間もなく開幕のGoogle I/O。会場では数百台のArduinoを使って騒音レベルや空気汚染度などの環境データを測定予定

間もなくGoogle I/Oが開幕となる。参加するのであれば、自動的にGoogle Cloud Platform Developer Relationsチームによる実験に参加することにもなる。Google I/Oの開催されるMoscone Center周辺の環境情報を種々吸い上げてみようとするプランがあるようなのだ。

Developer Programs EngineerのMichael Manoochehriによるブログ記事によると、Arduinoを使った環境情報取得センサーをあちこちに配置する予定なのだとのこと。そしてリアルタイムで温度、騒音、湿度、空気汚染度などの情報を取得するのだそうだ。そもそもの目的は、カンファレンス会場のどこが最も人気のエリアとなっているのかなどを知るためのものだ。得られたデータをGoogleがどのように分析するのかはなかなか楽しみだ。

気味が悪いと感じる人もいるかもしれない。しかしこれは施設内の温度に応じて空調の調整を行うのとさほど変わらない意味しかない。将来、屋内でのエンタテインメントやビジネスについて役立つ情報を集めるための準備をしておくという、いかにもGoogleらしいプロダクトのひとつだと言える。

各種情報収集センサーをネットワーク化することにより、ロジスティクス、都市設計、その他コンシューマープロダクトの開発などに革命をもたらす可能性もあるのです。今回のデータ収集の成果は、Data Sensing LabでGoogle I/O出席者の皆さんと共有していこうと思っています。Google Cloud Platformと、オープンなハードウェアを組み合わせることで、誰にでも利用可能で有効なコンピューティング環境が構築できることを示したいと考えているのです。

オープンハードウェアとGoogleのCloud Platformを使ってデータが収集できるというのはわかった。しかし具体的にはどのような形でビジネスに役立つのだろう。たとえばどの洋服店では来客数や商品を見て回った人のカウントができるようになりそうだ。また、店舗内のどこに人が集まるのかも測定できる。店内のディスプレイの状況により、どういう動きが生まれるのかを確認するのに使えるかもしれない。言ってみればリアル世界での広告トラッキングシステムのような使い方ができるかもしれないわけだ。あくまでも将来的な可能性ではあるが、いろいろと面白いアイデアが生まれてきそうだ。

ちなみに、こういう環境データ的なものは、個別に見ていてはほとんど意味を持たず、全体を把握してこそ判断の役に立つものとなってくる。

騒音のレベルを測定する機器もあれば、また付近での足音数をカウントするものもあります。こうしたデータを総合して、測定場所での動向を把握したいと考えているのです。

こうした情報が個人情報とタグ付けされることはない。足音や、他の日常的な振る舞いを統合してデータとして活用するというアイデアは、多少の気味悪さはあるものの、確かに面白さは感じる。

もしこうして収集したデータを、簡単かつわかりやすい形でデータ提供を行えるとなると、多くのビジネスがセンサー導入に積極的になるだろう。そうした際に必要とされるのは安価に提供されるプラットフォームであり、そのプラットフォーム上にデータが集約されていくことになる。Googleはもちろんプラットフォーム提供者としての成功を目指していくことになるわけだ。

データの収集を行いつつ、Data Sensing Labと名付けたワークショップも開催されることとなっている。周囲の環境データを読み込んでどのような解析を行なっているのかに興味があれば、ぜひ参加してみると良いだろう。また、会場内に設置するモニターでも、収集したデータをリアルタイムで表示することになっている。

Googleに追尾されつつ、Google I/Oの様子はいろいろと伝えて行きたいと思っている。

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(翻訳:Maeda, H)