Dawn Aerospaceが準軌道スペースプレーンのテスト飛行を5回完了

ロケット打ち上げの分野が急速に混み合ってきている一方で、準軌道宇宙飛行機を開発する企業はそうでもない。つまり、Dawn Aerospace(ドーン・エアロスペース)のようなスタートアップが成長する余地は大きいという意味だ。同社は、地表から最大60マイル(約96km)の高度を飛ぶために開発されたスペースプレーンMk-II Aurora(マークツー・オーロラ)のテスト飛行を5回完了した。

テスト飛行は、ニュージーランドの南島にあるGlentanner Aerodrome(グレンタナー・エアロドローム)で2021年7月に行われ、スペースプレーンの機体とアビオニクスが評価された。飛行機は高度3400フィート(約1km)までしか達しなかったが、テストでDawnのチームは「Mk-IIの能力に関する研究開発を進めるための幅広いデータ」を得ることができたとCEOのStefan Powell(ステファン・パウエル)氏が声明で述べている。

画像クレジット:Dawn Aerospace

Dawnのアプローチは、一般の空港で離着陸可能で、1日複数回宇宙と行き来できる飛行機を作ることだ。明白な利点は、垂直打ち上げよりも著しく資本集約的でないことだ。Mk-IIはサイズもコンパクトカー並みで長さは16フィート(約5.4m)以下、空の状態の重さはわずか165ポンド(約75kg)なので、さらにコストを下げられる。

名前から想像できるように、Mk-IIは同社の第2弾のスペースプレーンだが、Dawnはそこでやめるつもりはない。同社は2ステージで軌道に乗るスペースプレーン、Mk-IIIの建設を計画中で、科学実験や、気象観測、気象モデリングに使う大気データの採集にも利用できる。Mk-IIの積載量は3U、8.8ポンド(約4kg)以下なのに対し、Mk-IIIは最大551ポンド(約250kg)を軌道に運ぶ能力がある。

Mk-IIは最終的にロケットエンジンを搭載して超音速・高高度のテストが可能になる予定だ。

同社は2020年12月、Mk-IIを空港から飛ばすためにニュージーランド民間航空管理局から無人航空機運行許可を取得して、大きな節目を迎えた。さらに、オランダの南ホラント州からも、低出力感知・検出レーダーシステムをテストするためのRadar Based AvionicsおよびMetaSensingの許可を受けた。このデモンストレーションは2022年に予定されており、Mk-IIに小さな改造を加えたあと実施する、とパウエル氏がTechCrunchに伝えた。

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画像クレジット:Dawn Aerospace

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(文:Aria Alamalhodaei、翻訳:Nob Takahashi / facebook