任天堂Switchの64ギガバイト巨大カートリッジはさらに遅れて2019年か?

任天堂のSwitchは、2017年のテクノロジーの世界でいちばん楽しいサプライズだったかもしれないが、多くの点で優れているけれどストレージの容量はそんなにすごくない。そしてそれは、The Wall Street Journalの伝聞のように64ギガバイトのカートリッジの生産が遅れるのなら、来年も解決しない問題として残るだろう。

今のところカートリッジの最大容量は32ギガバイトで、それでも十分大きいけど、コンテンツが大量にあったり、高解像度のリソースが限界ぎりぎりまであるゲームは、それでも苦しい。

カートリッジの容量が足りない場合は、不足分、あるいはゲーム全体をシステムのオンボードストレージにダウンロードしなければならないが、それもすぐに満杯になる。データはユーザーのMicro SDカードに載せられるが、高価な200+GBのやつでさえ、トータルのストレージは、最小規格のXbox One SやPS4 Slimにも劣る。

WSJの情報筋によると、64 GBのカートリッジは2018年の後期、という予定だったが、それが2019年にずれた。せっかくRPGの大作を作っても、それでは来年のXmas年末商戦にすら間に合わない。

一つのゲームが複数のディスクに分かれていた時代に戻るのか? しかしディスクと違ってカートリッジは高価なメディアだし、ダウンロードできることは問題解決にはならない。しかも毎回、今ある何かを消してスペースを作るようではね。

しかし、ゲームが多すぎて全部はデバイスに載らない、という問題は、贅沢な悩みかもしれない。しかも、巨大なゲームだから32ギガバイトに押し込められない、という問題でもない…Breath of the Wild(ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド)は、その半分もないからね。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Sony公認の小さくてかわいいPS4コントローラーは子どもや手の小さい人にぴったり

ゲーム機を子どもと一緒に遊ぶことが好きな人は気づいておられると思うが、子どもの手は小さすぎて、ある種の同時操作ができなかったり、指がボタンに届かないときがよくある。それで対戦相手としてやっと互角になる、とも言えるが、でも子どもたちの体格に合ったコントローラーがあった方が、ずっといいだろう。そして、それがついに登場した!

この小さなかわいいコントローラーはHoriが作り、Sonyが公式にライセンスしている。オリジナルより40%小さくて、しかし必要なコントロールはすべてある。必要ないもの…ヘッドセットジャック、スピーカー、振動モーター、モーションセンサー、ライトバーなどはない。ライトバーは邪魔なので、ぼくは絶縁テープを貼って隠している。

タッチバーも当然小さいが、Sonyによれば、“一部のタッチパッド入力は左右のスティックでシミュレートできる”そうだ。でもボタンは揃っているから、ブラッドボーンなどには十分だ。

でも、小さいから子どもの手にもよくなじむ。10フィート(3メートル)のコードがついているから、子どもたちの部屋でコントローラーが行方不明になってしまう可能性は低い。子どもが自分の首を締める事故を心配する声もあるが、数年前にワイヤレスがスタンダードになるまでの長年、Nintendo, Genesis, Super Nintendo, N64, Playstationなどなどでそんな事故は一度もなかったと思う。むしろ、SwitchのJoy-Conを飲み込むことの方が心配だね。なにしろ、とくに幼児は、目を離(はな)してはいけない。

いずれにしても30ドルと安いから、PS4一族の仲間入りをしてもらうのも気楽だ。子どもはもちろん、カウチで一緒に遊ぶ大人たちにもふさわしい。発売はもちろん、ホリデイシーズンの前だろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

ゲーム専用機: いよいよご臨終か?

数日前にSonyは、Playstation 4が600万台売れたと発表した。肩を並べるMicrosoftの次世代ゲーム機Xbox Oneは、ほぼ400万台に達しているようだ。ゲーム専用機の両横綱はどちらも昨年の11月の終り頃に発売され、クリスマス年末商戦を競った。両社はどちらも、全世界および合衆国のような主要市場におけるゲーム機やゲームの売上で、トップを名乗るべく鎬(しのぎ)を削っている。

そして今のところは、PS4が首位、XB1は二位のようだ。

しかしどちらも、その売上台数は、前世代機に比べて見劣りがする。ゲーム専用機市場(コンソール(console)市場)は大幅に縮小しており、ゲーム制作企業やゲームのデベロッパが受けているダメージは大きい。とりわけ、つねに複数のプラットホームに張っている大手にとっては、市場全体の動向が業績を左右する。

ゲーム機メーカーは昔のように嬉々としてデータを発表しなくなったから、最近の次世代機の売上については明確な数字が得られにくい。でも、最近の彼らのこの寡黙が、実は何よりも雄弁だ。ここでは調査会社NPDの業界データをもとに、北米地区における売上の動向を探ってみよう。

まず、下の表は、NPDの公式データによる主要ゲーム機の2007年1月の売上台数(北米地区)だ。それは、2006年のホリデイシーズンの直後である:

Wii: 436,000
360: 294,000
PS3: 244,000
PS2: 299,000
NDS: 239,000
PSP: 211,000
GBA: 179,000
GC: 34,000

これらの数字の合計は、200万弱となる。

さて今度は、こちらはNPDの推計データになってしまうが、2014年1月の売上台数だ:

PS4: 271,000
XB1: 141,000
3DS: ~97,000
PS3: ~53,500
Wii U: ~49,000
360: ~48,500
Vita: ~17,000

これらの数字の合計は70万弱となる。この、200万対~70万という数字は、市場の大きな縮小を物語っている。~70万は最大で70万という意味だが、今後多少上方修正されたとしても、落差の大きさは解消しないだろう。

極端に悲惨なのはWiiだが、でも全体的に市場は縮小している。 Xboxも、Oneは前世代機360の半分に満たない。しかも2007年では前世代機PS2が、今年の現世代機PS4よりもたくさん売れているのだ。

別の情報によると、2014年1月の、ゲーム機とゲームを合わせた売上は前年同期比で1%ダウン、とされている。2012年年末には目立った新製品の発売はなく、逆に2013年年末は二大旗艦機の新型機が出たのだから、それで1%ダウンはあまりにも寂しい。つまり、市場回復のきざしはなかった、ということだ。

[pullquote]PS4とXB1は、主要ゲーム機としては初めて、最新ではない技術を使っている。[/pullquote]

たしかにPS4はこの時期、本国市場では未発売だったが、しかし日本での出だしもあまり芳しくない。日本の市場調査会社Media Createによると、PS4の発売第二週の売上台数は65685で、PS Vitaの72479やWii Uの130653に比べて低い。

本国で派手に新発売されたPS4も、市場に弾みをつけることはできなかった。

人気上位のゲーム機は、世代をあらためるたびに、ゲームの開発費用が高騰していく。しかしゲーム機本体の売上台数が伸びないのなら(ゲームも売れないから)、その費用を回収するすべがない。

これまで、好評のBioshock Infiniteを400万も売ったIrrational Gamesがついに白旗を掲げた。これに限らず、著名ゲームスタジオの近年の敗退歴は、死屍累々というありさまだ(NeoGAFのフォーラムより)。

今後、新世代ゲーム機PS4やXB1の売上がどうなるか、それを予言するのは早すぎるとはいえ、市場の縮退という事実はもはや覆い隠せない。

新世代機の売上が伸びないだけでなく、これまで見られた、旧世代機が売上のロングテールを支える、という現象もない。つまり、PS3/360/Wiiの落ち込みは、往時におけるPS2/GCの落ち込みよりも、びっくりするほど急峻なのだ。旧世代機が長くたくさん売れるという傾向がなくなり、むしろ消費者離れの傾向が顕著だ。

ゲーム専用機の市場の斜陽化、その原因は何だろう? まず挙げられるのは、消費者のゲームプレイの多くがモバイルデバイスに移行したこと。さらに2007年以降は、ゲーム以外のモバイルアプリやソーシャルネットワーキングがメインストリームになり、消費者の余暇時間を大きく奪った。またモバイルのカジュアルゲームにAngry BirdsやCandy Crushなどの大ヒットが現れ、さらにモバイルのメッセージングが大人気となり、消費者の余暇時間を填め尽くした。

デバイスのリフレッシュでも、ゲーム専用機は遅れを取るようになった。モバイルデバイスはふつう、1年でピカピカ新製品のハードウェアへとアップグレードされる。また、別の方向では、きわめてハイエンドなPCにゲーマーたちを奪われる。グラフィクスの性能やフレームレートなどでは、それらの最高クラスのPCの方がゲーム機よりも上で、したがってゲーム体験の内容も濃い。

[pullquote]カジュアルはモバイルへ行き、高度なゲームファンは見栄えの良いPCへ行く。伝統的なゲーム専用機は、左右両側から押しつぶされる。[/pullquote]

私にNPDのリークデータの存在を教えてくれたベテランのゲームデベロッパは、この業界に10年以上いる人物だが、彼はこう言う: “PS4/XB1は、史上初の、古い世代の技術を使っているゲーム機だ。今なら、2年前に出たGPUですら、これらのゲーム専用機が使っているものより良い。最新の低価格GPU、150ドルクラスのでも、PS4/XB1よりは良い。今のいちばんハイエンドのGPUなら、これらのゲーム機の3倍のパフォーマンスがある。しかもそれらのGPUは新世代の最初の製品だから、これからはいよいよ、前代未聞、驚異的なゲームグラフィクスの時代が来る”。

“つまり、カジュアルはモバイルへ行き、高度なゲームファンは見栄えの良いPCへ行く。伝統的なゲーム専用機は、左右両側から押しつぶされる”。

ゲーム専用機の、もう一つの困った問題は、市場の衰退に伴ってゲームタイトルの選択肢の幅がますます細っていることだ。小さなニッチのゲーム、きわめて多様なミッドサイズのゲーム、そしてトリプルAクラスの超大作、といった幅広い品揃えは、もはや過去のものだ。

業界は少数の超大作だけに注力することによって、開発費用の高騰を埋め合わせようとしているが、それだけの大きな開発費を出せる企業はとても少ないので、そういう大作ゲームも選択肢の幅が先細っている。今では一社が一年にビッグタイトル二作、しかも多くは、過去のヒット作の続編で新味がない。

ゲームの選択肢が痩せ細ると、ゲーム機を買う動機が希薄になる。ほんの一握りしか新作ゲームのない機種を400~500ドル出して買うのは、よほどのマニアだけだ。それはとうてい、持続可能な市場とは言えない。

ここに、初代ファミコン(1983発売)からPS3/Wii(2006発売)までの、上位10機種の累積売上データがある。これを見ると、現世代機は、横ばいの維持すらすでに手の届かない目標であることが分かる。たとえばWiiは1億台あまり売れ、360とPS3はそれぞれ8000万近く売れている。三者トータルで2億6000万だ。

2014年はこれまででWii Uが600万、XB1が~400万、PS4が600万だから、合計で1600万、2億6000万に達するにはあと2億4400万だ(今のペースであと何年かかるか?)。しかも開発費の高騰を考慮に入れると、横ばいではなく累計売上台数は、前世代機よりも相当多くなければならない。

しかしSonyの北米のメインのスタジオであるSony Santa Monicaは、最近大幅な人員削減を行い(1/4をカット、といわれる)、これまで開発中だった大作のPS4タイトルを中止したらしい。

このように、Sonyは大鉈をふるって自己の身を削っている。

合衆国のプレステ事業を20年あまり担当したJack Trettonが、つい先週辞めた。

さきほどのデベロッパは、こう解説する: “そのプラットホームのオーナーがプロジェクトをキャンセルして、しかも開発要員をレイオフしたってことは、そろそろあぶない、ということさ”。

今、ゲーム専用機に投げかけられている大きな質問は: 現世代における市場縮退という現象は克服可能なのか?それともゲーム専用機という製品カテゴリそのものの終焉を意味しているのか?だ。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))