ダイヤモンドのワイヤに電子を運ばせることに成功, 金属配線よりも効率の良いチップができるか?

オハイオ州立大学の物理学者たちが、ダイヤモンドで作ったワイヤに電子を送り込むことに成功した。これで、コンピュータのチップ内部の配線にダイヤモンドを使える可能性が生まれたことになる。ご想像どおり、どんなに細い線にしようとも、ダイヤモンド自身に導電性はない。研究者たちが成功したのは、線上に“スポーツの観客の列が‘ウェーブ’をするときのような”磁界スピンを生じさせることだ。以前から、スピンは量子コンピュータのデータ伝送方法として使える、とみなされていた。今回研究者たちが見つけたのは、そのためには金属よりもダイヤモンドの方が伝送効率が良いことだ。

この人工ダイヤのワイヤは、作るのに100ドルを要した。それにスピンを運ばせるために、窒素処理を施し、窒素ガスの原子1に対してダイヤモンドの原子300万という状態を作る。これによって、動的情報の拡散と運搬が可能になる。

研究主幹のChris Hammelは発表声明の中でこう言っている: “このワイヤがコンピュータの部品なら、情報を伝送するだろう。送り込まれたスピンの状態が、線端に達するまでの途中で変わることはない”。

内部配線にダイヤモンドを使用しているマイコンチップで結婚指輪を作ったら、クールかもしれないけど、それはまだ遠い先の話だ。今回の実験ではワイヤを華氏マイナス452度に冷やして行われた。室温での成功は、遠い未来となるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))