NSA改革法案、上院で敗退


残念!

上院でのUSA FREEDOM Act[情報公開法案]は、必要な60票を集めることができず、58対42で敗れた。

投票前、私は電話口で人々の微妙なトーンの変化に気付いていた:通過するかもしれないという楽観だった。

そうはならなかった。今年の、本国会でのNSA改革はおしまい。そして最近私が言ったように、現在の上院における共和党のトーンを見る限り、今後数年のうちに何かが起きることは期待できない。悲観的なのは私だけではない。

というわけで、読者全員、暗号化を強化するように。合衆国政府は改革を適切であるとは考えていない。

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上院のNSA改革法案、予測不能の投票へ


二大政党とはこんなものか。今日(米国時間11/18)、Mitch McConnell上院議員(共和党)は米国情報公開法案を攻撃し、テロ国家ISISと争っている米国にとって有害であるという意見を支持した。一方、反対陣営からは、Dianne FeinsteinおよびRon Wydenの両上院議員(民主党)が、賛成票を投じる意向を示した。

ネット中立性で頭が混乱しているTed Cruz上院議員を始め、少数の共和党員が同法案を支持すると見られているが、概ねこの結論に落ちつく

「とにかく始めよう。私はこの法案を始まりだと位置づけているが、とにかく始めよう。今夜が改革の始まりだ」

そしてこれ

「今は両手を縛られているには最悪の時期だ。ISILの脅威は現実なのだ」

つまり、現状はそういうことのようだ。

上院では2:30 PSTに最終投票が行われる予定。通過には60票が必要だが、そこまで票を集められるかどうかは定かでない。今日私は、自信を持って結果を予想した人物に会っていないが、数字は厳しそうだ。

もし上院法案が否決されれば、本議会におけるNSA改革は終りだ。そして、McConnell上院議員がこの法案 ― 一部では不十分と考えられている ― が行き過ぎであると示唆していることを踏まえると、次の議会で改革が行われる可能性は高くない。

もちろん、たとえ上院が可決したとしても、下院がどうするかは不明だが、新年に面倒を持ち越さないために、下院が上院法案を通過させるかもしれないという臆測もある。
さあ、間もなく投票の時間だ。

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スティーブ・バルマー、全ツイートの3.8%を費してネット中立化を否定


FCCによるネット中立化の監視について「過ぎたるは及ばざるがごとし」と言っているIT幹部がいる。最近まで長年MicrosoftのCEOを務めていたSteve Ballmerは、FCCがインターネット競争にまで監視の手を広げる必要はない、と今日ツイートした。

Ballmerの25回目のツイート(全26回中)は以下の通り。

[インターネットアクセスにおける競争はうまくいっている。投資は十分で価格へのプレッシャーもある。@FCCの監視を強める必要はない。私はネット中立化に反対だ]

果たしてBallmerの指しているのが、大統領から最近リリースされたネット中立化計画のことなのか、FCCの一般計画なのか、あるいは他の提案なのかは不明だ。Ballmerの立場は、IT業界の多数意見とは異なる。元幹部は現在テクノロジーを離れ、バスケットボールチーム、クリッパーズのオーナーになる等、他の趣味に熱中している。

ちなみに、BallmerのTwitterアカウントは殆ど無名で、フォロワーは5000人以下だ。おそらく彼はフィードに加えておく価値がある。

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NSA改革法案、上院で停滞か


The Hill紙の上院情報筋によると、ホワイトハウスは死に体となった次期議会でNSA改革案を通過させたくないようだ。

現上院司法委員会議長、Patrick Leahy上院議員は、今年自らが起草した法案 - USA FREEDOM Act[情報自由法] ― の決議を推進しようとしている。同法案はIT企業および市民団体から支持を得ている。同名の法案は以前上院を通過したが、議決直前になって骨抜きにされたことで、プライバシー擁護派から嘲笑を買った。

上院の米国情報自由法は、米国における通話記録の一括収集を中止させるものだ。しかし、外国諜報活動偵察法第702項の改革までは届かないだろうと指摘する向きもある。Zoe Lofgren下院議員は当時、同法案について、第702項改訂に取り組んでいないのは「不足である」と発言した。

それでも、IT企業の間では同上院法案が支持に値するものであるとの全般的合意が形成されている - 同法の支持を推進した企業もあった
ホワイトハウスに見られる逡巡には、上院多数党院内総務のHarry Reidも同調していると言われている。同氏はこの立法議会に別の優先事項を抱えている。果たしてLeahy上院議員が、この共同戦線に対抗しきれるかどうかは不明である。

The Hillが引用しているBrookings InstitutionのBenjamin Wittesは、ホワイトハウスはもっとNSA寄りの法案を望んでいるとほのめかしている。そして次期議会でそれが提案させるかもしれない。以上を踏まえると、米国情報自由化法案は、2014年に決議されるか廃案かということになりそうだ。今週は目が離せない。

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スノーデンのプライバシーに関する助言:Dropboxは捨てろ、FacebookとGoogleには近づくな

エドワード・スノーデンによると、プライバシーを重視する人は、Dropbox、Facebook、Google等の人気サービスには近寄らない方がよいらしい。

スノーデンは今日(米国時間10/12)、New Yorker Festivalの中でリモートインタビューを受け、プライバシーを守るために、何がわれわれにできるかについていくつか質問に答えた。

最初の回答は、政府方針の改革についてだった。自分には「隠すものは何もない」という立場を取る人々に対して、それは「権利のしくみに関する責任の在り方を覆すことだ」と反論した。

「私には隠す物など何もない」と言うことは「この権利のことなど私にはどうでもよい」と言っているのと同じだ。つまりは「私はこの権利を持っていない、なぜならそれを正当化しなくてはならなくなったからだ」とあなたは言っている。本来、政府によるあなたの権利に対する侵害は、政府が正当化しなくてはならない。

さらに彼は、個人レベルでは暗号化ツールを活用し、「プライバシーの敵」であるサービスは使うのをやめるべきだと言った。例えばDropboxを避けるべき理由として、「暗号化をサポートしていない」ことを挙げ、SpiderOakのようなサービスを使うべきだと言った(スノーデンは以前にも、Dropboxがユーザー情報の保護は最優先であると回答したことに対して同様のコメントを述べた)。

[アップデート:Dropboxはスノーデンの発言に関連して、6月のブログ記事に「Dropboxで送受信されるファイルは、ユーザーとサーバーの間で暗号化」されており「サーバー上でも同様である」と書いている。DropboxとSpiderOakの違いは、ここにも説明されているように、SpiderOakは、ユーザーのコンピュータ上でもデータを暗号化している点だ。]

彼によると、FacebookやGoogleはセキュリティーを改善してはいるが、今でも使うのを避けるべき「危険なサービス」だという(彼がこう話すのを見ている人の画面には、必ずGoogle HangoutかYouTubeのロゴがスノーデンの顔の上に表示されていたわけだが)。この点に関する彼の最終的アドバイスはこうだ。暗号化されていないテキストを送るな、代わりにRedPhoneSilent Circleのようなサービスを使え。

インタビューの中でスノーデンは、iOSが暗号化を強化したことが犯罪取り締りに支障を来たすとする主張を退けた。たとえ暗号化されていても、政府機関は対象者の電話機を全面調査する捜査令状を取ることが可能であり、電話機には暗号化データの解読キーが入っている。しかも、AppleやAT&T、Verizon等がデータの召喚を受ける可能性もある、と彼は言った。

プライバシー問題以外に、スノーデンはなぜ彼が政府の電子監視プログラムを暴露する文書をリークするに至ったかについても話した。

秘密のプログラムはあってもいい。取り調べを受けている個人全員の名前を米国民が知る必要がないことはわかるだろう。諜報機関のあらゆるプログラムに関して、われわれが技術的詳細を知る必要もない。しかし、政府がどんな力を持っているのか・・・そしてそれがどうわれわれに影響を与え、どう海外との関係に影響を与るのか、大まかな概要は知る必要がある。なぜなら、もし知らなければ、もはや我々は市民ではなく、もはや我々にリーダーはいないからだ。我々は国民であり、我々には指導者がいる。

なぜスノーデンは米国へ帰って法廷に立たないのかという理由について彼は、米国政府のThomas DrakeChelsea Manningなどの内部告発者に対する扱いを見て、自分が開かれた法廷で陪審員によって裁かれることはないと確信したからだと言う。

「私は政府と交渉する中で、開かれた裁判、即ちDan Ellsbergと場合と同じように公正な裁判を行う用意があるなら喜んで応じると、再三再四政府に伝えた」と彼は言った。「しかし、未だに拒否され続けている」

スノーデンは、彼が中国やロシアという、それ自身人権やプライバシーに関して潔白とはいえない国々の保護を受けていることの矛盾は認めている。いわく、ロシアは彼が中南米へ行くための乗り継ぎ地のはずだった ― しかしパスポートは彼がモスクワ空港にいる間に取消された。

New YorkerのJane Mayerはインタビュー最後の雑談で、スノーデンにこれで自由にウォッカが飲めるだろうとほのめかした。彼はこう答えた。「実は私はアルコールを飲まない。殆ど知られていない事実だが、私は今までに酔ったことがない」

インタビューの全篇ビデオを下に貼った。プライバシーと消費者向けインターネットサービスに関する議論(2つの質問は続いている)は、58:30付近から始まる。

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マイクロソフト、米政府による監視手続きの改定を要請

Microsoftは、米国電気通信情報局(NTIA)の意見公募に答えた「ビッグデータ」に関する一連のコメントの中で、米国政府による監視およびデジタルプライバシーの扱いについて、同社が「クラウドの信頼性」構築に役立つと考える変更案を列挙した。

リストは内容の点では驚くべきものではないが、IT業界におけるMicrosoftの地位を高めるという意味で注目に値する。業界各社は、政府の侵略的監視行動に関する全面暴露に対する意見の公表には、どちらかというと消極的だ。

これは、Microsoftが「最小限」と呼ぶ、政府がとるべき施策のリストだ。

  • 電子通信プライバシー法、テクノロジーの変化に追従するよう改定する。
  • 外国情報監視裁判所を改革し、その手順がわが司法制度の象徴である対審裁判制度に則っていることを保証する。
  • データセンターやケーブルに侵入しないことを確約する。
  • 情報監視活動を通じて収集した情報の、量および種類に関する透明性を高める。
  • データおよび通話記録の一括収集を中止する。
  • 国際同盟国と協力して、刑事共助条約手続きを改善し、海外に保存されたデジタル証拠の入手には、一方的な方法ではなくその手続を使用する。

要約すれば、電子通信プライバシー法(ECPA)改定によって、メールの保護が強化される。外国情報監視裁判所の対審制度によって裁判が二面的になる。データセンターやケーブルをハックしないことによって、NSAのMUSCULARプログラムは無力になる。通話記録の一括収集を中止することによって、米国民の通信プライバシーが高まる。そして、刑事共助条約の改善によって、おそらく、現在米国政府が行っている、国内捜査令状によって海外に保存されたデータのアクセスを要求する方法は終了する。

これは実に優れたリストだ。

Microsoftは、プライバシー法案の迅速な対応も要求しており、これは一連のコメントの主題でもある。

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オバマ大統領のネット中立性支持発言を、IT業界が賞賛

先週オバマ大統領は、ネット中立性を擁護する発言をし、インターネットの「高速レーン」と呼ばれる、有償優先利用に反対した。オバマ氏の発言を受け、多くのIT企業は、カルチャーおよびプライバシーグループらと共に、アメリカ大統領を賞賛した。

企業や組織は、大統領のコメントに直接言及し、「[大統領が]インターネットの平等を守る行動を起こすことを期待している」とする記事を書いた

FCCのTome Wheeler委員長は、一部の突出した企業 ― ビデオ会社等 ― がISPに追加料金を支払うことで優先的アクセスを可能にするルールを主張して窮地に立たされた。こうした取り決めには「商業的妥当性」の検証が必要になる。

この計画は殆ど賛同を得られなかった。Wheelerの意図が何なのか、そもそも委員会で彼の計画を通過させる票を集められるかどうかも明らかではない。不満はホワイトハウスから議会へ、さらにはシリコンバレーへと拡大した。

オバマ大統領は状況を正しく説明した。

ネット中立性にまつわる問題の一つに、コンテンツ提供者毎に異なる料金体系を作るべきかどうかというものがある。これは大きな議論を呼んでいる。巨大で裕福なメディア企業が、高い費用を払い、高い料金を徴収することによって、インターネットの帯域を広く使い動画をもっと速くストリーミングしたがっているとしよう。

私個人、私の政権、あるいは多くの企業の立場として、インターネットのアクセスしやすさに差をつけることによって、ユーザーへの差別化をはかることは好ましくない。明日のGoogle、明日のFacebookが成功するために、オープンであり続けることが望ましい。

その通り。

FCCには、この問題に関してすでに110万件以上のコメントが届いており、ネット中立性は、史上最も多くコメントのついた法案だ。Wheeler委員長は、今年中に本議題を進めたい考えなので、近いうちに結論が出るだろう。

インターネットを正しく導くことは重大事だ。現存する最強の人物を安全の味方につけたことは実にすばらしい。Wheeler委員長、あなたの番だ。

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米上院、NSAj大幅改革法案を明日決議へ

上院議員、Patrick Leahyは、明日(米国時間7/29)「米国自由法(UFA)の一案を提出する予定だ。これは、弱腰の下院が以前通過させたものより、はるかに強力な法案だ。

New York Timesによると、同法案は米国の通話メタデータの大規模収集 ― エドワード・スノーデンによって暴露された最初のNSAプログラム ― を抑止するだけでなく、外国情報監視裁判所を改革して政府意見への反対論者を含め、裁判所の決定に関する情報を何らかの形で一般公開することを強制する。

さらに、政府が電話会社から通話メタデータを要求するための条項も盛り込まれている。

NYT紙の要約を見る限り、同法案は、米国人の会話を検索するための、いわゆる「バックドア」を閉じるものではない。バックドア検索は、複数の米国諜報機関が利用していることから、厳しい監視に曝されている。

真価は全文を見なければわからないが、Leahyの案が、下院の通過させたものよりも、強力であることは確かだ。下院の法案は、性急に通過させたことや、骨抜きになったと起草者の半数近くが反対に転じたことなどで不評を買った。下院決議案は、改革とは呼べないものだった。

提案された上院法案は、少なくとも電話メタデータ収集のドアを閉じるものだが、米国民全般の会話に関する一括データ収集を、より広く禁止する効果に注目すべきだ。NSAは、幅広い、多種にわたる一連の監視ツールを持っており、PRISMを通じてインターネット企業にデータを要求することから、インターネットを構成する光ケーブルそのものを傍受することまで可能だ。NSAがわれわれの通話記録を蓄積することを禁止するだけでは 、現在行われている過剰に侵入的な監視プログラムをやめさせるためには、著しく不足だ。

New York Timesの結びは、一考に値する。

全体的に見て、この法案は政府の監視能力向上を阻止する戦いにおける突破口であると言える。上院はこれを弱体化させることなく通過させ、下院にも同じことをするよう圧力をかけるべきだ。

これは、もし上院が、NSAに重大な影響を与える案を通過させることに成功しても、議場を1つクリアしたにすぎないことを、緩やかに想起させる。この上院の法案は行政機関との協力によってまとめられたものであり、下院での摩擦はそれほど大きくないと予想される。かつて下院の法案は現政権によって強く影響を受けたと私は聞いている。結果を待つしかない。

明日は、改革にとって大きな一日だ。波乱が起きるかもしれない。

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Amazon、FAAにドローン配達のテスト許可を申請

Amazonは、米航空局(FAA)に対して、国内で ドローンのテストを禁止する規則の免除を求める嘆願書を提出した

オンラインショッピング会社は最近、30分で荷物を届けると称する小型無人飛行物体を披露して話題を呼んだ。Prime Airと呼ばれるこのドローン配達サービスは、Amazonの配達時間を著しく短縮することによって、他のデジタルストアに対する競争力を高め、未だに伝統的店舗が持つ優位性である即時性の壁も低くする。

Amazonの計画は小さくない。

「いつの日か、Amazon Prime Airを見ることは、今日路上で郵便トラックを見るのと同じくらい当たり前になるでしょう。全国の消費者にとって壮大な利益です」と同社は言う。免除を申請することによって、法が整備された時点でドローンの準備を整えておける。

同社によると、ドローンは第8、第9世代まで進んでいて、最大時速50 kmで飛行できる。

FAAは、現在米国内の数ヶ所でドローンをテストしているが、目標時期を達成するためには遅すぎると批判されている。それが真実なら、FAAはドローン業界の成長を阻止していることになる。それはAmazonが巨大になると明らかに信じている市場だ。

なぜドローンは足を引っ張られているのか? ホビイストが楽しむための規則はもちろんあるが、商業利用については政府が渋り続けている。彼らの懸念はわかる。FAAは空を安全に保つのが仕事だ。ドローンが民間航空機の航路に入り、コックピットに衝突して数百人の命を危険にさらしたらどうするか。これは悲惨な仮説だが、意味は伝わるだろう。

私は、Amazon規模でドローン利用に参入する〈2番目〉の主要IT企業が誰かを賭けてみたい。Microsoftは恐らく研究所で何かをやっている。Googleは車に集中している。そして、Appleは? 何も起きそうにない。

さらには、ドローンファーストEコマース企業がAmazonに立ち向かうのはいつか。そして、熾烈なドローンレースの中からビッグドローンが出てくるまでに、とれだけのベンチャー資金が注ぎ込まれるのだろうか。

クリーンテクノロジーの二の舞にならないことを願いたい。

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携帯電話ロック解除法案、米上院委員会を通過

消費者は、自分の携帯電話を他の通信業者に簡単に移行できる道へ一歩近づいた。木曜日(米国時間7/10)、上院委員会は携帯電話ロック解除法案を修正、承認した。下院は2月に類似の法律を通過させており、本法案は上院で近く採決にかけられる見込みだ。

消費者の選択および通信競争の自由化法案は、消費者が現行著作権法に違反することなく、携帯電話を移譲(「ロック解除」)することを認めた議会図書館長による裁定を復活させるものだ。同法案は、司法委員会議長、Patrick Leahy(民主・バーモント州)によって昨年提出された。

「消費者は、別の携帯電話業者に移行する際、既に持っている携帯電話を使用できるべきだ」とLeahyは言った。「本日の司法委員会における強い超党派的投票を受け、上院がこの消費者の権利を支持する重要な法案を迅速に受け入れることを期待している」。

2006年から2012年まで、議会図書館は携帯電話の契約満了後の通信業者変更に関する例外を認めていた。しかし2012年、2013年1月26日以降に購入した携帯電話について例外を廃止した。ホワイトハウスのウェブサイトに提出された、この決定に反対する嘆願書は、11万を越える署名を集めた。

同法案は、携帯電話のロック解除に加え、タブレット等、他の無線デバイスもロック解除の対象にすべきかどうかを検討するよう、議会図書館に指示している。

上院議員、Al Franken(民主・ミネソタ州)は同法案の共同提案者であり、消費者は選択権を持つべきだと語った。

「この超党派法案によって、消費者は契約期間満了後に現在所有する携帯電話のロックを解除することが可能になるため、通信業者を変更する際に新しい端末を購入する必要がなくなる」と同議員はニュースリリースで語った。「この法案は、人々の出費を抑え、無線通信市場の競争を促進し、消費者の選択を広げる。単なる常識である」

AT&T、Verizon、T-MobileおよびSprintは、すぐにコメントを出さなかったが、携帯電話事業者団体であるCTIAの副会長、Jot Carpenterは、修正法案は通信業者とうまく均衡を保っていると語った。

「通信業者に義務を課すことなくロック解除を認めることによって、適正な均衡を保たせようとする司法委員会の取り組みに感謝している」と、業界団体副会長は語った。「本日承認された法案は、著作権局による2012年の決定が生んだ消費者の混乱を軽減することを目的とした、Leahy委員長の当初の提案と一致するものと当協会は理解している」。

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米国、2つの政府機関が連携して、学校内WiFiの設置コスト低減に取り組む

FCC(連邦通信委員会)は、米国の生徒1000万人が学校内WiFiを利用できるため、2015年に10億ドルの予算を計上する意志を表明した。今日(米国時間6/26)同委員会は、米一般調達局と連携して、対象校がWiFi機器を低価格で入手できるよう手配すると発表した。

この提携によって、「学校および図書館は調達局の逆オークションプラットフォームを使って、通常の調達価格よりさらに有利な条件で機器を探すことができる」とFCCは言っている。少々わかりにくい説明だが、要するに学校は設置コストを低く抑えられ、その結果米国の学校にWiFiが広く、おそらくより早く普及するという意味だ。

FCCによると、米国の生徒の60%がWiFiを満足に使用できる環境にない。もちろん、全くWiFiのない教育機関もある。昨年、FCCは学校内WiFi拡充のための予算は全く計上していない。

インターネットアクセスが速く便利になることは、生徒にとって良いことだ。デジタル化の進む世界では、あらゆる形やサイズのコンピュータ製品に熟達することが競争を有利にする。そしてそれは、われわれ自身の求人だけではない ― 多くの人々の競争力が高まれば、世界におけるこの国の競争力も高まる。

わが国の生徒全員が、最新テクノロジー製品や高速インターネットを使う機会を得るべきであり、そのためのソフトウェアを自主的に学ぶも必要だ。われわれは今以上に速く動かなくてはならないが、FCCの今回の決定が正しい方向であることは間違いない。

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マイクロソフト法務責任者、NSAの「無拘束な一括データ収集」中止を議会に要求

今日(米国時間6/24)午前、Microsoft執行副社長兼法務顧門、Brad Smithが、政府の蔓延する監視行動に異議を唱え、この国の安全保障機構に改変が必要であることを訴えた。

今日の談話で同氏は、一般捜査令状の歴史的背景について長く所見を述べた。植民地における怒りの主たる原因であり、最終的に武力暴動や合衆国独立へとつながった問題だ。

Smithは、議会に対して「無控束な一括データ収集の扉を閉じる」ことを要求し、FISA裁判所の「役割と手続き方法」の改訂および米国が発行する捜査令状に地理的制限を加えることを主張した。

一括収集に関してSmithはNSA文書に言及し、Microsoftが、2002年にNSAからの大量「Eメールコンテンツ」要求に従うことを拒否した “Company F” として記載されていることを示唆した。

さらにSmithは、Micrsoftが、スノーデン暴露の余波を受け「政府が大量のデータにアクセスしたとする[多くの]公開資料を、比較的少ない数字に訂正するのに苦労した」ことを指摘した。同社およびおそらく他社が実際に提供した実体だ。

その答は、NSAが海外の米国拠点企業のデータケーブルを傍受していたことを明かした報告書にあると、Smithは話した。Microsoftは、もしYahooとGoogle ― 文書に挙げられていた2社 ― が標的にされているなら、おそらく自分たちもも標的であると仮定せざるを得なかった 

Smithは、議論の分かれる緩和されたNSA改革法案、USA FREEDOM Actを最近通過させた下院が、一括データ収集の中止を進めていることを指摘し、「上院が残りの道のりを進んでくれることをわれわれ全員が望むべきだ」と語った。

FISA裁判所に関して、Smithは透明性の拡大、およびより敵対的なプロセスを要求した。彼は、民衆の代表者の参加が提案されているが、未だに法制化されていないことも指摘した。

最後にSmithは、Microsoftによる、米国政府が国内で発行した令状を、海外に保存されているデータの要求に使用することを停止することを求める最近の取り組みを話題にした。例えば、外国人ユーザーおよびアイルランドに保存されているデータに関わる件で、Microsoftは政府の要求に抵抗した。Microsoftは一審で敗れ抗告中。

Smithの一連のコメントは注目に値する。なぜなら、プライバシーや政府の行動に関する現在の議論から、Microsoftを明確に切り離しているからだ。企業として見る限り、Microsoftは裕福で、政治的に活動的であり、政府の振舞い方に満足していない。あなたや私が政府に不満を持つとき、その不満は3440億ドルの時価総額に基づいてはいない。

スノーデン効果は続く。

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オバマ大統領、Tumblrで若者と語る

オバマ大統領は今日(米国時間6/10)Tumblrに登場し、教育に関する話題についてユーザーの質問に答えた。

これもまた、大統領が若きアメリカ人の注目を引くために新しいメディアを使った一例だ。特に、一部で不評ながら、オバマ大統領がコメディー番組 “Between Two Ferns” でザック・ガリフィアナキスと共演し、Healthcare.govを宣伝したことは有名だ。その努力の甲斐あって、同ウェブサイトのトラフィックは急増した

大統領のTumblrへのデジタル旅行(物理的にはワシントンDCで行われたが)は、ユーモアも少なくなかった。上の「フィストバンプ」GIF動画は序の口だった。Tumblrユーザー、’HaikuMoon‘の質問への答えは爆笑を呼び、こう続いた


[私の質問が採用されたのはいいけど、大統領が私のユーザー名はクールって]

そして:


[大統領は君のURLがヘンテコでクールだけど、要するに不気味だと言っただけ]

これぞ2014年。

大統領は、Tumblrのファウンダー、David KarpをNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズと比べ、傑出した成功をおさめる人 ― ビル・ゲーツとMark Zuckerbergを例に挙げた ― は稀であると言った。もちろんKarpは、Tumblrを10億ドル以上でYahooに売った人物だ。

今回のTumblr出演の効果を、「Two Ferns」の時と比べるのは難しい。後者にはウェブトラフィックを増やすという単純の目標があり、明確に測定できた。学費ローン救済に関する情報を広めることについては、やや評価が難しい。

世界で最も力を持つ人物が、コメディー番組やおかしなGIFで知られるマイクロブロギングサービスに出演することは、少々奇異ではあるものの理にかなってはいる。夜の伝統的全国放送ニュース番組でリーチできる人数は減少している。そして、特定の年齢層にリーチする必要がある時は、彼らが集まっているところに出て行くべきだ。

また大統領は、学校内における銃暴力の蔓延に、対処できていない政府の政治風土を非難した。

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Microsoft、箝口令を含む国家安全保障書簡に異議申立て ― そして勝利

Microsoftは、昨年FBIの国家安全保障書簡に異議を唱え ― そして勝利した。本件に関する文書は最近公開され、その努力が公になった。

要点は単純。Microsoftは国家安全保障書簡を受け取り、エンタープライズ顧客に関する「基本購読者情報」を要求された。それがMicrosoftの解釈だった。要するに、FBIはある大物Microsoft顧客に関するメタデータを探していた。

書簡は、Microsoftがこのデータ要求について一切口外することを禁じていた。Microsoftは要求が理にかなっているとは考えなかったため、異議を申し立てた。そしてFBIは要求を取下げた。問題の顧客は、Office 365ユーザーだった。FBIは、「契約の下でMicrosoftから[編集済み]に提供された個別Office 365アカウント[編集済み]のブロック内でサポートされているEメールドメイン[編集済み]に関連付けられた、一ユーザーアカウントに関する何種類かの情報」を欲しがっていた。

通過しながらも当初の目標を果たせないであろうNSA改革法案、および暗号化を弱体化させプライバシーを損う政府行動の資金提供停止を目的とした2件の改訂法案が否決された後、これは嬉しいニュースだ。

ここで面白いのは、一通の国家機密書簡が撃退されたことではなく、Microsoftがどう反論したかだ。Microsotfが同書簡を合法的要求でないと感じた理由に関連する部分をいくつか抜粋した。

および、

これらの成功した論法は他の書簡にも応用できるかもしれない。

Microsoftは、これに明らかな経済的関心を持っている。Office 365の顧客たちに対して、そのデータとプライバシーの保護に関して政府と戦う意思があることを示したのだ。同社はこの勝利を「Microsoftのエンタープライズ顧客を政府の監視から保護するための、重要かつ成功を収めた一歩」であると説明した。

しかし、FBIが法的に異議を申し立てられた時、少なくとも時折、要求を取下げると示されたことは知っておく価値がある。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


SEC、Bitcoin関連のリスクをリストアップして投資家に警告

アメリカのSEC(連邦証券取引委員会)は以前からBitcoinの大ファンではないことが知られていたが、今日(米国時間5/7)、Bitcoinに関連して生じ得るリスクを長いリストにして発表した。なかなかインパクトのある文書だ。

SECはまずBitcoinが「通貨のように利用される」ことを述べた後、IRS(内国歳入庁)の「Bitcoinは通貨ではなく資産であり、その売買の損益は課税対象となる」という決定を引用した。これは実際、大きな暗雲だ

SECはまたBitcoin関連の投資に不利益になるような政府の規制が実施される可能性を挙げた。Bitcoinは法定通貨ではないので、アメリカあるいは外国政府はその利用、換金を禁止することができる。現に中国では厳しい規制が行われた

もっともSECの挙げた注意点の多くは「強引な売り込み営業、無免許業者に注意せよ」というようなもので、Bitcoinに限らずどんな投資にも当てはまる。しかしBitcoinに特徴的な問題も指摘されている。SECはMt.Gox問題を名指しで指摘している。

最近、Mt. Goxという日本のBitcoin取引所が破綻した。ハッカーが数千万ドル相当のBitcoinを盗み去ったと言われている。Mt. Goxはその結果、破産を申し立てた。同取引所のユーザーの多くは預け資産のほとんどを失った。

SECがBitcoinに潜在する大きな危険を正しく認識していることに注目すべきだろう。もっともBitcoinに好意的なベンチャーキャピタリストのSean Percivalの見解は少し異なっている。

(SECのBitcoin文書:長すぎて読んでない。とにかくスーパー・リスクがあるからスーパー楽しいんだ!)

ま、これにも一理ある。

ILLUSTRATION BY BRYCE DURBIN

〔日本版:SEC文書にはBitcoin投資と称するポンジ詐欺や誇大広告などの最近の例が挙げられている。〕

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


新しい政策は、情報機関がメディアに話すことを禁じただけだった

去る3月に施行された新しい政策によって、米国情報機関関係者(インテリジェンス・コミュニティー)は、事実上メディアと話すことを禁止された。これは非機密扱いの事象を含んでいる。

新ルールは、政府周辺各所に多くの怒号を呼んだ。指示に詳しく書かれている同政策は、一般大衆と情報機関との隔りをさらに大きくするものだ。

新しい規則は、2012年にその過激さへの懸念から上院で否決され法案に類似している。ACLUのGabe Rottmanは、指示文書についてこう語った、「[James Clapper国家情報長官は]国民が選んだ議員を通じて実施できなかったことを、法令によって行おうとしている」。

指示文書の重要部分を以下に示す。インテリジェンス・コミュニティーのメンバーは、メディアの誰と話すにも許可が必要であるとしている。

新ルールに違反した場合は、機密情報へのアクセスを失い、あるいは追放される場合もある。

では、メディアを通じた内部告発はどうなのか? 期待しない方がいい。指示文書には、不正、浪費、その他を通報する内部方法が用意されていることがわかりにくく表現されている。

さらに、内部告発者保護は、契約社員には適用されないことを指摘しておかねばならない。わが国の情報機関が最も頼りにしている人々だ。これは、エドワード・スノーデンにも影響を与えた。彼は、広く情報世界にいる何人かと接触しようとしたが成果は殆どあるいは全くなかったと最近語った。さらにスノーデンはこう続けた。

そう。私はこれらの明らかに問題のあるプログラムについて、10以上の地方政府に報告したが、誰一人としてそれを指摘する行動を起こさなかった。米国政府に直接雇用されていない民間企業の従業員である私は、米国告発者法によって保護されておらず、不法行為に関する機密情報の暴露に対する復讐あるいは法的制裁から守られない。

NSAその他に関してわれわれがどれほど知っているかを踏まえると、私はこの封じ込めを危惧しており、情報世界の真っ当な人々とメディアとの接触が禁じられることは、決して良いアイデアではない。他者と話すことを禁じられている状態で信頼が生まれることなどない。

The 以下に引用した、政府説明責任プロジェクトのJesselyn Radackによる同指示に関する解説は正しい。

この最新の行動が、行政の国家安全告発者に対する戦いの延長にあることは明らかだ。これは、James Clapperが議会に嘘をつき、自らが責任者として政府の過剰な大規模監視に関して大衆を欺いた政府行動について、市民が知ることを妨げるための醜悪な小細工である。

その通り。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


シェリル・サンドバーグ:FacebookはGoogleとの引き抜き防止協定を拒んだ

IT企業間における従業員の引き抜きを阻止することによって、当該労働者たちの公正な市場給与額を制限してきた大々的な共謀に、今日新たな趣向が加えられた。Facebookは協力を拒否していた。そして本誌はそれに関する文書を入手した。

今日広く報じられた提出書類には、Facebook COO Sheryl Sandbergの逸話が含まれ、かつてGoogleが、両社間の緊張緩和を提案するために彼女に接触してきたことが書かれている。Sandbergが当時を次のように語っている。

「2008年8月頃、私は当時GoogleにいたJonathan Rosenbergから連絡を受けた。Rosenberg氏は、FacebookがGoogle従業員を雇う際の、彼が言うところの想定レートについて説明した。同時期、私は同じような話題についてOmid Kordestaniとも話した。同氏もGoogleの人間だった。当時私は、FacebookによるGoogle従業員の募集あるいは雇用を制限することを拒んだ。それ以降も、同様の協定をFacebookとGoogleの間で交わしたことはない」

要するに、他の会社がAppleのいじめにあったり、互いに人材を引き抜くのをやめたりしていた時、Facebookは協力しようとしなかった。

2008年のFacebookが太陽よりも熱かったことは言っておくべきだろう。つまり、他社からの採用を続けていたのは、同社の市場におけるポジションを反映していたのもしれない。引き抜きをしている時に、武器を捨てる理由はない。

Googleは、Facebookに社員を奪われることに、どれほどイライラしていたのだろう。別の提出書類より:

【画像抄訳:Googleの人事責任者は、サイト信頼性技術(SRE)チームに対してFacebookが勧誘していることを知り、Sandbergに引き抜きをやめ、引き抜き防止協定の結ぶよう提案したが拒否された。SREメンバーの脱落を防ぐためにインセンティブを検討し、ついには相手の会社に立ち入り社員を追いかける案まででた。

2008年8月、ある社員をFacebookに引き抜かれた後、Googleのコミュニケーション担当VPは、Google経営委員会およびBill Campbell(Intuit 取締役会会長、Apple副筆頭取締役、Googleアドバイザー)にメールを送り、Facebookによる引き抜きへの懸念と共に、当該従業員に対して配置替えやGoogleにおける将来について話したが、昇給、昇進などチーム内に重大な問題を起こしかねない約束はしなかったことを伝えた。Bill Campbellは「誰がSandbergに接触して火を消すべきなのか? われわれには休戦が必要だ」と返信した。】

ともあれ、Sandbergは応じなかった。上の話はSandberg自身の物語を裏付けているように見える。

そして、次に起きたことは、企業が自社従業員の公正な給与を偽るために共謀しない時、起こるべきことそのものだった。

以下に、その部分を引用する。

【画像抄訳:FacebookはGoogle社員の引き抜きを続けた。例えば2010年、Facebookの新規従業員のうちxx名が、Googleから引き抜かれた。このためGoogleはFacebookの勧誘戦略を研究した。1ヵ月後、Googleは「ビッグバン」を発表し、定額給従業員全員の基本給を10%増加し、全従業員に一時ボーナスとして現金1000ドルを支給した。】

というわけだ。

要点は単純だ。従業員が働く場所を選ぶ権利を縮小することによって給与を抑制しようとする大型IT企業の試みは、極めて身勝手であるだけでなく、そもそもそれらの企業を成功させた市場原理そのものに反している。

好きな時間だけ市場を自由にすることはできない。Facebookがこの不正に関与しなくて本当によかった。

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ラリー・ページの願望は、全医療データの公開 ―大きな恩恵と大きなリスク

Google共同ファウンダーのLarry Pageは、TEDカンファレンスで珍しく公開の場に現れ、世界を変えると彼が考えるアイデアをいくつか披露した。「匿名の医療データをあらゆる医学研究者が利用できたらすばらしいだろう?」とPageは言い、それによって何十万もの命が救われると主張した。

Pageが正しいことを証明する優れた証拠はいくつかある。FDA(米食品医薬品局)のRichard Pratt研究員は、もし何百万という民間医療記録が研究者に公開されていれば、彼らはVioxxの致命的副作用を発見し、2万7000~5万5000人の死を防ぐことができた」と推測した

統計学者は、傾向が偶然ではないこと(「統計的に有意」)を見分けるために大きなサンプルを必要とする。データセットが含む人数が多いほど、多くのパターンが識別され、多くの命が救われる可能性が高まる。

現在、健康保険情報公開法によって、この種の情報の公開には厳しい制限が課されている。「これはHIPAAの過剰なプライバシー規則の結果だ」と、ハーバード情報・法律ブログの管理チームは、タイトルもふさわしい「HIPAAによる死」という記事に書いた

事実、あらゆる医療データを公開することによって、あらゆる種類の問題が識別できるようになる。研究結果を調べ、隠れた副作用を見つけ、ユーザーの行動に応じた個別の健康アドバイスを与えることもできる。もしVioxxが何らかの兆候であるなら、Pageの推測した救われるあるいは改善される命の数は、ずっと多いだろう。

しかし、問題もある。われわれのブライバシーを維持することはほぼ不可能だ。「われわれは、データから十分情報を取除くことによって、匿名化したふりをしてきた。ブライバシー保護を約束してきたが. この論文は、一定の割合の人口について、それが空約束だったことを証明している」と、医療の透明化を支持する非営利団体、Sage BionetworksのJohn Wilbanksは書いている。

上述の論文で、研究者らは匿名医療データベースの一部の登録者を、親戚のデータベースのDNAとマッチングすることによって、個人を特定することができた。

統計学者は、公開データおよび個人データから個人を特定する技術に、ますます長けてきている。そして、医学のブレークスルーに必要なその種のデータから誰かの正体を暴くことは難しくない。

役に立つと思われる因子をいくつか挙げる。

  • 場所:地域の有毒物質や公害は健康問題に影響を与えることがある
  • 年齢、身長、性別:ある種の人口層が特定の病気にかかりやすい場合がある
  • 私の職業:デスクワークは健康問題を起こしやすい

私を一例にとってみよう。身長163cmの31歳ユダヤ系男性でサンフランシスコのミッション地区に住み、メディアの仕事をしている人間はそう多くはいない。アマチュア統計学者がこれらのデータを組み合わせてTwitterを検索し、私の秘密の医療履歴を友達全員に知らせるためには、私がAmazonで1984を注文するほどの時間しかかからないだろう。

Pageのコメントが特に賛否両論を呼ぶであろう理由は、彼の会社がNSAの監視に関して以前認めていた以上のことを知っていたとする、最近の疑惑による。どんなに他愛のないものであっても、プライバシーに関する議論は会社を窮地に立たせかねない。

私はオープン医療データに関するPageのアイデアを支持する。改めて言っておくが、私は自分の性生活データを公開するような男だ。私は、将来医療データの透明化による恩恵が、われわれのプライバシー感覚を覆えす時が来ると思っている。そしてGoogleはそのツールを作る会社なのかもしれない。

[Image Credit: Daniel Kraft]

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ホワイトハウス、気候変動問題を証明するためにクラウドソース活用キャンペーンを実施

ホワイトハウスは、気候変動キャンペーン推進のために、 優れたデータサイエンティストを必要としているようだ。自ら終末論のシナリオを書く代わりに、ホワイトハウスは政府データを公開し、研究者による独自のシミュレーションを可能にすると共に、各都市が変動に影響に備えられるようにした。

「オバマ政権は本日、アメリカ民間企業の優れたイノベーターらが、公開された政府データその他のデータセットを活用して、アメリカのコミュニティーの気候変動に対する抵抗力を増すためのツールを作り、分野を横断した協力によって、それらのツールをできるだけ有用なものにするよう要請する」、とホワイトハウスのウェブサイトに掲載された報告書は説明している

沿岸洪水から津波活動にいたるまで、あらゆるデータは開発者が使いやすい形式で、新しいウェブポータルData.govに置かれている。このやや不透明な主題に関する作業にインセンティブを与えるべく、新データには賞品付きの競技が設定されている。「沿岸洪水イノベーション・チャレンジ」から「人々に沿岸災害ならびに人口増加および海面上昇による脆弱性の増大を理解させる」までテーマは多岐にわたる。

この活動は、最高技術責任者、Todd Parkの〈オープン・データ・ハッピー政策〉の一環だ。Parkは2012年に彼のアプローチを私に説明してくれた。

われわれは、あらゆる方面の起業家やイノベーターが、機械読取可能な形で保管されている政府データを活用できるようにする。彼らは、天候データやGPSデータと同様、われわれが想像すらできないようなあらゆるサービスや製品を作ってくれるだろう」

デベロッパーやデータおたくは、新しいツールの全貌をここで見ることができる。

[Image Credit: Flickr User NASA Goddard Photo and Video]

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


ビル・ゲイツ曰く、スノーデンはヒーローではない

Edward Snowdenが公式ファンクラブを始めた暁には、ビル・ゲイツが入会することは期待しない方がよい。世界一裕福な男は、ファンでも何でもなかった。Rolling Stone誌のインタビューで、ゲイツは、Snowdenのやり方から見た彼に対する見解と、プライバシーそのものについて考えを語った。

Snowdenをヒーローだと思うか、それとも裏切り者かという質問に答えて、ゲイツや少しためらいながらも、明確に一つの立場を示した。

彼は法を犯したと私は思っていので、もちろんヒーローとして扱うつもりはない。もし、問題を提起し国に留まり市民として反抗したかったというようなことであれば、あるいはもし彼が、公開する情報に関して注意深くあったなら、「いいか、私は本気で物事を良くしようとしているんだ」的モデルにはあてはまるだろう。私からはあまり賞賛を引き出すことはできない。

〈法を犯したからヒーローではない〉という基準は相当ばかげている。ゲイツが次の文で「市民による反抗」の方がまだよかった、と言っているのだからなおさらだ。

次にゲイツは、「政府の監視についてわれわれが何を知っているかがわかってよかった」と思うかを聞かれた。

政府はそういったことを行う能力を持っている。議論は必要だろう。しかし、もし詳細な議論をすれば彼らが使用している特定の技法は使えなくなる。だから、議論はどんな状況でそれらを使うことが許されるかという一般的概念に向けられるべきだ。

私が興味深く感じるのは、企業としてのMicrosoftは、NSAの活動やさらに大規模な監視状態に関して動きが早いことだ。MicrosoftはGoogleと共に、政府によるユーザーデータの要求に関して、もっと自由に情報共有できるよう政府を訴えている。

幸い、Snowdenによる世界への貢献は、その背後にいる人物を好きかどうかによらず、あなたの役に立つ。

IMAGE BY FLICKR USER ALAN DEAN UNDER CC BY 2.0 LICENSE (IMAGE HAS BEEN CROPPED) 

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook