Stackeryがアップデートしてサーバーレスアプリケーションのデプロイがさらに容易に

今年で4歳になるポートランドのスタートアップStackeryは、AWS上のサーバーレスのリソースをデベロッパーがもっと容易にデリバリーできるようにしてくれる。今日同社は、そのプラットホームにいくつかの機能強化を行なった。

サーバーレスのアプリケーションでは、開発チームが一連のトリガーイベントを定義し、そしてAWSのようなインフラストラクチャのベンダーがイベントの実行に必要なだけの無駄のないリソースを提供する。そこでデベロッパーは、アプリケーションを動かすために必要な適正量のリソースのプロビジョニングについて、悩む必要がなくなる。

StackeryのCEO Tim Zonca氏はこう述べる: 「StackeryはAWSのためのセキュアなサーバーレスプラットホームだ。チームがラップトップ上のコーディングから本番のプロダクションへ移行していくとき必要になる、設計と開発のためのツールをわれわれが提供し、彼らが無事にモダンなアプリケーションをデリバリーできるようにする」。

同社がデベロッパーに提供するものを一般化して言うと、それは仮想ホワイトボードだ。その上でデベロッパーはきわめてビジュアルにサーバーレスのアプリケーションを構築でき、そのAWS上での試験とデプロイもできる。Zonca氏によると、今日発表するアップデートは、そのプラットホームにセキュリティとガバナンスを導入するもので、さらにまた、gitを利用するモダンなアプリケーションデリバリーシステムにより、継続的デリバリーのためのツールをフルセットで提供する。

「サーバーレスを作っていくときにデベロッパーが遭遇する、さまざまな落とし穴を埋めることが、うちの仕事だ。そのためにわれわれは一連のベストプラクティスを開発して、アプリケーションの安全なデリバリーを確保する。弊社のプロダクトにはそのための工程が刻印されているので、チームはサーバーレスの世界で、ベストプラクティスについて自分で悩まなくてよい」、とZonca氏は説明する。

同社は顧客がアプリケーションをBitbucket、GitLab、GitHubなどを使ってgitのリポジトリーへ入れていくとき、既知の脆弱性に照らしてコードをレビューする。「弊社には、サーバーレスのファンクションのコードを、既知の脆弱性に対して監査する能力があり、それには、そこらで誰もが使っているような一般的なツールだけを使っている」、とZonca氏は言う。

同社はまた、コードの試験も支援する。サーバーレスのインフラストラクチャは短命なので、コードの試験は難しい。「一時的で短命な試験環境を自動的に動かせるようにして、それを彼らのシステム試験や統合化の試験、ユニット試験などに利用していく。また、人間が実際にログインしてユーザビリティテスト行うときのプルリクエストに結びついた試験環境も提供している」、とZonca氏は自負する。

アプリケーションがすべての試験に合格して、ステージングやプロダクションの環境へデプロイされる用意ができたら、Stackeryはその変更の集まりを自動的に有効にする。すると企業は、最終レビューをしてからデプロイするか、またはチームがセットアップしたすべての不測事態を切り抜けられたら自動的にデプロイさせるか、どちらかを選ぶ。

Stackeryは、2016年に創業された。Crunchbaseのデータによると、これまでに740万ドルを調達している。

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ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを計るツール「Continuous Insights」

Harness(ハーネス)のCEOで共同創業者であるJyoti Bansal(ジョーティ・バンサル)氏は、ソフトウェア開発チームのパフォーマンスを計るツールがないことに日頃から不満を感じていた。Harnessは継続的デリバリーをサービスとして提供するツール(Continuous Delivery as a Service)だが、同社の最新製品であるContinuous Insightsは、彼のその不満を解消し管理職が自分のチームのパフォーマンスを正しく知るためのツールだ。

バンサル氏によると、以前から測定なくして改善なしという管理のための格言がある。そしてContinuous Insightsは、エンジニアリングの実効性を計る方法だ。彼は 「人々はソフトウェアのデリバリー工程の良否を知りたがるし追跡調査もしている。Continuous Insightsは、そのためのツールだ」と説明する。

彼によると、パフォーマンスのビューが何週間も何カ月ものデータを引っ張り出さなくても得られるツールはこれが初めてだ。「現在のパフォーマンスを知るためのデータはどうやって得るのか。ソフトウェアのデリバリーはどれだけ速いのか。どこにボトルネックがあるのか。これらに関しては現状では十分な可視性がない。Continuous Insightsは、エンジニアリングのチームがソフトウェアのデリバリーのパフォーマンスを明確に測定し追跡することを、カスタマイズ可能なダッシュボードによって極めて容易にした」と彼は主張する。

Harnessは、DevOps Research and Assessment(DORA)が彼らの本であるAccelerate日本語訳)で定義している4つの重要な測度を計る。それらは、デプロイの頻度、リードタイム、平均回復時間、そしてエラーの変化率だ。バンサル氏は「これらの数字の良い組織はイノベーションの能力でもほかより勝っている」と主張する。逆にこれら4つの測度の悪い企業は市場の後尾を走ることになる。

ContinuousInsights 2

画像提供: Harness

バンサル氏によると、これら4つの領域の測定は、パフォーマンスを調べる方法であるだけでなく、数値を上げることがチーム間の競争になるとゲームの要素が入ってくる。エンジニアリングがもっともデータドリブンな組織だ。といくら言っても、彼によるとこれまではそのためのツールを欠いていた。彼は、Harnessのユーザーが、やがてこの種の厳格さをエンジニアリングに導入することを期待している。

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CircleCIの継続的インテグレーションをMicrosoftのプログラマーが初めて採用

CircleCIはかなり前からLinuxやMacのプログラマー向けに継続的インテグレーションのサービスを提供しているが、しかしこれまで、Microsoftのデベロッパーは蚊帳の外だった。しかし米国時間8月7日から同社は、Windows Server 2019を使っているMicrosoftのデベロッパーをサポートすることになった。

先月5600万ドル(約59億4500万円)のシリーズDを発表したCircleCIは当然、そのマーケットリーチを拡張する道を常時探しているはずだが、Microsoftのプログラマーをサポートすることになったのは、背後の市場が大きいという意味で同社にとって幸先がいい。

CircleCIのWindows担当プロダクトマネージャーであるAlexey Klochay(アレクセイ・クロチャイ)氏は「Windowsのサポートを発表できることは、とても嬉しい。顧客も、それを求めていた。Stack Overflowの今年初めの調査によると、ソフトウェア開発市場の40%をWindowsが占めているんだ」と述べている。

Microsoftのプログラマーたちは、これまでもCircleCIのような専門サービスに頼らずに継続的インテグレーションをやっていたが、それは相当困難だった。同氏によると、CircleCIならもっと総合的なソリューションを提供できる。まず、デベロッパーはエンジニアの助けを借りずに自力でCI/CDの流れを運用できる。「デベロッパーが自力で、自分たちのペースで、やりたいことができる。何かに縛られることもない。うちのサービスはとても使いやすいし、メンテナンスも楽だ」と彼は説明する。

CircleCIは、開発チームの全体に大きな可視性を提供する。「誰が今何をやっているのか、各人がシステムと今どんな対話をしているのか、それを一望にできる」とクロチャイ氏は語る。

その使いやすさには、昨年リリースされたWindows Server 2019のさまざまな改良も大きく貢献している。「最新のWindows Serverに導入された変化によって、1年前だったらありえなかったほど、円滑な仕事ができるようになった」とクロチャイ氏。

CircleCIのNathan Dintenfass(ネイサン・ディンテンファス)氏によると、一般的にMicrosoftの最近のエコシステムは、CircleCIがデベロッパーに提供しているアプローチを歓迎するような方向性に変わってきた。「我々はWindowsのエコシステムの成熟を目撃し、ソフトウェアのデリバリの自動化とスループットの向上に投資している彼らのチームに、前よりも引かれている。またそれと同時に、Windowsを提供している彼らのクラウドインフラストラクチャも成熟してきたから、我々のオペレーションも相当楽になっている」と同氏は語る。

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問題のある継続的デリバリーのビルドを自動的にロールバックするHarnessの新しいツール

CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー, continuous integration/continuous delivery)に移行すると、デプロイしたビルドのモニタリングや問題解決が忙しくなる。次のデリバリーマイルストーンに行ったあとに問題に対応するには、どうしたらいいのか?。昨年、AppDynamicsのファウンダーJyoti Bansalが立ち上げたスタートアップHarnessはそれを、24×7 Service Guardと呼ばれるツールで解決しようとする。

このツールは、すべてのビルドを、それらがいつローンチされたものであってもモニタすることによって、継続的デリバリーの工程を支える。そのためにはAIと機械学習を利用して、問題のあるビルドを自動化でうまくいっていたビルドに遡及(後戻り)させ、デベロッパーとオペレーションが心配なく仕事を続けられるようにする。

同社は昨年、継続的デリバリーのビルドがデプロイされたことを検証(verify)するContinuous Verificationというツールをローンチした。今日(米国時間12/13)の発表でBansalは、同社はそれをレベルアップすることによって、デプロイ後に何が起きたのかを理解するためのツールに仕立てた、と言っている。

そのツールは毎回のビルドを、デプロイから数日経ったものであってもウォッチし、そしてAppDynamicsやNew Relic, Elastic, Splunkなどのツールからのデータを利用、さらにAIと機械学習を使って問題を特定し、人間の介入なしでそれらを実動状態に戻す。さらにまた、ユーザーのチームは、さまざまなモニタリングツールやロギングツールのデータから得られた、各回のビルドのパフォーマンスとクォリティの統一的なビューを取得できる。

Bansalはこう説明する: “みんな継続的デリバリーで苦戦している。これまでも彼らは、AIを使ったOpsツールでプロダクションに入ったものをウォッチし、問題を究明しようとしてきた。でもうちのやり方では、CD段階のウォッチにAIを使うことによって、プロダクションの段階には問題がないようにする”。

24×7 Service Guardのコンソール。スクリーンショット提供: Harness

彼によると、このプロダクトを商用化したのは、CI/CDで苦戦している企業をたくさん見てきたからだ。彼は言う: 速く動くことによって問題の露呈を早くする、というCI/CDの初期の教えはエンタープライズに通用しない。彼らに必要なのは、ミッションクリティカルなアプリケーションが継続的ビルド(その定義はさておき)でも動き続けることだ。

“デベロッパーは速く動いてしかも会社の業務がその影響を受けないようにしたいのだ。だから、あの初期の教えでは不十分なんだよ”、と彼は語る。

どんなプロダクトにもアップタイムの絶対的な保証はできないがこのツールは、CI/CDに価値を見出しているがアプリケーションは動かし続けたい、という企業の役に立つ。デプロイしてから修復するというワンパターンを、繰り返したくない。このツールが本当に役に立てば、CI/CDを前進させるだろう。とくにそれは、開発工程を迅速化したいけど、アプリケーションが壊れないという確証がほしい、問題の修復は自動化したい、という大企業に向いている。

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ShippableとARMとPacketがパートナーしてARMベースのサーバーにCI/CDプラットホームを提供

継続的インテグレーションとデリバリー(CI/CD)の市場は、その大半がハイエンドのx86サーバーにフォーカスしているが、しかしARMベースのサーバーの出現により、ARMサーバーの上でネイティブに動くソリューションへの需要も芽生えてきた。そしてその気運に乗ったCI/CDプラットホームShippableは今日(米国時間7/9)、ベアメタルのホスティングプラットホームPacketおよびARMとパートナーして、まさにそのようなソリューションを提供しようとしている。

そのパートナーたちは、ARMベースのサーバーの採用が増えているのだから、デベロッパーはそれらをネイティブにサポートするCI/CDプラットホームが必要だ、と主張する。“正しいインフラストラクチャの上でテストできることが、楽しめるビルドプロセスと苦痛なプロセスをわける境界だ。エッジやIoTなど今急成長中の分野につきものの、多様なハードウェア環境ではとくにそう言える”、とPacketのCEO Zac Smithは言う。“Shippableは最初からARMをサポートしているので、その速いビルドとシンプルなワークフローの組み合わせは、他に類がないほど強力だ”。

Packetは現在、比較的強力なARMベースのマシンを1時間$0.50(50セント)で提供しているが、競合他社も多くて、たとえばScalewayはメニューがもっと豊富だ。

当然ながらShippableはPacketのARMマシン上に同社がホストするCI/CDプラットホームを提供し、その上でデベロッパーは32ビットおよび64ビットのアプリケーションを構築できる。オープンソースのプロジェクトを動かしているなら、そのワークフローのビルドとテストに無料でアクセスできる。

このようなコラボレーションがここでも再度強調しているのは、Packetのようなセカンドティアの(== あまりメジャーでない)クラウドプロバイダーと、彼らの周辺にあるデベロッパーツールのエコシステムは、パートナーシップを武器としてAWS, Google, Microsoftのようなハイパースケールなクラウドベンダーに対抗する、というパターンだ。たとえばPacketは最近、このほかにPlatform 9やBackblazeなどともパートナーシップを組んだ。今後このような動きが、さらに多くなると予想される。

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