Consumer Reports誌がMicrosoft Surfaceの推薦を取り下げ、故障率が高いため

【抄訳】
Surfaceは、近年のMicrosoftの意外なるヒット作だ。Windows 10の概念実証にすぎない、と多くの人が思っていたこの機種は、ツーインワンタブレット(two-in-one table)という新しいカテゴリーを自ら打ちたて、そのカテゴリーのリーダーに座った。しかしConsumer Reports誌が最近行った調査によるとこのデバイスは、多くの競合機に比べてはるかに不安定であることが実証された。それだけでなく、状況が悪すぎるので、同誌はこの製品を推奨リストから外した。

およそ90000のタブレットユーザーにアンケート調査を行った結果、Surfaceのオーナーの約1/4が、このデバイスが二年以内に故障したことを報告した。AppleやSamsung、Acerなどでは二年間の故障率がそれぞれ10, 16, 18%だから、この数値はかなり高い。ただしToshibaとDellはそれぞれ、24, 22%とかなり近い。

消費者はタブレットを買うとき、それがスマートフォンの契約期間や下院議員の任期などより寿命が長いことを期待するから、世界でもっとも著名なブランドであるMicrosoftの製品の故障率が高いことは、相当厄介な問題だ。

同誌は、Surface Laptopの2機種と、Microsoft Surface Bookの2機種計4SKUを、認定のリストから外した。こういうことは過去にもあるが、Microsoft製品に関してはめったにない。製品の不良に対する消費者の反応は一般的に、‘悲嘆の五つの段階’(five stages of grief…否定、怒り、取引(代償)、抑鬱、受容)に従うが、Microsoftの場合は全員が‘否定’(そんなはずはない!)のようだ。

同社は声明の中で、Consumer Reports誌の結果には同意しない、と述べている。Microsoft自身が経験している過去の返品率や故障率は、問題になるほどの高率ではない、と言うのだ。上の三番目の段階‘取引’では、MicrosoftはConsumer Reports誌ともっと密接に協働すべきだろう。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Apple、MacBook Proのバッテリー問題を解明―Consumer ReportsのベンチマークとSafari双方に問題

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先月、消費者向けプロダクトのテストのパイオニア、Consumer Reportsが新MacBook Proのバッテリー駆動時間について3.75時間から19.5時間という.いささか奇妙な結果を発表した。Appleユーザーと関係者の間ではこの結果についてMacbook Proのバグあるいはベンチマークのバグを疑う声が上がっていた。最新の調査結果によると原因は双方にあった。

AppleとConsumer Reportsは正月休みを返上し、共同でバッテリー・テストの結果のばらつきがなぜこれほど大きくなったのか調査にあたった。調査のたびに結果が大幅に異なり、正確なバッテリー駆動時間を見積もることがきわめて難しかった。そこでベンチマーク・テストがを何度も繰り返された。

新Macbook Proのバッテリー駆動時間は旧モデルに比べて1倍から5倍にもなった。またMBPの初期購入者の一部もバッテリー駆動時間に関する不具合を訴えていた。そこでAppleはmacOSのアップデートの説明から「バッテリー駆動時間は変化なし」という説明を削除した。

しかし依然としてConsumer Reportsのベンチマークのばらつきの原因は不明だった。やがってConsumer Reportsのベンチマーク測定でSafariのローカル・キャッシュを無効に設定していることが大きなばらつきに関連していると判明した。Consumer Reportsのベンチマークでは、ローカル・キャッシュをオフにしているため、インターネットのサイトにアクセスするたびに新規にデータを読み込んでいた。Safariのキャッシュがオンの場合、アクセス先ページをローカルのHDDに保管するため、同じサイトにアクセスするつどデータをダウンロードする必要がない。

Appleは声明で「Consumer ReportsはSafariのブラウザー・キャッシュを無効に設定していた。これは隠された機能で、一般のユーザーがインターネットを利用する際に用いられる設定ではなく、一般的な利用状況を反映するものではない」と述べた。

この設定の意図について今日(米国時間1/10)、Consumer Reportsはブログ記事で説明した。これによると、Consumer ReportsはSafariに限らず、ブラウザーのベンチマークではキャッシュを無効にしてきたという。Consumer Reportsでは同じウェブサイトを繰り返し読み込むのではなく、数千の異なるウェブサイトをブラウズする状況が再現できるからだとしている。

一方でAppleはSafariがアイコンを読み込むコードにバグがあったことを発見した。このバグは直ちに修正されたので、ベンチマークの成績は改善されるはずという。

ではConsumer Reportsのベンチマークの方法はどうなのだろう? バッテリー駆動時間を測定するのにウェブサイト閲覧を利用するのは良いアイディアに思える。現実の消費者の多くはノートパソコンを主としてインターネット・アクセスに利用している。ユーザーはサイトを開き、音楽を聞き、文書を作成し、動画をストリーミングしている。しかしテスト結果に大きな影響を与えるような設定を用いることには疑問が残る。Consumer ReportsはMacbookに限らず、ノートパソコンのベンチマークにあたってローカル・キャッシュを有効にすることを検討すべきかもしれない。

AppleはTechCrunchに次のようなコメントを送ってきた。【原文参照】

〔日本版〕Consumer Reportsではノートパソコンのバッテリー駆動時間のテストにあたってウェブ10ページをローカル・サーバーに保管し、ノートパソコンがシャットダウンするまでWiFi経由で繰り返し読み込ませていた。ローカル・キャッシュを有効に設定するとノートパソコンはキャッシュに保管されたページを読み出すことになり、異なるサイトをブラウズする状況を再現できない。CRの記事に詳しい説明がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

MacBook Proの短いバッテリー寿命を指摘したConsumer Reports誌とAppleが問題をめぐって協議中

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Appleは全体的にあまり元気がなく、バッテリー技術には突然の予想外が襲った今年は、Consumer Reports誌がMacBook Proの推薦を断ったことが、そんな年のあまりにも完璧な縮図のように思える。

その最近アップグレードされたラップトップの寿命に関する苦情がネット上登場し、それに続いて、同誌によるそのラップトップの15インチバージョンの評価は100点満点で56点、13インチは標準バージョンとTouch Barバージョンがそれぞれ47点、40点と発表された。

そんなスコアの注記には、“そう、電池寿命がね”とあり、そのラップトップの推薦の拒否にまで至るCR誌の評価結果には、確かに相当なばらつきがある:

たとえば、三回続けて行った試験では、Touch Barのある13インチモデルは、最初は16時間動き、次が12.75時間、三度目がわずか3.75時間だった。Touch Barのない13インチモデルは、最初が19.5時間、その次がわずかに4.5時間だった。そして15インチのラップトップは、18.5時間から8時間という落差がある。

CR誌のサイトは、“Appleは、問題をよく理解するまではコメントを差し控える、と言った”、と述べている。Appleのマーケティング担当SVP Phil Schillerが金曜日(米国時間12/23)の夜ソーシャルメディアに登場して、社内のテスト結果はConsumer Reports誌の結果と合わない、とツイートした。

上のツイートでSchillerは、“彼らが行ったバッテリーのテストを理解するために今同誌と協議している”、と述べている。“彼らの結果は、弊社が行った徹底的な実験的試験や現用データと合わない”、とSchillerは言う。Apple自身のテストでは、そのハイエンドラップトップのバッテリーは“10時間まで”もった。

CR誌はすぐさま、このようなバッテリーの問題はソフトウェアのアップデートで解決することもあるから、Appleがそういう対策を講じたのなら、初期状態でのテストを行っていただきたい、と応じた。

Consumer Reports誌はこれまで毎回、Appleのそのノートブック系列を推薦してきたが、ここに来て初めて、テスト結果がその連続を断ち切った。しかし、同誌がAppleの逆鱗に触れたのは、今回が初めてではない。中でも大きな事件として、iPhone 4のアンテナ問題に関する2010年の調査では緊急の記者会見が開かれ、購入者全員に無料でケースが配布された。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Tesla、Consumer Reports誌の推薦取消しで株価急落

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電気自動車メーカー、Teslaの株価は今日(米国時間10/20)急落し、通常取引終了までに7%安となった。その後、日中最安値からやや回復を見せた。

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なぜ下がったのか? Teslaは、誰もが切望するConsumer Reportsのお墨付きを失い、「平均以下」の評価を与えられた。理由? TeslaのModel Sセダンについて「数多くの詳細かつ複雑な問題点」が相次いて報告された。「主要な問題」は、駆動系、電力装置、充電装置、タッチスクリーン式センターコンソール、およびサンルーフの水漏れを含む様々な問題。それでもTesla Sは、レスポンス性および修理に関して高い評価を得ており、市場の反応はやや過剰反応と言える。

Teslaは長年テクノロジー世界の寵児だった。この暴落後でさえ、Teslaの価値は250億ドル以上で、例えばTwitterをはるかに上回る。同社の株は今夏にピークを迎え、280ドルに達した。現在Tesla株は200ドル近くで取引きされている。

同社は最近新型車を発表し、高級SUVの価格は約13万ドルだ。このSUVはModel Xと呼ばれ、その製造はあまりにも困難なため、CEOが報道陣に「作るべきだったかどうか確信が持てない」と語ったほどだ。

それはともかく、Teslaは長い間Model Sを強みに成長してきた。よって主要収益源のつまづきは、われわれが想像する以上に重要である。。

Teslaもそれなりの財務的問題を抱えている。同社を2011年から2014年にかけて推進した爆発的売上成長は鈍化している。事実、Google Fiannceがまとめたデータによると、Teslaは過去3四半期、売上成長は停滞し損失も増えている。

Teslaの第3四半期決算は、11月3日に発表される。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook