Dapper LabsのFlowブロックチェーン活用、ミクシィとDAZNがスポーツ特化型NFTマーケットプレイスを今春提供開始

Dapper LabsのFlowブロックチェーン活用、ミクシィとDAZNがスポーツ特化型NFTマーケットプレイスDAZN MOMENTS発表

ミクシィは2月4日、スポーツ・チャンネル「DAZN」(ダゾーン)を運営するDAZN Japan Investmentと共同で様々なスポーツのスーパープレイやメモリアルシーンをコレクションできるスポーツ特化型NFTマーケットプレイス「DAZN MOMENTS」を開始することを発表した。開始時期は今年春頃を予定。

また開発においては、「Cryptokitties」(クリプトキティ)や「NBA Top Shot」(NBAトップショット)を手がけるDapper Labsのブロックチェーン「Flow」(フロー)を基盤にサービス構築を行う。

DAZN MOMENTSは、日本国内で展開するスポーツ特化型NFTマーケットプレイスで、スポーツ選手のスーパープレイやメモリアルシーンといった貴重な動画映像をNFTコンテンツ(すべて動画)として提供する。コンテンツにはそれぞれシリアルナンバーが記されており、Flowブロックチェーン上にデータが記録される。

サービス開始時は、NFTコンテンツの収集をメインとして提供。その後、段階的にユーザー同士でコンテンツを売買できるマーケットプレイス機能や、コミュニティとして集まれる場を作るなど、同じ興味・関心を持つユーザー同士がコミュニケーションを取りながら楽しめるサービスにアップデートする予定。正式な提供開始日やDAZN MOMENTSで実際に展開するNFTコンテンツについては、公式サイトで随時発表する。

SNS「mixi」やスマートフォンゲーム「モンスターストライク」などを展開するミクシィは、「エンタメ×テクノロジーの力で、世界のコミュニケーションを豊かに」を中期経営方針として掲げている。その中で、Dapper Labsと業務提携に関する基本合意書を締結するなど、最新テクノロジーを駆使したエンターテインメントやスポーツ領域での事業創出に注力している。また2020年12月には、DAZNの「商業施設利用契約サービス」提供開始に合わせて、セールスエージェントパートナーとしてDAZNと協業を開始した。

今回の取り組みでは、ミクシィの最新テクノロジーを活用したサービス開発のノウハウと、DAZNが持つ豊富なスポーツコンテンツを掛け合わせた新規事業を創出することで、多くのスポーツファンが楽しめるサービスを提供できると考え、両社の強みを活かしたDAZN MOMENTSを開発・提供を開始するという。

DAZN MOMENTSでは、DAZNがコンテンツマネジメントやマーケティングを行い、ミクシィはサービス開発・運用を担う。

Web3のパワープレイヤー「アニモカブランズ」大解剖

ここ1年間程度でAnimoca Brands(アニモカブランズ)という名を耳にしたことがないという読者は勉強不足だ。デジタルエンターテインメント、ブロックチェーン、ゲームなどさまざまなコンテンツを提供し、香港に拠点を置く創業8年目、従業員600人の同社は、ますます多くの関係者が次世代のウェブと考える世界で最も活動的な1社となっている。

LAを拠点とするFan Controlled Football League(ファン・コントロールド・フットボール・リーグ)は、ファンがチームに関する決定をリアルタイムで投票するスポーツリーグで、米国時間1月13日、Animocaが共同リードするシリーズAの資金調達で4000万ドル(約45億9000万円)を調達したと発表した。スマートフォンやタブレット向けのゲーム開発からスタートしたAnimocaは、2017年頃にブロックチェーンゲームに進出して以来、150社以上の企業に投資を行っている。

それはまるで運命の出会いのようなもので、Animocaの創業者であるYat Siu(蕭逸)氏にとっては一目惚れともいえるものだった。当時Animocaは、ベンチャースタジオのAxiom Zen(アクシオム・ゼン)とオフィスを共有していたFuel Powered(フュエル・パワード)という会社を買収しようとしていたのだが、その際Axiomが取り組んでいた CryptoKitties (クリプトキティーズ)というブロックチェーンゲームに蕭氏は強く惹かれたのである。Axiomの創業者であるRoham Gharegozlou(ローハム・ガレゴズロウ)に助言をしていたFuel Poweredの共同創業者、Mikhael Naayem(ミカエル・ナイエム)を通してその存在を知ったという。

その直後の2018年初頭、AnimocaはAxiom Zenと1年更新の独占ライセンスおよび販売契約を結び、CryptoKittiesの出版契約を結ぶことになる。これが大反響を呼んだため、ナイエム氏とガレゴズロウ氏はチームを組んでDapper Labs(ダッパー・ラブズ)を設立し、Animocaが初期バッカーとなったのだ。現在Dapper LabsはNBA Top Shot(NBAトップショット)マーケットプレイスでさらに有名になっている。

それ以来、Animocaはすばらしい業績を上げている。パブリッシャーとして、また最近ではブロックチェーン資産やトークンの買い手としても活動しており、その膨らみ続けるポートフォリオには、10月に30億ドル(約3436億8000万円)の評価額で約1億5000万ドル(約171億9000万円)の資金調達を完了した世界的大ヒット作Axie Infinity(アクシー・インフィニティ)の開発元Sky Mavis(スカイメイビス)や、プレイヤーがゲーム内資産を作成して収益化できるゲームで、11月にSoftBank(ソフトバンク)が主導して9300万ドル(約106億6000万円)でシリーズBの資金調達を完了した人気メタバーススタートアップThe Sandbox(ザサンドボックス)などが含まれている(2022年1月初旬時点で、ユーザーがSandboxで購入できる最も小さな土地の価格は1万1000ドル[約126万円]以上だった)。

またAnimocaは、現在133億ドル(約1兆5218億円)もの評価を受けているNFTマーケットプレイスOpenSea(オープンシー)に早くから出資し、2021年ブレイクしたプロジェクトの1つであるBored Ape Yacht Club(ボアード・エイプ・ヨット・クラブ)と協力してBored Apeをテーマにしたゲームを制作するなど、常に活動的な姿勢をアピールしている。

こういったことすべてが積み上げられ、1月初旬に蕭氏と話したところによると、2021年11月下旬の時点ではAnimocaの保有資産は約160億ドル(約1兆8297億円)になっていたという。これはAnimocaがSequoia Capital China(セコイア・キャピタル・チャイナ)も参加した6500万ドル(約74億3000万円)の資金調達ラウンドで22億ドル(約2516億円)と評価されてから間もなくのことである。

興味深いのは、Sequoiaと残りのシンジケートが上場株式を買い上げたことだ。蕭氏の説明によると、Animocaは以前オーストラリア証券取引所で取引されていたのだが「Animocaが暗号を扱っていることが気に入らなかった」ため、2020年3月に上場廃止にされたという。現在同社は非上場公開会社として運営されているため、自社サイトやメーリングリストを通じて株主とコミュニケーションをとることができ、約2500人の株主が他の個人に株式を個人的に売却することができるのだ(誰がそれを所有しているかを知ってさえいれば買うことができる)。

一方、OpenSeaとDapper Labsの株式は同社の資産の一部とみなされており、その価値は今のところ理論上のものとなっている。「貸借対照表科目と同じで、基本的にAnimoca Brandsの資本価値に回っていきます」と蕭氏は話している。

Animocaの道のりに障害がなかったわけではない。米国時間1月10日、スポーツNFTを鋳造するAnimocaの子会社にセキュリティ違反があり、ユーザーは1870万ドル(約21億3700万円)相当のトークンを失い、子会社のトークン価格は92%も暴落してしまった(この華麗な新世界には独自のリスクがついてまわるのだ)。

それでも、現在Animocaのグループ執行会長兼マネージングディレクターである蕭氏は明らかにWeb3の信奉者であり、完全な分散型ビジネスを実現するための実用性を含め、最近よくささやかれている批判をあまり信用していない。

例えばBox(ボックス)のCEOであるAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏は最近Twitter(ツイッター)で、コミュニティの意見に依存する分散型組織が常に合意形成の試みに追われていては、どう競争できるのかと疑問を呈している。

このことについて問われると、蕭氏は「全ユーザーが先見の明があるわけではありません。比較するものがあれば、何がベストなのかわかるようになるでしょう」と答えている。

蕭氏によると、現在Animocaは2022年に実行する可能性のある投資やパートナーシップに重点を置いており「ゲームスタジオをブロックチェーン上に移行させ、エンドユーザーに本質的にデジタル財産権を提供する」ためにゲームスタジオの買収を続けていると話している。また投資面では、NFTのようなデジタルプロパティのネットワーク効果を発展させ、成長させることができるインフラに惹かれているとも伝えている。

それがどういうことかというと「融資、DeFi、細分化、プロトコル、そしてレイヤー1(ブロックチェーン)、レイヤー2(ブロックチェーン)」なのである。実際Animocaは、急成長中の企業が成長を続けるために必要な「クロスチェーン」を重要視しているのだ。

「企業がゲーム資産やNFTを立ち上げる際、例えばEthereum(イーサリアム)でも立ち上げて欲しいのですが、同時に(Dapper Labsによって設計されたブロックチェーンの)Flow(フロー)も検討するべきなのです。またSolana(ソラナ)でも開始して欲しいですし、HBAR(ヘデラハッシュグラフ)も検討して欲しいのです。つまり、できるだけ多くのプラットフォームかつできるだけ多くのプロトコルで、資産を展開することを推奨しているのです。それはこの独立性が非常に重要であると私たちは考えているからで、チェーンを国と同じように考えています。もし、ある国でしか製品を発売できないのであれば、その国の文化や可能性に制限されることになるからです」。

オーストリアで中国系として育ち、若干10代でドイツのAtari(アタリ)に就職し、その後同氏が初めて立ち上げたスタートアップを魚油会社に売却した蕭氏との対談は、ここから聞いていただける。Facebook(フェイスブック)のメタバース計画、Jack Dorsey(ジャック・ドーシー)氏のWeb3に関する考え、中国が境界線を引き直す中で香港のビジネス界がどのように変化しているかなど、さまざまなことを話し合った。

関連記事:イーサリアムよりはるかに高速だと主張するトップ暗号資産投資家たちに人気のブロックチェーンプラットフォーム「Solana」

画像クレジット:South China Morning Post / Getty Images

原文へ

(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

NFTゲーム大手Dapper Labsの次なる挑戦はアバター用デジタルアクセサリープラットフォーム「The Warehouse」

100億ドル(約1兆1374億円)を超える取引量を記録したNFTの大ヒットイヤーが終わろうとしている中、昨今のNFTプロジェクトの開発者たちは、今日のドルを追いかけるか、明日のユーザーを追いかけるかというジレンマに直面している。

Dapper Labs(ダッパー・ラボ)は、NBAのトップショットをヒットさせた2021年の主流ブレイクアウトの1つを作った会社で、投資家に対し、後者に賭ける開発者を惹きつけることができると納得させようとしている。最近の時価総額が76億ドル(約8674億円)に達した同スタートアップは米国時間12月13日、その追求の成果の一部を提示し、スターのためのアバターを提供するスタートアップGenies(ジーニーズ)とのパートナーシップによるプロダクトを披露した。それは野心的なNFTストアで、ユーザーがアニメのアバターを作ったり、NFTのアクセサリーを身につけたりできるようにし、Web3デジタルアイデンティティのハブとして機能することを目指していく。

「The Warehouse」と呼ばれるこの新しいプラットフォームは、招待制の小規模なユーザーネットワーク向けにローンチされ、今後数カ月のうちに、徐々により幅広いユーザー層に提供される予定であると両スタートアップはTechCrunchに語った。

この新しいプラットフォームでは、ユーザーは、Geniesアプリ内で作成する3Dアニメのアバターに、DapperのブロックチェーンネットワークFlow(フロー)で作られるマスクや靴、バックパックなどのデジタルアクセサリーを装着することができる。Geniesによると、店舗の大部分のアイテムは20ドル(約2270円)未満で販売されるが、それは特に一次販売に限定されるという。これらの商品の所有者が個々のアイテムの二次販売の市場を決めることになる。The Warehouseではローンチ時に二次的なマーケットプレイスが有効化される予定はなく、Geniesのチームは、この取り組みがやがて、再販価値ではなくプロダクトへフォーカスするコミュニティを生み出すことを期待している。

画像クレジット:Genies

Geniesはすでに、同社のネイティブモバイルアプリ内でデジタルアパレルやアクセサリーを販売する試みを行っているが、この投機的事業にはブロックチェーンやNFT関連の要素は含まれていない。GeniesのNFTエコノミーへの進出は、Dapperという特定ブランドのブロックチェーンに対する賭けである。Bitcoin(ビットコイン)やEthereum(イーサリアム)のようなネットワークほど分散化されていないかもしれないが、手数料の安さ、トランザクション能力の高さ、そしてクレジットカード処理やパスワードを忘れてしまうユーザーのようなWeb3「ラグジュアリー」に優しい開発者プラットフォームなど、切り離すことのできないユーザー利益の数々を提供するものだ。

Flowだけが、より安価な手数料とオンボーディングのしやすさを備えた消費者フレンドリーなブロックチェーンへの唯一の賭けではないことは確かだが、Dapperは将来の成功を約束して投資家から6億ドル(約684億9300万円)を調達した。Wax(ワックス)やSolana(ソラナ)のような競合するレイヤー1のチェーンでは、開発者がプラットフォームの強みとコインホルダーのウォレットを利用しようとしているため、ここ数カ月でネイティブのNFTプロジェクトからより多くの動きが見られている。ベンチャー投資家たちは2021年中に、Ethereumブロックチェーンを「ロールアップ」プロダクトでスケールしようとするいくつかの新たな暗号資産ユニコーンを立ち上げた。これにより開発者は、ネットワークのセキュリティを活用しながら、セカンダリーチェーン上での取引の処理とバンドルを進めることができるようになる。

2021年初めのNBA Top Shotの急成長はDapperに大きな注目を集め、月間取引額は2020年12月の100万ドル(約1億1400万円)弱から2021年2月には2億2500万ドル(約256億8300万円)近くに達した。最近においては、Top Shotのバイヤーとトランザクションのネットワークは最も顕著なライバルAxie Infinity(アクシー・インフィニティ)よりもはるかに下に位置している。暗号資産アナリティクスを行うサイトCryptoSlam(クリプトスラム)によると、Axie Infinityは2021年11月時点で、Top Shotの6万4000人に対して52万人を超えるユニークバイヤーを擁していた。Top Shotがその部隊を立ち上げて以来、NFT市場は爆発的に拡大している一方で、新たな高トラフィックプロジェクトの大半はEthereumを採用しており、そのネットワークを流れる何千億という流動的な暗号資産の活用を図っている。

画像クレジット:Genies

The Warehouseのローンチは、Dapperにとって特に大きな節目となる。Dapperは、Top Shotでの失敗から学びながら、開発者を惹きつけ、再び注目を集めることを期待している。Top Shotは拡大するオーディエンスへの対応に初期の段階から苦労しており、Dapperがますます多くのNFT Momentsを発行し続けることで、アーリーアダプターの一部は自分たちのNFTの価値を失い、フラストレーションを感じてきたという経緯がある。

「Genies WarehouseはNBA Top Shot以来最大のFlow向けリリースであり、同様の成功を期待しています」とDapper LabsのCEOであるRoham Gharegozlou(ロハム・ガーレゴズルー)氏は声明で述べている。

Geniesは今のところ知名度が高いわけではないが、同スタートアップの著名なパートナーは間違いなくその名を馳せている。何年も前から、アバターのスタートアップが現れ「デジタルアイデンティティ」のパイの一部を獲得しようとしてきたが、ゲームメーカーはサードパーティシステムの採用に興味を示さず、セレブたちはソーシャルメディアの影響力を分析するのに忙しくて、仮想世界のことをわざわざ考えることもなかった。

Geniesは、最近の記憶ではどのスタートアップよりも、ウェブの未来への明らかにニッチなビジョンを備えたプロダクトに対するセレブとのパートナーシップネットワーク構築に成功しているが、2021年はNFTをより熱心に公に受け入れたことで、投資家の間でシェアが高まっている。Geniesは先週、Universal Music Group(ユニバーサルミュージックグループ)と提携し、同グループのレコーディングアーティストのアバターやデジタルグッズをホストすることを発表した。Geniesはすでに、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)氏、J Balvin(J・バルヴィン)氏、Cardi B(カーディ・B)氏などの著名なミュージシャンやアーティストたちとパートナーシップを結んでいる。

2021年5月にGeniesは、Mary Meeker(メアリー・ミーカー)氏のベンチャーファンドBond(ボンド)の支持を獲得し、同ファンド主導で6500万ドル(約74億2200万円)のシリーズB資金調達を行っている。

関連記事:アバター作成スタートアップGeniesがNFT人気に乗じて約71億円調達

NFTはテック業界やベンチャー投資家クラスに受け入れられているものの、消費者においては、何年もの間ゲームの中で購入してきたものと同じように見える高価なデジタルアイテムが、どのようにオンライン体験に革命を起こすのかについて、依然として懐疑的な見方が存在していることを示すエビデンスが多くあるようだ。

チャットアプリのDiscord(ディスコード)は2021年11月、CEOのJason Citron(ジェイソン・シトロン)氏がNFTウォレットプラットフォームMetaMask(メタマスク)との統合のスクリーンショットをツイートしたことで、ユーザーから激しい反発を受けた。多くの批判的なものを含む何千ものリプライが殺到した後、シトロン氏はそれが単なる「社内コンセプト」であり、同社には「現時点で組み込む計画はない」こと、そして「Web3には多くの利点があるが、当社の規模で取り組む必要がある多くの問題もある」ことを明確にしたツイートを続けた。

関連記事:Discordがユーザーの反発を受けて暗号資産やNFTの調査を一時中断

DapperもGeniesも、The WarehouseのデビューでNFT業界の重荷の一端を断ち切ろうとしている。

「これはアバターの1万プロフィール画像プロジェクトでも、NFTや暗号資産に文化を持ち込むものでもありません」とGeniesのCEOであるAkash Nigam(アカシ・ニガム)氏は語っている。「私たちはこれを、消費者に向けたメタバース全体に広がるデジタルアイデンティティを創造するための第一歩だと考えており、ウェアラブルな創造ツールを未来の消費者と才能ある人々に提供することを目指しています」。

画像クレジット:Iann Dior

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Dragonfly)

Dapper Labsも支援するTiblesがドクター・スースのキャラをNFTトレーディングカードに

2012年、ブルックリンに拠点を置くモバイルアプリ開発のスタートアップ企業が、83年の歴史を持つトレーディングカード会社Topps(トップス)に仕事を依頼された。UCLAで経済学を専攻し、トレーディングカードをこよなく愛していた社長のErich Wood(エリック・ウッド)氏にとって、この仕事は楽しいだけでなく、彼の人生を大きく変えるものとなった。

その当時、Toppsは、メジャーリーグベースボール、ナショナルフットボールリーグ、スターウォーズとライセンス契約を結んでいた。当時の同社デジタル部門責任者に見出されたウッド氏の小さな会社は、これら3つの最初のデジタルトレーディングカードプラットフォームを構築するために招かれたのだった

このデジタルトレーディングカードはすぐに好評を博した。実際、ウッド氏によると、あまりにも上手くいったので、同氏は2016年、デジタル部門責任者だったMichael Bramlage(マイケル・ブラムレッジ)氏と一緒に、自分たちのデジタル収集品会社Quidd(クイッド)を設立することに決めた。

それから現在にまで早送りすると、ブラムレッジ氏はまだQuiddのCEOを務めているが、Quiddは2019年にAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)に買収され、現在は独立した子会社として運営されている。一方、ウッド氏は静かにTibles(ティブルズ)という新しい事業を13人で起ち上げており、
Cadenza Ventures(カデンツァ・ベンチャーズ)が主導するシード資金調達で300万ドル(約3億4300万円)を調達したばかりだ。このラウンドには、2021年初めに「NBA Top Shot(NBAトップショット)」で世界に旋風を巻き起こしたDapper Labs(ダッパーラボ)も、前回に続いて参加した。

関連記事:NFTとは何か?デジタル収集家たちのなぜ今、熱狂しているのか?

興味深いことに、TiblesはQuiddとあまり変わらないように見えるが、Quiddはまだコレクターズアイテムを「オフチェーン」、つまり中央のサーバーに保管しているのに対し、TiblesはDapper Labsが開発したブロックチェーン「Flow(フロー)」のみで動作するNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスを構築している(ちなみにQuiddは、ホームページ上で「間もなくブロックチェーンに移行する」と言っている)。

また、Tiblesがポップカルチャーやエンターテインメント系のブランドに特化しているのに対し、Quiddはスポーツに関するコレクターズアイテムも販売しているという違いもある。

だが、おそらく最も重要な点は、ウッド氏の話から推察すると、TiblesはQuiddや他のデジタル収集品マーケットプレイスとは異なり、既存の画像をデジタル化してNFTにするだけではなく、ブランドと協力して、オリジナルのライセンスを受けたアート、トレーディング体験、コミュニティを備えたエコシステムの構築を計画しているということだ。同社の究極的な目標は、デジタルでの収集体験を、物理的な収集体験と同じくらい本物にすることだという。

それが計画通りにうまくいくかどうかはまだわからないが、まずはその出発点としてTiblesは、同社とDr. Seuss Enterprises(ドクター・スース・エンタープライズ)、Dapper Labsが協力して制作する「Seussibles(スースィブルズ)」を発表した。これはTheodor Geisel(セオドア・ガイゼル)のファンが、ドクター・スースの生み出したキャラクターであるLorax(ロラックスおじさん)や、Grinch(いじわるグリンチ)、Horton the Elephant(ぞうのホートン)などのNFTを所有し、他のファンと交流できるというものだ。

ウッド氏の説明によると、このNFTはPokémon(ポケモン)カードのような5枚組のブラインドパックとして販売されるという。「ステッカー」と呼ばれるこれらのカードは「ステッカーブック」で閲覧でき、他のユーザーたちとお互いのコレクションを見せ合うことができる。

また、ファン同士の交流の場であるクラブハウスや、保有しているカードを交換することができるトレーディングエリアも用意される。

今のところ、すべてのパックの価格は同じで「限定版」のNFTはないが、Tiblesはファンにとってどのキャラクターが他のキャラクターよりも価値があるのかを知るために、人々がどんなふうに交換するかを調べるに違いない。

このスタートアップ企業のロードマップでは、当然のことながら、まずは雇用が優先される。また、TiblesはDapper Labsと緊密に協力して、より多くのコンテンツを生み出せるように、より多くのライセンス契約を獲得する予定だ(具体的な内容を聞かれたウッド氏は「ライセンス契約のロードマップは長い」「秘密だらけだ」と答えている)。

開発面に関しては、ウッド氏によれば、計画は非常に単純だという。Tiblesは「他のApple(アップル)アプリ内課金と同じように、誰もが簡単に購入できるようなユーザー体験を提供することに非常に注力している」とのこと。また、ウッド氏は、ユーザーがコミュニティに参加したり、共有したり、整理したり、交換したりすることを、非常に簡単にしたいと考えている。「私たちは、これを楽しいものにして、(その成功を)いくつかの異なるパブリッシャーやライセンス、異なる体験で再現することに力を入れています」。

確かに、ウッド氏はデジタル収集品市場における長年の経験から、ファングループごとに評価が異なる傾向があることを知っている。Dapper LabsとDr. Seuss Enterprisesとの契約は、カードのようなステッカーを中心とするものだが、他のクライアントのための将来のプロジェクトでは「動画やアニメーション、あるいはインタラクションになるかもしれません」と、同氏は語る。

共通しているのは、すべてが収集可能なウェブオブジェクトになるということだ。あとはプロパティ次第である。「私たちは、IP、ブランド、ファン、そして彼らが好むものを理解することに多くの時間を費やします」と、ウッド氏はいう。「そして、それがうまくいくことはほとんどありません」。

Tiblesの最近の資金調達は、2021年初5月に実施された119万ドル(約1億3600万円)のシードラウンドに続くものだ。

前回のラウンドを主導したDapper Labsに加え、CoinFund(コインファンド)とWarburg Serres(ウォーバーグ・セレス)が両ラウンドに参加している。

画像クレジット:Tibles

原文へ

(文:Connie Loizos、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

アンドリーセン・ホロウィッツのケイティ・ハウン氏、暗号資産で同社が成功した道のりを語る

Katie Haun(ケイティ・ハウン)氏がNFT(非代替性トークン)の支持者であるということは驚きではない。元連邦検察官で、現在はAndreessen Horowitz(アンドリーセン・ホロウィッツ / a16z)で強力な暗号化の実践を共同で先導しているこの人物は、少なくとも2018年にa16zがDapper Labs(ダッパー・ラブズ)を最初に支援したときからこの技術についてを学んでおり、今ではかなり貴重な存在となっている。

バンクーバーに拠点を置くDapper Labsは当時、CryptoKitties(クリプトキティ)と呼ばれる収集可能なデジタル猫ゲームで知られており、暗号コミュニティ外の人々を困惑させていた。2021年Dapperはブロックチェーン上でNBA Top Shot(NBAトップショット)という、スポーツファンがコレクション性の高いハイライトクリップを売買できるサービスを提供したことでブレイクしたが、むしろこれも全体の構想から見ればマイナーなユースケースであると、先に筆者が主催したサンフランシスコのイベントでハウン氏は話している。

広範囲をカバーした今回のインタビューで、ハウン氏は、現在集中しているNFTのユーザー層がこれから爆発的に増えると同氏が考えている理由を説明し、またNFTを収入源にしている比較的少数のクリエイターのみがNFTの恩恵を受けているという考えを否定した。また、a16zが導入した技術革新により、同社の暗号化投資の75%を占めるトークンを20%割引で購入できるようになった仕組みを説明し、さらには2019年にa16zが行ったように、すべてのベンチャー企業が登録投資顧問になるべきか否かというトピックについても話してくれた。以下では長さを調整するために編集を行っている。また、以下にフルインタビューを掲載している。

TC:a16zがNFTへのさまざまな期待について投資家に伝えていること、そして今後の筋道について。

根本的にNFTは、消費者やコンテンツ制作者にとって、インターネットのビジネスモデルを劇的に変えるものだと思っています。なぜ消費者にとって重要なのか?例えば今「Fortnite(フォートナイト)」のスキンを買ったとして、それなのに後にこのゲームがなくなったらどうでしょう。……しかしそれでは、自分のアイテムなどを別のプラットフォームに持っていくことができ、どこでも使うことができたとしたらどうでしょうか。これは消費者にとって非常に大きな力となります。消費者の手に直接パワーが戻るのですから。

また、コンテンツ制作者にとってもすばらしいことです。デジタル上の希少な商品であるトークンをプログラムすることで、今後のすべての取引において金銭的利点を得ることができるからです(そしてその過程で30%を取る中間業者を排除することができます)。これがクリエイターの経済にどんな影響を与えるか想像してみてください。今はデジタルアートに注目が集まっていますが、2022年の今頃は音楽の世界でどのような障壁が取り除かれるのかという話になっていると思います。

ハウン氏は現在、音楽関連のNFTに注目しており、シンガーソングライターのBillie Eilish(ビリー・アイリッシュ)を例にミュージシャンとNFTの間にどんな可能性があるか(場合によっては、すでに起こっているか)を話した。

ビリー・アイリッシュは当初インターネット上で一部のファンによって発掘されました。しかし、彼女を有名にした初期のファンたち、つまり彼女の本当のファンたちは、彼女のスターダムを共有できたでしょうか?まったくできていません。実際、彼女のスターダムを共有できなかっただけでなく、彼女がブレイクしたことで彼らの状況は悪化したと言えるでしょう。チケットの値段が上がり、スタジアムには長蛇の列ができ、コンサートは完売です。ところがもし、彼女を発見し、初期の彼女の成功に寄与した人々が、NFTやスマートコントラクトを通じて、ビリー・アイリッシュの成功に関連する何かを保有していたとしたらどうでしょうか。例えば、彼女がSpotifyに曲を録音した後に、関連するスマートコントラクトNFTを作成し、そういったファンにライブへの永久アクセス権を与えたり、彼女と一緒にツアーに参加したり、あるいは将来的に彼女のロイヤリティの一部を受け取れる権利を与えたりすることが考えられます。これで突然、レコード会社や弁護士、中間業者だけでなく、ファンも経済的な利益を共有することになります。

Twitch(ツイッチ)ではわずか1%のストリーマーが収益の半分を占めているというデータが流出したが、少数の人のみが経済的な利益を得ることができるようになっており、クリエイターにとっては、結局は現在と同じような経済状況になるのかというトピックについて。

2021年11月11日に開催されたStrictlyVCのイベントに登壇したケイティ・ハウン氏(画像クレジット:Dani Padgett)

これらのビジネスモデルは、まだ非常に初期の段階にあります。しかし、暗号化アーキテクチャの分散型システムについては、これで生計を立てられることがわかっており、このことはNFTですでに見られています。Beeple(ビープル)になって大金持ちにならなくても、生計を立てることは可能です。私はNFTをいくつか所有していますが、その中には、OpenSea(オープンシー)で買った、仕事を辞めてデジタルアートをプログラミングしている女性アーティストのものも含まれています。彼女はスマートコントラクトをプログラムしていて、私がこれらのNFTをあなたに販売したら、彼女はその販売額の一部を受け取ることができます。そしてあなたがそれを別の人に販売して、高い価格で評価されたら、彼女はその販売額からロイヤリティを受け取ることができるのです。

米国人の多くが生活費の支払いに苦しんでいる中、NFTは一部のお金に余裕のある購買層を中心に普及しているという認識を我々は持っている。この点についてハウン氏は、NFTが金持ちの道楽だと思われているのはもっともだが、この技術はまだ始まったばかりだと説明する。

NFTに関して言えばイノベーションの現状を、最終状態として判断しないことがとても重要だと思っています。おっしゃることはよくわかりますし、私自身もそういった現状を目にしています。しかしそれは物理的な世界でも同様で、ステータスシンボルという点では多くの米国人が苦労している一方で、高級車やロレックスを買える人がいるという状況が起きています。そのためデジタル界も大差ないでしょう。物理的な高級品があるように、現実の世界にも人々が所有したいと思う一般的な商品があり、そうしたより一般的な商品がデジタルの世界でも増えていくようになるのではないでしょうか。

ある時点から、話はa16zのディールフローに転換した。Coinbase(コインベース)とOpenSeaの2つの取締役会に在籍しているハウン氏は、そのおかげで暗号の世界で何が、誰が盛り上がっているのかをよく見ることができると説明する。

この世界の中心にいることができ、とても恵まれていると思います。私たちはエコシステムの最前列に座っていますが、それはChris Dixon(クリス・ディクソン)氏と私の2人が、長年にわたってCoinbaseの取締役を務めてきたからです【略】Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)も運営されていますが、【略】Coinbase Venturesに売り込みにこない暗号化プロジェクトはほとんどありません。私はOpenSeaでも現在役員を務めていますが、彼らは記録的な取引量を達成し、世界最大のNFTマーケットプレイスになった他、ベンチャー投資も行っています。このようにこの分野の大物たちとのつながりがあるだけで、彼らが取引をすることで、我々にも取引の流れが作られているのです。

当然暗号は非常にグローバルなものであり、現時点で我々はまさにグローバルな存在になっています。直近の暗号化ファンドでの投資のうち、少なくとも50%は海外からの投資だと思います。しかしだからこそ「CoinbaseやOpenSeaの役員を務めているから大丈夫」などと安心していてはいけないのです。多くの創業者がAndreessen Horowitzの名前を聞いたことがないような、さまざまな国の、さまざまなプロジェクトに対してオープンマインドでいなければなりません. . .私たちはここにいることが当たり前だと思っていますが、世界の他の地域の人々は私たちのことを聞いたことがないのです。私たちの価値を知らないのです。

場合によっては飛行機に乗らなければならないこともあります。Kiva(キヴァ)やMercy Corps(メルシー・コープス)のようなNGO、Deutsche Telekom(ドイツテレコム)のような企業、Stanford(スタンフォード)やBerkeley(バークレー)のような大学やイスラエルのTechnion(テクニオン)大学をはじめとする世界中の多くの大学など、世界中の参加者に当社のプルーフオブステークシステムを委ねるデリゲートプログラムも開拓してきました. . . これまですばらしい取引が行われてきたからといって、それが今後も続くと期待して甘んじているわけではありません。暗号化投資家の市場は確実に拡大しています。

同社が店頭での直接取引を含むトークンへの投資を多く行っている理由についても話が出た。そのような取引において、a16zが何らかの優先的な地位を得ているのかどうか、またCoinbaseやOpenSeaのような従来の株式取引から会社がシフトしていった理由は何なのか、そして、こうした取り決めに反発し始めたのは、暗号化の創業者たち自身なのかどうかについても質問した。以下はそれに対するハウン氏の答えである(ハウン氏は株式取引が完全になくなったわけではなく、より多くのVCが株式取引を求めて競争を始めたために価格が高騰したのだと指摘している)。

もし優先的なレートを提供してくれる店頭窓口を知っているなら教えて欲しいものです。店頭の場合我々はその場で買っているだけで、特別な扱いは受けていません。どちらかというと. . .すべて店頭取引になってプロトコルの創設者は我々が投資家であることさえ知らないというような市場にはしたくないという意識が強いですね。

また、プロトコルが特定のベンチャーキャピタルの投資家を希望する場合もありますが、これは急速に変化しているので機敏に対応する必要があります。プロトコルの創設者が私たちの参加を強く望んでいた場合、実際に3年前、トークン環境の初期段階で私たちに割引をしてくれました。しかしこれは暗号化のエコシステムでは非常に不評でした。なぜVCの投資家がコミュニティよりも割安にならなければならないのか、と。

その懸念を払拭するために「それならロックアップをしてください。私たちは7年〜10年を見据えられる忍耐強い投資家であり、暗号化ヘッジファンドを運営しているわけではありません」と提案したわけです。例えばもし20%の割引を欲しいとしたら、その代わりに4年間、場合によってはそれ以上、それ以下の間ロックアップされることになるかもしれません。これは、私たちがさまざまなトークンディールにもたらした1つのイノベーションです。しかしロックアップと引き換えに割引を受けたプロトコルのため、私たちはたくさんの仕事をしてきたのです. .

この質問は重複するが、同氏がOpenSeaとCoinbaseの両方の取締役に就任していることについても質問が投げられた。その意図は、OpenSeaはNFTマーケットプレイスであり、暗号資産取引所のCoinbaseも最近NFTマーケットプレイスのようなものを作る計画を発表しているため、この2社が衝突しかねないのではないだろうか、というものだ。実際、CoinbaseのCEOであるBrian Armstrong(ブライアン・アームストロング)氏は先週の決算説明会で、NFTの市場は同社の暗号資産事業に匹敵するか、それ以上の規模になる可能性があると考えていると述べている。

ハウン氏はどのようにしてこの複雑な状況をやりのけているのか、さらにはCoinbaseがOpenSeaを買収するのではないかと質問すると、2つ目の質問に対しては首を横に振り、2社の衝突について次のように説明した。

それは悲観的な見方ですね。私は両者が衝突しているとは思っていません。まず第一に、Coinbaseがどのような計画を立てているかはまだ発表されていません。NFT分野で何かをすることを検討していると発表しただけで、それが何になるのかはまだわかりません。

ブライアン・アームストロングが数年前に言っていたことを覚えていますが、取引スペースに競合他社が参入し始めたとき、彼は「これはすばらしい」と言っていました。私は自分が何を見逃しているのか疑問に思ったところ彼は「これはパイが大きくなっている証拠です。大きなチャンスであり、他の人もそれに気づいているんです」と言ったのです。

同様にNFTの領域は非常に巨大なので、多くのプレイヤーが活躍できる余地があると思っています。私はこの領域で活躍する最先端の企業2社の役員を務められることを大変幸運に思っています。両社が衝突しかねないなどとは思いません。もちろん、もしそのような展開になったり、エコシステムがそのように進化したりした場合、元連邦検察官として私が対処しなければならないことになるでしょう。

暗号の創始者たちに注目されたければ、ベンチャー企業は登録投資顧問になる必要があるかどうかという質問についてハウン氏は明言を避けたものの、理に適っているのではとほのめかす。

暗号化専用ファンドはすべてRIAとして登録されています。今では多くのファンドが存在していますが、すべてRIAとして登録されているのです。規制状況が非常に不確実な今、トークンを保有したいのなら賢明なことでしょう。

画像クレジット:Dani Padgett

原文へ

(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)

NFTスタートアップのDapper Labsが有名バーチャルインフルエンサーを生み出したBrudを買収

「NBA Top Shot(NBAトップショット)」を開発したNFT(非代替性トークン)スタートアップ企業で、最近75億ドル(約8350億円)以上の評価を受けたDapper Labs(ダッパー・ラブズ)は、米国時間10月4日、興味深い買収を行った。暗号資産関連メディアのDecrypt(デクリプト)によると、Dapper Labsはバーチャルインフルエンサーを手がけるスタートアップ企業Brud(ブラッド)を買収し、32人の従業員全員を雇用するという。

Brudは、デジタルレンダリングされたソーシャルメディアのインフルエンサーキャラクターでよく知られており、特にLil Miquela(リル・ミケーラ)というキャラクターが有名だ。同社が2018年に投資家の注目を集めた際には、追従する他のプレイヤーをいくつか出現させたものの、バーチャルインフルエンサーという分野が爆発的な関心を集めることはなく、長年にわたり非常にニッチな領域に留まっている。Brudが作り出したキャラクターたちは、 Instagram(インスタグラム)上で架空の生活を送ってフォロワーを増やし、同社の評価額は1億2500万ドル(約139億4000万円)に達している。Dapperは買収額を明らかにしていない。

rev rはエンジニアを募集中! DMください

Twitter友達のみなさん、私は今日、BrudがDapper Labsに買収されたと発表できることにとても興奮しています。

私たちは、Flow Blockchain上でDAOによる分散化され、集団で所有するメディアとソーシャルの未来を一緒に作っていきます。

ここで最も適切な質問は、DapperのようなNFTスタートアップが、リル・ミケーラ(現在は単にミケーラ)に何を求めているのかということだ。

まあひと言でいえば「それほど多くは求めていない」ということになるだろうか。Brudの創業者であるTrevor McFedries(トレヴァー・マクフェドリーズ)氏は、暗号資産の世界に深く入り込んでおり、自分が設立した会社の焦点を、DAO(自律分散型組織)による集団的意思決定に移しつつある。Dapperの中心的な関心はそこにあるようだ。マクフェドリーズ氏はすでに、最も人気の高いDAOの1つである「Friends With Benefits(フレンズ・ウィズ・ベネフィッツ)」を共同設立している。DAOは、ユーザーがチームを組んで集団で投資判断を行うために役立つ。暗号資産界の開発者たちが、この分野で大胆なプロジェクトを作り始めたことから、この1年ほどで人気が高まっている。

マクフェドリース氏は、Miquelaの開発は継続するとしながらも、今後はDapper Labs内に新設されるDapper Collectives(ダッパー・コレクティブズ)という部門を率いて、同社の「Flow」(フロー)」ブロックチェーンを活用しながら、DAOをより使いやすく、新世代の暗号ウェブユーザーが利用しやすいものにすることに注力していくという。

画像クレジット:Brud

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

Twitchで活動するゲーム配信者の動画クリップをNFTで取引するマーケットプレイス「Eternal」

NFT(非代替性トークン)の世界では全体的に、インターネット上の記憶を1つの大きなゲームにしようとしているらしい。もちろん、参加するには多額の現金が必要だ。6月には柴犬「Doge(ドージ)」のオリジナル画像が400万ドル(約4億4500万円)で落札され、4月にはカエルの「Pepe(ぺぺ)」のオリジナルコミック画像が100万ドル(約1億1100万円)で落札されるなど、人々の中からミーム億万長者が誕生している。JPEG画像を数億円で売買するというのは奇妙な現象だが、平均的なインターネットユーザーに、NFTというものが気にかける価値があると思わせるには十分だった。

Eternal(エターナル)は、インターネット上の歴史をゲームにしたいと考えているが、中でも「ゲームストリーマーの人気クリップ」という、非常に特殊なウェブの断片に焦点を当てている。そのユーザーインターフェイスは、見た目も機能的にもデジタルトレーディングカード「NBA Top Shot(NBAトップ・ショット)」によく似ており、それを使ってユーザーは、Eternalと提携しているゲームストリーマーのネットワークから、連続したクリップのパックを購入することができる。このマーケットプレイスは、Jeffrey Tong(ジェフリー・トン)氏とDerek Chiang(デレク・チャン)氏が設立したスタートアップ企業のZelos Gaming(ゼロス・ゲーミング)によって構築されている。同社はクロスプラットフォームのバトルパス(2020年TechCrunchでも紹介した)の構築から、EternalでNFTのワイルドな世界に取り組むことに方向転換したというわけだ。

このスタートアップの支援者名簿には、多くの暗号投資会社や著名人が名を連ねている。最近の資金調達ラウンドでは、NFX、Mark Cuban(マーク・キューバン)氏、Coinbase Ventures(コインベース・ベンチャーズ)、Gary Vaynerchuk(ゲイリー・ヴェイナチャック)氏、Dapper Labs(ダッパー・ラボ)、Arrington Capital(アリントン・キャピタル)などが、450万ドル(約5億円)を出資している。同社のチームは以前、Y Combinatorの支援を受けていた。

サイトのデザインを見れば一目瞭然だが、現時点では「Top Shotゲームストリーマー版」のようなプラットフォームになっているものの、チームはこのプラットフォームを今後どのように進化させるかということについて、大きなアイデアを持っている。NBAや選手会との契約を実現したTop Shotとは異なり、esportやTwitchなどにはそれに相当する包括的な組織がないため、Eternalはストリーマーやストリーマーネットワークとのパートナーシップをかなり複雑に織り交ぜて、ビジネスを他に奪われないようにする必要がある。Eternalは、主にTwitchの上位0.05%で活動する人気ストリーマーに焦点を当てているという。

ストリーマーは、Twitchなどのプラットフォームですでに人気を集めているトップクリップや、自分のソーシャルメディアからの動画を販売し、ゲームプレイにおけるその瞬間を、ブロックチェーン上に「永遠のもの」にすることができる。同社では、新進気鋭のストリーマーと広く知られた著名人を組み合わせることで、より多くのクリエイターの認知度を高め、その「一片を所有」し、彼らの成功に利害関係を持つユーザーのネットワークを構築することができると期待している。

画像クレジット:Eternal

同社CEOのジェフリー・トン氏は「Top Shotはすばらしいモデルだと思いますが、Eternalはクリエイターにまったく新しいマネタイズの方法を提供することができるという点でも優れています」と、TechCrunchの取材に語った。

ファンとクリエイターの間に密接な関係を築くことは、NFTの世界にエキサイティングな意味合いをもたせるものとして早くから期待されていた。投資家が自分の投資を紹介し、その過程でクリエイターを後押しすることになるからだ。しかし、ユーザーのクリエイターへの投資額が数千円や数万円程度に留まる小規模な場合と、数百万円から数億円にもなる場合とでは、このような関係がどのように変化するかはわからない。

Eternalのプラットフォームにおける最大の長所は、Dapper LabsのFlow(フロー)に基づいて構築されていることだ。これは一般消費者向けアプリに適したブロックチェーンで、ユーザーが実際に通過する参入時のフローを構築する際に、複雑さ(および少しの分散化)を低減したものだ。

Ethereum(イーサリアム)のエコシステムの外に出て、米ドルで取引するということは、暗号化に恵まれたNFT信者の巨大なネットワークから離れることを意味するが、それは同時に、潜在的にはるかに多くの消費者にアプローチできることも意味する。同社は、最終的には来年までにEternalをより多くのブロックチェーンに組み込みたいと考えているが、クロスチェーンでの操作は、今すぐには難しいようだ。

Flowのチェーン上には、今のところ活発なマーケットプレイスは非常に少ないが、Eternalには初期の勢いがある。Cryptoslam(クリプトスラ)によると、このマーケットプレイスでは2021年の夏に約30万ドル(約3340万円)の取引が行われたという。

画像クレジット:gorodenkoff / Getty Images

原文へ

(文:Lucas Matney、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ただ1つのNFT動画を表示するディスプレイでデジタルアートの再構築を目指すInfinite Objects

NFT(Non-fungible token、代替不可能なトークン)とは、デジタル所有権の概念の再構築を目指すものだ。アートハードウェアのスタートアップのInfinite Objects(インフィニット・オブジェクツ)が、デジタルアートやコレクターズアイテムの再構築を目指すことで、そうした資産の物理的なコピーの制作に大きなチャンスを見出そうとしている。

このスタートアップが作るのは、ただ1人のアーティストによるただ1つの動画を表示するだけで、他には何もしないディスプレイだ。このディスプレイには、追加のアプリをダウンロードしたり、自分の写真をアップロードしたり、時間や天気を確認したりすることはできない。たとえInfinite Objectsの別のアート作品が欲しい場合でも、ダウンロードをすることはできず、そのサイトに行って、欲しいアート作品が入った別のディスプレイを購入しなければならない。それぞれのディスプレイの裏面には、作品に関する情報やエディション番号、シリアル番号が刻まれていて、物理的なディスプレイと表示されている作品が密接に結びついている。

Infinite ObjectsのCEOであるJoe Saavedra(ジョー・サアベドラ)氏はTechCrunchに対して、今回の600万ドル(約6億6000万円)のシード調達には、主導したCourtside VCや、NBA Top Shot(NBAトップショット)を開発運営しているDapper Labs(ダッパーラボ)をはじめとする多くの投資家が参加しているという。

長い間Infinite Objectsは、NFTなしで運営されるNFTプラットフォームだった。同社は2018年からアーティストたちと協力して、1人のアーティストのデジタル作品を連続して表示し続ける物理的なディスプレイ(ほとんどの場合数量限定)を制作してきた。もちろん、ユーザーたちはそうしたデジタル作品をInfinite Objectsのウェブサイト上で好きな時に見ることができる。だがその価値はアーティストの作品の公式コピーを所有できる点にある。どこかで聞いたような話では?

2021年初めにNFTが投機的資産として広く認知されたとき、インターネットユーザーがデジタルアートの将来やデジタル希少性について議論し始めたことから、サアベドラ氏はそれを大きなチャンスだと考えた。彼のチームはその時点ですでにNFTに取り組んでいて、2020年の12月にはアーティストのBeeple(ビープル)氏と提携し、彼がNifty Gateway(ニフティゲートウェイ)というプラットフォームで販売していたNFTの「物理的なトークン」をリリースした。これは、ビープル氏がクリスティーズのオークションで6900万ドル(約75億円)の落札価格を達成して、美術界では知らないものがいなくなる数カ月前の出来事だ。

今夜7時(東部標準時間)

サアベドラ氏は、彼の会社が制作するものによって、NFTの世界で活躍する企業やクリエイターが自分たちの資産をより親しみやすく、一般の人たちに理解してもらえるようにできる大きなチャンスがあると考えている。また同時に、購入したデジタルアートを、NFTを単なる盲目的な所有から実際に鑑賞できることに焦点を当てたものに変えるチャンスでもあると考えている。

「所有権がともなうことを考えると、500ドル(約5万5000円)とか5000ドル(約55万円)でNFTを購入すことはエキサイティングですが、それを見せるためにスマートフォンのSafariを開かなければならないという行為はエキサイティングではありません」とサアベドラ氏はTechCrunchに対して語る。「私たちがデザインしたこの物理的な器は、ブロックチェーンをまったく理解していない人でも、限定版の物理的商品を理解している人ならば、とても理解しやすいものです」。

サアベドラ氏は、アート作品をただ循環表示させる他のデジタルディスプレイには否定的だ。彼は、アートの所有者が望めば、そのNFTの画像をテレビに表示させることもできるが、それは単にアートを「豪華なスクリーンセーバー」として使っているだけだという。

Infinite Objectsのチームは、NFTの世界にはもっと大きなチャンスがあると考えているが、具体的にどのような取り組みになるのかについては堅く口を閉ざしている。今回の支援者リストに、興味深いことにNBA Top Shotの生みの親であるDapper Labsが含まれていることは、ヒントになりそうだ。Dapper Labsは、Flow(フロー)と呼ばれる独自のブロックチェーンを構築していて、サアベドラ氏は会話の中で、それがEthereum(イーサリアム)ネットワークよりもスケーラブルで持続可能であると称賛を惜しまなかった。先ごろDapper Labsは、初のサードパーティ向けNFTプラットフォームを発表した。この発表は、今回のラウンドのまた別の投資家でもあるアバタースタートアップのGenies(ジニー)との提携と同時に行われた。Dapper Labsはデジタルアクセサリーのストアを2021年夏に立ち上げる予定である。

今回のラウンドには、erena Ventures、Betaworks、Brooklyn Bridge Ventures、GFR Fund、Kevin Durant & Rich Kleiman、Genie、Ashton Kutcher(アシュトン・カッチャー)氏のSound Venturesも参加している。

関連記事:アバター作成スタートアップGeniesがNFT人気に乗じて約71億円調達

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:Infinite Objects資金調達NFTアートDapper LabsGenies

画像クレジット: Infinite Objects(フレーム内の作品はNatasha Tomchin)

原文へ

(文:Lucas Matneyk、翻訳:sako)

アバターを作るスタートアップGeniesがNFT人気に乗って65億円相当を調達

これまで数年間、全員が同じ夢を追っている新進のアバター企業を私も人並みに取り上げてきた。その夢とは、ゲームやデジタル空間で広く採用される架空の登場人物(ペルソナ)になるための、カスタマイズ可能なプラットホームを作ることだ。これまで私が取り上げたものの中で、生き残っているのは少ない。でもロサンゼルのGeniesは、有名ミュージシャンたちとのパートナーシップを成功させて、とても広い範囲のアバタープラットホームという大きなビジョンの実現に、初めて近づいている。

同社は今日(米国時間5/3)、Mary Meeker氏のBondがリードする6500万ドルのシリーズBを完了したことを発表した。それにはNEAやBreyer Capital、Tull Investment Group、NetEase、Dapper Labs、Coinbase Venturesなどが参加した。Mary Meeker氏はGeniesの取締役会に加わる。同社の最新の評価額は、公表されていない。

この財源は、創業4年目を迎えた同社のちょうど転換期に投じられた。そのことを、NFTデジタルカードNBA Top ShotのメーカーであるDapper Labsや、暗号通貨大手Coinbaseの参加が証明している。先週発表されたように、同社はDapper LabsのFlowブロックチェーン上のNFTプラットホームを展開して同スタートアップと密接に提携している。それによりDapper Labsは、Genesisのアバターアクセサリーのオンラインストアの、バックエンドを構築することになる。Dapper Labsがプロスポーツのリーグと独占契約してNFTとそれらの公式サポートを提供しているように、Genesisもその名簿に載っているJustin Bieber、Shawn Mendes、Cardi Bなどのセレブたちとのパートナーシップを活用して、アバターアクセサリーを大衆的に売買するためのプラットホームを作っていきたい心算だ。

同社は10月にGucciとのパートナーシップを発表して、自分の目の前に大きな新しい市場機会を切り開いた。

関連記事: Genies updates its software development kit and partners with Gucci, Giphy(未訳)

Geniesのビジネスの大半は、まず有名チームや有名タレントなどとパートナーして、それらが提供するエンターテインメントの顧客にアバターというデジタルの存在を与えることが主体だ。顧客はソーシャルメディアなどの上で、アバターによって自分を目立たせることができる。同社はモバイルアプリのベータで全ユーザーにアバターの創造を展開したから、Genesisは彼らよりも前のアバター企業が明確に持っていた夢の一つにフォーカスしてきたことになる。それは、同社のSDKで、アバターのユーザーの大きなネットワークと、同社の形式と互換性のある多くのプラットホームのネットワークを作っていく、という夢だ。


画像クレジット: Genies

GeniesのCEO、Akash Nigam氏は本誌の取材に次のように語った: 「アバターは本来の自分をもっと積極的に見せていくためのメディアだ。それは別の自己の表現だから、現実世界の制約にとらわれる必要はない」。

NFTというトレンドがGenesisに新たな探究の分野を与えているが、同じくパンデミックというもっと大きなトレンドが、ユーザーを何もかもがデジタルという世界に追いやり、そこでお互いが社交し結びつくようになっている。そこでNigam氏は曰く、「パンデミックはあらゆるものを加速した」。

Nigamが念を押すのは、近い将来、NFTという大きな機会があるとしても、Genesiはあくまでもアバター企業でありNFTのスタートアップではないことだ。ただし、暗号技術に支えられたデジタルグッズとその市場は今後長年存在するだろう、と。デジタルグッズをめぐる現在の環境がGenesisの資金調達を助けた、という説には、彼は納得していない。彼によるとそれは、投資家にとって倍率6〜8倍の投資機会であり、スタートアップへの日和見主義的な投資にすぎなかった。「うちは何年も資金調達をせずにやってきた企業だから」、と冷静な言い方をする。

同社によると暗号化製品のマーケットプレースは、早ければ今年の夏ごろにローンチするそうだ。

関連記事: The NFT market is just getting started, but where is it headed?(未訳、有料記事)

(文:Lucas Matney、翻訳:Hiroshi Iwatani)
画像クレジット: Genies

[原文へ]

double jump. tokyoが「NBA Top Shot」のDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

ブロックチェーン技術を用いたアプリ開発を行うdouble jump.tokyoは4月22日、「Cryptokitties」(クリプトキティ)や「NBA Top Shot」(NBAトップショット)を手がけるDapperLabs(ダッパーラボ)と提携したと発表した。DapperLabsが開発するブロックチェーン「Flow」(フロー)に関するNFTおよびブロックチェーンゲームなどの対応、トランザクションが正しいかどうかを検証・合意形成を行うValidatorNode(バリデーターノード)の運用を開始する。

Flowは、NFTを世に広めた初のコンテンツ「Cryptokitties」などのDapperLabsが手がけている、新たなブロックチェーン。現在は、Flow上で動作する同社開発・運営のNFTトレーディングカードゲーム「NBA Top Shot」が人気で、サービス開始後の流通取引総額が約400億円となったことから第2のNFTブームを生み出すきっかけのひとつとなっている。

double jump.tokyoは今回のパートナー提携により、Flowを通じたNFT・ブロックチェーンゲームの海外展開の推進、またFlowの日本進出を支援する。同時に、ValidatorNodeの運用を開始することで、Flowチェーンの地理的な分散性に貢献する。

またdouble jump.tokyoが開発してきた、AWS Key Management Service(AWS KMS)を使ったビジネス向け「Flow Wallet SDK」をオープンソース(MITライセンス)として提供開始。すでに「AWS KMS authorizer (signer) for Flow blockchain」としてGitHub上で公開している。Flowでサービス展開を行う企業に広く使用してもらうことでFlowエコシステムに貢献するとしている。

Ethereum上のNFT標準規格「ERC-721」の生みの親「DapperLabs」がFlowを新規開発

Flowは、Cryptokittiesと、Ethereum上のNFT標準規格ERC-721を生み出したDapperLabsが、新たなブロックチェーンとして開発した。

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

現在のEthereumは、ガス代の高騰をはじめとするスケーリング問題に直面していること、コンシューマー向けのレイヤー1ブロックチェーンが存在しないことなどの課題が広く知られており、これに対してFlowは、DapperLabsがゲームやアプリ、またNFTなどのためにゼロから開発したブロックチェーン基盤と位置付けている。

Flowのユースケースとしては、先のNBA Top Shotが挙げられる。NBA Top Shotでは、ローンチしてから2021年2月末までの5カ月間で2億3000万ドルの取引が行われており、世界中から話題を集めている。

double jump.tokyo

2018年4月設立のdouble jump.tokyoは、ブロックチェーン技術を用いたゲームおよびアセットの開発・運営・販売を手がけるブロックチェーンゲーム専業開発会社。

数多くのゲーム(モバイルソーシャルゲーム、PCオンラインゲーム、家庭用ゲームなど)およびプラットフォームの開発・運営、ブロックチェーン技術および暗号資産を含むファイナンスにおけるノウハウを有するメンバーが参画している。

同社のブロックチェーンゲーム「My Crypto Heroes」(マイクリプトヒーローズ)は2019年8月、DappRadarにおいて、ブロックチェーンゲームとして世界No.1のユーザー数、トランザクション数を記録した。

doublejump. tokyoがNBA Top ShotやCryptokittiesのDapperLabsと提携、「Flow」ブロックチェーンの日本進出支援

関連記事
double jump. tokyoとスクウェア・エニックスが「ミリオンアーサー」NFTコンテンツ開発で協業
国内NFT市場形成に向けdouble jump.tokyo、CryptoGames、スマートアプリが業務提携、NFT発行から販売まで支援
NFTトレカゲーム「NBA Top Shot」のDapper Labsはマイケル・ジョーダンやハリウッドに支援され評価額2879億円に
NFTとは何か?デジタル収集家たちのなぜ今、熱狂しているのか?
double jump.tokyoがブロックチェーンゲームのマルチチェーン対応支援サービスを発表
異なるブロックチェーンやアプリ間でNFTを相互利用するための共通仕様「Oct-Pass」を策定開始

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:暗号資産 / 仮想通貨(用語)Amazon Web Services / AWS(製品・サービス)Ethereum(製品・サービス)ERC-721(用語)NFT / 非代替性トークン / クリプトアート(用語)Dapper Labs(企業)
double jump.tokyo(企業)Flow(製品・サービス)ブロックチェーン(用語)日本(国・地域)

NFTとは何か?デジタル収集家たちのなぜ今、熱狂しているのか?

代替不可能なトークン(NFT、Non-fungible token)は、Ethereumなどのブロックチェーン上の唯一無二の価値を表現するデジタルアイテムの1つである。NFTは2年ほど前から存在しているが、猫のアニメーションNBAのクリップバーチャル家具といったビジュアルアートを収集する手段として急速な盛り上がりを見せている。

「突発的に」といっても過言ではない。Cointelegraph(コインテレグラフ)によると、2020年後半に900万ドル(約9億9000万円)相当のNFT製品が買い手に売れたという。2021年2月初めには24時間枠で6000万ドル(約66億円)相当のデジタル商品が取引されている。

いったい何が起こっているのか。2021年2月にNew York Times(ニューヨークタイムズ)がこのトレンドについて詳しく報じた記事に加えて、ウィスコンシン州在住のBeepleというアーティストについて書かれたEsquire(エスクァイア)の記事が新たな関心を呼んだ可能性が高い。Beepleはウィスコンシン州出身の父親でもあるデジタルアーティストで、過去13年間にわたり日々制作してきたデジタル描画作品が2020年12月に飛ぶように売れ始めた。転換点のさらなる裏づけが必要なら(現時点で豊富にある)、BeepleことMike Winkelmann(マイク・ヴィンケルマン) 氏の作品がChristie’s(クリスティーズ)を通じて公開されたことを考慮して欲しい。これは由緒あるオークション会社がデジタル作品だけを販売する初めてのケースとなる。

関連記事:BeepleのNFT作品が75億円で落札、アート界に変革の兆し

この市場について、そしてなぜリアルタイムで爆発的に成長しているのかを詳しく知るために、元インターネット起業家のDavid Pakman(デイビッド・パックマン)氏に話を聞いた。同氏は数十年前にベンチャー企業Venrockに入社後、すぐにBitcoin(ビットコイン)の動向を探り始め、2015年からベイエリアにある自宅で暗号資産(仮想通貨)をマイニングしている人物だ(「コンピューターが並ぶ棚を見に来る人に『ちょっと説明しにくい』という感じだった」)。

同氏がNFTの将来性を早くから確信し、新興企業Dapper Labs1500万ドル(約16億4650万円)のシリーズAラウンドを主導するようVenrockを説得したのも驚くことではないだろう。Dapper Labsの主力製品は、暗号資産で購入して育てられる限定版のデジタル猫CryptoKittiesだった。

当初はこのコンセプトにとまどう向きもあったが、パックマン氏は以前から、Dapperが提供するものがさらに広がりを見せることを予想していた。実際、最近NBAと結んだDapperの収集可能なハイライトクリップの販売契約は、すでに多大な関心を集めており、Dapperは現在、評価額20億ドル(約2200億円)で新たに2億5000万ドル(約274億円)を調達したと報じられている。パックマン氏はこの数字を確認したり訂正したりすることを控えたが、その他の質問についてはチャットで回答してくれた。ここでは長さと明確さの観点から編集されている。

TechCrunch(以下「TC」):デイビッド、私たちにもわかりやすく説明していただけますか?なぜ世界は今、NFTに熱狂しているのでしょうか。

パックマン氏(以下「DP」):暗号資産の最大の問題の1つは、難解な用語を使ってごく基本的な概念を説明していることです。約4割近くの人々が、野球のカード、靴、アートワーク、ワインなどをコレクションしています。これにはたくさんの心理的な理由が存在します。セットを完成させることを求める人もいます。投資目的で行う人もいます。家宝としての相続を考えている人もいます。しかし、デジタルの所蔵品はコピーするのが容易であったため、実世界でしかコレクションを行うことができませんでした。

そしてブロックチェーンが登場し、デジタルコレクションを不変のものにし、コピーできないものを誰が所有しているかを記録し始めました。スクリーンショットをとることはできますが、デジタルの収集物を実際に所有していることにはならず、スクリーンショットは何の力もありません。売ることも取引することもできません。その強力な裏付けとなるものがブロックチェーンです。そこで私は、暗号ベースのコレクションの存在感は大きくなり、事実上暗号の主流を取り込み、一般の人々を暗号資産に深く関与させることになると確信していました。それが今まさに起こっていることです。

TC:人々がアイテムを集める理由について語ってくれましたが、ステータスについては触れていませんでした。それが動機の1つであると仮定すると、オンラインで集めたものをどのように顕示できるでしょうか?

DP:私たちが収集する理由としてステータスを顕示ことも挙げられますが、デジタルの世界でコレクションを顕示することはより簡単であると思います。私が車のコレクターだった場合、私の車を見せる唯一の方法はガレージに足を運んでもらうことですが、それは一定数の人にしかできません。しかし、オンラインでは、デジタルコレクションとして公開することができます。例えばNBA Top Shopは、自分が体験したことを容易に披露できます。誰もがページを持っていて、アプリが出てきて、アプリ内の誰にでもそれを公開したり、ソーシャルネットワークに投稿したりできます。そして、自分のコレクションがどれだけ大きなものであるか、どれだけエキサイティングなものであるかを示すのは、実に簡単です。

TC:2020年の10月にDapperはこの動画モーメントサービスを開始しています。ポケモンのセットのように、パックを買うと何か「すばらしい」ものがもらえることはわかりますが、何がもらえるかはわかりません。その売上のほぼ半分が先週に入って達成されましたが、どのような背景がありますか?

DP:現在の利用数は3万人から4万人程です。1日に50%から100%成長していますが、成長は極めてオーガニックなものです。このゲームはまだベータ版の段階で、Twitterに投稿する以外のマーケティングは行っていません。私たちはまだバグを解決していませんし、解決すべきバグもたくさん残っていますので、これを市場に出して多くの利用者を獲得しようという計画は今のところありません。

しかし、何人かのNBAプレイヤーはこれを見て「ソーシャルメディア上で」自分のモーメントに熱狂しました。そして「もう少し高い値段で取引したい」というような動きもあるかもしれません。しかし、私はこれを再生しているのはごく普通の人だとも考えています。クレジットカードがあれば再生でき、利用者の65%はこれまで暗号資産を所有したり取引したことがありません。そこで私は、暗号ベースのコレクションが主流のユーザーを暗号資産に引き込むことができるという主張が、私たちの目の前で展開されていると考えています。

TC:Dapperの報酬はどうなっていますか?

DP:二次売上の5%と、100%から一次売上の取引原価を引いた金額が得られます。もちろん、私たちはNBAとも提携しており、NBAもその一部を回収しています。しかし、それはシステムがどのように機能するかの基本的な経済性です。

TC:NBA側には毎年支払われるべき最低額があり、それ以上の額を受け取ることになっていますか?

DP:NBAや選手会との関係について、正確な経済条件は公表していないと思います。しかし、明らかにNBAが知的財産権の所有者であり、チームや選手が経済的に参加しているのは良いことです。なぜなら、彼らこそがここで知的財産を生み出しているからです。

ただ、こうした瞬間が高く評価された場合(パック販売の商品が高額で購入された場合)、その評価の95%は所有者に支払われます。したがって、これは野球カードに非常によく似ていますが、今では知的財産所有者は、製品のライフサイクルを通じて彼らの知的財産の下流の経済活動に参加することができます。これは、あなたがNBAであろうと、何十年もIPライセンスビジネスに携わってきたディズニーのようなものであろうと、非常に魅力的なことであると思います。

そして、このNFTスペースが起きているのはメジャーIPだけではありません。個人のクリエイター、ミュージシャン、デジタルアーティストがデジタルアートを作って、5枚だけコピーしてオークションにかけることができます。将来的には作品が売れるたびに少しずつ収集することも可能です。

TC:NBA Top Shotについては、同じ限定版クリップに何を支払うかという点で価格は大きく変動します。これはなぜでしょうか?

DP:理由は2つあります。1つは希少なアイテムのように低い数字の方が高い数字よりも価値があるということです。つまり、たとえば特定のレブロン社が500枚のコピーを作って、私がその1番を所有し、あなたがその399番を所有しているとすると、市場は低いほうの数字に高い価値を与えることになります。これは限定版のコレクター・ピースの典型です。おもしろいコンセプトですね。しかしとても人間的な概念です。

もう1つは、このゲームに参加する需要が徐々に増えているため、人々はより高い価格を喜んで支払うようになっているということです。そのため、時間の経過とともにこれらの瞬間の価格が大幅に上昇しています。

TC:暗号関連の難解な言葉の中には人々を不安にさせるものがあると指摘されましたが、パスワードを忘れたなどの理由で、世界のビットコインの20%が所有者から永久にアクセスできないという事実もそうだと思います。基本的にデジタルロッカーやデジタルウォレットに保存しているこれらのデジタルアイテムにリスクはありますか?

DP:これは複雑なトピックですが、Dapperは、Dapperのウォレットに自分のモーメントを保存している人たちのために、ある種のパスワード回復プロセスが効果的に存在するような方法でこれが起こらないようにしようとしています。

Dapperのアカウントから離れて別のアカウントに移動することもでき、パスワードの回復を自分で行うことができます。

TC:なぜ複雑なトピックなのですか?

DP:集中アカウントストレージはユーザーにとって便利ですが、何らかの理由で信用できなくなる可能性があると考える人もいます。つまり、企業がユーザーのプラットフォーム設定を解除したり、アカウントを無効にしたりする可能性があるということです。そして暗号の世界では、誰もあなたのプラットフォームを解除することができないようにすること、あなたが購入するもの(暗号資産やNFT)があなた自身のものであるようにすることについて、ほとんど信仰性に近い情熱が存在します。長期的には、Dapperはそれをサポートすることになるでしょう。どこでも好きな場所に自分のモーメントを移動できるようになります。しかし現時点においても顧客は「パスワードを忘れたからモーメントを取得できない」と心配する必要はありません。

Dapper Labsが独自のブロックチェーンを構築した理由や、米国がデジタル米ドルを設立したことについてパックマン氏が考えていることなどの詳細については、ここで私たちの会話を聞くことができる。

関連記事
【コラム】NFTはより大きな金融資本の経済発展の一部でしかない
NFTはアーティストとミュージシャンだけでなくマネーロンダリングの分野でも注目を浴びる
メルカリが暗号資産・ブロックチェーン領域参入、新会社「メルコイン」は暗号資産交換業者として申請予定
NFT(非代替性トークン)がアート界にもたらす劇的な変革とインクルーシブな未来

カテゴリー:ブロックチェーン
タグ:NFT暗号資産Dapper Lab

画像クレジット:Cryptokitties

原文へ

(文:Connie Loizos、翻訳:Dragonfly)