クラウドインフラを管理せずにアプリを展開できるQoveryが1.1億円を調達

最初にHerokuがリリースされたとき、それが大きなブレークスルーを起こしたことを覚えているだろうか?Qoveryは、コードとクラウドインフラストラクチャの間に抽象化レイヤーを構築することで、その再現をしようとしている。QoveryのユーザーがコードをGitのリポジトリにプッシュすると、Qoveryがそのサービスをユーザーに代わって管理してくれる。

共同創業者でCEOのRomaric Philogène(ロマリック・フィロジェーネ)氏は「これは開発者のためのCaaS(コンテナ・アズ・ア・サービス)プラットフォームだ。Herokuのように、ユーザーは.qovery.ymlファイルを作成して、必要な依存関係を記述するだけだ」という。

基本的に、QoveryはユーザーのGitリポジトリとクラウドインフラストラクチャのアカウントの間に位置している。同社は、クラウドホスティング自体を管理しているわけではない。QoveryのアカウントをGitHubやGitLab、Bitbucketなどのアカウントに接続すれば、新しいコードをプッシュした際にQoveryが自動的にトリガーされようになる。

その後、Qoveryが自動的に新たなサーバー、管理されたデータベース、KafkaやRabbitMQのようなブローカーを立ち上げる。デプロイの自動化はTerraformやCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)のソフトウェアでもできるが、Qoveryはそれをもっと簡単にできるようにする。

さらに重要なのは、Qoveryが複数のクラウドプロバイダーを統合してくれることだ。すでにAmazon Web Servicesに対応しており、現在、DigitalOceanScalewayのサポートにも取り組んでいる。Google CloudとMicrosoft Azureもロードマップに載っている。

また、ユーザーは各ブランチごとに独自のインフラストラクチャを設計できる点も興味深い。新しい機能を試行するための開発ブランチやステージングブランチがある場合、本番環境を最初から作り直さずに、このブランチ用の新しいサーバーを立ち上げることができる。

そして、これがQoveryの最も重要な機能であることは間違いない。同社によると、クラウドホスティングは今後コモディティ化するという。各プロバイダーは、マネージドデータベースやメッセージブローカーなどを提供することになるとのこと。信頼性た料金、サポートのレベルが、差別化の要因になる。例えば本番用のアプリケーションをAWS上に置き、開発ブランチを別のクラウドプロバイダー上で動かすことを想像して欲しい。

その裏では、QoveryはTerraformとKubernetesに大きく依存し、それらの上にもうレイヤーを追加している。Herokuのモノリシック(一枚岩的)なやり方に比べると、Qoveryのマイクロサービスを軸にゼロから設計されているため、より効率的にスケールすることができる。

Qoveryの料金は、1アプリケーションあたり月額15ドル(約1590円)だ。ただし最近では、1つのサービスのために数十のアプリケーションを動かすことが普通になっているため、すべてをQoveryに切り替えた場合、各アプリケーションに15ドルを支払うことになる。

すでに開発チームと連携するCIツールを使っているところでは、QoveryがビルトインCIサービスの代わりに、そちらを使ってもよい。Qoveryにロックイン効果はないため、独自のDevOpsチームがあるのであれば、使用を止めることもできる。

同社はTechstarsと多数のエンジェル投資家から100万ドル(約1億1000万円)を調達している。

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中国が国内用のGitHubとして代替サービス「Gitee」を構築中

米中間のテクノロジーをめぐる分断が、中国の企業に漁夫の利をもたらしている。スマートフォン(未訳記事)や電動車のためのチップのメーカーからソフトウェアに至るまで、それらの企業は何百万にもおよぶ企業の日常の経営の柱だ。

中国企業は消費者向けのインターネットサービスでは市場を支配しているかもしれないが、ハードウェアやエンタープライズソフトウェアを支える基礎技術はまだ米国やヨーロッパの企業が握っている。しかしますます大きな地政学的紛争にテクノロジー企業が巻き込まれる機会が増えるにともない、その熱気はユーザーやクライアントにも及んでいる。輸入チップに縛られないようにするというHuawei(ファーウェイ)の計画は、外国の技術に依存してきたこれまでの中国企業の弱点を示す例として、頻繁に引用されている。

テクノロジーのコミュニティを不安にしているもう1つの分野が、ソースコードのホスティングだ。中国の開発者はGitHubに大きく依存している。2013年に中国政府がGitHubの利用を禁じたときの、当時のGoogle ChinaトップだったKai-Fu Lee(李開復)氏の反応(Tech in Asia記事)を見ても、そのことがよくわかる。そして今度は、中国の開発者コミュニティは政治紛争がGitHubを阻害することを恐れている。

このような例は以前にもある。Microsoft(マイクロソフト)傘下のGitHubは、2019年7月にイランやシリア、クリミアなど米国が制裁を行なっている国に対してサービスの一部を遮断して(未訳記事)、世界中の開発者の怒りと恐慌を誘った。

創業7年になるGiteeは、企業のソースコードをローカライズする中国の努力の中心的機能を担っている。中国政府のテクノロジー政策立案のトップにいる産業情報技術省(Ministry of Industry and Information Technology、MIIT)は最近、Giteeをベースに中国でオープンソースのコードをホスティングする独立のプラットフォームを作る(Giteeブログ)と発表した。

そのプロジェクトは、Open Source Chinaが率いるコンソーシアムが実施する。Open Source Chinaは深圳にある中国企業で、社名と同名のオープンソースコミュニティとGiteeを支えている。MIITがいつそのホスティングサービスは政府主導の取り組みで、いくつかの研究大学が支え、民間部門からの参加もある。10社からなるその企業グループには、ファーウェイも含まれている。いうまでもなく同社は、政治の嵐の真っ只中でサプライチェーンの破断に苦しんでいる。

GitHubが米国の制裁に従うと発表した直後の2019年8月に行われたイベントで、ファーウェイの役員(コアネットワーク担当プレジデント)であるWang Chenglu(ワン・チェンルー)氏は、「中国にオープンソースのコードをメンテナンスし管理する独自のオープンソースコミュニティがなければ、国内のソフトウェア産業は、制御不能な諸要素に対して極めて脆弱になる」と述べた(捜狐記事)。

Giteeの主張によると、現在は1000万あまりのオープンソースのリポジトリーをホストしており、これまで500万以上のデベロッパーにサービスを提供してきた。比較すると、GitHubにはリポジトリーが1億あるといわれ(VentureBeat記事)、全世界のユーザー数は2019年11月現在で約3100万である。

問題は、Giteeのプラットフォームに中国の開発者がGitHubから移行したくなるほどの魅力や利点があるかだ。また、純国産のライバルとしてTencentが支えるCoding.netもある。特に後者は、背後に業界の大物が揃っている。またGitHubに関しては、同社の役員がFinancial Times誌で述べていたように、果たして中国に子会社を作って輸出の制約をかいくぐることになるのかも問題だ。

Gitee自身は、中国には第二のGitHubが成り立つ余地が十分にあると自信満々だ。

「Hongshu(紅薯)」や「Sweet Potato(さつまいも)」のあだ名で知られているOpen Source Chinaの創業者は「世界はそこに何百もの花が咲く1つの世界であるべきだ。外国市場にはGitHubをはじめ、別の種類のプラットホームがある。中国では、様々な組織が熱心にオープンソースソフトウェアの普及努力をしている。Giteeも、そんな組織の1つだ。オープンソースのエコシステムはひと晩ではできない。それは、砂の粒をひとつひとつ積んで塔を作るような作業だ。中国の開発者にはイノベーションの能力があると確信している。また、我々の辛抱強さと努力にも自身を持っている」とブログで述べている

画像クレジット: Gitee

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AtlassianがスウェーデンのMindvilleを買収、企業の資産管理ツールを自社ラインアップに加える

米国時間7月30日、AtlassianはMindville買収したことを発表(Mindvilleリリース)した。スウェーデン拠点のMindvilleは、バグトラッキングや課題管理、プロジェクト管理などに使われるAtlassianのJiraを利用する企業向けの資産管理ツールを提供している。その1700あまりの顧客の中には、NASAやSpotify、Samsung(サムスン)などもいる。

画像クレジット: Atlassian

この買収でAtlassianは、資産管理サービスツールを自社サービスに加え、新しい市場に進出する。Mindvilleの主力プロダクトであるMindville Insightsは、企業のITやHR、営業、法務、施設などの部門を支援し、各部門が企業全体の資産を追跡するのに役立つ。資産の種類やタイプは特定しないが、Atlassianのユーザーベースから考えると、サーバーやラップトップなどIT関連の資産が対象になるだろう。物理的な資産のほかに、AWSやAzure、GCPなどのクラウド上のサーバーも自動的にインポートでき、またService NowやSnow Softwareなどのサービスへのコネクターも開発している。

画像クレジット: Mindville

Atlassianの技術チームのトップを務めるNoah Wasmer(ノア・ワズマー)氏は本日の発表で、新市場について「Mindville Insightはエンタープライズに彼らの資産とサービスの完全な可視性を提供するが、それは優れた顧客サービスと従業員サービスの体験を提供するために欠かせない要素である。これらの能力はITサービスの管理の要であり、Atlassianがかねてから継続的に強力な勢いと成長を見ている市場でもある」と語った。

Crunchbaseによると、Tommy Nordahl(トミー・ノルダール)氏とMathias Edblom(マティアス・エドブロム)氏が共同創業したMindvilleは、これまで外部資金を導入してこなかった。また、Atlassian、Mindvilleはともに買収の価額を公表していない。

Code BarrelなどのAtlassianの最近のそのほかの買収と同様、MindvilleもすでにAtlassianのパートナーであり、そのサービスをAtlassian Marketplaceで販売して成功していた。

前出のワズマー氏は「この買収はAtlassianのITサービス管理への投資の延長線上にある。投資の最近の例としては、インシデント管理のOpsgenieや、コード不要の自動化を提供するAutomation for Jira、会話型チケット作成のHalpなどの買収が挙げられる」と語る。

Mindvilleのチームによると、同社は既存の顧客のサポートを続け、Atlassianは引き続きInsightのツールを利用するが、同時にJira Service Deskとの統合も進めていく。Atlassianによればこの統合は、自社の資産へのより完全な可視性を与え、企業がより良い顧客サービス体験と従業員サービス体験を提供できるようになるという。

画像クレジット: Mindville

一方Mindvilleの創業者は発表声明で「MindvilleのInsight系列のプロダクトは多くの業界と多様な分野で重用されてきた。中にはとても意外な業界や分野もある。しかし、一番人気のある分野といえばIT サービス管理であり、そこではInsightが、すべての関連資産をインシデントや変化、問題、リクエストなどに結びつける重要な役割を演じる。弊社のソリューションとAtlassianのプロダクトを組み合わせれば、より高度なサービス管理のためのより緊密な統合化が可能になり、そしてそれは根底にある資産データから力を得るものである」と述べている。

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画像クレジット: Mindville

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Google CloudのBigQuery OmniでGCPとAWSとAzureのデータをクエリできる

米国時間7月14日、Google(グーグル)はオンラインで開催されたGoogle Cloud Next ’20で、同社のクラウドポートフォリオの数々のアップデートを発表したが、今年のこのイベントのハイライトはBigQuery Omniのアルファローンチだろう。グーグルのハイブリッドクラウドプラットフォームであるAnthos(未訳記事)で動くBigQuery Omniにより開発者は、BigQueryエンジンを使って複数のクラウドにあるデータを分析できる。それにはGoogle Cloudと競合するAWSやMicrosoft Azureも含まれるが、当面サポートするのはAWSのみでAzureのサポートは後になる。

単一のインターフェイスを使うため、データセットをプラットフォーム間で移動せずに、データをローカルに分析できる。

Google Cloudのデータ分析技術担当ゼネラルマネージャー兼副社長であるDebanjan Saha(デバンジャン・サハ)「私たちのユーザーは数ペタバイトもの情報をBigQueryに保存しており、またそれが安全で保護されていることも知っている。しかしユーザーがBigQueryで行うデータ分析は極めて多様だ。例えば機械学習を組み込んだリアルタイム分析と予測分析をしているユーザーもいる。……GCPの中でBigQueryを使うことに大変満足しているユーザーから『BigQueryを他のクラウドにも広げて使いたいけど、どうやればいいんだい?』と尋ねられることが多くなっている」と説明する。

画像クレジット:Google

グーグルはかなり前から、未来はマルチクラウドにあるといっている。これには競合他社も賛成すると思う。しかしツールは、データが他のクラウドにあったり別のところで生成されたものであっても、自分たちのツールを使って欲しい。企業がそれらすべてのデータを利用できるようにするためには、結局のところ、そのためのツールとサービスが必要だ。しかもベンダーは、互いの差別化を重視している。そのため、データ分析の専門的技術を抱えるGoogle CloudはBigQueryをマルチクラウド化したい。「BigQuery Omniがあれば、ユーザーは自分がやりたいことができる。彼らはデータ分析したいのだが、そのデータは1カ所にまとまっていない。しかしBigQuery Omniなら、今日かでもすぐに、データがどこにあっても分析することができる」とサハ氏はいう。

画像クレジット:Google

サハ氏によると、Google Cloudが考えているのはこれによってエンタープライズは、複数のデータサイロに分散しているデータでも分析でき、自分のデータから新たなインサイトを得られるようになることだ。しかもそのために開発者やアナリストが使うのは、標準的なSQLのインターフェイスだけだ。

また本日の発表は、Anthosへのグーグルの賭けが実ってきたことの1つの例でもある。顧客がマルチクラウドのデプロイメントを容易に管理できるようになっただけでなく、グーグル自身も自分のプロダクトのリーチを、複数のクラウドにまたがって拡張した。そしてBigQuery OmniがAzureで使えないのは、Anthos for Azureがまだプレビューだからだ。一方、AWSのサポートは4月に一般公開された(未訳記事)。

関連記事:Google Cloudがオンメモリ暗号化のConfidential VMをローンチ

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Kubernetes管理のReplicatedがGitLabのプロダクトのトップをCPOに招聘

Kubernetesベースのアプリケーションのモニタリングと管理を提供しているロサンゼルスのReplicatedが、評価額27億5000万ドルのプログラミングサービスの大手GitLabのプロダクトのトップを、同社のチーフプロダクトオフィサー(CPO)に迎えた。

Mark Pundsack氏は、Replicatedで同社の事業拡大を手伝うことになる。GitLabでPundsack氏は、同社が社員数70名から1300名に成長する過程を見てきた。成長は主に、同社のオンプレミスプロダクトへの注力によるものだった。

ReplicatedのCEO、Grant Miller氏によると、同社も同様のオンプレミスサービスを多様なエンタープライズ顧客に提供していきたいと考えている。

Pundsack氏はCircleCIにいたときにReplicatedを初めて知ったが、同社がKubernetesのデプロイ管理ツールキットで新たに伸びてきたとき、再び気になる存在になった。

Pundsack氏は声明で次のように述べている: 「Replicatedが最新の製品で作り出した勢いはすごく大きくて、同社の軌道を変えてしまった。彼らのプロダクトとチームと顧客をよく見ると、これなら自分も加わりたいという気持ちになる。同社はエンタープライズのソフトウェアエコシステムの全体を貫く価値を作り出すという、きわめてユニークな立ち位置にあり、そのようなリーチはきわめて稀だ。同社のポテンシャルを見ると、初期のGitLabをいろいろと思い出してしまう」。

一方Miller氏は、これはReplicatedにとって大当たりだ、と言う。

Miller氏は曰く、「MarkはGitLabで中核的なプロダクト戦略を作り、同社をソースコントロール企業から完全なDevOpsプラットホームに変身させ、Kubernetesの最高のサポートを導入した。Replicatedのプロダクトのリーダーとして、彼ほど経験豊富な適任者は他にいない。MarkはGitLabの、従来的なオンプレミスのインストレーションからKubernetesベースのインストレーションと管理体験への進化を目撃してきた。それは、うちの顧客の多くが今経験しているものと同じ遷移であり、Markはその最良のものをすでに自分で体験している。弊社のプロダクトへの彼の関与により、より多くの弊社の顧客が成功する、と私は確信している」。

Pundsack氏は、この半年間でReplicatedが招いた二人目の新たな役員だ。同社は役員層の強化によって経営を拡張しようとしている。

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アプリ開発のデータベースの部分をシンプルなAPIにしたFaunaがシリーズAの拡張を獲得

開発者はつねに、アプリケーションの中でデータベースの部分が重くなりすぎないよう気を使う。そこで、データベースの部分を簡単なAPI呼び出しに変えたFaunaが、今日(米国時間7/1)2700万ドルの資金調達を発表した。

そのラウンドは実際には、Madrona Venture Groupがリードした2017年のシリーズAの拡張で、それにはAddition、GV、CRV、Quest Ventures、および数名の個人投資家が参加した。同社によると、今日の投資で調達総額は5700万ドルになる。

同時に同社は役員の強化を図り、元OktaのチーフプロダクトオフィサーEric Berg氏をCEOに、元SnowflakeのCEO Bob Muglia氏を会長に迎えた。

APIへの移行と言えば、決済のStripeや通信のTwilioがその代表格だ。高度な機能を自分でスクラッチから書くのではなく、サービスのAPIを呼び出せば、次の瞬間には道具立てがあっさりと揃っている。Faunaはそれを、データベースでやろうとしている。

CEOのBerg氏はこう述べる: 「Faunaのコードを数行書くだけで、あらゆる機能の揃ったグローバルな分散データベースを自分のアプリケーションに加えられる。コーディングが楽になり、コストを下げ、データベースの正しさ、容量、スケーラビリティ、レプリケーションなど面倒な問題で悩まないので納品も早くなる」。

自動化をさらに徹底するためにそのデータベースはサーバーレスで、スケールアップもダウンもアプリケーションのニーズに応じて自動的に行われる。共同創業者でBerg氏の下(もと)でCTOになったEvan Weaver氏は、Stripeを見ればAPIの利便性がよく分かるという。「Stripeをプロビジョニングする、なんてことを考える必要がない。しなくてもいいのだから。アカウントにサインアップするだけで、そのあとのプロビジョニングとかオペレーションは一切考える必要がない」、とWeaver氏は説明する。

多くのAPI企業と同様に、同社は開発者のコミュニティとコンセンサスを重視している。現在、およそ25000名のデベロッパーがこのツールを利用している。オープンソースのバージョンはないが、無料ティアのユーザーを同社は増やそうと努めている。彼らは今後、途中で従量制や月額固定料金で利用する有料ユーザーに変わってもよい。

同社は前からずっとリモートなので、新型コロナウイルスが襲ってきても40人の社員の働き方は変わらない。Berg氏によると、会社の成長に伴い、今ではダイバーシティとインクルージョンに関する積極的な目標がある。

Berg氏曰く、「うちの人事には、弊社のパイプラインと雇用努力におけるダイバーシティについて考える場合のかなり積極的な達成目標があり、会社がまだ小さなチームでもあるので、成長によってそれを維持できなくなるおそれはない。社員が倍になったら目標のパーセンテージを大きく変えることになると思うが、それがつねに念頭にあることは変わらない」。

Weaver氏によると、資金調達を初めたのは今年の初めなのでCOVID-19の前だ。でも、タームシートに署名したのは3月だ。そのときはすでにパンデミックが宣言されていたので、かなりナーバスになった、と彼は認める。Faunaのように技術が高度な企業は、成長に時間を要する。彼は、今の厳しい経済状況がなかったとしても、投資家たちがその難しさを理解してくれるか、気にしている。

氏は曰く、「ディープテクノロジーの事業なので、成長とスケールに本物の資本が要る。ハイリスク・ハイリターンのビジネスだが、ブームのときには資金調達も容易だ。しかしずばり言えば、最良の企業は人材の獲得が楽で資本へのフォーカスが大きい不況時に作られると私は思う」。

関連記事: Twilio 2010 board deck gives peek at now-public company’s early days…Twilioの成長の足跡をたどる(未訳)

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SuseがCloud FoundryベースのCloud Application Platform v2をリリース

ドイツの有名なオープンソース企業であるSuseは、数え切れないほど何度もオーナー企業が変わったが、2019年に再度独立企業になった。同社は、オープンソースのPaaSプロジェクト「Cloud Foundry」の長年の擁護者だ。SuseというとLinuxのディストリビューションを思い浮かべる人が多い思われるが、現在の同社はさまざまなサービスを提供している。コンテナプラットホーム、DevOpsツール、そしてCloud FoundryをベースとするSuse Cloud Application Platformなどだ。米国時間6月24日にSuseは、2年に一度の、そしていまやバーチャルのCloud Foundry Summitにおいて、Cloud Application Platformのバージョン2のローンチを発表した。

Application Platform、むしろCloud Foundryのメリットは、アプリケーションのワンステップデプロイと、それらサービスをホストするエンタープライズ級のプラットホームにある。

バージョン2の目玉機能は、Kubernetes Operatorだ。コンテナベースのアプリケーションをパッケージし、デプロイし、管理していくための標準的な方法で、これにより、Kubernetesのインフラ上でCloud Foundryをデプロイし、管理することが容易になる。

Suseのエンジニアリングとイノベーション担当プレジデントを務めるThomas Di Giacomo(トーマス・ディ・ジャコモ)氏によると、オンプレミスでもパブリッククラウドでも、Kubernetesのプラットホームがどこにあっても、その上でのインストール、運用、そしてメンテナンスが容易になり、既存のCloud Foundryユーザーにとっては、コンテナベースのモダンなアーキテクチャへの移行の道が開ける。というより、ここ数年はCloud FoundryにKubernetesのサポートを導入し、またCloud FoundryをKubernetesに持ち込むことの両方においてSuseは欠かせない存在だ。

なおCloud Foundryは長年、まだ誰もKubernetesの名前を聞いたことがないころから、コミュニティが開発した自社製のコンテナオーケストレーションツールを使っていた。しかし最近では、Kubernetesがコンテナ管理のデファクトスタンダードになり、そして現在では、Cloud Foundryは自社のDiegoツールとKubernetesの両方をサポートしている。

同氏は「Suse Cloud Application Platform 2.0は、これらの努力の上に構築され、それをさらに前進させる。そして最近SuseがCloud Foundry Communityに寄贈したいくつかのアップストリームの技術も取り入れている。例えば、KubeCFは、Cloud Foundry Application Runtimeのコンテナ化バージョンであり、Kubernetesの上で動く。またProject Quarksは、Kubernetes上のCloud Foundryのデプロイと管理を自動化するKubernetesオペレーターだ」と語る。

関連記事:SUSEがエンタープライズサービス好調で再び独立企業に

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Dockerがマイクロソフトとのパートナーシップを深化、より良質な開発者体験を提供

Dockerは昨年の秋、そのエンタープライズ事業をMirantisに売却したが、企業としては健在でいまではクラウドネイティブのデベロッパーツールへと事業内容を変えている(未訳記事)。米国時間5月27日、同社はMicrosoft(マイクロソフト)とのパートナーシップの拡充を発表した。DockerのコンテナをAzureでもっと簡単に動かせるようになる。

今回の発表により、DockerとAzureの2つのデベロッパーツール「Visual Studio Code」(VS Code)と「Azure Container Instances」(ACI)の統合度が高まる。Dockerによると「これまではこれらのツールで開発者がコンテナ環境をセットアップしようとすると数時間ないし数日を要していた」とのこと。

新たな統合により、マイクロソフトのツールセットでアプリケーションを開発時に、もっと容易にDockerのコンテナを含めることができ作業効率が高まる。DockerのCEOであるScott Johnston(スコット・ジョンストン)氏は「この統合によってデベロッパー体験が改善される」と説明する。

同氏は「マイクロソフトとの戦略的関係を拡張することによって、マイクロサービスを使うアプリケーションをクラウドネイティブで構築、共有、そして稼働していくことが一層単純化される。DockerとVS Codeは、最も好まれているデベロッパーツールであり、両者を合体させることによって、Azure Container Instancesのためのコンテナベースのアプリケーションを開発するデベロッパー体験がさらに改善されることは、我々の誇りだ」と述べる。

本日発表された内容としては、DockerのCLIからAzureに直接ログインできる機能や、2つのツールセットの間を行ったり来たりする煩雑さの軽減などがある。このほか開発者は、マイクロソフトのACI環境をデフォルト構成でセットアップできたり、ローカルのデスクトップインスタンスとクラウドを容易に切り替えながらアプリケーションを動かしたりできる。

今回のさまざまな統合化の努力によって、 AzureとDockerの両方を使っているユーザーは、それほど苦労しなくてもマイクロソフトのクラウドサービス上で作業できるようになる。なお、これらの統合は目下ベータだが「本年後半には正規にリリースされる」と同社は約束している。

関連記事:Docker regroups as cloud-native developer tool company(Dockerがクラウドネイティブのデベロッパーツールに特化。

未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

マイクロソフトがVisual Studio Live Shareに音声とテキストのチャット機能を追加

Microsoft(マイクロソフト)のVisual Studio Live Share(ビジュアルスタジオ・ライブ・シェア)はVisual Studio IDEとVisual Studio Codeエディターでリアルタイムのコラボレーションコード作成をするための新しいツールだ。同社はこのツールのブラウザーバージョンを既に公開している。リアルタイムの共有コードエディターはすばらしいツールだが、ユーザーは実際の作業内容について議論するために、別のツールを立ち上げる必要があった。しかしそれが変わる。Build 2020カンファレンスで、Microsoftはこのサービスに音声およびテキストのチャット機能を追加すると発表した。

現在のさまざまな状況を踏まえると、オンラインの共同作業を便利にするものは何であれ、デベロッパーにとって歓迎だろう。スクリーン共有など他の共同作業ツールと異なるLive Shareの大きな特徴は、各デベロッパーが使い慣れた、時には一風変わった自分専用の設定を使えることだ。最近の共同ドキュメントエディターのほとんどがそうだが、Live Shareでも全員がそれぞれのカーソルを使える。

現時点ではテキストと音声チャットは、Teamsなど他のMicrosoftのコミュニケーションツールと連携していないようなので、当面Live Shareで起きていることはLive Share内に留まることになる。

上記の新機能は、現在公開プレビュー版として利用できる。

画像クレジット:AleksandarNakic / Getty Images

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

自社のクラウドストレージAPIをAmazon S3互換にしてAWSに挑戦するBackblaze

Backblazeは米国時間5月4日、同社のB2 Cloud Storageサービスを、AmazonのS3ストレージサービスとAPI互換にしたことを発表した

Backblazeは、手頃な価格のクラウドバックアップサービスとして業務を立ち上げた。ここ数年はストレージの専門知識を活用して、デベロッパー向けにB2 Coloud Storageというサービスを立ち上げてきた。大手のクラウドベンダーの同様の機能よりも、大幅に価格が安いのがウリだ。B2の料金は、1GBあたりで毎月0.005ドル(約0.5円)から。ちなみにAWSのS3は1GBあたり毎月0.021ドル(約2.2円)からとなっている。

ただしデベロッパーは、ストレージの料金が安いというだけでは、プロ​​バイダーを切り替えることができない。複数の異なるシステムをサポートするには、それなりのコストがかかる。

B2をS3に対してAPI互換とすれば、デベロッパーは単にストレージをBackblazeにリダイレクトするだけでいい。大規模なプログラムの書き換えは必要ない。

「ここ数年、多くの企業が、私たちの驚くほど使いやすいクラウドストレージを愛用してきました。それによって信じられないような成果を達成することができたのです」と、Backblazeの共同創立者でCEOのGleb Budman(グレブ・バドマン)氏は述べた。「今回、既存のツールとワークフローをそのまま使えるようにすることで、より多くの企業が私たちのストレージを利用できるようになることに、いっそうワクワクしています」。

現在のB2の顧客には、American Public Television、Patagonia、Verizon’s Complex Networksといった企業が名を連ねる(編注:VerizonはTechCrunchの親会社であるVerizon Media Groupの盟主)。Backblazeによると、B2サービスには合計で約10万の顧客がいる。今回の立ち上げに最初から参加しているパートナーとしてはCinafilm、ファイル転送およびストリーミングサービスを提供するIBMのAspera、ストレージ専門企業のQuantum、クラウドデータ管理サービスのVeeamなどが含まれている。

「パブリックなクラウドストレージは、ポストプロダクションのプロセスにとって不可欠な要素になっています。最新の機能強化により、ベンダーとしての私たちと顧客の双方にとってBackblazeのB2 Cloud Storageへのアクセス性が向上しました」と、Quantumの製品マーケティング担当上級役員、Eric Bassier(エリック・バシエ)氏は述べている。「新しいS3互換APIを使用して、Backblaze B2をStorNext互換のパブリックなクラウドストレージのターゲットリストに追加できます。それにより、ハイブリッドでマルチクラウドなワークフローを実現するための新たなステップを踏み出すことができるのです」。

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(翻訳:Fumihiko Shibata)

DevOpsのためのモニタリングと試験プラットフォームのChecklyがシードで2.4億円相当を調達

DevOpsチームのためのモニタリングと試験のプラットホームを開発しているベルリンのChecklyが米国時間4月28日、Accelがリードしたシードラウンドで225万ドル(約2億4000万円)を調達したことを発表した。エンジェル投資家でInstanaのCEOであるMirko Novakovic(ミルコ・ノバコビッチ)氏やZeitのCEOであるGuillermo Rauch(ギジェルモ・ラウフ)氏、Twilioの元CTOであるOtt Kaukver(オット・カウクバー)氏らも、この投資に参加した。

同社のSaaSプラットホームを利用することでデベロッパーは、彼らのAPIエンドポイントとウェブアプリケーションをモニタし、異変の警告を受けることができる。そのトランザクションモニタリングツールを使えば、フロントエンドのウェブサイトの試験を定期的に繰り返し行うことが容易になり、コードは一行も書く必要がない。この試験ソフトウェアはGoogleのオープンソースのPuppeteerフレームワークを使っており、そしてその商用のプラットフォームを開発するためにChecklyはさらに、Puppeteer Recorderというものを開発して、エンドツーエンドの試験スクリプトをローコードツールの中に作り込んでいる。デベロッパーはそれに、Chromeのエクステンションからアクセスする。

モニタリングツールの市場は混み合っているが、Checklyのチームはエンドツーエンドの試験とアクティブモニタリングの組み合わせ、およびモダンなDevOpsチームへのフォーカスが自分たちの強みだと考えている。

創業者のTim Nolet(ティム・ノレット)氏は 「モニタリングの市場の1人の顧客として、それらのツールは90年代にずっと行き詰まりになっていて、チームをJavaScriptでサポートし、DevOpsのチームの中のいろんな役割で使えるツールが必要だと感じていた。自分で作り始めてみてすぐに気づいたのは、モニタリングと同様に試験も重要だということだ。Checklyで開発したのは、顧客が以前からずっと求めていたような新しいタイプのツールだ。評価は口コミですでに相当広がっている。DevOpsのチームに信頼されるプラットフォームというビジョンの今後の構築に向けて、Accelをパートナーにできたことは非常にうれしい」と語っている。

Noletの共同創業者は、TestObject(後にSauce Labsが買収)を創ったHannes Lenke(ハネス・レンケ)氏と、Saucd LabsのEMEA担当営業部長だったTimo Euteneuer(ティモ・オイチューニア)氏だ。

同社によると現在の顧客は約125社で、同社のプラットフォーム上で1日に100万回のチェックを行なっているとのこと。料金は個人デベロッパーなら月額7ドル(約750円)から、小さなチームのためのプランは月額29ドル(約3090円)となっている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ソースコードをオートコンプリートするAIプラットフォームCodotaが13億円を調達

スマートフォンとその小さなキーボードのおかげで、今や私たちが文章を書く際には、オートコンプリートがほぼ常識になっている。言いたいことをキーボードが提案してくれるので、作業が少しだけ楽になって、文章を書いて(少なくとも親指が太い私の場合)言葉を修正することで食われる貴重な時間を節約してくれる。だが、人工知能とセマンティック(意味論)分析がこうした形で利用されているのは、電子メールやメッセージを書くときだけではない。本日、コンピューター・プログラムのコーディングの世界にこのコンセプトを採り入れたプラットフォームを開発したスタートアップが、事業拡大のための投資を獲得したと発表した。

Codota(コドタ)は、作業の時間短縮(「生産性が25パーセントまで向上」と同社は主張)と文法と「スペル」の修正を目的に、記述中のコードを行ごとにオートコンプリートしてくれるAIツールを開発したイスラエルのスタートアップだが、e.venturesから1200万ドル(約13億万円)のシリーズA投資を獲得した。このラウンドには、前回の投資会社Khosla VenturesのほかTPY CapitalとHetz Venturesが新規に加わった。同社はこれまでに合計で1600万ドル(約17億万円)を調達したが、企業評価は公表していない。

この資金調達は2018年末(発表は3月になってから)で、Codotaが自社よりも大きな競合相手であるカナダのTabNine買収した直後に確定した。買収の目的は対応するプログラミング言語を増やすためだ。現在のところPython、JavaScript、Java、C、HTMなどを含むすべての主要言語に対応していると同社は話している。またVSCode、Eclipse、IntelliJといった主要な統合開発環境にも横断的に対応しているという。

この資金は、現在の範囲からさらにリーチを広げ、より多くの顧客を獲得するために使われる。今日、Codotaのツールをすでに利用している顧客はそうそうたる顔ぶれだ。Google、AmazonをはじめNetflix、Alibaba、Airbnb、Atlassianなどなど数多くの企業の開発者が顧客リストには含まれている。2019年は顧客ベースが1000パーセント以上に拡大し、月に100万人の開発者が利用しているという。

今回の資金調達のニュースは、Codotaのセマンティック技術とTabNineのテキスト技術を融合させたJavaScript用オートコンプリートの新バージョンをCodotaがローンチした時期と一致していた。

上に示した顧客リストの筆頭であるGoogleとAmazonは特に驚くべき存在だが、Codotaは狙いが定まっていて、現在の行動は正しいようだと彼らも明言している。この2つの企業は、それ自身が巨大AI企業であり、どちらも開発者向けに非常に強力なツールセットを提供している。特にGoogleは、Gmailのために同社が開発したツール群によってオートコンプリートの代名詞ともなっている。

2015年創立のCodotaが注目を集める理由は、共同創設者でCTOのEran Yahav(エラン・ヤハブ)氏によると、他の言語では進歩している意味論の専門家にとってすら、コーディングはそれまで難物だったからだという。

「数年前まで、それは実現不可能なものでした」と彼は話す。さらに、コーディングのオートコンプリートを可能にしたのは、次の4つの技術的な流れが合致したためだという。アルゴリズムに供給できる高品質なオープンソースのソースコードが入手可能になったこと。セマンティック分析が、洞察の抽出を大規模にできるまでに発達したこと。機械学習が発達して機械学習のコストが本質的に下がったこと。すべてをクラウドで処理できる計算資源が、誰でも、どこにいても利用できるようになったことだ。オープンソースが非常に活況となり、その他のすべてのものが一緒に付いてきた。他にも同じ研究をしている企業はあるが、Codotaはこの理想的な嵐をつかんだのだ。

「成功の度合いに違いはあれ、他社でもやっています」ともう1人の共同創設者でCEOのDror Weiss(ドロール・ワイス)氏はいう。「私は推測していますし、実際に知ってもいますが、他の企業も同じことをしています」。その他の企業とはKiteUbisoft、Mozillaなど数多い。

Codotaが構築してきたものの中でも、今、特にタイムリーな一面により正確なコーディング支援を開発者にもたらすと同時に、特定の環境や職場でのベストプラクティスは何かを「学習」する能力がある(個人向けコースと企業向けコースの両方があるが、この機能が提供されるのは企業コースだ)。あらゆる状況で便利に機能するが、とりわけ今の、開発者が家で1人で作業する場面では、あたかも同じ場所で仕事をしているかのように、即座に手助けをしてくれる。

非常に多くのAIが自律システムの考え方に傾いているが、ワイス氏は短期的にもましてや長期的にも、それは目標としていないと強調する。

「開発者に置き換わるものを作れるとは思いませんし、作りたいとも思いません。私たちの目標は、ありふれた繰り返しの側面を取り出して、そこを肩代わりすることです」と彼は言う。その点でいえば、バックオフィス機能におけるロボティック・プロセス・オートメーションと変わらない。「文法やベストプラクティスを覚えることには、それほど高い価値はありません。Smart Composeを使えば、(カスタマーサービスの)例文の提案はしてくれるでしょうが、あなたの心を読んで、あなたの言いたいことを察してまではくれません。なので、あなた自身に置き換わったり、あなたの意図を汲んで応答するといった方向に進む可能性はとても低いのです。そんなことは、私たちは長期目標にすらしていません」。

2019年にe.venturesは、アーリーステージの投資のための4億ドル(約430億円)のファンドを発表した。今回の投資はそこからのもののようだ。このラウンドにともない、e.venturesのジェネラルパートナーTom Gieselman(トム・ギーゼルマン)氏がCodotaの役員に加わった。

「私は開発者用ツールの市場を20年間見てきましたが、Codotaはコミュニティー、製品、テクノロジーの面において独占的なプレイヤーの地位を確立したと信じています」と彼は声明の中で述べている。「ソフトウエア開発を変革して、コーディングを楽にして、企業内のチームを構成する個人開発者の効率を高めるというドロールとエランの使命を支援できることを、私は誇りに思います」。

画像クレジット:Cavan Images / Getty Images

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(翻訳:金井哲夫)

好きなプログラミング言語でIaCできるPulumiがサポート言語と構成対象を拡張

シアトルのPulumiは、モダンなプラットホームとしての名声を早くも確立した。それは、同社のサービスを利用すると、コードを書いてインフラストラクチャを指定するときYAMLではなく自分の好きなプログラミング言語を使えるからだ。最近ローンチしたPulumi 2.0では、最初にサポートされていたPythonに加えて、JavaScript、TypeScript、Go、そして.NETが使えるようになった。また、インフラストラクチャの構成に加えてポリシーの強制やコードの試験なども指定できる。

今日(米国時間4/21)の同社の発表によると、現在のユーザー数は10000、そして有料ユーザーが100あまりだ。これらは、前年同期比で10倍の増加になるが、必ずしも正確な数字ではないようだ。現在の顧客にはCockroach LabsやMercedes-Benz、Tableauなどがいる。

同社がローンチしたばかりのころは、コンテナとサーバーレス関連のサービスを強調していた。でもPulumiの創業者でCEOのJoe Duffy氏によると現在の同社は、各企業で技術者のためのプラットホームを構築しているインフラストラクチャのチームと直接組んで仕事をすることが多い。

Pulumi 2.0についてDuffy氏はこう言う: 「Pulumiの最初のビジョンは、お好きな言語でインフラストラクチャーアズコード(Infrastructure as Code, IaC)を、だったけど、2.0ではそれを大幅に拡張して今やスーパーパワーと呼んでいる」。つまり、インフラのプロビジョニングだけでなく、その周辺の問題領域にまで機能を拡張した、という意味だ。それには継続的デリバリーも含まれるが、さらにポリシーアズコード(policy-as-code)と呼べる機能もある。2.0からのPulumiは単なるインフラストラクチャの構成定義を超えて、インフラ関連のさまざまなポリシーまでコードで指定できるようになったのだ。

もう一つの拡張領域が、試験だ。Pulumiでは「本物の」プログラミング言語を使えるから、アプリケーション開発でコードの試験に使ってるのと同じ試験のテクニックをインフラストラクチャの構築に使って、プロダクションに行く前に間違いを捉える。しかもデベロッパーは、言語が同じだから、コードを書くために使っているツールをそのまま使って、そのコードが動くインフラストラクチャを定義できる。

Duffy氏は曰く、「基本的な考え方は、プログラミング言語について自分たちがよく知ってることや好きなことをそのまま生かして、クラウドのインフラストラクチャを定義しよう、ということなんだ。インフラストラクチャには、担当のチームづくりやセキュリティの確保など、アプリケーションのプログラミングとは違う課題が山ほどあるが、なじみの言語をそのまま使えるなら、それらも怖くない。それにより、企業全体を高い生産性でまとめて行けるだろう。つまり2.0で重要なのは、インフラストラクチャのプロビジョニングから、組織全体のサポートへ、という移行だ」。

Duffy氏は、同社の大企業ユーザーの多くがPulumiを使って彼らの内部的なアーキテクチャもコードで書き表し、それらを全社的に展開していることを強調した。

氏は曰く、「今までのそれぞれのクラウドの特長は尊重している。AWSもAzureもGoogle CloudもKubernetesも、それぞれの持ち味がある。だからそれら全体を抽象化するPaaSを提供する気はない。われわれはただ、コードによってチーム全体に矛盾や衝突のないすっきりとしたワークフローを実現し、彼らがモダンなアプローチを採用できるようにするだけだ」。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

SaaSアプリケーションとAWSサービスをデータフローで統合するAmazon AppFlowがローンチ

AWSが今日(米国時間4/22)、Amazon AppFlowローンチした。それはAWSとGoogle AnalyticsやMarketo、Salesforce、ServiceNow、Slack、Snowflake、ZendeskなどなどSaaSアプリケーションとの間の、データの移送を容易にするサービスだ。同様のサービスとしてMicrosoft AzureのPower Automateなどがあり、いずれも何らかのイベントをトリガーとして、一定の時間に、またはオンデマンドでデータの伝送を開始する。

しかし競合製品とやや違ってAWSはこのサービスを、ワークフローを自動化する方法としてよりもむしろ、データ伝送サービスと位置づけている。そしてデータフローは双方向が可能だが、AWSの発表は主に、SaaSアプリケーションからそのほかのAWSサービスにデータを送ってさらに分析する、という使い方にフォーカスしている。そのためにAppFlowには、伝送時にデータを変換するさまざまなツールがある。

AWSの主席アドボケイト(advocate, 製品推奨係)Martin Beeby氏が、今日の発表で次のように述べている: 「デベロッパーはSaaSアプリケーションとAWSのサービスの間でデータを受け渡して分析するために、大量の時間を費やして両者の統合のためのコードを書いている。それはとても高くつく仕事であり、数か月かかることもある。データの要求が変われば、そうやって書いた統合に、さらに高くつく複雑な変更を加えなければならない。技術的リソースが十分にない企業は、アプリケーションのデータを手作業でインポートしエクスポートしているかもしれない。それもまた時間がかかるし、データ遺漏のリスクがあり、人的エラーも入り込む」。

データのフローは、ソースのアプリケーションを呼び出してデスティネーションのAWSサービスに送る場合、AppFlowの料金体系では1フローにつき0.001ドルだ。しかし通常のAWSの使い方では、データ処理のコストもある。それは、1GBあたり0.02ドルからだ。

AWSの副社長Kurt Kufeld氏は次のように言う: 「弊社の顧客は、データの保存や処理や分析はAWSでやりたい、と言う。彼らはまた、サードパーティのさまざまなSaaSアプリケーションも使っていて、AWSとそれらのアプリケーション間のデータフローを管理するのが難しい、とも言っている。Amazon AppFlowは、AWSとSaaSアプリケーションのデータを、オープンで公共的ネットワークであるインターネット上で移動せずに、直感的なわかりやすいやり方で結びつける。Amazon AppFlowを使えば、企業のすべてのアプリケーションに散在する数ペタバイト、ときには数エクサバイトものデータをAWSに持ち込むことができ、しかもそのためにカスタムのコネクターを開発したり、APIとネットワークの接続性を管理する必要もない」。

サポートされているサービスはまだ比較的少なく、ソースが14、デスティネーションが4(Amazon RedshiftとS3、Salesforce、Snowflake)だ。デスティネーションとして、AmazonのストレージサービスS3しかサポートされていないソースもある。

もちろん、統合の数は今後増えるだろうが、今のところはサポートされるサービスがもっと多くなることを、AppFlowのチームの努力に期待したい。

AWSは長年、この市場を競合他社に譲ってきたが、しかしそれでも、AWSの複数のサービス間のサーバーレスのワークフローを作るツールAWS Step Functionsや、複数のアプリケーションをこれもサーバーレスで接続するEventBridgeなどがある。サポートされているサードパーティのソースは、今のところEventBridgeの方が多い。でも名前にEventがあるように、これはAWSでイベントをトリガーすることが主で、アプリケーション間のデータ伝送がメインではない。

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クラウドの自由にIaCによるガバナンスを結びつけるEnv0が創業1年半で公開ベータへ

各社におけるインフラストラクチャアズコード(Infrastructure as Code, IaC)のデリバリーに何らかの秩序をもたらしたいと願うEnv0が今日(米国時間4/21)、同社の最初のプロダクトのベータをリリースし、並行して330万ドルのシード資金の獲得を発表した。

Boldstart VenturesとGrove Venturesがこのラウンドを共同でリードし、これにSnykのGuy Podjarny氏など数名のエンジェル投資家が参加した。

同社の共同創業者でCEOのOhad Maislish氏によると、デベロッパーがコードをはやくデリバリーできる能力は祝福でもあり呪いでもある。そしてEnv0は、コードがいつ、どのようにコミットされるかを、ITがある程度コントロールできるようにする。

「企業が今抱えるチャレンジは、クラウドネイティブなやり方の中で、クラウドリソースのセルフサービスと管理との間で適切なバランスを実現することだ。そしてバランスのとり方には可視性と予測可能性と、いちばん重要なクラウドのセキュリティとコストをめぐるガバナンスが必要だ」、とMaislish氏は言う。

同社のプロダクトを使うとユーザー企業は、デベロッパーがコードをデリバリーしてよいタイミングとその費用を定義でき、何でも・いつでも・いくらかかっても主義から脱皮させる。そのためには工程の全体的なコントロールをアドミニストレータに与え、彼/彼女がテンプレートとプロジェクトを定義する。テンプレートは、どのクラウドベンダーにはどのリポジトリーとプロダクトを使うのかを定義し、そしてプロジェクトをテンプレートにアクセスしてよいユーザーに関連付ける。

画像クレジット: Env0

Boldstart Venturesの創業者でマネージングパートナーのEd Sim氏によるとEnv0には、今日の継続的デリバリーをベースとする環境でデベロッパーが必要とするガバナンスとスピードの間の良質なバランスを見つける能力がある。Ed Sim氏は声明でこう述べている: 「Env0は、基本的にセルフサービスであるクラウド環境に統一的なガバナンスをもたらすことによって、これらのニーズのすべてを満たすことのできる、初めてのSaaSソリューションだ」。

今のような経済状況の中でアーリーステージの企業を立ち上げるのは容易ではないが、でもMaislish氏が信じているのは、セルフサービス型の開発をコントロールする方法を提供できる、という同社の独特の位置づけと能力だ。デベロッパーが家で仕事をしていて、ITの視界とセキュリティの外にいる今のような時期は、それがなおさら重要だ。

同社がローンチしたのは18か月前で、これまでずっと非公開ベータだった。そして今日が、公開ベータの初日となる。今の社員数は10名だ。

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500万の無料アプリケーションを集めたデベロッパープラットホームGlitchが有料制を導入

ユーザーが作った小さなアプリケーションをたくさん供覧しているGlitchが、パワーユーザーのための有料プランを作った。

このちょっと風変わりなデベロッパーツールプラットホームは2017年の創業で、プログラマーのワークスペースをウェブアプリケーションを共有しカスタマイズするユーザーのコミュニティに結びつける。今このプラットホームには500万あまりのアプリケーションやボットがあり、米国時間4月16日からは有料プランが加わる。これによって、このプラットホームの限界を押し広げようとしていたプログラマーたちの悩みが一部解決するだろう。

月額10ドル、年額96ドルのパワーユーザー向けの機能では、自分のアプリケーションを続けて5つ動かしたり、アプリケーションの料金の上限がなくなったり、ディスクスペースは無料ティアの倍の400MB、メモリは4倍の2GBになる。つまり、これなら金を払ってでも使いたい、と思わせるような内容を並べたつもりだ。

このプラットホーム上のアプリケーションはどれもひと口サイズで、特定の1つのことしかできないものが多いが、ほかのアプリケーションにはできないようなニッチなタスクを担う。例えば、ユーザーのフォーカスを追跡するアプリケーションや、新型コロナウイルスデータを視覚化するアプリケーション、バカバカしいのでは、「どうぶつの森」で友だちとカブ価を比較するのなど。

CEOのAnil Dash(アニル・ダッシュ)によれば、有料制の導入によって、これまでは難しかった超ユニークで便利なツールでも作れるようになる。同氏は同社の提供物を「クラウドコンピューティングの消費者化されたバージョン」を表しているのだそうだ。

同氏は「Glitchには、自分のアイデアを世の中に公開したいと思ってる人を妨害するバリアがない。Glitchには、プログラマーという人種の新しい姿がある。そしてインターネットが、世間の話題になるような5つの巨大企業が作ったものではなくて、人びとが作ったものになればどんなに素晴らしいかを見せてくれる」と語る。

同社は本社がニューヨークにあり、すでに同社独自のTeamsプロダクトの無料バージョンをベータで提供しているが、有料版も近く登場する。同社は昨年の7月に、Tiger Globalが率いるシリーズAで3000万ドルを調達した。

関連記事: Glitch is bringing remix culture back to the web with a $30 million Series A round(ウェブにリミックス文化を再現するGlitchがシリーズAで3000万ドルを調達、未訳)

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Stackeryがアップデートしてサーバーレスアプリケーションのデプロイがさらに容易に

今年で4歳になるポートランドのスタートアップStackeryは、AWS上のサーバーレスのリソースをデベロッパーがもっと容易にデリバリーできるようにしてくれる。今日同社は、そのプラットホームにいくつかの機能強化を行なった。

サーバーレスのアプリケーションでは、開発チームが一連のトリガーイベントを定義し、そしてAWSのようなインフラストラクチャのベンダーがイベントの実行に必要なだけの無駄のないリソースを提供する。そこでデベロッパーは、アプリケーションを動かすために必要な適正量のリソースのプロビジョニングについて、悩む必要がなくなる。

StackeryのCEO Tim Zonca氏はこう述べる: 「StackeryはAWSのためのセキュアなサーバーレスプラットホームだ。チームがラップトップ上のコーディングから本番のプロダクションへ移行していくとき必要になる、設計と開発のためのツールをわれわれが提供し、彼らが無事にモダンなアプリケーションをデリバリーできるようにする」。

同社がデベロッパーに提供するものを一般化して言うと、それは仮想ホワイトボードだ。その上でデベロッパーはきわめてビジュアルにサーバーレスのアプリケーションを構築でき、そのAWS上での試験とデプロイもできる。Zonca氏によると、今日発表するアップデートは、そのプラットホームにセキュリティとガバナンスを導入するもので、さらにまた、gitを利用するモダンなアプリケーションデリバリーシステムにより、継続的デリバリーのためのツールをフルセットで提供する。

「サーバーレスを作っていくときにデベロッパーが遭遇する、さまざまな落とし穴を埋めることが、うちの仕事だ。そのためにわれわれは一連のベストプラクティスを開発して、アプリケーションの安全なデリバリーを確保する。弊社のプロダクトにはそのための工程が刻印されているので、チームはサーバーレスの世界で、ベストプラクティスについて自分で悩まなくてよい」、とZonca氏は説明する。

同社は顧客がアプリケーションをBitbucket、GitLab、GitHubなどを使ってgitのリポジトリーへ入れていくとき、既知の脆弱性に照らしてコードをレビューする。「弊社には、サーバーレスのファンクションのコードを、既知の脆弱性に対して監査する能力があり、それには、そこらで誰もが使っているような一般的なツールだけを使っている」、とZonca氏は言う。

同社はまた、コードの試験も支援する。サーバーレスのインフラストラクチャは短命なので、コードの試験は難しい。「一時的で短命な試験環境を自動的に動かせるようにして、それを彼らのシステム試験や統合化の試験、ユニット試験などに利用していく。また、人間が実際にログインしてユーザビリティテスト行うときのプルリクエストに結びついた試験環境も提供している」、とZonca氏は自負する。

アプリケーションがすべての試験に合格して、ステージングやプロダクションの環境へデプロイされる用意ができたら、Stackeryはその変更の集まりを自動的に有効にする。すると企業は、最終レビューをしてからデプロイするか、またはチームがセットアップしたすべての不測事態を切り抜けられたら自動的にデプロイさせるか、どちらかを選ぶ。

Stackeryは、2016年に創業された。Crunchbaseのデータによると、これまでに740万ドルを調達している。

関連記事: サーバーレスコンピューティングのモニタリングサービスStackeryが$5.5Mを調達

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GitHubがほぼ全面的に無料化

GitHubが今日、現在無料アカウントにあるものを含め、主な機能のすべてを全ユーザーに対し無料にする、と発表した。つまり、無制限の無料のプライベートリポジトリが人数制限のないコラボレーター全員に対して無料になり、このサービスを商用のプロジェクトに使っているチームも対象になる。また、同社のオートメーションとCI/CDプラットホームであるGitHub Actionsも、月間2000時間まで無料になる。

コードのオーナーのような高度な機能や、SAMLのサポートのようなエンタープライズ機能を使いたいチームは有料プランにアップグレードしなければならないが、それらは今度からは月額4ドルからでTeamsプランのユーザーでも利用できる。それまでは、月額21ドルからのEnterpriseプランのユーザーが月額9ドルで利用できた。

GitHubのCEO Nat Friedman氏は、これが前から予定されていたことで、今のCOVID-19パンデミックに対応した期間限定のプロモーションではない、と強調した。彼は曰く、「これはかなり前から計画されていて、われわれがやりたいと思っていたことだ。途中、(Microsoftによる)買収があったりしたから、やっと今やれるようになった。でもそれは何よりもまず自分たちがやりたかったことであり、いわば待望の結果なんだ」。

言うまでもなく、同社の料金体系は以前からフリーミアムが基本だが、Microsoftに買収されてからは無料アカウントの機能をどんどん増やしてきた。しかしそれほど前のことでなくても、たとえば、最下層のパーソナルGitHubアカウントを有料で使う主な理由は、プライベートリポジトリにアクセスするためだった。でも昨年の1月に同社は、すべての無料ユーザーにプライベートリポジトリへの無制限アクセスを認めた。ただし、コラボレーターは3名に限られていた。

Friedman氏はこう言う: 「GitHubは、プライバシーに金を払う形から機能に金を払う、いわゆるフリーミアムに変わりつつある、と世間では言われていた。でもわれわれの考え方では、地球上のすべてのデベロッパーとチームが自分たちの開発のためにGitHubを自由に使えるようにしたいんだ。そのプロジェクトがプライベートあるかパブリックであるかは関係なく」。

今現在、GitHub上には4000万あまりのデベロッパーがいるが、Friedman氏によると、2025年には1億に達するという。

そこでFriedman氏は曰く、「そうなるとGitHubの事業の形態も抜本的に変わらなければならない。企業として考えるべきは、そのことなんだ。そして誰もが考えるのは、誰でも単純にGitHubを使いたいだけであり、その理由や背景の違いはどうでもいい、ということだ。これからスタートアップを立ち上げる人でも、あるいは大企業の中にいる人でも、GitHubを使う理由や動機は等しく単純だ。クレジットカードとか予算とか、面倒なことに気を使わずに単純にチームを立ち上げたいだけなんだ」。

Friedman氏は、今回の変化は他社からの競争圧力のせいではない、と言う。でも、たとえばGitLabには、CI/CD機能が最初からある強力な無料プランがあり、今やAtlassianのBitBucketにも無料プランがある。ただし後者は、今回大きく変わったGitHubに比べればやや制限がある

Friedman氏の主張では、「今回の変更によってGitHubは、デベロッパーにとって圧倒的に最良の料金体系とアクセス性のある場所になった。すべての競合他社を抜いた、とも言える。だから今や競争が動機というよりも、市場をもっと広げたい、さまざまな市場の、われわれがこれまで知らなかったようなニーズも知りたい、という動機の方が大きい」、という。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

DataStaxがCassandraデータベースのためのKubernetesオペレーターをローンチ

米国時間3月31日、オープンソースのApache Cassandraプロジェクトを支える商用企業DataStaxが、データベースのクラウドネイティブバージョンを動かすために同社が開発したKubernetesオペレーターをオープンソースで発表した。

DataStaxの最高戦略責任者である Sam Ramji(サム・ラムジ)氏が2019年にGoogleから来て最初に取り組んだのが、KubernetesとCassandraに関して顧客、パートナー、コミュニティメンバーの動向をつかむことだったが、そこでわかったのはサポートが驚くほど限定的だったことだった。

一部の企業はKubernetesのサポートを自分たちで構築していたが、DataStaxには自社サポートと呼べるものがなかった。KubernetesはGoogleで生まれ、そして現在、DataStaxはコンテナ化を熱心に推進している。そこでラムジ氏は、顧客がKubernetesの利用を始めやすくするためのオペレーターがDataStaxにあるべきだと考えた。

「オプションとしてコミュニティに提供しているKubeオペレーターの特別な点は、オペレーターをCassandra向けに一般化して、どこでそれを実装しても使えるようにしたことだ」とラムジ氏はいう。

ラムジ氏によると、多くの企業が独自にKubernetesを運用している企業の多くは、それらは各社の固有の要求に向けて独自化されている。それはそれで結構だが、同社がCassandra上に構築しているため、幅広いユースケースにアピールできる一般的なバージョンを開発したいと考えていたという。

Kubernetesでは、オペレーターはDevOpsチームによるパッケージングの仕方、アプリケーションの管理とデプロイの仕方、それを正しく動かすために必要なインストラクションなどの指示を与える。DataStaxが今回作ったオペレーターは、Cassandraを幅広い前提条件で実行するために特別に作成ししたものだ。

Cassandraは強力なデータベースで、他のデータベースがダウンしても動き続ける。そこでAppleやeBay、Netflixなども主要なサービスを実行するために使っている。この新しいKubernetesの実装により、コンテナ化したアプリケーションとしてCassandraを動かしたいという人は誰でも利用できるようになり、Cassandraをモダンな開発領域へと押し上げられるようになる。

同社はまた、新型コロナウイルス(COVID-19)のためデータベースの利用が増えて苦労している技術者を助ける無料のヘルプサービスを発表した。彼らはそのプログラムを「Keep calm and Cassandra on(落ち着いて、Cassandraを動かそう)」と呼んでいる。Cassandraのようなシステムの稼働の維持を任されている技術者をサイトリライアビリティエンジニア(SREs、サイトの信頼性を維持するエンジニア)と呼ぶ。

ラムジ氏の説明によると「この新しいサービスは完全無料のSRE間のサポート通話だ。我々のSREたちは世界中どこからのApache Cassandraユーザーからの電話に対応する。需要増に対応しようとしているCassandraのバージョンは何でもよい」という。

DataStaxは2010に創業され、PitchBookのデータによるとこれまで1億9000万ドル(約206億円)を調達している。

関連記事:DataStax Lands $106M In Series E Funding(未訳)

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

機械学習モデルをさまざまなハードウェアに合わせて最適化するOctoMLが16億円相当を調達

OctoMLは機械学習のコンパイラースタックプロジェクトApache TVMのチームが創ったスタートアップだ。米国時間4月3日に同社は、Amplifyがリードし、90万ドル(約4億2000万円)のシードラウンドをリードしたMadrona Venturesが参加したシリーズAのラウンドで1500万ドル(約16億円)を調達した。OctoMLとTVMの中核的なアイデアは、機械学習を使って機械学習モデルを最適化し、さまざまなタイプのハードウェアでより効率的に動くようにすることだ。

OctoMLのCEOでワシントン大学の教授Luis Ceze(ルイス・セズ)氏は「機械学習モデルの開発はかなり進歩しているが、モデルを手にした時点から例えば、それを実際にエッジやクラウドで有効に使うためにはどう活用するのかという大きな苦労が始まる」と語る。

そのためにセズ氏と彼のワシントン大学のアレンコンピューターサイエンススクール(Paul G. Allen School of Computer Science & Engineering)の仲間たちがローンチしたのが、TVMプロジェクトだ。今やそれはApacheのインキュベイティングプロジェクトであり、AWS、ARM、Facebook、Google、Intel、Microsoft、Nvidia, Xilinxなどの企業からの利用、サポートが多いことから、チームは本格的な商用化が必要と考えた。そこで生まれたのがOctoMLだ。今日では、Amazon Alexaのウェイクワードの検出にもTVMが使われている。

セズ氏はTVMを、機械学習のモデルのための新しいオペレーティングシステムだ、と説明する。「機械学習のモデルはコードではないため、そこにコンピューターが実行する命令はない。そこにあるのは、統計的なモデリングを記述する数字だ。そんなモデルを特定のハードウェアプラットフォーム上で効率的に動作させるには非常に多くの問題があります。実行性能の良い方法を決めるのは非常に困難なで、人間の直観を必要とする重要な作業です」。

そのためOctoMLと、そのSaaSプロダクト「Octomizer」が登場した。ユーザーは自分のモデルをこのSaaSへアップロードすると自動的にモデルはユーザーが指定したハードウェアとフォーマットに基づいて最適化され、ベンチマークされ、パッケージされる。さらに高度な使い方として、このサービスのAPIをCI/CDの工程中に加えるやり方もある。そうやって最適化されたモデルは、それが動くハードウェアを完全に有効利用するよう最適化されているため相当速いが、多くの企業にとってさらにありがたいのは、効率化されたモデルがクラウドの利用コストを下げてくれること。そして性能の低い安価なハードウェアを使っても、これまでと同じ結果が得られることだ。ユースケースによっては、TVMはすでに80倍のパフォーマンス向上を達成している。

現在、OctoMLのチームは約20名だ。今回の新しい資金で増員を予定している。採用されるのは主にエンジニアだが、エバンジェリストも雇いたいとセズ氏は言う。また彼によると、SaaSプロダクト「Octomizer」は出だしとしては良いが、本当の目標は機能がもっと完全に揃ったMLOpsのプラットフォームだとのこと。「OctoMLのミッションは、MLOpsを自動化する世界で最良のプラットフォームを構築することだ」とセズ氏は語っている。

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