Facebook、購売データ業者を利用した「車を買いそうな人」などのターゲティングを可能に

オンライン、オフラインの購売データ提供会社大手のDatalogix、Epsilon、Acxiom、およびBlueKaiと新たに提携したFacebookは、今後広告主が、既存・潜在顧客のハッシュ化リストや、RPGゲーマー、炭酸飲料好きなどのカテゴリーを使ってターゲティングすることを可能にする。この拡張されたCustom Audiencesプログラムは、本当の購入者にマッチした広告を打つことによって売上の拡大をもたらし広告主を引きつけることができるだろう。

先週AdAgeは、DatalogixEpsilon、およびAcxiomとの提携を初めて報じたが、その後BlueKaiを含めて正式に確認された。これは、Facebookの広告は単なるブランドマーケティングもどきではなく、企業の製品を買う真の顧客にリーチできる、ということを企業に知らしめたい同社の探究の一環だ。

これまで少々苦戦しているのは、複雑な製品、ターゲティングの制約に加えて広告主の体験の少なさゆえに、結果を出せない企業もあったからだ。それらの企業が、Facebookの広告プラットフォームは効果がないと言いふらして他の大広告主を怖がらせることもあった。

helpこれはFacebookが昨年9月にCustom Audiencesプログラムをスタートした理由の一つでもある。広告主のウェブサイトを訪れたユーザーをcookieベースでリアルタイムに再ターゲットするFacebook Exchangeを補完するものだ。データプロバイダーはcookeiを使ってCustom Audiencesに人を追加できるだけでなく、メールによる登録や他の連絡先情報を使用することもできる。

新しいパートナー4社は、すでに多くの世界最大級ブランドのために、メールマーケティングやダイレクトメールその他のオンライン広告でターゲティングを行っている。今後彼らは、同じデータを使ってFacebook広告を正確に狙い打ちできるようになると同社のStudioブログで語っている。企業はデータパートナーに対して、顧客あるいは潜在顧客のメールアドレス等の情報を、プライバシー保護されたハッシュ化リストにしてアップロードするよう依頼できる。これを使ってそのグループの人々をターゲットできるが、リーチしている相手を特定する個人情報を知ることはない。

これらのデータプロバイダーを利用したのことのない企業であっても、今回の提携の恩恵を受けることができる。Facebookは、定義済みカテゴリーとして自動車購売予定者、高級ファッション購売者等を用意しており、どの企業でも利用できる。

Facebook Data Provider Ad Custom Audiences

Facebookが行ったケーススタディーによると、シカゴの自動車ディーラー、Castle Auto Groupが既存顧客のCustom AudiencesをターゲットしたFacebook広告を組み合わせることにより、宣伝費の24倍の見返りがあった。香港のゲームデベロッパー、Klingnetは自社タイトルをプレイしそうな人々のCustom Audiencesを使用してインストール当たりのコストを40%削減した。

データ保護とハッシュ化によって広告主が個人を特定できなくしたのに加えて、Facebookはユーザーがこのプログラムからオプトアウトする手段も用意している。Facebookは、プライバシーページの注意書きで、Custom Audiences広告をクリックして、どの広告主が自分をターゲットしているのかを見て、その広告主の広告を今後受け取らなくしたり、そのデータプロバイダーのターゲティングから外れる方法まで詳しく説明している。

もしこのCustom Audiencesプログラムがうまく行けば、ホンダのディーラーは「シカゴ在住でホンダの好きな人」から「シカゴ在住で自動車販売ウェブサイトを訪れたことがあるか、ディーラーのメールに登録したか、3~10年前の間にホンタ車を購入した人」までターゲットできる。ご想像の通り、後者の方が販売につながる可能性はずっと高い。企業はFacebook広告で利益を上げることができれば、Facebook広告に宣伝費をかけるようになる。

これはみな、オンライン広告がより正確になっていく大きな動きの一環だ。時間と共にオフライン、オンライン双方の購売と行動が、特定の層や個人に結びつけられていく。テレビや印刷媒体によるターゲットの曖昧な掃射的アプローチは消え、やって来るのは商品にお金を払うつもりのある人々にレーザー照準された広告だ。これは、人々が多くの時間を費やすオンライン広告プラットフォームであれば、Twitterやその他のメディアサイトにとっても良い兆候だが、何といってもFacebookである。もし企業が、いつもそこにいる熱心な視聴者を捕えておくことができれば、ひとたび測定やターゲティングの技術が進化した時幸運を得ることになるだろう。

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(翻訳:Nob Takahashi)