Uberが新型コロナ禍でさらに3000人解雇、一部オフィスも閉鎖

Uber(ウーバー)は従業員3000人を追加で解雇する。Wall Street Journalが最初に報じている。Uberは45カ所のオフィスを閉鎖し、貨物や自動運転車テクノロジーといった分野の取り組みも見直す。

「難しい決断をしなければならないことはわかっていた。公開会社だからではなく、あるいは株価を守ったり、役員会や株主を喜ばせたりするためではない」とUberのCEO Dara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏は5月18日に従業員に送ったメモの中で述べている。TechCrunchはメモの内容を確認した。「世界中の都市にとって必要不可欠なサービスであるという我々の将来のために、何百万という人々や事業者が我々を頼っているという事実のために決断した。成長、拡大、イノベーションを続けるのに新たな資金や投資家に頼ることが今後はないよう、自立性を確立しなければならない」。

米証券取引委員会に提出された書類によると、レイオフの一環として同社は退職給付金やその他の福利給付で1億4500万ドル(約156億円)を従業員に支払い、オフィス閉鎖では最大8000万ドル(約86億円)がかかる見込みだ。

今回のレイオフの数週間前には、Uberはコスト10億ドル(約1074億円)を節約するために従業員3700人を解雇した。新型コロナウイルス( COVID-19)パンデミックの影響で、同社はこれまでに従業員のおおよそ25%を解雇した。

新型コロナで乗車事業はかなりの打撃を受けている。同社によると、具体的には乗車は80%減った。しかしフードデリバリーは絶好調だ。2020年第1四半期のプラットフォーム利用総額は46億8000万ドル(約5024億円)で、2019年同期比52%増と大きく成長した。

「Eatsの成長は加速しているが、社の経費をカバーできるほどではないことをはっきり伝えておきたい」とコスロシャヒ氏はメモの中に書いている。「Rides事業でそうだったように、我々が取っている行動はEatsの収益化につながると信じている。しかし一晩では無理だ」。

一方、WSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)とBloomberg(ブルームバーグ)によると、Uberはフードデリバリー事業UberEatsを増強するためにGrubHub買収を交渉中だ。WSJの報道では、Uberが2020年初めに買収の話を持ちかけたが、協議はまだ続いているとされている。Bloombergは買収交渉は2020年5月にもまとまる、と報じている。だが、コスロシャヒ氏はメモでは買収については触れなかった。

主要なサービスを整理するという取り組みの中で、Uberは立ち上げて1年も経たないIncubatorを閉じる。またAI Labsもなくし、シフト業務の労働者をマッチングするために2019年10月に立ち上げたサービスUber Worksの代替も探す。

今回の解雇ではドライバーは影響を受けない。ドライバーは現在、従業員ではなく独立請負業者として分類されている。それでも多くのドライバーが新型コロナ禍の中、手厚い保護と社会保障を求めて声を上げ続けている。先週ドライバーたちは、Uberに対し州の失業者保険基金に拠出するよう抗議活動を行った。ドライバーたちはまた、ギグワーカーを独立請負業者として今後も分類することができるようUberがLyftやDoorDashと共に提案した投票の取り組みを断念することも求めている。

画像クレジット: David Paul Morris/Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:Mizoguchi

記者失踪問題に絡みサウジ同盟がUberボイコットを展開

Uberが、ペルシャ湾地域でボイコット運動に直面している。この地域は近年、同社の配車サービス事業に何十億ドルもの投資を注いできたところだ:Saudi Arabia’s Public Investment Fund(PIF)を通じて直接的に、そしてUberの別の大きな投資家であるSoftbankのVision Fundにサウジが主要インベスターとして出資しているのを通して間接的に投資を行なってきた。

この地域が呼びかけているUberボイコットはサウジ同盟が昨日火をつけた。BloombergReutersの報道によると、バーレーンの外相がUberボイコットを求めるハッシュタグをリツイートした。

Uberのスボークスマンはこの件についてコメントを拒否している。

ツイッター上でのボイコット呼びかけでは、Uberアプリを同業ライバルCareemにかえるようユーザーに促している。ただし、このUber以外の選択肢がすでに当地で展開されているのかは定かではない。

Uberへの怒りは、UberのCEOであるDara Khosrowshahiサウジ記者Jamal Khashoggi失踪事件への反応が引き金となっている。Khashoggiは米国居住者で、トルコ市民の女性と結婚するための書類を入手しようと、アポを入れていた10月2日にイスタンブールにあるサウジ総領事館に入って以来、姿を消している。

新聞の報道ではKhashoggiは、殺人を目的にトルコに入国したサウジの暗殺チームによって総領事館の中で殺害された。サウジ出身の国外在住ジャーナリストは皇太子の体制に批判的な記事を書いていた。

独立系のケーブルテレビの映像では、Khashoggiが総領事館に入るところが映っているが、そこを出てきたことを示すものは何もない。しかし、サウジ政府は関与を否定していて、サウジ市民はトルコを観光目的で訪れているだけだと主張した。

Khashoggi失踪に関する懸念の高まりを受け、企業トップが相次いで今月下旬にサウジの首都で開かれる投資会議への出席取りやめを発表し、UberのCEOはそのうちの一人だった。

Khosrowshahiは先週、「Jamal Khashoggiについての今日までの報道を大変憂慮している。この件を注意深く見守り、かなり異なる事実が出てこない限りはリヤドで開かれるFII会議には出席しないだろう」との声明を出している。

Uberは今日TechCrunchに対し、Khosrowshahiが未来投資イニシアチブ会議に出席しないことを認めた。この会議はサウジのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、別名MBSが主催するものだ。彼はPIFのチェアマンで、Uberの役員会のメンバーでもあり、Uberにとって鍵となるインベスターだ。

こうしたつながりが、今回の件を自身の方針にどう照らすのか、Khosrowshahiにとって複雑なものにしているーKhosrowshahiはUberのCEOに就任したとき、ルールの一つとして「終始正しいことをやる」と示した。

Uberが2年前にサウジPIFから35億ドルの出資を受けたとき、「正しいことをやる」はたった一つのことしか意味していなかった。それはUberを成長させるということだ。CEOで創業者のTravis Kalanickにとって交渉時は特に懸念事項はなかった。

サウジから資金を調達したとき、Kalanickは「我々はグローバルでのプレゼンスを拡大し続けるが、我々のビジネスを後押ししてくれるのはありがたい。サウジアラビアでの経験は、Uberがいかに乗客、ドライバー、そして街に貢献できるか良い例となる。サウジアラビアの経済・社会刷新をサポートするためのパートナーとなることを楽しにみにしている」と言っていた。

当時のサウジは、改革のイメージとなるようなプロジェクトを探していて、と同時にイエメンに軍事介入し、さらには国内の批判を抑圧するという長い歴史を抱えていた。そうした保守的なレジームから投資を受けることの倫理的、政治的リスクについて、Kalanickが考慮したかどうかは定かではない。

しかし2016年に、そしてSoftBankを介して昨年末に再びサウジの投資を受けるという選択はいま、Khosrowshahiの大きな悩みのタネとなっている。

Mangrove Capital Partnersの創業者でCEOのMark Tluszczは、UberそしてインベスターのSoftBankに“アップサイドはない”とツイートし、UberのCEOはKhashoggiの運命についての懸念を自分自身に向けるべきだと提案している。

続いてあった人権についての質問に対する返事として、Tluszczはまた「CEOは個人的に自分のしたいことをしてもいい。しかし個人的な意見を表明するのに肩書きを使うべきではない。個人的な考えが全ての株主の益になるかは疑わしい」と述べている。

Bloombergはまた、Khashoggi失踪についての抗議が高まるにつれ、そしてVision Fundとともにとったアプローチにインベスターが疑いの眼差しを向けるにつれ、SoftBankによる株保有は厄介なものになり続ける、と指摘している。

Uberの場合、Khosrowshahiは治外法権のジャーナリスト失踪について、サウジ政府に対し批判的なことは何も言っていない、ともいえる。しかしこれが、‘正しいことをする’と声高にPRしていたCEOを難しい立場に追いやっている。

‘Uber:時々我々は正しいことをする’は、‘終始我々は正しいことをする’とは同じ意味とならない。Uberブランドにある悪を出し切ることは、明らかにKhosrowshahiがUberにい続けられるかどうか鍵を握る要素となる。

にもかかわらず、同時にUberは何十億ドルものサウジ投資に浸かったままだ。PRメッセージだけでは、社の投資ストラクチャーの問題にもつながる過去の問題ある決断を洗い清めることはできない。

それは言葉以上のものを要する。

だからUberはいま、Khosrowshahiの発言のために地域限定の逆風の中にいる。偽善者のように見える可能性もあるが、自らを大株主と対峙させることになっているーこれは新たなインベスターがらみのいざこざとなるリスクがある。

過去の問題が経営に深くかかわるとき、近道はないといってもいいだろう。

もちろん、サウジの資金を活用しているのはUberだけではない。TechCrunchが先週報道したように、他にも多くのシリコンバレー企業が最近のMBSの歩み寄りを歓迎していて、少なからずSoftBankのvision fundを通じてサウジのPIF資金を受け入れている。

MBSについて、ボストン拠点のFlybridge Capital PartnersのJeff Bussgangは先週我々に対し、ベンチャーや未公開企業は何年も中東のキャピタル筋から資金を調達している、と語った。そして、「通常、起業家は政治にフォーカスするのを好まず、歴史的に金の出どころに多くの注意を払わない(“PLOやイランから”の金でない限り)」と付け加えた。

将来の起業家が、投資がどこからくるのかさほど気にかけなくていいほどにおごっていられるのかは、現時点では不透明だ。政治的、そして地政学的なリスクは間違いなく起業家のレーダーで大きな存在になるに違いない。

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(翻訳:Mizoguchi)

Uberの自動運転車開発、トロント拠点増強に1億5000万ドル投資

Uberの自動運転車がアリゾナ州テンペで歩行者をはねて死亡させた事故から何カ月もたち、この大手配車サービスはトロントに新たなエンジニアリングハブを設けると発表した。自動運転車の開発に再度注力するため、自動運転研究チームを増強する。

Dara Khosrowshahiは、昨年UberのCEOに就任してから初めてカナダのテックハブを訪れ、今後5年間でトロントに1億5000万ドル投資すると明らかにした。300人を新たに雇用し、トロントの従業員数を計500人にする計画だ。新しいエンジニアリングハブは来年初めのオープンを見込む。

この件について、我々はUberにコメントを求めている。

「我々は、カナダのイノベーションへの姿勢が積極的で、トロントのテックエコシステムが活発であると認識している」と Khosrowshahiは地元紙Toronto Starへのコメントでこう述べている。「この素晴らしい多様性に富んだ地域から生まれるイノベーションをサポートしたい」。

Uberは5月に高度技術グループのトロントオフィスを開所した。このオフィスのトップは地元のAI研究者Raquel Urtasunだ。Urtasunはトロント大学の教授で、機械学習とコンピュータービジョンにおけるCanada Research Chair(編集部注:カナダ政府直属の専門教授職)も務める。

死亡事故を受けてUberは当初、路上での自動運転車プログラムを全停止し、カリフォルニア州での自動運転車に関する許可も更新しなかった。その後、Uberは自動運転車の路上試験を再開したが、マニュアルモードで行なっている。

トロントでは自動運転車試験を昨年から実施していて、UberはトロントでのAV研究強化に引き続き“かなり注力する”と述べている。

イメージクレジット: Jeff Swensen / Getty Images

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Uber CEO:配車サービスはスクーターと自転車と空飛ぶタクシーに取って代わられる

今から10年後、配車サービスは件数ベースでUberの事業の50%以下になる、とCEO Dara Khosrowshahiが木曜日(米国時間9/6)のTechCrunch Disrupt SFで話した。

ステージ上で掲げた予言は、UberとKhosrowshahiが都市環境のあらゆる移動手段に関わり利益も上げている最近の動きと一致している。KhosrowshahiがCEOに就任してから1年、Uberは数百万ドルで自転車シェアリングのJUMPを買収し、UberRENTを発表し、ドックレス電動スクーターサービスの計画を発表、そしてUberのマルチモーダルな未来を探るべくモダリティ組織を新設した。

同社にとって最初で最大の収入源である配車サービスは、配達アプリのUberEATSと共に大きく伸びていくだろう、とKhosrowshahiは言った。しかし、長期的には、乗用車に依存する移動手段は減っていく傾向がすでにみられている。

われわれは、交通のAmazonになりたい、とKhosrowshahiは言う。「願わくば、今から10年後、ここにいる人は誰も車を所有していないだろう」。

ドックレス電動スクーターと自転車が——いつかは空飛ぶタクシー も——その計画の中心だ。

「実際私は個人用電動乗り物に関して非常に強気だ」とKhosrowshahiは言った。「スクーターはそのバージョン1だ」。

インタビューのビデオは下で見られる。

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これがUberの空飛ぶタクシーのコンセプトだ

Uberはユーザーが空飛ぶUberを呼び出せる未来を構想している。そしてそれはCEO Dara Khosrowshahiが言う「大きく大胆な賭け」だ。彼は今日午前のCBSのインタビューで、大きく大胆な賭けがUberを作ったと話した。

「われわれはこの乗り物を使ってネットワークを作り、一般の人々が渋滞を避けて長い距離を移動したいとき、手頃価格で空飛ぶタクシーを使えるようにしたい」とKhosrowshahiは言った。

目標は無人運転で4人乗りの空飛ぶタクシーを作って料金を安くすることだ。ユーザーはアプリでエアタクシーを呼びUberの屋上施設で乗り込む。CBSのインタビューによると、タクシーは複数のプロペラと電動モーターのおかげで比較的静かになるとUberは言っている。

同社は2020年までにトライアルを始める計画だ。

Uberは今日(米国時間5/9)、明日のUber Elevateカンファレンスでエアタクシーの詳細を発表する予定。

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Uberの新CEO、New York Timesの取締役を辞任

最近就任したUber CEOのDara Khosrowshahiは、New York Times社の取締役を降りる見込みだ。

証券取引委員会への提出資料によると、Khosrowshahiは木曜日(米国時間9/6)に辞任の意向を会社に伝えた。Uberで新たな役職に就いたことが理由だ。前Expedia CEOである同氏は2015年以来New York Timesの取締役を務めていた。

「Khosrowshahi氏の取締役辞任の決断は、当社の経営、政策、慣行などに関わる不一致によるものではない」と資料には書かれている。Khosrowshahiは監査委員会および技術・革新委員会の委員を務めた。

Khosrowshahi氏は同社取締役会で唯一のIT幹部ではない。Pandoraの前CEO、Brian McAndrewsおよびFacebook傘下OculusのCMO、Rebecca Van Dyckの2人はいずれも取締役を務めている

New York Times紙は、Khosrowshahi氏のUberの新CEO就任について書いた記事で、同氏が自社の取締役であることを公表していなかったとして最近批判を受けた。同社は落ち度を認めているが、Khosrowshahi氏が取締役であったことはUberの記事に影響を与えていない、と語った。

New York Times社の株価は過去1年に53%上昇した

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Expedia CEO コスロウシャヒ氏、Uber CEO就任を承諾

契約成立までにはまだ手続きが必要だが、Expedia CEOのDara Khosrowshahiは、Uber CEOの就任依頼を受ける意向であることを、今日(米国時間8/29)Wall Street Journalに 伝えた

Uberの取締役会は日曜日の夜、 全会一致でKhosrowshahiをUberの新しいトップに指名したが、これまで本人から正式な回答はなかった。GEのJeff ImmeltとHP CEOのMeg Whitmanが最後まで候補にあがっていた。

なお、現時点でKhosrowshahiはまだ、ExpdiaのCEOである。

もちろん、彼にはやらなくてはならないことがいくつかある。中でもUber前CEO Travis Kalanickの社内での役割をどうするかは大きな課題だ。Kalanickは去る6月に、#DeleteUber ムーブメントや性差別的企業カルチャー、さらには自動運転技術を巡るGoogleとの裁判など数々の騒動を理由にCEOの座を退いたが、今もまだUberの取締役であり、同社の支配力を有する株主でもある。

Khosrowshahiは、Kalanickを経営に関わらせるつもりだと言い、二人の関係は「築きつつある」と説明したが、それ以上は語らなかった。

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Uber、新CEOに2億ドルを支払う?

日曜日(米国時間8/27)、Uber取締役会はExpediaのCEO Dara Khosrowshahiを新CEOに指名した。そしてBloombergによると、彼を獲得するために会社は大枚を支払う必要があった。

Khosrowshahiは2005年からExpdiaのトップを務め、日曜日時点で1.85億ドルの未確定ストックオプションを持っていた。そんな大金を手放すことは、Uberがそれ以上を提示しない限りあり得ない。

一般に会社幹部の報酬は、大部分が株式と結びついた形で受け取る。会社の価値を高め、その職に留まることを動機づけるためのしくみだ

評価額680億ドルのUberには、膨大な報酬パッケージを提示する余裕がある。UberがOttoを買収したとき、ファウンダーのAnthony Levandowskiには2.5億ドルを支払った

Uberは非公開企業のため、Khosrowshahiの報酬や持ち株を公表する必要はない。

The New York Timesによると、Charter CommunicasionsのCEO、Thomas Rutlegdeは昨年最も報酬の高かったCEOで、2016年だけで9800万ドルを稼いだ。CBSのLes Moonvesが6860万ドル、Madison Square GardenのCEO、David O’Connorが5400万ドルで続いた。

Khosrowshahiは2015年に 9500万ドル近くをExpediaから受けとり、米国実業界で最高水準の報酬を得た経営者の一人だった。金額の大部分は2015年3月にExpediaが供与したストックオプションによるもので、数年にわたって権利行使されると思われていた。

しかし、彼の給与はさほど高くない。2014年のKhosrowshahiの報酬は計960万ドルだった。昨年手にしたのは給与とボーナスを合わせて240万ドルだった。

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