アドビがCMS「Adobe Experience Manager」をクラウドネイティブSaaSとして提供開始

Adobe(アドビ)は米国時間1月14、同社のコンテンツ管理システム(CMS)であるAdobe Experience Manager(AEM)を「これからはクラウドネイティブなSaaSアプリケーションとして提供する」と発表した。これまでAEMは、オンプレミスまたはマネージドサービスとして利用でき、純粋なクラウドネイティブではなかった。

言うまでもなく、クラウドサービスとして利用できれば顧客にはクラウドから得られる価値のすべてが提供される。これからは顧客は、メンテナンスや管理やアップデートをいちいち気にすることなく、AEMのすべてのツールにアクセスできる。そしてマーケティングのチームにはより幅広い柔軟性と機敏性が得られ、最新のアップデートにほぼリアルタイムでアクセスできるようになる。

アドビの戦略とプロダクト担当上級ディレクターであるLoni Stark(ロニ・スターク)氏も、この価値命題を強調する。「AEMは高度なデジタルツールの採用に熱心な中企業やエンタープライズにとって魅力的なツールだ。常に変化している彼らのビジネスモデルをサポートするためには、単純性と柔軟性がもっと必要だったのだ」と彼は声明で述べている。

AEMの数多い能力の中には、顧客体験をリアルタイムで管理する機能がある。顧客データにリアルタイムでアクセスできるのだから、プロダクトもサービスも体験もいつでもリアルタイムの顧客知識に基づいて提供できる。

その顧客に合わせる努力はタイミングが限定されない。そしてターゲットとしては、企業のウェブサイトやモバイルアプリ、そのほかのチャネルなど何でも対応できる。企業もチャネルの特性に合わせてコンテンツを柔軟に調整したいし、また顧客データにも合わせたい。AEMは、これらのリアルタイムな要求をサポートしている。

AEMはアドビが2010年に買収したDay Softwareがベースだ。同社は最初、ウェブ上のコンテンツ管理システムを開発したが、それが徐々にAdobe Experience Managerに進化し、体験管理の面も持つようになった。現在ではこのツールには、コンテンツ管理とアセット管理とデジタルフォームのツールが備わっている。

同社は本日この発表を、今週ニューヨークで開催されている大規模なリテールカンファレンスNRF 2020で行った。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Google for WorkをベースにCRMを築くと簡明でユーザーフレンドリー、急成長のProsperWorksが$24Mを調達

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Google for Workを利用するCRMサービスProsperWorksが今日、シリーズBで2400万ドルを調達したことを発表した。このラウンドはNext World Capital(NWC)がリードし、Storm Ventures, True Ventures, Industry Ventures, Devoteam, および戦略的エンジェルたちのコンソーシアムが参加した。NWCはもっぱら初期的収益段階のスタートアップにテコ入れをしていくVCで、とくにそのポートフォリオ企業のヨーロッパ進出を助けることが得意技だ。

ProsperWorksのCEO Jon Leeによると、新たな資金は同社の技術開発と、営業およびマーケティングチームの拡大に充てられる。Leeは曰く、“この部屋にSalesforceという体重800ポンドのゴリラがいることは、否定できない。Einsteinのような、AIを使う新顔もいる。いずれも手強いことは手強いが、われわれは、彼らが提供しているようなインサイトにどんな企業でも容易にアクセスできるようにしたい。彼らを正しく使うための構成のカスタム化や複雑な統合が資金力的に十分できる大企業だけでなく、どんな中小企業でもね”。

とくにProsperWorksが今後の導入を計画しているのは、独自の機械学習機能により、企業の営業チームに営業努力を前進させるための具体的な行動指針を提供していくことだ。しかしCRMソリューションの知能化はSalesforceも目下検討しているし、Microsoftは同社のDynamics 365に、より本格的に機械学習を導入していくことを計画している(後者はProsperWorksを取材したあとに発表された)。

ProsperWorksの資金調達は、これまでGoogleの生産性スイート(一連のオフィスオートメーションアプリケーション)使ってきた企業にとって、好機だ。というのも今まさにGoogleは、エンタープライズに、より本気で関心を持とうとしているし、いろんな計画がうまくいけば、そのプラットホームは今後も継続的に成長していくだろう。そしてそうなれば、そのエコシステムを構成する企業ユーザーにとっても良い見返りがあるだろう。Leeは、“Diane GreeneがGoogleのエンタープライズ事業のトップになって以来、Google Apps for Workのエコシステムはかつてなかったほど強力になった。今こそ、その未来的な生産性プラットホームの上で現代的なCRM体験を顧客にお届けしていくべき、絶好のタイミングだ”、と語る。

彼によると、ProsperWorksの好調ぶりを支えているのは、ユーザーフレンドリーなCRMと、生産性スイートとCRMの一体化一元化の両方を求めている顧客たちだ。彼は後者の例として、最近の、SalesforceによるQuipの買収を挙げた。

完全なGoogle依存にはリスクもあるし、Google自身が自分に深く統合化されたCRMソリューションを今後出すかもしれない。しかし、Leeは心配していないようだ。“Google Apps for Workに完全にコミットしているうちのようなパートナーがいるかぎり、Googleが自分でCRMを作るニーズはない”、と彼は述べる。“CRMは簡単に作れるものではない。Googleにはできない、とは言わないが、製品開発と営業とマーケティングにまたがる専門的な取り組みを要する。Googleの努力はもっぱら、生産性ツールの市場を支配することに集中していた”。

ProsperWorksによると、その年商は“7桁”(100万ドルのオーダー)で、前年同期比の伸び率は504%、ユーザー企業は63000社だ。投資家としてNext World Capitalを取り付けたことにより、当然今後は本格的なヨーロッパ進出をねらうことになる。Leeによると、これまでもヨーロッパのユーザー企業は少なくないが、今後はヨーロッパ市場専任のスタッフを置きたい、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

CraterのSurveyBotは引っ越し企業の見積作成をビデオチャットで省力省コスト化

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今や貸し倉庫のような古い業界も、MakespaceClutterなどによるディスラプトが進んでいる。しかしもっと古い業界である引っ越し産業は、まだ比較的後れている。

少なくとも、昨日(きのう)までは。

Movelineの社員が始めたCraterは、SurveyBotと呼ばれるツールを作って、引っ越し企業のデジタル化を助けようとしている。

今、引っ越し屋さんの社員に自宅まで来てもらって、引っ越しの見積もりをしてもらうと、だいたい250ドルぐらいかかる。それがスマートフォンでできるようになったら、当然、見積の価格破壊が起きるだろう。

SurveyBotは、どんな引っ越し企業でも、自分のWebサイトに埋め込めるソフトウェアで、それを使って社員と顧客がビデオチャットをする。このソフトウェアはチャットができるだけでなく、会話の過程で明細書を作っていくから、最終的にできあがった見積もりは確実に、顧客がそれだけ払えばよい、という金額だ。

Craterは一件の商談につき、引っ越し企業に20ドルを課金する。もちろん見積に要する費用は下がる。

それにCraterが提供するのはソフトウェアだけだから、同社は世界各地にインフラストラクチャをセットアップしなくても、グローバル展開ができる。

たとえばCraterは最近Pickfordsと契約したが、ここはイギリス最古の引っ越し企業だ。

同社はこれまで自己資本のみだったが、最近30万ドルのシード資金を獲得し、赤字を解消できた。

Crater/SurveyBotについて詳しく知りたい人はここへ

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))