家事代行サービスのCaSyは不要なブランド品の買取もしてくれる

家事代行サービス「CaSy」を手がけるCaSy。同社は3月16日、古着やブランド品の買取を手がけるスタンディングポイントと連携してブランド品の買取サービスを開始した。ようは家事をやってもらう流れで服も捨てるんだったら、値段のつくブランド品はお金に換えてもらおう、というサービスだ。

CaSyはクラウドソーシングを使った家事代行サービス。クラウドソーシングとは言っても、スタッフには審査を実施の上、合格者に対してトレーニング(同社のオフィスは都内のマンション、そこで実習をしているのだとか)を行うことでサービスの品質を担保しているのだそうだ。実際、スタッフの合格率は「志望者の半分を落とすというと言い過ぎだが、かなり厳選している」(同社)だそう。

料金は都度利用で1時間2500円。現在は都内と神奈川県の一部でサービスを展開しており、売上高等は非公開だが、現在月次2倍ペースで利用が増加しているとのことだ。

今回の買取サービスは、冒頭に触れたとおりで「いらない衣服を捨てて欲しい」といったユーザーのニーズが増えてきたことからスタートしたんだそう。家事代行の申込時に中古買取をあわせて申し込むと、自宅に段ボールなどの買取梱包セットが送られてくる。

その段ボールにブランド品を詰めれば、あとは家事代行スタッフの訪問時に引き取りを依頼する、もしくは指定した時間に引き取りを依頼すればいい。その後スタンディングポイントが査定を実施、金額に納得すれば代金が振り込まれる。ユーザーの手数料は無料となっている。


クラウド翻訳「Conyac」のエニドア、外国語での記事執筆やリサーチが可能に

クラウド翻訳サービス「Conyac」を展開するエニドアは2月12日、新サービスを「Conyac Market(コニャックマーケット)」の提供を開始した。

Conyac MarketはConyacに所属する4万5000人のバイリンガルユーザーに対して翻訳だけでなく様々な仕事を発注できるアウトソーシングプラットフォームだ。

以前エニドア代表取締役の山田尚貴氏にも聞いたのだが、翻訳サービスを提供してきた同社に対して、最近ではネイティブスピーカーによる文章のチェック、書類の書き起こし、海外向けのプレスリリース作成、配信といった単純な「翻訳」にとどまらない仕事のニーズが増えていたのだそうだ。そんなニーズを受けて、2014年12月には、バリュープレスと提携して英文プレスリリースの作成・配信サービスを展開するなどしている。

Conyac Marketはこの取り組みをさらに拡張するもの。Conyacに翻訳者として登録する4万5000人のバイリンガルに対して、外国語でのコピーライティングや製品のキャッチフレーズの作成、記事執筆、リサーチ、原稿のネイティブチェックといった仕事を依頼できる。対応する言語数は70カ国語以上。利用手数料は、10万円までの場合料金の10%、10万円〜50万円までの場合料金の5%、50万円以上の場合は料金の2%となっている。


マイクロファクトリー:製造業へのインターネット適用は第三の産業革命を起こす

編集部: John B. Rogersはマイクロファクトリー方式で自動車を3Dプリントして製造販売するLocal Motorsの共同ファウンダー、CEO。同社はアリゾナ州チャンドラー、テネシー州 ノックスビル、ネバダ州ラスベガスに所在する。

アメリカの製造業に新たな未来を開く動きが始まっている。

MakerBotTechShopKickstarterのようや会社は、伝統的な産業化による製造業と雇用のモデルと、現在広まりつつあるフラットでネットワーク化した世界における製造と雇用モデルとの乖離を埋めるための重要な架け橋の役割を果たそうとしている。

先進国における製造業の未来を考えるにはその財務、資金調達と実際の製造プロセス、双方の新たなモデルを必要とする。その一つがマイクロファクトリーだ。

われわれの会社、Local Motorsでは、「ローカル企業がビッグになるにはそのローカルをビッグにしなければならない」と言い習わしている。世界でもっとも人口密度が高く、購買力も高い地域で大型のハードウェア製造(家電製品や自動車など)を開始すれば、意味のあるレベルの雇用を提供すると同時に、そのコミュニティーのニーズに迅速に反応しつつ、プロダクトの開発速度を大幅にアップできる。

私は中国で3年過ごし、Foxconnが作り上げた巨大工場について詳しくまなんだ。それ自体が都市であるFoxconn工場では靴箱に入る程度の大きさのものであれば、文字通りありとあらゆる電子製品を製造することができる。製造、保管、出荷のプロセスすべてが簡単だ。しかし、靴箱サイズよりずっと大きいプロダクトを大量生産しようとすると、Foxconnのような便利な施設は少ない。ましてそれに必要な資金を得るチャンネルはほとんどないといってよい。製造に必要なツールも部品も高価であり、流通も難しい。すべてが高いコストがかかり、一つのjミスが命取りとなりかねない。

しかし未来に向けて明るい展望も存在する。われわれは「第三の産業革命」ともいうべき新たなエコシステムの確立に向けて起業家の努力が実を結び始めている.

歴史を振り返る

ジェニー紡績機が蒸気機関と結びついて最初の産業革命が始まった。ジェームズ・ハーグリーブズが紡績機械を発明しなかったら衣類の大量生産は不可能だった。20世紀に入るとヘンリー・フォードが流れ作業による製造ラインを備えた巨大工場を完成させ、複雑な機械の大量生産に道を開いた。.蒸気機関はやがて石油を燃料とする内燃機関に置換えられた。この第二の産業革命はトヨタ自動車のカイゼン・プロセス、つまり組織的かつ絶え間ない品質改善の努力によって完成の域に達した。そしてリーン・マニュファクチャーやシックス・シグマなどの高度な品質管理手法を産みだしている。

われわれが第三の産業革命と呼ぶのは、最近登場し始めた「インターネットを適用されたプロダクト」を指している(いささか使い古された感のある「モノのインターネット」より広い概念だ)。ここで「インターネットの適用」と呼ぶのは、「リアルタイムでの情報へのアクセス」、「産業用製造ツールの低価格化」、「有効な法的保護の提供」の3つの側面を意味している。

ローカルの起業家がグルーバルな巨大企業と同じ土俵で戦えるフラットで分散的な経済が第三の産業革命の特長だ。これを可能にするのは、伝統、慣例にとらわれない柔軟な発想と、そうしたイディアを即時に世界的に共有できるプラットフォームの存在だ。

即時かつ広汎な情報へのアクセス

たとえば私がMakerbotのクラウドソース・ライブラリ、ThingiverseからドアのグロメットのSTLファイルをダウンロードすれば、数時間後には3Dプリンターからその実物が出力され、われわれの自動車のドアに組み付けることができる。われわれのコミュニティーでは常に誰かが新しいアイディアを出して、それが共有されている。GE AppliancesはFirstBuildというマイクロファクトリーを建設した。目的は世界中の才能ある人々のアイディアに対して開かれたハードウェア工場だ。

製造ツールの低価格化

マイクロファクトリー方式のメーカーは高価な産業用ツールを低コストで利用できるようになった。TechShopなどを通じて強力なコンピュータ・パワーと産業用3D プリンターを時間借りできる。Cathedral Leasingなどを通じてリースも可能だ。

またアメリカ・エネルギー省のオークリッジ国立研究所ではORNL Manufacturing Demonstration Facilityという野心的プロジェクトで、研究者と民間企業が共同してスーパーコンピュータにアクセスし、最先端の製造でくのロジーを開発、実証する試みが進んでいる。

製造プロセスのクラウドソース化、資金調達のクラウドファンディング化によって、ハードウェア、ソフトウェアを問わず、製造業にに必要な当初資金は大幅に低下しつつある。

有効な法的保護

現在、アメリカではユーザーが生んだ知的所有権に対するさまざまな保護と調整の仕組みが整備されている。Creative CommonsMITGNU のようなオープンソース・ライセンスはマイクロ・ファクトリーが安心して広汎な既存の知的財産を利用し、改良してさらに共有する道を開いた。

マイクロファクトリー

マイクロファクトリーは、その小さいサイズ、高いアクセス性、必要な資金の少なさという重要な意義を備えている。

靴箱より大きいハードウェアをマイクロファクトリー方式で製造するなら、その成功の可能性は高い。なぜならデザインのクラウドソースと3Dプリンターを駆使するマイクロファクトリーはアイディアを形にするスピードが伝統的メーカーより格段に速いからだ。

クラウドソースは、即座に世界中の能力ある人々の知恵を借りることを可能にする。クラウドソーシングを理由すればエンジニアリング上のどんな難問でもきわめて短時間で解決可能だ。3Dプリンターは製造過程を高速化するだけでなく素材の利用効率が高く、結果的に無駄を出さない。これよって製造に必要なスペース、原材料が大幅に削減され、事業立ち上げのための資金も少なくてすむ。

マイクロファクトリーは伝統的製造業に比べて効率的なので環境負荷も低く抑えられる。消費地に接近しているため輸送、流通のコストも小さく、消費者の反応を即座に感じとって製品改良に活かすことができる。.

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(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+


ペアプロの有無まで紹介するITエンジニア特化の人材サービス「Forkwell Jobs」運営のgroovesが2.2億円調達

TechCrunchで2年半前に紹介したエンジニア向けのソーシャルサービス「Forkwell」を手がけるgrooves(当時はforkwell事業のために新会社garbsを設立していたが、合併)が総額2億2000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。既存株主の日本ベンチャーキャピタルと三井住友海上キャピタルからの第三者割当増資に加え、一部は日本政策金融公庫の資本性ローンでの調達となっている。

最近では10億円前後をエクイティで調達するスタートアップも多いが、grooves代表取締役の池見幸浩氏は、「株式を希薄化しても問題ないという起業家もいるが、僕はデット(融資などの他人資本)で資金を獲得できるならそれがいいと思っている」と語っている。実際今回の調達は日本政策金融公庫の本店(3000万円超、3億円以内の案件を担当)が担当しているとのことで、億単位でデットファイナンスを実施していると見て間違いなさそうだ。

さて前述のforkwellは登録ユーザー1万人で、109万人いると言われている日本のエンジニアの1%も取れていないのでまだまだこれからというところだが、これと連携するエンジニア採用支援サービスの「Forkwell Jobs」、中小規模の人材エージェントをクラウド化(同社は「クラウド化」と呼んでいるが、「ネットワーク化」のほうが分かりやすいかもしれない)して、最適な人材の採用を効率化する中途採用支援サービスの「クラウドエージェント」が好調だそうだ。今回の調達では、各種サービス開発に向けた人材確保などを進める。

前者のForkwell Jobsは、例えばペアプログラミングをするしないといった「コード品質への取り組み」や「使用するバージョン管理ツール」「使用するプロジェクト管理ツール」などなど、その会社の開発環境をこと細かに紹介するエンジニア特化の採用支援サービス。採用する側にもエンジニアとしての高いレベルが求められることもあって、「人材募集案件の4割はお断りしている状況」(池見氏)なのだそうだ。後者は特にエンジニアに特化しているわけではないが、複数のエージェントから最適な人材を一括で探すことができるため、ユーザーのニーズは高い。金額に関しては非公開ということだったのだけれども、すでにかなりの売上を達成して事業の黒字化を達成しているそうだ。


クラウドソーシングの基盤をオープン化するランサーズの狙い、そして課題

既報のとおりクラウドソーシングサービス「Lancers」を手がけるランサーズが8月12日に新事業戦略発表会を開催した。この発表会でランサーズは、2014年第1四半期(4-6月期)の流通総額が49億円、契約金額が4億5000万円、さらに会員数は36万6000人、クライアント社数は9万1000社と実績を公開した。また同時に、パートナー企業が同社のクラウドソーシングサービスのプラットフォームを利用できるようになる新サービス「Lancers Open Platform」を発表した。

Lancers Open Platformでは、ランサーズが保有する36万6000人(2014年8月時点)の会員データを外部のパートナー企業に公開する。パートナー企業はランサーズの会員をディレクションして、独自にクラウドソーシングを活用したサービスを提供できる。

当初はイノーバ、サイバーバズ、ByThink、サムライト、KoLabo International、八楽、BIJIN&Co.、LOCUS、インフォテリア、ファストメディア、デジタルステージ、オルトプラス、サテライトプラスの計13社がパートナーとなり、コンテンツライティングや翻訳、動画制作といった事業を展開する。

またパートナーのうちサイバーバスやBIJIN&Co.、KoLabo Internationalなどは、自社が抱える会員に対して、ランサーズ経由での発注ができるようなスキームも作るとしている。

ランサーズでは2014年内に100社までパートナーを拡大する予定。また2015年以降にはパートナー数の制限を取り払い、すべての企業にAPIを提供するとしている。

ランサーズ代表取締役社長の秋好陽介氏は、2008年にスタートしたLancersは日本初のクラウドソーシングサービスであると説明(追記 8月13日11時15分:記事公開後に「サイトエンジン(当時はアルカーナが運営)のアポロンのほうがサービスとしては先ではないか?」というツッコミが入った。ランサーズは2008年12月、アポロンは2008年9月の開始だ。ただしアポロンはすでにサービスを停止している。ちなみにKAIZEN Platform CEOの須藤憲司氏がリクルート在籍時に手がけていたC-teamも2008年9月の開始なので、厳密には「サービスが現在も提供されており、かつさまざまな仕事に対応するクラウドソーシングのプラットフォーム」という意味では日本初ということになる)。登録するユーザーがチームを組むことで大型案件にも対応する「Lancers マイチーム」を2013年末から提供しているが、現在「(月額で)500%成長」と好調ぶりをアピールした。

ランサーズの期待、そして課題

秋好氏は自社の好調ぶりを語ったが、クラウドソーシング市場全体の成長も間違いないものだろう。説明会でも、矢野経済研究所の資料をもとに「2018年には1800億円超の市場規模に成長する」という予想が紹介された。だがランサーズに課題がないわけではない。

秋好氏によると、直近の月額契約金額は2億円を超える見込みとのことだが、流通金額(仕事の案件総額。4-6月で49億円)に対する契約金額(実際の成約金額。4-6月で4.5億円)は決して高いとは言えない。

説明会ではその点について記者からの質問がなされており、オープン化の詳細を説明した取締役COO事業開発部長の足立和久氏も、課題として認識している旨を答えている。ただこれはLancersに限らず、オンラインで要件定義からディレクションまでを完結するクラウドソーシングサービスそのものの課題でもある。今回のオープン化で提携企業がきっちりとディレクションに入るのであれば、解決できることもあるはずだ。

また社外を見てみると、競合と言われるクラウドワークスも急速に成長している。直近ではリクルートグループとの資本業務提携を発表した同社だが、流通総額(ややこしいのだけれど、クラウドワークスの言うところの流通総額とは実際の成約金額のことだ)は年間20億円規模とも5月に報じられている。僕が直近に複数の関係者から聞いたところでは、すでに月額の成約金額ベースでランサーズとほぼ同等だという話も聞く。

秋好氏は説明会で「2008年からビジョンは変わらない。時間と場所にとらわれない新しい働き方をつくる」と語った。ランサーズでは、Lancersを2020年に1000万人が利用するプラットフォームに成長させるという目標を掲げている。


ランサーズ、2014年第1四半期の契約金額は4.5億円

クラウドソーシングサービスのランサーズが8月12日に自社の戦略説明会を開催した。同社はその中でクラウドソーシングのプラットフォームをオープン化する「Lancers Open Platform」を発表した。
プラットフォームの詳細は後ほど紹介するとして、同社が公開した数字をまず紹介したい。
同社の2014年第1四半期(4-6月期)の流通総額は49億円、契約金額(実際に発注者と受注者との間で仕事が成約した金額)は4億5000万円だという。
同社が契約金額を公式に発表したのは今回が初めて。直近では月額2億円規模になる見込みだそうだ。また会員数は36万6000人、クライアント企業数は9万1000社となる。


スマートロックとクラウドソーシングが連携するとどうなる?エニタイムズとAKERUNが試験サービス


先日インキュベイトファンドとディー・エヌ・エーからの資金調達を発表した生活密着型クラウドソーシングサービス「Any+Times」運営のエニタイ ムズ。同社がスマートロックシステムの開発を手がけるAKERUN(アケルン:現在法人化準備中)と連携したサービスを9月から試験的に提供することを明らかにした。

Any+Timesは家事代行を中心としたクラウドソーシングサービス。これに、AKERUNが開発するスマートロックシステムを組み合わせることで、家事代行の際のセキュリティの向上や入退室管理、鍵共有の効率化を図るという。

AKERUNが手がけるスマートロックシステムの中核となる「鍵ロボット」は、あらかじめスマートフォンとBluetoothでペアリングしておけば、スマートフォンが扉(というかロック)に近づくだけで自動で鍵を開けることができるというもの。他者のスマートフォンへの開錠権限を付与したり、時間を設定して開錠するといった機能も備える。単三電池1本で1年間利用できるそうだ(電池の残量についてはスマートフォン経由で知らせてくれるらしい)。現時点では詳細を聞けなかったが、特許申請中の新技術でセキュリティも強化しているということだ。

この鍵ロボットを持つAny+Timesユーザーは、家事代行を依頼する際、サポーターズ(Any+Timesで家事代行を請け負うユーザー)のスマートフォンに対して開錠権限を付与できるようになる。これによって、サポーターズは直接依頼人と会う必要なく、スマートフォン1つ持って家事を代行できるようになるというわけだ。以前エニタイムズ代表取締役社長兼CEOの角田千佳氏に聞いたところ、「最近ではAirbnb向けに提供している部屋の掃除などでAny+Timesを利用するユーザーもいる」と話していたのだけれど、そんな場合でもサポーターズ向けに合い鍵を作ることは少しためらわれる。その点、この仕組みがあれば、いらぬトラブルを避けることができる。

AKERUNはハードウェアエンジニアやソフトウェアエンジニアなど9人からなるチーム。エニタイムズのウェブディレクターである小林奨氏もそのメンバーだったことから、今回の連携が実現したという。まずは数人のAny+Timesユーザーに鍵ロボットを無料貸与して、Any+Timesのスマートフォンアプリの提供に合わせて試験的にサービスを開始する。年内にも正式に鍵ロボットを販売するよう準備中とのことで、今後はクラウドファンディングなどを通じて資金を集める予定だという。価格は現時点では未定だが、2万円程度での販売を目指すそうだ。また、Any+Timesで利用する場合は割引購入できるプログラムも用意するとのこと。

これまでにも、「Kevo」や「Lockitron」(現在プレオーダーとなっている)、「Goji」といったスマートロックシステムが海外ではあったようだが、日本発のスマートロックはクラウドソーシングと連携してどのようなイノベーションを起こしてくれるのだろうか。


生活密着型クラウドソーシングのエニタイムス、インキュベイトとDeNAから5100万円を調達

先日、クラウドソーシングを利用した家事代行サービス「CaSy」がサービスを本格始動したと紹介した。このサービスは、家事代行の専門スタッフをネットワーク化して、クラウドソーシングで提供するというモノだった。

今回紹介するエニタイムスの「Any+Times(エニタイムス)」は、CaSyとは少しアプローチが違う。クラウドソーシングで仕事を引き受けてくれる人材「サポーターズ」に対して、ハウスクリーニングやペットシッター、害虫駆除といった、生活に密着したさまざまな仕事を依頼できるのだ。

Any+Timesは2013年10月に始まったサービス。現在サポーターズは300人程度と少ないが、東京23区内を中心にしてハウスクリーニングやIKEAで購入した家具の組み立てといった仕事のマッチングがなされているという。Airbnbで貸し出されている部屋のクリーニングといった案件もあるそうだ。エニタイムスが創業間もない頃に聞いた話だと、米国の「TaskRabbit」を意識していたそうだ。

Any+Timesでは、依頼内容と報酬を設定してサポーターズを募集できるほか、サポーターズを検索して直接仕事を依頼できる。報酬は1回平均7000円程度。ただし15%が手数料として引かれる。最近では「認定サポーターズ制度」を開始しているそう。面接に受かったサポーターズに対しては、「認定サポーターズ」であることをサイト上で表示し、信頼性を高めているという。

そのエニタイムスが6月25日、インキュベイトファンドとディー・エヌ・エー(DeNA)を割当先とした5100万円の第三者割当増資を実施した。今後は調達した資金をもとに、システムを改善するほか、サポーターズの拡大を進める。

またあわせて、地方でのマッチング率向上に向けた施策も打ちたいとしている。「ある東北の商店街では、高齢化している住民に買い物代行のニーズがあると聞いた。自治体などとも組んでサービスを展開したい」(代表取締役社長兼CEOの角田千佳氏)


クラウドワークスがDeNAショッピングと提携–出店者の「ご用聞き」をクラウドソーシングで実現

ランサーズがKDDIとの共同事業でリアルビジネスのクラウドソーシング「ランサーズプレイス」を開始したと発表していたのが昨日。今日4月8日には、クラウドワークスがディー・エヌ・エーが手がけるショッピングサイト「DeNAショッピング」との業務提携を発表した。

今回の提携により、DeNAショッピングへ出店する店舗事業者に対してクラウドソーシングによるロゴ作成や商品画像加工、バナーなどの販促用素材の制作をサポートするという。 具体的にはDeNAショッピングの管理画面上にクラウドワークスのバナーを掲載。クラウドソーシングの利用方法などを紹介するほか、先着50店舗に限定して、クラウドワークスの有料オプションを無料で提供する。詳細は未定だが、今後もユーザーのニーズに合わせて施策を用意するという。

クラウドソーシングは非IT企業の「御用聞き」となるか

今回のクラウドワークスの発表と、昨日のランサーズの発表、いずれの取材でも出てきたキーワードは「御用聞き」だ。 ITリテラシーの高い個人、企業など、いわゆるアーリーアダプター層にはアウトソーシングの手法として認知されてきたクラウドソーシング。今後の課題はより広い層への認知、利用拡大にある。

そういった観点からクラウドワークスは「ECはやっているが、専業ではなくモールに出店する程度」という潜在的なユーザー層に対してリーチすることを狙ったと言えるだろう。 ECモールに出店する中小企業であれば、「今までは自社で画像加工などをしてきたが、アルバイトを1人追加して雇えない。そのためこれ以上の規模の拡大はできない」というケースもある。クラウドワークスは、そんなときにこそクラウドソーシングを使ってみて欲しいと提案しているのだ。狙うユーザー層にこそ違いはあるが、昨日のランサーズも同様の考えがあるようだ。


ランサーズがKDDIと手がけるのは「IT」と「非IT」をつなぐクラウドソーシング

オンラインで不特定多数の人に業務を発注できるクラウドソーシング。その多くはデザインやプログラミング、ライティングなどオンラインに閉じた業務がほとんどだ。

その取り組みをオフラインの業務まで拡大するのが、4月7日よりランサーズとKDDIが取り組む「ランサーズプレイス」だ。

このランサーズプレイスでは、工事や引っ越し、印刷など、リアル領域の業務をクラウドソーシングで展開する。すでに、KDDIの法人向けプログラム「KDDIまとめてオフィス」を展開する営業部隊が、顧客企業向けにランサー(受注者)としての登録を案内。ランサーズにてその申し込みをアクティブ化しているという。また同時に、発注者としてのニーズをヒアリングしている。今後は個人、法人を問わずに受注者の登録を拡大していく。当面はベータ版として運用し、10月にも本サービスを開始する。2014年度10万件の案件掲載を目指す。

「クラウドソーシングの本質的な価値はネットで完結すること。つまりITありきだった。そのため非ITの領域にはリーチできなかったが、そこにリーチできるようになるのが強み」——ランサーズ代表取締役の秋好陽介氏は今回の取り組みについてこのように語る。

KDDIの法人営業としては、顧客企業からの細かなニーズのすべてをサービスとして自社で提供することが難しい。そんな課題に対して顧客同士をクラウドソーシングでマッチングすることで解決したいというニーズもあったそうだ。

また同時にランサーズでも「たとえばこれまでランサーズでデザインを作っても、それをプリントする印刷会社までをつなげることができなかった」(秋好氏)というように、ITと非ITをつなぐソリューションがないままで、この溝を埋めたいという思いがあったという。

「リアル」ゆえの課題も

ただ一方で課題もある。KDDIまとめてオフィスの顧客企業には、ITリテラシーのあまり高くない中小企業も少なくない。秋好氏からは、KDDIの営業部隊に対して「クラウドソーシングとは何か」というところを理解してもらうまでにも時間がかかったという話も聞いた。そういう環境で、果たしてクラウドソーシングをどこまで利用してもらえるのだろうか。実際、KDDIの営業部隊が顧客からもらった紙の申し込み資料をランサーズがアクティベーションする時点でも説明が必要なケースが多々あるという話も聞いた。

しかしランサーズビジネス開発部の小口展永氏によると、クローズドベータ版の段階で、都市部については比較的ユーザーが集まっており、地方でも徐々に成功事例が出てきているという。「中小企業ではアウトソーシングができないと思っていた人が多い」(小口氏)とのことなので、潜在的なニーズをいかに顕在化できるかという点こそが成長の課題になってきそうだ。