顧客行動への対応から、マーケティングファネルを作る方法

一口にマーケティングと言っても、その施策は多種多様であり、ターゲットオーディエンスや検討に至るまでのどの段階にいるか、などによって大きく内容は異なります。投資に見合った効果を得るためにはどのような施策に注力すべきかを判断することが重要となりますが、マーケティングファネルを作成することがその一助となりえます。今回は、マーケティングファネルの作成方法に焦点をあてたCXLの記事を紹介します。

マーケティングとセールスファネルはともに、カスタマージャーニーをマッピングするための、実績のあるフレームワークである。

しかし、新たなテクノロジー、チャネル、インターネットによってもたらされた気晴らしなどにより、カスタマージャーニーは直線的ではなくなり、従来のファネルの関連性は薄れてしまっている。

現在の状況においては、人々を見込み顧客から顧客へと導くために、彼らの行動について深く考える必要があり、ファネル内のどの段階においても、彼らのニーズに適合するマーケティングを提供しなければならない。

この記事で、まさにその方法を学ぶことができるはずだ。マーケティングファネルをコンテンツのモデルとして活用する方法、ユーザーがそのジャーニーにおいて取る行動、彼らのアクションを喚起するもの、などを見ていこう。

マーケティングファネルを、コンテンツ、クリエイティブ、メッセージのモデルとして活用する

マーケティングファネルには多くの種類がある。そして、一般的には、それらはAIDA(Awareness:注意、Interest:興味、Desire:欲求、Action:購買行動)モデルに従っている、という認識がある。


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これをさらにシンプルにし、3つのステージのモデルにすることもできる。

  1. Top of the funnel (TOFU):認知
  2. Middle of the funnel (MOFU):検討
  3. Bottom of the funnel (BOFU):コンバージョン

また、カスタマージャーニーの重要な側面である、ロイヤリティとアドボカシーへと拡張することも可能だ。


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これらの直線的なマーケティング・コンバージョンファネルのモデルは、従来の顧客ライフサイクルに基づいている。

例えば、とある人があなたのビジネスを見つけ、Webサイトを訪問し、フォームを入力し、セールスチームとチャットし、顧客になる、といったものである。

しかし、この仮想の顧客は、「実際のユーザーのシンプルなバージョン」に過ぎない。

より現実的なカスタマージャーニーはさらに複雑であり、購入に至るまで、様々なタッチポイントや障害が存在するのだ。

そのため、経験豊富なマーケターは、顧客が取る可能性のある複数のアクションを考慮した、トルネードファネルを好む。


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あなたのファネルが、上記の画像ほど複雑である必要はない。しかし、直線的なプロセスとして、マーケティングファネルへアプローチしないほうが良いだろう。

その代わり、ファネルの各段階を、心の状態として捉えてみよう。そして、そのジャーニーの各段階で求められるものを反映したコンテンツをもって、顧客をターゲットするようにしよう。

そのためには、顧客とのインタラクションに基づき、アクションをマッピングし、それらのアクションを、マーケティングファネルの各段階に割り当てることが必要だ。

例えば、1番目の人は、「自動化に最適なソーシャルメディアのソフトウェア」、と検索していたとしよう。これは、認知の段階と言える。

このインテントを汲み取り、興味を拡大させるために、製品のデモページへと遷移する広告を出稿する。この段階でのコンバージョンは、1番目の人に該当するユーザーが、あなたのWebサイトへのリンクをクリックすることである。

しかし、2番目の人は、すでにあなたのWebサイトを何回も訪れているかもしれない。こうしたユーザーは、検討段階にいる可能性が高いだろう。彼らはすでにあなたの製品を知っており、自身にとって必要であるかを評価しているのだ。

こうした過去の行動を考えると、製品に焦点をあてたウェビナーを開催し、自社の製品が最適な選択であると伝えることが、彼らに対しての関わりとしては最適だろう。この段階でのコンバージョンは、彼らがウェビナーに参加することである。

アクションをマッピングすることで、見込み顧客が過去に取った行動をもとに、コンテンツを提供することができる。このようにして、あなたの会社との新たな関わりを持つたびに、彼らを購入や再購入へと導くことを目指そう。

ビジネスが成長すると、行動履歴のパターンに基づいて、ファネルの各段階にいるユーザーに向けたコンテンツを作成することができる。最初のインタラクションからクローズに至るまで、顧客が取った行動を測定するようにしよう。そのためには、下記の問いかけが必要だ。

  • どのランディングページを、どのような順番で訪れたか?
  • 彼らをコンバージョンに導いたマーケティング手法はなにか?
  • どのEメールを彼らはクリックしたか?

コンバージョンの経路は複数存在するだろう。しかし、顧客がコンバージョンした経緯を時系列で調べることで、最短、かつ、最も収益性の高い、共通した経路を見つけることができるはずだ。

このようなデータを保持していない場合は、顧客ペルソナに最適な種類のコンテンツに基づいて、戦略を構築する必要がある。

ファネルの各段階におけるマーケティングは、どのようなものか。

具体的なマーケティング戦術は、あなたが提供しているもの、オーディエンス、タッチポイントなどによって異なる。しかし、あらゆる顧客が、認知、検討、アクション、ロイヤリティ、アドボカシー、というジャーニーを経ているという事実は、マッピング作成の手助けとなっている。

その結果、目標の設定と、あなたのファネルに沿ったコンテンツマーケティングのカレンダーを作成することが、容易となっている。

ファネル内の各段階における典型的な顧客行動と、あなたが採用しうるマーケティング戦略を見ていこう。

1.認知

認知の段階では、人々はソリューションが必要であることは理解しているものの、「なにがソリューションとなるか」については理解していない。多くの場合、次のステップを把握するための答えを探している。

ここでのあなたも目標は、認知度を高め、潜在顧客を特定することだ。そのためには、特に制限なく、教育的で情報に富んだコンテンツを提供する必要がある。

Webサイトのブランディングやコールトゥアクションを除いて、この段階では、人々に自社の製品を強く売り込むことは避けよう。その代わり、顧客となりうる潜在顧客に対し、価値を提供することに注力しよう。

人々があなたを発見する方法の周辺で、戦略を立てるようにしよう。デジタルマーケティングの場合、検索エンジンやソーシャルメディアが代表的な方法と言える。

SEOにより認知度を高める

世界中のトラフィックの90%以上がGoogle経由であり、その支配力は安定している。あなたが誰かに発見されたいのであれば、検索という世界にあなたの居場所を作る必要がある。

ブログ記事、動画、リードマグネットなど、ブレインストーミングや調査によってターゲットとなるキーワードのインテントを理解する。こうしたコンテンツマーケティングを通じて、認知度を高めよう。

Campaign Monitorは、「Eメール リスト コツ」という検索キーワードに関連したインフォグラフィックを作成し、強調スニペットに表示させることで、これを成功させた好例である。

このキーワードで検索する人は、近いうち、Eメールマーケティングのツールの購入を検討しているかもしれない。このキーワードに対応したコンテンツを作成することで、Campaign Monitorは良い第一印象を与える機会を得ることがでた。また、読者に対し、彼らが提供しているものをもっと知ってもらうきっかけを与えることに成功している。

SEOは、ゲスト投稿によって認知度を高めることにも活用できる。

「Eメール リスト コツ」というキーワードで、検索結果の1ページ目には、ジョン・リンカーン氏によって書かれたForbesの記事が表示されている。また、その記事には、彼のデジタルマーケティングエージェンシーへのリンクが記載されている。

ジョン氏は、評判のあるWebサイトに価値のあるコンテンツを提供することで、Eメールマーケティングのアウトソースを検討している、彼にとってのターゲットオーディエンスの心の中に、エキスパートとしてその存在を位置づけることができたのだ。

PPC広告によって認知度を高める

PPC広告によって認知度を向上させるためには、インテントの高いトラフィックに注力し、この戦略を検討段階まで適用することが最善である。

インテントの低いキーワードを狙うことも可能ではあるが、コンバージョンの機会は低くなるだろう(つまり、ファネルを通じてリードを獲得するために、より多くの作業が必要となる)。そのため、より広範囲なキーワードは、ナーチャリングシステムが成熟するまでとっておこう。

インテントの高いキーワードの例を挙げてみよう。

  • ナビゲーショナル(あなたのWebサイト内の特定のページに行きたいというインテント)
  • インフォメーショナル(情報を得たいというインテント)
  • トランザクショナル(購入したいというインテント)

この段階で使用されるコピーは、あなたの提供するものによって大きく異なる。しかし、行動を引き起こす言葉を考えるべきだ。具体例を下記に挙げよう。

  • 訪問する
  • 試してみる
  • 詳細を見る

また、プラットフォームを意識することも重要だ。人々は問題の解決策を探すためにGoogleを使用するため、トラフィックをあなたのソリューションへ導くことが可能だ。

例えば、Act-Onの広告は、「マーケティング オートメーション ソフトウェア」というキーワードで表示される。そして、「ツアーに参加する」へと訪問者を導くのだ。

このCTAには、「受賞歴のあるプラットフォーム」、「簡単に使える」、「競争力のある価格」など、ユーザーにとっての「クリックをする理由」が添えられている。

この広告は、ブランド認知向上のための戦術として、見る価値のあるツールであると訴えることに成功している。また、メリットを列挙することで、検討段階にいるユーザーにも訴求することができている。

リンクをクリックすると、製品の魅力的なメリットを列挙した動画ツアーのサインアップ画面へと遷移する。

広告がクリックされるたびに費用が発生するため、見込み顧客がをファネルの奥へと迅速に誘導することは、理にかなっていると言える。

その一方、ソーシャルメディアは、閲覧向けのチャネルである。それゆえ、顧客ペルソナに基づき、広告をターゲティングし、注目を集めることをメインとすべきだ。

例えば、True Grit Texture Supplyの広告は、Procreate、Illustrator、Photoshopを使用している、または、興味のあるユーザーをターゲットにしている。

動画を使うことで、注目を集めやすくなる。無料サンプルのオファーや「限定コンテンツ」などは、もっと知りたいと読者に思わせるためのきっかけとなりうる。これは、ブランド認知の向上と検討段階にいるユーザーへの訴求としても効果的である。

ソーシャルメディアを活用し、認知度を向上させる

ソーシャルメディア上で認知度を挙げるためには、あなたのオーディエンスがいる場所に、姿を表すことが重要だ。Statistaによると、FacebookはB2BにもB2Cにも強く、LinkedinはB2Bに強く、InstagramにはB2Cに強い、ということだ。


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続いて、どの種類のコンテンツが最も高いエンゲージメントを示すのかを見てみよう。Linkedinによると、動画はエンゲージメントが5倍も高く、画像は2倍以上のコメントを獲得する、とのことだ。

ビジュアルメディアは、FacebookとInstagramにおいても、エンゲージメントが最も優れている。


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これはTwitterでも同様であり、GIF付きのツイートは、GIFがないツイートと比較し、55%もエンゲージメントが多い

エンゲージメントに注力することは重要である。エンゲージメントは、ソーシャルプラットフォームがアルゴリズム的にフィードをキュレーションするために使われる通貨なのである。いいね、コメント、シェア数が多ければ多いほど、あなたのブランドはより多くの人の目に映るのである。

2.検討

現在は、複数の製品のタッチポイントに容易にアクセスすることができるため、見込み顧客は複数のソリューションを調査し、購入を決断する前に、その選択肢を入念に品定めする。

そのため、あなたの目標は、高いインテントを十分に活用し、自身を最適な選択肢として位置づけることである。

これは、競合他社と差別化ができるコンテンツの作成が必要であることを意味している。具体例を挙げてみよう。

  • レビューや体験談
  • 複数の顧客属性に対する、ナラティブなケーススタディ
  • 製品や顧客に焦点をあてたウェビナー
  • ホワイトペーパーや業界レポート

こうしたコンテンツを顧客に寄り添った方法で作成するためには、パーソナライズが重要である。

パーソナライズの活用

検討段階においては、Webサイトへの訪問者やリストにサインアップした見込み顧客など、以前の段階では手に入らなかったデータを持つことができる。

見込み顧客の過去のインタラクションを活用し、コンバージョンに至らなかったユーザーにリターゲティング広告を実行することができる。

また、過去の履歴データを活用し、パーソナライズされたメールを送信することも可能だ。Campaign Monitorの調査によると、セグメント化されたメールやパーソナライズされたメールは、収益が760%も増加するとのことだ。加えて、通常のCTAと比較し、パーソナライズされたメールのCTAはコンバージョンが202%も高いとのことだ。

Dysonはパーソナライズされたメールを活用し、購入にいたらなかったユーザーをターゲットにしている。


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Dysonは希少性を活用し、ユーザーに再訪問を促している。そのメッセージは、「このプロモーションが適用されている買い物かごは保存されています。しかし、このプロモーションは期間が限定されています。ご注文を完了するためには、このリンクをクリックしてください」というものである。

Dysonは、契約を結ぶためには、依頼するだけでは不十分であることを理解している。そのため、保証や無料のおまけなど、感情的なインセンティブを提供するあらゆるものを加えて、説得力のある理由に仕立て上げているのだ。

reMarkableは、パーソナライズをさらに別の方法で活用している。ソーシャルプルーフを活用し、自社の製品が実際の顧客にとって、どのような違いをもたらすのかを示しているのだ。


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reMarkableは、見込み顧客の購買意欲を高めるために、顧客の影響を借りているのである。また、実際の画像、名前、リンクなどを活用し、信頼性を高めることにも成功している。

オフサイトでの露出を考える

この段階にいる見込み顧客は、レビューやおすすめなどを通じて、あなたのビジネスの全体像をつかもうとしている。

そのため、満足した顧客がGoogle My BusinessTrustPilotにレビューを残してくれるように促すことを、あなたの戦略の一部に含めるべきだ。

また、ソーシャルリスニングを行い、あなたの存在をモニタリングし、オーディエンスと関わりを持つことで、ブランドセンチメントを高いレベルに保とう。

例えば、Hootsuiteは、顧客からの質問にTwitterで丁寧に対応するチームを設けている。

45%の人がソーシャルメディアを使用し、製品を調査している。Hootsuiteがこのように顧客と関わることで、彼らの顧客サービスにポジティブな印象を与えることに成功している。

そして、54%の人が、質問や不満にソーシャルメディアでカスタマーサービスが対応してくれた場合、そのブランドに対してより好意的に思うようになると回答している。つまり、こうした活動が、顧客を獲得するか、失うかの分岐点となる可能性があるのだ。

3.コンバージョン

これまでの段階におけるマーケティングファネル戦略は、見込み顧客をこの時点まで導くよう、設計されている。ここでの目標は、見込み顧客をお金を支払ってくれる顧客にすることである。

リターゲティングやEメールマーケティングのような、検討段階の戦術は、見込み顧客に対して行動を喚起するために使われる。

しかし、ここでの第一優先は、購入の障壁となるものを取り除くことと、インセンティブを提供することにある。

コンバージョンへの抵抗を除去する

コンバージョンを高めるためには、人々が購入を完結することを、可能な限り容易にすることが重要だ。そのためには、コンバージョン率の最適化(CRO: Conversion Rate Optimization)が求められる。

あなたが販売するものや取引のプロセスによって異なるが、A/Bテスト、ユーザーテスト、目標測定など、長期に渡る施策となる可能性がある。

データとリソースが十分にあれば、コンバージョン率を高めるために、人々が購入をためらう箇所を特定し、テストを行うことができる。

例えば、チェックアウトプロセスに多くのステップがある場合は、それらを合理化しよう。送料が高すぎる場合は、他の手段を検討してみよう。

データやリソースが十分にない場合は、ユーザー体験に違いを生む、重要な原則に注力しよう。Common Thread Collectiveのアーロン・オレンドーフ氏によると、下記が該当するとのことだ。

  1. スピード(ページの読み込み速度を高める)
  2. 単一性(1ページごと、もしくは、コンテンツごとに目的を1つだけもたせる)
  3. シンプルさ(訪問者を混乱させないよう、気を散らしてしまうものを取り除く)
  4. 明確性(メリットをアピールしてリードする、わかり易い言葉を使う、専門用語は避ける)
  5. 特定(単一のターゲット市場に向けたページを設計する)
  6. 注目(大見出しと小見出しにキーワードを含め、オーディエンスに直接語りかける)
  7. 要望(「私にとってのメリットは?」に対する答えを、コピー文、ソーシャルプルーフ、ヒーロー画像などに含める)
  8. 恐れ(希少性とPAS(problem:課題、agitation:扇動、solution:解決)方式を活用する)
  9. 信頼性(きれいなデザイン、明確な問い合わせ先、ソーシャルプルーフ)

購入を促すためにインセンティブを提供する

インセンティブには、取引の価値を高めたり、決断に至っていない見込み客を誘導するような提案が含まれる。コストやリスクの低減、付加価値などが該当する。

Cozy Earthの場合、見込み客が直面する課題の1つは、価格である。

竹製の寝具や衣類は、コットンやポリエステルなどの製品よりも高額である。そこで、彼らは「心配のない保証」を提供することで読者に安心感を与え、この問題を回避している。


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また、顧客は購入を決断する前に、無料でサンプル品を体験することができる。さらに、10年間の保証を提供しており、送料と返品も無料にしている。

このように、新しいシーツを買う際、より多くの金額を払うというリスクをうまく取り除いているのである。

Masterclassは別の方法を実践している。「1つ買えば、1つ無料」や「1つ買えば、ギフトを進呈」といったインセンティブを提供しているのだ。

その結果、顧客は自分が支払う金額に対して、より多くのものを得ることができる。また、期間を限定することにより希少性を高め、顧客の決断を促すのである。

インセンティブの提供を検討する際のベストプラクティスを挙げよう。

  • インセンティブはシンプルなものにする:ガイドラインをわかりやすいものにし、顧客が獲得できることが理解できるインセンティブにする。こうすることで、そのインセンティブへの参加意欲が高まり、信頼性も増す。
  • 顧客に響くインセンティブを把握する:顧客が何を好み、何を試したいのかを、彼らに質問する。高額な商品の場合は割引が有効かもしれないが、日用品には無料の特典が有効かもしれない。
  • 終了日を意識させる:希少性を活かし、行動を喚起する。
  • ゲーミフィケーションの活用:課題を与えることで達成感が生まれ、良い行動が強化される

4.ロイヤリティ

顧客を迎える準備ができた以上、あなたのマーケティングの目標は、ロイヤリティを高め、再購入を確保することだ。パーソナライズされたEメールマーケティングを続けることは、1つの方法となる。

さらに、目標を達成するための方法を2つ紹介しよう。

1.カスタマーサービスを優先する

90%の顧客が、カスタマーサービスはそのブランドに対するロイヤリティを考える際、重要な要素であると答えている。さらに、満足した顧客は、あなたの評判を広めてくれることだろう。


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カスタマーサービスは、問題が起きてからの対応と、問題が起きる前からの対応の、2つが含まれる。

問題が起きてからの対応は、Eメール、電話、ライブチャット、ソーシャルメディア(TwitterでのHootsuiteのように)などで、迅速にサポートを提供することだ。これを実現するために、顧客があなたに連絡を取ることができる方法を、明確にWebサイトに記載しよう。

HubSpotは、サブスクリプションのレベルに応じて、顧客がどのような種類のサポートを受けられるかを、明示している。

また、顧客が必要なヘルプを簡単に発見できるリンクも用意しており、サポート用のチームも備えている。

さらに、HubSpotは、顧客が目的を達成できるよう、チャットボットを用いたサポートも提供している。

問題が起きる前からの対応は、顧客が尋ねるであろう質問に対する答えを提供することである。

あなたの製品が複雑であればあるほど、顧客はトラブルを抱える可能性が高くなる。顧客が基本的な課題を解決できるよう、ガイド記事、トラブルシューティング、FAQコンテンツなどを作成することで、マーケティングはこれに対応することができる。

Monday.comは、ユーザーが製品から最高の体験を得られるようサポートしている企業の好例である。彼らのカスタマーサポートのページには、ナレッジベース、動画のチュートリアル、解決策、コミュニティフォーラムなどを備えている。

こうしたコンテンツを用意することで、サポートチームの負担を軽減し、カスタマーサービスがより複雑な顧客の課題に対応できるようになる。

適切な種類の問題に対応したコンテンツを作成するためには、ソーシャルメディアやフォーラムで、自社製品や類似の製品についてどのような質問が尋ねられているかを調べてみよう。

さらに、セールスチームやカスタマーサービスチームのメンバーからデータを収集しても良い。顧客はどのような課題を抱えているのか?どのような問題に対し、顧客は最もサポートを必要としているのか?

2.顧客への還元のための、ロイヤリティプログラムの設立

顧客に報酬を与えることで、再度自社の顧客となってもらうことは、ビジネスにとって最善の行動の1つである。

ロイヤリティプログラムは、製品の再購入を促すための方法である。コンバージョンの際のインセンティブと同様、オファーを提供することで顧客を惹きつける。

Amazonは、ロイヤリティプログラムを効果的に活用していることで有名な企業の1つである。月々の定額料金を払うことで、プライム会員は製品の翌日配送が無料になり、ストリーミングサービスへのアクセスも許可され、プライムデーセールスのような限定特典が受けられるのだ。

これらの特典が顧客から愛されていることは、調査によって明らかになっている。


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Starbucksは、購入ごとに顧客にポイントを付与することで、ロイヤリティを管理している。ポイントは、フードやドリンクと交換できる。

Starbucksのアプリでの支払いを促すことで、購買意欲を高めることに成功している。また、これにより、顧客の情報を収集することができ、パーソナライズされたオファーやコミュニケーションなどに活用することができる。

他では体験できないものを顧客に提供することで、顧客に還元できる方法を考えてみよう。

5.アドボカシー

ファネルの最下部におけるマーケティングの目標は、ロイヤリティカスタマーとリードジェネレーターにすることである。

これには、口コミの活用が重要となる。

93%の消費者が、家族や友人からの推薦を信用している。あなたの製品やサービスについて話してもらう理由を与えることで、この力を活用しよう。

推薦を促すためのリファラルプログラムの作成

優れたマーケティング、製品、カスタマーサービスが揃っていれば、顧客は自然とあなたの会社を他社に推薦するだろう。

リファラルプログラムは、あなたを推薦することに対して顧客に報酬を与えることで、安定したリードをもたらしてくれるだろう。

Evernoteは、報酬をゲーム化することで、顧客が同社の製品を勧めることを促している。


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顧客が友人を招待するたびに、プレミアム会員になるために使用できるポイントを付与している。これは、顧客が製品の紹介を継続する理由となるはずだ。

また、紹介された友人は、プレミアム会員に登録することで、その友達を支援することができる。Win-Winの関係である。

ポイントは使用していないが、FreeAgentは、顧客に対してお金を節約する機会を提供している。

紹介コードを使用してFreeAgentに登録した人は、10%オフのサービスを受けることができ、その割引率は最大で100%となる。

報酬が積み重なると、顧客は新しいコンタクトを提供するようになる。FreeAgentのモデルは、その人が顧客で有り続ける限り継続するため、解約の防止にもなる。

リファラルプログラムをうまく活用するためには、下記の要素が重要となる。


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継続して改善するために、顧客にフィードバックを求める

あなたの会社の将来について顧客に関わってもらうことで、顧客はあなたの会社を重要だと感じ、あなたが顧客を気にかけていることが伝わる。また、製品やマーケティングの改善に繋がり、より良い体験を提供できるようになるだろう。

フィードバックを得るにはいくつかの方法がある。

  • 顧客へのアンケート
  • 営業電話
  • カスタマーサービスからの電話

例えば、Tompkins Trust Companyは、Webサイト内の「サービスを評価する」というページにて、フィードバックを得ている。このページでは、顧客は自身の体験を評価でき、購入や推薦を行う可能性を記載できる。

Aeroは、フィードバックの引き換えに何らかの報酬を提供することで、サービスの形成に協力してくれるよう、顧客に依頼している。


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ここでは、これまで顧客が断ってきた行動を促すようなインセンティブを提供することが重要である。

アンケートの回答が少ない場合は、Aeroのリード文に倣い、回答と引き換えに報酬を提供することを検討してみよう。

マーケティングファネルの成功を計測し、注力すべき箇所を特定する

マーケティングファネルのパフォーマンスと、どの段階に注力すべきかを理解するためには、顧客のアクションを観察する必要がある。

これは、各指標とユーザー行動を追跡することで、可能となる。

測定すべきマーケティングファネルの4つのKPI

1.顧客獲得単価(CPA:Cost per acquisition)

キャンペーンに費やしたコストをコンバージョン数で割ることで、ペイドマーケティングやEメールマーケティングを分析する。

特定のチャネルやキャンペーンで新規顧客を獲得するために費やした費用 ÷ 同じチャネルやキャンペーンで獲得した新規顧客の数 = CPA

または、

メディア費用の総計 ÷ メディア経由で獲得した新規顧客の数 = CPA

となる。

2.顧客生涯価値(LTV:Lifetime value)

顧客のリテンションの価値を測定しよう。

解約率:特定の期間で支払いを停止した顧客の数(例:200人の定期購読者がおり、昨年の解約人数が10人であった場合、解約率は5%)

1人あたりの平均収益(ARPU:Average revenue per user):現在のすべてのアカウントの平均収益(例:100人の定期購読者がおり、その内の50人が$50を支払っており、別の50人が$100を支払っている場合、1人あたりの平均収益は$75)

そして、顧客生涯価値は下記のように計算できる。

1人あたりの平均収益 × 顧客生涯 = 顧客生涯価値

3.コンバージョン率

コンバージョン率は、総合的に算出することができる(つまり、売上数)。しかし、事実に基づいた判断を下すためには、ファネルの各段階におけるマイクロコンバージョンに分解すべきだ。

例えば、

  • TOFU:MQL(Marketing Qualified Leads)にコンバートした訪問者数
  • MOFU:サインアップ、もしくは、会員になったMQLの数
  • BOFU:サインアップ、もしくは、会員から顧客になった人の数

4.チャネルごとのコンバージョン率

マーケティング目標に関わる、各チャネル(例:ソーシャルメディア、Eメール、ペイド広告、SEO、など)の成功度合いを測定する。

「成功」が何を意味するのかを理解するために、各チャネルに明確なコンバージョンの目標があることを確認しよう。

例えば、SEOでは、検索結果に表示された自社のWebサイトへのリンクのクリック数がコンバージョンとして考えられる。Eメールでは、受信者からの返信や、Webサイトへのリンクのクリック数などが、コンバージョンとして考えられる。

ヒートマップとスクリーンレコーディングでユーザー行動を測定する

ユーザーの行動を測定することで、数字の背後にあるストーリーを知ることができる。ユーザーがあなたのWebサイトをどのように利用しているかを理解することで、マーケティングをより良いものに調整でき、より完璧なファネルを構築することができる。

ヒートマップは、あなたのWebサイトをユーザーがどのように回遊し、利用しているかを明らかにしてくれる。ヒートマップを活用することで、ランディングページのどの箇所が機能しており、どういった変更を加えればコンバージョンが最適化されるか、などを知ることができる。


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ヒーロマップを活用し、下記の項目を測定してみよう。

  • エンゲージメント(ユーザーが、ブログ記事やランディングページなどと、どのように関わっているか)
  • アクション(どのボタンやリンクを訪問者はクリックしたか)
  • アテンション(どの見出し、画像、フォームが、最も注目を集めているか)

これらを測定することで、コンテンツを配置する最適な場所、最適な使い方、訪問者の気を紛らわしてしまう箇所などを理解することができる。

ヒートマップに加え、HotjarLogRocketなどのスクリーンレコーディングのソフトウェアを使用し、実際のユーザーがWebサイトやアプリとどのように関わっているかを見ることができる(例:スクロールの仕方、クリックしたリンク、回遊方法、など)。


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こうした情報をもとに、顧客の目線に立ち、コンテンツをどのように発見し、消費しているかを把握しよう。

より重要なことは、顧客体験に悪影響を与えるパターンを探し出すことだ。

破損した画像、ページスピードの遅さ、混乱させたり誤解を生んだりするコピー文などの障壁がフラストレーションを招き、コンバージョンをせずにWebサイトを去ってしまう要因となる。

これらの定性データを、ファネルの各段階におけるマーケティングキャンペーンのKPIから得られる定量データと組み合わせることで、顧客行動の全体像を把握することが可能となる。これは、マーケティング活動のどの箇所にあなたが集中すべきかを理解することに役立つだろう。

結論

顧客行動に基づいてマーケティングファネルを作成するためには、顧客の目線に立つことが重要である。認知からコンバージョン、そして、アドボカシーに至るまで、彼らのジャーニーの各段階における心理状態を考えてみよう。

従来のマーケティングファネルを活用しながら、トルネードファネルをコンテンツ作成に反映させ、あらゆるタッチポイントにおける最適な方法で、顧客との接点を持とう。可能であれば、既存のデータを活用し、どの戦術が各段階で最も機能しているのかを理解し、経路をマッピングすることでその間にあるギャップを埋めよう。

最も重要なことは、あらゆる行動を追跡し、測定することである。顧客行動は常に予測できるとは限らない。しかし、パフォーマンスの各指標は、信頼できる指針となりうるのだ。

マーケティングファネルの各段階ごとに最適な施策をあてていく、という内容でした。的確な分析と、分析結果に基づいた施策の実行が肝となりますが、各段階での成否を判断するための効果測定もおろそかにしてはいけません。なかなかやることが多い印象ではありますが、見切り発車をしてしまうと、期待に見合った効果を得られないことも容易に想像でき、それだけは避けたいところです。理想的な結果を得るためには、多少遠回りに見えるかもしれませんが、しっかりとした計画が重要となることを改めて考えさせられました。

この記事は、CXLに掲載された「How to Create a Marketing Funnel by Responding to Customer Behavior」を翻訳した内容です。

投稿 顧客行動への対応から、マーケティングファネルを作る方法SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

他よりも目立ち、コンバージョンも高い製品デモの9つの事例

オンラインであれ、オフラインであれ、自社の製品を見込み客に紹介する機会は多々あることと思います。その際に使用されるコンテンツ、いわゆる製品デモの品質によっては、成約に大きく影響するかもしれません。今回紹介する記事は、そうした製品デモについて考察したCXLの記事となります。優れた製品デモが持つ特徴に併せ、実例も豊富に紹介されており、読み物としても非常に興味深い内容となっております。

製品デモはセールスのプロセスにおいて、非常に重要なツールである。それは、リード獲得とコンバージョンの間にある、あらゆる重要な検討段階に存在し、あなたのソリューションが問題をどのように解決し、見込み客の生活をより容易にするための方法を示す機会を提供する。

うまく設定すれば、優れた交渉役となるが、うまく活用できなければ、売上を失う可能性がある。

この記事では、説得力のあるデモの作成方法を紹介している。まずは、重要な原則についての確認を行い、その後、成功している企業が見込み客を惹きつけるためにどのようにデモを活用しているか、詳細を見ていこうと思う。

説得力のある製品デモとは、どういったデモか?

優れた製品デモは、3つのことを行っている。

  1. 製品の紹介
  2. 見込み客の教育
  3. 見込み客への行動喚起

しかし、これら3つの項目は「問題の解決」という言葉に集約することができる。

あなたの製品がどのようにユーザーの生活をより簡単なものにするか、それを示すことができれば全てが順調に進むだろう。

これは、ライブデモ、録画デモ、実際に使用してもらうデモなど、デモの種類を問わず、言えることである。しかし、どのようなタイプのデモを選ぶかによって、進む道に影響がある。

例えばライブデモの場合、あなたはリアルタイムで見込み客(または顧客)との関わりを持つようになる。この場合、特定の質問に対し、あなたの製品がどのようにして答えるかを示すことができる、という利点がある。

録画デモの場合、そこで回答される質問は事前に決まっている必要がある。これは、あなたがターゲットとする市場が包括的に抱える問題にフォーカスできるということを意味するため、悪いことではない。また、設定し、録画を流すだけでよいため、見込み顧客のスケジュールに合わせ、セールスチームを編成し、リアルタイムでデモを行う必要はない。

実際に使用してもらうデモの場合、見込み顧客は実際にあなたの製品を利用することができ、それがどのようなものなのかを確認することができる。その一方、個人的な関わりとユーザーに正確な使用法を伝える機会を失うことにもなる。しかし、ユーザーが好きな時間に、自身を教育する機会を与えることができる。

優れた製品デモの原則

説得力のある製品デモが持つ、共通の特徴を見ていこう。

1.事前に選定されているリード

最高のデモは、適切なオーディエンスに語り掛けていることを理解している。それらは、事前にリードを選定することによって、これを実現している。

リードを事前に選定することは、下記を理解することに役立つため、あらゆる種類のデモにとって重要である。

  • 見込み客が、あなたの理想とするバイヤープロフィールに合致するか
  • あなたの製品は、彼らの問題を解決することができるか
  • その見込み客は、フォローする価値があるか

リードの質を高めるための簡単な方法の1つとして、サインアッププロセスが挙げられる。Slite社は、見込み客の会社に関連する質問をすることで、これを実現している。

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これにより、セールスの担当者は、その見込み客のニーズに沿って会話を進め、デモを行うことができる。

Ameyo社は、より詳細なアプローチを採用しており、サインアップフォームに「ビジネス用のEメール」を含めている。

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78個のSaaSのデモを調査した結果、ジェイク・ハットフィールド氏はこうした共通の特徴があることを発見した。

データによると、名前、電話番号、Eメールは求められているようだ。83%のフォームで、これら3つの項目の入力を求めていた。ここで注目すべきは、多くのフォームで「ビジネス用のEメール」や「仕事用のEメール」の入力項目があるということだ。おそらく、より真剣なリードを見極め、スパムの送信を防ぐことが目的だろう。

また、見込み客は、最初の電話やデモの開始時点において、次の質問を投げることで、選定される。

我々の製品が解決することを期待する、あなたが抱える問題はどんなものですか?
この製品に、何を求めていますか?
現在、他にどのような製品を使用していますか?
いつから、ソリューションを探していますか?

こうした質問を直接することができない場合(オプトインがない場合など)、デモでフォーカスすべき重要な領域を特定するため、イントロダクションの時点で尋ねても良いだろう。

2.開始、本題、終了、の設定

あらゆる優れた物語のように、製品のデモは見込み客を旅に連れていくようなものであるべきだ。

定評のあるストーリーテリングのフォーマットを順守し、Adobe社のアレクサンドラ・ネーション氏は、以下のステップを踏襲している。

1.あなたがこれから伝えることを、オーディエンスに伝える。この機会を活用し、会話を導く。自分が言いたいこと、相手が聞く必要があること、それらを伝えるのだ。これから向かう先が明確になることで、オーディエンスが安心することができるのだ。

2.伝える。あなたのソリューションが彼らのニーズを満たすのかを伝え、この時がビジネスケースを構築する時となる。異なる機能を乱雑に並べることでは不十分なのだ。あなたの製品やサービスが、彼らが持つ課題をどのようにして助けることができるかを伝えるのだ。

3.自分が話したことを、相手に伝える。プレゼンテーションを終える前に、ポイントとなる箇所を押さえるため、重要な内容を再度伝える。

これらのステップは、話すこと以外で行うデモにおいても、活用することができる。

usetifulの例を見てみよう。彼らのデモは、Webサイトのトップページにポップアップを表示し、製品が持つ様々なソリューションを紹介することで、見込み客を獲得している。

そのポップアップは、イントロダクションから始まっている。

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その後、実際のユーザーが得た数々のメリットを繰り返し紹介する。

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デモが終わる前に、コール・トゥ・アクションを表示する。

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Slack社も少ない文字数でこれを行っているが、この話は記事の後半でお伝えしよう。

3.機能ではなく、常にソリューション

最高のデモとは、ステーキではなく、ジュージューとした音を売るようなものである。前述の繰り返しとなるが、言い換えると、その製品がどのようにして見込み客の課題を解決できるかにフォーカスするのである。

複数の課題を解決できる製品であれば、複数のデモを用意しよう。

例えば、Salesforce社は、Marketing Cloudの各ツールごとに、個別のデモを用意している。各デモは、特定の機能がユーザーにとってどのようなメリットがあるかを紹介しているのだ。

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複数のデモを活用している企業については、2つの事例を後程紹介しよう。

見込み客のニーズの中心にデモを位置づけるためには、Demodesk社の「3つのルール」に従おう。

あらゆる問題点において、この「3つのルール」を活用しよう。見込み客の課題に対するソリューションとなりうることを紹介するため、最も重要な3つの機能にフォーカスするのだ。

4.コール・トゥ・アクションの実装

Gongによると、成功した担当者は、失敗した同僚に比べ、次のステップのためのスケジューリングに4分間、長い時間をかけているとのことだ。また、この調査によると、次のステップのための会話を怠った場合、成約率が71%も低下するとのことである。

電話の場合、見込み客と次のステップについて確認を取ることは容易であるが、録画デモ、実際に使用してもらうデモの場合はどうだろうか?

こうしたデモの場合、デモの最後や、デモ中の画面上にコール・トゥ・アクションを表示することが、見込み客を正しい方向に導くために、重要なこととなる。

Flywheel社のゼーン氏は、録画したデモの最後に、連絡を取り製品を使用することを促すことで、これを実現している。

Flywheelのダッシュボードから、あなたが探しているWebサイトをすぐに探すことができます。両方のプランにおいても、単一のWebサイトであってもです。もちろん、質問がある場合は、エンジニアがすぐにお答えします。

信じられるかどうかはわかりませんが、Flywheelはこれほどまでにシンプルです。ぜひ、ご自身でお試しください。

Squarespace社は、デモのテンプレートの右上に、「このデザインで開始する」というボタンを設置することで、これを実現している。

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5.準備

優れたデモは、準備無くして作成することはできない。リードの選定と綿密な計画だけでなく、リハーサルも行うべきだ。ビジネス作家のジェフリー・ジェームス氏は、これを繰り返し行うことを勧めている。

デモはプレゼンテーションよりも難しい。なぜなら、デモでは、顧客、そのデモが顧客に与えている効果、デモ自体の仕組みの3つを同時にフォーカスしなければならないからである。そのため、少なくとも3回はリハーサルを行うべきである。

計画を立てずにデモンストレーションを行おうとする営業担当者のいかに多いことか。その結果は、常に、大失敗である。

また、実際にデモを行う前に、全ての機器の確認をすべきである。コンピューター、マイク、カメラも対象だ。もちろん、製品自体もである。バグや不具合ですべてを台無しにしてしまうことは、何としても避けたいことだろう。

優れた製品デモの9つの事例(また、それらからあなたが学べること)

優れたデモの原則を頭に置きながら、成功したいくつかのブランドを見ていこう。製品デモそのものに注目する例もあれば、どのようにしてユーザーをサインアップまで導くかに注目する例もある。

結局のところ、ユーザーが実際にデモを見てくれなければ、その製品デモが販売を獲得するチャンスはわずかとなってしまう。

1.Kajabi社

トップページに訪問した瞬間、Kajabi社がデモに注力していることがすぐわかるだろう。デモをアバブ・ザ・フォールドに配置し、2つのコール・トゥ・アクションのボタンを設置している。

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注目すべきは、製品デモが、導入文となる大見出しとコピーの隣に配置されていることである。これにより、見込み客へその製品についての情報とその製品は何ができるのかを伝えることができ、さらに詳細を知りたいと思わせることが可能となっている。

どちらかのボタンをクリックすれば、フォームが表示される。Kajabi社のデモは、録画したデモであるため、特定の質問を投げかける必要はない。そのため、フォームをシンプルなままにすることができている。

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ボタンをクリックすると、直接デモにアクセスできる。また、Eメールの受信トレイに送信することもできる。

これは、今すぐにデモを見たくない(もしくは、見ることができない)ユーザーにとって、非常に便利である。受信トレイにあれば、好きな時間にデモを見ることができる。

また、Kajabi社にとっては、製品をより詳細に紹介する機会にもなっている。また、Kajabi社はソーシャルプルーフを伴うことで、製品の特長と利点をより良く説明している。

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お客様の成功が、Kajabi社にとっての全てである。合計で20億ドル以上の収益を上げている、我々のプラットフォームを利用している40,000以上の起業家に、尋ねてみてほしい。

こうすることで、Kajabi社の製品は見込み客が求めているものであるという印象を与えている。製品デモはこれを確認するためのものであり、また、製品を説明するためのものである。

デモ動画は、Kajabi社のエンジニアリングの副代表である、ジャーミー・サンツ氏が担当している。これにより、信頼感が一気に増すことになる。また、ユーザーの安心にもつながるだろう。ジャーミー氏は製品の内側も外側も熟知している人物であり、セールスマンではないのだ。

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彼の語り口は、Kajabi社がどのように手助けとなることに注力しており、過度な売り込みはしていない。

最後に、小さいながらも有益な機能として、Kajabi社のデモは、ユーザーが視聴した個所を覚えている機能を備えている。彼らのデモは、30分間と、製品デモとしては長めである。そのため、一度視聴をやめたとしても、最後に見た場所まで再び戻れることは、ユーザーにとってうれしい機能だろう。

Eメールのアドレスを収集しているのであれば、それを有効活用するための時間を無駄にしないことだ。製品の利点を説明し、あなたのリストに含まれている購読者に対し、エンゲージメントを高めよう。

2.Headspace社

アニメーション動画は、多くの作業を視覚的に行うことで、製品の利点を素早く、簡潔に伝えることができる。この点において、Headspace社の製品デモの右に出るものはいないだろう。

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1分半にも満たない動画で、Headspacがユーザーを幸せで、健康的な生活を送る手助けとなることを、この製品デモは説明している。また、登録の方法や瞑想の始め方も解説している。

この製品デモは、Headspace社のモバイルアプリとWebサイトと同じキャラクターを使用している。また、瞑想のクラスも担当している、創業者のアンディがナレーションを担当している。これにより、ブランドに一貫性を持たせ、親密さも演出している。これは非常に重要なポイントとである。

なぜだろうか?

なぜなら、検索者の82%が、自身となじみのあるブランドを最初のクリック先に選ぶからである。

プラットフォーム間でブランドの一貫性を保つことで、一度体験したことのあるユーザーが、そのブランドについてもっと知りたいと思うようになるため、競合他社ではなく、あなたの製品のデモを見る可能性が高くなる。つまり、競合他社よりも、新規顧客の獲得に一歩近づくことになるのだ。

3.Snowflake社

Snowflake社は、グルーバルなデータクラウドプラットフォームであり、様々な業界や部署に多くの製品を提供している。彼らにとって、たった1回のデモでは不十分である。

グローバルで需要があり、タイムゾーンも異なることから、1対1でデモを行うことはリソースが足りなく、予定通りに進めることが困難となる。

解決策は何か?

ウィークリーで行うデモである。

毎週、Snowflake社は異なるトピックでライブデモを開催している。異なる時間や複数のロケーションでデモが行われるため、見込み客は自分に合ったデモに参加することができる。

この意味では、デモというよりも、ウェビナーに近いだろう。しかし、その内容は問題解決に注力したものである。

ライブデモのページでは、見込み客は地域、作業量、業界などで絞り込むことができ、適切なデモを探すことができる。特定の時間を選択することで、見込み客はスケジュールを確保することが見込まれる。Snowflake社にとっては、参加者の出入りが少なくなることを意味している。

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見込み客は、サインアップページに誘導される。ここで、Snowflake社は、ユーザーがデモに参加することで何を学ぶことができるかを、正確に説明している。こうすることで、ユーザーが参加する理由がより明確になる。また、そのデモにふさわしくない参加者を排除することにもなっている点も重要である。

あなたのブランドが複数のマーケットで展開している場合、また、製品に多くの選択肢がある場合は、デモカレンダーを作成することにより、より多くのユーザーに効果的にアプローチすることができるはずだ。

4.Atlassian社

Snowflake社と同様に、ソフトウェアの開発会社であるAtlassian社も、様々な顧客に対する様々なソリューションを提供している大企業である。Atlassian社も同様の手法でデモを活用している。

サインアップページでは、見込み客に適切な時間と日付を選択させている。

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各デモにはライブチャット機能が備わっている。そのため、参加者はリアルタイムで質問ができ、専門家がそれに答えるのである。

この機能を導入することにより、他に参加者がいたとしても、見込み客と1対1のかかわりを持つことができる。しかし、顧客体験を損ねてしまったり、話す内容から逸れてしまうことがないよう、デモの最後にQ&Aの時間を設けても良いだろう。

Snowflake社と異なる点は、登録フォームの下部のセンテンスに表れている。

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ライブデモに加え、オンデマンドのコンテンツのライブラリーも含めることで、Atlassian社は、そのプロセスにおいて、より多くのリードを獲得することが可能となっている。

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(それが適している場合)ライブデモを録画することで、コンテンツをさらに有効に活用することができ、より多くのユーザーにリーチするためのデータベースの構築にも利用できるだろう。

5.Square社

ジェイク・ハットフィールド氏の調査では、実際に使用してもらうデモの数は圧倒的に少なく、全体の3%にすぎなかった。

全ての企業が、実際に使用してもらうデモに適した製品を持っているわけではない。例えば、先ほどのAtlassian社とSnowflake社では、非常に広範囲、かつ、複雑である。セールスの担当者がソリューションについての説明を行い、質問に答えることは、見込み客にとってのメリットとなる。

また、ジェイク氏が指摘している通り、実際に使用してもらうデモをうまく行うことは難しい。

あなたの製品を使用するにあたり、学習曲線がある場合は、ユーザーはどこで助けを求めたらよいのかがわからず、使用をあきらめてしまうかもしれない。また、この種のデモは、デザイン、コード、デプロイなどの初期コストがかかる可能性もある。

決済サービスのプラットフォームであるSquare社は、シンプルな製品とクリエイティブなデモの設計によって、これをうまく行っている。

限定的なバージョンの製品に見込み客をアクセスさせるのではなく、Square社は一般的なポイント・オブ・セールス(POS)のタスクを完了させるようにしている。

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ユーザーはシナリオを1つ1つ辿ることができ、また、デモの最後にプロセスを復習するためのまとめも用意されているため、それがいかに簡単であったかを再確認することができる。

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参加への障壁も少ない。見込み客は、登録やソフトウェアのダウンロードも必要としない。製品の簡潔さとデモの強さをもってして、Square社はユーザーを説得している。

その証拠に、ユーザーには無料で使い始めるための簡単なフォームを用意しているのだ。

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トップページの上部中央にCTAを表示しているKajabi社のデモと異なり、Square社のデモでは、アプリのダウンロードと再アップのCTAと共に、POSのランディングページの上部から3/4あたりに配置している。

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Square社の場合、デモをリード獲得の目的ではなく、潜在顧客を獲得するための手段の1つとして使用しているため、理にかなっていると言える。

あなたの製品の強みが「シンプルであること」である場合、それを証明することで、Webサイトとマーケティングコピーを補完するデモを作成することは、非常に強力な営業ツールとなるだろう。

6.Slack

Slack社のデモは、製品デモと実際に使用してもらうデモの中間に位置するものである。Square社のように、インターフェースを使って何ができるかを紹介している。

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「デモを見る」のボタンをクリックすると、チャンネルの開始、ツールの統合、コラボレーションなどの主要なメリットを説明が開始される。また、タスクを完了するための手順も紹介される。

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このデモが優れているポイントは、Slack社が会話を誘導していることである。セールスの担当者がいないにもかかわらず、見込み客を各セクションに導き、最後にはコール・トゥ・アクションを促している。

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ナレーションなしで、製品の価値をクリエイティブに伝え、起承転結を明確にしている好例と言えるだろう。

7.Fathom

分析プラットフォームであるFathom社は、デモの開始から、何を提供し、なぜ利用すべきなのかを伝えている。

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長い間、Webサイトの分析用のソフトウェアの質は低かった。理解することが難しく、使用するのに時間がかかり、さらに悪いことには、大企業の利益のために訪問者のデータが搾取されていた。

Fathomは、そうしたソフトウェアと一線を画す分析ツールである。使いやすく、プライバシーについての法律(GDPRなど)を順守することで、Webサイトの分析に革命を起こした。

このコピー文は、製品の販売に役立つだけではない。ソフトウェアのデモの視聴を促す、説得力のある文章となっている。

CTAをクリックすると、Fathomのプラットフォームの実際に使用できるバージョンに移動する。ここでは架空のアカウントを使用することができ、製品に実際に触れ、その仕組みを理解することができる。また、制限も設けていない。全てのボタンをクリックすることができ、マウスオーバーをすると、リアルタイムのデータが表示される。

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オーディエンスを理解していることが、このデモの成功の秘訣である。Fathomに訪れるユーザーは、Google AnalyticsやBing Webmaster Toolsを使用したことがあるユーザーだろう。つまり、彼らは重いデータの処理などの方法を理解しているのだ。

このプラットフォームを実際に使用してみることで、見込み客は自分に適したツールであるかどうかを判断するための情報を得ることができる。ページの下部に固定表示されているCTAをクリックすると、サインアップのページに遷移し、その利点をさらに訴求している。

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ここでは、ソーシャルプルーフと金銭的なインセンティブの内容が表示されている。

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デモによって良い感触を伝え、ユーザーを説得することは、非常に優れた方法である。

しかし、このデモから得られる主要な知見は、すでに成熟している市場を打ち壊すような製品を保持している場合、その製品に話をさせればよい、ということである。

8.Duolingo

強力な競合他社を相手にしているのであれば、ソーシャルプルーフは他よりも目立つための最適な方法の1つとなる。特に、「ユーザーの声」は効果的である。

常に効果的であるソーシャルプルーフは、「ユーザーの声」である。動画であれ、文章であれ、あらゆるケースでクライアントのランディングページのコンバージョン率を増加させる手助けとなっている。

ランディングページを作成する際、自身の製品について、あらゆることを書くことができる。しかし、あなたが言っていることが正しいと証明できるだろうか?しっかりとした、可能であれば写真付きの、「ユーザーの声」が、それを実現してくれる。試してみるといい。きっと後悔はしないはずだ。

SplitBase社 ラファエル・ポーリン・ダイグル

見込み客を説得させるための最後の手段としてデモの最後に表示するのではなく、Duolingo社はリード獲得のために積極的に使用している。

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これは、ユーザーがもっと学びたいと思うきっかけとなるはずだ。

その後、Duolingoはスクリーンショットではなくアニメーションを使用し、プラットフォームがどのような仕組みであるのかを伝え、その効果を統計データをもって説明している。Headspace社のように、その重要性をシンプルかつ正確に伝えることができている。

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デモ動画の長さは、わずか41秒である。しかし、このデモを見ることで、このアプリが言語学習を手助けする、最適なアプリであることを理解するだろう。

時間や予算に限りがある場合は、「ユーザーの声」や調査結果などを活用し、製品の特長を主張しよう。

9.Apple

これまで見てきた製品デモの例は、従来型の方法で行われているものだ。クリエイティブな意味では異なるものの、課題とその解決に重点を置いている。

Appleの製品デモは、より繊細である。ユーザーを驚かせるだけでなく、教育することに重点を置いている。

「Shot on iPhone」のキャンペーンでは、iPhoneのカメラの最高の機能を紹介しつつ、ストーリーテリングによって、ユーザーの興味を引いている。これは、デモでありながらも、広告やショートフィルムのようなものでもある。

このキャンペーンが優れているのは、その核心にあるものが、最も入念に作られ、スタイリッシュな製品デモのキャンペーンの1つであるということだ。製品の特長を巧みに紹介することに重点を置きながら、人々を最も楽しませる方法で、戦略的にストーリーに組み込んでいるのである。そして、この製品の特長がどのようにして創造性を高めるかを、広告の語り口が示しているのである。

Avidan Strategies社 アビ・ダン氏

まさに、「語るな。示せ。」のお手本である。

これは、優れた製品デモの原則が、常にルールとはならないことの証明でもある。Appleの実写デモは、Square社のデモと非常に異なるKajabi社のデモと、異なるものではない。しかし、これら3つの製品デモはいずれも、「我々の製品は、あなたの課題をこのようにして解決する」という価値を提供しているのだ。

既存の枠にとらわれない考え方を恐れてはならない。

まとめ

優れた製品デモは、リードの獲得と、見込み客を顧客に変容させることに役立つ。しかし、今回の記事で紹介した例は全て、積極的に売り込みを行っているわけではない。そうではなく、製品がどのようにして課題を解決するかに、注力している。こうした品質を担保することが、関係性を築き、リードを制約へと結び付けるのだ。

このような事例を、あなたの製品デモの気づきとして活用してほしい。あなたの製品が提供するもの、あなたがターゲットとしている人々、顧客が抱えている課題、などを注視してほしい。そうすることで、どのような種類のデモが最適であるかを気づかせてくれるだろう。

多機能な製品や、学習曲線が急である場合は、あなたのチームのメンバーが行うライブデモや録画デモが最も効果的であるかもしれない。簡単に使えるものであれば、ショートビデオのアニメーションの作成や、実際に使用してもらうデモのほうが、より見込み客を説得できるかもしれない。

商品の説明の方法は様々あるが、重要な原則には従うべきだ。リードを適切に判断し、十分な準備を行い、導入からソリューション、そして、次のステップへと、見込み客を導こう。

製品デモという比較的珍しいアプローチの記事ではありましたが、内容は非常に興味深かったです。自身の製品や、対象のユーザーによって、適した種類や内容を選択したいところです。あくまで、製品デモに絞った内容ではありましたが、通常のWebサイトのコンテンツ作りにおいても、ポイントとなるアイデアが含まれていました。このようなコンテンツを保有することで、コンバージョン率の増加を狙えると理想的だと感じました。

この記事は、CXL に掲載された「9 Product Demo Examples that Stand Out & Convert」を翻訳した内容です。

投稿 他よりも目立ち、コンバージョンも高い製品デモの9つの事例SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

フォームの最適化と設計に置いて、アイトラッキングのデータが我々に伝えてくれること

ユーザー体験を向上させることを目的とし、実際のユーザーのデータを取得する手法は複数あります。その中でも、ユーザーの視線の動きを測定する、アイトラッキングのデータに着目した記事を紹介します。対象は、いわゆる、フォームページであり、ユーザーがスムーズに入力を完了するためのヒントが紹介されています。アイトラッキングのデータの活用例としても興味深い内容です。

アイトラッキングは、ユーザーがWebサイトを閲覧する際、どこを注視しているかを正確に把握するために、UXやCROの領域において、長く使用されてきた手法だ。CXLが昨年公開したこの記事のように、アイトラッキングについての研究から、実践的な多くの結論が導き出されている。

しかし、フォームやユーザー体験の向上について、アイトラッキングが我々に何を伝えてくれるのか、フォーム最適化のスペシャリストとしてそれを追求したいと考えてきた。この記事では、我々が得た大きな発見と、あなたがそれらを活用できる方法について解説したいと思う。

方法

調査の内容を話す前に、まずは、我々が調査を行った方法について説明したいと思う。我々は、イギリスの行動科学のコンサルタント会社であるNudge Insights社と共同し、ユーザーがフォームの流れや各項目をどのように操作するかについて、調査を行った。最新のアイトラッキングの技術を用い、イギリスの6つの金融機関のフォームをユーザーに操作してもらった。

各項目の記入に必要な時間を測定することは有効な手段であるが、多くのフォーム分析のツールですでにサポートされている。そのため、我々は、ユーザーの視線をベースとした測定を行いたいと考えた。具体的には、下記を測定した。

  • フィクセーション – フィクセーションとは、視線が特定の部分に固定され、焦点を合わせることであり(最低でも60ミリ秒)、ユーザーの注意を示す。
  • サッカード – サッカードとは、2つの固定された視点の間で起こる、素早い眼球運動である。

フィクセーションとサッカードを組み合わせることで、スキャンパスができあがる。

この記事の調査結果と結論は、スキャンパスが滑らかであるほど(つまり、フィクセーションの回数や時間が少ないほど)、ユーザーにとってのフォームの体験が良くなる、という仮説に基づいている。

フォーム内の特定のポイントでフィクセーションの回数や時間が多いということは、ユーザーはその項目やセクションの入力を完了することが困難であることを示している。

画像のコメント:こちらは、アイトラッキングの調査による、ヒートマップの結果の一例である。

6つの主要な発見

前述の通り、今回の調査の結論は、ユーザーをフォームに沿って素早く効率的に案内することは良いことである、という前提に基づいている。気を散らしてしまったり、遅延や混乱を発生させたりすることは、良くない事であると判断している。これを前提とし、我々が発見した知見を紹介しよう。

1.生年月日の入力では、ドロップダウンではなく、テキスト入力の方式を採用する

これまでの調査からも、ドロップダウンメニューはユーザー体験を損なうものであるということがわかっている。これらの研究は、時間やクリックに基づいており、ドロップダウンがテキスト入力やラジオボタンをベースとしたインターフェイスよりも、大きな摩擦を生むことを示していた。アイトラッキングに基づいた我々の調査は、この結論を強化するものとなっている。

調査の一環として、Nudge Insights社は各フォームの生年月日の入力欄に着目していた。一般的に、生年月日の入力欄は複雑ではなく、日、月、年、の入力を求めれば良いと考えられている。この項目を構成する方法は複数あるが、多くの場合、テキスト入力かドロップダウン、または、それらの組み合わせを採用している。

下記は、各フォームで使用されている生年月日のフォーマットと、今回の調査の参加者がこの項目を入力する際のフィクセーションの平均を表している。

Halifax社を除き(詳細は後述)、テキスト入力を採用したフォームは、ドロップダウンメニューを採用したフォームよりも、フィクセーションが低い、ということが最も明らかなパターンである。つまり、よりスムーズなユーザー体験を提供することができていると言える。これは、ユーザーがどのようにフォームを操作しているか?ということと一致するのだろうか?次の2つのスキャンパスを見てみよう。1つ目はPost Office社のフォームであり、今回の調査では統計的に最も悪いフォームとされたものである。


画像コメント:Post Office社のフォーム。完全なドロップダウンであり、補足のテキストなどもない。

ユーザーの視線がどのように動き、どこを注視しているのかを示すため、スキャンパスを併せて掲載している。これを見ると、ユーザーが視線を上下に動かすことを強いられていることがわかる。

Post Office社のデータと、シンプルなテキストメニューを採用している、下記のLittle Loans社のデータとを比較してみよう。


画像コメント:Little Loans社のフォーム。入力の指示も記載されている、テキスト入力。


画像コメント:Little Loans社の生年月日のスキャンパス。Post Office社のデータと比較し、よりコンパクトでスムーズであることがわかる。

フィクセーションの平均データとスキャンパスのローデータを組み合わせることで、2つの手法における、ユーザービリティや効率性に明らかな違いがあることがわかった。

実用的なアドバイス:生年月日のフィールドには、ドロップダウンのメニューではなく、テキスト入力の方式を採用しよう(日付に関わる他の多くのフィールドでも同様)。

2.表示タイミングが早すぎるエラーメッセージ

前述の通り、Halifax社はテキスト入力の方がドロップダウンよりも、生年月日のフィールドにおいて低くなるという一般的なパターンの例外であった。

これはなぜだろうか?一見すると、Little Loans社のインターフェイスと大きく変わりは無いように見える。


画像コメント:Halifax社の生年月日のフィールド

しかし、スキャンパスはLittle Loans社よりも長く、コンパクトではない。

ユーザーの動画を詳しく見ることで、この原因が判明した。

ユーザーが「日」の項目を入力し、次に「月」の項目を注視した途端、エラーメッセージが表示されたのだ。


画像コメント:表示が早すぎるエラーメッセージ

この早すぎるエラーメッセージがユーザーの気を散らしてしまい、視線を元の位置から上に移動させてしまっている。特に、このメッセージが表示される必要がない場合は残念である。インラインでの注意文はユーザー体験を向上させるという調査結果はあるが、この場合は、ユーザーは入力を開始しておらず、また、フィールドからも出ていない。それにも関わらず、大きな赤い文字が表示されてしまっている。まだ入力途中のユーザーに対し、早すぎるエラーメッセージを表示させることは、ストレスを与え、ユーザーの作業を邪魔してしまう。

2つ目の要因は、生年月日の入力欄が、ページの下部に表示されていることだ。エラーメッセージが表示される度に(毎回表示されてしまう!)、生年月日を入力するボックスが下部に押し下げられ、ユーザーの視界に入らなくなってしまう。ユーザーは入力を再開するために再度スクロールをしなければならない。その結果、上記のような縦長のスキャンパスとなってしまっている。

この問題は、「ベストプラクティス」のみに頼るのは良いことではない、という警告と言える。一般的に、日付の入力項目において、テキスト入力は最も効率的な仕組みであることがわかっている。しかし、テストを行わず、盲目的に実装してしまうと、ユーザー環境に予期せぬ問題を作ってしまうこともある。

実用的なアドバイス:ユーザーが項目の入力を完了するまでは、エラーメッセージを表示しないようにしよう。予期せぬ問題を引き起こさないためにも、テストは必ず実行しよう。

3.エラーメッセージが明らかでなかったり、適切に表示されていなければ、ユーザーを混乱させてしまう

今回調査した6つのフォームは、エラーメッセージの配置において、いずれも異なるアプローチを採用している。その結果、エラーメッセージの配置場所の通説との比較が可能となった。

そもそも、なぜこのような通説が存在しているかを強調する最適な例は、Santander社の個人情報欄である。Santander社は、ユーザーがフォームを送信するまでエラーメッセージを表示しない、というアプローチを採っている。また、エラーメッセージが表示される場合は、ページの上部に表示されている。


画像コメント:ここまでのところ、何の役にも立っていない

このようなメッセージが表示された場合、神話的な赤いアスタリスクを見つけると、何らかのエラーがあるのでは、と思うかもしれない。しかし、実際には下記のメッセージが表示されるだけであるため、非常にがっかりしてしまうことだろう。


画像コメント:Santander社のエラーメッセージ(もしくは、欠損!)

「Home phone number(自宅の電話番号)」を除き、ユーザーへのガイダンスは無い。ユーザーは、フォームの上部までスクロールし、一般的なエラーメッセージを確認した後、さらに下までスクロールし、問題のある項目を見つけるだけである。

こうしたパターンがフォームの不要な放棄を発生させることは容易に予測できるが、アイトラッキングの観点では、どのような効果が見られるだろうか?Santander社のフォームでエラーを起こしたユーザーのスキャンパスを見てみよう。


画像コメント:Santander社のユーザーは、問題を解決するために、フォームを上下に移動せざるを得ない。

Santander社のアプローチとLittle Loan社のアプローチを比較してみよう。Little Loan社は、インラインでの表示を採用しており、エラーが発生した場合には直ちにユーザーに知らせ、ガイダンスを表示させている。


画像コメント:Little Loan社のインラインでのエラーメッセージの表示

その結果、無効な情報を入力したユーザーのスキャンパスは非常にコンパクトである。つまり、スムーズな操作を可能としており、ユーザー体験の向上につながっていると考えられる。


画像コメント:Little Loan社のエラーのスキャンパス

実用的なアドバイス:エラーメッセージは関連するフィールドの隣に表示させ、無効な情報が入力された場合、すぐに表示させるようにしよう。

4.同様の情報を複数回入力させてしまうことは、ユーザービリティコストがかかる

ユーザーにEメールのアドレスを2回入力させることについての議論は、主に、ユーザー体験とデータベース内に誤った情報が格納されてしまうことを防ぐこと、が対象となる。この議論についての記事は様々あるため、ここでは賛否両論については記さない。その代わり、Eメールアドレスを2回入力することをユーザーに求めることがユーザー体験を損なうという仮説について、アイトラッキングの観点から裏付けてみようと思う。

また、「Eメールアドレスの確認」のみならず、電話番号を複数回尋ねる(最高で3回も尋ねることもある)ことにより、多くのフォームがこの問題を抱えている。こうした情報は、本当に必要なのだろうか?

下記は、個人情報を入力する際のユーザーセッションにおける、全てのフィクセーションの平均時間と、フィクセーションの平均回数をまとめた表である。

このデータは決定的なものではないが、一般的な傾向としては、入力項目が簡単であるほど(Eメールアドレスの確認+電話番号)、入力が完了するまでのフィクセーションが少なく、フィクセーションの時間も短くなる。これは、こうした項目の入力を要求することが、ユーザー体験における摩擦を導いているという仮説を裏付けることとなる。

実用的なアドバイス:はっきりとした理由がない限り、Eメールアドレスの確認と複数回の電話番号の入力をユーザーに要求するべきではない。

5.ユーザーの認知における負荷を最小化するために、UIを整備する

雇用詳細を尋ねるフォームを見てみると、最高のパフォーマンスのフォーム(Halifax社)と最低のパフォーマンスのフォーム(Santander社)の間には、大きな違いがあった。

なぜ、このような違いが生まれたのか?パッと見る限り、それぞれのフォームは似通っている。


画像コメント:Halifax社の雇用詳細を記入する欄


画像コメント:Santander社の雇用詳細を記入する欄

最も明らかな違いは、Santander社のフォームでは、雇用主の住所などの詳細な情報を求めていることである。これは、追加の情報であり、短いフォームよりも、より多くの集中力が必要とされる。しかし、この違いが全てではない。他にも2つの要素があるのだ。

まず、「職種(Job Title)」についての項目である。

一見すると、自由に入力を行える、フリーのテキストボックスのようだ。しかし、実際はそうではない。バックエンド側で保持しているリストと合致しない回答が送信された場合、赤いアスタリスクが表示される(また、前述のように、インラインでの表示ではなく、フォームを送信した際に表示される)。

何が間違っているかを示すガイダンスもないため、問題はさらに深刻になる。上記の例では、「先生」という回答は受け付けるが、それは明確ではない。ヘルプを参照するには、クエスチョンマークをクリックする他ないが、それでもなお、ガイダンスの内容は曖昧である。

アイトラッキングのデータを見てみると、このフィールドの周辺でフィクセーションが密集していることがわかる。つまり、認知するための努力が必要とされると言える。

Halifax社では、異なるアプローチが採られている。

Halifax社は、前述した通り理想的とは言えない、ドロップダウンの方式を採用している。しかし、Santander社のような、オープンでありながら制限が多いアプローチと比べ、少なくともユーザーには明確なガイダンスを提供しており、次に進むための選択肢を表示させている。彼らが採用しているアプローチには改善の余地があるはずだが、アイトラッキングの観点から言えば、それほど悪いパフォーマンスではない。

2つ目の要素は、雇用期間に関する設問だ。Santander社は、ユーザーに雇用期間の入力を求めている。ユーザーが仕事を開始した日を入力させ、今日までの期間を計算するよう、求めている。

それに比べ、Halifax社は仕事の開始日を入力するだけであり、雇用期間は自動的に算出される。

ここで明らかなことは、必要最低限の情報のみユーザーに入力を依頼する、ということである。自動計算のような機能は、摩擦の発生要因を取り除くことができるだろう。

実用的なアドバイス:職種のようなオープンエンドな質問であり、バックエンドで特定の回答を必要とする場合、ユーザーに推測を強いることはせず、可能な限り簡単に入力できるようにしよう。自動計算のような機能を活用し、ユーザーがスムーズに操作を行えるよう、整備しよう(自動計算の実装が困難であれば、こちらでコーディングのアドバイスを行っている)。

6.「良い」ガイダンスであっても、視線を逸らしてしまう

一般的に、我々はユーザーを導くためのマイクロコピーをフォーム内に記載することを支持している。しかし、最適なガイダンスであったとしても、利益に対するバランスを取る必要があることを常に意識すべきだ。Little Loans社の雇用詳細のセクションのスキャンパスを見てみよう。

ユーザーは各フィールドからその右隣のテキストに視線を移していることがわかる。これは、ガイダンスを追加することが間違っているというわけではない(一般的に、ガイダンスはないよりもあった方が良い)。しかし、ガイダンスを記載する理由を明確にすべきだ。Little Loans社の場合、ガイダンスが必要であるかどうかは、定かではない。

この例では、ユーザーが収入を得ていることを確認するため、次の給料日の入力が必要であると書かれている。これが、認証においてどの程度役に立つのかが明らかではなく、また、質問自体が理由を含んでいるため、このガイダンスはユーザーの気を散らしてしまうものと言える。

実用的なアドバイス:フォームを設計する際は、常に下記の項目に留意しよう。

  1. ガイダンスを設置する場所を検討する。可能な限りフィールドの近くに設置し、視線が散ることを最小限に留めよう
  2. 本当にそのコピーが必要であるかを確認する。ガイダンスの内容が質問自体に含まれているのであれば、省略することを検討しよう。

結論

今回の記事で紹介した調査結果が、CROやUXの専門家にとっては、衝撃的な内容ではなかったかもしれない。しかし、すでに確立された仮説の裏付けとなるものであり、フォームやチェックアウトを通じて、ユーザージャーニーをより円滑なものとするための、追加のアドバイスとはなっているはずだ。

フォーム最適化のためのヒントを、アイトラッキングのデータを元に紹介する記事でした。ユーザーが操作を困難とする箇所が具体的であり、また、他のページと比較することで改善点も浮き彫りになっています。自身のWebサイトはどうしても見慣れてしまうものであり、困難である箇所も、困難でないと感じてしまうこともあります。定期的にこうしたユーザーデータを取得し、改善に繋がるヒントを得られれば理想的と言えますね。


この記事は、cxl に掲載された「What Eye Tracking Can Teach Us About Form Optimization and Design」を翻訳した内容です。



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グロースを正確に測定するためのコンバージョン率の計算式。

SEOの主目的として、「検索からの集客の最適化」が挙げられると思います。しかし、その集客が、事業の目的にどれだけ貢献しているか?についてもしっかりと把握する必要があるでしょう。いわゆるコンバージョンへの貢献が重要となりますが、その算出が難しいことも事実です。今回は、そんなコンバージョン率の計算方法について解説した、CXLの記事をご紹介いたします。

コンバージョンは事業において非常に重要である。しかし、コンバージョン率が良ければ、売上が上がるというわけではない。

コンバージョン率の計算式の利点は、マーケティングにおけるインサイトを得られる点にある。上手く行っているものは何か、上手く行っていないものはなにか、それらを把握した上で、テストを行い、最適化や改善へとつなげることができる。

この記事では、コンバージョン率の計算を紹介し、複数のチャネルやカスタマージャーニーへの適用についても紹介する。また、コンバージョン率と収益性との関係を明らかにし、コンバージョン率の計算式を活用した、最適化の方法についても紹介したいと思う。

コンバージョン率の計算方法

コンバージョン率の計算方法は、チャネル、セールスサイクル、マーケティングファネルの段階などによって異なる。良好なコンバージョン率の基準は、価格、平均注文額、顧客生涯価値などの要素によって可変する。

大雑把な方法ではあるが、コンバージョン率は下記の式で求めることができる。

「(コンバージョン / アクション) * 100」

もしくは、

「(コンバージョン数 / 訪問者数) * 100」

例えば、とある製品ページにて、240回の訪問から12件の購入を獲得したとしよう。訪問から購入までに至るコンバージョン率は5%となる。

「(12の購入 / 240のページ訪問) * 100 = 5%」

しかし、この計算式にはコンテキストが抜けている。高額な商品の場合、240の訪問に対して5%のコンバージョン率が得られれば、大きな成功と言えよう。同じ数字でも、Tシャツを売るWebサイトの場合では、話が違ってくる。

また、トラフィックのソースや、カスタマージャーニーの段階に置いて、コンテキストは重要になる。例えば、Facebook広告(CPAは上昇傾向にある)に費用を投下している場合、ROASを向上させるため、コンバージョン率は健全な値である必要がある。

反対に、検索トラフィックからの平均コンバージョン率においては、余裕があると言えよう。仮に、月間で100,000のユニークな訪問者を継続的に獲得できており、コンバージョン率が1.2%であれば、1,200人の新規顧客を獲得していることになる。この状況において、ボトムラインを増加させるために行えることは下記である。

  • 検索トラフィックの増加
  • オーガニックトラフィックからのコンバージョン率の増加

しかし、ここでもコンテキストは重要である。検索トラフィックの増加のためには、新しいランディングページやコンテンツの作成が必要となる。「何を優先とすべきか?」が、問題となるのだ。一般的には、「より効果のあることを、より多く行う」が答えとなる。

この例では、コンバージョンの測定は、マーケティングとカスタマージャーニーにおけるインサイトを得るために、行われるべきである。これを念頭に置き、より具体的なコンバージョン率の計算式の例を見ていこう。

Facebook広告からのECサイトでの購入

ペードメディアは、ECサイトにとって、最も有益な顧客リソースの一つである。Statistaのデータによると、2020年では、ECサイトの16%が毎月20~15万ドル、14%が毎月15万ドル以上の広告費を投じているとのことだ。

例えば、Huel社は、AOVを増加させるために、商品バンドルに出稿している。

ランディングページでは、1回限りの購入ではなく、10%のディスカウントがある定期購入を提案されている。

こうすることで、長期的な顧客をより多く獲得することができ、結果として、LTVが向上する。

この例における、コンバージョン率の算出は下記である。

(定期購入の契約数 / クリック数) * 100

例えば、Huel社が1ヶ月の間に100,000クリックを発生させ、1,200の定期購入の契約を獲得した場合のコンバージョン率は下記となる。

(1,200 / 100,000) * 100 = 1.2%

上記と同じ計算式を使用し、1回限りの購入におけるコンバージョン率と比較することも可能だ。こうすることで、顧客が求めているものや、次回購入を促すために必要なものなどを把握することができる。

Huel社の場合、定期購入におけるコンバージョン率が低いことは、理解できることかもしれない。1回限りの購入におけるコンバージョン率が、定期購入におけるコンバージョン率よりも高くても、LTVが低いのであれば、優先すべきは後者と言える。

検索トラフィックからのメールの購読者

全てのコンバージョンが収益に直接関係しているわけではない。オーディエンスの獲得を目指している場合、メールの購読者数は重要な指標と言える。

例えば、Backlinkoでは、ブライアン・ディーン氏は、各ページにおいてニュースレターの申し込みのCTAを強く目立たせている。

ブライアン氏はオーガニックトラフィックの獲得を得意としている。彼が作成する全ての記事は、検索からのトラフィックの獲得を目的としている。そのため、「オーガニックトラフィックから発生したEメールの購読者数」が重要なKPIとなるだろう。このコンバージョン率を計算するために、下記の式を使用した。

(Eメールの購読者数 / オーガニックトラフィック) * 100

例えば、ブライアン氏が500,000のオーガニックトラフィックを月間で獲得したとし、3,100の購読者数を獲得したとしよう。

(3,100 / 500,000) * 100 = 0.62%

この計算式は他のチャネルや、リピーターなどの他のユーザーセグメントでも用いることができる。

コンテンツからのリードの獲得

B2BやSaaSのビジネスで、コンテンツを活用したリードの獲得を目指している場合、その取組がどれほど目標に貢献しているかを測定することは非常に重要である。

例えば、Vidyard社は、複数の動画マーケティングのトピックに関するリソースのライブラリーを保有している。

この規模でコンテンツを作成しているのであれば、それがコンバージョンに寄与しているかどうかを確認する必要があるだろう。これを算出するための計算式は下記である。

(リード数 / ランディングページの訪問者数) * 100

例えば、Vidyard社の「動画マーケティングの決定版ガイド」というコンテンツが、月に1,400のビュー数を獲得し、46のリードを獲得できたとする。

(46 / 1,400) * 100 = 0.30%

この計算式は、ブログコンテンツの読者数や、ポッドキャストのリスナー数などでも適用することが可能だ。

コンバージョン率がボトムラインに与える影響

より収益の高いビジネスを構築するために、マーケターはコンバージョン率をどのように利用しているのだろうか?

あらゆる状況でも「良い」とされる、普遍的なコンバージョン率というものは存在しない。良いコンバージョン率とは、先月のコンバージョン率よりも良いものだ。あなた自身が、基準となるのである。

コンバージョンの勝ちを理解する

コンバージョンの価値は、いくつかの要素によって決定される。前述のHuel社を用い、彼らのプロテインバンドル製品のコンバージョン率を仮定してみよう。

  • 定期購入のコンバージョン率は0.59%
  • 1回限りの購入のコンバージョン率は1.04%

表面的なコンバージョンのデータを見る限りでは、1回限りの購入の方が勝っていると考えることは可能だ。しかし、これは消費者行動やLTVを考慮に入れていない。

例えば、定期購入の顧客が、12ヶ月間のうち平均して6ヶ月の購入を継続したとしよう。この場合、フロントエンドでのLTVは390ドルとなる(65ドルの定期購入 * 6ヶ月間)。

同じ12ヶ月間において、プロテインを1回限り購入した顧客(72ドル)はさらに3つの別の製品を購入し、合計金額は150ドルとなる。

12ヶ月のLTVは222ドルとなり、定期購入のLTVよりも168ドル低くなる。これは、メールマーケティングやリターゲティングのコストを、全体の収益に反映したものではない。

この仮説のポイントは、コンバージョンと消費者行動の本当の影響を理解することである。顧客が別の行動を取り、その結果、より多くのお金を使うのであれば、例えコンバージョン率が低かったとしても、その行動の優先度は高く設定するべきだ。

コンバージョン率のデータからインサイトを得る

コンバージョン率は、あなたが達成すべき単純な指標ではない(それが楽しいことは疑う余地は無いが)。コンバージョン率は、マーケティング戦略のより良い意思決定を手助けするために存在する。

データはインサイトを得ることに役立ち、そのインサイトは質問に対する回答を行う手助けとなり際、最も有益となる。ここで言う質問とは、下記のようなものである。

  • 全体のコンバージョン率:あらゆるマーケティングチャネルでのコンバージョン率の状況はどうか?
  • 獲得コンバージョン率:どのチャネルのコンバージョン率が最も高く、その理由は何か?
  • ページレベルのコンバージョン率:どのランディングページやコンテンツのコンバージョン率が良いか?その理由は何か?
  • キャンペーンのコンバージョン率:ターゲット広告のコンバージョン率は高いか?そうである場合、どの広告グループのコンバージョン率が良いのか?
  • キーワードのコンバージョン率:どのキーワードがコンバージョンを生み出しているか?より多くの予算を投じるに値するか?

例えば、キーワードのコンバージョン率のような、指標に関係する詳細なインサイトは、戦略的な意思決定を可能とする。例えば、商業インテントの高いキーワードのグループの「コンバージョン率は、全体のコンバージョン率よりも高い、といったことを把握できるかもしれない。

このインサイトを活用し、これらの広告グループに対する予算を増加するなどの判断が可能だ。しかし、SEOやオーガニックの成長に投資するのはどうだろうか?

例えば、Huel社は「ミール リプレイスメント パウダー」や「パワード フード」などのキーワードで、上位に表示されている。

Ahrefsによれば、Huel社は、月間のオーガニックトラフィックにあたる有料トラフィックを獲得するためには、184,000ドルの投資しなければならない。

新しいマーケティング・チャネルへの投資はギャンブルのようなものだ。しかし、コンバージョンデータから得られるインサイトを活用すれば、数カ月後、数年後にポジティブなリターンを得ることを理解でき、自信を持って判断を下すことが可能となる。

コンバージョン率の計算式を活用し、最適化の取り組みを促進させる

コンバージョン率のデータから得られるインサイトは、新しい成長と最適化の機会に対し、優先度を設定することにも役立つ。ここでは、その方法を見てみよう。

高品質なデータの収集

収集しているデータが正確であり、全体的なデータであることを確認しよう。データの品質を向上させるためには、データを収集する方法を最適化し、どんなデータが最も重要であるかを定義することから始めよう。

例えば、Facebook広告を運用する場合、どのようなオーディエンスがクリエイティブに接触しているかを示す、膨大な数の指標を得ることができる。しかし、これらの指標のうち、本当に影響のある指標はどれなのだろうか?

Facebook広告のKPIとして、即座に思いつくものは下記である。

  • どのくらいのクリックが発生したか?
  • クリック率はどの程度か?
  • CPCはいくらであるか?
  • CPAはいくらであるか?
  • Facebook広告のコンバージョン率は?

これらの質問に対する回答を持ち合わせているのであれば、正確な方法でデータを収集し、整理し、セグメント化することができるだろう。

また、マーケティングデータの標準化も重要である。特に、同じ指標に対し、異なるプラットフォームが異なる数値を示している場合は注意が必要だ。

例えば、Facebook広告で発生したクリック数と、Google Analyticsでのそのソースからのページの訪問数は、差異が発生することがある。残念なことに、どちらかが正しいのかを把握することは困難である。

それよりも、どちらが自分にとっての「本当のソース」であるかを決定し、それを忠実に守ることが重要である。一貫したデータに基づいた意思決定を行うために、そのソースを「本当の方位」として利用すべきだろう。

実験に優先度を付ける

ResearchXLモデルを活用すれば、より勝利に革新をもって実験を行うことができる。

このモデルの基本的な考えは、ほとんどの実験は、3つのステップを経て成功に至る、というものである。

  1. 可能な限り多くのテストを行う
  2. 可能な限り多くのテストを成功させる
  3. 成功したテストの影響を最大化させる

ステップ1は当然ではあるが、ステップ2とステップ3は、自信にとって最重要な目標と結果を発見し、それらを実験に反映させることが重要である。

例えば、ランディングページのヘッドラインのA/Bテストを30日間行ったとしよう。これは、積み重ねの改善にはつながるが、本当に大事なことは無視されてしまっている。

恣意的に最適化の選択を行うのではなく、どのようなインプット、アクション、アウトプット、が事業の収益における最大のインパクトを与えるかを把握しよう。リサーチがなければ、そのテストも無意味になってしまう。

まずは、自社のWebサイトを構造的に見直すことから始めよう。各アセットを、下記の基準で評価するのだ。

  • 関連性:そのページは、ユーザーが居る場所に適しているか?ユーザーの期待に応えることができているか?
  • 明瞭さ:ユーザーに取ってもらいたいオファーやアクションは明確であるか?
  • 価値:あなたの製品やサービスが提供する価値を明確に伝えることができているか?
  • 摩擦:ページ内に疑問や躊躇を発生させる要素はあるか?プロセスを簡易化することは可能か?
  • 気を散らせる:ユーザーに取ってもらいたい主要な行動から気を散らせるものは何か?

これは、ヒューリスティック分析と呼ばれるものである。過去の体験によって、ページやアセットに点数をつけるものだ。こうした結論を下すためには意見が必要であり、よりデータドリブンな分析を必要とし、バイアスの存在と異議を唱えることにつなげるのだ。

定量データと定性データを収集する方法は、下記の6つである。

  1. 技術的な分析:ユーザー体験を損なう(そして、SEOの効果を妨げる)バグを特定し、修正する。これには、サイトのスピードを確認したり、Google Analyticsを用い異なるブラウザでコンバージョン率を比較したりする分析なども含む。
  2. アナリティクス分析:Webサイトでユーザーが何をしており、どのような機能がコンバージョンに影響しているか、などを理解する。
  3. マウストラッキング分析:クリックマップ、スクロールマップ、ユーザーセッションリプレイなどを使用し、訪問者がWebサイトにどのように関わっているか、より詳細に把握することが可能となる。
  4. 訂正調査:ページ上でのアクションを妨げている要素をユーザーに尋ねる。Hotjarのようなツールを使えば、簡単に行える。
  5. ユーザーテスト:ユーザーが実際にWebサイトで何を操作しているかを確認する。ユーザーがどのようにWebサイトと関わっているか、特定の要素やユーザージャーニーに対する反応はどのようなものか、などを把握することができる。
  6. コピーテスト:マーケティングの対象となるユーザーから、コピーに対するフィードバックを得る。何が不明瞭で、何が訴求力があり、また、彼らにとっての「普通」とは何か、などを把握しよう。

コピーとは、ユーザーにオファーを訴求し、説得し、教育するためのコミュニケーションの手段である。それを正しく理解することは、非常に重要である。

コピーテストを行うことで、下記の質問に対する答えを得ることができる。

  • 見出しはユーザーに何を感じさせているか?
  • 見出しは、あなたの主張を反映しているか?
  • どのような利益が、最も関心を引くか?
  • 3段落目のコピーでも理解されているか?
  • 全てを読んだ後でも不明瞭な箇所はあるか?

これを行うためには、自信でユーザーを募集する必要がある。もしくは、Wynterのようなサービスを利用し、オーディエンスパネルを設定すれば、48時間以内で完全なデータを手に入れることができる。

これらのデータを用い、明らかに優先度の高いテストを特定しよう。すぐに「勝利」を得られるテストはあるか?貧しい顧客体験を向上させるために、即座に解決すべき技術的な問題はあるか?

最適化すべき箇所を決定するためには、これらの課題がリストの最上部にあることを確認しよう。

結論

コンバージョン率の計算式の利点は、マーケティング活動におけるインサイトを得ることができることだ。上手く行っているものと、上手く行っていないものを把握することで、テストをお行い、最適化をし、改善に導くことが可能だ。

しかし、コンバージョン率は完全なものではなく、限界が存在する。コンバージョン率は、顧客体験の全体を測定することはできない。最も価値を生むためのロードマップを提供するものでもない。コンバージョン率は、パズルの1ピースにすぎない。持続可能な顧客体験を実現したいのであれば、コンバージョン率以外の箇所の最適化も必要である。

コンバージョン率は、目標や成果によって可変するため、「良い」コンバージョン率に固執する必要はない。コンバージョン率の最適化を追い求めるあまり、意味の無いROIを生んでしまい、時間とお金を無駄にすることも考えられる。

そうではなく、コンバージョンに向かって顧客を育成していることを確認し、上手くいっている箇所を強化していこう。測定すべき成功は、競合他社に対するものではなく、あなた自身に対するものである。そして、より懸命な意思決定を行うために、実験を行うという文化を構築していこう。

検索からの集客が増加すれば、基本的には、事業にとってはプラスとなるはずです。しかし、多額の資金を投じて行ったプロジェクトの成果が、ターゲットとは異なるユーザーからの集客となってしまった場合など、そのプロジェクトが本当に成功したかどうかについては、疑問が残る形となってしまいます。SEOに限らずあらゆるプロジェクトにとっての共通項であると思いますが、一つ一つの施策において、しっかりとコンバージョンに向き合うことの重要性を改めて実感いたしました。


この記事は、cxl に掲載された「Conversion Rate Formulas to Accurately Calculate Growth」を翻訳した内容です。



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最適化のための、KPI(キーパフォーマンスインジケーター)

事業の評価測定のための指標を探している中で迷走してしまうことはよくある。しかし、重要ないくつかの指標に集中することは、最大の成果をもたらすことにつながる。

そのため、注力すべき指標を見極めることが重要となる。この記事では、KPI(キーパフォーマンスインジケーター)を定義し、設定するために、あなたが知るべきことを解説する。

KPI(キーパフォーマンスインジケーター)とは何か?

KPIとは、事業として重要な側面における運営がどのようなものか、また、どのくらいのボリュームがあるかを測定するために使われる、定量的な活動のことを指す。Webサイトにおいては、「売り上げ」、「訪問者数」、「カートに入れられた金額の平均」など、様々な指標が用いられる。

KPIは指標であるが、あらゆる指標がKPIとなるわけではない。また、相互に排他的な用語でもない。ある情報が測定可能だとしても、その測定値が情報になるとは限らない。KPIは特定の目標に対して結果をもたらすものなのである。

マクロコンバージョンとマイクロコンバージョン

設定した指標は、「マクロコンバージョン」、もしくは、「マイクロコンバージョン」とつながっている。マクロコンバージョンは、あなたのWebサイトにおける主要な目的、つまり、ユーザートラフィックを収益に変えるということを意味する。

一方、マイクロコンバージョンとは、収益を生むマクロコンバージョンへの経路の途中にあるものであったり、収益を生むことと直接の関係をもたない、ユーザーが完了するアクションのことである。プロセス内のマイルストーン、もしくは、副次的なアクションが、マイクロコンバージョンに該当する。

チェックアウトの訪問者数、ユーザーあたりのページビュー数、カートへの追加数などがこれにあたる。しかし、マイクロコンバージョンはKPIではない。マイクロコンバージョンに注視しすぎるべきではない理由については、こちらをご確認いただきたい。

どの指標がKPIにならないのか?

一般的に、後回しにできる指標は、ユーザーあたりのページビュー数、クリック率、直帰率、ユーザーの平均滞在時間などである。金銭に直接は関わらない指標が該当する。ユーザーがWebサイトで過ごす時間は、多いほうが良いのか?それとも、少ないほうが良いのか?一概に答えることはできない。では、ユーザーがWebサイトに費やす金額は多いほうが良いのか?少ないほうが良いのか?この場合の答えは、間違いなく「多いほうが良い」となる。

その他のマイクロコンバージョンとしては、チェックアウトページへの訪問数、カートへの追加数、訪問したページ数などが該当する。これらは興味深い指標ではあるが、ユーザーの「購入」を促す役割を果たすことはない。

マイクロコンバージョンをわざわざ観測する必要はあるのか?

ジャード・スプール氏のCXL Live 2017での発言

「訪問者数は重要である。訪問者がいなければ、売り上げが立つこともない。しかし、売り上げほど重要であるわけでもない。事業上、重要とならない指標は多くあるため、こうした指標には多くの注意を割く必要はない。」

こうした行動によってお金が発生することはない。これらの事柄は素晴らしいものではあるが、自身のサービスに対する対価を得ることにはつながらないのだ。

しかし、こうした指標やマイクロコンバージョンを全く観測する必要が無い、というわけではない。こうした指標を追うことで、Webサイトやサービスのどの箇所に注意を払うべきかを把握でき、将来的なコンバージョンにつながる礎を築いてくれるのだ。

しかし、意思決定においては、マイクロコンバージョンではなく、「お金に関わる指標」を元にすべきであるのだ。

Webサイトの最適化における4つの重要なKPI

1)訪問者一人当たりの収益

訪問者一人当たりの収益(RPV:Revenue per visitor)とは、簡単に言うと、訪問者一人当たりの平均の収益額のことである。

Webサイトにおけるどのような行動が、最終的な収益の発生につながっているのかを把握することができるため、RPVは重要な指標となる。この数値が高いほど、あなたの事業が生み出す収益は高くなるのだ。

2)コンバージョン率

金額を測定できない場合(例:リードジェネレーションを目的とした、何も販売していないWebサイトでない)は、次善策としてコンバージョン率が挙げられる。

コンバージョン率がどのようなものか、わからないだろうか?その場合は、「初心者向けコンバージョン最適化」の記事の#1をご確認いただきたい。

3) 顧客獲得コスト

顧客を獲得するにはお金がかかる。そして、顧客を獲得する際にかかる費用は、「顧客獲得コスト(CAC:customer acquisition cost)」として知られている。顧客1人を獲得する初期コストは、1顧客がコンバージョンした際に得られる収益よりも、小さくなければならない(つまり、LTVよりも低くなければならない)。

ここでの目標は、プロセスを完璧にすることであり、その結果、支出と時間を最小限とし、収益を最大化させることである。

ForEntrepreneurs.comのデイビッド・スコック氏による発言

「あなたが次のビジネスを計画している起業家であれば、顧客獲得にかかるコストを無視する余裕はない。この課題に取り組む時期は早ければ早いほど望ましい。あらゆる最善策は、新しい方法で製品を作る必要があるからだ。

また、自身にこう問いかけることも重要である。自身のビジネスは、収益化できる金額よりも低い金額で顧客を獲得することができるか?そして、それは現実的な期待であるか?」


バランスが取れている事業バランスとは、このようなものである(画像のソース

実質的に、多くのスタートアップ企業が失敗する最大の理由は、上記の画像のバランスが逆になっているからである。CACが顧客のLTV(つまり、生涯価値)を上回ってしまっているのである。

ConstantContact社は、LTVを把握することで、顧客獲得のための費用を大きく下げることに成功した。

「ConstantContact社の顧客は、平均して、45か月間滞在する。価格帯は月額39ドルであるため、一人あたりの生涯収益は約1,800ドルとなる。つまり、ConstantContact社は、450ドルの獲得単価(CPA:cost-per-acquisition)で収益を上げることができる。」

しかし、過度に重要視することは危険である。LTVは、時として、嘘をつくのだ。

4)顧客生涯価値

最も重要なKPIはLTVであるとする者もいる。LTVとは、「将来を含めた、顧客との関係性全体を起因とする、純利益の予測」である。基本的に、その顧客から生涯にわたってどれほどの利益を得ることができるか、ということを意味する。

最も重要な顧客を、生涯を基準として評価することが重要である。その顧客が、長期的にどれほどの価値となるか、把握する必要があるのだ。

例えば、月額50ドルのサブスクリプションの製品に3人の顧客が同時に申し込んだとしよう。1人は1ヶ月、2人目は3ヶ月、3人目は2年間、サービスを継続してくれた。入会時の金額は50ドルと同一であるが、LTVにおいては大きな差異がある。それぞれ、50ドル、150ドル、1200ドルとなるのだ。

顧客が事業に提供してくれる価値は、すべて同一であるわけではない。そのため、LTVの高い顧客を早期に予測できることができれば、それに越したことはない。

しかし、LTVの測定は非常に困難である。顧客の障害価値を測定できている企業は、約40%ほどである。唯一の方法は、情報を集め、予測モデルとして組み立て、抽出したデータを元に顧客の行動を予測することである。

顧客生涯価値の計算式とは?

LTVの算出方法は、事業内容によって異なる。ここでは、SaaSのLTVにおける典型的な計算方式を紹介しよう。


(MRRはMonthly Recurring Revenueの略であり、月ごとの定期収入を意味する)(画像のソース

直接購入をしてくれる顧客の価値は高いのは当然であるが、こうした顧客は、別の行動によって収益の向上に一役買ってくれる。口コミや紹介などの、間接的なマーケティングはその一例である。こうした特徴やサイトへの訪問などの行動を追跡することが、LTVのモデルを作成するうえで最も有効であると言える。

なぜ、これらの計算式は重要なのか?

こうした計算式の主要な価値は、マーケターに対し、予算をどの領域に投下し、顧客を獲得するためにどの程度のコストがかかるのか、そういった考えを与えてくれるからだ。優先順位をつけ、高額購入者へのアプローチに集中することで、マーケティングがより簡単になる。

また、特定の顧客からの長期的な収益を知ることで、利益を確保しつつ割引が可能であるか、事前に価格を設定できるか、顧客をページに誘導することができるか、などを判断することができる。

適切な指標を計測し、それらの改善に取り組むことで、費やした金額を取り戻し、さらには利益を上げるための戦略を立てることができるのだ。

LTVのモデル化

顧客を獲得する際にLTVを予測するにはどうすべき良いのか?これは、非常に難しい。

ウォートンスクールのマーケティング教授であるピーター・フェイダー氏による発言

「新しく顧客を獲得した場合、彼らとの取引についてのデータはほとんどないため、彼らのLTVを正確に算出することは困難である。

しかし、獲得プロセスの中には有益な情報が含まれている。例えば、獲得チャネル、ファネルやキャンペーンの情報、最初の取引自体の情報(購入した商品、支払った金額、使用した割引)などである。

過去に取引した顧客の中から、このような特徴を持った顧客を探せば、彼らのLTVは把握しているはずである。そのため、こうした要素に基づいて、他の顧客とどの程度似ているかを、重みづけされた他の顧客の加重平均をとることにより、新規顧客に対する「推定値」を算出することができる。

複雑なプロセスに見えるかもしれないが、実はそうではない。実際、企業はこの算出をほぼリアルタイムで自動で行うことができる。その結果、顧客との関係性を築くきわめて早い段階で、その顧客をVIPレベルで扱うべきかどうか、即座に読み取ることができるのだ。」

こうした作業を行うには、Google Analyticsのようなデータ収集を自動で行ってくれるソフトウェアを使用することが一番である。また、独自でモデル化を可能とする、様々なGoogleスプレッドシートも存在する。

LTV予測モデル

では、どのようにして予測モデルを構築できるだろうか?最も簡単な答えは、データサイエンティストを雇用しよう、ということになる。社内にデータサイエンティストがいない場合は、以下の方法が考えられる。

有用な方程式は、

(平均販売額) X (リピートの取引数) X (リテンションの平均期間(月または年))

である。

ジムの会員メンバー

ここでは、事務の会員メンバーを例に挙げて説明してみよう。

「簡単な例として、毎月20ドルを3年間支払ってくれるジムメンバーのLTVを挙げてみる。この顧客のLTVは、

20ドル X 12ヶ月 X 3年間 = 720ドル (もしくは、年間240ドル)

この簡単な例からも、多くのジムが新規顧客を獲得するために、初回無料のキャンペーンを行う理由がおわかりだろう。ジムのオーナーは、新規顧客の獲得費用が240ドル以下であれば、短期間でその顧客からの利益を得られることを知っているのだ。」

このように、このジムは、顧客一人当たりの獲得予算を算出し、利益を増やすためのプロセスに着手することができる(何かを販売してお金を得るのでなければ、リード数やコンバージョン率が主なKPIとなる)。

実際はどのようなものなのか?

Kissmetrics社のメンバーが、2004年から2012年のデータを用い、スターバックスの顧客の平均LTVをモデル化している。このモデルは2017年に作成されたモデルであるが、LTVの予測モデルを作成する上で、良い例となっている。

特徴抽出データ

一般的に、スターバックスの平均的な顧客の行動を評価するためには、3つの指標が必要となる。「1回の来店ごとの顧客支出」、「1週間当たりの訪問回数」、「1週間当たりの平均顧客価値」がそれにあたる(「1週間当たりの平均顧客価値」は、週当たりの顧客支出と来店回数の両方を掛け合わせて算出している)。

顧客変数を含むこれら3つのデータセットの平均値を把握できれば、いよいよ算出を開始できる。上記で算出した平均値を用い、一定の定数を考慮に入れ、全体的な生涯価値を算出するための方程式を作ることができた。

ここでは、一般的な3つの公式が採用された。「単純なLTVの方程式」、「顧客LTVの方程式」、「伝統的なLTVの方程式」の3つである。これら3つの全ての方程式から得られた結果を平均して、LTVを算出した。

企業によってLTVは異なる。需要なことは、どのような顧客が長期的に自社と関りを持ち、商品を購入しているのかに焦点をあて、顧客満足度を高めることである。最終的に解約されたり、投資価値が低くなる可能性のある「安い」、「平均的」な顧客にリソースを費やすのではなく、ユーザーに対して、投資するようにしよう。

一般的に、マイクロコンバージョンを指標とすることは可能ではあるが、KPIとしてはふさわしくない。4つの重要なパフォーマンス指標は、以下である。

訪問者一人当たりの収益
コンバージョン率
顧客獲得コスト
ライフタイムバリュー

顧客コストを把握することで、マーケティング予算にどの程度投資すべきかを決定することができる。


この記事は、CXL に掲載された「Key Performance Indicators (KPIs) for Optimization」を翻訳した内容です。



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トラフィック数が少ないWebサイト用のA/Bテストの代替案

SEOの文脈においてもユーザービリティの話題が含まれるようになって久しいですが、直感やイメージで判断するのではなく、データに基づいた変更を加えることが重要です。ユーザービリティの向上のためにWebサイトの変更・最適化を行うことはよくありますが、A/Bテストが最も一般的な方法と言えるでしょう。しかし、トラフィックが少ないWebサイトの場合、A/Bテストは実施自体が困難となることもあります。今回は、そのような状況に置いてA/Bテストの代替となる手段を解説した、CXLの記事を紹介いたします。

オンラインビジネスの70%がA/Bテストを行っているこの時代においては、Webサイトの変更を決定づける判断をデータドリブンな手法で行わないことに対して、違和感を覚えることは自然なことと言える。

しかし、十分な量のトラフィックが無い場合はどうだろう?もしくは、経営陣がA/Bテストにかかるコストを承諾してくれない場合は?Map My Growth社では、このような場面によく出くわす。

推測が及ぶ領域が広い、最適化の努力の成功を期待する方法を採ることもできるし、より質的(予算も比較的安価だ)な方法を駆使し、推測をより安全なものとさせることもできる。

Webサイトの最適化における「最も安全な賭け」というアプローチ

正直なところ、この記事で紹介する方法は、良く練られたA/Bテストのような、統計的な有効性があるわけではない。しかし、Webサイトにおける変更を、直感に頼ったり、競合サイトが成功したからといった理由で判断することを避けるには役に立つだろう。

カート・アンダーセン氏は下記のように述べている。

直感を頼りにマーケティングの判断を下す時代は終わりを告げた。デジタルの領域でマーケターが行う全てのこと(最初のクリックから契約の締結まで)を追跡できるようになった。この考えを受け入れることができないCMOは長続きしないだろう。

「最も安全な賭け」というアプローチは、Webサイトの最適化のプロセスから、可能な限り、推測を排除する方法である。高品質なユーザーのフィードバックを集め、Webサイトのデザイン、コピー文、ファネルなどに変更を加えるアプローチだ(例えば、Wynterのようなツールを活用し、メッセージのテストを行うことができる)。

このアプローチで検証できる項目を下記にまとめよう。

  • ランディングページ(PPCに投資する前に行うことを特に勧める)。
  • 古いページの大幅な再設計(ブランドの変更や新規ページを追加したい場合にも有効)。
  • ナビゲーション(カテゴリーやサブカテゴリーが多くあるが、どのような構成をすればシームレスなユーザー体験を提供できるかわからない場合)。
  • セールスファネル(デモコールや無料トライアルを提供している場合、阻害ポイントを特定するために不可欠である)。
  • 既存のウェブサイトを大幅に変更する場合(CTAのテキストや見出しの変更など、ROIの低い微調整ではない)。

それでは、各方法を見ていこう。

トラフィックの少ないサイトにおけるA/Bテストの代替手段

では、従来のA/Bテストの代わりとなる手法を具体的に見ていこう。どのようなツールを使い、注目すべき点はどこにあるだろうか?

最適化の変化を検証するためのユーザーテスト

ユーザーテスト(もしくは、ユーザービリティテスト)は、定性調査の中でも広く使われている手法だ。マーケティングの専門家は、20年ほど前から、たった5回のユーザーテストを行えばユーザービリティの課題の80%は解決できる、としている。

多くの場合、これは真実である。数か月に一度、小規模な調査を行うことが推奨される。しかし、ユーザーテストから得られたヒントを元に変更を加えた際、Webサイトのトラフィックが少ないと、その効果が得られるまでに数か月かかってしまうことがある。

Userlytics社のヨーロッパ事業開発責任者であるアレックス・バーゼライ氏によると、A/Bテストではトラフィックの多いページで行い、95%以上の優位性を得られたとしても、片方のバリエーションが勝利した理由を説明することはできない、とのことだ。

2つ以上のデザインのバリエーションがある場合、ユーザー体験とコンバージョンの最適化を行う上で、A/Bテストは優れた方法である。しかし、デザインプロセスの一部として、「何が」ではなく「何故」を理解したい場合、また、トラフィックの少ないWebサイトやアプリケーションの場合、反復的な訂正のユーザー体験に勝る手法は無い。

その性質上、A/Bテストは大量のサンプルサイズを必要とし、分析にかかるコストと時間が求められる。2つのバリエーションから選択してもらうのではなく、ユーザーに改善点を説明してもらうよう、依頼してみてもよいはずだ。

行ったテストの効果を最大化させるため、下記の方法で、テストの品質と速度を向上させることができる。

  • 20人以上(理想としては50人以上)のユーザーを募る
  • 口頭でのフィードバックは無視する(特に時間が無い場合は)

より多くのユーザー=より多くのデータ

こう考えてみよう。普段着ることのないような新しいジャンパーをあなたは購入した。友人に、そのジャンパーが気に入ったかどうかを尋ねてみる。その友人の意見を確かめるために、さらに別の3人の友人に意見を聞いてみる。

3人のうちの2人は気に入り、残りの1人は気に入らないと答えた。トータルでは引き分けだ。

あなたはどうするだろう?自身の直感に従い、時間とお金をかけて購入したそのジャンパーを着続けるはずだ。

しかし、あなたのことを知らない20人に尋ねるとどうなるだろう?50人の場合は?科学的な観点から考えると、この人数でも統計的な優位性には至らない。しかし、自身の直感を見直すきっかけにはなるだろう。

50人の「ユーザー」がいれば、下記の3つのシナリオが考えられる。

  • 35人以上(70%以上)のユーザーは新しいジャンパー(デザイン)を気に入ったため、勝利する可能性が高い。
  • 35人以上(70%以上)のユーザーは新しいジャンパー(デザイン)を気に入らなかったため、敗北する可能性が高い。
  • 30/70と50/50の間のいずれかの場合、ユーザーはあなたのスタイルに注目しない可能性が高い(つまり、勝利の可能性は低い)。しかし・・・、

この場合、ユーザーに新しいジャンパーが気に入ったかどうかを尋ねるだけでなく、その理由を尋ね、さらに深い発見を得るべきだ。ユーザーがそう判断した理由と別の調査方法を組み合わせることで、より多くの情報に基づいた判断を下すことができる。

文章によるフィードバック=深さと速さ

これには議論の余地がある。我々はユーザーテストの動画を好む傾向があり、その理由は、(コントロールされた環境で)自身のWebサイトをユーザーがどう使用しているかを見ることができるからだ。この8年間で、私はそのような動画を1,000本以上見てきた。その中でも印象的だったのは、参加者に対し、「自身の考えを口に出してください」や「口頭でフィードバックしてください」と依頼すると、フィードバックの内容が表面的なものになってしまうことだ。

コンテンツやデザインにおいて、好むものと好まないもの、理解できたものと理解できなかったものをユーザーに考えてもらうためには、口頭でのフィードバックの後、その回答を書き留めてもらうことが重要だ。

下記に、実際のテストに基づいた例を挙げてみよう。

タスク:カートのページで気に入らなかったことを伝えてください。

口頭での回答:気に入らないものは無かったが、画像には改善の余地があると思う。[一般的なフィードバックであり、何かの役に立つことはない]

文章の課題:カートページで気に入らなかった箇所を、1つか2つの文章で書いてください(また、その理由も)。[ユーザーは多くの言葉を使う必要があるため、その内容はより詳細となる]

文章による回答:カートに入れた商品の画像が小さいため、自分が買った製品をすぐに確認することができなかった。[ユーザーは問題についてより深く考えてくれ、実行可能な内容のフィードバックを書いてくれた]

ユーザーは「より良い」、「良い」、「悪い」、「複雑」といった言葉を多用する。これらが、新しいデザインやコピー文を作成する際の参考になることは無い。自分の考えを文章にすることで、フィードバックの質を向上させることができる。

ユーザーテストのワークフロー

トラフィックが少ないWebサイトの場合、ユーザーテストのプロセスは下記の通りとなる。

  1. 適切なユーザーの選択と採用
  2. プロトタイプの環境の構築
  3. 質問とタスクの準備
  4. データの分析

1.適切なユーザーの選択と採用

自社の製品やサービスに競争力の強い価値を提供できているのであれば、ターゲットとすべきユーザーの特定は完了できているはずだ。彼らはどのような人で、何を必要とし、あなたから購入する理由は何か。

このようなケースでユーザーテストを行う場合、何千人もの登録ユーザーから最適なプロフィールを持つユーザーを抽出するために、1つか2つのスクリーニング用の質問で十分だろう。

このスクリーニングのプロセスで避けるべき項目は下記である。

  • 「CRMのソリューションを必要としていますか?」というような、「はい/いいえ」で答える形式の質問
  • 選択式の回答を用意するが、回答の内容が似てしまうこと(複数のボックスにチェックを入れたいにもかかわらず、1つの答えを選ばなければいけない場合、潜在的に理想的なユーザーを見逃してしまう)

具体例を考えてみよう。B2Bのペイロールのソリューションをレビューしてくれるユーザーを探していたとする。社内調査によると、理想的なプロフィールは下記であった。

  • 30歳以上、米国在籍、男女問わず(ほとんどのツールではこのような属性を振り分けられるはずだ)
  • 50人以上の社員がいる会社
  • 問題の特定と課題の洗い出し:毎月の給与計算の作業に時間がかかっている

スクリーニング用の質問を1つ用意しておけば、理想的なプロフィールを一般化させることができ、解決すべき問題や製品に集中することができる。そのためには、下記のような質問が適切だろう。

次の内、あなたが抱える仕事上の課題で最大の課題はどれですか?(テスト中に確認するため、正直にお答えください)

  • 経営幹部となる人材を探すこと
  • 複数のコミュニケーションチャネルを管理すること
  • 多くの従業員の給与の処理作業(有資格者)
  • 昇進や社内での注目を集めること
  • 古いハードウェアを使用しなければならないこと
  • クライアントとの法的な契約の管理
  • 信頼できる電子署名のソフトウェアを探すこと
  • どれもあてはまらない

ここでは、8つの異なる選択肢が用意されている。オフィスでの仕事に関連しているということが、唯一の共通点である。適切にフィットしていない人は正解をあてることはできない。また、行間を読んで正解を当てようとする意欲も削がれてしまう。

仮に、2つ、3つ、それ以上のスクリーニング用の質問を用意している場合(UserZoom GOUser Interviewsのように)、さらに理想的なプロフィールに近づくことができる。

しかし、2~3日以内にテストが完了していない場合、そのスクリーニングプロセスは厳しすぎるということになる。テストが公開された後に質問を変更できるツールもあるが、あまりお勧めはしない。この場合、これからテストを受けるユーザーのみが対象となってしまうため、変更後の質問では合格の可能性がある、すでに失格となっているユーザーに適用されることはないからである。

2.プロトタイプの環境の構築

バリエーションを横並びにして比較することで、テストの学習効果が得られる。コントロールとバリエーションの両方が稼働しており、それぞれ個別のURLが割り当てられていると良い。そうでない場合は、下記の対応が必要だ。

  • コントロールとバリエーションのそれぞれのスクリーンショットを撮る。FireShotのような無料のツールを使用し、長いページのキャプチャを撮り、ユーザーに表示することができる(変更点はどこであるかを伝えることなく)
  • スクリーンショットをコピーし、変更点の全てに印をつけ、ユーザーが見やすいようにする。
  • InVisionなどの)プロトタイプのツールに全てのファイルをアップロードする。URLを生成し、テスト中にユーザーと共有できるようにする。

下記は、CXLのトップページでA/Bテストを行う場合の例である。

3.質問とタスクの準備

ユーザーとURLの準備が整えば、テスト中にユーザーが従うスクリプトを作成する。ユーザーテストでは下記の領域をカバーしよう。

  1. グループ1(ユーザーの50%):コントロールグループの一般的な印象(好き、嫌い、わかりにくいもの、ユーザーが改善したいもの)
  2. グループ2(残りの50%のユーザー):バリエーションの一般的な印象(上記と同様)
  3. 両方のグループ:大きな変更の無い状態で、異なるバリエーションを横に並べて比較する(ユーザーは違いを見つけることができるか?何を考えるか?どの違いを最初に見つけるか?)
  4. 両方のグループ:大きな変更がある状態で、異なるバリエーションを横に並べて比較する(ユーザーが気が付かなかった変更は?どの変更が最も影響があったか?)

最初にコントロールグループを見てもらい、次にバリエーションを見てもらうと、後者への意見が集中してしまうため(ユーザーは最新の情報を基準点とするため)、参加者を2つのグループに分けることが重要だ。

CXLのトップページを変更する場合の例をもう一度見てみよう。

グループ1(コントロール)の例:

コントロールのページから開始する。[口頭での課題]このページを1~2分間見てください。何もクリックしないでください(スクロールは問題ないです)。ページが見終わったら、次のタスクに進みましょう。

  1. [筆記での課題]このページで気に入った点を、具体的に、3つ挙げてください。
  2. [筆記での課題]このページで気に入らなかった点を、具体的に、3つ挙げてください。3.[筆記での課題]CXLの特徴を1文で説明してください。
  3. [筆記での課題]これがテストにでなかった場合、あなたは次に何をしますか?サイトを去り、忘れてしまいますか?そうでなければ、どこをクリックし、その理由は何ですか?
  4. [筆記での課題]CXLの特徴で、さらに明確にすべき点があれば、どこになりますか?

2.(顕著な変化が無い状態の)横並びで比較した画面へユーザーを遷移させる。
[口頭での課題]我々は、あなたが先ほど見た画面に、いくつかの変更を施そうと考えています。1~2分間で、その違いを見つけてください。準備が出来次第、次のタスクに進んでください。

  1. [筆記での課題]最初に見たページと比較して、あなたが気が付いた変更点を全て挙げてください
  2. [筆記での課題]あなたが好ましく思った変更点を、理由を添えて、挙げてください。
  3. [筆記での課題]あなたが好ましくないと思った変更点を、理由を添えて、挙げてください。
  4. [筆記での課題]これがテスト出なかった場合、どちらのページのほうが、CXLのオファーを検討する可能性が高まりますか?また、その理由は何ですか?
  5. [筆記での課題]CXLの特徴で、さらに明確にすべき点があれば、どこになりますか?

3.(顕著な変化がある状態の)横並びで比較した画面へユーザーを遷移させる。
[口頭での課題]この画面には、我々が行った変更点が全て表示されています。時間をかけて、この画面を確認してください。準備ができ次第、次のタスクに進んでください。

1.[筆記での課題]最初に気が付かなかった変更点はありますか?気づいた場合、画像に表示されているように、その番号を記載してください。

このアプローチを採ることで次のことが明らかになる。

  • ユーザーがそれぞれのページをどのように考えているか。これにより、デザイン修正の可能性の気付きを得られる
  • 小さすぎて違いを生まない変更はどれか
  • どの変更が、ポジティブ/ネガティブな影響を与えるか
  • (多くのユーザーがいる場合)全体としてどのページが良いか。また、その理由。

4.データの分析

上記のようなスクリプトを作成すれば、10個の質問に対する、筆記での回答を得ることができる。そのデータを分析する独自の手法をすでにお持ちかもしれないが、そうで無い場合は、テストの回答をまとめ、回答を理解するためのテンプレートを用意している。

予算が500ドルまでのお勧めのツール

あなたやあなたの会社が今までにユーザー調査に対して投資を行ったことが無い場合、マーケティングの予算にこうした調査を含めることへの制約があるかもしれない。

こうした場合、まずはコンセプトを検証することから始めるべきだろう。この段階では、ユーザー調査という新しいアプローチが自身のビジネスに適しているかどうかを確かめるため、一定の金額を投資すべきとなる。何を選べばよいだろうか?

500ドルという予算では、定額制のユーザーテストのプラットフォームを導入する余裕はないだろう。デモグラフィックによってユーザーをフィルタリングはできるが、詳細なスクリーニング機能を持たないツールが対象となるだろう。

最適な選択はUsabilityHubとなる。定額制ではなく、テストは参加者あたり6ドル~と、非常に安価である。

このツールを使用すれば、デザイン、色、レイアウトなどのフィードバックを得ることができる。しかし、実際のバリュープロポジションや機能についてのフィードバックを得ることはできない(ユーザーはそれらを理解していない可能性もある)。

また、下記の方法でユーザーを手動で募集することも可能だ。

  • LinkedIn、特にLinkedInグループ、に投稿する
  • Facebookのグループで依頼を出す
  • 顧客やニュースレターの購読者へ、メールで招待をする(注:こうしたユーザーはあなたのブランドに馴染みがあるため、バイアスがかかってしまうかもしれない)
  • HotjarCrazyEggを活用し)Webサイトの訪問者へポップアップを表示させ、テストの参加を募る(注:上記と同様の注意が必要である。また、GDPRなどの法的な制約についても気を配るべきだ)

いずれの方法にせよ、あなた自身で進行する必要がある。監視されていないユーザーテストの利点には頼ることはできず、自身でユーザーを招待しなければならない。時間がかかる方法ではあるが、予算が限られている場合では、最善の方法である。

予算が5,000ドルまでのお勧めのツール

5,000ドルまで予算があるのであれば、都度ユーザーを募集することも、最適なツールを年間契約で使用することも可能だ。いくつかお勧めのツールを紹介しよう。

User Interviews。テスト環境は構築されないため、よりマニュアル的なアプローチとなるが、ニッチな参加者を募り検証を行うためには最適なプラットフォームと言える。

参加者のソーシャルネットワークのプロフィールを確認し、彼らが依頼を受けてくれる前に、話をすることも可能だ。費用は、非B2Bユーザーは40ドル、B2Bユーザーは80ドル+インセンティブ(通常は、ユーザーあたり20~40ドル)といった具合だ。

UserZoom GO。UserZoom GOでは、スクリーニング用の質問は無制限に設定することができ、レコーディングがあなたの基準に達していなければ、ユーザーを入れ替えることができる。年間契約では3,000ドルであり、参加者一人あたりで15ドルの追加費用がかかる。また、アプリのテストなどの場合、さらに費用が追加されることもある。スタディクレジットの購入も別途必要となるが、全体で5,000ドル以内で済むはずだ。


Userlytics。このプラットフォームにはサポートチームが存在し、非常に柔軟なスクリーニングプロセスをベースに、調査のセットアップを手伝ってくれる(選択形式の質問に限定されることもない)。米国以外でのテストの実施を検討する場合、近しい他国からユーザーを募集することも可能だ。初回の費用は3,450ドルであり、100回分のテストのクレジットを購入できる(1回のレコーディングに付き34.5ドル)。

予算が5,000ドル以上のお勧めのツール

予算の規模が5,000ドル以上であれば、2つの選択肢が考えられる。

  • ユーザーテストをCROプロセスの一部として組み込み、前述した安価なツールを活用して、必要なたびに予算を使う。
  • エンタープライズレベルのツールに投資する

エンタープライズレベルのツールを選択した場合は、User Interviews、UserZoom、Userlyticsのサブスクリプションプランをアップグレードし、より多くのカスタマイズを可能にしたり、専任のリサーチャーにセットアップと分析の全てを依頼することもできる。

また、Usertesting.comの活用という選択もある。このツールはユーザーテストのプラットフォームの中でも最大規模であり、優れたコラボレーション、リクルーティング、データ分析の機能を有している。テストを迅速に開始することができる(テスト当日にユーザーを募集することもできる)が、サブスクリプションプランは年間約20,000ドルからと、非常に高価である。

ユーザーが注目するパターンを最適化するためのテストをマッピングする

前述のユーザーテストは、テストのバリエーションがある際に、最も効果的となる。しかし、検証した変更が調査による裏付けが取れなかった場合、時間(とお金)を失うリスクもある。

その解決策の1つとなるのが、ヒートマップだ。ユーザーがページ上で何をしているのか、どの程度スクロールしているのか、何をクリックしているのか、などを知る方法は複数ある。しかし、こうしたデータがA/Bテストの代替手段として活用できるという点は、しばしば見落とされがちである。

1.ヒートマップを活用してWebサイトの最適化を加速させる

CXLのConversion Optimization Minidegreeのページを例とした、ヒートマップのシミュレーションを見てみよう(左側がスクロールマップであり、右側がクリックマップである)。

こうした製品ページの目的は、次の項目を含めるべきである。

  • 訪問者が行動(コンバージョン)を起こすために十分な訴求を行う
  • 訪問者にスクロールを促し、製品のメリットを理解できるようにする(ナーチャリング)

こうしたヒートマップのシミュレーションでは、ユーザーの関心はヒーローセクションに集中し、アクションポイント(クリック)はそうあるべき場所(コール・トゥ・アクションの周辺)にあることが明らかになる。

しかし、ページの半分以上では多くの行動が起こされている。訪問者はドロップダウンのメニューをクリックし、コースの概要を見ている。より多くの情報を求めているのだ。

ここで仮説を立てることができる。コースの概要のセクションをヒーローセクションのすぐ下に配置すると、スクロールを省略することができるため、ユーザーが探している情報を簡単に発見することができ、結果として高いコンバージョンを得られるのではないだろうか。

もちろん、この仮説をA/Bテストで検証することは可能だ。しかし、トラフィックが十分でない場合、その新しいデザイン案(A/B)をマップテストすることもできる。

2.マップテストのワークフロー

以下のステップを踏むことで、より良いアイデアを得ることができるはずだ。古いデザインよりも、新しいデザインのほうがより効果的であるかどうかを検証するのだ。

  1. 既存ページのヒートマップを作成し、前述した例のように分析を行う。
  2. その分析に基づいた変更や調整を加える(その変更を行う目的を明確にするため、仮説立てを行う)。
  3. 古いページを変更したデザインに置き換える
  4. 新しいページのヒートマップを作成する
  5. 意図した結果が出ているかを確認するため、変更前と変更後のヒートマップを比較する。意図した結果が出た場合、新しいデザインを採用する。

実際には、この方法にはいくつかの制限がある。1つ目は、マイクロコンバージョン(ユーザーのエンゲージメントの指標)の最適化となり、それがマクロレベル(つまりは、売り上げ)の改善に寄与するという想定になっていることだ。これは、必ずしもうまくいくとは言えない

また、ページのパフォーマンスを異なる期間で比較している。そのため、時期的な要素や、他のマーケティング活動の影響を受けているかもしれない。トラフィックが少ないページの場合、コースの概要をすぐに見つけられるようにした変更がコンバージョンの増加に寄与したかどうかを判断するため、数か月の期間を要するかもしれない。

もちろん、必要に迫られた結果、この方法を選んでいるはずである。しかし、テストの結果の報告は慎重に行うべきであり、ユーザー行動の差異が明らかになるように、小規模の調整ではなく大きな変化をテストすべきである。

3.トラフィックと時間の考慮

マップテストは、誰でも行えるテストというわけではない。

ターゲットとするページが月間2,000人の訪問者を獲得している場合、2,000件のページビューを集めるためには30日程度かかるかもしれない。これは、通常のA/Bテストと同程度の期間である。

しかし、全てのページビューが計測できるわけではない(例:ユーザーがプライバシーポリシーに同意しなかった場合など)。そのため、日々どれくらいのデータポイントが生成されるのかを確認し、実際の終了予定日を推測できるようにすべきだ。

4.実際の訪問者のデータではなく、アイトラッキングを活用する

ターゲットとするページのトラフィックが少なく、ヒートマップの生成に数か月かかってしまう場合は、アイトラッキングの技術を活用したフィードバックのツールが最適となる。

通常のヒートマップは実際の訪問者の情報を元にしているが、アイトラッキングは機械学習のアルゴリズムのサポートを受けた人工的なニューラルネットワークの利点を活かすことができる。数週間待つことなく、数秒でアテンションマップやクリックマップを作成することが可能だ。その正確性は、実際の訪問者のデータと比較し、最高で85%という高さを誇る

欠点としては、スクロールマップを作成できないことが挙げられる。そのため、ヒーローセクション、短いランディングページ、アプリ画面などの1画面でのテストでのみ、利用可能となる。

また、実際のユーザーを募集し、その視線をトラッキングすることでヒートマップを作成するツールも存在する

RealEye社のCEOであるアダム・セラリー氏は、機械学習を用いた手法ではなく、実際のユーザーのアイトラッキングの利点をこう説明している。

人間の行動の調査を成功させるためには、人間を対象とした調査を行う必要があると私は考えている。実際のユーザーのアイトラッキングの結果とAIが生成したヒートマップを比較すればするほど、その結果を疑ってしまう。アイトラッキングの調査は、カラフルなヒートマップだけでなく、その背後にあるデータ(秒単位の固視率)が重要である。人間の行動を予測することは不可能であり、それがニューロマーケティングの調査の手掛かりとなるのだ。

あらゆる予算でおすすめのツール

ヒートマップを活用したWebサイトの変更には時間がかかるが、この方法は比較的安価であり、ほとんどの場合において、技術的な知識は必要とされない。もちろん、(VWOなどのように)ヒートマップを生成できるエンタープライズレベルのツールもあるが、他にも様々な機能が付随している。

ここでは、ヒートマップの作成に(ほぼ)特化している、おすすめのツールを紹介しよう。

Hotjar。従来のヒートマップである。価格(月額39ユーロ~。しかし、ベーシックプランはページビューに制限があるため、おすすめしない)と機能の幅から考えると、おそらく最高のマッピングソリューションである。

最近では、ユーザーのセグメンテーション機能が導入されており、リピーターをヒートマップの対象から外すことが可能となった。この機能は、ユーザーがログインするWebサイトの場合、必須の機能である。セグメントが不可能なヒートマップでは、ほとんどのユーザーが「ログイン」ボタンだけをクリックし、スクロールしないはずだからである。

RealEye。最も低価格(月額89ドルからであり、調査数は無制限)のツールであり、高精度のアイトラッキングソリューションである。実際のユーザーからのフィードバックに基づいた、静的なマップも動的なマップ(注目度の変化と時間)も作成できる。自身で募集したテスターを対象とすることも、追加料金を支払いRealEyeのパネルにアクセスすることも可能だ。

ナビゲーションの最適化のための、ツリーテストとカードソート

ナビゲーションは、Webサイトの最適化とテストの中でも、最も難しい要素の1つである。コピー文、画像、レイアウトなどに影響するフロントエンドの調整だけではなく、バックエンドやサイトのアーキテクチャの変更も含まれることが多い。

しかし、複雑なWebサイト(特に、ECサイト)の場合、ユーザーフレンドリーなナビゲーションは非常に重要である。

ここではJetBrains社の例を紹介しよう。彼らは複雑なナビゲーション(5つのカテゴリと32のサブカテゴリー)を作成し、余白や大文字を活用してわかりやすくしている。

トラフィックが多いWebサイトの場合、カテゴリーの数を減らしたり、重要なセクションを目立つ色に変えたりするなど、ナビゲーションの最適化のためのA/Bテストを行うことができる。しかし、トラフィックが少ないWebサイトの場合、異なる方法でフィードバックを収集する必要がある。

CLSのトップページの例を再度見てみよう。A/Bテストのコースの詳細をより記載しているページにユーザーを誘導するための最適な方法(ナビゲーションの構造)を探っていると仮定しよう。

最短のルートは、「Online courses > CRO & UX > A/B testing」、である。

しかし、ユーザーの中には、別のルートを選択する可能性もある。例えば、次のようなルートを辿るとしよう。

  • Minidegrees > Conversion optimization
  • Live trainings > See all sprints
  • Free courses

その可能性はどのくらいだろうか?そこで登場するのが、ツリーテストである。ツリーテストではユーザー(外部、内部で募集したパネル)に、「XYZについてのページを探す」などのタスクを与える。各タスクでは、訪問者が間違ったルートを選択する可能性(失敗の確立)を算出する。

また、正しいページにたどり着くまでの平均クリック数や、直接たどり着いたユーザーと間接的にたどり着いたユーザー(最初に別のページを見るなど)の数など、有用な統計データを得ることもできる。

1.ナビゲーションのテストを行う上でのワークフロー

ナビゲーションの変更のテストを行う前に、レファレンスポイントが必要となる。つまり、現在のナビゲーションをテストすることだ。

その方法は下記である。

  • テストの参加者を募集する。ユーザーテストのプラットフォーム、ソーシャルメディアの投稿、ニュースレターの購読者へのEメールなど、様々な方法が考えられる(ユーザーテストの募集で説明した方法と同様だ)。
  • 参加者に対し、様々な行動を依頼する(例:特定のページや情報を探してもらうなど
  • それぞれのタスクを書き留めてもらう。タスク完了までに要したクリックの数、成功したかどうか、正しいコンテンツを発見するまでに前のページに戻る必要があったかどうか(例:直接的な成功と間接的な成功)、などである。
  • 最後に、調査結果をまとめたテーブルを作成する。これが、新しいナビゲーションをテストするための出発点となる。

以下は、ツリーテストで使用できる質問やタスクのリストである。

  • XYZについての情報を発見する際、どのカテゴリーを最初にクリックするか?
  • ナビゲーション内のどのページを見れば、XYZについての情報が得られるか?
  • (あなたが課した)質問の答えとなりうるサブカテゴリーやページが発見できるまで、ナビゲーションのカテゴリをクリックする。自身の選択について、どの程度の自信があるか(3-自信なし、2-躊躇あり、1-自信あり)?

このようなテンプレートを活用し、結果をまとめ、定量化できる指標を抽出しよう。

データに基づき、ナビゲーションを変更し、全く同じプロセスを適用する(バイアスを避けるために、別の参加者を募る)。最終的には下記のようなまとめを作成することで、どちらのバリエーションが良いかを判断する(下記では緑色でマークされている)。

2.時間と労力の考察

ユーザーの数が多ければ多いほど、結果に対する信頼性は高まる。しかし、(主に時間的な制約から)何十人ものユーザーにインタビューすることは難しいだろう。幸運にも、下記で紹介するようなツールを活用すれば、このプロセスを自動化でき、迅速に結果を収集することができる。

3.新しいナビゲーションのためのカードソート

ここまでで説明したツリーテストのプロセスは、大きな差異の無いナビゲーション同士のテストに対して有効である。しかし、ナビゲーションを完全に変更する場合もある(リブランディングの場合など)。この場合、調査プロセスを綿密に設定していないと、大事故につながることもある。

こうした事態を避けるため、ツリーテストをカードソートと呼ばれる類似の手法と組み合わせることができる。ユーザーに対し、コアカテゴリー(通常は画面の上部に表示されるカテゴリー)に異なるサブカテゴリーを割り当てるよう、依頼するのだ。

参加者にカードを並べてもらい、口頭でのフィードバックを得ることができれば、手動で行うことも可能だ。また、Googleシートを送付し、セル(サブカテゴリー)を異なる列(メインカテゴリー)に並べてもらうなど、他の方法も考えられる。

最もユーザーフレンドリーであるバリエーションが作成できれば、ツリーテストの手法を、新しいナビゲーションと古いナビゲーションの比較テストを適用することが可能だ。

予算が1,000ドル以上の場合にお勧めのツール

ツリーテストやカードソートは有益な手法ではあるものの、手動で行うとかなりの時間を要する。スプレッドシートのナビゲーションを視覚化する際、より魅力的なものにできるオンラインプラットフォームがある。しかし、データポイントの数や効率的に作業を進めることを優先とするのであれば(もちろん、そうすべきだ)、お金を支払う必要がある。
ツリーテストとカードソートの最適なツール(他の機能も有している)は、Optimal Workshopである。募集と自動化の機能が主な理由だ。
テストの設定には数分あれば十分であり、アナリストからのインプットが無くとも、レポートを作成することができる。また、最も重要なパートは、スクリーニングの質問を行い、外部のパネルからユーザーを募集することができる点だ。これにより、事前に審査を済ませた参加者の量と質を担保できる。

唯一となるデメリットはコストだろう。採用コストは、1ユーザーあたり約8ドルであり、大量の調査を行う場合は、約800~1,600ドルが必要となる。スクリーニングの基準が難しくなるほど、コストも高くなる。しかし、データドリブンの判断に基づいたナビゲーションの変更を行うためには、必要となる投資と言える。

予算への考察のまとめ

ここまで多くのツールを紹介してきたが、予算によっては選択肢が限られることも考えられる。

ここでは、予算の範囲と組織の成熟度により、3つの「階層」を定めるとしよう。

  • 階層1(予算は500ドル)。テストやマーケティングの判断にデータを活用することになれていない組織(または個人)が対象だ。テストを行いたいが、そのアプローチが自身に適しているかどうかを検証する必要がある(概念の実証に近い)。
  • 階層2(予算は500~5,000ドル)。十分な予算を割り当てられ、意思決定層からの信頼を得ており、データに基づく最適化を定期的に行えているマーケティングチームが対象だ。
  • 階層3(予算は5,000ドル以上)。新しいアイデアが古いアイデアよりも優れているか判断するため、多くの予算を繰り返し投資することができる、データに基づく意思決定を行っているマーケティングチームが対象だ。

上記の層の内、どの層が自身に最も近しいかを確認することで、下記の表から適切なツールと方法を選ぶことができるはずだ。

結論

トラフィックやマーケティング予算が少ないことが、データに基づくアプローチをあきらめる理由とはならない。

A/Bテストを行うことができないほどトラフィックが少ないWebサイトであっても、最適化を施した結果、売り上げが増加するか、または、Webサイトの訪問者の不満を募らせてしまうか、を判断するための別の方法を活用することができる。そして、そうすべきなのだ。

様々なアプローチが紹介されていましたが、自身の状況(予算や今までの調査の実績)に最適な方法を判断することが重要だと思いました。また、トラフィックや予算が少ないことを理由に、データに基づいた意思決定を避けるべきではない、という意見には非常に同意です。予算が限られているからこそ、無駄な施策は減らしたいはずですので、そのためには可能な限りのデータ(根拠)を元に実装できればと思います。


この記事は、CXL に掲載された「A/B Testing Alternatives for Low-Traffic Websites」を翻訳した内容です。



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投稿 トラフィック数が少ないWebサイト用のA/Bテストの代替案SEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

実際に効果が期待できる、あまり見ないCTAの具体例

SEOの主目的はオーガニックトラフィックの最大化と考えることができますが、せっかく集客に成功しても、望むべく行動を取ってくれるユーザーが少ないと、コンバージョンの達成には至りません。

CROは、ユーザー行動を改善しコンバージョンを増やす施策として、上記の問題を解決します。

多くのケースでは、コール・トゥ・アクションがコンバージョンに対し大きな役割を果たすこととなりますが、効果的なコール・トゥ・アクションとはどういったものでしょう?

今回の記事は、画一的な事例を紹介するのではなく、風変わりであるものの大きな効果を得られたコール・トゥ・アクションの事例を紹介する記事となります。

全ての例が導入できるわけではないとは思いますが、少しでも参考になれば幸いです。

ユーザーをCTAに向かわせるものは何か?

ボタンの色?
使われている言葉?
それとも、周辺のコンテキストだろうか?

疑いもなく、これらの要素は重要である。しかし、珍しいCTAは他よりも目立ち、コンバージョンにもつながるのだ。

結果を確実に保証するCTAの作り方などは存在しないが、それゆえ、つまらない例も珍しい例もうまくいくことがあるのだ。

通常、コンバージョンを向上させるためにA/Bテストをマーケターは行う。また、その過程において、CTA自体を変更することもある。

こうしたミクロな改善には、色、CTAで使われる言葉、ボタンの形などが含まれる。

配置については、全く別の話となる。

たった1つのボタンやフレーズに多くの可能性があり、その中で何が最も効果を発揮するかの判断は、マーケティング担当の経験則に基づいている。

時には、最も奇抜なCTAが勝者となることもあり、そこには理論や理由が存在しないこともある。

CTAを奇抜とする要素を理解するために、マーケターは通常の基準というものをまずは理解する必要がある。そのため、奇抜で素晴らしいCTAの話を始める前に、まずは通常のCTAの話をしよう。

CTAのベストプラクティスの心理学

人間の感情は、人間の行動の原動力なる。

これは、マーケターにとっての、最も強力な文化的事実である。

これを知ることで、自分がかかわることについてオーディエンスがどのように考えているかを理解する際、合理的に考えることが可能となる。

マーケターがこのプロセスを考えるために、下記の共感マップが非常に役立つ。

  1. 誰に共感するか?
  2. 何を行う必要があるか?
  3. 何を見ているか?
  4. 何を言っているか?
  5. 何を行っているか?
  6. 何を聞いているか?

ターゲットオーディエンスの希望、夢、恐れをマッピングすることで、CTAのコンテキストやコピー文で、マーケターはそれらに語り掛けることができる。

また、オーディエンスはそれぞれ異なっているが、人間として共通する行動原理がある。それらが、CTAに関連する共通の慣習につながるのだ。

例えば、隠れていたり、読みにくかったり、理解しにくいボタンを作成することに意味はない。

簡潔な言葉を使い、明確な期待をユーザーに与えることが、CTAにおいては重要である。

この組み合わせは、ユーザーが感じている恐れや摩擦を、彼らが実際にアクションをする前に、軽減させることができる。

他の一般的なアドバイスと共に、こうしたアドバイスはWeb上のいたるところで見つけることができる。

  • 簡潔に
  • 緊急性を付与する
  • 逆説的な心理学を活用する
  • パーソナル化
  • 対照的な色を使用したボタン

これらのテクニックが有効な理由は、それらが人間の心理学的な要素に働きかけるからである。簡潔であり、明るく対照的な色のボタンを使用することで、そこで求められている行動をさっと目を通すことだけで理解できる。

緊急性と逆説的な心理学は、潜在顧客が持つ見逃すことへの恐れ(FOMO)に働きかける。また、パーソナル化により、ユーザーが行動を起こすために必要な情報を与えることができる。

こうした原則を実践するために、言葉と色について考えてみよう。

言語

説得力のあるCTA作成という意味では、簡潔であることは、つまらないことではない。マーケターは短いフレーズでオーディエンスの注意を引き、行動を促さなければならない。

効果的ではないが、完結的な表現の例は下記のようなものである。

  • ここをクリック
  • 送信する
  • ダウンロード

これらのフレーズは平凡であり、読者とのつながりを生むものでもない。

あまり多くの言葉を追加せずに、これらのフレーズを感情を呼び起こすCTAに変化させることができる。

下記は、簡潔であるものの、つまらなさとは程遠いCTAの例である。

  • もっとください!(Give Me More)
  • 楽しもう!(Join the Fun)
  • 今すぐ見て!(Watch Right Now)

他国のマーケットで訴求するCTAを作成しているマーケターは、文字数を少なくすることに苦労しているだろう。その場合、遊び心のある言葉を使えば良い。

フランス語の“Allez-y”は、英語では“Go Ahead(さあ、どうぞ)”と訳されますが、あらゆるベストプラクティスを駆使し、親しみやすく、ありきたりでないCTAを作成することもできる。

逆説的な心理学を活用したCTAを作成することで、FOMOの潜在性を活用し、エンゲージメントを高めることも可能だ。

FOMOを活用したCTAのテクニックは、ユーザーに対し、望ましい行動、もしくは、良いとは言えない行動のどちらかの選択をさせることで機能する。これは、ユーザーの恐怖心を活用したものである。

反対のアクションがCTAの下部で強く強調されておらず、ウィンドウを閉じるための「×」ボタンの表示もなく、その結果、ユーザーはここでコンバージョンをしないと「見逃してしまう」という恐れを抱く。

この方法以外にも、パーソナル化と呼ばれる別のベストプラクティスを活用することもできる。

HubSpot社は、購買ファネルの各ポジションに応じたスマートCTAを作成することで、コンバージョンを200%以上増加させた。

彼らが行ったことは、Webサイトに訪れたユーザーの種類に応じて、CTAの言語や色を変えるというものであった。

これらのCTAはそれぞれ全くの別ものであったが、同じWebサイトに訪れた異なるユーザーに対し、どちらも効果的であった。

こうした情報を得ずにデータを収集した場合、トラフィックの一部しか対応していないという可能性が生じてしまう。

マーケターはファネルの上部や下部を無視することはできない。ファネルの全ての段階のユーザーに対して効果的なマーケティングページを作成するために、パーソナル化という手法が必要となるのだ。

HubSpot社は、上記の例で挙げた、購買ファネルの異なるポジションにいるユーザーごとに、異なる色を使用していたことは、非常に興味深い。

事実、黒と灰色が使用されたリード目的のCTAは、CTAの愛好家が推奨するものではない。

黒、灰色、茶色は、最も人気が低く、もしくは、CTAにおける最悪の色とされているが、それでもなお、HubSpot社は多くの種類の色をテストしていた。

実際にパフォーマンスの高いCTAを見てみると、色彩の心理学が思い浮かぶ。

道路から職場に至るまで、赤は停止や警告を連想する色である。

こうした色は、ユーザーにコール・トゥ・アクションを促すような、温かく柔らかな印象を与える色ではない。

しかし、200の広告を対象とした、過去に行われたグローバルな調査では、赤がCTAで使用される色の中で、最も人気のある色であった。

この調査は古い調査あるが、赤を用いたCTAは現在でもよく見かける。

この調査は至る所で引用されているが、この限られた調査が普及していることが、将来の赤のCTAにどのような影響を与えるかは非常に興味深い。

この研究を引用した素らしいビジュアルを紹介しよう。

これは、ブランドのロゴでよく使われている色と、それらが引き起こす感情が一致していることから見ても、偶然ではないと言えるだろう。

繰り返しとなるが、赤は摩擦を引き起こす色ではなく、興奮を引き起こす色として認識されている。

しかし、色彩の心理学に反することは珍しいことではない。多くの場合、企業が行うブランディングと合致していれば問題ないからである。

では、ここまでで紹介したベストプラクティスと心理学を念頭に置いたうえで、珍しいCTAの要因となるものを探っていこう。

奇抜なCTAの良い点

CTAの世界において、赤は停止や進行を意味する色ではない。おそらく、赤が効果的であるのは、単純に赤が目立つからであろう。

インターネットは広告であふれており、分別の無いバナーが蔓延している。

目立つことが、この状況を打破する鍵であり、奇抜なものが有効となるのだ。

ベストプラクティスの例を見て学んだことは、理屈や理由がCTAの成功の鍵となるわけではないということだ。ベストプラクティスがあるとはいえ、1人のオーディエンスに対して有効なものが、別のユーザーに対しても有効であるとは限らないのである。

マーケターは、他よりも目立たせるために、敢えて逆の行為をすることがある。

下記の例や、Convince and Convert社の例のように、多くの言葉を使用したCTAがそれにあたる。

また、特定の行動ではなく、潜在顧客の不安に注力することもある。

信頼と自信が金融業界では全てであることを理解しているため、下記の広告の作成者は、オーディエンスに信頼感を与えることを重視している。

これは奇抜なCTAと言えるが、決して不適切なCTAでもない。

時代の流れに逆らうことは、どんな手を使っても目立つ広告を作るということではない。

奇抜で、目立つCTAであっても、オーディエンスの心に訴えかけるCTAを作成することもできる。

それらは、ベストプラクティスと呼ばれる項目の全てを満たしているわけではないが、それでもなお、効果を得ることはできる(この記事に表示されている広告をスクロールすると、目を引く広告を発見できるかもしれない)。

下記に、私のお気に入りのCTAの例をその理由と併せて記載する。

1. Huemor

情報収集者:HubSpot

効果的である理由:
Webサイトを訪問し、「起動」というCTAに「押さないでください」というメッセージが添えられていたら、あなたはどうするだろう?きっと、押したくてたまらなくなるはずだ。この無害で逆説的な心理学を利用した試みは非常に遊び心があり、Huemorのブランドメッセージとも合致するものだ。

2. Firebox

情報収集者:econsultancy

効果的である理由:
「急ごう」や「さあ、行こう」という意味を持つスペイン語のこのフレーズは、休日をテーマとしたプロダクトのカテゴリーと上手く調和しており、遊び心と共にやる気を呼び起こすことで、ユーザーのクリックを促している。

3. Point Blank SEO

情報収集者:Wordstream

効果的である理由:
退屈な「サインアップ」や、最悪な「送信する」ボタンではなく、Point Blank SEOはニュースレターにサインアップすることを楽しく、コミカルに表現している。結局のところ、「素晴らしくある(Be Awesome)」ことを望まない人などいないのだから。

4. Whale and Dolphin Conservation

情報収集者:Campaign Monitor

効果的である理由:
読者の感情に働きかけ、彼らが自身の信念のために行動を起こすように仕向けている。このCTAをクリックすることは、CTAの上部に表示されている統計データに対し、誓いを立てるということになるからだ。

5. Humboldt County’s Tourism Website

情報収集者:HubSpot

効果的である理由:
映像が持つ神秘性を強化し、あたかもおとぎ話の世界に迷い込んだような気分を与えてくれる。

そして、私が最近見た最もお気に入りの風変わりなCTAが下記である。

6. Unqork

情報収集者:yours truly

効果的である理由:
この風変わりなCTAが効果的である理由は、ベストプラクティスを取り入れつつも、非常に目立つからである。私はいつも通りの日を過ごしていたが、このCTAを見た際に思わず笑ってしまい、同僚にシェアしてしまった。マーケターとしての自分に語り掛け、このCTAに対する自信と権威の雰囲気を評価している。

風変わりで素晴らしいCTAを作成しよう

今回の記事で紹介したアドバイスを参考にして、他のCTAよりも目立ちながらも、自身のブランドにとって意味があり、ユーザーの心に訴えかけるCTAを作成しよう。

まずは共感マップを作成し、オーディエンスの行動、言動、聞きたいことなど、ユーザーが自身を取り巻く世界をどのように感じ、それらとどのようにかかわっていくか、その方法の要因となるパターンを考えてみよう。

共感マップから得られたインサイトを参考にし、購買の各段階を重ねていこう。購買ファネルの各段階でユーザーが感じている恐怖心を作り出すものや、その段階でユーザーが抱く別の感情についても考えを巡らそう。

Webサイトのトラフィックをリードと新規ユーザーとで分けられる場合は、CTAをそれぞれのグループに対しパーソナル化することをお勧めする。

そして、ベストプラクティスを心にとどめながら、CTAを作成する。緊急性や行動を促す雰囲気を含めつつ、簡潔でありながらも、あなたのブランドにとって意味のあることを行う。

コントラストのある色は、注意を引くCTAを作成するために必要だ。ボタンやハイパーリンクの文章で使われることが一般的だ。簡潔であることも同様に推奨される。

風変わりなCTAにおける鍵となる要素は、目立つことである。ベストプラクティスに従うことは良いことではあるが、奇抜で素晴らしいCTAを作る際には、常識にとらわれないことも重要である。

自身のブランドにとって、それが意味のあるものであれば、リスクを取ることは必要だ。しかし、その際は、事前にテストを行おう。

敢えてコピー文を長文にすることで、素晴らしいCTAが作れるかもしれない。また、「魔法に従う(Follow the Magic)」のような、簡潔でありながらも型破りなコピー文が、ユーザーの目を引くかもしれない。

赤はCTAに使用される色の中でも人気の色であるが、自分の生活の中で他の意味で使われているかどうかにかかわらず、灰色や黒のような人気のない色が、CTAの色として非常に効果的であることもある。

ユーザーがあなたのWebサイトを訪れ、ゆっくりとスクロールしている間に、彼らの目を引き何かを感じさせるようなCTAを作成しよう。

ユーザーの恐怖心に注力したり、FOMOに焦点をあてたり、もちろん、その他の方法を駆使して、ユーザーとのつながりを見つけ出そう。ユーザーの琴線に触れることや、彼らを笑わせることは、非常に効果的であるのだ。

退屈で予測可能なWeb閲覧の体験の中、ユーザーに一瞬の喜びを感じさせることができれば、クリックやスクリーンショットを取る理由となり得るのだ。

あらゆる領域でベストプラクティスというものは存在し、それを守ることは非常に重要です。
しかし、他者との差別化を図る際には、「皆が行ってないことを行う」といった考えも必要となります。

常にベストプラクティスにとらわれるのではなく、別の視点からの考えも取り入れたいものですね。
今回の対象はコール・トゥ・アクションでしたが、その他の領域でも積極的に活かしていきたい考えだと思いました。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Unusual Call to Action Examples That Actually Work」を翻訳した内容です。

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ABテストにおける10個の統計的な罠:オプティマイザーのためのパーフェクトガイド

コンバージョン率の増加やUXの向上を目的としたABテストは広く行われています。有益なテストデータが得られ、コンバージョン率やUXの改善につながることもあります。

しかし、ABテストの結果を読み誤ると、貴重な気づきを見逃したり、実装した施策がマイナスの効果を与えてしまうこともあるでしょう。

今回は、そんなABテストにおける「落とし穴」を解説したCXLの記事を紹介いたします。

あなたのABテストがどれほど綿密に計画され、戦略的に行われたとしても、実際にテストを実行すると、明確な有意性も重要な解釈も導き出されないことがある。

不正確な統計学的アプローチが採用された場合は特に、エラーが起こりやすい。

この記事では、あなたが気をつけるべき、よくある10個の統計学的な落とし穴を紹介したいと思う。さらには、それらを避けるための方法も解説する。

テストの各段階に潜んでいる、統計学的なつまづきやすいポイント

まずは、この記事で紹介する各項目をまとめてみようと思う。

Ⅰ.テストを行う前の統計学的な落とし穴

統計学的な落とし穴#1:多すぎる変数

「可能な限り多くの変数を用いてテストしよう。その中の1つは上手くいくはずだ。」

多くの場合、多くの変数を同時にテストすることは、良いアイデアとはならない。

一般的に、最適化のプロセスは、常に仮説ベースであるべきだ。壁にランダムなアイデアをぶつけても、それらはあなたをどこへも連れて行ってくれない。

多くのテストを行うことによる問題は他にもある。妥当性である。より多くの変数をテストすれば、実際はそうではなくとも、その変数の中のどれかが勝者となる可能性が高まってしまう。

「累積αエラー」という概念をすでにご存知の方もいるかもしれない。

各テストには、「テスト結果の中に特定のエラーが含まれている」という考えを受け入れて行われている。

ABテストは、全体の顧客の一部(選定されたサンプル)のみを考慮しており、実際の効果については不確定な要素が常に存在する。

しかしながら、テストを行う目的は、テストによって測定された効果を顧客全体へと波及させることだ。そのため、テストの信頼性が重要となる。

テスト結果は、全体に効果があると認められるものを、全ての顧客に適用されるべきだ。

原則として、我々は信頼性が95%のものを受け入れる傾向がある。これは、5%の1型エラー(「αエラー)、もしくは、偽陽性)の可能性を受け入れることを意味する。

全てのケースの5%で、実際はそうでないにも関わらず、有意性のある効果が得られてしまうことを想定している。

しかし、この低確率のエラーは、変数が1つのテストにおいてのみ、公正とすることができる。複数の変数を使用すると、指数関数的に増加してしまう。

つまり、1つの変数を用いた場合、エラーの可能性は5%となるが、複数のグループが1つのグループと比較されると、αエラーは累積的に増加してしまう。

個々のグループの比較では単純なαエラーの発生となるが、全てのグループ間においては累積的に発生すると考えるべきだ(これは、確率の公理に従っている)。

3つの変数のテストでは、それぞれがコントロールグループと比較され、エラーの可能性はすでに14%となっている。8つの変数のテストの場合、34%となる。

つまり、この場合、3回に1回のケースにおいて、偶然の結果による有意性が見られることになる。

一度に複数の変数を使用することで、こうしたエラーが「加速」することがわかる。

より多くの変数が使用されると、不正確な判断を下してしまう危険性も高まる。

下記は累積アルファエラーの算出公式だ。

Cumulative alpha = 1-(1-Alpha)^n

アルファ=選択された有意性のレベル。原則として0.05。
n=テストで使用された変数の数(コントロールグループは含まない)

朗報として、VWO社のSmart StatsやOptimizely社のStats Engineを使用すれば、複数の変数によるエラーが増加する可能性を適切に処理する機能が自動的に備わっている。

こうした適切に処理する機能がないツールを使用した場合、起こりうる可能性が2つある。

1.アルファエラーを自身で修正する

分散分析(ANOVA:Analysis of Variance)の助けを借り、テストされた最初の項目が、複数の変数テストの比較においても有意性が存在するかを確認する(F検定と呼ばれるものだ)。

しかし、この場合、どの変数であるかを知ることはできない。変数のユニ・ファクトリアル分析を行えば、個々のサンプルの変数の差異を確認することができる。

2.テストで使用する変数を制限する

最初の選択が複雑で時間のかかるものであれば、テストで使用される変数の数を最初から正しい値に制限すべきだ。我々の経験からすると、3つ以上の変数は1つのテストで追加されるべきではない。

エラーの可能性が増加してしまう問題は、多変量テスト(MVT:Multivariate Testing)でも起こることは覚えておこう。多変量テストを成功に導く方法は、統計学的な落とし穴#4で解説している。

統計学的な落とし穴#2:相互依存の推定

「2つのテストを同時に行うことはできない。結果が相互に影響しあい、歪んでしまう。」

1人のユーザーが複数のテストを同時に受けるべきかどうかについては、異なる意見がある。

効果は最終的に釣り合うため問題にはならないという意見がある一方、並行でテストを行う結果として汚染効果が見られてしまうとする意見もある。

つまり、テストと変数の相互作用が非線形の効果、広範囲の分散、信頼性の低下を導いてしまうということだ。

相互作用の効果が高い次元で見られることもあれば、見られない場合もある。いくつかのケースを例に挙げ、それぞれの対応を説明しよう。

1.相互依存のリスクが低い

リスクが低く、テスト間でのトラフィックの重複が管理できるのであれば、その2つのテストを並行で行うことは可能だ。同じユーザーが複数のテストを受けることができる。

例えば、トップページのユニークバリュープロポジション(UVPs:Unique Value Proposition)のテストは、製品ページの顧客の意見の表示のテストと同時に行うことができる。2つのテストは、技術的には全てのトラフィックにおいて、秩序立てたテストを行うことができる。

そのため、1人のユーザーが同時にテストを受けることができる。ここでは、1つのテストが別のテストと競合してしまう可能性は、低くなるはずだ。

なぜ、このようなことが起こるのだろう?

ABテストの仕組みを深く考えなくとも、ABテストの土台となる、無作為の原則に含まれている。

ユーザーはテストグループか、コントロールグループに、偶然に割り当てられる。これは、ユーザーを複数のテストに同時に割り当てる、複数のテストを同時に行う場合も含め、あらゆるテストに当てはまる事実である。

無作為の原則に加え、大数の法則の結果、他のテストにも参加しているユーザーの割当が、テストグループとコントロールグループで比例していることは確実となる。

その効果、グループ内で計測されているコンバージョン率のバランスが取れ、上昇の値も信頼できる測定となる。

純粋な無作為の原則が適用された場合、2つのテスト内のユーザーの割合は等しくなる(ソース:Optimizely)

2.相互依存のリスクが高い

もちろん、同時に行うべきではないテストも存在する。通常、同じページ、特に、1つのページの同じ要素のテストの場合、妥当性のあるデータを取得できない。

(極端な)例を挙げてみよう。1つ目のテストでは製品ページ内の「オススメの製品」の表示位置をテストしようとする。2つ目のテストでは、「オススメの製品」のアルゴリズムの変更をテストし、セールスに特化した記事を優先的に表示させようとしている。

もし、とあるユーザーが両方のテストに遭遇した場合、2つの変更の組み合わせが、1つの変更しか遭遇していないユーザーと比べ、最終的な影響が異なってしまう。

相互に強く依存し合うテストに対しては、2つの解決策がある。

解決策A:それぞれのテストを別々に行う(安全策)

多くのテストツールでは、複数のテストへトラフィックを分割することができる。例えば、「オススメの製品」の表示位置のテストにはトラフィックの50%を割り当て、「オススメの製品」内にセールス目的の記事を差し込むテストには残りの50%を割り当てる、といったことも可能だ。

これにより、ユーザーは1つのテストしか遭遇しなくなる。この場合、テストの実行期間を、あらゆるテストに対し、適切に設定することが必要だ。

50対50にトラフィックを分割することが不可能であれば、それらのテストは別々に行われるべきである。この場合、常にテストには優先度をつけ、それらを適切にロードマップに落とし込むべきである。

解決策B:多変量テスト

もう1つの解決策は、多変量テストを用いることだ。テストによって最適化すべき目的が同一であり、同一のページでテストが行われる場合、有効となる。

これは、変数が合理的に組み合わせられなければならないことを意味する。例えば、片方のテストがメインのナビゲーションの変更であり、もう片方のテストがチェックアウト内のUVPsの変更であった場合、あまり意味はなくなってしまう。なぜなら、それらのコンセプトの間に、相互依存はほとんど見られないからである。

統計学的な落とし穴#3:クリック率とコンバージョン率

「クリック率が増加すれば、コンバージョン率も増加しているだろう。」

製品ページへの訪問数を増加させることができた場合、もしくは、より多くの訪問者が製品をカートに入れた場合、それらだけでは、最終的な目標数が増加したことを意味しない。

これほど単純であれば、どれほど良かったことか…

典型的なコンバージョンファネルでは、上昇の消滅が見て取れる。

それゆえ、あらゆるテストで最終的なコンバージョンを測定することは非常に重要となる。

主要KPIの選択と優先度付け

もちろん、最終的なコンバージョンは、ビジネス、目標、仮説などによって異なる。ここでは、いくつかの候補を紹介しよう。

コンバージョン率

ECサイトの場合、最も一般的なKPIだ。ユーザーを購入者へとコンバートすることを主目的としているテストであるならば、コンバージョン率の優先度は最も高くなるはずだ。

買い物カゴ内の価格と1訪問あたりの収益

1訪問あたりの収益も一般的なKPIであり、特定のケースにおいては、特に重要となる。

例えば、製品ページ内の「オススメの製品」の最適化(デザイン、表示位置、アルゴリズム)は、ユーザーに購入を促す必要はない。しかし、おそらく、最終的な購入数は増加するだろう。

例えば、補完製品のオススメ(クロスセル)は、新しい上着の購入と同時に、それに合ったジーンズの購入への刺激となる。この場合、コンバージョンごとの収益や、訪問ごとの収益は、コンバージョン率よりも、関連性が強くなる。

返品

例えば、サイズについての情報(より小さい場合が多い)を製品ページに記載することが、顧客が適切なサイズを発見するための手助けとなるかどうかのテストを行いたい場合、もう一歩踏み込んだテストにしよう。

返品されてしまうような購入を勧めることは、短絡的な考えである。この場合は、返品後の収益や、利益率を測定する。こうしたデータは、テストツールやデータウェアハウス(DWH:Data Warehouse)に連携することで分析が可能となる(詳細は「統計学的な落とし穴#8」を参照)。

マクロコンバージョンは、マイクロコンバージョンよりも優先度が高い

マイクロコンバージョンは診断機器

もちろん、クリック率やページビューなどのKPIは意味がない、というわけではない。しかし、その考えの最終的な成功を評価するために用いられるのではなく、診断用の機器として用いられるべきだ。

より多くの顧客がより多くの商品を買ってもらうため、ナビゲーションの最適化をテストする場合を考えてみよう。驚くべきことに、コンバージョン率や収益に全く変化が見られないこともある。

顧客は、新しいナビゲーションを、古いナビゲーションと同じように使用しているのだろうか? もしくは、サイトナビゲーション、検索、ティザーカテゴリーなど、他のエントリーポイントを使用しているのだろうか?

この場合、ナビゲーション要素のクリック率や、サイト内検索の使用率などを見てみるといい。「なぜ?」に対する解答に近づくことができ、ユーザー行動の理解が深まるはずだ。

KPIに合わせてテストのサイズを調整する

比較的短い期間でのテストの場合、買い物かごへの追加数やクリック数などのマイクロコンバージョンで大きな上昇が見られることがある。しかし、これら全てが、コンバージョン率には反映されるわけではない。

実際、KPIの種類と求められるテストサイズには関係がある。これは、KPIによって可変する変動や不確定要素によるものだ。不確定要素が多いほど、有意性のある効果を得るために、テスト期間は長くする必要がある。

KPIの変動が大きいほど、テスト期間は長くしなければならない

クリック率やページビューは、カウントデータと呼ばれており、変動幅は比較的小さい。クリックするか、しないか、である。

しかし、コンバージョン率は別物である。実際に購入するかしないかは、このKPIの不確実性を増加させる他の要素によって影響される。

収益のKPI(バスケットサイズなど)の効果を検証するためには、コンバージョン率よりも大きなサンプルサイズが必要となる。こうしたメトリックKPIと呼ばれる指標は、ユーザーが購入するレベルについての不確実性が高いのである。

返却後の収益の最適化を目指す場合、サンプルサイズはさらに巨大になる。このKPIの場合、信用できる結果を獲得することは非常に困難である。

誰かが何かを購入し、どのくらいの金額を購入したか。また、何を返却し、どのくらい返却したか。テストの不確実性は増し、結果として、テストの実行期間はより長くなる。

信頼性のある結果を実際に手にしたかどうかを確認するため、そのテストにおけるメインとなるKPIについて、まずは考えるべきだ。そして、そのKPIに適したサンプルサイズに調整しよう。

過多な指標を測定しない

より多くのKPIを測定するほど、最終的な判断を下すことが難しくなる。

テストを行う前に、どのマクロコンバージョンと、どのマイクロコンバージョンが必要なのかを考えるべきだ。ツール内で使用できるあらゆる指標をランダムに使用した場合、そのテストの目標を見失ってしまうだろう。

判断を下すことが困難になってしまうテキサスの狙撃兵の誤謬のように、認知バイアスに屈服することは容易である。

さらに、高すぎる指標は、偶然によって発生した指標の効果を見てしまう可能性を高めてしまうだろう。

統計学的な落とし穴#4:多変量テストへの恐れ

「多変量テストを行うべきではない。コストが掛かりすぎるし、結果にも信頼性がない。」

多変量テストの成否は、それをどのように行うかによる。適切に設定されれば、多変量テストは異なる要素やその組み合わせをテストする上で、非常に優れたツールとなる。

1つのページ内にある複数の要素を同時にテストするために多変量テストを使用することは、複雑に聞こえるかもしれない。しかし、必ずしもそうではない。守らなければならないルールが、いつかあるに過ぎないのだ。

多すぎる変数を使用しない

複数の変数を用い多変量テストを設計する際も、累積アルファエラーの問題が生じる。実際はそうではない、片方の変数を勝者と宣言することを防ぐために、可能な限り、変数の組み合わせの数を制限すべきだ。

よく練られた仮説をベースに、複数の要素とその組み合わせは、慎重に選択されるべきである。さらに、結果が公正であることを確証するために、信頼性は高いレベル(例えば、99.5%)に到達すべきだ。

多変量テストの結果を盲目的に信じるべきではない。

多変量テストの結果、どの変数が最も高い(最も有意性のある)上昇であるかを確認するだろう。しかし、どの要素の組み合わせがこの上昇を達成したかという確認しかできない。個々の要素がコンバージョン率にどのように影響したかを確認することが重要だ。

これは、分散分析と呼ばれる手法の助けを借りることで実現できる。この手法は、コンバージョン率への個々の要素の影響(例えば、色やレイアウトなど)を取り出すことができる。

フォローアップテストの結果の正当性を確かめる

多変量テストの結果の信頼性を増すために、継続したABテストを行うことで、テストの勝者の信頼性を確かめることができる。単純に、勝者の組み合わせを、コントロールグループと対比すればよい。

個々の要素の効果は、個別に算出することができる(例:分散分析の助けを借り、色とレイアウトの効果を区別させる)

Ⅱ.テスト中の統計学的な落とし穴

統計学的な落とし穴#5:早すぎる時点でやめてしまう

「テストを開始してから3日が経った。変数のパフォーマンスは悪い。ここでテストをやめてしまおう。」

テストを初期の段階で止めてしまう理由は多くあるかもしれない。例えば、ビジネス上の目的が、非常に悪いパフォーマンスを出している変数によって脅かされている場合などだ。

しかし、仮説の成否を判断するには、3日以上のテストが求められる。仮説が正しいか、正しくないかについての意見を述べるために、あらゆるテストは最低限のテストサイズが求められている。

テストの最初の数日間で、大きな変動が見られることがある。その数はまだ小さいため、偶然による結果である可能性もある。

おそらく、全くの偶然によって、コントロールグループ内の顧客が大量の買い物を行い、テスト中の機能が一時的に大きく減少することもある(詳細は「統計学的な落とし穴#8」をご参照)。

テストの初期段階で、大きな変動は発生しうる。これらの数字を信用すべきではない。

テストの初期段階ではネガティブな効果が見られたが、3週間後には非常に大きなポジティブな効果が見られることも経験している。テストを行う前に、テスト期間を算出するツールの助けを借りるなどして、テストに必要な期間を算出すべきである。

テストの初期の段階で、大きな減少が見られなければ、それは単純に、現在は落ち着いているのでこのままテストを継続すべきであることを意味している。

テストを行う前に、サンプルサイズの見積もりを行うべきだ。

統計学的な落とし穴#6:変数を閉ざしてしまう

「問題ない。1つの変数が上手くいかなければ、それを変更するか、切り離してしまえばいい」

使用した変数のうちの1つのパフォーマンスが悪く、ビジネス上の目標を脅かしてしまった場合、もちろん、その変数を切り離したいと思うはずだ。

同様に、トラフィックの配分が少ない変数からスタートし、時間をかけて増やしてしまうこともある。さらに、テスト中に対象の場所を変更してしまうこともある。

上記3つの現象は、全て結果を破損しうるものだ。ABテストにとって、テスト結果はテスト時間の代表である。トラフィックを変更してしまうと、特定の期間が反映されなかったり、過度に反映されてしまったりすることになる。

テスト中に変数を切り離してしまうことも、同様の影響がある。変数の中身が変更した場合、テスト結果は異なる仮説と考えの混ざり合いになってしまい、ついには、どんなインサイトも提供してくれなくなるだろう。

ここで、科学的な厳密さと、公正で実践的なビジネス上の課題の健全なバランスを、我々は発見する必要がある。

そのバランスを発見するためのいくつかのアドバイスを紹介しよう。

・テストが開始された数日後に変数を切り離してしまう場合、その変数を含めず、テストを再度行うことを勧める。この場合、時間のロスはそれほど大きくない。

・テスト中に変数を変更する前に、新しいテストを開始し、コントロールグループに対して適用された変数をテストすべきだ。

・トラフィックを日毎に高いレベルで変更する場合、望まれるトラフィック量に達する十分な量の時間をカバーし、それにより、テスト期間中のトラフィック数が安定するようにしなければならない。

統計学的な落とし穴#7:ベイジアンテストの手順

「新しいベイジアンテストは、我々により早く結果を提示してくれる。」

VWOやOptimizelyにすでに適用されている新しい統計手法は、どの時点でもテスト結果を読み取ることができるという利点を提供してくれている。また、求められるテストサイズに達していなくとも、その結果の信頼性は高い。

しかし、ベイジアンテストは、誤った手段に対する防護策ではない。もしくは、New York Timesが指摘しているように、「ベイジアンテストは、簡単に言うと、悪の科学から我々を守ることはできない」のだ。

期待の問題

ベイジアンテストを行う前に、テストのコンセプトが成功する可能性を想定した、事前確率と呼ばれるものを行うべきだ。この想定が誤っていた場合、テスト期間が長くなったり、無効な結果を得ることになったりするリスクを負ってしまう。

VWOのレポート画面

テストサイズが小さい問題

テスト期間中のどの時点でも、結果を読み取ることができるが、テストの初期段階で変動が大きい場合、注意が必要だ。テスト中の訪問者の数はまだ非常に少なく、稀な観察結果に強く影響をうけてしまうからだ(例:非常に多いオーダー数)。

ベイジアンテストが持つ利点にも関わらず、データセットがまばらである場合、十分な信頼性は提供してくれない。

新しい手段だからといって、ABテストへの不正確なアプローチから守ってくれるものではない(ちなみに、伝統的な頻度確率の手法でも同様である)。誤った手法からあなたを守ってくれる手法は存在しないのだ。

Ⅱ.テストを行った後の統計学的な落とし穴

統計学的な落とし穴#8:たった1つのデータソースを信頼してしまう

「テストツールの結果は判断を下すのに完全に適している。」

確かに、テストツールは、テストのコンセプトがより高いコンバージョン率を導いてくれるかどうか、その判断を助けてくれる。しかし、より多くのインサイトを発見したり、結果の正当性を判断するために、データを詳細に確認する価値があったりする場合もある。

テストツールからの結果は、奥まったフォルダに格納すべきではなく、Web分析のシステムDWHなどの他のデータベースに組み込むべきだ。

それにより、一連の重要な質問に答えられるようになる。

なぜだろうか?

テストの結果が予測したものでなかった場合、「なぜ?」という質問は常に浮上する。前述のメタナビゲーションの例であるように、テスト結果をより良く理解するために、マイクロコンバージョンを見てみることは有益である。

ナビゲーション要素のクリック数のセットアップを怠ってしまったり、テスト前に内部検索を目的として使用している場合、このような質問に後からテストツールは答えてくれない。

反対に、テストツールがWeb分析ツールに接続されている場合、これらの指標を評価することができる。

顧客を完全に理解する手助けとなる、データソース間の良好な接続状況

コンバージョン率の増加はより多くの利益をもたらすのか?

最適化の施策の結果、顧客がより多くのオーダーをしてくれたら、それは素晴らしい。

しかし、それと同量か、それ以上の量を返却してしまった場合、最終的には金銭的なロスを意味してしまう。テストツールとDWHを接続することで、返却後の結果を分析することができる。

ここで、変数のIDはバックエンドへ移行され、返却率や返却後の収益をテストとコントロールグループの追加KPIとして参照することができる。

大量のオーダーを考慮に入れてしまう

大量のオーダーは、ほぼ全てのECサイトが当てはまり、テストの評価を検証するうえでの問題となる。コールセンターの顧客、B2Bの顧客、過度なオンラインの買い物客、なども当てはまる。

これらは外れ値と呼ばれ、結果を歪めてしまう。なぜだろうか? テスト結果を評価する際、平均値を見るからである。

・コンバージョン率は訪問者の特定のグループ内のコンバージョン率の平均に他ならない
・訪問ごとの収益は、訪問ごとの平均収益である

通常、大量のオーダーやショッピングカートの金額は、平均値を上昇させてしまう。もし、全くの偶然により、比較的小さなサンプルサイズで、コントロールグループで極めて高い値の顧客を選んでしまった場合、この時点で結果がポジティブなものにならず、ネガティブな結果となるだろう。

外れ値の適応によりテスト結果は変化してしまう

外れ値にはどう対応すべきか?

ほぼ全てのテストツールは生データを取得することができる。ここで、変数内の全ての顧客のオーダーはリスト化されている。他の可能性として、あなたが選択したWeb分析ツールに対応したレポートをセットアップすることが挙げられる。

そして、フィルターを設定し、異常なほど高いオーダー数を排除すればいい。

分析ツールで大量のオーダーのフィルターを設定する

いくらかのコストはかかってしまうが、外れ値の除外は行う価値はある。なぜなら、外れ値によって「隠されている」重大な効果を発見できる場合もあるからだ。

データフリークのために:信頼区間の算出を正当化する

従来の信頼区間の算出方法は課題を含んでいる。基本データが特定の分布、つまり正規分布に従っていると想定していることだ。左図は完全な(理論的な)正規分布の図である。オーダー数は、正の平均値周辺を上下する。

この例では、多くの顧客が5回オーダーをしている。多かれ少なかれ、オーダーの発生件数は少ない頻度となる。右図は、実際のケースを表している図である。

理論の図と実際の図

コンバージョン率の平均が5%とすると、95%の顧客は買い物をしていない。購入者の多くは1つか2つのオーダーをしており、規格外の量を注文する顧客は僅かである。

このような分布は「右への歪み」と呼び、特にテストサイズが小さい場合は、信頼区間の正当性に影響を与える。実質的には、その区間は十分な信頼性をもって算出されていない。

中心極限定理は、非常に大きなサンプルではこれらの歪みの影響は少ないとしている。しかし、実際にこの区間がどの程度「不正確」であるかは、データが完全な正規分布からどの程度外れているかによる。

平均的なオンラインショップに関しては、少なくとも90%の顧客は何も購入しない。データ内の「0」の割合が極端であり、偏差も膨大であることが一般的である(シャピロ-ウィルク検定はデータが正規分布しているかを確かめることができる)。

結果として、従来のt-検定とは別のデータに目を向けることには価値がある。正規分布でないデータに信頼性を提供する方法は他にもある。

1.U検定

マン・ホイットニーのU検定(ウィルコクソンの符号順位検定)は、データが正規分布より大きく逸脱している場合、t-検定の代替となる。

2.ロバスト統計

ロバスト統計は、データが正規に分布していない場合や、外れ値によって歪んでいる際に、用いられる。ここでは、平均値と変数が、極端に高い値や低い値に影響されないように、算出される。

3.ブートストラップ

ノンパラメトリック手法と呼ばれるこの手法は、あらゆる分布の想定とは独立して作用し、信頼水準と区間へ信頼性のある推定値を提供する。核としては、リサンプリング手法に属する。ランダムサンプリングの手法によって得られたデータを基に、変数の分布の信頼できる推定値を提供するのだ。

統計学的な落とし穴#9:セグメント内での評価

「セグメント内の結果を見るつもりだ。どこかで上昇値が見つかるだろう。」

一般的に、セグメントを確認することは良いアイデアだ。そもそもとして、ABテストの結果は全ての訪問者間で報告される。しかし、異なる反応を示すグループもあり、それらは集約されたデータからは発見できない。

収益性の高い顧客グループと収益性の低い顧客グループ内のセグメント

そのオンラインショップを独自とさせる特徴、つまり、ユニークバリュープロポジション(UVP:Unique Value Propositions)はその好例である。

新規顧客と既存顧客では影響が異なることが一般的である。既存顧客はすでに購入するメリットを知っているが、UVPは新規顧客の購入と信頼性の構築の過程で大きな助けとなる。

このような可変する反応は、集約されたレポートでは検知されず、有意性のある上昇が確認できないことによって、がっかりしてしまうかもしれない。

テストツールを他のデータソース(Web分析やDWH)に接続することにより、テストツールでは発見できない一連の顧客の特徴のテスト結果を分析することができる。例を挙げてみよう。

  • 性別
  • 年齢
  • 購入者のカテゴリー
  • 訪問されたページ
  • クリック行動のデータ
  • 収益率
  • 地理情報

しかし、ここでも注意が必要である。より多くのセグメントを他のセグメントと比較すると、エラーが発生する可能性は指数関数的に増加してしまう。

そのため、セグメントをランダムに選ぶことは避けるべきだ。解釈でき、活用でき、テストのコンセプトと関連性のある状態を維持しよう。

さらに、セグメントのサイズが十分であることにも気をつけよう。

例えば、タブレットでカテゴリーページへアクセスし、製品ページに訪れ、女性で、週末に購入したユーザーしか含んでいなければ、訪問者全体の一端のデータしか見られないことになる。

それゆえ、セグメント内のテストサイズが十分であることを常に意識しよう。テストを行う前にそのセグメントが分かっている場合は、少なくともテスト期間を2倍にしよう。

konversionsKRAFTの有意性計算機CXLのABテスト計算機などを用いれば、それぞれのセグメントの信頼性がどの程度あるのかを確認することができる。

統計学的な落とし穴#10:テスト結果を受けた安易な推測

「結局の所、テストは成功しなかったようだ。そのコンセプトをロールアウトしたが、コンバージョン率は上昇しなかった。」

成功したテストの後、そのテストの結果を基に、将来的な追加利益が算出されることはよくある。その結果、見栄えの良いマネージメントへのプレゼンテーションが行われ、

特定のテストのコンセプトを適用すれば、今後2年間で利益が40%上昇するという予測を披露するかもしれない。素晴らしい。しかし、実際にそんなことが起こるのだろうか?

暴言を吐くようで申し訳ないが、そのような雑な推測はすべきでない。

そのような推測は、3ヶ月後の天気予報を信じるようなものだ。テストの結果をそのまま未来に反映するような単純な予測は、下記の理由で、実現することはない。

理由1:短期的な効果と長期的な効果

基本的に、ABテストはそのコンセプトがユーザー行動に短期的な変化を導くかどうかを測定するために行われる。

3週間のテストを行い、コンバージョン率がX%上昇した。しかし、この変化は、ユーザー行動に長期的に影響することは約束しておらず、顧客満足度やロイヤリティなどのKPIを保証するものでもない。

これらを現実のものとするためには、顧客基盤や、ユーザーニーズの変化や習慣の効果を記録するために、非常に長い間テストを実行しなければならない。また、ノベルティ効果にも気をつけなければならない。ユーザーは目新しさに慣れてしまうのだ。

つまり、今日、我々にとって印象的なものは、明日にはただの慣習になっており、強く認知されることはない。

結果として、短絡的な効果が継続し、将来に渡って影響があると想定することは、間違いなのである。

理由2:因果関係と相関関係

テスト結果に有意性のある上昇が見られ、テストのコンセプトがしっかりと実装されたとしよう。ここでよく発生することは、コンバージョン率への効果を測定することを目的とした、ビフォー・アンド・アフター比較と呼ばれるものだ。

ここでは、実装前の期間のコンバージョン率が、実装後の期間のコンバージョン率と比較される。この2つのコンバージョン率の差は、テストで得られた結果と完全に一致すると予測される。しかし、実際そうなることは稀である。

もちろん、コンセプトが実装された後、コンバージョン率の増加は見られるだろう。しかし、その他数百の要素が並行して影響しており、それらがコンバージョン率を決定するのだ(例;季節、セールのイベント、配送の困難さ、新製品、異なる顧客やノイズ)。

因果関係と相関関係を分けて考えることは非常に重要である。相関関係は、2つの特徴的量が同様の傾向をたどる程度を示すに過ぎない。

しかし、相関関係は、1つの特徴的な数字に因果関係があるか、もう1つの変数の変化の原因となっているかについては何も語っていないのである。

この考えは、下記の図で明らかになる。科学、宇宙、技術への米国の投資は増加しており、それと同時に、自殺者の数も増えている。全く理にかなっていない。

因果関係と相関関係の面白い例をいくつも見つけることができる

コンセプトが実装された後、コンバージョン率の変化が観測された場合、特定の要因を1つだけ抽出することはできない。コンバージョン率の変化の因果となる要素はわからないのである。

想定したコンセプトがポジティブな影響を与えた場合、ネガティブに働く他の要因も存在しており、結局の所、全ての効果を証明することはできないのである。

因果関係の測定とテストのコンセプトの長期間における効果を測定する可能性は1つしかない。成功したテストの後、そのコンセプトを95%の顧客に対してロールアウトする(テストツールなどを用い)。5%の顧客はコントロールグループのままとする。

この2つのグループを継続して比較することで、そのコンセプトの長期的な影響を測定することができるのである。

この手法に馴染みがないのであれば、因果関係と相関関係を区別するために、さらに多くのアドバイスをこちらで得ることができる。

理由3:信頼性の誤った解釈

信頼性の解釈を誤解してしまうという問題もある。

仮に、テスト結果で4.5%の上昇が見られ、信頼性も98%を得られたとする。これは、4.5%の効果が98%の確率で起こることを意味しているわけではない。あらゆる信頼性の分析が提供するのは、ある確率(信頼度)における、期待される上昇を含む区間、それだけなのである。

この例では、2%から7%の間の測定値にもとづく効果が、98%の確率であることを意味している。そのため、実際の効果がテスト結果の効果と完全に一致すると想定するのは、間違いなのである。テストの期間が長くなるほど、この区間は短くなる。

しかし、推定値の正確なポイントに到達することは決してない。信頼度のレベルは、その結果がどの程度安定しているかについての推定値を与えているのだ。

ところで、信頼性のレベルと、多くのツールで影響されている、チャンス・トゥ・ビート・オリジナル(CTBO:Chance to Beat Original)には、僅かであるが、重要な違いがある。

信頼性のレベルは、特定の区間における上昇(信頼区間)の可能性を提供し、そのコンセプトが成功しているか、成功していないかについては何も語っていない。

一方で、CTBOは、信頼区間がどの程度重複され、何らかの意味において、テストされた変数がコントロールグループよりも優れているかを測定する。正確なテスト結果をしるために、この違いを知っておくことは重要である。

結論

テストツールからの数字のみを信頼している場合、エラーの原因となり、結果の公平性を脅かす恐れがある。これを避けるため、テストのあらゆる段階で守るべき基本的なルールがいくつかある。

ABテストのトピックとして、テストの妥当性を求める科学的な要求と、ビジネス上の実際のニーズには、常に対立が存在する。

テストデータを十分に信頼し、あなたが実行するテストが常に実践的で関連性のある結果を得られるよう、素晴らしい方法を見つけるようにしよう。

この記事は、CXLに掲載された「10 Statistics Traps in A/B Testing: The Ultimate Guide for Optimizers」を翻訳した内容です。
コンバージョン改善(CRO)の観点で重要なABテストの罠についてわかりやすくまとめられた記事でした。

SEOと組み合わせるなら、SEOで認知度とトラフィックを上昇させ、ABテストによってコンバージョン率を改善する。もちろん、こんなにきれいに行くことは稀かもしれませんが、少しでもその可能性を高めるため、とても有益な記事でした。

SEO担当者の中にはUXを担当している方もいるかもしれませんが、少しでも参考になれば幸いです。

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企業ブログからコンバージョンを生み出すための15の実践的アドバイス

SEOの主要な目的がWebサイトへの流入を増やすことであることは、間違いないでしょう。しかし、せっかく集めたトラフィックも、ビジネスに寄与しなければ、その意味を失ってしまいます。

あらゆるマーケティング手法がそうであるように、SEOの最終目的もビジネスへの寄与と設定すべきです。しかし、トラフィックからコンバージョンへとつなげることは、容易ではありません。

そこで今回は、Search Engine Journalより、ブログ記事へのトラフィックをコンバージョンへと導く実践的なアドバイスの記事を紹介します。

トラフィックは獲得できているが、コンバージョンが発生しない。もう、そんな状況を発生させるのはやめよう。この記事では、より多くのトラフィックを生み出し、リードを獲得するために役立つ15のブログ記事の作成方法を説明する。

こんな状況を想像してほしい。コンテンツ作成のために非常に多くの時間を費やした。あなたの労力は、多くのトラフィック数という形でついに報われた。

しかし、それを喜ぶ前に、大きな問題に気が付いた。

トラフィックが全くコンバージョンに結びついていなかったのである。

品質の高いコンテンツへ多くのユーザーが訪問してくれたが、それ以上、あなたのWebサイトに滞在することはなかった。さらに、メールマガジンへの登録など、何のアクションも起こさなかったのである。

どうすればいいのか?

こうした事態が我々の企業ブログに起こった際、我々は非常に当惑した。

そのため、いったい何が起こっているのか、それを明らかにすることを決意したのである。

我々のブログはGoogleから大量のトラフィックを獲得しているにも関わらず、リード数とコンバージョン数は全く自慢に値するものではなかった(下記参照)。

この問題を解決するために調査した結果、コンバージョン数の低さに関与していると思われる15の理由を発見した。

幸運にも、これらは全て解決可能な課題であった。その内容はこの記事で解説したいと思う。

今回は我々が行った、コンバージョンを生み出す15のブログ記事の作成方法を共有する。

このガイドは、コンテンツマーケティングの段階的な戦略であるが、SEOとCROにも注力している。なぜなら、SEOとCROは非常に関連が深いからである。

15のアドバイスを実践すれば、Webサイトへのトラフィックを増やし、売上に繋がるより多くのリードを獲得できるはずだ。

そして、全ては読者が記事を読むというところからスタートする。

強力なタイトルを作成する(できるまで諦めない)

クリックに値するタイトルを作成するに至るまでは、想像以上の訓練が必要である。

しかし、より多くのコンバージョンを獲得したいのであれば、しっかりとしたタイトルは必須となる。

結局のところ、あなたの記事(もしくはその他のコンテンツ)のタイトルがクリックに値するものでなければ、コンバージョンの機会も生まれないのである。

それでは、どうすれば、良いタイトルを作成できるのだろうか?

タイトルの書き方には科学がある。

タイトルの構成における実績のある形式は、特定の形容詞、キーワード、トリガーワードを含むものだ。

これが、複数の異なる選択肢を用意すべき理由となり、それらを、CoSchedule社のHeadline Analyzerのようなツールでチェックする。

こうしたツールのアルゴリズムは、いくつかの基準に沿って算出し、あなたの付けたタイトルにスコアをつけてくれる。

タイトルの作成において気をつけるべき項目は下記だ。

  • コンテンツの内容と密接に関連のある内容にする
  • ターゲットキーワードと完全に一致するキーワードを含める。可能であれば、前方に含める。
  • ユーザーがアクションを起こすために、十分な興味を含める。修正キーワードを含めることを検討する。

我々はそれをさらに進化させ、作成したタイトルをバイヤージャーニーにマッピングした。

例えば、我々のCloud Phone Systemのランディングページは検索結果で非常に目立つようになっている。なぜなら、「Features(機能)」、「Costs(費用)」、「Benefits(利点)」といった、修正キーワードも含めているからである。

クリックを生み出すタイトルは、「・・・のための〇個の理由」や「・・・した場合に起こること」といったフレーズが含まれている。

「数字を含める(リストのように)」「質問を含める」「読者に語り掛ける」などを検討し、あなたのタイトルを独自のものとしよう。

これは、ハウツーガイドにも当てはまる。

クリックするに値するタイトルを作成するには、何度かの試行錯誤が必要となるだろうが、それは問題ない。

このトピックは1つの記事に値するほどであるからだ。この記事を読み終えた後、タイトルの作成についてのこちらの記事を確認してほしい。

検索者の意図に完全に応える内容にする

優れたタイトルによって読者を誘い込んだ後は、その約束を果たし、彼らを助ける段階だ。

コンテンツマーケティングの観点からいえば、あなたの記事が検索クエリに対する答えを提供するという意味になる。

これを行うために、ターゲットキーワードから始め、読者が持つ疑問に対する答えを、あなたの記事が書いていることを確認しよう。

主要なキーワードに注力するだけでなく、潜在読者が持つであろう、共通の疑問に対しても注力すべきだ。

正確な答えと、ユーザーが問題を解決するために使用できる計画と共に、あなたの記事はこうしたキーワードや疑問を自然に含めなければならない。

そのためには、無料ガイドや説明動画など、有益なリソースを含めても良いだろう。

こうすることで、ユーザーの課題解決に一歩近づくことになる。

さらに詳細な手助けを提供するためのコール・トゥ・アクションを含めることは、コンバージョンに導くための必須要綱と言える。

こうすることで読者があなたのリードに従ってくれ、次の適切なステップに導くことができる。

記事を公開する前に、読者に対して最も価値のある内容を提供していることを保証するため、関連する疑問を十分に扱っているか、最終確認を行おう。

リード文にストーリーやケーススタディを含める

記事の冒頭にストーリーやケーススタディを追加することで、トピックを紹介し、自身の事例に信頼性を付与する手助けとなる。

これが効果的な理由が2つある。

・事実に基づいたストーリーやケーススタディは、理論よりも非常に魅力的だ。読者の関心を集め、残りの記事を読み進めることに繋がる。

・同様の課題に対応し、解決した経験を示すことで、こうした類のソーシャルプルーフ(社会的証明)は、あなたの専門性を高めてくれる。

読者はあなたを専門家と見なすか、少なくとも、自身を助けてくれる十分な経験を持った人材と見てくれるようになる。

また、読者を記事内に滞在させ、最後まで読み、次のステップ(コンバージョン)に導いてくれる。

各記事のアウトラインを作成する際、自身の信頼感を増すことに役立つ過去の経験について考えてみよう。イントロダクションに、適切なトーンで、その内容を含めるのだ。

オリジナルのグラフやチャートを含める

ストーリーやケーススタディが高いエンゲージメントを獲得するように、グラフとチャートにも同じ効果が期待できる。

あなたの記事を読む多くの人が、視覚から何かを学ぶ人たちだ。グラフやチャートを含めることで、コンテンツが理解しやすくなり、印象も強くなる。

また、画像情報は、ソーシャルメディアでも共有されやすい。

誰かがあなたの記事をツイートした場合、コンテンツのリーチが拡大され、Webサイトへのトラフィックが生まれる可能性が高まる。

その結果、より多くのコンバージョンを獲得できる可能性も高まる。

そのため、共有可能なグラフやチャートの作成のための時間を割こう。そうすれば、コンテンツのパフォーマンスに違いが出るはずだ。

Unsplashは、ブランド認知とリンク獲得を目的としたオリジナル画像を使用している好例である。

コピー文の可読性を確認する

意味が通るのであれば、自らが書いたコピー文は「読める」と思うかもしれない。

しかし、それは我々がここで言及する意味とは異なる。

可読性スコアは、あなたの記事で提示されているコンセプトを理解するために求められる、読解力を測定する。

Flesch-Kincaid scaleのようなツールを用いれば、難しい単語の数や長いセンテンスの使用など(さらに、他の要素も含む)から、そのコンテンツを採点してくれる。

そして、あなたのコンテンツを理解するために必要な読解力も算出してくれる。

コンテンツの中身を小さな情報の塊に整理することは、可読性スコアを改善するための最も簡単な方法である。

情報を分割するために少数のパラグラフのみを用いた、大きなテキストの塊で文章を構成しているのであれば、あなたは読者を参らせてしまっているかもしれない。

短いパラグラフを用いることで、これを防ぐことができる。

可能な場合は、小見出し(H2やH3など)でコンテンツのセクションを分割しよう。

複雑なコンセプトやアイデアの場合、読者の助けとなるように、箇条書きでまとめてみよう。

記事の構成段階の時点で、大見出しと小見出しを作成することも可能だ。

下記は、この記事の実際のアウトラインである。

また、コピー文はきちんと編集され、文法のミスもないようにする。可読性と信頼性を損なってしまうからだ。

Grammarlyなどのツールを使用すれば、「their」、「there」、「they’re」などの簡単なエラーを見つけることができる。

もちろん、こうしたツールも100%正確ではないことを覚えておこう。

下記に、よくある文法のミスをまとめておく。※英文法

  • 「in order to」、「own」、「in fact」、「a number of」。これらの使用は避ける。
  • 10までの数字は文字で書く
  • ピリオドとカンマは常にクオテーションマークの中に含める

ソーシャルプルーフ(社会的証明)を散りばめる

ケーススタディ、ストーリー、グラフと同様、ソーシャルプルーフをあなたのブログに追加することで、事例の強化や、そのトピックや製品へのオーソリティの改善に繋がる。

また、ソーシャルプルーフは、あなたの企業と製品は信頼に値することを示してくれる。

しかし、ソーシャルプルーフとは、正確にはどのようなものなのか?

ソーシャルプルーフについて考えるなら、5つ星のレビューのように捉えると良い。

ユーザーがその製品を試して評価すると、その製品が好きか嫌いかを他のユーザーが見ることができる。

ソーシャルプルーフは、時間やお金を費やす価値があるかどうかを判断する前に、何かについての他者の考えを確認することである。

「お客様の声」は、最も簡単で、最も信頼に値するタイプのソーシャルプルーフである。動画、レビュー、ケーススタディといった形式で追加することができる。

そのため、最も説得力のあるお客様の声を、皆がすぐに発見できるように、目立つ場所に配置しよう。

製品関連のページにも同様に、ソーシャルプルーフを設置しよう。

こうすることで、潜在顧客が物理的にあなたの製品に触れることができなくとも、彼らを手助けすることができる。

明確で、訴求力のあるコール・トゥ・アクションを設置する

タイトルに科学があるように、コール・トゥ・アクションにも同様のことがあてはまる。

デジタルマーケティングの基本原則に従うと、コール・トゥ・アクションは一度に1つとすべきである。

読者に1つ以上のアクションを求めることは、全くアクションを取ってもらえない結果となるだろう。

コール・トゥ・アクションの心理学は、効果的な作成方法を示してくれている。

  • 切迫感を含める(例:「今だけのオファーを得るため、我々のメールマガジンに今すぐ登録しましょう」)
  • アクションを取った結果、オーディエンスが得られるメリットに焦点をあてる
  • 気が散るようなフォントや不快な色は使用せず、シンプルに仕上げる

次に、コール・トゥ・アクションの設置場所も検討しよう。

ウェルカムマットはWebサイトへの新規訪問者を歓迎する素晴らしい方法だ。しかし、それがアクションを取ってもらうことを促す、唯一で一度きりの方法であるべきではない。

ブログ記事全体で、コール・トゥ・アクションを再度掲載するようなインラインテキストや画像を追加しよう。

様々な種類のコール・トゥ・アクションを異なる場所に設置するテストを行い、あなたのターゲットオーディエンスに最も適切なものを発見しよう。また、ブログ記事の最後には常にコール・トゥ・アクションを含めるべきである。

多くの読者をひきつけ、メールマガジンの成長を促す最高のコール・トゥ・アクションが発見できるかもしれない。

コール・トゥ・アクションをクリックした後の体験を最適化する

読者があなたの設置したコール・トゥ・アクションに最後まで従った場合、何が起きるだろう?

彼らはどこへ行き、何を見るだろうか?

この体験を最適化し、アクションを取ってくれたことに対する報酬を与えることで、彼らをコンバージョンへと導くことができるはずだ。

読者が次に何を行うべきか迷ってしまうような、一般的なサンキューページをポップアップで表示することは避けよう。

そうではなく、より多くの情報を記載したサンキューページへ、読者を導くのだ。

例えば、次のウェビナーの案内へのアクセス方法や、無料の資料のダウンロードの方法の説明かもしれない。

さらなる情報を提供することで、彼らの前進する勢いを維持し、離脱することを防げるだろう。

インプレッションを発生させるために注力しているキーワードをレビューする

ここまでで紹介したステップを全て完了したら、データを確認し、何がうまくいっており、どこを改善すべきかを把握しよう。

最も簡単な方法は、Google Search Consoleのパフォーマンスレポートをページ毎でフィルタリングすることだ。

Google Search Consoleは、検索インテントを把握するために頼りになるツールである。トラフィック、クリック率、コンバージョン、それらを計測するための優れたツールだ。

検索結果画面は常に変化しているため、あなたの最高のページへトラフィックを発生させる検索キーワードも常に変化しているかもしれない。

Google Search Consoleで特定のページのデータを確認することで、どのようなキーワードがインプレッションを発生させ、あなたのコンテンツをクリックしているか、そういった気付きを得ることができる。

体系的にこうしたトラフィックを発生させるキーワードをモニタリングし、コンテンツを更新することは、競合他社に先んじる手助けとなるだろう。

さらなる詳細を知りたければ、こちらのセマンティックSEOのガイドは読むに値するだろう。

関連するブログや製品ページへ内部リンクを設置する

パフォーマンスの高い他の記事や関連製品のページへブログ記事からリンクを設置することは、Googleに対し、そのページがどれほど重要かを伝える最速の方法である。

ランキングが改善(トラフィックが発生)し、ブログ記事でプロモーションしているものへのサポート(コンバージョンが発生)となるだろう。

Google Search Consoleには、素晴らしい「リンク」機能がある。この機能を使えば、内部リンクと外部リンクが最も設置されているページを把握することができる。

ただし、潜在的なクリック数獲得のためだけに、過度にリンクを設置することはしてはならない。

読者の体験を向上させるために、追加となる情報やサポートとなる情報のあるページのみにリンクを設置しなければならない。

また、あなたの業界の信頼できるエキスパートや、あなたのビジネスのサポートとなる権威のある競合していないブランドへ、外部リンクを設置してもかまわない。

両方のタイプのリンク(内部リンクと外部リンク)を自然に含めることで、訪問者をあなたのWebサイトにとどまらせ、高いエンゲージメントを期待することができる。

また、ページの始めに内部リンクを追加することも、良いアイデアだ。

チャットボットでリードを集める

より多くのコンバージョンを獲得するためによく見過ごされるのが、チャットボットの利点を活用しないことだ。

コンバージョン獲得のための素晴らしい方法であることを意識することなく、あなたはすでにチャットボットを見たことがあるだろうし、もしかしたら使用したことがあるかもしれない

チャットボットを知らない方のために説明すると、ページ下部に設置されたチャットボックスを用いて、バーチャルのカスタマーサービスを提供することができる機能だ。

この「人」はオーディエンスの質問やニーズに24時間対応してくれる。。

チャットウィジェットの素晴らしいところは、顧客にすぐに対応できる点だ。また、新規の訪問者と接触を持つ機会をあなたのチームに与えてくれるのだ。

顧客の要望に応えた後、あなたのチームは特定のランディングページへ直接その訪問者を導くことができ、ニュースレターのサインアップなどを促すことができる。

このタイプのエンゲージメントは会話を継続させ、彼らの判断に対してのより良い情報を提供することができる。

チャットボットの導入を検討してみよう。もしかすると、コンバージョンの即時の増加が見られるかもしれない。

ヒートマップ、クリック、スクロールなどのデータを用い、離脱ポイントを測定する

キーワードレポートのためにWebサイトの分析を取り組むだけでなく、ヒートマップやスクロールデータも確認すべきだ。

こうしたツールは訪問客を「追跡」し、Webサイト内のどこへ行くか、どの箇所に彼らがエンゲージするか、などを把握できる。

スクロールデータは、コンテンツにランディングしたユーザーが、ページのどの箇所までスクロールしたかを示してくれる。

こうした有益な情報は改善箇所の判断に活かすべきだ。あなたが検討していなかった気づきも得られるかもしれない。

下記の左の図はスクロールマップであり、右の図はムーブマップである。

また、ユーザーがアクションを取ることを促している(または阻害している)箇所を把握するため、クリック率も計測しよう。

特定の動詞が効果的であったり、コール・トゥ・アクションの設置場所が適切であったりするかなどを発見することができるだろう。

しかし、こうしたツールを使用しなければ、このような有益な情報を得ることはできない。

コンバージョンを最適化させるためにブログのレイアウトを改善する

ブログのレイアウトはコンバージョン率における大きな役割を果たしている。

簡潔ですっきりとしたデザインは、訪問客を論理的にバイヤーズジャニーに導く。

反対に、散らかっていてごちゃごちゃしたレイアウトは、訪問客を圧倒し、困惑させてしまう。

よくあるレイアウトの課題は、訪問客のアクションを阻害してしまうことであり、具体的には下記が該当する。

  • サイドバーに過度に情報を詰め込む
  • 困惑させてしまうフォントサイズと色の取り合わせを使用する
  • 矛盾したオファーを表示する(ニュースレターのサインアップでは10%オフとしているのに対し、ポップアップでは15%のディスカウントを表示している)

最大サイズのコール・トゥ・アクションのページは、ユーザーはその先へ進まずに、Webサイトからの離脱を発生させてしまう。

このような事態を避けるよう、自身のWebサイトを頻繁に訪れ、ターゲットオーディエンスと同じ目線を持とう。

自身のサイトのレイアウトは、情報の提供とビジュアル的な好ましさの良いバランスが取れているだろうか? もしくは、あなたの意見、オファー、コピー文でユーザーを圧倒してしまっていないだろうか?

Webサイトのあらゆる項目が良く考えられ、良く整理されていることが理想である。

訪問客は、見るべき箇所と何をすべきかを正確に知る必要がある。

そうすれば、ユーザーはWebサイトを離脱することなく、さらに多くのページを閲覧してくれるだろう。

クロスデバイス、クロスブラウザのテストを行う

読者がどのようなブラウザやデバイスでアクセスしても、あなたのコンテンツがきれいに表示されると想定すべきでない。

そのように想定してしまうと、ユーザーの体験を損ない、検索エンジンのランキングも下降してしまうことだろう。

それはなぜか?

GoogleはWebサイトを、モバイル・ファースト・インデックスをベースに評価する。もしくは、「モバイル版のページがどのように見えるのか」と言い換えても良いだろう。

そのため、デスクトップでの表示方法のみを考えているのであれば、あなたは大きなミスを犯していることになる。

頻繁に、定期的に、クロスデバイスとクロスブラウザのテストを行おう。

優れたWebサイトは(複数のブラウザでの)デスクトップユーザーと、タブレットを含めた、異なるデバイスのモバイルユーザーの両方に対応している。

異なるブラウザやデバイスでWebサイトを閲覧し、どのような閲覧状態でも、あなたが作成した各コンテンツが印象的に見えるか、確認しよう。

そのためには、避けることのできない調整が必要となるかもしれない(より多くのコンバージョンを期待する前に)。

サイトスピードを改善する

異なるブラウザやデバイスでコンテンツをテストするのと同様、コンバージョン率を増加させるためには、サイトスピードも検討すべき要素である。

あらゆるユーザーがハイスピードのインターネット回線を使用していると想定すべきではない。

ページの読み込み時間と直帰率の調査によると、ユーザーはページが早く読み込まれることを期待しており、長い時間がかかる場合、すぐに離脱してしまうとのことだ。

「ページの読み込み時間が2秒から7秒に伸びると、直帰率は9.6%から32.3%へ急増してしまう」と、専門家は指摘する。

また、ページの読み込みが100ミリ秒遅くなるごとに、1%の損失が発生してしまう。

あなたの読み間違いではない。私は100ミリ秒、つまり、0.1秒と述べた。

そのため、帯域幅が低い場合のパフォーマンスが良くなければ、あなたが提供したいものを見る前に、もしくは、コンバージョンを発生させる前に、ユーザーは離脱してしまうかもしれない。

特に、読み込みに時間がかかる画像、ポップアップ、広告などを多く使用している場合は、注意が必要だ。

Googleのページスピードインサイトなどの無料のツールを使用し、Webサイトの読み込み時間を、デスクトップとモバイルの両方で確認しよう。

まとめ

かつての我々のように、トラフィックからコンバージョンを獲得できていない場合は、この記事で紹介した戦術を活用し、その結果を我々にご共有いただきたい。

コンテンツSEOと同様、結果が出るまでには時間がかかるだろう。

また、我々にとっては効果的であった施策が、あなたにとっては効果的でないかもしれない。そのため、あなたのWebサイトに適した施策が見つかるまで、実験を継続することを強く勧める。

リード数が増えていないことが確認されるまで、大量のトラフィックは素晴らしいものとして映るだろう。

これが継続したテストが必要な理由となり、コンバージョンとアシストコンバージョンに常に目を光らせておくことで、道を切り開くことができるだろう。

常にテストを行おう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「15 No B.S. CRO Tips to Create Blog Posts That Convert」を翻訳した内容です。
ブログを運営する目的は様々あり、単純は集客目的や認知度向上といった場合も考えられます。

ユーザーの役に立つことはもちろんですが、それらのトラフィックが自身のビジネスに還元されなければ、ブログ運営の意義も失ってしまうかもしれません。

ユーザーの目的達成と自身のビジネスの拡大との最適なバランスが取れるのが理想ですね。

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投稿 企業ブログからコンバージョンを生み出すための15の実践的アドバイスSEO Japan|アイオイクスのSEO・CV改善・Webサイト集客情報ブログ に最初に表示されました。

CROとSEO。あなたが今すぐ取り組むべきは、どちらか?

かたやコンバージョン、かたや検索エンジン。対象は違えど、最適化が目的であることは共通しています。

しかし、CROとSEOはそれぞれがマイナスの影響を与えてしまうといった考え方も散見されます。過去においてはそういった状況が生まれていたかもしれませんが、現在はそれぞれが補い合う(むしろ高め合う)といった関係性のほうが正しいと感じています。特にSEOは「Search Experience Optimization」であるという認識も浸透し、ユーザーに目を向ける施策と考えるべきでしょう。

今回はCROとSEOの関係性を改めて考えさせられる記事を紹介します。

※CRO=コンバージョン率最適化
※SEO=検索エンジン最適化

※今回の記事は、14,000文字弱と非常に長いものとなっておりますので、ぜひまとまった時間のある時に読んでいただければと思います。

検索意図に沿わない記事をGoogleはどのように評価するか

Webサイトへのトラフィックが急増した際の喜びは驚くべきものだ。

その理由は、ソーシャルメディアで拡散されているからかもしれないし、検索エンジンからのトラフィックが継続的に増加しているからかもしれない。

しかし、Webサイトの分析ツールのアカウントにログインした後、大きな衝撃を受けるかもしれない。

そして、

一気に落胆してしまうこともあるだろう。

なぜなら、そうしたページビューの増加が、あなたのビジネスに何一つ貢献していないことがわかったからだ。

 

・・・。

 

コンバージョンがまったくない、といった場合もあり得る。

そして、あなたはその理由を探るべく、より深い分析を行う。

ここで明らかになった事実は、上位表示させたいと願っている、あなたのビジネスにとって重要なターゲットキーワードからのトラフィックがまったくないということだった。

かのブライアン・ディーン氏(https://backlinko.com/)でさえ、この状況に陥ったことがある。彼は、「高品質 バックリンク(high quality backlinks)」というキーワードをターゲットに設定し、「ゲスト投稿をしないで高品質なバックリンクを獲得する方法(How to Get High Quality Backlinks[Without Guest Posting])」という記事を作成した。

その後、何が起こったのだろうか?

この記事は、「ハイになる方法(how to get high)」というキーワードで6位に表示されることからスタートした。

非常におもしろい。

しかし、その後、このキーワードにおける順位は12位まで下降した。

さらに、14位まで下降する。

そして、25位。最終的には33位まで下降した。

ターゲットキーワードとの関連性がなく、エンゲージメントの低い記事はいずれ順位が下降する

なぜGoogleは、「ハイになる方法(how to get high)」というキーワードで、彼の記事の順位を下降させたのだろうか?

彼の記事はターゲットキーワードとの関連性がなかったのだ。ハイになりたい人は、リンク構築などに全く興味が無いはずだ。

しかし、Googleのアルゴリズムは、どのようにして彼の記事を上位表示し、その後に順位を下降させるという判断を下したのだろうか?

ブライアン氏は、その答えを彼のGoogleアナリティクスのデータから発見している。彼のサイトにおける、ページの平均滞在時間は2分57秒だった。

しかし、「ゲスト投稿をしないで高品質なバックリンクを獲得する方法」の記事においては、平均の半分以下であった。たったの1分12秒である。

この記事へのエンゲージが低いと言えることは明らかではないだろうか? ハイになりたい人たちは、通常、バックリンクについて気にも留めていないだろう。

つまり、インターネット上の全ての人々があなたの顧客ではないのである(私が初めてのビジネスをローンチした際、同じ過ちをしていた)。あなたは、SEOとCROにおけるターゲット・オーディエンスを定義する必要がある。そのために、ペルソナの作成が有益だろう。

多くのキーワードから流入を獲得するだけでは、多くの利益を上げられない

しかし、私が最も主張したい内容は、「多くのキーワードから流入を獲得するだけでは、多くの利益を上げられない」、ということだ。コンバージョンの最適化も必要になるのだ。

あなたのサービスやプロダクトに興味がある、質の高い訪問客を獲得するためには、業界特有のキーワード(※)をターゲットに設定する必要がある。これこそが、コンバージョン最適化である。
※ロングテールキーワードのコンバージョン率は高い

ショートテールとロングテールのコンバージョン率を表すグラフ。ロングテールになるほど、コンバージョン率は高くなる。

より多くの顧客を獲得するために、一定のトラフィックを失う必要があることも覚悟すべきだ。

にわかには信じられないだろうか?

そういった方のために、1つの例を挙げてみよう。

ウィリアム・リード氏は、彼の顧客のWebサイトの流入成長がゆっくりと鈍化していることに気がついた。6ヶ月間で、10-13%しか成長しなかったのである。

分析を進めたところ、月間の検索数が50,000のキーワードで1ページ目に表示されていることを発見した。しかし、このキーワードは、彼のクライアントのサービスと深い関係のないキーワードであった。

そして、ウィリアム氏と彼のクライアントは、このキーワードの順位をゆっくりと下げることを試みた。また、偶然訪れたわけではない、訪問する意図を持った人々からのトラフィックを獲得することに集中した。

この施策を行うことで、ウィリアム氏のクライアントのWebサイトのトラフィックは減少していった。

しかし、彼らの利益は増加した。

馬鹿げた話しだろうか?

SEOとCROを組み合わせ、高い利益の獲得を実現する

下記のグラフを見てほしい。

※1 Revenue・・・収益
※2 Ranking・・・順位

この事実は、「最初からあなたの労力と費用をコンバージョン目的のための施策に費やすべき」ということを意味しているのだろうか?

いや、そうではない。

一定の訪問客がいなければ、最適化の対象すらいなくなってしまうからだ。

これが、私がKISSMetricsCrazyEgg、そしてNeilPatel.comにて、Webサイトの最適化を行い、100,000人の訪問客を獲得することに注力した理由だ。しかし、トラフィックが成長するかたわら、オプトインとリードマグネットを用い、リードの獲得の準備も進めていた。下記にコンバージョンファネルを記載する。

CRO(コンバージョン率最適化)とSEO(検索エンジン最適化)はお互いを傷つけ合うものではない。自社におけるこの2つの部署は互いに施策を進め、コンバージョン・ファネルを通じて、高い利益獲得を実現すべきなのだ。

SEOとCROにおける、3つのステージとフレームワーク

「CRO(コンバージョン率最適化)とSEO(検索エンジン最適化)は共存共栄でき、高い利益獲得を実現できること」を明らかにすることが、この記事の目的である。

その目的を達成するため、3つのステージのフレームワークを用意した。より多くのバックリンクを獲得すべき段階か、より多くのランディングページを作成すべき段階かを判断し、コンバージョン率の最適化とWebサイトの最適化を導くためだ。

ステージ1:十分に練られたコンテンツ・マーケティングとリンクビルディング・キャンペーンの実施。

あなたのWebサイトに掲載しているページの多くは、顧客の生活に価値を与え、信頼を獲得し、業界内の権威を確立するために存在している。

ファネルの上部に位置する、話題になるような高品質のブログを思い浮かべてほしい。

NeilPatel.comでもいい(もちろん)。Quick SproutCopybloggerProBloggerでも良いだろう。

こうしたサイトが全ての記事において、商品(無料トライアルも含む)や有料コースの紹介をユーザーに表示しているだろうか?

そんなことをすれば、ユーザーは不快に思うことだろう。

Webサイトのエンゲージメントを下げ、結局は売上も減少してしまうことだろう。

お金を稼ぐことがビジネスを行う唯一の目的であるべきではない。ターゲットオーディエンスの人生に価値を提供することも目的とすべきだ。

ラミット・セシ氏がI Will Teach You To Be Richのサイトで、98%のコンテンツを無料で提供しているのはそのためだ。

私は98%のコンテンツを無料で提供している。私が無料で提供しているコンテンツが、他のどの有料コンテンツよりも優れた内容になることを目指している。

私もユーザーに価値を提供するためのコンテンツ作成に数千ドルを投じ、それらを無料で公開している。これが、コンバージョンファネルにおける第一歩となるのだ。

Mozのメンバーは、かつて、SEO目的のページとコンテンツマーケティングがコンバージョンを導くものと信じていた。こうしたページに訪れた新規の訪問者が、無料トライアルを試し、Mozのソフトウェアを購買し、APIの利用契約を結んでくれると考えていたのだ。

その後、Mozのメンバーは、このような短絡的な考えは良くないと気づき始めた。彼らには、訪問客をコンバージョンへと促す、よく練られたランディングページが必要だったのだ。

マーケターとして、検索者のクエリを満たすためのみに設計された、教育的なコンテンツ(下記のMozのページのように)から何を得られると考えるだろうか?

  • 検索者のクエリを満足させるために設計されている。
  • リンク、共有、エンゲージメントの構築を狙っている。
  • コールトゥアクションは存在しない。

ターゲットオーディエンスを教育し、彼らが課題を乗り越える手助けをする。

ただ、それだけだ。

そして、どのような結果をもたらすか、あなたはすでに理解しているはずだ。

あなたのWebサイトを訪問し、記事を読むだけのユーザーもいるだろう。

もちろん、記事にコメントを残したり、ソーシャルメディアでシェアをしてくれたり、何らかの方法でWebサイトとの交流を行ったりするユーザーもいるだろう。

しかし、大多数のユーザーは記事を読み、去っていくはずだ。

90-9-1のルール」をご紹介しよう。90%のオーディエンスはただの傍観者であり、あなたのコンテンツへの関わりは薄いだろう。

この段階で行える唯一の戦略は、コンテンツのアップグレードやリード獲得を、初回訪問者に対しEメールアドレスとの引き換えに提供することだ。こうすることで、再訪問によるトラフィックを生み出してくれるメンバーを獲得することになる。

あなたはこう考えるかもしれない。

「無料のコンテンツを提供したところで、私のビジネスにおけるROIはどうなるのか?無料トライアルの利用獲得でもないのに?」

あなたのオーディエンスへ価値を無料で提供することは、コンバージョンファネルの初期段階における関係性として非常に良好である。見込み客をファネルの内側へと導き、さらに奥へと促すことも可能だ。

自然検索からの流入の多くは、あなたのブランドへの信頼性を構築するものであり、それは無料のトライアルを開始する前に必要とされるものだ。Mozの場合、ユーザーが彼らの製品の無料トライアルを申し込む前に、平均で7.5回の訪問があるという。

こうした、無料トライアルの前段階の訪問は、MozのWebサイトのどこで発生するのだろうか?

ランド・フィッシュキン氏の言葉を引用しよう。

(無料トライアルの前段階の訪問は)4/5回はコンテンツで発生する。製品ページでもなければ、価格表やその他ファネルのどのページでもない。その内の2回はソーシャルからの訪問であり、自然検索からの流入は非常に少なく、残りの1回か2回はダイレクトの流入だ。

もし、コンバージョンに注力した考えを持っているのであれば、Webサイトへの訪問の多くが無駄なものであると考えるかもしれない。自然検索からの流入の多くが、コンバージョンにつながっていないという考えだ。

しかし、MozのWebサイトへ2~3回しか訪問していないユーザーが無料トライアルを開始したらどうなるだろうか?

おそらく、彼らの多くがMozの無料トライアルを十分に使いこなすことができず、有料版へのアップグレードも行わないだろう。

そのため、Mozはコンテンツマーケティングとコンバージョンファネルを明確に線引している。

これにより、高品質のコンテンツを作成し、バックリンクを獲得し、コンバージョン最適化を考慮し、SEOを実践するという、ビジネス上の大きなインパクトにつながるだろう。

この形式のWebサイトの最適化は、Webサイトの信頼性にポジティブに作用し、Google目線での権威性の獲得にもつながるだろう。

コンバージョン最適化を目的として商品ページを作成した場合でも、そのページへのリンクビルディングを行わずに、ターゲットキーワードで1ページ目に表示されることもあるだろう。

この説明のためにECサイトでの例を挙げたい。

下記は「men’s tuxedos(男性用タキシード)」の検索結果だ。Nordstrom’sのページが1位に表示されている。このページが最も多くのリンクやソーシャルメディアでのシェアを獲得しているからではない。Nordstrom’sのSEOとサイト全体の権威性が理由となっている。

ランド・フィッシュキン氏の解説を記載しよう。

Nordstrom’sはオンライン・オフラインの両方で高い評判を得ている。ブランド自体とWebサイト全体におけるポジティブな指標だ。

  • 上位表示とコンバージョンの両方が必要
  • 価値のある情報と明確なコンバージョンの導線
  • ホストドメインが構築してきた権威性を活用している

新しくECサイトを構築する計画がある人は、「相手がNordstrom’sでは・・・。」と考えるかもしれない。「Nordstrom’sのようなこの業界における権威性はないし、予算だって比較にならない」と。

新しいECサイトが毎月何百万ドルも稼いでいるAmazonのような相手に打ち勝つことは可能だろうか?

答えは、Yesだ。

ブライアン・ディーン氏が紹介している、クリス・ローセン氏の例は非常に興味深い。デンマークのとあるECサイトが、一単語も記事を書かずに上位に表示されたのだから。彼が保有するJustBuyIt.comは消費者向けの電気商材を扱っている。

彼は、全くコンテンツを書かずに、どのようにして上位表示を達成したのだろうか?

彼は、業界内で引っ越し、または、閉鎖されたWebサイトへのリンクを貼っているサイトを探した。そして、そうしたサイトのオーナーに連絡をとり、自身の商品・カテゴリーページにリンクを設置することを依頼したのだ。

ブライアン・ディーン氏はこれを、Moving Man’s Methodと呼んでいる。SEOにおいて、鍵となる方法だろう。1時間ほどの作業でクリス氏はJustBuyItの被リンク数を劇的に上昇させることができた。

コンテンツに関連性のあるリンクを獲得したことで、そうしたリンクからの流入とコンバージョンを大きく向上させた。

ブライアン・ディーン氏作成の下記の動画を視聴すれば、こちらのリンクビルディングの手法がより良く理解できるだろう。

Youtube:Advanced SEO Strategy That Gets Results

SEOとWebサイトの最適化・コンテンツマーケティングについて理解を深めたいのであれば、下記の2記事をおすすめする。

この段階では、SEOの技術的な最適化も行うべきだろう。検索エンジンにあなたのWebサイトをインデックスしやすくしてくれるようにすることが目的だ。私が執筆した、「ビギナー向け技術的SEOのスタートガイド(英語)」を参照して欲しい。

  • Technical:テクニカル
    技術的なSEO。この領域のSEOは、検索エンジンがあなたのコンテンツをクロールし、インデックスしやすくするための施策がメインとなる。
  • Off-Page:外部施策
    サイト外のSEO。この領域のSEOは、外部のWebサイトからあなたのサイトへのリンクを獲得するための施策がメインとなる。関連性があり、権威性のあるWebサイトからの自然なリンクは、「そのWebサイトへの投票」となり、検索エンジンによる信頼性の獲得につながる。
  • On-Page:内部施策
    サイト上のSEO。この領域のSEOは、Webサイト上のコンテンツ作成がメインとなり、関連するキーワードへの最適化を目指すことになる。訪問者への「ユーザー体験」をより良いものにすることが鍵となる。

SEOとコンテンツマーケティングの施策を行うことで、Webサイトの最適化の結果、トラフィックが上昇していくことだろう。これは、オンラインとオフラインの両方で、広告への費用を抑えることにつながるだろう。

備考:インプレッションがベースとなるモデルのビジネスを行うWebサイトについて
このステージ以上のことを望む必要はないだろう。なぜなら、より多くの時間をユーザーがあなたのWebサイトで過ごし、直帰率を下げ、多くのトラフィックが生まれること自体がコンバージョンとなるためだ。

Googleアナリティクスでこちらをゴールに設定しよう。コンバージョンファネルを意識しつつ、より多くのトラフィックを獲得し、Webサイトの最適化に注力しよう。

広告の設置場所のテストも必要だ。私が執筆した「バナー広告をより多くの人に見てもらうために」を、まずは参照して欲しい。コンバージョンファネルとコンバージョンの最適化を検討するさいに、大きな手助けとなるはずだ。

備考:SEOの成果を見極めるために3ヶ月間待ち、その後、ステージ2に進むといったやり方を私は推奨しない。可能であれば、Webサイト最適化、SEO、コンテンツマーケティング、コンバージョン最適化は、並行して行われることが理想だ。

Webサイトの最適化とオンラインマーケティングに唯一の方法などはない。広告の予算が潤沢にある場合、ランディングページを作成し、広告キャンペーンを行い、多くのリード獲得を目指せばいい。これは効果的なコンバージョン最適化の手法である。しかし、インバウンドマーケティングは、伝統的なアウトバウンドマーケティングと比べ、リードあたりのコストが62%も少ないという事実(参照)を知っておくべきだろう。

ステージ2:CROの無いSEOは存在しない。逆もまた然りだ。両者は手を取り合って進めることができるのだろうか?

権威性の構築と関連のあるコンテンツからのリンク獲得を行い、ブランド構築のためのコンテンツ作成も完了している段階だろう。願わくば、十分な量のEメールリストを保持しており、Webサイトへのトラフィックも順調に伸びている状態が望まれる。

これは、まさに、ビジネスを開始する前にターゲットとなるオーディエンス間で評判を構築しているためのアプローチである。

しかし、Webサイトの最適化とSEO戦略を用いてトラフィックを獲得する理由はどこにあるのだろう?

自然検索からのコンバージョンを獲得するために他ならない。より正確に表現すると、自然検索の流入から収益を得るためである。

あなたは、自身のWebサイトを、ただコストを垂れ流す存在にはしたくないはずだ。

CROをSEOの敵と考えるべきではない。両者は共存することが可能なチームであるのだ。

オンラインの体験の90%が検索から開始されるが、マーケティング費用の全てを検索結果における上位表示を獲得するためだけに使うことはできないだろう。

特定のキーワードにおける順位とは、究極的には虚しい指標となってしまう。あなたはすでに、自然検索へのスムーズなナビゲーションと最高の体験の提供に注力すべきことを理解しているはずだ。そうすれば、顧客があなたのWebサイトに何のために訪問したかが理解できるようになる。

CROの重要性を説明するために、私自身のビジネスの事例を紹介したい。

Crazy EggというWebサイトの事例だが、こちらのトップページの最適化を行うために、CROのエキスパート達を雇用した。

彼らはコンバージョン率を30%高めるという偉大な結果を残した。

どのようにして彼らはこの数字を達成したのだろうか?

彼らは、簡潔であったトップページを長文形式の訴求コンテンツに変容させた。改修されたページは20倍ほどの長さになった。

※トップページを改修し、長文化した図

私は長い形式のコンテンツの効果を信じていたため、非常に喜んでいた。長いマーケティングコピーであれば、ユーザーのあらゆる疑問や目的に対応できると考えていたのだ。そして、それは常にコンバージョンにおいても良い結果を生むと考えていた。

この時までは・・・。

長い形式のトップページのヒートマップを見てみると、ページ下部(価格が記載されている箇所)に向かってエンゲージメントを獲得できているわけではないということに気がつく。

※ヒートマップの色が赤から青に変わるにつれ、エンゲージメントが下がっていることを示す

Copyhackersのジョアンナ氏の説を引用したい。

彼女はセグメント化した顧客のSEO調査を行い、また、テスト用に4つのタイプのトップページを作成した。

そう。短いコンテンツも含まれている。

結果はどうだっただろうか?

最も効果的だったコンテンツは、表面的なストーリーのない、簡潔なコンテンツだった。最も効果的だったコンテンツの長さは60%ほどであり、訪問者が抱える主要な関心事と目的には回答できており、コンバージョンファネルに沿って設計されていた。Webサイト最適化の偉大な事例だったと考えている。

自然検索からのトラフィックにおけるコンバージョンは13%も増加した。

そして、長い形式のコピーはあらゆる状況で効果的であるという私の仮説は間違いであったことがわかった。簡潔なマーケティングが成功することについては、「ロングコピー対ショートコピー – どちらがよりベターか?(英語)」に詳細を記載している。

これこそが、私が自身のWebサイトのテストを行うために、CROコンサルタント達を$252,000で雇用した理由である。Webサイトへのトラフィック単体では、ビジネスの成功を判断するためには、信頼できない指標となってしまうのだ。

一日に10,000の流入があるが、数秒で離脱してしまうユーザーが多いという場合、何が原因となっているのだろう?

もしかしたら、CROがSEOにマイナスの影響を与え、自然検索結果からの流入が減少してしまうということを恐れているかもしれない。

そこで、Webページのランキングに影響する要素を見てみよう。そして、CROのテストで必要な箇所も確認してみよう。

  • KW(Keyword & On-Page)・・・キーワードとオンページ
  • CQ(Content Quality)・・・コンテンツの品質
  • DA(Domain Authority)・・・ドメインの権威性
  • PA(Page Authority)・・・ページの権威性
  • UD(User & Usage Data)・・・ユーザーデータ
  • SP(Spam Analysis)・・・スパム分析

CROは上記のSEOに関連する要素のうち、3つの領域の変更にすぎない。よほど怪しい施策を行わない限り、ドメインとページの権威性が失われることはないはずだ。

CROのための変更は、これら3つの要素(キーワードとオンページ、コンテンツの品質、ユーザーデータ)の変更に過ぎない

CROのスプリットテストを行い、ページのコンテンツ、キーワードの使用率などを変更してみよう。

これらの要素を、検索エンジン経由で訪問するユーザーに最も関連するバランスを取ることができれば、コンバージョン率も高まるだろう。

しかし、こうした変更は、ただ単にコンバージョンを増加させるものではない。

コンバージョンの最適化、エンゲージメント、ページ滞在時間なども増加させるだろう。なぜなら、検索経由のユーザーはよりあなたのページに興味を持つはずだからである。

そして、

サイトの滞在時間と直帰率はランキングに影響することをご存知だろう(画像)。

CROのためのキーワードの変更などがSEOにマイナスの影響を与えると考える必要はないだろう。

さらに、SEOとCROのチームが手を取り合いながら議論できる、全体的なマーケティング戦略の施策のための2つのアイデアを紹介したい。

1.検索結果の広告で、実際にユーザーがランディングしたデータを活用する

厳格なテストの結果、あなたの現状のコンテンツはユーザーの意図に即していないことがわかったとする。

この結果を受けて、SEO担当者は何をすべきか?

オーディエンスが実際に使用する用語を含め、検索エンジン経由のユーザーの期待に沿うように、コンテンツの最適化を進めるのだ。Webサイトを居心地のいい場所にし、コンバージョン最適化を用いて目的を明らかにさせるのだ。

ケイト・モーリス氏が、非常に優れた例を提供してくれている。PPCキャンペーンからのCROがオンページSEOにおける改善を提供してくれるという内容だ。

2.ブライアン・ディーン氏による、クラシックな手法だ。彼が作成した、トラフィックを獲得するためのコピーライティングのリストを見てみよう(参照)。

まずは簡単な質問から始めよう。検索結果におけるより多くのクリックを獲得したくはないだろうか?

もちろん、Yesだろう。

より高いCTRはより多くのトラフィックを生み、最終的にはランキングにも影響する。

検索結果画面に表示されるスニペットは、メタ・ディスクリプションの内容が反映されることはご存知だろう。

下記で、最適化されたスニペットとそうではないスニペットの比較をしてみよう。

  • 上部・・・最適化されていないスニペット
  • 下部・・・最適化されたスニペット

どちらがより多くのクリックを獲得できるかは、明らかだろう。

メタ・ディスクリプション内にターゲットキーワードを含めるのはよいことだ。しかし、160文字のテキストで、ユーザーの関心を惹かなければならない。

ユーザーが抱える問題に対するソリューションがあるということを、どのようにして訴求すべきか?

検索結果画面でのCTRを高めた実績のある単語やフレーズを使用するのだ。

そうした単語やフレーズはどこにあるのだろう?

それは、アドワーズの文言の中にある。

こうした広告はマーケティング会社が多くのコストを投じて作られており、300%を超えるROIをもたらしている。

彼らは数千のスプリットテストを行い、顧客へ最も効果的に訴求できる言葉を選び、クリックを獲得している。これを使わない手はない。

あなたのスニペット文をより効果的にするため、こうしたワードをメタ・ディスクリプションに含めるのだ。

例を挙げてみよう。

ブライアン・ディーン氏の「リスト構築」の記事のスニペットを下記に記載する。

※訳:あなたがメーリングリストを作るのに使える、とてつもなく実用的なリスト構築戦略。より多くのメール購読者を得るならこちらをクリック

それほど魅力的な内容ではない。

タイトルタグは見切られており、メタタグの内容も意味をなしていない。

ブライアン氏は彼の記事の主題である「リスト構築」をアドワーズで調べてみた。

そして、「リスト構築」というキーワードは、「Eメールリスト」という単語とよく使われていることを発見した。

彼は、「Eメールリスト」という単語をメタ・ディスクリプションに含めた。

そして、「構築」や「成長」といった単語もよく使用されていた。

こうしたアイデアを自身のメタ・ディスクリプションに含めてみた。

非常にシンプルではなかろうか?

このようにして、ブライアン・ディーン氏は、より多くのクリックを獲得するマーケティングワードのリストを作成したのだ。

ここで、彼の戦略をあなたが行う場合に有用となるツールを紹介しよう。

効果のあるメタディスクリプションを作成するためのツール

i.Spyfu.com

(日本語非対応と思われる)

キーワードを入力し、ページ下部までスクロールしよう。

入力したキーワードの全てのアドワーズ広告が表示される。下記は、「keyword research」の結果だ。

ii.Yoast SEO
ワードプレスを使用しているのであれば、この非常に強力なツールを使用することでメタ・ディスクリプションの編集が容易になるだろう。アドワーズの文言から得たアイデアを組み込めばいい。

※Yoast SEOを使うと、タイトルやメタディスクリプションなどの項目を記事ごとに容易に変更することができる。日本語対応もされている

備考:A/Bテストを行うために、ユーザーごとに違うコンテンツを提供することが、Googleを混乱させてしまうと心配する必要はない。Googleボットにも、ユーザーと同じコンテンツを表示させてあげればよい(クローキングをしないということだ)。

そして、A/Bテストのために使用するURLには、rel=canonicalを設置しよう。その他のアドバイスは、「WebサイトのテストとGoogle検索(Google Webmaster Central Blog)」を参照して欲しい。GoogleもA/Bテストの実施を勧めている。Google自身も彼らのコンテンツに対するテストを行っているのだ。

ステージ3:CROとSEOの争いを終わらせよう。比類なきユーザー体験を訪問者に提供することに注力しよう。

Webサイトを根幹から見つめ直した場合、CROもSEOもユーザーに注力することが求められていることに気がつくだろう。検索エンジンのボットに提供するものではないのだ。検索エンジンのアルゴリズムを騙す行為は、安定的でなく、効果的でもない。

5年前まではCROとSEOに影響を与える異なる要素があり、ユーザー体験は組み込まれていなかった。しかし、Googleのアルゴリズムは常に進化している。

複数のアップデートの結果、SEOとCROは共に最高のユーザビリティを顧客へと届けることに主眼を置くものになった。

ページスピードはランキング決定の重要な要素であり、遅いページはコンバージョンにも影響する(1秒の遅れは売上の7%の喪失に値する)。

付加価値を与える内容と関連性のあるコンテンツは上位表示させるために重要な要素だ。同様に、より多くのコンバージョンを得るためには、強力な価値の提案が必要であり、それは説得力と関連性のあるコピーによって作られる。そうすることでしか、見込み客をコンバージョンファネルの次のステップに導くことができない。

人工的なリンク構築はもはや意味をなさない。権威性のあるページからのリンク獲得が重要だ。コンバージョンへと導くリンクを獲得することは、ランキング上昇の強力な後押しとなる。

適切な見出しタグを使用して、コンテンツの優位性をつける。ユーザーの期待に沿うため、目次の掲載はSEOにおいても有効だ。あなたが届けたいメッセージの順番を注視することになるため、コンバージョンの増加も期待できる。

数千ドルの費用をユーザー体験のために投資することは、理にかなっているだろうか?

ユーザー体験におけるROIについては、下記の動画を視聴して欲しい。

Youtube:The ROI of User Experience

かつて、私はユーザー体験(UX)をSEOの未来だと考えていた。今では、ユーザー体験がどれほど重要か、あなた自身が実感していることだろう。

「オンラインマーケティング(online marketing)」の検索結果を見て欲しい。私のWebサイトであるQuick Sproutが1位に表示されている。ForbesやWikipediaといった、権威のあるサイトよりも上位なのだ。

ページ単位の指標を確認してみると、私の記事が最も多くのリンクを獲得しているわけではないことがわかる。ページの権威性のスコアも、最上位ではない。

しかし、私のWebサイトは最高品質のユーザー体験を提供しているはずだ。独自のグラフィックの作成や各領域のエキスパートを採用するために、$40,000の費用を投資した結果である。

似たような例を紹介しよう。デレック氏は、彼の顧客にアピールするために、エレガントでシンプルなデザイン設計のために、$25,000を彼の新しいブログに投じた。優れた考えを持ち、受領歴のあるデザイナーを徹底的に探したのだ。

パーソナル化された体験をオーディエンスへと届けるその他の例として、パット・フライム氏の例を挙げよう。彼は、135,000名のEメールリストの管理をAweberからInfusionsoft、そして、Convertkitへと変更した。

彼はなぜこのようなことをしたのだろう?

定期購読者にパーソナル化された体験を届けるためだ。彼らの興味に即して、最も関連性のあるコンテンツのみを提供するのだ。

短期的なコンバージョンの増加に注視すべきでない。ネガティブなメッセージのポップアップでEメールのリストを増やしても、長期的な関係を結ぶことはできないだろう。

(訳:あなたの肌を破壊し続ける驚くべき32の物質:健康的な肌を手に入れる)

長期的な成功を目指そう。

あなたが提供する価値に説得されたユーザーの生涯価値は、騙すことによってEメールのリストに追加されたユーザーのそれと比べ、非常に高いものとなるだろう。

顧客により良い体験を提供することは、顧客のロイヤリティにも寄与し、コンバージョンの最適化を導くものだ。ハーバードビジネスレビューによると、カスタマーリテンションを5%あげることが、収益を25%増加させることになる。

これが、ユーザー体験の最適化がCROの中心に位置づけられている理由である。ユーザー体験の重要な要素をベースとして、あなたのWebサイトを設計しよう。

結論:SEOとCROは共存共栄の関係である

Webサイトへのトラフィックが充分でない場合は、ステージ1のキラーコンテンツの作成から取り掛かろう。なぜなら、コンバージョンの最適化は、コールトゥアクションのボタンの色、位置、サイズ、フォントなどの変更によってのみ達成されるものではないのだから。

顧客の調査から始め、自身のブランドをアピールしよう。よく練られた、訴求力のある言葉を作成しよう。ターゲットとなる顧客があなたのブランドを発見すれば、あなたはシンプルなコンバージョンへの道筋を提供する。こうした一連の作業が、コンバージョンの最適化となる。

A/Bテストを行うに足る、十分なトラフィック量はあるだろうか? そうであれば、ステージ2に進んで欲しい。SEOとCROから得られた両方のデータを活かすことで、高いエンゲージメントと売上を達成する手助けとなるだろう。

究極的には、ターゲットオーディエンスのユーザーインテントを満たすことになるのだ。コンバージョンを最適化し、高品質で関連性のあるコンテンツの作成に努め、最高の体験を顧客に提供することだ。

CROとSEOは常に共存できる関係であることを忘れないで欲しい。CROのテストを行い、フラッシュを使用したWebサイトが高いコンバージョンであったとしても、SEOを破滅させるものではない。

ケイト氏は、SEOを安定させたままコンバージョンの最適化を行うための5つのステップを紹介してくれている。

全体的なマーケティング戦略を採用することで、より良質な訪問客を獲得することができる。SEOとCROをうまく統合させることは、あなたのビジネスのオンラインマーケティングの目標達成の手助けとなるはずだ。

この記事を読むことで、CROとSEOは対立するマインドセットではないことをご理解いただけたと思う。

さあ、次はあなたの番だ。あなたのデジタルマーケティングの戦略は、ユーザー体験を考慮に入れたものとなっているだろうか? CROがSEOの手助けとなる(逆もまた然り)事例をお持ちの場合は、ぜひ共有していただきたい。

この記事は、NEILPATEL.comに掲載された「CRO vs SEO: Which One Should You Focus on Right Now?」を翻訳した内容です。

記事中にもありましたが、Googleのアルゴリズムは常に変化・進化を続けており、検索エンジンを騙す手法は淘汰され続けています。反対に、ユーザーに目を向けるべき傾向は加速し続け、今後もこの傾向は変わらないはずです。

CROもSEOも、その手法や指標は違えど、ユーザー体験を第一に考えることは共通でしょう。

Webサイト最適化の名の下、それぞれの施策を効率よく組み合わせていければ理想ですね。

アイオイクス株式会社では、SEOとCROを中心としたコンサルティングサービスを行っております。

ご興味のある方は、ぜひ一度サービスページをご覧ください。

コンバージョンを増加させるための、ユーザーを説得する6つの原則

SEOやその他の施策によって多くのユーザーに訪問してもらえたとしても、Webサイト側が望む行動を取ってくれるとは限りません。つまりは、コンバージョン率が上がらないということになるのですが、コンバージョン率を高めるための施策は積極的に採用していきたいものです。

今回の記事は、あっと驚くテクニックのご紹介というよりも、ユーザーとのコミュニケーションを取る上で不可欠な、普遍的な原則を紹介している記事です。それぞれの原則の具体例も併せて紹介されているので、多くの方のご参考になればと思います。


マーケティングキャンペーンを成功に導くためのツールや、それが提供する機能は常に変化を繰り返している。しかし、時代が変わっても常に有効である、ユーザーを説得させる6つの原則が存在する。それらを用いることで、コンバージョンを加速させるための、競争力のあるランディングページの作成も可能だ。

1984年に“Influence: The Psychology of Persuasion(影響力の武器:なぜ、人は動かされるのか)”が発売されて以来、Dr.ロバート・チャルディーニが提唱する説得における6つの原則は、多くのマーケターによって用いられ、顧客をコンバージョンへと導く助力となってきた。

伝統的なマーケティングのブログを読んだことがあるのであれば、下記の用語に聞き覚えがあるだろう。

  • 返報性(Reciprocity)
  • 社会的証明(Social proof)
  • コミットメント(Commitment)
  • 権威(Authority)
  • 好意(Liking)
  • 希少性(Scarcity)

この記事では、チャルディーニ氏が提唱する6つの原則がどのようにして、より競争力のあるコピー作成やWebサイトへのトラフィックを増加させる魅力的なランディングページデザインなどに用いられているかを解説する。

1.返報性(Reciprocity)

返報性とは適した利益を他者と交換し合うプロセスのことだ。

返報性はフックとして用いることができるだろう。

あなたはユーザーの関心を得るために、彼らへ、何かを与えなければならない。

この原則は、デジタルマーケティングの領域でも当たり前のように使われている。例えば、ユーザーのEメールのアドレスを得るために、有益なコンテンツを提供する、といった具合だ。

返報性の原則に従って何らかの利益を得るためには、あなたは何かを与えるための準備をしなければならないことになる。

多くのユーザーは、彼らにとってなにかしらの有益なことを得られなければ、ニュースレターに自身の情報を登録することはないだろう。

Search Engine Journalでは、何百もの有益な資料を提供しており、その結果、ユーザーへのコンタクト情報を得ている。

このギブ&テイクの原則の例を下記に記載する。

多くの作業がこのコンテンツに費やされており、結果として、多くのユーザーが快く自身の情報を提供してくれた。ユーザーにとって何の利益もない場合と比べ、Eメールの登録数は改善されることとなった。

トップレベルに位置するブログを訪れて欲しい。そこでは、何らかの形で、返報性の原則が用いられることに気がつくだろう。

この戦術はSEO目的でも使用でき、多くの被リンクを獲得することも可能だ。被リンク数が増えれば、ランキング、トラフィック、Webサイト全体のコンバージョンの向上が期待できる。

また、広告のコピーにも応用でき、CTRの上昇を目指すことも可能だろう。

一般的ではあるが、無料トライアルという手法は、何かを与えることで、リードを獲得するための有効な手段だ。

ソフトウェア業界が、顧客をマーケティングファネルに導くための鍵となる手法と言えるだろう。

そのため、無料トライアルの告知を広告文の中でも目立たせることは、非常に重要なのだ。

2.希少性(Scarcity)

希少性もユーザーを説得させるための非常に優れたテクニックだ。こちらを用いることで、広告のクリック数の増加や、ランディングページに訪問したユーザーをコンバージョンへと導く手助けとなるだろう。

希少性は、見逃すことへの恐怖(FOMO:Fear Of Missing Out)を喚起するものだ。

我々は、何らかの選択をしなかった場合に後悔の念に駆られることがある。FOMOはこれに基づいており、多くの人の感情面に訴える手法なのだ。

希少性の例を下記に挙げてみよう。

限定生産や限定版の商品

Booking.comが用いる希少性のテクニックは非常に優れている。可能な限りの領域で、希少性に関わるメッセージを記載しているのだ。

クーポンやセール期間

ブラックフライデーのようなセール期間は短期間で多くの人々を購入へと向かわせるが、これもFOMOの原則に基づいている。

人々は、本当は必要ないものかもしれないが、後に後悔することを恐れ、購入を決断する場合がある。

Amazonは“lightning deals(タイムセール)”によってこの原則を利用している。非常に短い期間での購入条件を提示し、より多くの売上を獲得しているのだ。

希少性の原則をランディングページのコピーに用いることで、CTRやコンバージョン増加を狙うことも可能だ。

全てのビジネスが期間限定のセールに頼っているわけではないが、Booking.comはこの戦術を年間を通して用いている。彼らがWebサイト上で販売している製品(ホテルの部屋)の供給状況をうまく利用しているのだ。

3.権威(Authority)

賞の受賞歴、業務歴、業界内の認定、専門性など、権威の象徴を用いることで、自社のサイト内で我々が望む行動をユーザーが取ってくれる手助けとなるだろう。

この説得の原理は、おそらく最もレバレッジを効かせることが難しいだろう。なぜなら、真の権威を獲得するには時間が必要となるからだ。

あらゆる市場において、権威となることに簡単な方法はない。しかし、自身を権威のある存在に位置づけるためのテクニックはいくつか存在する。

自社の功績を目立たせる

自身のサイトがノミネートされた、もしくは、賞を獲得した実績を目立たせよう。業界内での認知が高まることにより、権威を示すことにつなげることができるのだ。

自社スタッフの専門性を際立たせよう

サービス業では特に重要であるが、自社メンバーの能力を示し、優れた企業であることを示そう。

透明性を高めるために、可能であれば、LinkedInのプロフィールなども併せて記載しよう。

業界内の認定をWebサイトへの訪問者に示そう

多くのサイトで基本となることではあるが、その重要性を軽視すべきではない。

これは、訪問者があなたのWebサイトで確認したいことの1つでもあるのだ。

業界のイベントにスポンサーとして参加する

協会やつながりを通じて権威性を得る方法である。

あなたのブランドを適した場所で目立たせることで、特定のトピックにおける権威性を示すことになるのだ。

さらに、主要なイベントにおいて公演する機会をもらえたら、権威性を示す上でさらに効果的だろう。

高品質なコンテンツの作成と共有

高品質なコンテンツの作成と情報の共有によって、あなたの専門性を示そう。

優れたコンテンツの参照元となることは、あなたのブランドを業界内の権威に位置づけることになる。

大規模な調査に基づいたホワイトペーパーのような、あなたの専門領域においてリーダーシップをとれるコンテンツの作成は、その一例と言えるだろう。

上記のテクニックを用いることで権威性を得ることにつながり、それはWebサイトへのトラフィックを得る機会へとつながるだろう。

4.コミットメントと一貫性(Commitment & Consistency)

ユーザーは、一度コミットメントを示せば、その後の彼らの意見と行動はコミットメントを伴った一貫性を持つことになる。

原則として、自身のコミットメントに縛られる感覚に陥るだろう。

顧客にコミットさせる手法を確立することは、彼らに行動を促し、最後までやり通す大きな機会を得ることになるだろう。

この手法の例をいくつか挙げてみよう。

ユーザー自らが予約できるようにする

全ての業界で使用できる手法ではないが、特定のビジネスにおいて予約は必須である。

ユーザー自身が予約を取ることを可能にすることで、彼らにコミットを依頼することになり、最後までやり通す可能性を高めることにつながる。

ライブチャット機能を導入する

ライブチャット機能の導入は、顧客があなたのブランドと会話するというコミットメントを獲得する機会となる。

まだ多くの業界で採用されているわけではないが、コミットメントと一貫性を獲得しうる、比較的容易な施策と言えよう。

連続したフォームの設計

Optimizely社の調査によると、フォームの要素が複数のステージで構成された場合、コンバージョン率が上昇するとのことだ。

デザインにおける連続性は、ユーザーへ一つ一つのフォームを記入させ、記入が進んでいる感覚をもたせることでコミットメントの原則を利用していることになる。特定のフォームに記入し、次のステップに進むというコミットメントを得ることで、残りのステップも完了させたいという気に駆られるのだ。

5.好意(Liking)

人々は、好ましい人による要求を聞き入れる傾向にある。

人々は、同僚やセレブリティなどの口コミを信じる傾向にあるが、これは、ここ数年でインフルエンサー・マーケティングが活発になっている理由の1つと言えるだろう。

チャルディーニ氏の言葉を引用すると、「我々は自身と似た人々を好む傾向がある」とのことだ。そのため、ターゲットとなる顧客の共通点を発見することは、ブランドが注力すべきことと言えるだろう。

好まれる存在になることは、ブランドにとって難しいことのように感じるかもしれない。しかし、この説得の原理を獲得するための手法も存在する。

ペルソナの作成

ペルソナを作成し、今まで作成したコンテンツをペルソナが好むように仕立て上げる。

ペルソナを使用したコンテンツ戦略は、ターゲットユーザーの関心を引き、コンテンツに興味を持ってもらえるものになるだろう。

ペルソナの作成を通じて顧客の悩みを理解することは、あなたのブランドが彼らの悩みを解決するために何をすべきかを把握する機会を与えてくれるだろう。

チャリティーへの参加

あなたの顧客が気にかけている問題に対して、チャリティーに参加してみよう。

例えば、あなたがローカルビジネスを営んでいて、その地域特有の問題がある場合、その問題を解決することが可能かどうか、検討してみよう。

無償の奉仕活動かもしれないし、一回限りの仕事になるかもしれない。

この施策には従業員も積極的に参加してくれるかもしれない。

この原則には曖昧な部分があることは認めるが、上記の施策を行うことで、あなたのブランドが潜在的な顧客から好かれる機会を得ることができるだろう。結果として、Webサイトへの訪問客のリード獲得や顧客獲得のチャンスが高まるのだ。

6.社会的証明(Social proof)

社会的影響は非常に強力だ。

人々は、友人や同僚が行っている行為や提案した内容を自分も行うといった傾向がある。

セールストレーナーのキャベット・ロバート氏は、「95%の人々は”真似をする人(Imitators)”であり、5%の人々は”提唱する人(Initiators)”である」と述べている。

社会の大部分の人々は、周囲にいる人の提案や決定に影響を受けているため、この説得の原理が非常に強力であることは明らかだろう。

社会的証明は、オンラインのブランドでも積極的に使用されている。下記に例を挙げてみよう。

レビュー

顧客によるポジティブなレビューを表示しているECサイトは、Webサイトのコンバージョンをあげるために社会的証明の力を活かすことができると理解している。

クライアントや顧客からのレビューを掲載しているBtoBのWebサイトも、同様だ。

ケーススタディ

ケーススタディは顧客によるレビューをさらに深ぼったものだ。

BtoBの業界でよく見られるが、ケーススタディは自身のブランドのストーリーを提供し、それは、あなたがWebサイトに掲載しているメッセージを届けたいと願っている人々に向けられたものなのである。

オンライン上で獲得した認知

もう一つの社会的証明を活かす手法は、あなたのブランドがオンライン上の適切な場所で見られるようにするということだ。

スタートアップ企業が新しく開発した製品を紹介するさいに、“採用している企業”のリストを掲載するが、これは一例と言えよう。

とてもシンプルな作業で、非常に小さなブランドでさえも社会的証明の力を使用することができる。

ポジティブな意見の掲載は、コンバージョン率にもポジティブに作用する。上記のような施策を検討しているのであれば、今すぐに行うべきだ。

まとめ

この記事で紹介した6つの説得の原理は、あらゆるコンテンツのタイプ(テキスト、ビジュアル、動画)に用いることができ、コンバージョン率の増加に寄与するだろう。

Webサイトへの訪問客の関心を掴むための簡単な施策は存在する。その施策を実行することで、購買やコンバージョンの決定に影響を与える重要な行為を、顧客に取ってもらえるのだ。

こうした視点を欠かしてしまうと、顧客に対し過度な情報を提供してしまい、Webサイトのコンバージョンを失うことにもつながってしまうだろう。

この記事は、Search Engine Journalに掲載された「Using 6 Principles of Persuasion to Increase Conversions」を翻訳した内容です。

普遍的な原則を6つにシンプルにまとめてくれた記事でした。元はビジネス書の内容ですが、Webマーケティングに即して、うまく説明してくれています。

記事内で紹介された施策は、普段から目にするものが多かったですが、こうした原則を意識すると、各施策の目的も明確になりますね。

自身のWebサイトで、上記の原則を満たす施策が行われていない場合、積極的にアイデアを出し合ってみても良いかもしれません。

コンバージョンを増加させるためのサイトリンク活用法

「Googleの検索結果下に表示されてるリンクって、どうやって決まっているの?」
「重要じゃない求人ページが、サイトリンクに表示されてしまっているのを変更したい…」
「ブログページをサイトリンクに入れて、もっとブログを読んでもらいたい」
サイト運営者であれば、サイトリンクを自分の思い通りに設定したいと願ったことがあるでしょう。
残念ながら、サイトリンクはGoogleのアルゴリズムで自動的に決まるものなので、自由に設定を行うことはできません。

しかしながら、サイトリンクの調べ方、仕組み、改善法を学ぶことで、ユーザーのエンゲージメントを高めることはできます。
サイトリンクを上手く活用し、流入数とコンバージョンを増加させましょう!
— SEO Japan

目次

mobile-ecommerce-conversion

検索エンジンのトラフィックに依存している場合、コンバージョン最適化は訪問者がサイトにアクセスする前に開始している。なぜだろうか?

そこにはサイトリンクの存在がある。

ほとんどのサイトでは、ブランドクエリ(例:キングアーサーフロー(映画名) など)において、メインのリンク(多くの場合TOPページ)の下に、サイト内の他ページへのサイトリンクが生成される。モバイル検索においてはサイトリンクは拡張可能で、訪問者は検索画面上でサイト内の様々な箇所へアクセスすることが出来る。

これらのショートカットは、ユーザー体験を合理化し、訪問者を自分が行きたい場所や行きたい場所に素早く行くための助けとなる。

あなたのホームページでは、どれくらいの数のユーザーが目標を達成しているだろうか?

私の知る範囲では、

  • どのようなサイトリンクが、自サイトでは表示されているか
  • サイトリンクで表示されているページがどのように変わっているのか
  • なぜそれらは変わっているのか
  • 表示されるサイトリンクに対して、どのようにすれば影響を与えられるか

これらを把握している人は少ない、というのが実情である。

これらの答えを知りたければ、ぜひこの記事の続きを読んでほしい。

サイトリンクがコンバージョンにとって重要な理由

Google独自の調査によると、非ブランドキーワードとブランドキーワードでは、コンバージョン率は2倍も違うと言われている。また別の調査でも、ブランドのクエリにおいて一貫して高いコンバージョン率が得られることが示されている。

この結論は、ブランドキーワードを使用している検索者が、既にブランドを認知していて、ブランドへの親しみを感じていることを示しており、またこれらのユーザーに対して素晴らしいユーザー体験を提供することの重要性も表している。

ブランド検索をしたユーザーの一部は、これらのサイトリンクに基づいて次のステップを選択している。
サイトリンクをうまく処理することにより、非ブランドクエリへの最適化以上に、リードと売上に対して大きな影響を与えることができる。

逆にそれらの訪問者に対して対策をしないと、容易にコンバージョンを生み出すのは難しくなるかもしれない。

検索エンジンはどのようにサイトリンクを選択するか?

サイトリンクは「ナビゲーショナル」クエリ、もしくはユーザーが特定のWebサイトを探している場合において、メインリンクの下に表示される。全クエリのうち、約18%がナビゲーションクエリだと言われている。そしてほとんどのナビゲーショナルクエリは、ブランド名のクエリである。

※サイトリンクのイメージ
google-sitelinks
①メインリンク ②サイトリンク(引用元)

サイトリンクはユーザーの時間を節約し、探している情報をすばやく見つけるためのショートカットである、とGoogleは述べている。
Bingはサイトリンクを「人気のある訪問先」、もしくは訪問体験における離脱ページと呼んでいる。

重要なのは、サイトリンクは単なる人気ページのキャッシュではないということだ。「選ばれるのは、検索エンジンで上位表示されていないページだったり、検索キーワードを含んでいなかったり、検索エンジンにインデックスされていないページの可能性すらある。

では、それらはどうやって選んばれたのか?

サイトリンクはアルゴリズムで生成される。

検索エンジンの特許を監視しているBill Slawski氏は、考えうる可能性をまとめている

  • ページが何回アクセスされたか
  • 訪問者がページにどれだけ長く滞在したか
  • 訪問者がページ内でスクロールをしたか、もしくはスクロールをせずにクリックをしたか
  • 検索キーワードとページ内容の関連性に基づく検索スコア
  • 検索者がページで購買を行う可能性
  • 検索者がページに興味を持つことを示す別の指標

2016年までは、サイトオーナーはサーチコンソールからサイトリンクに出現している関連のないページの順位を90日間下げることが出来た。
Bingは未だにサイト所有者がウェブマスターツールの「ディープリンク」をブロックする機能を提供している。

サイトリンクのラベルはどのように選択されているのか?

理想的なサイトリンクを選択されていたとしても、サイトリンクの見出しは、情報が不足していたり、コンテンツの内容と合ってなかったりすることがある。

ミスサイトリンク
紛らわしいことに、メジャーリーグサッカーのウェブサイトには、「ニュース」という見出しの付いたサイトリンクがRSSフィードも含めて3つもある。

Yahooが認めたように、クリックを獲得するためには正確で有益なラベルが不可欠である。

アイトラッキング調査によると、検索エンジンユーザーは検索結果のタイトルに強く注意を払っており、内容のサマリーよりもリンク見出しが注目を集めていることが分かりました。

最終的に、サイトリンクの見出しはいくつかの要素に基づいて選択される。再びBill Slawskiは、特許出願に基づいて潜在的な要因を要約している。

  • サイト内外からのリンクに付与されたアンカーテキスト
  • そのページが特に上位に表示されている検索クエリ
  • 検索結果上で実際にクリックされた検索クエリ
  • ソーシャルブックマークのタグから抽出されたキーフレーズ

モバイル検索の継続的な成長により、サイトリンクとその見出しがますます重要になっている。

サイトリンクがモバイルでのコンバージョンに不可欠な理由

Googleは2006年にサイトリンクを導入した。当時は、ナビゲーショナルクエリにおける検索1位ページの下のみに掲載されていた。

Googleは過去10年間で、検索結果下に1行で複数のサイトリンクを入れたり、ホームページ以外のページにもサイトリンクを表示させたり、など様々な変更を加えた。
さらにコンバージョンに関するところでいうと、最も重要な変更である「拡張サイトリンク」はモバイルで発生している。

拡張サイトリンクは2017年に最初にテストされ、その後大規模に展開された。ユーザーは検索結果上にいながらサイト内を閲覧し、サイト内の様々なページへ直接アクセスすることが可能になった。
拡張サイトリンク
※拡張サイトリンクが表示されるためには、一貫したサイト構造が必要である。

特にeコマースサイトでは明確で一貫した階層が不可欠だ。 毎月190万件のブランドクエリを取得している(Ahrefsデータより)REIは、サイト内が構造化されていない場合に、どうなってしまうかを体現している。
REIサイトリンク

まず女性の服を探してみても、サイトリンクが存在しない。そして男性用品を購入しようとした場合も、選択肢を絞り込むための拡張サイトリンクは存在しない。 しかしながら、これはREIが各種メンズウェアのページを持っていないからではない。

REI紳士服モバイルページ

これらのページがネストされた階層構造ではなく、フラットなサイト構造になっているためである。

■メンズ服のサイトリンクURL:
https://www.rei.com/h/mens-clothing

■サンプル商品カテゴリのURL:
https://www.rei.com/c/mens-boots
https://www.rei.com/c/mens-casual-jackets
https://www.rei.com/c/mens-pants

しっかりとした階層構造を持っていないと、メインのページと、商品カテゴリ間の検索エンジンによる結び付けが弱くなり、そのセクションにおいて拡張サイトリンクが表示されづらくなる。

対照的に、「教室&イベント」ページには、メインURL移行に個別のロケーションが含まれている。

■「教室、イベント」サイトリンクURL:
https://www.rei.com/events

■個別の「教室、イベント」のURL:
https://www.rei.com/events/p/us-ga-atlanta
https://www.rei.com/events/p/us-ca-los-angeles
https://www.rei.com/events/p/us-wa-seattle

もちろん、最上位のカテゴリには拡張サイトリンクがある。

REI「教室、イベント」サイトリンク

REIでは一貫性のないサイト構造により、モバイルショッピングを利用しているユーザーに対して不必要なクリックが発生している。 (女性のギアを探している人は一度ホームページを見るしかない。)

当然これらの問題は、あなたのブランドの検索結果上で表示されているサイトリンクがわからない限り、解決することはできない。

自サイトのサイトリンクの調べ方

実際に検索をしてみる、という逸話的でパーソナライズされた証拠のほかに、あなたは自サイトに現れるサイトリンクについてどれだけ把握しているだろうか?

Googleサーチコンソールでは、どのサイトリンクが表示されるかを簡単に確認することが出来る。まず、自ブランドクエリのみを含めるようにクエリの絞り込みを行う。

GSCクエリ絞り込み

ブランド名によっては、「次と一致するクエリ」ではなく「次を含むクエリ」を使用する必要がある〈ブランド名に複数の単語が含まれている、よくつづりが間違われる、地域に関連する語句が含まれている場合などは特に)。すべてのブランドクエリを取得することは不可能だが、大部分に対してフィルタリングが出来れば十分だ。

Googleサーチコンソールは最大16ヶ月のデータを提供する。その中で最も関心のある期間を選択する(そして次セクションで説明するように、期間毎に結果を比較する)。

GSC期間指定

ここから「ページ」タブに移動し、「検索順位」を「1.5より小さく」なるようにフィルタリングする。これにより、ブランドクエリでページが上位表示されたときのデータに制限することができる。 (サーチコンソールはサイトリンクとして表示された時の順位を、「約1位〈1.~)」として表示する)
1.5位以下

そうすれば、特定期間におけるサイトリンクが表示回数順にソートされて表示されていることを確認できるはずだ。

サーチコンソール位置フィルタ

デスクトップ、モバイル、タブレットのデバイスカテゴリ別に同じ分析を実行すると、モバイルユーザーにのみ異なるサイトリンクが表示されていないか、などを判断することもできる。

しかしここで確認できることは、始まりに過ぎない。

サイトリンクの変化を調べる方法

前セクションと同様の条件を使用して、サーチコンソールから月単位または3か月毎のデータをエクスポートすると、表示されているサイトリンクどのように変化したかを見ることができる。これは、サイト内の変更がサイトリンクにどのような影響を与えたか、を判断する場合に特に便利だ。

各ページのインプレッション数を、ホームページのインプレッション数で割ってみよう。その割合は、各ページがサイトリンクとして表示される頻度を示している。
例えば、サービスページの表示回数が20,000回でホームページの表示回数が40,000回の場合、サービスページは50%の確率でサイトリンクとして表示されると言える。

CXLの場合、Agencyページ、Instituteページ、およびBlogページは、去年1年間でみると、ほぼ100%のサイトリンクとして表示され、Aboutページがその後に続いた。
また、他のサイトリンクは最近表示され始めた。
サイトリンクのインプレッション数のグラフ
(きれいなチャートを作成するには、表示回数の少ないページは除外した方が良い)

同様に、各サイトリンクのクリック率をグラフ化することが出来る。特定のページへのクリック数を、全体のクリック数で割るだけである。

サイトリンククリック数のグラフ

これらのチャートは、ブランドクエリで検索したユーザーが、自サイト内のどこに行くのかを明らかにしている。 「conversionxl」を検索しているユーザーのうち4〜8%がブログページにランディングしているとしたら、ブログ用のランディングページではユーザーのニーズに応える十分な情報を提供し、エンゲージメントを高めなければならない。

我々(CXL)を例にサイトリンクを紹介したが、あなたのサイトで重要なページがサイトリンクに表示されていなかったり、不要なぺージがサイトリンクとして表示されていた場合にはどう対処するのが良いのだろうか?

dell sitelinks google

ニュージーランドのDellで表示されているサイトリンクは、ユーザー体験を改善する機会を無駄にしている。
(SEOJapan補足)「ラップトップ」「ラップトップとノートPC」という重複した内容のサイトリンクが存在していたり、いきなり「ショップ」という抽象度の高いサイトリンクが登場したりと、サイトリンクの粒度がばらばらになっている。

求人ページはしばしばサイトリンクの無駄使いをしている。人員の採用が急務でなくまた他社の求人サイトを通じて募集をかけている場合は、顧客ではない検索者のためのページに貴重なサイトリンクの枠を使う必要はない。

グレーターアイスクリームサイトリンクGoogle
※ジョブページには多くのユーザーシグナルがあるが、ROIは低い。

何らかの理由でサイトリンクが最適化されていない場合にも、できることはある。

サイトリンクを改善する方法

2011年にGoogleが述べたように、多くの検索シグナルが、表示されるサイトリンクとその見出しに影響している。

ランキングの観点から言うと、「通常」の検索結果とサイトリンクは、もはや別物ではない。
サイト内リンク構造のベストプラクティスは、質の良いサイトリンクを生成して訪問者の体験を改善する事に対して、影響を持っている。

したがって、何か一つを最適化することでサイトリンクの変更を保証することはできない。しかし、そのためには何もできないという事でもない。

Googleのサイトリンクを改善するためのアドバイスは、いくつかの標準的なSEOのベストプラクティスを含んでいる。

  • 繰り返しがなく、コンパクトで、関連性と情報に富んだ内部リンクとアンカーテキストを用いて、ウェブサイトの構造を明確にする。
  • Googleがサイト内の重要なページをクロール、インデックスできるようにしておく。フェッチ&レンダーを使って、それらが正しくレンダリングされていることを確認する。
  • もしページを検索結果から完全に削除する必要がある場合は、そのページに「noindex」メタタグを使用する。

またGoogleは、ユーザーを複数トピックを含んでいるページの該当セクションに直接誘導するサイト内リンク(スニペット内サイトリンク)を目次に設置する事を勧めるなど、サイトとページの構造の重要性について繰り返し述べている。

サイト上に複数のトピックがある長いページがある場合は、まずきちんと内容を整理し、セクションが論理的に分割されていることを確認してください。そして各セクションに、関連性が高く説明的なアンカーテキスト(「セクション2.1」だけでなく)があり、個別のセクションにきちんとリンクする「目次」を設置されていることを確認しましょう。

セクションがページに含まれ、ページがサブディレクトリに含まれ、サブディレクトリがWebサイトに含まれているように、ページ構造の重要性に関する推奨事項は、スニペット内サイトリンク以外にも適用される。

モバイル検索での拡張サイトリンクが増えると、明確で階層的なサイト構造の重要性が高まる。ユーザーは検索結果ページでリンクをクリックする前に、複数のサブディレクトリを確認することができる。 (もし必要な内容が見つからない場合は、彼らはクリックをしない)

明確で階層的なサイト構造に加えて、改善のためには他の選択肢もある。

サイトリンクに影響を与える別の方法

  1. まずはブランド名を持とう。既存のブランドをすでに持っている場合は適用されないが、新しいブランド名を選択する際は他サイトとの競争は避けるべきである。検索エンジンがあなたのブランドのクエリをナビゲーショナルクエリとして判断しない場合、サイトリンクを返す可能性は低い。
  2. 無関係なページを「noindex」に設定する。「noindex」タグを使用し、価値の低いページ(プライバシーポリシーや求人ページなど)をサイトリンクとして表示しないようにする。しかしながら、サイトリンクとして貧弱なページの中にも、バックリンクなど重要な検索シグナルを持つページもあるので、慎重に行う必要がある。
  3. 堅牢な内部リンク構造を作る。内部リンクはサイト構造を強化する必要がある。親ページは子ページにリンクし、子ページは親ページにリンクにするようにする。
  4. ページ内容に合わせたアンカーテキストを選択する。アンカーテキストは、検索エンジンがリンクされたページの内容を理解するのに役立つ。
    これらのアンカーが、一貫していても同一ではない(つまり、類義語を用いている)場合、検索エンジンがサイトリンクの見出しに含めるテキストを判断するのに役立つ。
  5. 深い階層のページへのバックリンクを獲得する。ほとんどのサイトはホームページをはじめとした、トップに近いページに被リンクを受けている。内部の深い階層への被リンクは、ページがサイト内でオーソリティを得るのに役立ち、検索エンジンがそれらをサイトリンクとして含める可能性が高くなる。

サイトリンクからの訪問ユーザーのエンゲージメントとコンバージョン率を高める方法

  1. 「事実上のホームページ」であるサイトリンクが訪問者を誘導するようにする。最も人気のあるサイトリンクを事実上のホームページとして扱おう。これらのページは、訪問者に良いファーストインプレッションと、サイト内を回遊してもらうための関連する内部リンクを与えなければならない。商品やサービスページに誘導しないような「About Us(我々について)」ページを設置することは避けよう。
  2. クーポンやセールページがあることを確認しよう。クーポン、ディスカウント、およびセールスクエリには、しばしばブランド名が含まれており、ナビゲーション検索として扱われることがある。
    例:「aftershokz(=ブランド名) クーポン」など
    クーポンを提供しない場合でも、そのポリシーを説明しているページは、一般的なブランドクエリのホームページの下にあるサイトリンクとして表示されることがある。そのサイトリンクが、サードパーティのクーポンサイト以上に、購入意欲の高いユーザーのクリックをもたらしてくれる可能性もある。

結論

ブランドクエリを入力する検索エンジンユーザーは、サイトにとって最も価値のあるユーザーの一人だ。しかし彼らはしばしば無視されてしまう。ホームページに飛ばされたり、購入客と求人者を区別することもできないアルゴリズムによって選ばれたページを提供されたりするのである。

Googleサーチコンソールでは、サイト運営者がサイトリンクを特定し、その変化を確認するために必要なデータを提供している。こうした洞察は、サイトリンク最適化の影響を評価するのに役立つ。

その結果より多くのユーザーが目的地ページに素早くアクセスできるようになり、コンバージョンをより素早く、簡単に行うことができ、ウェブサイトの収益性を高めることができるのである。


この記事は、CXL Blogに掲載された「How to Curate Sitelinks to Increase Conversions」を翻訳した内容です。


この記事で述べられている通り、サイトリンクは検索エンジンからの訪問者への入り口となることもある重要なページです。Googleで自社ブランド名を検索する事のみで確認するのではなく、まずは自社のサイトリンクをきちんと把握する事から始めましょう。サイトリンク以外にもSEOに関する改善でお悩みの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
— SEO Japan

コンバージョン率最適化のための9つのベストプラクティス

コンバージョン率最適化(CRO)は、訪問者の抱える課題に左右されるため、様々なサイトで通用する普遍的な改善手法はないと考えられてきました。
しかし今回SEO Japanがメディアの紹介権をいただいたInvespでは、それを可能にする方法を紹介していました。
CROを米国で2番目に提供開始したInvesp、そんな彼らのノウハウの一部をご紹介します。
— SEO Japan

9 Best Practices For Conversion Rate Optimization

コンバージョン率最適化は複雑で、取っ付きづらいものだろうか?
コンバージョン率最適化がそのように思われるのには、いくつか理由がある。

この記事を読む事で、コンバージョン最適化の計画と実装の見方が変わり、CROの取り組みを加速させることが出来るはずだ。CROは計画をしっかりと練ることで、恩恵を受けることが出来る。
過去の記事で紹介したようにコンバージョン率最適化は、まずはコンバージョンさせようとしている訪問者を理解することから始まり、そして顧客の反応を計測し仮説を検証することで実現する。
このCROのプロセスは、時間や、リソース、予算を必要とするものである。

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画像出典元:Invesp

このチャプターを読み、コストとリターンの計算と技術要件の理解をする事で、スムーズなコンバージョン率の改善が可能になるであろう。
この記事を読むことは、あなたのビジネス、そしてコンバージョンを加速させるに違いない。

1. 正しく予測を立てる

コンバージョンは一晩では上昇しない。これは事実である。

Webサイトのコンバージョンを上昇させるには、努力、献身、そして何より忍耐が重要となる。

マーケターの中には、コンバージョン率最適化のプロセスを見くびる人もいる。CROプログラムによって収益的を劇的に上げたというケーススタディを読んで、自分たちの会社でも実際にやってみようとするのである。
ものすごい成功を夢見て始めた取り組みでは、思っていた結果が得られない事により、徐々に情熱が薄れていってしまう。

誤った期待は、失望を生み、投資を無駄にしてしまう。

一方で合理的な目標は、熱意、時間、リソースを有意義なものにする。

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画像出典元:Invesp

過去十年間にわたって、我々は多くの企業や組織とのパートナーシップを通して、良い予測には二つの要素が必要であると学んだ。

  1. 良い計画は、最低でも年間に30%コンバージョンを上昇をさせる。
  2. しっかりとした計画はコンバージョン上昇以外の副産物ももたらす。学びや体験が様々なチャネルで良い結果をもたらすであろう。これにより最終的な効果は10倍にもなる。

2. 計画のリターンを試算する

既にコンバージョン率が20%を超えているようなサイトでない限り、年間で30%のコンバージョン数上昇は妥当な予測である。
コンバージョン最適化のインパクトの試算方法は2つある。

  • 30%のコンバージョン上昇をドルに変換すると、収入に対していくらの効果になると推測されるか?収益はどれくらい上昇するか?その収益は投資への健全なリターンとなるか?
  • CROプログラムへの投資額を決定した後に、現在の年間の収入と収益に基づいて、以下の2つの数字を計算する。
    1. 損益分岐のために必要な、収入の増加幅
    2. 同様の主旨のプログラムにおける投資対効果を上回る基準値

以下はこれらの例である。

まず、あなたの会社には500万ドルのオンラインでの収入があるとしよう。売上総利益率は35%であり、マーケティング計画においては300%の投資対効果を期待している。そして、CRO計画にかけられる総予算は15万ドルである。

  • アプローチ1:まずは収入が30%上がると仮定する。これは150万ドルの収入の増加を意味する。総利益率が35%なので、150万ドル × 35% = 52.5万ドルの収益が全体で上がると試算される。
    つまり15万ドルの投資が52.5万ドルのリターンを生むということになる。
  • アプローチ2:15万ドルの予算を投資したとした時、最低でも収入を42.8万ドル(≒15万ドル/35%)増加させる必要がある。
    1. 損益分岐のために必要な、収入の増加幅:42.8万ドル/500万ドル ≒ 8.6%
    2. 期待された投資対効果を上回る基準値:15万ドル × 3 = 45万ドル

45万ドルを生み出すために必要な収入の増加は、約128万ドル(≒45万ドル/35%)
期待された投資対効果を上回るために必要な収入の増加幅は、128万ドル/500万ドル = 26% となる。

さて、ここまでに出てきた数字を要約しよう。

  1. 投資額の回収のためには、最低でも8.5%の収入の増加が必要(アプローチ2)
  2. 期待された投資対効果を得るためには、26%の収入増加が必要(アプローチ2)
  3. 30%の収入増加する見込みがあれば、マーケティング計画に期待される投資対効果を上回る。(アプローチ1)

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画像出典元:Invesp

3. 総投資費用を試算する

多くの会社はCROを成功させるのに必要な詳細情報に注意を払わず、見るべき指標を含めずに投資計画を作成してしまう。

CROへの投資は、テストソフトウェアの利用料はもちろんの事、マーケティングと開発チームのための費用を含めなければならない。

漏れを無くすために、以下の項目を含めることを忘れないようにしよう。

  • 開発費用
  • デザイン費用
  • A/Bテストツール利用料
  • CROプログラムの運用費用

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画像出典元:Invesp

4. 適切なリソース配分を行う

7割のCROプログラムは、プロジェクトオーナーのリソース配分によって失敗をする。我々も10年以上、世界中の様々な業種の企業と働く中で、このことが最も大きなチャレンジだと感じた。
実際、成功を望みながらも不適切なリソース配分をしているというケースは驚くほど多い。考えうるテストを全て実現できるような、無限のリソースを確保するプランは正しい答えではない。

成功のカギは、予算の調整を適切に行う事である。

CROプログラムを始める前に、1~2個のスプリットテスト※を月に行うためのリソースを確保するとよいだろう。ここから得られた結果によって他のプロジェクトの優先順位が変わるはずだ。これがコンバージョン率を改善する唯一の方法である。

5. システム要件を理解する

コンバージョン率最適化のプログラムの過程において、技術的な出来事が発生した際には対応できるようにしておかなければならない。

またバグはコンバージョンを殺すものであるというのは胸に刻んでおいた方が良い。それを排除するだけで、コンバージョン率が上昇する可能性は増加する。

こんなシナリオを考えてみてほしい。新しいCROプログラムが始まり、リソースの割り当て、テストの準備も完了している。最初のプランがチームに送られたが、それは実装することができない内容であった。
なぜこのようなことが起きたのだろうか?プラットフォームによって、技術的な限界が異なるという事を忘れてはならない。もし技術的な限界点を確認しそびれてしまうと、実装不能なプランになってしまったり、実装するのにものすごい期間を要してしまう事もある。

自社プラットフォームの限界や問題点を事前に理解しておく事で、後々の胸やけや頭痛を回避することが出来るのである。

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画像出典元:Invesp

6. コンバージョン改善のロードマップを策定する

思い付きのテストを行って、コンバージョン率の改善を望むことは、間違いなく時間と労力の無駄である。
大多数とは言わないものの、ある程度の割合の企業は、ランダムにテストを行っているというのが事実だ。ある月にはホームページにテストを行い、翌月には商品ページ、3か月目にはカテゴリーページにテストを行うのである。

成功するプログラムは初期に訪問者を理解し、訪問者が離脱しているページ、改善の余地が大きいページ、そのままにしておくべきページを見抜くことに時間を使うのである。この事を大半の企業は理解していない、もしくは無視してしまっている。
改善するページに優先順位をつけ、CROのロードマップを策定することは、基礎中の基礎である。
ロードマップは6か月で、8~15のテストを実施するようなものにした方が良い。

7. 勝ちパターンとオリジナルで再テストを行う

我々はこれまで様々なA/Bテストや多変量テスト、そして必要であれば繰り返しテストを行ってきた。この経験から言えることは、テスト結果を利用する方法は複数あるという事だ。

A/Bテストで勝利したデザインと現在のデザインをぶつけて検証するのは、良い手法であり、効果的かつ実施する価値のあることだ。自分が見ているのは、外れ値ではないという自信を与えてくれる。

この種のテストを行う事で、テスト結果に影響をもたらすような外部要因を排除することが出来る。
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画像出典元:Invesp

8. テストでの学びを分析する

コンバージョン最適化は単なるスプリットテスト以上のものである。テストの後に詳細な分析を行い、以下の質問に答えていく。

  1. 負けパターンはなぜコンバージョン率の向上に失敗したのか?
  2. 負けパターンを評価することで、見込み顧客に関してどのような学びがあるか?
  3. 勝ちパターンを評価することで、顧客に関してどのような学びがあるか?
  4. このテストの結果、訪問者に対して新しく聞かなければならない質問は出来たか?
  5. 別のチャネルやプラットフォームで、同様の仮説を展開するにはどのようにすれば良いか?

これらの質問に対する論理的な回答を探すのも基礎的である。これにより、単なるコンバージョンの最適化を超えるための洞察やデータを得ることが出来る。

9. 新しいテストを計画する

我々はよく「1つの特定のページでいくつのテストをすべきか?」という質問を受けることがある。コンバージョンを妨げている上位の問題を解決するためならば必要なだけテストを行う、というのが我々の回答である。正しいアプローチは以下の点を含むことを思い出してほしい。

  1. コンバージョンフレームワーク要素を考慮し、ページの分析を行う
  2. そのページでの最大の問題を特定する
  3. 問題の優先順位付けを行う
  4. 各問題を解決する方法の仮説を作成する
  5. A/Bテスト、多変量テストを実施し仮説を検証する

このアプローチに従えば、A/BテストもWebぺージのコンバージョン改善のための1歩になるのである。

コンバージョン率最適化はプロセスである。電気のスイッチのようにON/OFFで切り替えるものではない。

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画像出典元:Invesp

まとめ

コンバージョン最適化はプロセスである。長期的な取り組みであり、努力、献身、そして細かい分析が必要になる。

限られた期間でコンバージョン最適化を行い、大きな改善を最初から期待してしまう人には失敗が待ち構えている。

計画をしっかりとたて、プロセスに対してコミットすれば、その先には素晴らしい報酬が待っている。


この記事は、Invesp Blogに掲載された「9 Best Practices For Conversion Rate Optimization」を翻訳した内容です。


思い付きのA/Bテストをいかに多く回したとしても、大きな効果を得られる保証はありません。
A/Bテストの成功率は高くても25%、低いと10%とも言われています。A/Bテストの事例として話されるような大きな成功は、この中のさらに一部です。
CROで大きな成果を出すためには、しっかりと計画を行い、技術面の限界を理解した上で、テストの実施と分析を通して次のテストへとつなげることが重要です。
Web解析、コンバージョン改善の取り組み方でお悩みの方は、ぜひ弊社までお問い合わせください。
— SEO Japan

SEOとCROの両立は可能か?共に取り組む意義とその障害とは

Webページ改善には、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)があります。
SEOが「検索エンジン」に対して、Webサイトを最適化する取り組みならば、
CROは「ユーザー」に対して、Webサイトを最適化する取り組みと言えます。

Googleをはじめとした検索エンジンが、ユーザーを満足させることを望んでいるのならば、究極的にこの二つの考え方はどこかで交わりを持つはずです。

しかし、この二つを同時に実現することは本当に可能なのでしょうか?
「ABテストって、SEO的に考えるとクローキングにならないの?」
「SEOでは見出しにキーワードを含めるけど、ユーザー体験としてはどうなの?」
世界のエキスパートは、この問いにどう答えるのでしょうか。

— SEO Japan

SEOとCROの交点

読者の方々は、CRO(コンバージョン最適化)とSEO(検索エンジン最適化)の相性は良いはずである、と思っているだろう。

理論的には、コンバージョン最適化が狙いとしているのはユーザー体験(UX)の改善であり、ありがたいことにGoogleが検索トップの結果で実現したいと思っていることでもある。そのため、サイトのテストと改善を行えば行うほど、検索順位も高くなるだろうということなのだ。まるで終わりのないホッケーのスティック型のようなサイクルの中で、トラフィックやコンバージョンが増加し、収益も増えるだろうというわけだ。

もちろん、ことはそこまで単純ではない。

CROとSEOとの間の矛盾はどこにあるのかというマーケターからの質問を耳にしたことがある。加えて、チームの役割が明確化され、予算に制約がある環境では、CROとSEOのどちらに投資をするかについて、取捨選択しなければならない場面もあるはずだ。最終的にはウェブサイトのテストと最適化をどのように実行するのか重要なのだ。

そこで、私はCROとSEOの交点はどこにあるのか探るべく、成長と最適化において長い経験を持つ人たちに、「トラフィック獲得とコンバージョン最適化のバランスをどのようにとっているか」という質問をしてみた。

CROとSEOは完璧なパートナーなのか?

CROとSEOの相性は完璧なはずで、矛盾などはないはずである。

Googleにとって、ユーザーにとって最適な検索結果を提供することは自己利益のうちだ。そのため、アルゴリズムを宗教的なまでに熱心にアップデートをしている。また、最近の傾向では、UX要素のほうがキーワード密度など従来の要素よりも重要視されている。管理者によってページ読み込み速度が速められると、同様に検索結果も改善される。なぜなら、読み込みが速いページは人々に好まれるし、Googleもそれがより良い体験につながることを知っているからだ。

ほとんどのケースでは、CROがSEOと矛盾することはありません。むしろ、お互いを補完し合う存在なのだ。

この古典的な例が、「人間向けに書くか、それともGooglebot向けに書くか」という問題だ。Googleのアルゴリズムも進化してきているので、両者はかなり同じレベルに達しています。ありがたいことに、キーワードスタッフィングはGoogleから見ると(そして読む人にとっても)愚かな行為となっており、自分が売っている商品を買ってくれる人向けに書くべきなのだ。

俯瞰してみても、SEOとテスティングに矛盾はもともと存在しない。Googleには独自のテスティングツールがあり、A/Bテストも行っている。Googleが、自分たちでサービスとして提供しているものに対してペナルティを与える理由はないだろう。

Googleはより良いUXにペナルティを与えたいわけではない

SEOとCROの相性が良いというのは直感的には理解できるであろう。それでも、これを信じられないというマーケターは少なくない。あるいは少なくとも、テストやSEOの技術的な側面については懐疑的に感じているマーケターはいるようだ。

VWOの創設者であるパァラァ氏が、Quoraでこの問題について答えてくれた。彼によると、A/BテストがSEOに影響を与えることはないそうだ。

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「Google自体がA/Bテストをしていて、またそのためのツールも持っているのだから、Google側でも他社が同様にA/Bテストを行うことは十分想定していると考えられるだろう。

そのため、Google(ほかの検索エンジンも同じように)がA/Bテストを行っているウェブサイトにペナルティを与える可能性はとても低い。万が一に備えて、テスト結果から検索ボットをフィルタリングしたいというのはあるかもしれない(でも、検索エンジンのほとんどはテストのバリエーションではなくオリジナルのページだけを見るので、これもあまり必要ないだろう)。」

基本的にはとてもシンプルな「とあるルール」を守っているならば、A/Bテストによってせっかくの検索順位が台無しになるという心配は無用だ。

Googleのテスティング「ルール」に従う

昨今では減少傾向にあるものの、かつてA/Bテストによって検索結果に悪影響があるのではないかという声は多くあった。多くの場合、心配されていたのは次の4項目だった。

  • コンテンツクローキング
  • URLとコンテンツの重複
  • リダイレクトの誤り
  • ウェブページの読み込み問題

第一に、JavaScript経由で要素を大幅に変えるA/Bテストの実行は、コンテンツクローキングではない。コンテンツクローキングとは、1990年代において効果的で一般的だったSEO手法であり、Googleボット向けに大量のキーワードを詰め込んだバリエーションが作られていた。そして、実際の訪問者にはそれとは違うよりユーザーフレンドリーなバージョンを表示するようしていた。もしあなたがA/Bテストを行っているなら、コンテンツクローキングとみなされる心配は不要だ。Googleがあなたに求めているのはダイナミックな体験を提供することであるのだから。

第二に、コンテンツの重複も問題ではない。パァラァ・チョップラ氏の数年前の記事投稿を見てみよう

Paras Chopra

パァラァ・チョップラ氏

「ここで注目したい重要ポイントは、検索エンジンからのペナルティがあるのは、異なるドメインからコンテンツを盗んだり転用したりしたときだけだということだ。バリエーションページすべてが自分のサイト上でホストされていて、なおかつそのコンテンツが「自分の」ものなら、何をしても良いのだ。

現在、ダイナミックウェブサイト(ショッピングカートやディレクトリなど)の多くが、さまざまなフォーマットで同じコンテンツをホストしている。あるコンテンツがそのドメイン内だけに置かれているものであれば、検索エンジンがそうしたサイトにペナルティを与えることはない。A/BテストURLについても同様である。コンテンツを盗んだわけではないので、悪いことは起こらない。すべてあなたのものなのだから!」

もし心配なら、canonicalタグを使うと良いだろう。

第三に、301(恒久的な)リダイレクトを避け、302リダイレクトを使おう。

最後にページの読み込み速度だ。これが唯一、懸念事項と呼べそうなものであるが、ほとんどの場合これも大して重要ではないと言える。

まとめると、テスティングには問題なく、それどころか推奨されているくらいだが、次の基本ルールは守らなければならないということだ。

  1. クローキングしないこと
  2. rel=”canonical”を使うこと
  3. 301リダイレクトではなく302リダイレクトを使うこと
  4. 実験は必要なときだけすること

クライアント側、サーバー側どちらの実験をしているかも問題になるのかという問いについては、マット・カッツ氏がノーと言っている。マット氏は数年前、HackerNewsのスレッドに、「A/Bテストはサーバー側、クライアント側どちらの技術でも可能だ。ただどちらのケースでも、Googleボットだけ違う扱いはしないようにした方が良い。Googleボットをほかのユーザーと同じように扱い、我々のユーザーエージェントやIPアドレスをはじいたりするためにコーディングを行うのはやめてほしい。」と書いていた。

ほかの点については、A/BテストについてのGoogleの公式声明を読んでみるとよい。基本的なルールに従っていれば心配することはほとんどない。

コンバージョンを伴わないトラフィックは無意味である

vanity metrics(=無益な指標)
の内容と、これを避ける方法はよくご存じだろう。

コンバージョンや収益がなければ、Twitterのフォロワー数もダウンロード数も、ページビューも意味を成さない。

そのため、SEOが効果的ではなく、よりインパクトのある「現在のトラフィックへの最適化」に集中すべきケースもあるだろう。

例を挙げるとすると、ランク入りしているキーワードがバリュープロポジションとまったく関係がない場合、少なくともページ単位でみると最適化しづらいミスマッチが潜在的に存在する。これはたいていSEOのトラフィックのコンバージョン率が、他の流入チャネルよりかなり低いときに見られるケースである。テストを実行していて、オーガニックでのみ上昇が見られない場合、キーワードのインテントは低くなっていると言える。

ところで、無関係なトラフィックが必ずしも悪いものということではない。収益への悪影響がないからだ。しかし、それがテスト実行を通じたRPV(1人当たり売上高)を増やすうえでの障壁になることがあってはならない。

さらに、オーガニック流入が最もコンバージョンしやすいチャネルであるという点も押さえておいてほしい。Googleがそのアルゴリズムをますます洗練させているため、インテントとマッチは非常に高くなってきている。

トラフィックとコンバージョントラフィック

出典

では、SEOとCROはどこで矛盾するのか?

Googleの検索順位で1位から陥落したらどうなるだろうか。ビジネスを成長させる上では、間違いなく阻害要因となるだろう。検索順位1位のではトラフィックの33%を得られるとされていることからも分かるように、見込み客の多くを失う可能性がある。
Percentage of Traffic by Google Result Position

出典

さて、これまで見てきた通りSEOとCROの間に矛盾はないはずだ。しかし、実際には矛盾が存在している。ランド・フィッシュキン氏に聞いてみたところ、矛盾はごくまれに発生するとのことだ。

Rand Fishkin

ランド・フィッシュキン氏

「確かに矛盾はあるが、それはほんのわずかだ。SEOに関していうと、ページ上でキーワードや文言を、検索者が使う言葉に合わせて賢く用いること(たとえば、「あなたの本の収納に関する問題を解決します」よりも「ランドの本棚」のほうが賢明と言える)は今でもとても大切だ。

ときにCROテストによって、あまり明確・ダイレクトでない言葉のほうが実際のコンバージョン率が高い、という結果が出てくることが稀にある。そうはいっても9割以上のケースでは、ちょっと妥協すれば良いバランスを見つける方法がある(たとえば、「ランドの本棚はあなたの本の収納に関する問題を解決します」など)。」

リアルな世界の例としてLawnStarter Lawn Careを挙げてみよう。LawnStarterは地元の芝生ケア会社を検索する人々から多くのSEOトラフィックを得ているので、Googleでの牽引力を失うというのは同社の顧客獲得において悪影響をもたらすことになる。より顧客対し価値をもたらすバリュープロポジションを見出しでテストすることは可能だろうか?答えは、イエスである。しかし、H1タグに特定のキーワードを含めなければならないという条件の下で、かつ明確で価値提供型の見出しへと変更する場合、トラフィックを失う可能性は現実にある。

LawnStarter Lawn Care

出典

LawnStarter Lawn Care創設者のライアン・ファーリー氏が語ってくれたところによると、Googleのアルゴリズムは確かにある一定の流れでは進歩しているかもしれないけれど、完璧なUXと一致しているとは言えないそうだ。

Ryan Farley

ライアン・ファーリー氏

「SEOとは可能な限り訪問者に合わせてにウェブサイトを作るべきであると、SEOコミュニティ界隈ではよく言われている。それが本当なら、SEOとCROはぴったり合うはずだ。しかし、実際にはそれほどうまくはいかない。

現実では、GoogleのアルゴリズムはまだH1タグ内やbodyテキスト内のキーワードなど、非UX系のシグナルに大きく依存している。H1タグ内にキーワードを入れていなければ、SEOでは負けを喫することになるだろう。そうでなければページを適切にカテゴライズできないからだ。

たとえば、当社のJacksonvilleのページを見てもらうと分かるように、Adwordsでもっとコンバージョン率の高い見出しがあったとしても、見出しに「芝生サービス」や「Jacksonville」というキーワードを含めないわけにはいかない。

検索順位のブーストから得るものとコンバージョンで失うものとを計算しなければならないのだ。」

コンバージョンの最適化だけに焦点を絞ってしまうと、この2つのバランスを取って十分な情報に基づく決定を下すのは難しいことだ。たとえば、検索順位が上がったことによって得られるトラフィック量とコンバージョン量の増加の方が、コンバージョン率を高めることよりも、収益の増加に寄与するのならば、収益が高いほうに徹するべきなのは非常に明白だ。

Optimize Smartのヒマンシュー・シャーマ氏は、「本当の意味で収益を最適化するには、マーケットセグメント、製品カテゴリ、その他成果のポートフォリオごとに、平均注文額(AOV)とトランザクション数を増加させる必要がある。」と話している。

しかしご存知の通り、コンバージョン「率」最適化は行うべきではない

それでもランド氏も言及しているように、簡単な妥協方法はおおよそ常に(90%以上のケースにおいて)存在する。クリエイティブに考え、検索エンジンと顧客の両方を満足させることが求められる限り、二者択一で済む話ではない。

テストアセットは残しておくべきである

実際、「テスト実施時にSEOトラフィック量をもたらしている要素を、新しい要素を配置する代わりに削除した場合、トラフィックを失うリスクがあるのではないか」という懸念はある。

これに対し、Mozの記事ではこのように書かれている

「SEOの観点から言うと、たとえばきれいなモデルよりもトラフィック量の多い私の画像などを削除した場合、Googleに対して空白を生み出してしまう。そこでGoogleが削除されたアセットを再スキャンしようとすると、サーバー側が404エラーが表示し、そのページまたは画像、動画は存在しないとGoogleに伝えてしまう。

テストに使った商品画像がGoogleの画像検索で1位に表示され、それで月間100人の訪問者が生まれるかもしれない。そのため、画像を削除すればGoogleもそれを検索結果から削除をするので、100件のユニークユーザーが失われるということになる(そして訪問者がその商品を探している場合、売上もかなり落ちるだろう)。

こうした理由から、私自身はほとんどのテストアセット(動画、画像、音声)を残すようにしている。唯一の例外は、単純にテストのためだけにユニークページを設定し、あとで消去して301リダイレクトで元に戻す場合だ。それはもちろん、Googleにこのようなテストページに注意を払ってほしくはないからだ。テストアセットを消去するというのは、私にとっては戦略的目的というよりはクリーンなシステムをキープしたいという強迫観念に近いものがある。URLの正規化とnoindexの使用をしっかりしていれば問題ないだろう。」

もう一度言うが、少なくともアーカイブと学習が目的なら、テストアセットは残しておくべきである。しかし、SEO的な見方からすれば、正規化とnoindexの使用が万全であれば、心配することは何もないと言えるだろう。

製品レビューがコンバージョンに悪影響を与えている場合

これは私が今まで考えさえもしていなかった問題だ。Experiment Engineルイス・センチネリオ氏が、この分野にはたまに矛盾が生じることもあると教えてくれた。

Luiz Centenaro

ルイス・センチネリオ氏
「多くの人びとが論じてこなかった問題の一つに、製品レビューがある。製品レビューはSEOとCROに効果的だといつも言われている。しかし次の場合はどうだろう?製品詳細ページ(PDP)で複数のバリエーションのテストを行ったとする。その結果、コンバージョンや1人当たり売上(RPV)に貢献していた、レビューやソーシャルプルーフなどを削除したバリエーションが最も良い結果であったとしよう。

それを実装するだろうか。それとも構造化マークアップや、製品レビューを設置することで得られるSEOメリットを失うというリスクを負うだろうか。

月間数千件の訪問を生み出す30件以上の製品レビュー(リッチコンテンツを含む)が、裏でコンバージョン率を10%低下させていたらどうだろうか。それでも成果の高いバリエーションをキープするだろうか。

その答えは各eコマース企業によって異なるが、SEOトラフィックを頼りにしている場合、製品レビューを削除してまでそのバリエーションを実装することはないだろう。」

しかし、私自身はこのケースに関してはやり方次第だと言いたい。レビュー内容がひどく、レビューによってコンバージョンが低下しているならば、駄目な点を修正して、さらに良いレビューを得るべきである。それを価値のある定性データとして利用すれば良いのだ。

そして、もしそれが何らかの理由によって邪魔になってしまっているなら、もっとうまく実装しなければならない。レビューを使ってコンバージョンを増やす方法はそれこそ星の数ほどあるのだ。

バランスを取ること

RoverPassの成長部長のベンジャミン・ベック氏は、コンバージョン最適化やSEOに詳しい。ベンジャミン氏は、過去には大企業に勤め、長期成長を最大化するためのトレードオフまたはバランスがあるのではと考えた。ベンジャミン氏に聞いてみよう。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「通常、SEOとCROは企業が成功するためのワンツーパンチ的存在だ。SEOはコストを掛けずにトラフィックをもたらし、CROはそのコンバージョンを行う。

SEOとCROの間には適切なバランスがなくてはならない。どちらか一方に偏りすぎると、もう一方は劇的なダメージを被ってしまう。

CROに偏りすぎてSEOが犠牲になる例:

  • コンバージョンに注力しすぎて、コンバージョンが行われない限り価値を得られないページ。たとえば、フォームに入力しなければ価値のあるレポートが見られないなど。ページそのものに価値がないと、フォームページを自然検索結果でランクインさせることは難しい。
  • ページ(特にタイトルやURL)に主なキーワードが含まれていない。

SEOに偏りすぎてCROが犠牲になる例:

  • コンテンツにあまりにも多くのキーワードを入れようとする。商品を買うのはロボットではないので、人間によるコンバージョンを得られるようなキャッチコピーを書くこと。
  • リンクを含めたことにより、ユーザーがコンバージョンする代わりにページを離れてしまう。

どうすればCROとSEOが相性良く機能するようになるのか

たとえ大規模でセグメント化された組織内であったとしても、CROとSEOのワンツーパンチが相性良く機能する方法が存在することは明らかだ。大企業と中小企業の両方でコンサルタントとし勤務したことのあるベンジャミン氏が、これは通常どのように行われるのか、自身の経験を披露してくれた。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏

「私がさまざまな企業と関わった経験からすると、たいていトラフィックに従事する部門とコンバージョンに従事する部門に分けられており、両方を担当していることはあまりなかった。

  • SEO - トラフィックがゴール
  • ソーシャル - トラフィックがゴール
  • コンテンツ - トラフィックがゴール
  • Eメール - コンバージョンがゴール
  • PPC - トラフィックとコンバージョンがゴール(コンバージョンへの投資対効果を見る)

チームがゴール別にセグメント化されているということでOKだろう。しかし、これは全体の成長にとっては良いことだろうか。悪いことだろうか。利害衝突が生じることはないのだろうか?

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「利害衝突が起こるのは良い考えとも、必須であるとも思わないが、コンバージョンユーザーの元をたどるのはとても大変だ。

PPC広告はたいていランディングページを隔離させており、オン・オフの切り替えができるので、追跡したり辿ったりすることは簡単だ。

ソーシャル、Eメール、SEOなどはすべてコンバージョンに貢献しうるが、どのチャネルがコンバージョンをもたらすかは企業によって大きく異なる。

RoverPassの場合は、Facebookチャネルが多くのユーザーをもたらすものの、コンバージョンには至らない。しかし、そうしたユーザーのEメールアドレスを取得してまとめると、将来のコンバージョンにつながる。それでも半分はソーシャル(Facebookコミュニティ)によってもたらされたものと考えなければならない。」

セグメント化されたチームの外に出てみると、SEOとCROの共存はさほど想像に難くない。我々はこの2つがお互い助け合っている例を目にしている。どちらか一方を無視しないことが大切になってくる。ランド氏も次のように述べている。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「SEOは今でもウェブ上で最大のトラフィック流入元の一つである(SimilarWebによると、ウェブ上の口コミによる全アクセスの最大28%は検索によるもの)ので、訪問者を得たいと考えているものにとって、検索で良い順位を取るのは必須である。ここではCROが助けとなる。というのは、GoogleはポジティブなUXと有望なクエリを非常に重視しており、CROはこれに強いのだ。検索で訪問者を獲得し、CROでコンバージョンさせるというのが基本である。」

ところで、SEOチームとCROチームがしっかりと意思疎通を取れているなら、障壁を取り除いて双方で成功を収めることが可能だ。例としてV9SEOが、コンバージョン最適化につなげるための3つの主要なクエリの使い方について説明してくれた。

「SEOとしてはクエリを非常に重視している。クエリには主に3種類あり、それぞれが別々のユーザーインテントによって支えられている。

  • ナビゲーショナル(案内型)クエリ - ウェブサイト名の検索に使われる。インテントは特定のウェブサイトへのアクセス。
  • インフォメーショナル(情報型)クエリ - 特定のトピックについて情報を検索する。インテントはあるトピックについての情報取得。
  • トランザクショナル(取引型)クエリ - 購入する製品やサービスについて検索する。インテントは購入すること。

これら3種類のクエリはコンバージョン最適化に影響力を持つ。コンバージョン最適化を行うならば、(1)最適なコンバージョンアクションは何か、(2)コンバージョンを引き起こすコンバージョンアクションは何か、(3)コンバージョンに至るようユーザーを説得するための最適な方法は何か、を知るために特定のページにランディングしたユーザーのインテントを理解しなければならない。」

CROとSEOはいろいろな面でつながっている。分断されたチーム内の溝を埋め、上で説明したような情報を共有することにより、双方のマーケティングテクノロジーを育てることができる。

SEOとCROの未来

自然の摂理では、このブログ記事も短命だ。Googleのアルゴリズムは常にアップデートされていて、2年以内(または2カ月以内)には上で挙げた問題の多くが存在しなくなっているということもあり得るだろう。また、新しい問題が生じてくる可能性もある。

しかしSEOと最適化の現状すら、大変に楽観的なものである。ランド氏にSEOとCROはどのようにお互いを補完しているのか聞いたところ、希望を持てる答えを返してくれた。

Rand Fishkin氏

ランド・フィッシュキン氏
「CROは質の低い文言やユーザービリティー、良くないUXの識別に役立つ。これらはすべて、検索者にとってのより良いエクスペリエンスにつなげることができ、すると検索エンジンでもパフォーマンスが良くなる。すばらしい相互利益サイクルが生まれるのだ。」

私は何も未来を透視しているのではない。毎年数百件もの記事が投稿され、さまざまな業界について新しい予測を披露しているにもかかわらず、物事がどこへ向かっているのか確実に予想することは、誰にとっても不可能なのだ。

そうは言っても、「検索エンジン最適化(SEO)」と呼ばれるもの全体の方向性については、今日でもそのヒントを示してくれるものがいくつかあるようだ。

これは大まかに言ってしまえば、SEOとCROとの間の矛盾が少なくなっていき、一方にとってのメリットがもう一方にとってもメリットになるということだ。ベンジャミン氏も、物事がそちらの方向に向かっているのが見えると述べている。また飽和によってSEOが混雑した高額なチャネルとなるため、将来的にはコンバージョン最適化への投資が増えるとも確信しているそうだ。

Benjamin Beck

ベンジャミン・ベック氏
「SEOとCROは今後もどんどん密接になっていくと思う。

SEOは通常「無料のトラフィック」として見られているが、検索順位とトラフィックを得るための時間とコストは甚大なものになるだろう。SEOの競争が激しくなり続ける限り、コストをコンバージョンによって相殺しなければならないPPCのようになっていくであろう。

そのため、企業は多くのオーガニックトラフィックを獲得できているページから、より多くの利益を得るためにCROへの投資を増やしていくと思う。」

検索体験最適化(Search Experience Optimization)

今年の2月にForbesに記事を寄せたマイク・テンプルマン氏は、検索エンジン最適化の時代は終わったと述べている。その代わりに、SEOの略語の代わりとしての意味を含めて台頭してきているのが、「検索体験最適化(Search Experience Optimization)」最適化だ。その理由がこちらだ。

Mike Templeman

マイク・テンプルマン氏
検索エンジンがロジックを書き、大量のユーザー行動指標に基づく機械学習アルゴリズムを統合し始めことによって、ウェブサイト上のUXはどうあるべきかということが予想されるようになった。

現在測定されている基準としては、サイト読み込み速度やモバイル最適化、サイトの構造、コンテンツ、そして検索ユーザーがウェブサイトに期待しているものを得られているかの大量のシグナルなどがある。」

テンプルマン氏の未来予想には、「質問に対して答えを提供する」「モバイルを重視する」ということが含まれている。これは一般的な顧客体験にとっては良いことになるだろう。テンプルマン氏は例として、「スノータイヤ」という検索用語が「2008 Ford F150にとって最適なスノータイヤはどれか」に進化したことを挙げてくれた。

そのため、顧客からの質問に答える企業は検索順位も勝ち取っている。これは、サイト内でのキーワードの言及回数について悩むのをやめ、代わりに顧客が探しているものを見つけるためのサポートにより集中するべきだということである。

結論

必ずしも共にあるとは言えないコンバージョン最適化と検索エンジン最適化は、敵同士などではまったくない。事実、コンバージョン最適化への投資によって検索順位は上がるはずだし、実際そうしたことはよくあるのだ。同じように、SEOへの戦略的なブローチによりコンバージョン量やターゲット訪問者の数も増加する。

H1タグ内のキーワードや、コンバージョンには悪影響だが SEOには効果的なレビュー、テスト要素の欠落といったわずかな問題も、簡単に解決することができる。それに加え、A/BテストによってSEOが犠牲になる可能性を恐れる合理的な理由はないのだ。むしろ、より良いユーザーエクスペリエンスの提供は、Googleにも推奨されていることだ(そしてそれこそがGoogleがユーザーに届けたいサービスなのだ)。

最大の障害となるのは、結局のところ組織的なものだろう。ゴールが別々でコミュニケーションが不足しているチームなら、せっかくのポテンシャルを発揮できない可能性もある。成長の最適化に対し、双方の面からアプローチを取れば、コンバージョン獲得と流入獲得の両方で成功することができる。


この記事は、CXLに掲載された「The Intersection of SEO and CRO (and How to Maximize Long Term Growth)」を翻訳した内容です。


おわりに

弊社アイオイクスはSEO黎明期よりサービスを提供して参りましたが、Googleのアルゴリズムの進化に合わせ、より深くユーザーの分析に踏み込んだCROサービスの提供を開始いたしました。

そんな中でこの度、DLPO株式会社様と共同で海外CRO最先端事例セミナーを開催することとなりました。
日本ではまだ一般的ではないコンバージョン改善のフレームワークや、米国CRO業界を牽引してきたトップストラテジストが語るベストプラクティスをご紹介いたします。
croセミナー

お申込み、詳細の確認はこちらのページより。

コンバージョン率最適化とA/Bテスト : SMX West2018 ワークショップ

その名の通り、SEO(検索エンジン最適化)とCRO(コンバージョン率最適化)には密接な関係があります。SEOで得た流入をコンバージョンへと変換してこそ、ビジネスゴールを達成できるはずです。今回参加したSMXでは、12年間に渡り米国のCRO業界を牽引してきたアヤット・シューケイリー氏のワークショップに参加し、さらにSEOJapanとして独占インタビューをしてきました。– SEO Japan

コンバージョン率最適化とA/Bテスト

アヤット・シューケイリー氏について
米国で2番目のCROベンダーであるInvespの共同創業者。代表著書として、オライリーの「Conversion Optimization」がある。
アヤット・シューケイリー氏

あの企業ではどれくらいのテストが行われているのか

Netflix・・・年間1200以上のテストを実施
Booking.com・・・1000テスト以上が現在行われている
Facebook・・・99%の確率で10個のテストに巻き込まれている
Amazon・・・2011年には、7000テストが実施されている
Google・・・昨年は10万のテストが行われた

過去の経験からの学び

  • UIの要素を単体、パターン、機能でテストするということはない。特定ユーザーに対して特定のシナリオの中でテストを行うのである。
  • 他のサイトで上手くいったことが、あなたのサイトで上手くいくとは限らない

多くの人が弱いところ

  • 専門家としての見解
    • 整然としていない
  • 定性調査
    • 現実味がない
    • ランダムに実施される
    • 明確なネクストステップがない
  • 定量調査
    • イベントが適切に設定されていない・・・ゴミデータからはゴミアウトプットしか返ってこない
    • 当たり前すぎる
    • 現実を表していない
  • 優先付け
    • ランダムに優先順位付けをしている
  • 仮説設計
    • 意味のある仮設設計になっていない
  • テスト
    • 統計を理解していない
    • ユーザビリティテストをしていない
  • テスト後分析
    • 結論の導き出し方
    • 訪問者の理解の仕方
    • 勝者ばかりを見てしまう
    • 資料化、学習、そして興奮を共有すること

SHIPメソッド

CROを実施する過程をScrutinize(調査)、Hypothesize(仮説設計)、Implement(実行)、Propagate(展開)に分類。Invespが提唱するCROメソッド。

SHIPメソッド

Scrutinize(調査)

調査の過程で発見された課題点は、以下の4つのカテゴリに分類される

  • FIX IT RIGHT AWAY(即座に直すべき)・・・簡単なユーザビリティの改修など、テストをするまでもなく直すべき点(出血を止める)
  • INSTRUMENT(計測)・・・Google アナリティクスやタグマネージャーでの追加の設定が必要
  • RESEARCH OPPORTUNITY(調査可能)・・・テストをして検証をすべき領域
  • INVESTIGATE FURTHER(より深い調査)・・・顕在化はしていないが、ユーザーに何かしらの影響を与えている可能性がある領域。ユーザーに与えている影響を判断するために、別の調査が必要

調査フェーズ仕分け

シナリオ設計

誰をターゲットにするかは明確にしなければならない。
なぜなら、我々はこうあって欲しいという姿を顧客に求めてしまうからだ。あなたはあなた自身の顧客ではないのだ。

ぺルソナの設計(例:スーザン)
Suzan
ユニークな贈り物を友達にするためにウェブサイトを見ている
年齢、仕事、家族構成、年収、居住地域、パーソナリティ
生い立ち、贈り物をする背景
トリガーとなる言葉、目的、懸念事項、オンラインショッピングでの行動、モチベーション

定性調査

調査の流れ

  • 調査プランニング・・・調査のゴール、聞くべき質問、使用する手法、参加者数を選定
  • 調査実施・・・調査を実施し、データを集める
  • 調査結果分析・・・集めたデータを分析し、パターンを導き出し、行動可能なインサイトを得る

調査手法の種類

1体1インタビュー グループインタビュー ユーザビリティテスト 市場調査
収集できる情報の種類 深いペルソナに関する情報 市場に関するおおまかな見解 マーケットの情報は得られない 限られた市場の情報
市場に関するおおまかな情報 ×
ウェブサイトの機能に関する情報 ×
参加者への関与 ×

調査事項

  • モチベーション
    • なぜウェブサイトにやってきたか?
    • ウェブサイトで何をするつもりか?
    • どのようにしてウェブサイトを知ったか?
    • 今日はどうやってサイトにアクセスをしたか?
    • このページで何を見つけたいと思っているか?
  • 障害
    • 購入を完了する妨げとなったものはあるか?
    • 購入を断念しそうになった要素はあったか?
    • このページで改善した方が良いと思うことはあるか?
    • このサイトで注文する上での最大の懸念点は何か?
    • 今日注文をしない場合、その理由は何か?
    • 購入を完了する前に何か疑問点はなかったか?
    • このサイトを使いやすくするためには何をすれば良いと思うか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?
  • フック
    • なぜ我々から購入しようと思ったか?
    • 我々のサイトで最も気に入った点はどこか?
    • あなたにとって必要不可欠なものとなるために、必要な機能は何か?
  • 満足度
    • 友達に我々のサービスをどれだけおすすめしたいと思ったか?
    • 今日のウェブサイトでの体験を5段階で評価すると?
    • 我々のウェブサイトはあなたの期待に応えられたか?
    • このサイトを使っていて、予想と違う動作などはなかったか?

iPhoneのケースを販売しているECサイトの例
購入を阻害しているものは何か?

質問:購入を阻害しているものは何か?

  1. 必要な情報が見つからない
  2. 自分のスマホのサイズに合うか分からない
  3. 他の色が欲しい
  4. 送料の表記が見つからない
  5. 価格を比較したい

これらの質問の回答に対して、対応方法を分類していく。

対応方法

回答 テスト すぐ直す 調査 実行 備考
必要な情報が見つからない 何が情報として不足しているのか?
自分のスマホのサイズに合うか分からない 表記の仕方を変更する
他の色が欲しい バリエーションはあるが、適切に表記されていない
送料の表記が見つからない どうしたら視認してもらえるか
価格を比較したい

コンバージョンを増加させたデザインはこちら
勝ちデザイン

理由

  • ソーシャルプルーフを目立つところに配置
  • 最大4つの商品の利点を紹介
  • 論理的なペルソナのために機能を更に表示
  • 対応機種を明確に表記

表層意識と潜在意識
調査の回答には往々にして、「顕在化している意識」や、
「考えたり感じたりすることはできるが、口には出したくないこと」などが現れる。

しかし行動を左右していた考えなどは、潜在的な意識に落ちている可能性は現実にあり得る。
「感じることはできるが言葉には言い表せない」
「まだ気づいていないが、言われれば気づくことが出来る」
「認識はしていないが、自分の行動や感情に確実に影響している」
ことなどがそれにあたる。

1950年代ニューヨークで、エレベーターの待ち時間が長いことが問題となっていたが、
これを解決したのが「鏡」を設置することであった。
mirror

これは人々が抱える潜在的な課題を解決した良い例である。

Hypothesize(仮説設計)

PIEフレームワーク

ページ階層ごとに、3つの指標をウェイト付け。

  • Potential(ポテンシャル)・・・どれくらい改善の余地があるか?
  • Importance(重要度)・・・そのページにとってトラフィックがどれくらい重要か?
  • Ease(容易さ)・・・テストを、ページやテンプレートに実装するのはどれくらい技術的に、社内政治的に大変なものか?

PIEフレームワーク
※ホームページ、チェックアウトフォーム、商品ページに対して3つの指標からスコアリング。上記の例では、PIEスコアが最も高いのはホームページであった。

ここから各問題点毎に、優先度付けを行っていく。Invespでも独自の優先度付けモデルを使用している。
優先度付けモデル

問題点の要素

  • 潜在的なインパクト
  • 調査のどの過程で見つかったか?
  • アボブザフォールド(ファーストビュー)

テストアイディア

  • テストを実施することで主要コンバージョンに良い影響はあるか?
  • 実装の難易度はどれくらいか?(社内政治的な意味でも)
  • 訪問者の信頼を向上させるものか?
  • テストアイディアはユーザーのFUDs(恐れ、不安、疑念)を減少させるものか?
  • 訪問者の行動を促すものか?
  • エンゲージメントを高めるものか?
  • 変更の種類は?
  • ページの種類は?
  • どれくらいのページを閲覧したか?

優先度付けを行い、最終的には以下の形に集約する。
PostPrioritization
※各サイト内の課題点毎にグルーピングを行い、右列のPriorityで優先度をまとめている。

Implement(実行)

仮説設計が完了したら、テストを通して検証を行う。しかしABテストを行う際は、統計的に適切なサンプルサイズを対象としなければ、誤った帰結を得てしまう可能性がある。

偽陽性と偽陰性

テストを行い、誤った帰結を得てしまうパターンには、大きく分けてFalse Positive(偽陽性)、False Negative(偽陰性)の2種類がある

  • False Positive(偽陽性) / タイプ1エラー・・・誤っていることを正しいと結論づける。 (例:あなたは妊婦ですという医者。事実、患者は妊婦でない。)
  • False Negative(偽陰性) / タイプ2エラー・・・正しいことを誤っていると結論づける。 (例:あなたは妊婦ではないという医者。事実、患者は妊婦。)

Type1Error

検出力(Power)と有意(significance≒confidence)

  • 検出力(Power)・・・もし検出力を80%に設定すると、タイプ2エラーを起こす確率が20%くらいということになる。実際は正しいのに、誤っていると判断してしまうリスクを下げるためには検出力を高く設定する。
  • 有意(significance≒confidence)・・・有意を95%に設定すると、タイプ1のエラーを起こす確率が5%以下という事である。実際は誤っているのに、正しいと判断してしまうリスクを下げるためには有意を高く設定する。

テスト期間の試算

AB test size calculatorより試算を行うことが出来る。
テストページからのコンバージョン率を入力
キーとなる指標の予測改善率を入力
該当ページのユニークユーザー数を入力
検出力(Power)と有意(significance≒confidence)を選択
以上の手順から、ABテストに必要な期間を試算することが出来る。

Propagate(展開)

テスト結果が得られたら、そこからの気づきを展開していく。
Propagate

明らかにすべきこと

  • 結果はどのようなものだったか?
  • そこから何を学んだか?
  • 次のステップは何か?

セグメント分けは重要

常にデバイスでのセグメントは行う
セグメントをしすぎる前に、トラフィックの量を考慮する
トラフィックが十分だったか

次のステップ

  • 反復する
  • ピボット(妥当でない仮説が得られた場合)
  • より深く調査する(Investigate Further)
  • 他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
反復

反復には様々なアプローチの方法がある。

  • バリエーションをテストするセグメントを選びなおす
  • そのセグメントでは適用されなかった他のバリエーションを試してみる
  • 勝ちパターンvsオリジナルパターンの2者でテストをやり直す

反復のサイクル
反復サイクル
※(上から順に)改善するコンバージョンを決める ⇒ 仮説の変更 ⇒ 変数を特定し生成する ⇒ テストを実施する ⇒ 結果を測定する

ピボット

妥当でない仮説が得られてしまった場合、どこが誤っていたかを調べる。

  • 仮説が誤っていたのか?
  • データセットが誤っていたのか?
  • 解決策が誤っていたのか?
より深く調査する(Investigate Further)

テスト結果を解析し、ユーザーに影響を与えているというデータが十分に集まっているのならば、ABテストやユーザビリティテストなどでの調査可能範囲(Research Opportunity)として扱う。

エントリーフォームの例

Before

このページにおける離脱率が高く、カスタマーインタビュー等でこのページの情報には懸念があることを表していたので、
我々はページをより読みやすくシンプルにし、インセンティブを含むことで、離脱率を低下させ、コンバージョン率を10%上げることが出来ると考えた。

そして、この仮説を基にテストを実施した。

After1

しかしテストの結果、コンバージョン率が10%低下してしまった。

そこで、計算式の箇所の情報がユーザーの認識を低下させていると仮説を変更し、計算式の箇所のシンプル化を行った。

After2
その結果、コンバージョン率は35.4%向上した。

他の調査可能範囲(Research Opportunity)に対して、新しくテストを行う
  • 貴重な情報はテストのインサイトから来る
  • その情報を優先度付けシートに入れ込む
  • すでにテストで検証された項目ごとに、優先順位をつけて実施する。

世界が取り組むCRO


「実験の数を100から1000に増やすことが出来たならば、生み出すイノベーションの数も劇的に増えるであろう。」― Amazon CEO ジェフ・ベソス氏
ジェフ・ベソス氏

「Facebookのフロントのメンバーは、上司の許可なく1~10万規模のユーザーに自身で考えたテストをして良いことになっている。実際、Facebook上では常に何万もの実験が行われている。この仕組みは官僚的な階級制度や、無駄なミーティング、政治を排除している。」― Facebook CEO マーク・ザッカーバーグ氏
マーク・ザッカーバーグCEO
コンバージョン最適化はリニアではなく、顧客ドリブンなものである。

アヤット氏インタビュー

世界のトップレベルCROストラテジストと話す絶好の機会という事で、ご本人に直接インタビューをしてきました。

アヤット氏インタビュー

SEO Japan:早速ですが、13年間アメリカでCROの推進をしてきた中で、どのような障害に直面しましたか?日本ではSEOとCROの管轄部署の違いなどが課題になっています。

アヤット氏:私がCROを始めたころは、責任者に話をしても「CRO?何の略?SEOじゃないの」という感じだったわ。だからまずはこういうカンファレンスでCROのイントロダクションなどを通して彼らを教育して、興味を持ってくれるような会社に対してはなぜCROが重要なのかを伝えるところから始めたわ。
でも彼らからマーケティングの予算をとる時は、オンラインでのデータ等を見せるようにしていたわね。

SEO Japan:では、そのデータをベンチマークとして企業に提示していたんですね?

アヤット氏:その通り。証拠を見せるのが最も簡単なコミュニケーションの方法だからね。特に「これだけ収益を逃しているのよ」というデータは効果的ね。「なんでみすみすこれだけのユーザーを見逃してしまっているの?」ってね。

SEO Japan:それは理解しがたいですね。

アヤット氏:そう。彼らには「今あなたたちはたしかにこれだけの収益を上げているけど、本来は○○ドル上げられるチャンスがあるのに見逃してしまっているの。」と言ったわ。日本なら、円(YEN)ね 笑。 彼らにとっては切実な問題だから、サイトに訪れた後のコンバージョンを改善してあげる必然性が生まれるのね。

SEO Japan:なるほど。

SEO Japan:もし提案先がSEO対策もしておらず、十分なトラフィックを得ていない小さな企業のような場合はCROサービスは提供していなかったのですか?

アヤット氏:もちろん流入のある大きな会社に対してもそうだけど、小規模な会社に対してもユーザビリティの改善等は行っていたわ。
たとえ規模が小さかったとしても、決定的な欠陥が無くユーザーが使えるようにするのはトラフィックを増やすのと同じようにやるべきことなのよ。

SEO Japan:(ワークショップで言及していた)「Fix it Right Away(すぐに直すべきこと)」を無くせってことですね?

アヤット氏:小さな会社ならば、大体がRight Away(すぐにやるべきこと)ね。

SEO Japan:CROの提案をするにはどれだけのトラフィックが必要と考えてましたか?

アヤット氏:私たちはコンバージョンに基づいて、提案するかを考えていたわ。ワークショップで見せたスライドで100~150CVくらいと見せたけど、統計的優位性を考えるとそれくらいね。
でももし、この水準に達していない会社に提案をすることになったとしましょう。それでもテストをしなければならないときは、ページ単位での遷移を見たわ。購入だけがコンバージョンではないの。

SEO Japan:つまりマイクロコンバージョンを設定したと?

アヤット氏:そうマイクロコンバージョン。だからゴールは「このボタンをクリックするか」というところになるわね。

SEO Japan:サブスクリプションに結び付くかなどもこれに入るわけですね。

SEO Japan:最近巷ではAIに関連する商品やサービスなどがあふれていると思いますが、AIとCROが組み合わさるとどのようなことが起きるでしょうか?

アヤット氏:実際、AIを使って次にテストすべきことを予想するようなテストエンジンなどはもう生まれているわよね。でも、私はこれに対しては少し懐疑的だわ。
なぜならCROで大事なのは顧客に「共感」することだと考えているからよ。これはロボットにできるかしら?
ロボットはデータをアウトプットすることには優れているかもしれないわね。でもCROではそのデータから意味を導き出して、顧客のインサイトを理解することが必要。その点においては人間の方が優れているから、AIにCROストラテジストの仕事をさせるのは難しいと思うわ。
それらの技術をどのように使うかをどう使うかを考えるべきだけど、少なくとも現状のAIには限界があると思う。でも、特に日本はエンジニアが優秀なエンジニアがいるから、優れたものが生まれると思うわ。

SEO Japan:Optimizely、VWO、Google Optimizeなど様々なCROツールがあると思いますが、アヤットさんから見て、最も有用なツールは何でしょうか?
アヤット氏:それぞれにプロコンがあって、費用も違うから一概に言うのは難しいわね。マーケティングのツールは市場に6000もあると言われていて、それぞれが必要なシチュエーションにおいて役割があると思うわ。


米国では名だたる企業が実践しているという事もあり、CROの重要性は日本以上に認識されているなと感じました。
アヤット氏は物腰が柔らかく、突然のインタビューにも関わらず快く応じてくださりました。また、Invespのブログ記事の紹介に関してもご快諾いただけたので、今後SEOJapanでも記事をご紹介して参りたいと思います。
— SEO Japan

UXのプロはコンバージョン最適化をどう見ているのか?

CRO(コンバージョン最適化)の文脈においては、しばしばUX(ユーザーエクスペリエンス)についても議論しなければなりません。CROとUXが被る部分、そして対立する部分はどこにあるのでしょうか?そして、実際作業を行う際はどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
UXの専門家たちの意見を聞いてみましょう。
— SEO Japan

How Do UX Professionals View Conversion Optimization?

自分が取り組んでいることに対して、他者の意見を聞くことは、いつも楽しいものだ。

コンバージョンの最適化に関して、私たちはUXがプロセスの重要な部分を担っており、UXがさらなるコンバージョンをもたらしてくれると信じている。しかしUXの専門家たちは、コンバージョンの最適化をどう考えているのか?それが一体どういうもので、UX最適化の文脈に当てはまると考えているのだろうか?

その答えを見つけるため、私はUXの専門家たちに話を伺った。そこで学んだのは、彼らのコンバージョン最適化に対する認識は私たちのものと近い一方、必ずしも一致してはいないということだ。

UXのプロはコンバージョン最適化をどのようなものだと考えているか

UXのプロたちは、コンバージョン最適化をどう定義しているのか?また、コンバージョン最適化の取り組みでは何が行われていると認識しているのか?

Lean UX」の著者ジェフ・ゴセフ氏によれば、コンバージョン最適化とは「製品やサービスにおいて、顧客をより深いレベルのエンゲージメントへと導くための、価値の構成、CTA、価格の正しい組み合わせを見つけること」である。

他の人々も同様の定義をしている。コンバージョン最適化とは、もちろんより広範囲のものである。しかし人々の理解を話で聞いてみるのは興味深いものだ。例えば、MDH Human Pactorsの代表であるスーザン・オルソン氏は、こう語る。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「コンバージョン最適化は科学的な手法を使って、訪問者を顧客へと変えることです。効果的な戦略により、既存サイトにおける受動的な閲覧トラフィックを双方向の個人的な体験へと変えることで、より高い売り上げや利益がもたらされます。」

ウェブサイト最適化に、科学的なアプローチを持ち込んだところが私のお気に入りだ。なぜなら、コンバージョン最適化がただの「思い付きをテストすること」もしくは短期的な利益である、といった考えを薄めてくれるからである。

Digital Jugglerのオーナーであるジェームズ・ガード氏は、小さな行動と大きな行動の両方において、ビジネスの指標を改善する構造的なアプローチだと語っている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「コンバージョン最適化とは、目標が何であるかを問わず、ユーザージャーニーの進行や達成を改善する構造化されたアプローチだ。コンバージョンは財務ベース(注文の完了など)もしくはソフトターゲット(ニュースレターの登録など)の形がある。また、ブログを読んだ人のうちどれだけがシェアしてくれたか、というイベントベースの場合もありえる。

より広い文脈に関して、マクロコンバージョンはビジネス目標に沿ったものであるべきである。デジタルチャンネルはビジネスのビジョンの助けとなるべきで、もしビジネスの戦略にインフルエンサーを増加させることが含まれているならば、ネットプロモータースコアの調査、ソーシャルでの共有、友人へのおすすめなど、関連したコンバージョンを見るべきである。

マイクロコンバージョンは通常、マクロの文脈内でデジタルチームが運用するものになります。ここが戦術的最適化のプランが入る場所であり、マクロの目標を達成するために働く。例えば、マクロコンバージョンの目標が購入数の増加であれば、おそらくリストから製品ページヘのクリックの増加というマイクロコンバージョンが含まれることだろう。」

構造的なアプローチということには、全く同意である。私が発見したのは、大部分において、UXのプロはコンバージョン最適化をよく知っているわけではなく、それが何を伴うのかを非常に正確に理解しているということだ。ほとんどのプロたちは、構造的な最適化のプロセスを通して、ビジネスの指標を改善することだという風に考えている

コンバージョン最適化は組織にどう当てはまる?

次に私は、UXのプロたちがより広い最適化という文脈に、コンバージョン最適化がどう当てはまると考えているかを知りたくなった。CROチームは、SEO、ブランディング、IT、製品、そしてもちろんUXを含めて、どのように他者と働くことになるのだろうか?

UXとCRO(コンバージョン率最適化)の違いは?

最初に、コンバージョン最適化とUXの両方において、認識される目標を明確に描いておくと話がしやすいだろう。両者を実行するにあたり、どういった違いがあるのだろうか?

スーザン・オルソン氏によれば、効果的なコンバージョン最適化の戦略は非常に重要であり、コンバージョン最適化の法則の多くに、UXが当てはまると言う。実際、テストとリサーチを行ってチャンスのある領域を明らかにし、デザインを検証するという面においては共通だ。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「UXは学習、知覚、認識、振る舞い、動機に関連する多くの法則を、決定の判断に適用します。

コンバージョン最適化も、こうした心理学的法則を適用するのは同じですが、ユーザー体験を管理し、購入を行いたくなるような説得のマーケティングも合わせて組み込みます。

UXとコンバージョン最適化のどちらも、科学的な手法を活用し、繰り返しのテストを行うことが要求されます。しかしUXにおいて、テストはデザインの早い段階で行うのに対し、コンバージョン最適化では展開を開始した後に行うのです。」

次に、バーデン・ホップナー氏がQuoraで回答した、興味深い解説を見てみよう。

バーデン・ホップナー氏

バーデン・ホップナー氏

「UXデザイナーとは通常、UXプロジェクトでユーザーとの接点やクリエイティブを構築する人のことだ。ユーザーリサーチからのフィードバックを受け取り、ビジネスとユーザーに向けたソリューションを考える。UXデザイナーは非常に多様なバックグラウンドを持っており、しばしば、ワイヤフレーム、プロトタイプ、デザインソフトウェアのいずれかを使用して、アウトプットを制作します。

「コンバージョン最適化コンサルタント」は、特定のワークフローを評価する、短期的なビジネス契約を締結した人物です。ウェブ解析の経験を持っていることが多く、フローにおけるコンバージョン改善のため、一連のテストを提案する。こうしたテストを行うため、UXデザイナーと共に仕事をすることになるだろう。彼らが使いそうなツールは、ウェブアナリティクス、AB/MVTテストツール、デザインソフトウェアやパワーポイントだ。」

的を射た解説だ。しかしこれには、継続した最適化プロジェクトに取り組んでいる内部の人々が含まれていない。Axbom Innovation ABの創業者でUXデザイナーでもあるパー・アクスボム氏は、コンバージョン最適化を次のように語る。「これは開発プロセスと、デジタルソリューションの進行中に行うメンテナンスの一部である。実際の作業は他の誰かが行うとしても、責任を負うのは製品マネージャーなのだ。」

他にも、「コンバージョン最適化はUXの一部分である」といった反応もあった。また、次のようにも話している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「私は、コンバージョン最適化は実行可能なUXの一部分であると認識している。
ユーザー体験のコンセプトは非常に広く、研究、戦略から、プロトタイプやコピーライティングにまで渡る。

あらゆるUXの作業に共通して当てはまるのは、ユーザー行動に関するデータと洞察をスタート地点としているということだ。コンバージョン最適化は、最初にKPIの設定におけるスキルとして起こり、次に開発を推し進めるデザインの決定において発生し、三番目には継続中のメンテナンス作業で起こる。私は、UXとコンバージョン最適化が相互に補完し合っているとはあまり思えない。なぜならコンバージョン最適化とは、プロダクトマネージャーがいつ、どこで最適化が必要であるかを理解するということだからだ。」

その定義の中では、うまく意味が通るように思う。しかし私は常に、UXはコンバージョン最適化の一部であると認識していた。なぜならコンバージョン最適化を行う多くの人々はUX(もしくは解析)の経験があり、それが最適化を行う上での基礎のスキルセットであると考えていたからだ。
おそらく、こういった形になるのではないだろうか。

UX+Analytics+Copywriting+Testing=Conversion optimization

しかし正直にいうと、あまりにも実験とデータが目立つがために、私はUXがより理論ベースのものであるとも考えていた。

もちろんユーザビリティ調査には厳密な定量的分野がある。しかし私が感じたのは、コンバージョン最適化はそうしたものの多くも含んでいるということだ(図中に、重なるエリアがあるだろう)。そしてコンバージョン最適化にももちろん、ある程度のヒューリスティックな側面も存在する。特にまだトラフィックが多くない段階であればなおさらである。

UXとCRO
※UX:理論と発見、CRO:テストと経験論

UXとCROはお互いどう補い合うのか?

この2つは別々な領域ではあるが、UXとコンバージョン最適化は多くの部分で重なり、また補い合っています。

スーザン・オルソン氏は、どちらも意思決定における不確実性を減少させることを狙いとしており、それによって収益と信頼性が高まると話しています。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「収益の高い組織では、大きな賭けを行うのにデータを使用し、不確実性、間違い、差異を減少させ、同時に確実性、信頼性、利益を増加させます。

コンバージョン最適化においては、しっかりとテストをコントロールしなければならない。収集できるあらゆる観測や分析が結果を改善させうるが、それは仮説を肯定するもしくは否定するテストを経た場合だけだ。

ユーザビリティテストは、さまざまなシナリオを素早く探求して即座にフィードバックを得たい場合や、予測できなかった仮説を立てる際に価値を持ちます。」

最後のポイントは、私が何度も聞いた事柄が含まれている。ユーザビリティ調査は、より優れた仮説を知らせるのに使われるということである。私たちの、ResearchXLモデルにおけるひとつのポイントになっているのには、理由があるのだ。

Digital Jugglerのジェームズ・ガード氏が、これをうまく説明してくれている。

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「CROを行うには、テストに向けた仮説を立てるための洞察が必要となる。

証明、もしくは反証するための仮説がないテストには、集中すべきポイントがない。UXは、なぜそれが起こっているのかを理解する手助けとなってくれる。どうしてユーザーはモバイルで商品をカートに入れないのか、といったことである。

構造化されたUXのアプローチは、顧客中心的な考え方を用いて、ユーザーがどうウェブサイトと関わるか、何がうまく機能して、問題がどこにあるのかを探求する。これを優れた手法として、特定されたユーザーのニーズに基づいた改善に利用することができる。そのため、UXの考え方はCROプロジェクトの構造、焦点、関連性を改善できるのです。」

ついに、優れたUXはより高いコンバージョンをもたらすことが分かった。これはジェフ・ゴセフ氏も信じていることである。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「価値を明確に、簡潔に、力強くプレゼンテーションすること(コンテンツ、デザイン、美しさ、CTA)で、提供する製品やサービスでは大きなコンバージョンの改善が見られるだろう。これはUXにおいてもコンテンツ側に寄った話だが、しかしデザイン要素もブランドに見合うものであるべきである。」

しかしデザインは、計量的な考えとは対立するものではないのか?

分析はデザインの敵だ。もしくは、ある人々は(おそらく)そう考えている。実際は、全くそんなことはない。これはUIEのジャレッド・スプール氏が行った素晴らしい講演の議題であり、彼の結論は「デザインは計量的な考えとは対立するものではなく、デザイナーとして計量の世界を受け入れ、その大きな力で、今取り組んでいることを変えるのに使う必要がある」といったものだった。

彼はさらに、ユーザー体験と定量的な分析を隔てるべきではないと続けている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは経験を使い、あちらの人々は定量的データを使う、といった考えは間違っている。私たちは定量的データを、少なくとも行動に関するデータ関しては、持っておかなくてはなりません。

態度に関するデータなどはどうでもよい。しかし行動に関するデータは、人々が実際に何を行っているのかを示しており、定量的データがUXチームの活動の一部となっているのである。」

つまり分析と経験が交差するどこかに、コンバージョン最適化、もしくはスプール氏が語った定量化可能なUXのようなものが、あるようだ。

どちらの領域も「推測」は信じない

最適化の初心者たちは、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる的なアプローチが正しい道だと思い込んでいます。「とにかくテストだ!」と彼らは言います。しかし人々は、トラフィックのA/Bテストに潜むトレードオフを忘れています。時に半分の片割れを失っているという事実を。

現在、それが探求のリスクとなっています。そもそも私たちがA/Bテストを行う見返りとして期待しているものは、一貫した戦略的なテストを通して、どのデザインが最もコンバージョンを得られるのか発見し、検証することだ。長期間行えば、それが利益をもたらしてくれるのだ。

しかし、どれをいつテストするのかを思い付きで推測するだけでは、テストを無駄にするリスクが発生し、無駄が増えれば、テストに対する不信感が芽生えるだろう。

Users Knowの代表で、UX for Kean Startupsの著者であるローラ・クライン氏も、これに同意してくれるだろう。彼女は単に思い付きのテストを行い、うまくいくものを見つけることよりも、定量的なユーザビリティの洞察を集めてテストに注ぎ込むことが正しいと信じている。

ローラ・クライン氏

ローラ・クライン氏
「もし本当にコンバージョンを最適化したければ、なぜ人々がコンバージョンしないかを知らなくてはなりません。私は実験が大好きですが、実験を行うためのアイデアを素早く得るには、会話が有効です。多くの人々は、より高いコンバージョンを目指して自己の手法をただA/Bテストするだけです。理想的なセグメントに属する顧客と話をして、コンバージョンファネルのユーザビリティテストを行い、直接フィードバックを受けましょう。これがうまくできれば、あなたのA/Bテストがもっと効率的になるでしょう。」

多くの人々がコンバージョン最適化に関して誤解しているのは、私たちが思い付きをテストしていて、意味ある洞察をもとにテストをしていないのではないかということだ。推測するに、前述の図を元にすると、これはUXにおいてもよくある誤解のようで、発見やアイデアから逸れてしまうのだ。

実際はどちらの分野においても、とにかく壁に物を投げてくっつく物を探すような手法は好まれない。どちらも、研究に多大な投資をするのである。

「なぜ」を見つける

UXとコンバージョン最適化が交差するもう一つの場所は、理由を見つけようと試みる場合だ。どちらも定量的データを分析してチャンスのある領域を見つけ、ソリューションを探求する。これについてUIEのジャレッド・スプール氏はこう語っている。

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
理由を理解することなく、優れたデザインの決断を下すことは難しい。私たちは深い解析を行う必要はないのである。必要なのは、ユーザー体験を改善する指標だ。すでに私たちは、そのツールを持っている。「ジャーニーマップ」と呼ばれるものである。」

制御不能な意見のリスクを緩和する

デザインvs指標について、スプール氏は素晴らしい話をしてくれている。

「私は何年も、ある実験を行っている。ある画面を見せるのだ。あなたのようなデザイナーが部屋いっぱいに集まり、そこで画面を見せるのである。

そして、私は一人ひとりになぜこんなことが起こっていると考えているのか書かせる。思い付いた推測を書いてもらうのである。

もちろん、これら4つの推測はどれも同じ大きさで、平等にグループ分けされて示される。興味深いことに、そこに集まった全ての人が、自分が正しいと感じたものこそが正解だと結論付けてしまうのである。」

この実験は、Malwarebytesで最適化のリーダーを務めるアンドリュー・アンデルソン氏のものと似ている。彼の記事「物語の誤診」で語られたことを見てみよう。

アンドリュー・アンデルソン氏

アンドリュー・アンデルソン氏
「私が新しいコンサルタントにしてもらった最初の事は、まだ結果を見たことがないどんなテストも行ってもらい、なぜテストにおける全てのバージョンが最高のものであり、明らかに優れているのかを説明してもらうことだった。

このゲームを始めるといつも、コンサルタントはそんなことは不可能で、どれだけ難しいのかを語る。しかし4つ目か5つ目のテストを行うまでには、説明することがどれだけ簡単なのかを理解し始めるのである。

  • 「このバージョンはバリュープロポジションを改善し、余分なものを取り除くため、人々は共感する。」
  • 「このバージョンは、ユーザーに行動を促す前に鍵となるセールスポイントを訴求することで、購入者がたどる道筋により多くのものを加えている。」
  • 「このバージョンの色使いは製品が知覚されるのを助け、ブランドに価値を加える。」

覚えておいてほしいのは、彼らはまだ結果は知らず、どれがうまく働き、どれが働かないかを判断する根拠を持っていないことです。これらの物語は、ただ物語を創造するために作り出しているに過ぎないのである。」

UXとCROのどちらでも、手がかりがない状態での推測、物語、根拠のない意見は尊重されない。

UXとCROに対立はあるか?

SEOとCROの関係性と同様で、UXとCROも相互補助的に働くと考えられる(マーケティングを始めたばかりの人々は、その頭字語から誤解を招きます)。しかし常にそうなのだろうか?私が話したUX専門家のうちの数人は、潜在的な対立について懸念を抱いていた。

直帰率と他の悪い指標

これはコンバージョン最適化に限ったことではないが、指標の中には政治的に影響されやすいものがある。つまり、あなたの計略を補強できるのである。ジャレッド・スプール氏が、スピーチでこのことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「私たちは好きなように、これらの数字を見る。それは直帰率だ。直帰率はコンテンツに関する検証を行う人々が、最も話題にする数値だ。「うちの直帰率は高いから、もっといいコンテンツを書かなければ」もしくは、「うちの直帰率が高いということは、訪問者は正確に求めるものを見つけられている、つまりうちのコンテンツは十分に質が高い」などと言う。どちらを選んでもらっても構わないし、自分が好む意見を支持するのに直帰率を使うことも可能だ。

これは分析ではない。これは計略を増強するものだ。部屋にあなたの計略を持ち込み、得られたデータでそれを支持する。これは問題で、私たちはこういった見方をしてしまった場合、どうやって他の見方をすれば良いのか、全く手がかりがないのである。そして私たちは会議に集まり、何をしたいのかをすでに理解した上で、決定を支持するためにデータを読んでしまうのだ。」

直帰率や類似した指標について、最適化に熟達した組織でこのような使われ方をしているとは言えない。しかし、オンラインには十分にひどい内容の記事があり、罪深い人がいることを知った。

コンバージョン率もまた、悪い指標である

文言によるコンバージョン率の最適化は大きな議論を呼んでいます。それは、収益やビジネスにおける実際の指標に一切言及しないまま、コンバージョン率に集中しているからです。

CXLのPeepは、「もし本当にコンバージョン率だけを上げたいのであれば、値段を半額にすればいいのだ。これで即座に上がる。」という例について述べている。またジャレッドスプール氏も、微妙に異なる形で、このことを語っている

ジャレッド・スプール氏

ジャレッド・スプール氏
「コンバージョン率には、他にも大きな問題がある。たとえば、私のサイトに一人の訪問者が来て、製品を見ているとしよう。一度戻って、また見に来てくれる。また戻って、またやって来た。それを繰り返し、ようやく購入してくれた。これは4回の訪問で1回購入が行われたとみるべきだろうか?それとも、一人の顧客がようやく購入をしてくれたとみるべきなのだろうか?

私たちは初回の購入のみに最適化するのか?それとも顧客が決断し、情報の印刷、上司や奥さんへの承認をもらうまでの時間を与えるべきだろうか?

我々は間違ったことに対して最適化しているようだ。あなたが望むように、コンバージョン率には意味を加えることができる。データを十分に長く曲解すれば、望んだ通りに働いてくれてしまうのだ。」

短期的ゴールを追求しすぎる?

私が聞いたうちでも最も大きな対立は、コンバージョン最適化は短期間の最適化になりがちな一方で、ユーザー体験の改善は長期間の満足度のために行われるというものだ。ここに少しでも真実が含まれているのか、それともただの誤解なのかはわからないが、これは長年信じられている。

パー・アクスボム氏は、これは長期間のユーザー満足度を考慮するよりも、短期間のビジネス目標を推し進めた結果であると説明している。

パー・アクスボム氏

パー・アクスボム氏
「もしコンバージョン率が飛躍的に上昇すれば、コンバージョンのプロジェクトとしては成功だ。しかし同時に、満足していないユーザーが増えれば、UXのプロジェクトとしては失敗です。短期的には売り上げは上昇するだろうが、ユーザーはすでに別のサービスへの乗り換えを検討しているかもしれないし、それによって後にユーザー数が突如として落ち込むことになるかもしれない。

私が最近書いた記事「おとぎ話に潜む落とし穴」で、UXを手がける人間として、コンバージョン最適化だけを行う人間にはならないことが私たちの仕事である、ということを論じた。私の恐れには2つの部分がある。

  1. 1. コンバージョン最適化を行う人々は、ユーザーを理解するのに十分な時間を使わず、間違ったデータ(時にはただの勘)で新しいデザインをこき下ろす。そのため、うまく動作するデザインソリューションに仕上げるのに時間がかかる。
  2. 2. そして高いコンバージョン率に集中することで、顧客が意図せず購入を行ってしまう場合、たとえば認知能力にハンデを持つ人が、うっかり同じ製品の定期購読をいくつも申し込んでしまうなど、を無視してしまう。時には、ただ余計な摩擦を取り除くだけで良いのだ。

しかし、UXとコンバージョン最適化の両スキルがうまく合わさればもちろん、魔法のような結果を生み出す可能性もあるだろう。」

ジェフ・ゴセフ氏は、最適化におけるダークパターンの使用についても懸念している。これは優れたユーザー体験とは真逆のものであり、訪問者を騙すような形でコンバージョン率を上昇させることができてしまう。

ジェフ・ゴセフ氏

ジェフ・ゴセフ氏
「コンバージョン最適化においては、本当に多くのダークパターンが存在する。これらは長期的なブランド、ロイヤリティ、リテンションを諦めるかわりに、短期的にコンバージョンを高める。一例として、過剰なメールマーケティングが挙げられる。これで早期にコンバージョンの上昇を達成できるが、この過程で、ブランドを大きく傷つけることになるだろう。」

ウェブデザインとコンサルティング業務を行うブラッド・フロスト氏も、これに言及している。コンバージョン最適化とUXは通常はお互いを補い合うものだが、ちょっとした手法を使うことで、人々を思い通りに操る力も秘めている。

ブラッド・フロスト氏

ブラッド・フロスト氏
「UXデザインのベストプラクティスに従えば、最小限の労力で人々を思い通りのユーザーフローへと招き入れることができるだろう。これはいいことだ。しかし!マーケティングのゴールとユーザーのゴールが異なる場合も多いため、ビジネス側はひどいUXテクニックを利用して、ユーザーの注目をビジネス側の意図するものへと誘導するような策略を企てたくなるのである。

私のアドバイスはシンプルだ。ユーザーと彼らの時間を尊重すること。継続的に良い体験を与えれば、ユーザーは喜んでニュースレターに登録したり、製品を購入したり、Facebookでいいねをくれたりなど、望む行動を取ってくれるだろう。」

Change Sciencesの創業者であるパメラ・パブリスカック氏も、短期目標と長期目標のバランスが常に理想的とは限らない点に触れている。

パメラ・パブリスカック氏

パメラ・パブリスカック氏
「CROとUXは、短期的な説得と長期的な付き合いのバランスが取れない場合に枝分かれをします。私たちの理不尽で感情的な内面をデザインするのではなく、最高の体験がそれらを支持するのである。結局、そうした体験こそがユーザーとの有意義な関係を最も育ててくれるのです。」

その他の組織的対立

私はCROとUXの潜在的な対立について、スーザン・オルソン氏の視点が気に入っている。彼女は、コンバージョン最適化は未だに誤解されていると言う。

スーザン・オルソン氏

スーザン・オルソン氏
「私はここには二種類の対立があると思います。まずは、コンバージョン最適化が過小評価され、誤解され続けていることです。まだ十分に発達しておらず、科学的な手法の知識が求められ専用のツールを使う必要があると思われています。もう一つは、最適化をUXとともに組織の戦略に組み込む方が合理的であるということです。特に組織内に熱心な推進派と、意見よりもデータを重視する文化の存在が求められます。」

ジェームズ・ガード氏も、対立は実践的なものと言うより、組織的な苦しみであると認識している

ジェームズ・ガード氏

ジェームズ・ガード氏
「科学的な観点から見て対立があるとは思わない。しかしビジネスにおいて、CROの責任者とUXの責任者の間に断絶が存在することはよくある。

たとえば、ウェブ解析の当事者はデータ分析を元にテストを計画するが、そこにテストの手法や優先度のアドバイスをくれるUXチームは含めない。

私も、顧客中心でないテストプログラムを見たことがある。それはデータを利用して問題を特定しデジタルチームがソリューションを導き出すものだが、テストの仮説を特定するのにUXドリブンのアプローチを使わず、ユーザーインサイトだけを元にしてソリューションを作り上げてしまうのである。

つまり対立は、広いビジネスの参加が必要とされるテストの実行の過程ではなく、一貫性に欠けるプロセスの中に潜んでいることが多い。」

おそらく、組織的な効率を向上させるには、UXと最適化(とSEO)のチームが手を組み、重要なビジネスの指標を増加させるよう働く必要がある。

結論

UXに関わる人々はほとんどの場合、コンバージョン最適化を正しいレンズで認識している。しかし、いくつか相違も見られる。

一つ目に、コンバージョン最適化の作業についての見方だ。バリュープロポジションとCTAが全てではない。

二つ目に、コンバージョン最適化を行う人々は、短期的な利益を追求するという考えだ。最適化の担当者が、ごくわずかに人を騙すような要素を入れ、200%の上昇が1日で得られたとしましょう。しかしそれでは振れ幅が大きくなり、またその上昇にもあまり価値はない。

こういった行動は、熟練のプロにはあまり見られない。

しかしまとめると、UXとコンバージョン最適化は、どちらもユーザー体験を最適化し、顧客とビジネスの成果の両方により高い価値を与えることなのである。認識は常に一致しなくとも、その目標は同じものなのだ。


この記事は、ConversionXLに掲載された「How Do UX Professionals View Conversion Optimization?」を翻訳した内容です。


目指すところは共通していても、内包している要素や期間の長さでの違いがあるというのは興味深いですね。また、CROは長期的にビジネスを発展させるためのプロセスであることは肝に銘じておく必要があります。

— SEO Japan

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