーの誰もが、いつ・何が・誰の担当で起きるかということを、明確に視覚化できる”。

Dropboxが最近理解しているのは、ストレージツールが単なるストレージツールでは仕事の役に立たない、ということだ。だからコラボレーションやコーディネーションに手を広げて行かざるをえない。Dropbox Paperは、まさにそのためにある。タイムラインが加わると、その多機能化がまた一歩前進する。

Constellation Researchで“仕事の未来”を研究しているAlan LepofskyはPaperについて、コラボレーションツールの変化の兆候、と言う: “こういう新種のコンテンツクリエーションツールは、いわばデジタルのキャンバスのようなものだ。複数のソースからのコンテンツを統合する作業を、単純化してくれる。ワードプロセッサの進化形、と言えるかもしれない”。

プロジェクトマネージャーのもっと完全なプランニングツールを今日明日にもリプレースするわけではないが、少なくとも、Dropboxのユーザーがそこに保存したコンテンツからさらなる価値を作り出せるためのツール、とは言えるだろう。

画像クレジット: Dropbox

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Dropboxのコラボレーション層Paperがメジャーアップデートで多様なコンテンツに対応

Dropboxのようなストレージサービスが企業ユーザーの獲得を目指すときは、単純なファイル共有を超えた機能の提供が必要になる。Dropboxが、これまで欠けていたコラボレーションの層としてPaperを作ったのも、そのためだ。今日(米国時間9/3)同社は、プログラムを切り替えたりせずにコラボレーションツールの中だけで仕事ができるための、拡張機能をPaperに導入した。

“Paperは、チームのためのDropboxのコラボレーションの場だ。複数のユーザーが一緒に仕事をできるための機能がいろいろあり、締め切りを決めてオーナーにタスクを割り当てたり、YouTubeやSoundCloudやPinterestなどのマルチメディアコンテンツを埋め込むこともできる”、とDropboxは説明している。

今日発表された拡張機能で、Paperの中にさらにほかの要素を取り込めるようになった。たとえばPaperの中でDropboxのフォルダーへリンクして、ファイルの中身を見たり、サブフォルダーへ降りて行ったりもできる。リンクはフォルダーそのものへのリンクなので(コピーではないので)、ファイルへのアップデートはPaperの中のビューにもすぐ反映する。これはDropboxのような企業にとって、かなり思い切った機能だ。

画像提供: Dropbox

今のDropboxは、スプレッドシートをパワーアップしたような機能Airtableをサポートしているが、今回のPaperのアップデートで、Airtableを埋め込みコードでPaperに取り込めるようになった。これも、Airtable本体のアップデートが即、Paperのビューに反映される。

さらにこれからのPaperは、Googleのコラボレーション機能のように、図表を作れるLucidchartをサポートする。これも、フォルダーやAirtableと同じく、ライブのビューをPaperの中で見られる。つまり図表本体が変わればPaper上の図表も変わる。

Paperの中で、これだけいろいろなことができるから、プログラムをあちこち切り替える必要がない。最近BoxがActivity StreamとRecommended Appsを発表したのも、同じような理由からだ。Slackが企業で人気が高いのも、同じ理由だ。つまり、ひとつのコラボレーションツールの中で、いろんなアプリケーションのコンテンツをシェアできる。そのために大量のタブや、別のアプリケーションを開かなくてもよい。

Dropbox Paperではさらに、ユーザーがあちこちのアプリケーションのコンテンツサイロを訪ねなくても、一箇所でいろんなプレビューを見ながら、最後まで中断なく仕事ができる。Dropboxはこの機能を、企業顧客獲得の決め手にしたいのだ。

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Dropboxの最新アップデートでモバイル上のコラボレーションがとてもスムーズに

Dropboxが今日(米国時間5/22)発表したアップデートで、モバイルからの利用機能が強化され、外回りの社員がDropboxに保存されているファイルの変更に追従しやすくなった。

典型的なユースケースを挙げると、チームで共有しているファイルについて、AさんがBさんの意見や承認を求めている、とする。Bさんがそれをちゃんとやってくれたか知りたいときには、メールやテキストメッセージを使う。これでは、なめらかなワークフローとは言えない。

そこでDropboxの最新のモバイルアプリでは、メールなどほかのアプリを使わなくても、Dropboxアプリの中で、誰がそのファイルを見たか、誰が何をやったか、などが分かる。

またファイルのレビューを求めるときも、通知が相手のホーム画面に出るから、メールなどを見る必要がない。

写真提供: Dropbox

DropboxのプロダクトマネージャーJoey Loiによると、チームメンバーのいろんなアクティビティがDropboxの中ですべて分かるから、すっきりとしたワークフローになる。“今回のアップデートでは、コラボレーションのループがDropbox内で完全に閉じることを考えた。コラボレーションとは要するにフィードバックのフローだから、Dropboxの外へ出なくても最後まですべてのフィードバックができる、ということだ。ぼくがファイルのどこかを変えたら、同僚はすぐにその変更が分かる”、とLoiは説明する。つまり、フィードバックループが閉じるのが早い。ループの形もシンプル。

また今度からは、頻繁に開いているファイルはホーム画面の上部に、Google DriveのRecentsのように出るから、仕事の流れがワンステップ早い。また、頻繁にアクセスするファイルをDropboxのリストの上部に集めることもできる。今の仕事で使っているファイルを、いちいち探さなくてもよい。

そして、メールで送ってきたファイルをドラッグ&ドロップでDropboxに入れることが、モバイルでもできるようになった。

ひとつひとつはどれも些細な変化だけど、これでモバイルのDropboxでファイルを扱うことが、ずいぶん楽になる。Loiはこう言う: “モバイル上でチームのコラボレーションを円滑にすることに、とくに配慮した”。

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GoogleのBrain TeamのAI研究者たちは毎日何をしているのか

GoogleのBrain Teamの連中は、毎日何をしてるだろうか。あなたと同じように、メールチェックに大量の時間を取られているかな。最近のRedditのAMA(Ask Me Anything, 何でも訊(き)いて)で、GoogleのAI研究者11名が、毎日彼らがやってることを述べている。メールはここでも多いが、学術論文を斜め読みするとか、同僚とブレーンストーミングをする、といった高尚な話題もある。

GoogleのBrain Teamは、同社で人工知能を研究している研究グループのひとつだ。グループのリーダーはGoogleのシニアフェローJeff Dean、彼はMapReduceの中心人物の一人だが、ほかにもいろんな実績がある。

Deanの一日の時間は、メールを送る、技術文書に注記する、研究者たちとのミーティング、コードをレビュー、コードを書く、講演やその準備などに費消される。チームのリーダーだから、Brain Teamを売り込む仕事も重要だ。

チームのだれもが例外なく大量の時間を費やすのが、自分の研究やチームの共同研究に関連するペーパーをarXiv読むことだ。チームの研修生Sara Hookerは、朝食、ときには昼食や夕食で、同僚とおしゃべりし、同じ問題でも研究者によって視点や取り組み方が違うことを知るのが、とても好きだそうだ。そして今の最先端の話題に後れないためにも。

これまで自分たちが考えてもみなかったようなAIのアプリケーション体験することも、彼らは好きなようだ。Hookerはその例として、宇宙探検を挙げる。

自分の出身大学の仕事を兼務している者も、何人かいる。NIPS(Neural Information Processing Systems)など、業界の重要なカンファレンスの企画運営に関わっている人もいる。

そして彼らは、自分で手を汚すことが好きだ。それは主に、hugeでmassiveでgiganticでcosmicでcolossalなGPUクラスター上で、徹夜も厭わず大きな実験をすることだ。Jasmine Hsuのように、コンピューターではなくロボットを使えるラッキーな研究者もいる。彼女はソフトウェアのボットではなくリアルなボットの上で、シミュレーションやモデルのテストなどをやって、研究中のアイデアのプロトタイピングをしている。一日中デスクに張り付いていることが好きな人は、あまりいない。

そこの研究者たちが考えることだけに費やしている時間で、ぼくたちならいくつかのことを学ぶことができるだろう。Daniel TarlowとNicolas Le Rouxは二人とも研究者で科学者だが、主な仕事は今やってるプロジェクトの舵取りや、今後のプライオリティの計画だ。彼らは毎日、それに集中している。

〔参考記事: 同グループ前年のAMA

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Atlassianの主力製品はクラウドのユーザーと自前のデータセンターのユーザーの二股をかける

TO GO WITH Australia-technology-finance-company-Atlassian-IPO-software,FOCUS by Madeleine COOREY
This photo taken on December 8, 2015 shows flags adorning the head office of Australian tech start-up Atlassian which is expected to make its debut on the world's largest tech stock exchange Nasdaq this week.  Software firm Atlassian plans to list 22 million shares priced at 19-20 USD under the ticker TEAM as early as December 10, it said in a filing to the United States Securities and Exchange Commission.       AFP PHOTO / William WEST / AFP / WILLIAM WEST        (Photo credit should read WILLIAM WEST/AFP/Getty Images)

Atlassianは、クラウドとデータセンター両者の、いわゆる‘良いとこ取り’を考えていて、今日(米国時間10/12)行われたAtlassian Summitでは、同社のデータセンター+クラウド方式を拡大する新製品を発表した。

今は企業ITのクラウドへの移行が進んでいるから、そんな中で、クラウドとオンプレミスの二股を張るのは奇妙にも見えるが、しかしAtlassianから見れば、そんなハイブリッド方式こそが、未来のリスクに対する正当なヘッジなのだ。

同社は、開発やそのほかの部門のチームワークを助けるさまざまなツールを作ってきた。それらの主なものは、 HipChat, Jira, Confluence, BitBucketなどだ。しかし近年はデプロイのサイズが急騰し、今では5万名のユーザーがJiraを使っている企業もある。そしてAtlassianの社長Jay Simonsによると、クラウドでそんな大型のデプロイを行うことを、〔セキュリティなどの面で〕落ち着かないと感じている顧客企業も一部に存在する。

そんな企業の需要に応えるために同社は、数年前にデータセンター向けの製品ラインを導入し、そして今日、そのラインを拡大してHipChat Data Centerをベータで含めることになった。HipChatは、SlackやFacebook Workplaceなどと競合する企業向けチャットツールで、いわゆるエンタープライズメッセージングサービスの一種だ。

データセンター向けのHipChatすなわちHipChat Data Centerとは、クラウドからではなく企業ユーザー自身のインフラの上で動くメッセージングアプリだ。Simonsによるとそれは、自分たちのソフトウェアは自分たちのインフラで動かしたい、という企業向けの製品だ。

さらに同社は今日、Jira Software Data Centerを、システムを停止せずにアップグレードできる機能を発表した。Jiraを使ってミッションクリティカルなプロジェクトを管理しているところは、ダウンタイムがそのまま損失につながる場合もあるので、この機能はとくに重要だ。

Simonsはこう説明する、“オンプレミスの場合の問題は、アップグレードするときオフラインにすることだ。そこでわれわれは、システムをオフラインにせずにアップグレードできる機能を加えた”。

そして、自分のデータセンターではなくクラウドにデプロイしたいユーザーのためには、データセンターからAmazon Web Servicesへの移行を支援するサービスを改良した。

こうやってクラウドとオンプレミスの両方のプロダクトをメンテナンスしていくことは、難しいと同社は認める。しかし、にもかかわらず、デプロイの仕方に関して顧客に選択肢があることは重要だ、と。

Atlassianは10年連続で黒字という、優良企業だ。売上の主軸はWebサービスだが、オンプレミスのためのプロダクトをWebで展開するのは、クラウドに対するそれに比べると難しい。同社は昨年12月に、2億1000万ドルを調達したあと、上場した。現在の同社の時価総額は、60億ドルを超えている。

atla

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Office 365はあなたのプロジェクトにゲストを招待できる…多様な人材から成るプロジェクトチームにも対応

Casual discussion between coworkers in modern architect studio

Office 365のようなオンラインツールのおかげで、同じ職場の同僚たちとのコラボレーションはやりやすくなったが、でも仕事、とくに個々のプロジェクトには、往々にして、外部の人が関わることも多い。パートナーとか、コンサルタントとか、あるいはベンダの人たちとか。Microsoftは、そういう現実に対応するために今日(米国時間9/9)、Office 365のコンテンツを、招待したゲストにも見たり編集できる、という機能を発表した

それは一挙に全面展開ではなく、段階的だ。まず最初はWeb上のOutlookにゲストアクセスできる。外部者を招待するためには、まず、招待する方法が必要だ。

プロジェクトにその人を招待するとき、最初はメールで連絡するから、Outlookは妥当な入り口だろう。[Add Guest]をクリックしてその人宛のメールを入力する。ゲストは招待メールのほかにもメールをもらったり、カレンダーに招待されたり、メールの添付ファイルを共有したりするだろう。

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Outlookでゲストを加える。画像提供: Microsoft。

ゲストは全員MicrosoftにサインインしてOffice 365のアクセスをもらう。ただし、メールのドメインは企業でなくてもどこでもよい。

これはMicrosoft一社の発想というよりも、むしろトレンドだ。まさに今週、BoxがBox Relayを発表した。これはIBMと共同開発したワークフローツールで、やはり、仕事のワークフローに外部の人を招待できる機能がある。

Boxの場合は、そのプロジェクトのリーダーがゲストのセキュリティをセットする。たとえばゲストにとってリードオンリーのドキュメントに、社内のチームメンバーは編集アクセスができる、という設定が可能だ。

両社とも、クラウドとモバイルが主勢の現代社会では、仕事のやり方が変わりつつあることを認めている。仕事は、どこにいてもできるし、多くのいろんな人が関わってくる。社員だけ、とは限らない。

プロジェクトのチームを社内社外のいろんな人で構成することが、ますます重要になっている。Microsoftの今日の発表もそのことの証(あかし)だ。

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Hightailに進化したYouSendItが今度は視覚的ファイルでもコラボできるHightail Spacesへさらに進化

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2004年に創業したファイル共有サービスYouSendItは、その後さまざまな進化を遂げ、10歳を目前とした2013年に、もはや単純なファイル共有サービスではない、という趣旨から、名前をHightailに変えた。今でもサービスの核はファイルの共有だが、プロの人たちの利用が多くなっている。そのことに対応するため同社は、テキスト以外の視覚的なファイルを共有してコラボレーションできるサービスHightail Spacesを立ち上げ、今日(米国時間10/15)そのベータを脱した。 Hightail Spacesのプロダクトとしての位置づけは、PDFなど視覚的ファイルも扱えるGoogle Docs、メールの添付ファイルをやりとりしなくてもコラボレーションができるためのツール、というものだ。

というわけでHightail Spacesを使うとチームは、画像やPDFやプレゼンテーションなどのドキュメントを共有でき、それらにコメントや注釈を加えることができる。ビデオファイルもサポートしている。注釈の付け方はSoundCloudのコメントのやり方と似ていて、注釈がタイムライン上に現れる(下図右)。

現段階ではユーザがアップロードできるファイルのサイズや数に制限はない。

“スペース”が二つあれば十分、というユーザは無料プランを利用できる。プロプランは月額15ドルだ。

Hightail_Spaces_Video_Comments

Hightailのチームによると、主なねらいは、みんながメールを使うコラボレーションをやめることだ。と言えばDropboxやBoxなども同じねらいでコラボレーション機能を提供しているが、Hightailの主張では、それらはフィードバックやバージョン管理の機能が弱い。

対してGoogle Docsはコラボレーションの機能は優れているが、テキストデータのみで、視覚的ファイルはサポートしていない。

Hightail SpacesからDropboxを統合できるので、Dropboxのフォルダに新しいファイルがアップロードされたり既存ファイルのアップデートがあれば通知される。またGmailを使いながら、その添付ファイルのうち、Hightail Spacesで使うものを指定できる。今ではどんなサービスもSlackの統合なくしては不完全だから、Hightail SpacesもSlackのチャネルで共有できる。

そしてこのサービスにはダッシュボードがあるので、プロジェクトのオーナーなどは、コメントをモニタしたり、ドキュメントのダウンロードを追跡するなど、全体的なモニタリングと管理ができる。

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SaaSの作業管理ツールに自由度の大きいカスタム化機能を導入したWrike、今後は大企業もねらう

作業管理ツールは二種類あるようだ。高価でカスタマイズの幅の大きいエンタプライズソリューションか、または、自由度の乏しい消費者ソフト的な製品だ。Wrikeは、今日(米国時間12/15)のアップデートで、同社の作業管理とコラボレーションのサービスにより、両者のギャップを填めようとしている。

CEOのAndrew Filevはこう語る: “これまではWrikeもごくふつうのコラボレーションツールだったけど、チームや仕事の特性に合わせてカスタマイズできるようにしたい、とずっと考えていた”。マーケティングのチームと技術開発のチームが、同一のツールで良いはずがない。

そこでWrikeが今日立ち上げた“ダイナミックプラットホーム”では、ユーザが自分たちのニーズに合わせて同社のサービスをカスタマイズできる。これひとつで、どの業種でもどの部課でも使えますよ、ではなくて、たとえばマーケティングの連中なら、見込み客、予算、承認、といった欄を設けることができる。開発チームは、タスクをScrumsprintに割り当てたりするだろう。いずれも、スプレッドシートのような簡単なフォームで行える。

Filevによると、この抜本的なカスタマイズ機能を実装するために同社のチームはまる一年間奮闘した。ITの消費者化のトレンドに連なる競合製品は多いが、自由で高度なカスタマイズに挑戦したのはWrikeが初めてだ。なぜ他社はやらないのかというと、彼によれば、それがものすごく面倒な技術的課題だからだ。“表面的には簡単に見えるけど、末端の具体的なレベルではものすごく複雑でややこしい”、と彼は言う。

しかし、その難題をなんとか乗り越えた同社は、今後は大企業にも売れると確信している。現在の登録ユーザ数(アカウント数)は100万を超えているが、全員がアクティブユーザではない。同社の売上は今年前年比で倍増し、LogMeInのSeth ShawをCROに迎え、LinkedInのBrian Thomeをプロダクトマーケティングのシニアディレクターに迎えた。

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Gitを利用して文書作成コラボレーションの変更シンクを自動化するKivo

今のコラボレーションソフトは、リアルタイムでコラボレーションするものが多いが、Y Combinator出身(今期生)のKivoは、ちょっとちがう。

協同ファウンダのZefi Hennessy Holland(CEO)とLeo Anthias(CTO)が言うには、今は多くの人が、Officeを使って文書の草案を作り、それをメールでやりとりすることによってコラボ(共同作業)している。しかしその方式では、お互いの手元にある草案文書が最新状態にシンクされない。これに対しKivoでは、ユーザが各自の文書にその都度の変更をシンクできる。対応文書形式は相当幅広くて、Microsoft Officeの標準アプリケーションをすべてカバーする予定だが、今のところはWindows XP以降の上でPowerPoint 2007と2010のみだ(最新バージョンのPowerPointももうすぐ)。

PowerPointだけという現状では、変更箇所をシンクする単位が一枚のスライドだ。このツールはユーザのPowerPointに組み込まれ、ほんの数クリックでKivoのサーバ上の新バージョンにシンクしたり、あるいは旧バージョンをKivoのリポジトリからリストアできる。もう、共有するファイルにいちいち、presentation_v4_final_final.pptのような名前をつけなくてもよい。

そんなことは、Gitでやれ!? そう、Kivoは実はGitを利用し、いわばGitにかぶさるユーザインタフェイスだ。Gitは分散バージョンコントロールシステム/ソースコード管理システムとしてデベロッパやプログラマには(おそらくGitHubを介して)おなじみだが、(コラボレーション下において)プログラムのソースファイルのバージョン管理ができるのなら、同じ仕組みで一般文書のバージョン管理もできるのだ。HollandとAnthiasが言うように、Kivoのサーバがユーザに提供する文書のリポジトリは、Gitのリポジトリだ。そうすると、シンクに際してユーザが実際にダウンロードするのは変更箇所だけだから、往々にして巨大な文書全体をダウンロードせずにすむ。

HollandとAnthiasの考えでは、もちろんリアルタイムのコラボレーションツールも必要だが、でも彼らが調査した結果によると、むしろ、リアルタイムに縛られたくないという事務系労働者の方が多い。共同で制作中の文書でも、目を通したり手を加えるのは、自分の都合の良い時間にやりたいのだ。しかも、その共同作業に多数の人が参加しているときには、リアルタイムはほとんど地獄になる。…しかしそれでも、Gitのような便利なシンクシステムを使っている企業は少なく、メールのやりとりが相変わらず多い。彼らの主張では、KivoはGitの仕組みによってリアルタイムコラボレーションに伴う問題を解決し、苦労と間違いの少ないワークフローを実現する。

Kivoは目下ベータなので無料。今後はフリーミアムとして、高度な機能を必要とするユーザには人月あたりの有料制とする。文書共有ソフトとしてはMicrosoftのSharepointなどがすでにあるが、それらのユーザですらKivoには有料で利用するだけの価値がある、と彼らは信じている。しかし当面は、むしろ彼らがユーザについて勉強する期間だから、ここで登録すれば無料で試用できる。

〔余計な訳注: ちょっと勉強して、GitHubを直接、文書共同作成用に利用してもよい。小説のように一人で作成する文書にも、便利に利用できる。〕

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