自動運転車のスタートアップのAutoXが上海でロボタクシーサービスを開始

自動運転車のスタートアップのAutoX(オートX)は中国時間8月17日、上海地区における自動運転タクシーサービスの一般営業開始を発表した。シンプルにRoboTaxi(ロボタクシー)と名付けられたサービスで、すでにDidi(ディーディー)との競争に直面している。中国最大の配車サービスプラットフォームを提供するDidiは、6月末に上海で自身のロボタクシーパイロットプログラムを開始(South China Morning Post記事)していた。

AutoXのRoboTaxisはまず、100台の車両が嘉定地区で利用可能になる予定だ。配車は、地図ならびに移動予約アプリであるAutoNavi(オートナビ)を通して予約する。このアプリは、AutoXへ投資する企業の1つであるAlibaba(アリババ)が所有するものだ。深圳に本社を置くAutoXは、昨年中国最大の自動車メーカーの1つであるDongfeng Motor(東風汽車)、Alibaba、Plug and Play(プラグ・アンド・プレイ)の中国ファンドといった支援者から1億ドル(約107億円)のシリーズA資金を調達した(KrASIA記事)。

AutoXのサービスは、Didiの自動運転タクシーパイロットプログラムと競合することになるだろう。Didiのパイロットプログラムも、上海の中心部にかなり近いものの混雑度が低い、広大な郊外地区の嘉定地区で運行されている。Didiのサービスは、新しい自動運転子会社のためにソフトバンクを含む投資家から5億ドル(約533億円)を調達(CNBC記事)したことが発表されてから、数週間後に開始された。Didiの野心的な目標は、2030年までに100万台を超える自動運転車を展開することだ。

AutoXとDidiはどちらも、Pony.ai(ポニーAI)、Baidu(バイドゥ)、WeRide(ウィーライド)といった中国のライバル企業が手掛ける自動運転タクシーサービスと競合している。どの企業もすでに、他の都市でロボタクシープログラムを展開している。一方Momenta(モメンタ)のように、自動運転タクシー用のソフトウェアを開発してパートナーに販売することに注力(未訳記事)している企業も、複数存在している。このことはさらに多くのロボタクシー群を生み出すことになるだろう。Momentaの進捗の一部は中国政府からの支援によるものである。なぜなら中国政府は、新型コロナウィルの経済的影響を相殺しようと(新華網記事)、自動運転、5G、人工知能などの産業に、大規模な資金を投入しているのだ。

TechCrunchに対してAutoXの最高執行責任者(COO)であるJewel Li(ジュエル・リー)氏は、競争の状況について「同社の強みはOEM業者とAlibabaを含む投資家リストだ」と語った。これが意味するのは、AutoXの支援者たちは単なる資金提供者というだけではなく「自動運転に対してモビリティとロジスティクスの両方でユースケースを提供できるということです。この投資家ポートフォリオは、中国市場だけでなく、世界的にも類を見ないものです」とリー氏は語る。

同社はまた「深圳の南山区にもロボットタクシーを保有しており、人口密度の高い都市部での自動運転の経験を会社に提供できている」と同氏は付け加えた。

AutoXは現在、カリフォルニア州では3番目の、そして中国だけに焦点を当てた企業としては唯一の、完全無人ロボタクシー許可を得ている。この許可をリー氏は「自動運転業界で最高の標準」だと呼んでいる 。なおカリフォルニア州でほかの2社は、Waymo(ウェイモ)とNuro(ニューロ)だ。

AutoXのRoboTaxisは、上海を拠点とするタクシー業者Letzgo(レッツゴー)のアプリからも予約できるようになる予定だ。両社は中国時間8月17日、4月にオープンしたAutoXの上海オペレーションセンターでLetzgoのスタッフに、RoboTaxiを運営してもらう戦略的パートナーシップを発表した。AutoXには、ヨーロッパでロボタクシーサービスを展開する計画もある。

関連記事:自動運転車両開発のAutoXがカリフォルニア州で無人運転テスト許可を取得

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(翻訳:sako)

ソフトバンクがリードするラウンドでDiDiの自動運転開発子会社が540億円調達

中国の自動運転分野の競争が過熱している。中国でUberのような配車サービスを運営するDiDiは5月29日、自動運転子会社による5億ドル(約540億円)という巨額調達を発表した。中国の自動運転業界で行われる1回の資金調達としては最高額となる。今回のラウンドは既存投資家であるソフトバンクがリードした。同社はUberにも出資してきたスタートアップ支援企業だ。

本ラウンドはソフトバンクの2つ目のビジョン・ファンドを通じてのもの。1つめのビジョン・ファンドがWeWorkへの投資に失敗したことなどから巨額の損失を出した(未訳記事)ため、2つめのビジョンファンドは資金調達が進んでいないとされている。

中国最大の配車サービスプロバイダーであるDiDiはかなりの量の交通データを持っており、にロボタクシー開発において明らか優位だ。ロボタクシーは長期的にはドライバー不足問題を解決するかもしれない。しかし同社がこの分野に進出したのは遅かった。2018年、北京で行われた自動運転車テストの走行距離ランキングで同社は第8位で、検索大手Baiduにははるかに及ばない。Baiduは2018年のテスト走行距離の90%超を占めた(未訳記事)。

それ以来、DiDiはBaiduに追いつこうとかなり積極的に取り組んできた。昨年8月に同社は設立3年の自動運転部門を、R&D、バリューチェーンを伴うパートナーシップの構築、未来的テクノロジーの政府への売り込みに専念できるよう、独立企業としてスピンオフ(未訳記事)した。今やチームは中国と米国に計200人のスタッフを抱える。

とある業界観測筋は「ロボタクシーは必要な操作スキル、テクノロジー、政府のサポートがすべてそろったときにのみ現実のものとなる」と筆者に語った。

Didiは業務の効率化で有名だ。安全で快適な乗車の確保はなかなかの成果だ。同社の経営陣はAlibaba(アリババ)の有名なB2Bセールスチームの出身で、同チームは地上作戦能力があることから「アリババの鉄の部隊」としても知られる。

テックを受け持つ子会社のCEOはBaiduの技術マネージャーだったZhang Bo(チャン・ボー)氏、テクノロジー最高責任者は自動運転ソフトウェア会社のAptivから昨年移ってきたWei Junqing(ウェイ・ジュンチィン)氏だ。

自動運転子会社はまた、Didiのモビリティ業界における幅広いリーチの恩恵も受ける。たとえば、Didiのスマート充電ネットワーク、車両メンテナンスサービス、保険プログラムを自動運転車両にも活用すべく取り組んでいる。

今回調達した資金で同社の自動運転子会社は安全性を向上させることができる。2件の死亡事故を起こした後、安全性は同社が最も注力するところとなった。またR&Dやロードテストを通じて効率性も高められる。そして資金調達は企業間協力を深め、中国内外でのロボタクシー展開を加速させることにもつながる。

このところ同社は「D-Alliance」のもとに相乗作用を求めて既存車メーカーとの協業を進めている。D-Allianceには31社超が名を連ねる。いくつか挙げると、The Lincoln Motor Company(リンカーン)、日産、Volvo(ボルボ)、 BYDの車両に自動運転技術を搭載した。

同社は中国の主要3都市とカリフォルニアでの公道テストのライセンスを取得済みだ。自動運転車両を使っての配車サービス利用客ピックアップを上海で数カ月のうちに開始することを目標としている、と同社は昨年8月に語った。昨年8月時点で中国と米国でのロードテストの走行距離は30万kmに達している。

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(翻訳:Mizoguchi

中国Didiはほどなく自律運転配車を運用開始、2021年までには中国外への展開も狙う

Didi Chuxing(滴滴出行)のCTOである张博(チャン・ボー)氏によれば、同社は2、3カ月のうちに上海で、自律運転車による乗客のピックアップを始める予定だ(Reutersの報道)。計画では、自律運転車によるピックアップをまず上海の特定の地区で開始し、そこから運行範囲を広げて行く予定だ。最終的には2021年までに中国国外に対しても自律運転車を展開できるようにする。

Uberの自律テスト車両のように、Didiの車には開始後しばらくの期間には人間の運転手が同乗する。実際に人間の乗客を乗せてサービスを開始するために、あといくつかのライセンスを待っている状態だ。(パイロット運用期間中の)自律運転車のサービスは無料だ。チャン氏によれば30種類以上の自律運転車両がパイロット運行には投入されるという。

上海での最初のパイロット運行開始後、Didiは北京と深圳にもサービスを拡大し、2020年までには3都市すべてで運行を始めることを望んでいる。

Didiは中国最大の配車サービス企業であり、Uberが市場で存在を確立することを阻止した。結果的にUberは中国ビジネスをDidiに売却し2016年に撤退した(Uberは引き換えに少数のDidi株を手に入れた)。その年の後半に、私たちはDidiのCTOに対して、何故同社はUberやその他の配車サービス企業に対して、データ駆動型技術開発に関する優位性を持つと考えているのかと尋ねた(そのとき彼は「Bob」と呼んでくれと申し出ていたので、下の動画にもそのように表示されている)。

自律運転が(技術にフォーカスを当てた配車ならびにその他のモビリティサービスの必然的な最終ゴールではないとしても)、この先実現する可能性が高い、という業界の一般的な感覚は横に置いたとしても、Didiは需要を満たすドライバー、そして乗客に対して安全で安心な体験を提供できるドライバーの確保の必要性にも動機づけられているようだ。昨年安全基準を見直した同社は、この7月にその基準を満たしていなかったドライバーが30万人以上いた事を見出したことを発表した。

今月の始めに、Didiは自律運転部門を独立した会社としてスピンアウトさせることを発表した、新会社のCEOはチャン氏である。新会社は自社向け車両の技術を開発し、自律運転の商用化と展開を追求するために、トヨタを含む自動車会社たちと協業する予定だ。

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(翻訳:sako)

トヨタ、6億ドルを出資しDidiとモビリティサービスの合弁会社を設立

Didi Chuxingはトヨタ自動車株式会社から総額6億ドル(約650億円)新規投資を受け取ったと発表した。契約の一部として、両社はGAC Toyota Motorとジョイントベンチャーを設立し、Didiのライドシェアプラットフォーム上でドライバーへの車両関連サービスを提供する。GAC Toyotaはトヨタと中国最大の自動車メーカーのGACグループとの合弁会社だ。

Nikkei Asian Reviewは5月末にこの取引を最初に報じており、その時点ではトヨタはDidiへと5億5000万ドル(約600億円)を投資し、中国で新たなモビリティサービスの会社を設立するとされていた。

Didiとトヨタは2018年に、トヨタが開発したモビリティと車両共有プラットフォームに関する技術を使用すると発表していた。これには自動運転ソフトウェア、完全電気バッテリー、および配送用の小型車両から乗客用の旅客バスまでさまざまなサイズの自動走行車両の製造に利用可能なモジュール「e-Palette」が含まれる。

トヨタはUberやJapan Taxiなど、他のカーシェアリング企業も支援している。

Didiとトヨタの提携は、同社がトヨタやフォルクスワーゲン、ルノー・日産・三菱の3社連合や、中国のFAWやDongfeng、GACといったD-Allianceの一環である自動車メーカーや他の自動車関連企業と結んだ提携の一つであり、新しいエネルギーやAI(人工知能)ベースのモビリティ技術を利用したプラットフォームを構築することで、同社の配車サービスの拡大を目的としている。

Didiは最近、中国の3大自動車メーカーのFAWやDongfeng、GACとの合意のもと、同社の配車プラットフォームをサードパーティーの会社に開放すると発表した。

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(翻訳:塚本直樹 Twitter

電気自動車の電池をインターネットからリアルタイム管理するクラウドサービス

ドイツの著名な機械器具メーカーボッシュ(Bosch)が、電気自動車の電池の寿命をインターネット上から管理しモニタするクラウドソフトウェアサービスを立ち上げる。

同社取締役のMarkus Heyn博士が、声明でこう述べている。「Boschは電気自動車のバッテリーをクラウドに接続する。そのデータに基づくサービスにより、バッテリーの性能を大きく向上してその寿命を延ばす」。

EVのユーザーはリモートで電池の状態を監視および管理でき、その損耗を最大20%減らせる、とBoschは言っている。

このソフトウェアサービスは電池の充電時間をリアルタイムで計測し、これまでの充電回数や、急な加速や減速によるストレス、気温などのデータも集める。そしてそれらのデータに基づいて次の充電を最適化し、またドライバーに電池の長寿命利用についてアドバイスをする。

このクラウドサービスの最初の顧客企業は、中国のライドシェアの大手DiDiだ。同社は厦門(アモイ)で、Boschのソフトウェアを有効にした車の一群を展開する。

このツールは現状の静的データを提供するだけでなく、DiDiなどの企業ユーザーの車両管理担当者に電池の損耗や、交換適期、今後の最適再充電時期などの予測を提供する。これにより、各車両のベストパフォーマンスを維持する。

Heyn博士は声明でこう述べている。「強力な電池が長寿命になれば、電気自動車を企業が採用しやすくなる」。

Boschが挙げるアドバンテージは3つある: (1)電池の長寿命化、(2)修理間隔を長くしてメンテナンスを楽にする、(3)充電の適正管理により電池の好調高能力を長時間維持する。

画像クレジット: Bosch

 
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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

タクシー配車のDiDiが天気割に続く攻勢、今週末は「◯◯PAPA」で初乗り無料に

タクシーの配車サービスを東京、大阪、京都、兵庫の各エリアで提供しているソフトバンク系のDiDiモビリティジャパンは6月14日から、「父の日初乗り無料キャンペーン」を開始した。クーポンの配布期間は父の日である6月16日23時59分までの3日間限定だ。

具体的には、対象期間中に「DiDi」アプリにクーポンコードを入力すると、初乗り無料相当ぶんの割引クーポンが取得できるというもの。

クーポンコード「TOKYOPAPA」なら410円相当のクーポンがもらえる

利用者は父親でなくてもよく、1母親でも学生で社会人でも誰でもいい。クーポンが取得できるのは3日間だが、利用可能期間はクーポン取得後から7日間となる。

左から、「OSAKAPAPA」「KYOTOPAPA」「HYOGOPAPA」 の各クーポンコードで取得できるクーポン。地域によって初乗り料金が異なるため、クーポンの割引金額もそれぞれ、680円、650円、680円となる

初乗り無料になる金額はエリアによって異なり、東京は410円、大阪は680円、京都は650円、兵庫は680円。クーポンコードは、東京が「TOKYOPAPA」大阪が「OSAKAPAPA」、京都が「KYOTOPAPA」、兵庫が「HYOGOPAPA」だ。

クーポンをセットするとメイン画面で確認できる

DiDiはこのキャンペーンのほか天気割も実施中で、当日午前11時の時点で雨予報の日は500円、4日連続雨予報なら4000円のクーポンコードを公式Twitterアカウント(@DidiJapan)から配布している。

当日朝11時に雨予報ならタクシー料金最大4000円割引、東京と大阪でDiDi天気割が開始

大阪からエリアを拡大し、現在は東京都内、京都市周辺、神戸市周辺(兵庫県南東部)でタクシー配車サービスを展開しているDiDiモビリティジャパンは6月11日から、最大4000円割引となる「雨の日キャンペーン」を実施している。

東京と大阪の営業エリアに限られるが、同社の公式Twitterアカウント(@DidiJapan) | Twitter)から配信されるクーポンを先着100名にプレゼントするというもの。雨かどうかの判断は、気象庁が午前11時に発表する天気予報が基準となる。キャンペーンの終了期間は決まっていない。なお、取得したクーポンは、京都・神戸エリアなどほかのエリアでも使える。

なお、ほかのクーポンとは併用できない。複数のクーポンを所持している場合は、割引額が高いほう、同額であれば有効期限が近いほうが自動適用される。クーポンは1人1枚までの制限があり、使用期限は取得後1週間。

当日11時の時点の天気予報が雨の場合は、500円のクーポンコードがTwitterに投稿されるので、このコードをDiDiのアプリに入力することで取得が完了する。なお、前日も当日も連続して雨の場合はクーポンの金額が倍増され1000円になる、3日連続なら2000円、4日連続なら4000円だ。

一方、雨の日が連続しない場合は、雨晴雨曇や雨曇曇雨では500円、500円、雨晴雨雨なら500円、500円、1000円、雨雨晴雨なら500円、1000円、500円のクーポンコードが雨予報の日に投稿される。なお取得できるクーポンは1人1枚なので、雨の日になったら速攻で500円クーポンを獲りに行くか、週間天気予報を調べて雨が4日間続きそうな期間を狙って4日目に4000円割引クーポンを獲得するか悩ましいところだ。

DiDIでは現在、東京エリアで迎車料金が無料のキャンペーンを実施中だ。

関西では、大阪(土曜のみ)、京都(土日のみ)、神戸(金土のみ)の各エリアで初乗り料金無料のキャンペーンを実施中で、社用でも私用でもDiDi対応のタクシーは使いやすくなっている。

配車をキャンセルする際のUIがわかりにくいのが難点。「本当にキャンセルしますか?」の2者択一なので、「はい」「いいえ」、もしくは「OK」「キャンセル」すべきだ

インターフェースに若干難があるものの、ソフトバンクグループの強みを生かした還元攻勢で東京でもシェアを高めていきそうだ。

タクシー配車DiDiが東京と京都でサービス開始、東京は当面迎車無料、PayPay決済も可能に

DiDiモビリティジャパンは4月24日、同社のタクシー配車プラットフォームサービス「DiDi」サービスエリア拡大を発表した。本日から東京と京都、2019年度中に北海道、兵庫、福岡などをはじめとする全国10都市でサービスを提供する。これにより、先行でサービスが始まっている大阪を加えて計13都市でサービスを利用可能になる。

東京と京都でのサービス開始に合わせて、東京ではアプリ内決済で迎車料金が無料、京都では初回利用時に1000円ぶんのクーポンがもらえるキャンペーンをそれぞれ実施する。

東京のキャンペーンは、23区と三鷹市、武蔵野市、そして成田空港が対象エリアとなり、DiDIアプリに登録したクレジットカードでの支払が前提となる。キャンペーンの終了はいまのところ未定なので、東京に限って言えば、当面は迎車料無料で使える点に注目だ。

京都のキャンペーンは、京都市(旧北桑田郡京北町区域を除く)、向日市、長岡京市、宇治市、八幡市、城陽市、京田辺市、木津川市、乙訓市、久世郡、綴喜郡、相楽郡が対象エリアとなり、東京と同様にDiDIアプリに登録したクレジットカードでの支払が前提となるが、京都の場合は事前にクーポンコードの入力が必要になる。

さらに、「DiDi」アプリを「Yahoo!乗換案内」のルート検索画面に表示され、そのままDiDiを起動してタクシーを呼ぶことが可能になる。さらには5月末に、コード決済サービスのPayPayにも対応。PayPayとは6月中旬以降にキャンペーンも実施する予定だ。なお、DiDiのPayPay決済はコードの読み取りや提示などが不要なオンラインの決済方法となる、

今夏には、DiDiの利用実績に応じて割引クーポンが貯まる会員プログラムも開始する。3段階のランクを設けて利用者の囲い込みを狙う。

大阪では5分以内に配車、到着時間1分以内にドライバーと利用者が出会える確率が63%という高い実績とのこと。調査会社が収集したアンケートでは、顧客満足度も高いとのこと。他社にはない、電話、メール、チャットの24時間365日のサポートも特徴。なお、中国語チャットサポートを提供するなど、中国からの観光客を強く意識している。

将来的にはドライバーに向けて、ヒートマップやユーザーの帰宅経路、乗車中の配車処理機能などを提供予定とのこと。

殺人事件で安全策強化中のDidi、夜間のサービスを一時停止

中国の配車サービス大手のDidiは、先月起こった2度目の女性乗客殺害事件を受け、プラットフォームに取り入れるさらなる安全基準を明らかにした。

20歳の女性はDidiの相乗りサービスHitch を中国東部の浙江省で日中に利用していた。

このp2pサービスの別の女性ユーザーは5月、客室乗務員の仕事を終え帰宅しようと深夜に利用し、殺害された。Didiに身元確認されていなかったドライバーは、自身の父親のアカウントを使っていた(父親は身元確認されていた)。

警察通報のボタンを含む新たな安全策は、数日以内に実行に移される。

Didiは、深夜タクシー、Express、Uber China、Didi Select、Didi Express Pool、PremierそしてLuxe servicesを、9月8日から15日までの毎日午後11時ー午前5時、中国本土における業務展開地域で一時的に停止する、と発表した。なので、安全の観点から、中国本土で大掛かりな夜間のサービス停止が1週間続くことになる。

この期間、バイク、運転代行、バス、海外カーレンタル、中古車サービスは展開されるとしていて、Didiはサービスの運行状況に合わせて移動を計画してほしい、と呼びかけている。

最初の殺人事件後、DidiはHitchサービスの運営に変更を加え、一時的に深夜のサービスを停止した。そして、6月に再開したが、その際はドライバーと同性の客だけを乗せることができる、というふうにした。

8月に起きた2度目の殺人事件では、全国的なサービス停止となった。Didiの広報は今日TechCrunchに対しHitchサービスが当面、無期限停止であることを明らかにした(「我々のユーザーが受け入れるような安全保護メカニズムが確保されるまで」)。

殺人事件を受け、Didiの乗客安全の扱いは激しい批判にさらされた。

二度目の殺人事件では、事件の直前に別の女性乗客がドライバーについて苦情を寄せたことでDidiの安全チームではそのドライバーは要注意、となった。にもかかわらず、カスタマーサービスのスタッフは、2時間以内に調査を開始するという社のポリシーを守らなかった。そのポリシーは5月の最初の事件を受けて導入されていた。

DidiはHitchサービスの統括マネジャーとカスタマーサービス担当副社長をクビにした。しかし、メトリックが乗客の安全確保に失敗したことを正当化するかのように、Didiが事件に関する謝罪文の中にHitchサービスのこれまでの利用回数を押し込んだのは、恐ろしく見当違いだった。

Hitchサービスが一時停止される間、Didiは他の多くの配車サービスを提供する。しかし、今日発表された基準ではそうしたサービスを利用する乗客のリスクは広範にわたって減るようになるはずだ。

今日発表された安全基準で新しいのは7月に導入されたばかりのSOSボタンの運用の変更だ。ワンクリックでユーザーが選んだコンタクトに連絡がいくのを、今後は警察につながるようにする。

また、乗客のアプリにセーフティセンターが追加され、ここでは新たな“警察に通報”ボタンや利用計画シェアを含むさまざまな安全機能に素早くアクセスできる。

また、新機能を利用者に知ってもらうための啓発キャンペーンも全国で展開し、利用計画シェアのための連絡先の登録を勧めていくことにしている。

加えて、ExpressとPremier servicesでは乗車中の音声録音機能を試行する計画もある。同社は「これはドライバーと乗客の安全を守るのに役立つだろう。録音は厳密なデータ保護プロトコルにより暗号化される」と説明する。

運営面での他の変更はというと、ドライバーへの安全教育プログラムのアップグレードがあるーDidiがいうには、ドライバーは毎日、サービスを開始する前に安全知識テストを受けなければならない

さらに、ドライバーの経歴チェックや、ドライバーと車両のミスマッチを防ぐ検査として5月(父親のアカウントを使用していたドライバーをシステムが見抜けなかった後)に導入された顔認識の活用をさらに厳格化する、と述べている。

Didiはまた、“是が非でも犯罪を厳重に取り締まる”ために今後も警察と協力する、と加えた。「我々は理不尽な行為に対してゼロトレランス方式をとる」。

一方で、カスタマーサービスへの追加の投資も発表した。この投資は1万人というカスタマーサービスの下請けに重きをおいているものの、現在5000人の社内チームを年末までに8000人に増やすのにも使われるー明らかに社内オペレーションへの引き込みを図っている(おそらく致命的な苦情対応ミスのリスクを減らすためだろう)。

「基本の安全基準を確かなものにするために広範な社会パートナーシップを構築するあらゆる努力を行い、当局の方針に沿って法を遵守しているドライバーの権利を守る」と述べている。「改善に努める期間の進展やレビューを社会と共有するつもりだ」

先月の2度目の殺人事件後に、中国政府は乗客の安全を高めるために交通機関を改革すると発表した。つまり、より厳しい規制が導入される可能性がある。

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(翻訳:Mizoguchi)

中国の配車サービスDidi、新たな女性客殺害事件を受けてサービスを一時停止

Uberの中国事業を買収した企業価値600億ドルの配車サービスDidi Chuxing(滴滴出行)は、新たな女性客殺害事件を受けてサービスの一部を一時停止する措置を取った。死者は5月の乗客殺害事件に続き今年2人目だ。

今週末、地元警察は、中国東部に位置する浙江省で金曜日にDidiの相乗りサービスHitchを利用した20歳の女性を暴行・殺害したとして男を逮捕した。ロイターの報道では、女性は失踪する前に友人に助けを求めるメッセージを送っていた。

温州市の当局は、Didiが中国全土でHitchを一時停止すると発表する前にサービスを一時的に禁止する措置を取った。Didiの他の(商業的な)相乗りサービスや配車サービスは、今回の一時停止には含まれない。

Didiは「遺憾な過ちによりHitchサービスを停止することを誠に申し訳なく思う」との声明を出した。

Hitchは、ドライバーが向かう方向へ乗客が無料で乗車できるというもので、ヒッチハイキングの現代版といえる。乗客は、ガソリン代に相当するチップを払うよう推奨されるが、考え方としてはそれぞれの乗車をより効率的にしようというものだ。Didiはこのサービスを営利目的で行なっているわけではなく、収益をあげている他のサービスへと乗客やドライバーをひきつけるための戦略の一環だ。

Didiによると、Hitchでは過去3年において10億回もの利用があった。しかし安全性において大きな問題があった。

今回の殺人事件は、Didiのドライバーだった父親のアカウントを使ってDidiのプラットフォームにアクセスできる状態にあったドライバーが、航空会社の客室乗務員を殺害した河南省での事件のわずか3カ月後に起きた。河南省の殺人事件を受け、DidiはHitchのサービスを6週間停止した。そして、多くの制限を設け、特に深夜の時間帯はドライバーは同性の乗客のみ乗せることができるという条件付きで、6月に再開したばかりだった。

警察によると、今回殺害された女性の乗車は深夜1時で、当然のことながら懸念すべき要素が余りある。

逮捕された殺人犯は前科はなく、事件の前日にDidiの安全チームに要注意扱いであることが周知されたばかりだった、とDidiは声明文で述べている。別の女性客が、ドライバーに助手席に乗るように言われ、降車した後にしばらくつきまとわれたとして、Didiに苦情を寄せていたのだ。

ロイターよると、この苦情に対応した安全センターの職員は、2時間以内に調査を開始するという社のポリシーに従わなかった。このポリシーは、5月に殺人事件を起こしたドライバーについて、別の乗客から不快な行為があったとして苦情が寄せられていたという事実を受け、サービスを一時停止している間に導入した。

「今回の事件は、我が社の顧客サービスのプロセスの欠如、特に前の乗客からの苦情に素早く対応できていないこと、警察とスムースに情報共有できていないことを示している。これはあまりにも手痛い代償だ。我々としては、犯罪を防ぎ、ユーザーの安全を守るため、より効率的かつ実用的な共同的な解決策を模索することで、司法当局や関係する皆さまに誠意をみせたい」とDidiは声明文で述べている。

Didiは今回の殺人事件を受け、2人の重役をクビにしたことを明らかにした。1人はHitchの統括マネジャーで、もう1人はDidiのカスタマーサービス担当副社長だ。

Didiはまた、一般人や専門家を交えて共同で業務プロセスを監査するシステムを間もなく立ち上げる、と発表した。

5月の殺人事件後、Didiは安全管理を向上させるために、“関係当局や専門家のプロアクティブなコンサルテーションのセッション”を予定している、と述べていた。

Didiは、2016年にUberの中国事業を買収・統合して以来、中国の配車サービス業界では事実上、独占状態にあった。しかし今年に入って、競合他社が増えている。

特に、ライバルのMeituan Dianping(美団−大衆点評)からのプレッシャーにさらされている。Meituan Dianpingはローカルサービスから始まったが、最近ライドシェアリングサービスを開始し、Mobikeの買収でドックレスバイクシェアリングにも参入した。Meituanは香港市場に新規株式公開を申請し、報道によれば40億ドルを調達する可能性があるという。

Meituanは、中国におけるローカルサービスマーケットの覇権をめぐりAlibabaと激しい戦いを展開しているーAlibabaは自社のEle.meビジネスのために30億ドルを調達したばかりだ。しかし、今回の事件を受け、Didiに取って代わる存在となるために、Meituanがこれまでの倍もの注意を安全策に向けることは疑う余地はないだろう。

Didiは、謝罪の声明の中にあえてHitchのこれまでの乗車回数を具体的に盛り込み、Hitchがかなり利用されているという点を強調した。しかし現時点では、いかにサービスが人気で、あるいは社会的意義があろうとも、全ての乗客の安全が確保できない限りはサービスを停止するのが最善の策のようだ。

イメージクレジット: Bloomberg

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(翻訳:Mizoguchi)

ソフトバンクが滴滴出行と合弁会社を設立ーータクシー配車プラットフォーム提供へ

ソフトバンクは7月19日、世界最大級の交通プラットフォームを手掛ける中国の滴滴出行(DiDi)と、国内で次世代のタクシー配車サービスを提供することを目的に、合弁会社「DiDiモビリティジャパン」を設立したと発表した。

2018年の秋から順次、大阪、京都、福岡、沖縄、東京やその他の主要都市でトライアルとして無償でサービスを提供する予定だ。両社は2月に日本のタクシー事業者向けサービスにおいて協業することを明らかにしていた

DiDiモビリティジャパンは、DiDiの革新的な人工知能とデータ分析技術を活用し、全てのタクシー事業者が利用できるオープンなタクシープラットフォームを提供するために設立。機械学習をベースにした技術をスマート配車システムの需要予測に活用することで、タクシー配車サービスのさらなる最適化と乗客の利便性向上をサポートする。

新会社のプラットフォームには、タクシー事業者向けの管理コンソール、ドライバー向けのアプリケーション、そして乗客用のアプリケーションがある(トライアル開始とともにiOS版とAndroid版を提供予定)。

乗客はアプリを使い簡単にタクシーの配車サービスを利用でき、ドライバーの到着予測時刻も確認できる。アプリで決済を完了させる場合、主要なクレジットカードで支払いが可能だ。中国版DiDiアプリケーションの利用者は、日本国内でもAlipayまたはWeChat Payを選択できる。乗客向けおよびドライバー向けアプリには日本語・中国語間の自動翻訳機能が搭載される。

タクシー事業者は管理コンソールにより、配車状況やドライバーの稼働状況などの管理が可能。また、乗客からのドライバー評価を確認することでサービス向上に役立てることができる。

DiDiはアプリを通じ、5億千万人以上の利用者に「DiDi Taxi」「DiDi Express」「DiDi Premier」「DiDi Luxe」「DiDi Hitch」「DiDi Bus」「DiDi Minibus」「DiDi Designated Driving」「DiDi Enterprise Solutions」のほか、バイクシェアリング、カーシェアリング、フードデリバリーなどの幅広い交通手段を提供している。1日当たりの乗車数は3千万件に達している。

なおソフトバンク代表取締役社長執行役員兼CEOの宮内謙氏は本件について以下のようにコメントしている。「この合弁会社を通して、DiDiの最先端の交通プラットフォームサービスを日本市場に提供できることを大変うれしく思います。DiDiの卓越した技術革新力と、ソフトバンクの最先端の通信インフラを含む強固な事業基盤を融合させることで、日本の消費者とタクシー業界の方々へ新しい価値を提供できると確信しています」

中国の配車サービスDidi、オーストラリアでサービス開始へ

中国最大のライドシェア事業者Didi(滴滴出行)は、グローバル展開を拡大し、今月オーストラリアでサービスを開始すると発表した。

2016年にUberの中国事業を買収したこの会社は、メルボルンから75キロ離れた町Geelongで1カ月のトライアルを経て、6月25日にメルボルンでサービスを開始する。事業はDidiのオーストラリア子会社が行い、“ドライバー、そして利用客向けに一連のお得なサービス”ー割引やプロモーションであることは間違いないーを提供する予定だ。ドライバー登録の受け付けは6月1日から始まっている。

オーストラリアでの事業開始では、DidiはUberと直接的に競合することになるが、それは最近特に珍しいものではなくなってきている。インドのライドシェアOla、そしてDidiのどちらもDidi資本が入っている。Didiは今年、台湾、メキシコ、ブラジルへとサービスを拡大している。

Didiは昨年12月、AIやその他のテクノロジーの開発、そして海外展開のために40億ドル資金調達した。その後、海外展開の方策をいろいろと模索していたようだ。今回のオーストラリアでの展開にあたっては自らチームを立ち上げたが、台湾ではフランチャイズモデルを使い、ブラジルではUberのライバル的存在で評価額10億ドルだった99を買収した。

また日本でも、ソフトバンクとジョイントベンチャーを立ち上げて参入しようとしている。

「2018年、Didiは南米、オーストラリア、そして日本でマーケット開拓を続ける。ワールドクラスの交通AIと現地の専門という組み合わせにより、海外でもより良いサービスを提供できると確信している」とDidiは発表文で述べている。

今回の海外でのサービス拡大は、国際的に存在感を出しながらも、世界各地のライドシェア企業と提携を拡大してきていただけに、新たな混乱を招いている。

Uber事業の取得は株式の交換で行われーDidiとUberは競合相手という関係から株主という間柄に変わったーDidiはまた、東南アジアにおけるGrab、米国のLyft、インドのOla、中東のCareemにも出資している。最近では主に欧州とアフリカでライドシェア事業を展開しているTaxifyもその列に加わった。

オーストラリア事業に関していえば、DidiはUberとOlaーすでにメルボルンで、そして今年初めにパースとシドニーで事業展開しているーのライバルとなり、Taxifyも同様だ。UberとDidiは火花を散らすことが予想されー複雑な関係だーOlaに関して言えば、Didiは投資ディールで設立された企業と初めて直に競合することになる。

これは、DidiとOlaの関係でいえば些細なことかもしれない。Didiが出資を続けたGrabのときとは異なり、DidiはOlaが昨年行った最新の資金調達では口出しをしなかった。

「ライドシェア事業はまだ初期段階にあり、成長可能性を秘めている。すでに繁栄している産業のように、この事業でも競争はある。しかし、競争は良い商品、良いサービスにつながり、究極的には消費者が恩恵を受ける」。OlaとTaxifyとの競合について尋ねたのに対し、Didiは文書でTechCrunchにこう答えている。

これはTaxifyと似ている。「オーストラリアのマーケットサイズを考えた時に、複数の事業者がサービスを展開して成長するだけの余地はある」と広報者はTechCrunchに対し話した。

Olaはコメントを拒否している。

今回のオーストラリア事業の展開は、先月同社のサービス‘Hitch’を利用した客が殺害された事件が起こり、そのことでプレッシャーを受けている中でのものとなる。

同じ方向に向かう客がライドシェアするというこのHitchサービスをDidiは一時停止した。そして、このサービスを日中のみの展開に制限し、またいくつかの機能を削除した。今週、夜間のライドシェアも間もなく再開すると発表したが、ドライバーは自分と同じ性別の客だけを乗車させることができるという制限を設けている。

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(翻訳:Mizoguchi)

中国Didi、殺人事件を受けて相乗りサービスを一時停止へ

中国最大の配車サービスDidi Chuxing(滴滴出行)は、乗客がドライバーに殺害されるという事件の発生を受け、同社が展開する相乗りサービスの一つのHitchを1週間停止する。

殺害されたのは21歳の女性客室乗務員Liさんだ。中国の官営英字メディアGlobal Timesの報道によると、事件は5月5日夜に発生した。仕事を終えたLiさんは、河南省の鄭州新鄭国際空港から帰宅するためHitchで配車を依頼。Hitchは、同一の目的地に向かう人が相乗りできるサービスだ。報道では、Liさんはドライバーに凶器を使って殺害された、との警察発表を伝えている。

Didiは2016年から、ドライバーを確認するのに顔認証システムを活用している。最初に行うドライバー登録手続きをスピードアップし、また運転業務を行う際の不正行為を防ぐためのものだ。このシステムでは、アカウントを持つドライバーが自撮り写真を撮り、そのデータがDidiの持つ情報と一致したときにだけアプリが使えるようになる。

今回の悲惨な事件では、このセーフガードは機能しなかった。

Didi によると、Liu Zhenhua容疑者はプラットフォームに登録はしていなかったが、父親が持つドライバーアカウントを利用し、アプリにアクセスして配車依頼を受けることができる状態にあった。Didiは、その日は顔認識システムに“欠陥”があり、アカウントの不正利用を防ぐことができなかったとしている。

しかしながら、予兆はあったようだ。Didiによると、そのアカウントに関しては、今回の事件が起こる以前に乗客からセクハラの苦情があった。その苦情は父親に対するものなのか、アカウントにアクセスしていた容疑者へのものなのかは不明だが、苦情を受けてDidiは少なくとも5回アカウントに連絡を試みて、結局つながらなかった。苦情があったにもかかわらず、このアカウントはログインでき、配車依頼を受けることができたのだ。

「プラットフォーム上の仲裁規則が完全でなかったために、苦情はその後適切に処理されていなかった」とDidiは文書で認めている。

Hitchは、通勤や中長距離移動にフォーカスした都市をまたぐ相乗りサービスで、乗り合わせた人が燃料代とドライバーの基本料金を割り勘にするというものだ。Didiの稼ぎ頭の相乗りサービスには影響はないが、Hitchの一時停止は5月12日からだ。この一時停止期間中、同社はドライバー全員を対象にドライバーと車両の情報にミスマッチがないか再調査を行う。

Didiはまた、プラットフォームの運用と顧客サポートシステムの改善を約束している。

TechCrunchへのコメントで、Didiは事件に関して責任があることは“否定できない”として“深い自責の念”を明らかにしている。

我が社が提供するサービスDiDi Hitchの利用中にLiさんに起こった悲劇につきまして、遺憾の意とともに深くお詫び申し上げます。極めて非道な事件であり、慚愧に堪えません。Liさんのご家族に対し、心からのお悔やみとお詫びを申し上げます。利用者の信頼を得るためには、何らかの行動が必要と考えております。今回の事件に関しましては、当社に責任があることは否定できません。

この件に関しては専従の職員を配置し、現在、捜査当局にできる限りの協力を行なっております。殺人犯は処罰されるべきであり、これはLiさん、そしてLiさんのご家族が当然望むものです。

被害に遭われたLiさんとLiさんのご家族、そして広く皆さまにも重ねてお詫びを申し上げます。このような事件が二度と発生しないよう、今後、事業全般を見直す所存です。

Global Timesの報道では、同社は今回の殺人事件に関する情報提供者には100万元(15万ドル超)の懸賞金を支払うとしている。

Didiはいま、同業他社との競争に直面している。ライバルであるMeituan Dianping(美団−大衆点評)はつい最近ライドシェアサービスを導入し、またMobikeの買収でドックレスの自転車シェアサービスにも参画を果たした

Didiは2016年にUberの中国事業を買収して以来、中国唯一そして最大のライドシェア事業者となったわけだが、今回のような乗客が被害に遭う殺人事件は初めてではない。2年前、深セン市の女性がDidiのドライバーにより強盗殺人に遭っている。

UberやLyftでも同様に極めて重大な事件が発生している。

米国では、2014年にサンフランシスコで7歳の少女がUberドライバーによってひかれ、2016年にはミシガン州でドライバーが配車サービスの業務中に6人を殺害した。そのほか、オーストラリアやレバノン、シンガポール、インドなどでも深刻な事件が起きている。

Uberの自動運転車は今年、市民を巻き込んだ交通事故を起こしている。3月にはアリゾナ州テンペで自動運転中だったUberのSUVに女性がひかれ、死亡した。警察は、この事故に関しUberに責任はないとしたが、同社はその後自動運転テストを一時停止した。

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(翻訳:Mizoguchi)