Disney+、2022年後半に広告付きの低価格サブスクを導入

Disney(ディズニー)は米国時間3月4日に、Disney+が2022年後半に広告付きのサブスクを導入することを発表した。同社は、開始日や価格については明らかにしていないが、2022年後半に新しいサービスの具体的な詳細を発表するとしている。この新サービスは2022年後半に米国で開始され、2023年には国際的に拡大する予定だ。ストリーミングサービスの現在の広告なしプランは、月額7.99ドル(約916円)または年額79.99ドル(約9177円)だ。

ストリーミングサービスに安価な広告付き層を追加することで、同社は加入者数をさらに拡大することができそうだ。プレスリリースで、Disneyは、この新しいサービスは、2024年までに2億3000万〜2億6000万人のDisney+の加入者という長期目標を達成するための「基礎的要素」になると述べている。

「Disney+へのアクセスをより低価格でより多くの視聴者に拡大することは、消費者、広告主、そして我々のストーリーテラーのすべてにとって利益となります」と、Disney Media and Entertainment Distributionの会長であるKareem Daniel(カリーム・ダニエル)氏は声明で、述べた。「より多くの消費者が私たちのすばらしいコンテンツにアクセスできるようになります。広告主はより多くの視聴者にリーチすることができ、ストーリーテラーはより多くのファンや家族とすばらしい作品を共有することができるようになります」。

このサービス開始後、Disney+は、HBO Max、Paramount+、Discovery+など、広告付き視聴サービスを提供する他のストリーミングサービスに加わることになる。Disneyが所有・運営するHuluも、月額6.99ドル(約800円)で広告付き視聴サービスを提供している。

本日の発表は、Disneyが2022年夏に欧州、中東、アフリカの42カ国と11地域でDisney+を開始することを明らかにしたことに続くものだ。新たに追加される国は、南アフリカ、トルコ、ポーランド、アラブ首長国連邦などだ。このストリーミングサービスは現在、米国、カナダ、英国を含む64カ国で提供されている。Disneyは、これらの新しい国でサービスを開始する正確な日付を特定しておらず、地域ごとの価格に関する情報も共有していないが、おそらく今後数カ月の間にそれを行う予定だ。

そのリストには、アルバニア、アルジェリア、バーレーン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エジプト、エストニア、ギリシャ、ハンガリー、イラク、イスラエル、ヨルダン、コソボ、クウェート、ラトビア、レバノン、リビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、マルタ、モンテネグロ、モロッコ、北マケドニア、オマーン、パレスチナ、ポーランド、カタール、ルーマニア、サンマリノ、サウジアラビア、セルビア、スロヴァキア、スロヴェニア、南アフリカ、チュニジア、トルコ、アラブ首長国連邦、バチカン市国とイエメンが含まれている。

新しい地域としては、フェロー諸島、フランス領ポリネシア、フランス領南方領土、サンピエール・ミクロン海外集団、オーランド諸島、シント・マールテン島、スヴァールバル・ヤンマイエン、英国インド洋領土、ジブラルタル、ピトケアン諸島、セントヘレナなどが含まれている。

Disneyは先日、2023年度までにDisney+の提供国を2倍以上の160カ国以上に拡大する計画を明らかにしたが、今回のニュースはその一環だ。同社は、消費者向けストリーミング事業をよりグローバルな市場に拡大することを計画しており、この推進を支援するため、新たにInternational Content and Operations(インターナショナル・コンテンツ・オペレーションズ)グループを設立している。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Yuta Kaminishi)

Disney+がNetflixのMarvelシリーズを米国などで配信開始、日本では2022年後半の予定

米国時間3月1日、Disney+(ディズニープラス)は、以前Netflix(ネットフリックス)で配信されていたMarvel(マーベル)の実写ドラマの配信と、これらのドラマの追加にともない17歳未満の子どもには不適切と評価されたTV-MAコンテンツの視聴を禁止できる新しいペアレンタルコントロールの導入を発表した。

Disney+によれば、3月16日から米国、カナダ、英国、アイルランド、オーストラリア、ニュージーランドで実写シリーズの「Marvel デアデビル」「Marvel ジェシカ・ジョーンズ」「Marvel ルーク・ケイジ」「Marvel アイアン・フィスト」「Marvel ザ・ディフェンダーズ」「Marvel パニッシャー」「エージェント・オブ・シールド」を配信する(ただし「エージェント・オブ・シールド」は米国のみ)。

Marvel作品に関するNetflixの権利が3月1日に切れて配信ラインナップから消えたことは、Netflixの1つの時代の終わりを表している。Disney+が登場するまでは、NetflixはDisneyと長年にわたって関係を築いていた。NetflixがDisneyのコンテンツに関して複数年の契約を交わした後、2013年にMarvelはNetflixと組んで最初の4本のスーパーヒーロードラマを製作した。これによりNetflixは「Netflixオリジナル」ブランドとして長年にわたって人気ドラマを配信し、新規ユーザーの獲得につながった。しかしNetflixは2018年と2019年にMarvelドラマの配信中止を開始し、Disneyとの契約終了に至った。そして契約により、中止後も2年間はドラマのキャラクターはNetflix以外の映画やテレビシリーズに登場できないことになっていた。

当初はNetflixの権利が切れた後にMarvelの実写ドラマがどこに行くかは不透明だった。ことに、これらの大人向けドラマは家族向けの配信サービスであるDisney+には合わない。可能性がある考えられたのは、Disney傘下で大人向けコンテンツの傾向が強いHulu(フールー)だ。しかしこれらのドラマが3月中旬からカナダのDisney+に登場することがスクープされ、Disneyは少なくとも一部のマーケットでこれらのドラマをDisney+に取り込む意向であることが明らかになった。ただし米国で配信されるのか、されるとしたらいつからか、どのプラットフォームで配信されるのかは明らかになっていなかった。

画像クレジット:Sarah Shatz/Netflix

また、Disney+は米国でTV-MAに指定されているコンテンツを子どもに見せたくない保護者のためのツールが必要であることも認めた。3月16日から米国のDisney+利用者すべてに対してペアレンタルコントロールのアップデートが求められる。利用者は家族のプロフィールごとにコンテンツのレーティングを選択し、プロフィールをロックするためのPINコードを設定できる。またキッズプロフィールを抜けるための質問も設定できるので、子どもはキッズの利用環境から切り替えることができない(Disney+のグローバル市場ではすでにこのようなペアレンタルコントロールが提供されている。しかし米国のユーザーは新機能として今後RやTV-MAコンテンツの制限ができるようになる。アプリを再起動する際に変更を求められる)。

これらの設定はオプションで、米国の全利用者に対して3月16日以降に初めてDisney+のサービスを利用するときに表示される。利用者がレーティングを設定しない場合は、デフォルトで14歳未満の子どもには不適切とされるTV-14コンテンツに設定される。つまりTV-MAのプロフィールを選択しないと、新たに配信されるMarvelドラマは見られない。

Disneyによれば、TV-MAに切り替えたプロフィールには変更を確認するためにアカウントのパスワードも必要になるという。設定した後はDisney+の大人向け番組を利用でき、アプリの「あなたへのおすすめ」や「トレンド」にも表示されるようになる。

Disney Streaming(ディズニー・ストリーミング)の社長であるMichael Paull(マイケル・ポール)氏は発表の中で次のように述べた。「Disney+には業界で最も愛されるブランドが集まり、これらの実写ドラマが追加されることでMarvelブランドもさらに1カ所で楽しめます。我々は世界中の市場でDisney+が提供するコンテンツを拡大してすばらしい成功を収めており、Marvelの新しいドラマを加えたすばらしいコンテンツと、お客様とご家族が最適な視聴体験を得られる機能を提供して米国でもこれを継続できることをたいへんうれしく思います」。

ペアレンタルコントロールを変更すると今後、大人向けのMarvelコンテンツをさらに配信できることになるが、Disneyは具体的な発表はしていない。

同社によれば、MarvelのドラマはDisney+のその他の全海外市場で2022年後半に公開される予定だ。

画像クレジット:Disney

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(文:Sarah Perez、翻訳:Kaori Koyama)

Disney+は第1四半期に新規加入者1180万人を獲得、Netflixを上回る

Disney(ディズニー)は、2022年第1四半期の決算発表の一環として、Disney+が同四半期に1180万人の新規加入者を獲得して会員数が1億2980万人に達したと発表し、2024年までに会員数2億3000万〜2億6000万人達成という目標に向けて順調だと述べた。前の四半期は200万人の加入者増にとどまっていたが、今期は予想を上回った。

Disneyは、Disney+の全世界の加入者数を、米国内と海外のカテゴリー別に分類した。加入者数は、米国とカナダで4290万人、それ以外では4110万人だった。また、Disney+ Hotstarの加入者数は4590万人で、これはDisneyとStar Indiaの既存ストリーミングサービスとの協業で展開されているサービスだ。

Disney+の成長は、ウォール街が予想した新規加入者約700万人を上回った。また、Netflix(ネットフリックス)は2015年以来最低の加入者増を記録し、予想の850万人に対し新規加入が830万人にとどまるという冴えない四半期だったが、Disney+の成長はストリーミング業界の状況に対する投資家の懸念を和らげたかもしれない。

Disneyの他のストリーミングサービスについては、Huluが660万人の新規加入者を獲得して会員数を4530万人にし、ESPN+は420万人を追加して2130万人に達した。Disneyのストリーミングサービス全体の契約数は1億9640万に達している。

同社の株価は、好決算を受けて8%上昇した。同四半期はパーク事業も回復した

DisneyのCEOであるBob Chapek(ボブ・チャペック)氏は決算説明会で投資家に対し、Disney+の同四半期中の成功は、本業の成長と新しいコンテンツの組み合わせによるところが大きいと述べた。同四半期にDisney+は、オスカーにノミネートされた「Encanto(ミラベルと魔法だらけの家)」「Eternals(エターナルズ)」「Hawkeye(ホークアイ)」「The Book of Boba Fett(ボバ・フェット)」などの有名作品をリリースしている。チャペック氏は、毎週1本、新作品をリリースするという目標を達成し、この目標を2倍にする計画だと述べた。

Disneyは今会計年度に、新規加入者獲得に向けて新コンテンツに330億ドル(約3兆8055億円)を注ぎ、第1四半期の勢いを持続させることを目指している。また、チャペック氏は、Disney+加入者が2024年度末までに2億3000万人〜2億6000万人に達するという軌道を維持していると説明した。

さらにチャペック氏は「Star Wars:Revenge of the Sith(スター・ウォーズ/シスの復讐)」の10年後を描くStar Wars新Disney+シリーズ「Obi-Wan Kenobi(オビ=ワン・ケノービ)」が5月25日に配信されることを明らかにした。このシリーズでは、若き日のオビ=ワンをEwan McGregor(ユアン・マクレガー)氏が再び演じ、その他にHayden Christensen(ヘイデン・クリステンセン)氏、Moses Ingram(モーゼス・イングラム)氏、Joel Edgerton(ジョエル・エドガートン)氏、Kumail Nanjiani(クメイル・ナンジアニ)氏、Indira Varma(インディラ・ヴァルマ)氏、Rupert Friend(ルパート・フレンド)氏らが出演する。

別のStar Wars新Disney+シリーズとして「Andor」が2022年中にスタートする予定だ。このシリーズでは、Diego Luna(ディエゴ・ルナ)氏が「Rogue One(ローグ・ワン)」で演じたCassian Andor(キャシアン・アンドー)役を再び演じる。また、Stellan Skarsgård(ステラン・スカルスゲールド)氏、Adria Arjona(アドリア・アルホナ)氏、Fiona Shaw(フィオナ・ショウ)氏、Denise Gough(デニース・ゴフ)氏、Kyle Soller(カイル・ソラー)氏、Genevieve O’Reilly(ジェネヴィーヴ・オーライリー)氏らが出演する予定だ。

Disney+が目指す会員数は、2022年夏に欧州、中東、アフリカの42カ国と11地域でストリーミングサービスが開始されることにともなうものだ。注目すべきは、南アフリカ、トルコ、ポーランド、アラブ首長国連邦などの新しい国々だ。Disneyは、これらの新しい国でサービスを開始する正確な日付を特定しておらず、地域ごとの価格に関する情報も出していないが、今後数カ月のうちに明らかにするはずだ。現在、Disney+は米国、カナダ、英国を含む64カ国で提供されている。

同社は、2023年会計年度までにDisney+を提供する国を2倍以上の160カ国以上に増やすことも明らかにした。消費者向け直販ストリーミング事業をさらに多くの市場に拡大する計画で、この推進のために新たにInternational Content and Operationsグループを設立する。

Disney+は2019年後半に始まり、過去数年間、Netflix、Amazon Prime Video、その他複数のストリーミングサービスと競合してきた。Disney+は、主にMarvel(マーベル)やStar Warsのコンテンツを有していることで、ストリーミング分野でその名を轟かせることができた。

ESPN+については、チャペック氏はCNBCとのインタビューで、DisneyがNFLの中継Sunday Ticketの放映権に入札するつもりであることを明らかにした。NFLのSunday Ticketの独占プロバイダーとしてのDirecTVの契約は、2022年のNFLシーズン後に切れることになっており、Amazon(アマゾン)やApple(アップル)など多くの企業が契約について初期交渉している。チャペック氏は、スポーツ番組が同社のストリーミング戦略の極めて重要な部分だと概説した。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Nariko Mizoguchi

Disney+が米国で初めてライブストリーミングのテストを実施

Disney+は、米国時間2月8日、米国で初めてライブストリーミング機能のテストを実施し、オンデマンドのサブスクサービスの今後の変化を示唆した。今回のテストでは、大規模なイベントには挑戦せず、俳優でコメディアンのLeslie Jordan(レスリー・ジョーダン)と俳優でプロデューサーのTracee Ellis Ross(トレーシー・エリス・ロス)が司会を務める第94回アカデミー賞ノミネーションのライブストリームを実施した。このイベントは、Disney(ディズニー)傘下のHulu、さらにABC News Live、Oscars.comなどアカデミー賞が所有するさまざまなプラットフォームにもライブ配信された。

イベントの視聴者全員が1つのプラットフォームに視聴を合わせないので、このように幅広い配信はDisney+の負担を軽減することにもつながった。

同社は、Disney+でのライブストリーミングについて、今後どのような具体的な計画があるかについては言及を避けたが、同社のプラットフォームでライブコンテンツがどのようなものになるかを模索したいことは認めている。担当者は、これまでのところ、結果に満足していると述べ、Disneyは今後もこの種の体験をテストし続ける予定であると付け加えた。

「今朝のアカデミー賞のノミネーションで、米国のDisney+でライブストリーミングのテストを行いました。我々はその結果に満足しており、消費者に最高のユーザー体験を提供するための継続的かつ反復的なアプローチの一環として、テストを続けていきます」と、Disneyの広報担当者はTechCrunchに語った。

Disneyはすでに、Hulu with Live TVやESPN+など、ライブコンテンツを配信できる複数のストリーミングプラットフォームを持っているが、同社が米国のDisney+にライブスポーツを統合することを検討している可能性を示すヒントもある。あるスポッターは最近、例えばDisneyPlus.comサイトマップにリンク (https://www.disneyplus.com/espn/details/sport-event/)が追加されたことに気づいた。これは、同社がESPNの視聴者がDisney+からスポーツに容易にアクセスできるようなプランを検討していることの表れではないか、と彼らは推測している。また、インドのDisney+ Hotstarサービスではすでにスポーツのライブ配信を行っているため、Disneyが米国で同様のサービスを検討するのも無理はないだろう。

しかし、今日のテストが示すように、ライブストリーミングはスポーツのライブに限定されるものではない。すでにHuluでクロスストリーミングされている特別なイベントや、ファンに直接アピールできるようなイベント、たとえば人気のファンイベントD23 Expoからの配信など、Disneyが配信する意味があるライブイベントは数多くある。

また、ライブコンテンツが加わることで、記録的な成長が鈍化し始めた現在、サービスの魅力が増す可能性もある。

Disney+の加入者は、2021年第2四半期の1億360万人から第3四半期には1億1600万人に増え、第4四半期にはさらにわずか210万人増の1億1810万人になった。その鈍化は加入者増に関するウォール街の期待を裏切り、11月の最新決算発表の直後に株価を下げた。それでも、DisneyのBob Chapek(ボブ・チャペック)CEOは、2024年までにDisney+加入者数を2億3000万-2億6000万人にするという同社の目標は、依然として順調であると述べた。Disneyは米国時間2月9日に2022年第1四半期の決算を発表する予定だ。

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(文:Sarah Perez、翻訳:Yuta Kaminishi)

Disney+は今夏、新たに42カ国と11の地域でサービス開始

Disney+(ディズニープラス)は2022年夏、欧州、中東、アフリカの42の国と11の地域で新たにサービスを開始する。その中には、南アフリカ、トルコ、ポーランド、アラブ首長国連邦などが含まれる。このディズニー公式動画配信サービスは現在、米国、カナダ、英国、日本を含む64カ国で提供されている。ディズニーは、新たな国でサービスを開始する正確な日付や、地域別の価格設定に関する情報を明らかにしていないが、今後数カ月以内に発表される見込みだ。

新たにサービスが開始される国は、アルバニア、アルジェリア、アンドラ、バーレーン、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ共和国、エジプト、エストニア、ギリシャ、ハンガリー、イラク、イスラエル、ヨルダン、コソボ、クウェート、ラトビア、レバノン、リビア、リヒテンシュタイン、リトアニア、マルタ、モンテネグロ、モロッコ、北マケドニア、オマーン、パレスチナ、ポーランド、カタール、ルーマニア、サンマリノ、サウジアラビア、セルビア、スロバキア、スロベニア、南アフリカ、チュニジア、トルコ、アラブ首長国連邦、バチカン市国、イエメンの42カ国。

そして新たに展開される地域には、フェロー諸島、フランス領ポリネシア、フランス領南方地域、サンピエール島・ミクロン島海外集団、オーランド諸島、シント・マールテン島、スバールバル諸島・ヤンマイエン島、英領インド洋地域、ジブラルタル、ピトケアン諸島、セントヘレナ島が含まれている。

ディズニーは先日、2023年度までにDisney+を展開する国の数を2倍以上の160カ国以上に増やす計画を明らかにした。今回の拡大のニュースはその一環だ。同社は、D2C(消費者直接取引)の動画配信ビジネスを、より多くのグローバル市場に拡大することを計画しており、この推進を支援するために、新たにインターナショナル・コンテンツ&オペレーション部門を設置した。このグループを率いるのは、ディズニー勤続25年のベテラン、Rebecca Campbell(レベッカ・キャンベル)氏だ。同氏はディズニーの動画配信サービスのための現地および地域向けコンテンツの制作に注力するとともに、ディズニーの国際チームを統括する。

関連記事:ディズニーが動画配信事業を再編、国際的戦略のハブとなる新グループを設立

ディズニーによると、2021年度末時点で、Disney+、ESPN+(イーエスピーエヌ・プラス)、Hulu(フールー)の加入者数は合計1億7900万人だったという。同社はDisney+の加入者が、2021年第4四半期に全世界で1億1800万人に達したと述べている。

2019年後半に開始されたDisney+はこの数年、Netflix(ネットフリックス)やAmazon Prime Video(アマゾン・プライム・ビデオ)他複数の動画配信サービスと競合してきた。ちなみにNetflixとAmazon Prime Videoは、いくつかの例外を除いて全世界で提供されている。Netflixは中国、クリミア、北朝鮮、シリアでは利用できず、Amazon Prime Videoは中国本土、イラン、北朝鮮、シリアで利用できない。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Aisha Malik、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ディズニーが動画配信事業を再編、国際的戦略のハブとなる新グループを設立

Disney(ディズニー)は米国時間1月19日、D2C(消費者直接取引)の動画配信事業を、よりグローバルな市場に拡大する計画を発表した。そのために新たにインターナショナルコンテンツ&オペレーション部門を設立する。このグループを率いるのは、約25年前からディズニーで働くベテラン、Rebecca Campbell(レベッカ・キャンベル)氏で、ディズニーの動画配信サービスのための現地および地域向けコンテンツの制作に注力するとともに、ディズニーの国際チームを統括する。この新しい役職は、ディズニーのBob Chapek(ボブ・チャペック)CEO直属となる。同社は今回、現在の動画配信サービスの展開状況とDisney+(ディズニープラス)の2023年の見通しについても最新の情報を発表した。

ディズニーによると、2021年度末時点で、Disney+、ESPN+(イーエスピーエヌ・プラス)、Hulu(フールー)の加入者数は合計1億7900万人だったという。同社は2023年度までにDisney+の配信国数を2倍以上の160カ国以上に増やすことを計画している。

インターナショナルコンテンツ部は新たに設立されたものだが、ディズニーによると、同社の動画配信サービスのために制作・開発されている現地・地域向けタイトルは、すでに340以上にのぼるという。この数は時間とともに増えていく予定であり、これまでインターナショナルオペレーションおよびD2C担当のトップを務めていたキャンベル氏は、同時にインターナショナルコンテンツのパイプラインの拡大に注力していく。拡大した役割の中でも、キャンベル氏は引き続きアジア太平洋地域、欧州・中東・アフリカ地域、インド、ラテンアメリカの海外チームにも参加する。

インターナショナルコンテンツ&オペレーショングループの設立により、ディズニーは、スタジオコンテンツ、ジェネラルエンターテインメントコンテンツ、スポーツコンテンツの各グループに加え、コンテンツ制作のための第4の拠点を持つことになる。この新グループの追加は、Netflix(ネットフリックス)などライバルに対抗するために、動画配信分野でグローバルな事業基盤を確立することの重要性を示している。Netflixはインドなど一部の市場で加入者を獲得する方法を模索していて、最近では値下げを余儀なくされている。HBO Max(エイチビーオー マックス)も国際的な事業展開に目を向けており、最近は欧州の一部でサービスを開始した。

国際的なコンテンツハブの新設に加えて、ディズニーは動画配信事業の他の部分も再編成した。

Huluの新社長には、Disney+のマーケティング&オペレーション担当EVPだったJoe Earley(ジョー・アーリー)氏が就任した。同氏は、Disney+、Hulu、ESPN+、Star+をグローバルに担当するDisney Streaming(ディズニー・ストリーミング)の新社長に昇格したMichael Paull(マイケル・ポール)氏の直属となる。ポール氏の前職であるDisney+の社長はまだ任命されていない。新しい役職では、ポール氏はDisney Media & Entertainment Distribution(ディズニーメディア&エンタテインメントディストリビューション、DMED)の会長であるKareem Daniel(カリーム・ダニエル)氏の直属となる。

「ディズニーの消費者直接取引の取り組みは、わずか数年の間に驚異的なペースで進展しており、我々の組織は野心的なグローバルストリーミング戦略を支えるために成長と進化を続けてきました」と、チャペック氏は今回の組織変更を発表した声明の中で述べている。「レベッカは、当社のグローバルプラットフォームの拡大を指揮する重要な役割を果たしてきました。今回、新たにインターナショナルコンテンツグループを率いることになった彼女は、その専門知識と才能を活かして、当社の動画配信サービスに増加する現地・地域向けオリジナルコンテンツのパイプラインを監督するとともに、引き続き当社の国際的な事業を先導してくれるものと期待しています。同様に、消費者へのサービスに絶え間なく注力しているカリームは、当社の動画配信事業をディズニーの次の世紀に向けて展開していくための比類ない能力を備えた、業界をリードする経験豊富な経営陣を育成しています」。

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

子供がディズニーに夢中になれる「おはなしヘッドフォン」

本を読んでもらったことや、本に夢中になるために自分で読むことを覚えたことは、子どもの頃の大好きな思い出だ。ここで老人の愚痴をひと言叫ぶことを許して欲しい。「今や多くの子どもたちがこんなにもスクリーンに囲まれてしまって、昔のような体験をすることが難しくなっているのは残念だ!」。そんな中、2022年のCESでONANOFF(オラノフ)がStoryPhones(ストーリーフォーンズ)という製品を発表したのはうれしいニュースだった。このヘッドフォンは、オーディオ再生のために他の機器に接続することとは別に、ヘッドフォン自身の中にたくさんのオーディオコンテンツを保存することができる。妖精や魔法の迷宮に入り込むのに最適だ。

同社は、発売にあたり、ディズニーとのコンテンツコラボレーションが行われることも発表した。子ども向けのストーリーコレクションでは、子どもたちが大小のスクリーンで知っているようなキャラクターの話を耳にすることができる。ヘッドフォンは、ミッキーマウス、ミニーマウス、リトルマーメイド、アナと雪の女王、ライオンキング、トイストーリー、Mr.インクレディブル、モンスターズ・インクなど、ディズニーの代表的なキャラクターやストーリーを収録して出荷される。同社は、3歳以上の子どもたちに適した厳選コンテンツのライブラリーを持っていると述べている。

録音されたコンテンツに加えて、同社が「PlayShield(プレイシールド)」と呼ぶものにも対応している、これは親が自分で物語をモバイルアプリで録音し、それをヘッドフォンにロードして再生できるようにするものだ。同社は、祖父母や遠く離れた家族とつながり、ストーリーテリングを通して家族全員を近づける方法を提案している。

そして、本製品にはZenShield(ゼンシールド)という機能がある。これは「リラックスできる音声コンテンツが含まれていて、興奮し過ぎた子どもたちが落ち着き、リラックスし、さらには眠ることができる」というものだ。騒がしい子どもたちのための一時停止ボタンだと思えばいいのではないだろうか。含まれるサウンドは、ピアノ音楽、海の波、雨粒の音などだ。

このヘッドフォンには、敏感な小さな子どもの耳にダメージを与えないように音量を抑えるSafeAudio(セーフオーディオ)機能が内蔵されている、その結果、CES2022のイノベーションアワードの「Headphones & Personal Audio」(ヘッドフォン&パーソナルオーディオ)モンスターズインク部門と「Health & Wellness(ヘルス&ウェルネス)モンスターズインク部門の2つの賞を受賞した。

4GBのSDカードが4ドル(約460円)で手に入る時代に、このヘッドフォンは90分ほどのコンテンツをそのショボい64MBのストレージに保存することができる。なぜユーザーがアクセスできるストレージがこれほど少ないのかに私は当惑している。まあおそらく将来のヘッドフォンでは再考されるだろう。

まずはイタリア、スペイン、オーストリア、スイス、ドイツ、イギリス、フランスのヨーロッパ全域で、イタリア語、スペイン語、ドイツ語、フランス語、英語の5言語で発売される。欧州での推奨小売価格は84.99ポンド(約1万3000円)だ。また米国では、ヘッドフォンとミッキーまたはミニーのStoryShield(ストーリーシールド)がセットになったStoryPhonesバンドルが99.90ドル(約1万1600円)となる。StoryShieldsは単品でも購入可能で、価格は7.99ドル(約930円)から14.99ドル(約1740円)である。

画像クレジット:Oranoff

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(文:Haje Jan Kamps、翻訳:sako)

予想より少なかった今期のDisney+の新規加入者数

この秋は、ディズニーのストリーミングの野望には優しくはなかった。第4四半期のDisney+(ディズニープラス)の加入者数は210万人にとどまり、合計1億1810万人となった。この数字は、同社がすでに慎重に見積もっていた数字(数百万人前半)とほぼ一致しており、総顧客数は前年同期比で60%増加しているが、一部のアナリストの予想を大きく下回っている。CNBCは、StreetAccount(ストリートアカウント)が今期の新規ユーザー数を940万人と予測していたことを指摘している

ディズニーのストリーミング配信事業Direct-to-Consumer(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)部門は、制作費、マーケティング費、および「技術コスト」の増加などにより、前年が3億7400万ドル(約426億円)だったのに対して6億3000万ドル(約718億円)の損失を計上した。これらは、サービスの拡大から予想されていたが、Disney+がサービス開始から2年経過してもなお、ディズニーにとって純利益をもたらしていないことを示唆している。同社のチーフBob Chapek(ボブ・チャペック)氏は、決算説明会において、加入者数の目標(2024年9月までに2億3000万人以上のユーザー)を達成し、利益を出すことに依然として自信を持っていた。

同社は「逆風」を警告していた。この問題について当初はあまり触れていなかったが、重荷を担う「モンスターズ・ワーク」や「ホワット・イフ…?」などのシリーズはあったが、Disney+にとって比較的静かな夏だった。また「ブラック・ウィドウ」と「ジャングル・クルーズ」という2本の大ヒット映画を配信したが、オリジナル映画はあまり強みにはならなかった。

秋に向けて、状況は明るくなってきている。Disney+は、11月12日に「シャン・チー/テン・リングスの伝説」を配信し「ホークアイ」や「ボバ・フェット/The Book of Boba Fett」などの番組を開始し、韓国などの国にも進出している。これらはすべて、加入者と視聴者を増やす可能性がある。問題は、特に同社が劇場でのプレミア公開に戻ったとき、それらがDisney+にとって十分に継続的なコンテンツと拡張になるかどうかということだ。

長期的な計画は、それだけではなかった。チャペック氏は、ディズニーのキャラクターが登場し、物理的な世界と仮想的な世界の両方を融合させるディズニー・メタバースの可能性を示唆した。しかし、CEOはこれが長期的な目標であることを強調し、タイムラインやその他の技術的な詳細については語らなかった。今のところ、これは具体的なプロジェクトというよりも、Facebook(フェイスブック)のMeta(メタ)に対抗するための試みといえるだろう。

編集部注:本稿の初出はEngadget

画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Jon Fingas、翻訳:Yuta Kaminishi)

ディズニーが新しいアトラクション予約サービス「Disney Genie」開始、まずは10月19日よりフロリダのWalt Disney Worldで

Disney(ディズニー)の新しいデジタルサービス「Disney Genie(ディズニー・ジーニー)」が、米国時間10月19日より、Walt Disney World Resort(ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート)で始まる。8月に初めて発表されたこのサービスは、従来のディズニー・パークの行列予約ツールをアップデートしたもので、ゲストは旅程を計画・更新したり、最も人気のあるアトラクションの時間帯を予約したり、さらにオプションとして、人気アトラクションではアラカルトまたはアドオンの「Genie+(ジーニー・プラス)」を通して、並ぶ時間を短縮できる「Lightning Lane(ライトニング・レーン)」入場口の有料アクセスを購入することができる。

ディズニーによれば、このDisney Genieは、旧来のFASTPASS(ファストパス)、FastPass+(ファストパス・プラス)、Disney MaxPass(ディズニー・マックスパス)に代わるサービスとして、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートとカリフォルニアのディズニーランド・リゾートで導入されるという。

Disney Genieの中核となるのは、ゲストがパーク内で必ず体験したいと思っている乗り物やアトラクション、食事やエンターテインメントに基づいて、パーソナライズされた旅程を作成するスマートな旅行計画機能だ。つまりDisney Genieのユーザーは、人気アトラクションだけでなく、ディズニープリンセスとのミート&グリートを予定に組み込んだり、パーク内のバーで最高のカクテルを楽しみたいといった自分の興味に基づいて、1日の旅程をカスタマイズすることができる。

画像クレジット:Disney (choosing your interests in the app)

Disney Genieの導入以前は、パークに行く前に「FastPass+」と呼ばれる予約システムでアトラクションを3回まで予約でき、3回目以降はアプリ「My Disney Experience(マイ・ディズニー・エクスペリエンス)」を使って予約を継続することができた。しかし、この無料システムでは、60日前から予約できるディズニー直営ホテル宿泊者が有利で、それ以外の人は30日前にしか予約できないため、人気のある乗り物の予約が取りにくいという問題があった。また最初の予約時には、すべての人気アトラクション(いわゆるTier1アトラクション)を3つ予約できるわけではなかった。

Disney Genieは、これらの問題を解決するためのものだが、しかし有料となる。そのため、ディズニー・ファンからは「ディズニー旅行にはすでに十分お金を払っているのに、さらに追加料金を払いたいとは思わない」という反発の声が上がっている。実際、Disney Genieの発表動画には、本稿執筆時点で、1万2000件もの「低評価」が付けられているのに対し「高評価」は948件に過ぎない。しかし、テーマパークの主要アトラクションに有料で優先的に並べるサービスは、ディズニーに競合するテーマパークでは一般的なものであり、タイトなスケジュールで確実にすべてのアトラクションを体験したい人にとっては役に立つ。

10月19日に発売されるウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのDisney Genieでは、ゲストは2つの有料オプションから選択できるようになる。最大2つのライトニング・レーンを個別に利用するか、あるいはGenie+のより幅広いセレクションを利用するかだ。

ディズニーによると、アラカルト・オプションで利用できるアトラクションは以下の通り。Magic Kingdom(マジックキングダム)の「Seven Dwarfs Mine Train(七人のこびとのマイントレイン)」と「Space Mountain(スペース・マウンテン)」、Epcot(エプコット)の「Remy’s Ratatouille Adventure(レミーのラタトゥイユ・アドベンチャー)」と「Frozen Ever After(フローズン・エバー・アフター)」、Disney Hollywood Studios(ディズニー・ハリウッドスタジオ)の「Star Wars:Rise of the Resistance(スター・ウォーズ:ライズ・オブ・ザ・レジスタンス)」と「Mickey & Minnie’s Runaway Railway(ミッキー&ミニーの暴走鉄道)」、Disney’s Animal Kingdom(ディズニー・アニマル・キングダム)の「Avatar Flight of Passage(アバター・フライト・オブ・パッセージ)」と「Expedition Everest(エクスペディション・エベレスト)」。

これらの中から、2つのアトラクションを選ぶことができ、待ち時間を短縮できる可能性はあるものの、あなたがどうしても乗りたいアトラクションは含まれていないかもしれない。

一方、Disney Genie+では、4つのパークにある合計40以上のアトラクションでライトニング・レーンを開放し、しかもその中には、多くのTier1ライドが含まれる。販売開始時の価格は、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートでは1日1枚15ドル(約1700円)、ディズニーランド・リゾートでは1日1枚20ドル(約2300円)になる予定だ。

画像クレジット:Disney

アラカルトの価格は、日付、アトラクション、パークによって異なるとディズニーは述べている。ディズニーは各ライドの具体的な価格を発表していないが、いくつかの例を提示している。例えば「レミーのラタトゥイユ・アドベンチャー」のライトニング・レーン入場は、10月19日には1人9ドル(約1020円)だが、10月23日には1人11ドル(約1250円)になるとのこと。しかし、同じ日に「エクスペディション・エベレスト – 禁断の山の伝説」は1人7ドル(約790円)「スター・ウォーズ:レジスタンスの台頭」は1人15ドル(約1700円)となっている。

ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートで10月19日より開始するというニュースに併せて、ディズニーはこの機能がMy Disney Experienceアプリにどのように統合されるかについても詳しく説明している。これは、チケット、パークマップ、ショータイム、オンラインフードオーダーなどにアクセスするためのアプリだ。

画像クレジット:Disney

現在は多くのパーク来場者が、TouringPlans.comをはじめとするインディーデベロッパーによるサードパーティ製アプリや、ディズニー・ファンのブログなどを利用して、主要なアトラクションやイベントをすべて見て回るルート計画のヒントを得ている。しかし、Disney Genieは、同社が把握している待ち時間やパークの変化(一時的に閉鎖されている乗り物やその他の遅延など)などの情報も組み入れながら、自社の「My Disney Experience」アプリで直接、ユーザーが旅の優先順位を決めるための手助けをすると約束している。この自社開発のオプションは、パーク・プランニングのニーズに対応するために作られたサードパーティ・ビジネスの収益源に影響を与える可能性がある。

しかも、固定されたプランとは異なり、Genieによる体験は、ユーザーの要望や予期せぬ計画変更にも対応する。例えば、小さな子どもを昼寝させるためにホテルへ戻る必要が生じたり、予定外の軽食で休憩を取ったり、気に入ったアトラクションにもう一度乗りたいと思ったりすることがあるだろう。そんなふうに予定を変更すると、Genieはあなたの旅程をアップデートしてくれる。このサービスは、ライトニング・レーンの入場料を払っていなくても、無料で利用できる。

ディズニーは、カリフォルニアのディズニーランド・リゾートではDisney Genieがいつから導入されるかを発表していないが、以前「2021年の秋」と言っていたので、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートからそれほど遅れることはないだろう。

画像クレジット:Disney

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(文:Sarah Perez、翻訳:Hirokazu Kusakabe)

ディズニーとアマゾンが提携、カスタム音声アシスタント「ヘイ、ディズニー」を開発し搭載Echoをディズニーワールドリゾートのホテルに展開

Amazon(アマゾン)は、初めてEcho(エコー)デバイスで別の音声アシスタントを利用できるようにする。同社は先に開催した秋のイベントで、Disney(ディズニー)が開発し、Alexa(アレクサ)の技術をベースに作られた新しい音声アシスタント「Hey, Disney(ヘイ、ディズニー)」を発表した。このアシスタントは、独自の声を持ち、ディズニーファンが探索できる1000以上のカスタム・インタラクションを備えており、その多くは、本物のキャラクター音声やディズニーの膨大なライブラリーからのオリジナル録音を含んでいる。また、大規模なパートナーシップにより「Hey, Disney」の機能を追加したAlexaデバイスが、2022年からオーランドのDisney World Resort(ディズニー・ワールド・リゾート)ホテルに設置される予定だ。

まず最初に「Hey, Disney」は、ジョークややり取り可能なトリビア、お気に入りのディズニーキャラクターからの挨拶、ディズニー映画にインスパイアされた「soundscapes(サウンドスケープ)」と呼ばれるオーディオ環境へのアクセスなど、ディズニーファンのためのさまざまな体験を提供する。ユーザーがこれらの新機能を使うと、ディズニー、Pixar(ピクサー)、Marvel(マーベル)、Star Wars(スター・ウォーズ)などのお気に入りのキャラクターの声で応えてくれる。その間、このエクスペリエンス全体は「Disney Magical Companion(ディズニー・マジカル・コンパニオン)」と呼ばれるものによって動いている。

このコンパニオンは、基本的にはディズニー版のAlexaであり、新しい体験を通してユーザーを案内するために、ディズニー自身が開発したカスタムボイスだ。このコンパニオンの声はまだ明らかにされていないが、ディズニーは本物の声優を使って音を作っており、その声は「男性の声色」になるとのことだ(ミッキーだろうか?)。

画像クレジット:Amazon/Disney

2022年以降、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのホテルの部屋に「Echo Show 5(エコー・ショー5)」が置かれ、宿泊するゲストは、それを使って「Hey, Disney」体験にアクセスできるようになる。ここでは、パークの開園時間やパークへの最短ルート、食事できる場所など、リゾートのゲストが抱きがちな特定の質問にアシスタントが答えてくれる。また、アシスタントを使って、タオルの追加やルームサービスでの食事の注文など、特定のゲストサービスのリクエストをすることもできる。お気に入りのディズニーキャラクターが、ゲストのためにパーソナライズされたメッセージを1日中流すこともできる。

Amazonは、2021年初めに発表したAlexaカスタムアシスタント技術に続き、ディズニーと共同でこの新しい音声アシスタントを開発した。このソリューションでは、機器メーカーやサービスプロバイダーが、ブランドの個性や顧客のニーズに合わせた独自のインテリジェントアシスタントを作成することができる。自動車メーカーのFiat Chrysler Automobiles(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)は、Alexaカスタムアシスタントの最初の顧客だったが、今回のディズニーのものは、アマゾン自身のEchoデバイス上で直接動作する最初のアシスタントとなる。このソリューションにより、ディズニーはアシスタントに独自のウェイクワード(「Hey, Disney」と特有の声、そして個性を与えることができた。また、顧客専用のインタラクション・ライブラリにつながり、それらのほどんとが「Hey, Disney」を最初に起動してからでないと利用できない仕様となっている。

画像クレジット:Amazon/Disney

Amazonは、あるアシスタントから別のアシスタントに引き継ぐことができるようなインタラクションがいくつかあるかもしれないとも触れている。例えば、誰かが「Hey,  Disney、アラームを止めて」と言ってアラームを止めようとした場合、アラームは通常Alexaの機能であるにもかかわらず、Echoが適切に反応してくれるだろう。しかし、いくつかの簡単なユースケースを除き、ディズニー固有のインタラクションのほとんどは、ディズニー自身のアシスタントで指示する必要がある。

Alexaの導入に関する提携も、今回の両社の新契約の大きな要素の1つだ。

Amazonは2018年に「Alexa for Hospitality(アレクサ・フォ・ホスピタリティ)」というプラットフォームを発表しており、Marriot(マリオット)だけでなく、LEGOLAND Parks(レゴランド・パークス)でも採用されていた。しかし、今回のディズニーの契約は、オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのホテルの数千室を網羅するものであり、Alexa for Hospitalityの大きな一歩となる。

関連記事:Amazon、ホテル向けAlexaシステムの提供開始

Amazonによると、リゾートで提供される「Hey,  Disney」体験は、ゲストが個人のアマゾンアカウントにログインできないことや、アマゾンが室内でのインタラクションの音声記録を保存しないことから、家庭での体験とはまた異なるものになるとのことだ。しかし、家庭用の「Hey, Disney」は、Alexa上で実行される他の子ども向け機能のガイドラインに従うこととなる。つまり、まず親の同意を得る必要があり、顧客は既存のプライバシーダッシュボードやインターフェースを使って音声記録を閲覧・管理することができる。

これに関連して、Amazonは新しいEcho Show 5スマートスクリーン用の新しいディズニースタンドも発売した。

画像クレジット:Amazon/Disney

画像クレジット:Amazon/Disney

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(文:Sarah Perez、翻訳:Akihito Mizukoshi)

アマゾンがインドでNetflixやディズニーと戦うためPrime Videoチャンネルを提供開始

Amazon(アマゾン)は、インドで「Prime Videoチャンネル」の提供を開始した。これにより、Discovery+やMubiなど8つのストリーミングサービスを1つのハブ(Prime Videoのウェブサイトまたはアプリ)で利用することができる。これは同社が南アジアでの顧客獲得のために行なっている最新の取り組みだ。

Amazonによると、この新しいサービスにより、ユーザーは追加のストリーミングサービスへのログインや支払いが容易になるという。さらに魅力的なことに、各サービスを初年度は割引価格で利用できるとしている。Discovery+は年間4ドル(約450円)、Mubiは27ドル(約3000円)、Hoichoiは8.2ドル(約900円)、DocuBayは6.8ドル(約750円)、ErosNowは4ドル(約440円)、Lionsgate Playは9.5ドル(約1050円)、manoramaMaxは9.5ドル(約1050円)、ShortsTVは4ドル(約440円)となっている。

現在、インドでいくつかの論争の中心となっている同社は、ストリーミングサービスからどれだけの収益を得ているのか、また、独占的ではないパートナーシップの期間については明らかにしていない。インドは、AmazonがPrime Video Channelsを開始した12番目の市場だ。

関連記事:アマゾンがインドの法務顧問による現地政府当局への贈賄を捜査開始

現地時間9月24日の開始は、サードパーティのストリーミングパートナーにとって、より有益なものとなりそうだ。現在、すべてのパートナーサービスは、同国への進出に苦戦している。例えば、Discovery+アプリの2021年8月のインドでの月間アクティブユーザー数は400万人に満たなかった。モバイル調査会社のApp Annieによると、他のすべてのアプリの月間アクティブユーザー数は100万人未満で、中には20万人にも満たないものもあった(このデータは業界幹部がTechCrunchに伝えたものだ)。

Amazon Prime Video IndiaのカントリーマネージャーであるGaurav Gandhi(ガウラヴ・ガンジー)氏は、声明の中で次のように述べている。「Prime Video Channelsの開始により、インド初のビデオエンターテインメント市場を作り出すことで、私たちはこの国を楽しませるための次の大きな一歩を踏み出すことになります。この市場は、より多くのエンターテインメントの選択肢を提供することでカスタマーに楽しみを与えるだけではなく、Prime Videosの配信、リーチ、そして技術インフラで協力しているOTT チャンネルパートナーにもメリットがあります」。

AmazonのPrime Videoは、インドで5500万人以上の月間アクティブユーザーを獲得しており、Netflix、ディズニーのHotstar、Times InternetのMX Playerと競合している。HotstarとMX Playerは、インドでPrime Videoよりも大きなリーチを確立しており、Netflixは最もエリートな顧客層を獲得している。

Amazonは、権利の大半をまだHotstarが所有しているクリケットの試合の権利を確保することで、より多くの視聴者を獲得しようとしており、さらに広告付きの無料ストリーミングサービスも開始した。

関連記事:アマゾンがインドでアプリ内無料ビデオストリーミングの提供を開始

画像クレジット:Dhiraj Singh / Bloomberg / Getty Images

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(文:Manish Singh、翻訳:Yuta Kaminishi)

Disney+の第3四半期の契約者数は予想を上回る1億1600万人、アジア市場が下支え

Disney(ディズニー)のストリーミングサービスの新規契約者は、新型コロナウイルスによるロックダウンとマスク着用義務が終わったのに伴い第2四半期のはじめは伸び悩んでいたが、成長率は改善しつつある。同社は米国8月12日、爆発的な第3四半期決算を発表し、その中でDisney+の契約者数の増加はアナリストの予想を超えたことが示された。ウォールストリートが予想していた1億1450万人を超え、前年同期比100%超の伸びを示した。

Disneyの決算はまた、あらゆる数字が予想を上回った。売上高は予想の167億6000万ドル(約1兆8510億円)に対し170億2000万ドル(約1兆8800億円)、1株あたり利益は予想の55セント(約60円)に対して80セント(約88円)だった。しかもDisneyのテーマパークが営業を再開した。

パンデミックはストリーミングを含め多くの業界で成長メトリクス予測を狂わせた。競争がますます激しさを増している業界にあってNetflixに対抗できる数少ない競合相手の1つとして、Disney+はかなり確立された存在だが、新型コロナの影響でいくらかの浮き沈みはあった。パンデミック初期には、ストリーミングは上昇傾向にあった。今年3月、Disney+はサービス開始からわずか16カ月で契約者数1億人を超えた。その際、Disneyの取締役は2024年までの契約者数は2億6000万人という予想に向けて順調だと述べた。

しかしDisneyの第2四半期決算では、経済再開がDisney+の数字に影響を及ぼした。人々は家にこもる代わりにすべきことがあり、ワクチンも広範に接種できるようになったためだ。そうしてDisney+の契約者数は、アナリストの1億930万人という予想に対して1億360万人にとどまり、その結果株価は下落した。

新型コロナが誘発した新規契約者数への効果が鈍化したのは同社だけではなかった。Netflixも年初は新型コロナ、そして制作の遅れやリリーススケジュールのようなものへの広範囲にわたる影響のために契約者数の伸びは低調だった。

しかし契約者数で再び予想を上回ったNetflixの直近の四半期は、Disney+も同様に伸びるかもしれないことを予感させた。そうした成長を支えたのは、アジアでのマーケット拡大だ。昨年のインドとインドネシアに続いてDisney+ Hotstarの提供が6月にマレーシアとタイで始まった。

ただ、Disney+のHotstarバージョンは低価格であるため、ユーザー1人あたりの月間売上高(ARPU)の減少につながった。第3四半期のARPUは、前年同期よりもDisney+ Hotstarとのミックスが多かったために、4.62ドル(約510円)から4.16ドル(約460円)へと減少した、とDisneyは説明した。

Disneyの他のストリーミングサービス、HuluとESPN+では同様の傾向はみられなかった。

Huluの購読ビデオサービスのARPUは前年同期の11.39ドル(約1260円)から13.15ドル(約1450円)に増え、ライブTVサービス(+SVOD)は68.11ドル(約7520円)から84.09ドル(約9290円)になった。ESPN+サービスも4.18ドル(約460円)から4.47ドル(約490円)へと増加した。

全体的に契約者数の増加もみられた。ESPN+は前年同期比75%増の1490万人に達し、Huluの契約者総数は21%増の4280万人となった。

「当社の消費者直接取引事業はかなり好調です。四半期末時点のDisney+、ESPN+、 Huluの契約者総数は1億7400万人近くで、今後多くの新コンテンツがプラットフォームに加わります」とDisneyのCEO、Bob Chapek (ボブ・チャペック)氏はプレスリリースで述べた。

同社の消費者直接取引事業は、契約者数や広告収入の増加などHuluの好業績のおかげで売上高は57%増の43億ドル(約4750億円)となり 、営業損失は6億ドル(約660億円)から3億ドル(約330億円)に減少した。

こうした売上増や損失減は、プログラミングや制作、マーケティング、テクノロジーのコストによるDisney+の大きな損失で相殺された。ただしDisney+の損失は契約売上高の増加と「Cruella」のDisney+ Premier Accessリリースの成功でいくぶん抑制された(Disneyの会計四半期は7月3月までであり、そのため「Black Widow」の米国でのリリース後の爆発的な人気や、スター女優スカーレット・ヨハンソン氏による訴訟の影響はこれらの数字には反映されていない)。

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画像クレジット: Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(文:Sarah Perez、翻訳:Nariko Mizoguchi

2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細が発表、2名2泊約50万円から

ディズニーが2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細発表、2022年就航で2名2泊50万円から

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ディズニーがスター・ウォーズ体験ホテル Galactic Star Cruiser の詳細を発表しました。

滞在に含まれるアトラクションや食事の概要に加えて、二名二泊で約50万円からという価格も明らかになっています。

2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細発表、2022年就航で2名2泊50万円から

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『Star Wars: Galactic Star Cruiser』は、米国フロリダ州のディズニー・ワールドで2022年開業を予定している没入型のエンタテインメント宿泊施設。

施設内は銀河をゆく豪華客船ハルシオン号の船内という設定で、シャトルを模したエントリーから船内でのエンタテインメントや食事、スタッフに至るまで、すべて『スター・ウォーズ』世界内の体験として設計されています。

現在米国のディズニーパーク2か所にある「スター・ウォーズ ランド」こと Star Wars: Galaxy’s Edge は、個別のアトラクションだけでなく店舗を含むエリア全体がスター・ウォーズ世界の「銀河辺縁領域の惑星 Batuuにある貿易港 Black Spire Outpost」という設定。

ミレニアム・ファルコン搭乗アトラクションやエキゾチックなレストラン、エイリアンの営む店が点在することに加えて、それぞれの場所や住人に背景と歴史があり、ひとつのアトラクションの結果で別のキャストの対応が変わるなど、滞在を通じてゲストそれぞれがスター・ウォーズ世界の物語を体験する趣旨で作られたエリアです。

2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細発表、2022年就航で2名2泊50万円から

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スター・ウォーズ体験ホテルこと Galactic Star Cruiser は、この Galaxy’s Edge テーマエリアと対になって構想された宿泊施設。

ゲストはターミナルから「シャトル」で豪華客船ハルシオンに向かい、「船内」で船長挨拶とブリッジ訪問、ライトセーバー訓練体験やスター・ウォーズ世界のカードゲーム サバックのトーナメント参加、ドロイドレース体験、異世界風ディナーと多種族のエンタテイナーによるショー等々を楽しみ、船室を模した客室に宿泊します。

翌日は惑星 Batuu に到着したていでギャラクシーズエッジにシャトル降下して「地表」の体験を楽しみ、またハルシオンに戻って宿泊という流れ。

2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細発表、2022年就航で2名2泊50万円から

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調度がスター・ウォーズっぽいホテルというだけでなく、ギャラクシーズエッジの「体験型」要素を強化して、船内で発生するさまざまなイベントやストーリーを体験したり、参加できる点に重点がおかれています。

たとえば船内を滞在中にはレジスタンスの一員(を演じるキャスト)から協力を求められたり、 目的地の Black Spire Outpost (ギャラクシーズエッジ)を取り仕切る犯罪組織に密輸の手伝いを持ちかけられるなど。

レジスタンスに協力すれば、突然の船内アナウンスでファースト・オーダー軍がレジスタンスを探して臨検に乗り込んでくるといった展開で、ただ居合わせた客以上に緊張を強いられることになります。

Galactic Star Cruiserでの体験を設計したディズニーのイマジニアによれば、船内での体験や選択、参加によって、目的地であるギャラクシーズエッジのアトラクションなどの内容も変わり、二日間の滞在を通してゲストだけのスター・ウォーズ世界での体験ができるとのこと。

2022年開業予定のスター・ウォーズ体験ホテル「Galactic Star Cruiser」の詳細発表、2022年就航で2名2泊50万円から

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公開されたサンプルの旅程表には、船内でのディナー後やギャラクシーズエッジでのアトラクションのあいだに「ストーリーモーメント」なる時間があり、この部分で宿泊者だけの体験ができるようです。

ディズニーリゾートの高級ホテルはもともと安くありませんが、ギャラクティックスタークルーザーはホテルというよりは約二日間に渡って続くアトラクションのような、あるいは有料の限定エリアのようなもので、多数のキャストとのやりとりも含むため、従来からかなりの費用になるのではと予想されていました。

ディズニーが更新した公式サイトのサンプルによれば、滞在および体験費用は大人二人・二日間で約52万円 (4809ドル)から。大人二人子供一人の3人であれば約58万円から。

内訳は、

・標準船室 二泊
・船内でのディナー、朝食、ギャラクシーズエッジ ドッキングベイ7でのランチ
・インタラクティブな没入体験型エンタテインメント多数
・ギャラクシーズエッジへの入場料
・駐車料金
・腕輪型のデータバンド (マジックバンド)

標準の船室はクイーンサイズのベッドおよび二段式の寝台、「宇宙」ビューが楽しめる窓、インタラクティブなTV、バスとシャワー、冷蔵庫等々。さらにギャラクシー級、グランドキャプテン級といった高級スイートルームもあり、設備とともに価格も上がります。

上の約52万円はもっとも安価な標準船室で、2022年夏から秋の平日の標準的な価格。週末や休日、繁忙期にはまた別の価格になります。

蛇足。ディズニーパークでは特定のイベント等を除き、成人が作品世界になりきった仮装をすること、いわゆるコスプレを禁じていますが、Galactic Star Cruiser では宿泊者もスター・ウォーズ世界の住人という設定のため、逆にスター・ウォーズ風のコスチュームが推奨されています。

もちろん、設定としては星間豪華客船の旅を楽しむゲストなので、完全に地球風の服装でも問題なし。エキゾチックと見慣れたものの混在はまさしくスター・ウォーズ的な感覚である上に、乗り込むのは豪華客船、立ち寄るのは雑多な種族が集まる辺境の宇宙港です。

一方で自慢のスター・ウォーズ衣装で完全に没入したい、むしろ披露したいという人には、船内の余興としてギャラクティックベストドレッサーイベントにも参加できます。

とはいえ防犯上の理由や、「本物」のキャストと紛らわしい等の場合は当然制限があることは考えられます。ストームトルーパーの完全装備やカイロ・レンのお面で乗り込もうとすれば、スター・ウォーズ世界の豪華客船であってもそうであるように「お客様、そちらのお召し物はちょっと……」となりそうです。

Engadget日本版より転載)

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カテゴリー:その他
タグ:STAR WARS / スター・ウォーズ(作品)Disney / ディズニー(企業)

女優スカーレット・ヨハンソンがディズニーを訴訟、映画「ブラック・ウィドウ」の公開方法で

アベンジャーとしてのScarlett Johansson(スカーレット・ヨハンソン)の最盛期がバックミラーの中で遠ざかっていくような今日この頃、「Black Widow(ブラック・ウィドウ)」のスターは、契約違反でMarvel(マーベル)のオーナーであるDisney(ディズニー)を訴えた。訴状は今週、ロサンゼルスの高等裁判所に提出され、スタジオがスターとの合意に反して、映画を劇場公開と同時にDisney+でも公開したと申し立てている。

訴状は感情を混じえず次のように述べている。「ヨハンソン氏、ディズニー、マーベルそしてハリウッドの誰もが知ってるように、『劇場公開』は映画館に限定された封切のことである。ディズニーもこの約束をよく知っていたはずだが、その誓約への違反をマーベルに指示し、同作をそれが映画館で封切られたまさに同じ日にDisney+のストリーミングサービスで公開した」。

パンデミックは少なくとも短期間、映画が公開、消費される方法を抜本的に変えた。2020年、ディズニーとその他のスタジオは、映画をいきなりストリーミングで公開する方法を選んだ。映画館は必須のビジネスではないとして閉館され、映画館で観ることができる場合でも、遅れることが多く、観客数に減少が生じた。それを補う方法として、ストリーミングが選ばれた。最近では両者の違いが確定的なものとなり、映画館が再開しても同日ストリーミングが提供されている。

TechCrunchが入手した訴状のコピーによると、ストリーミングサービスに関するヨハンソン氏の懸念はパンデミック以前のものだ。訴状によると、ディズニーがストリーミングサービスであるDisney+を立ち上げたとき、ヨハンソン氏の代理人たちは、「ブラック・ウィドウが単独で劇場公開されることの確約をディズニー / マーベルに求めた。しかしそのときディズニーは、Disney+の会員数を増やすことに躍起になっていた。

訴状は2021年5月のマーベル主任弁護士からのメールを引用している。

映画の公開に関するスカーレットの前向きの意思を、私たちは完全に理解します。そして彼女の要求のすべては、映画が、私たちのその他の映画と同じく、広く劇場で封切られるという前提に基づいています。私たちは、それが計画の変更であることを理解し、これについて議論し、理解に到達する必要があります。その要求は、一連の(非常に巨額の)興行収入に基づいています。

(訳注:劇場公開への固執は「ストリーミングでの公開は、映画館の来館者そして興行収入を減らす」という前提に基づいている)

一方、ヨハンソン氏の弁護士であるJohn Berlinski(ジョン・ベルリンスキー)氏は、TechCrunch宛の声明で次のように述べている。「ディズニーが『ブラック・ウィドウ』のような映画をDisney+に直接公開して会員を増やし株価を上げようとしていることは公然の秘密だ。同社は新型コロナウイルスを口実に、その後ろに隠れてそれを行っているが、映画の成功の主因であるアーティストとの契約を無視し、その近視眼的な戦略を推し進めることは、彼らの人権を犯すことでもあり、それを法廷で証明しなければなりませんn。ハリウッドの才能がディズニーに対して立ち上がり、契約を尊重する法的義務があることを明らかにする行為は、ディズニーに対する最後のケースではないだけでなく、他のどんな企業に対しても行われるべきことです」。

この声明では、ディズニーが「新型コロナウイルスの後ろに隠れて」と述べているが、2020年に公開方式を考え直さなくてはならなくなったのはディズニーだけではない。残る疑問は、パンデミックは映画公開の意思決定において情状酌量の余地のあるものなのか、ということだ。本裁判の結果は、パンデミック後の大作の公開方法に対して、スタジオに大きな影響を与えるだろう。

更新:ディズニーは訴訟に対して次のようにコメントしている。

本件には、訴訟としての利害実体が何もありません。この訴訟は、新型コロナウイルスによるパンデミックの、恐ろしくまた長期にわたるグローバルな影響に対する思いやりのない無視であり、そのために特別に悲しくまた痛ましいものであります。私たちはヨハンソン氏の契約を完全に遵守しており、さらにまた「Black Widow」をPremier Access(Disney+プレミアアクセス)でDisney+上に公開することは、彼女がこれまでに受領した2000万ドル(約22億円)に加えて、さらなる報酬獲得を大きく強化するものであり、訴訟に値する被害は何1つありません。

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画像クレジット:Amy Sussman/Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:Hiroshi Iwatani)

ディズニーの研究開発スタジオの二足歩行ロボット、グルートに命を吹き込む

黒いカーテンが開くと映画から飛び出してきたキャラクターが手を振って挨拶をする。Walt Disney Imagineering(ウォルト・ディズニー・イマジニアリング)にいると、このようなことは珍しくないが、今回は特別だ。そのキャラクターは着ぐるみではなく、ロボットなのだ。しかも、ディズニーパーク内で見かける​多くのアニマトロニクスとは異なり、一所に留まっているわけではない。プログラム用の細いケーブルでつながれているだけで、こちらに向かって歩いてくる。

足取りは滑らかで、腕は生き生きと振られ、足はリアルに踏みしめられている。体の揺れ方も自然だ。他に言いようがない。ゆったりとした足取りで歩いてくるのだ。これは、ディズニーが初めててがける自由に動き回ることができる小型のロボットアクター「Project Kiwi(プロジェクト・キーウィ)」であり、まさにロボット工学における1つのマイルストーンと言えるだろう。

キャラクターをテーマにしたエンターテインメントの定番は、何十年も前から確立されている。オリジナルと外観、性格、スケールがそっくりで、自由に動ける二足歩行のキャラクターだ。世界中のディズニーパークでは、そういったビジョンを実現するために、移動式ではないものの、さまざまなロボットが開発されてきた。例えば、驚くほどリアルなNa’Vi Shaman(ナビィ・シャーマン)や、「Star Wars:Galaxy’s Edge(スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ)」のHondo Ohnaka(ホンドー・オナカー)のようなキャラクターを動かすA1000フィギュア、東京ディズニーランドの「Beauty and the Beast(美女と野獣)」で自然な表情をみせるBelle(ベル)などが挙げられる。また、自走式ドロイド「Jake(ジェイク)のようなクールなモバイル実験も行われている。

関連記事:建設中の「Star Wars: Galaxy’s Edge」に潜入、ディズニーの最高傑作ランド

この小柄なキャラクターは、顔、手、足などの質感が忠実に再現され、映画でおなじみの色あせた赤いフライトスーツに身を包んでいる。そして手を振りながら、意味ありげな目でこちらを見る。これは、ディズニーのイマジニア(イマジニアリング社員)やディズニーパークの来場者が何十年も待っていた瞬間だ。このキャラクターは、程よい大きさ、つまり子どもぐらいの大きさで、実際に歩き回ることができる。

数週間前、南カリフォルニアのウォルト・ディズニー・イマジニアリング(WDI)で、夢の実現が近づきつつあることを目の当たりにした。WDIの研究者とロボット工学者が過去3年間に渡って完全に自社開発した二足歩行のプラットフォームは、身長約80センチメートルのグルートのような格好をしている。

今公開されているKiwiはグルートバージョンだが、重要なことは、これがプラットフォームであるということだ。つまり、ディズニーパークに現れる時には、グルートのままかもしれないし、まったく別の姿をしているかもしれない。キャラクターを育てるうえでは、ターゲットとなるキャラクターを設定し、そのキャラクターが世間から一定の評価を得ているかどうかを判断することが重要だ。

Kiwiもまだまだ未完成であり、外でお目にかかることは、しばらくなさそうだ。Kiwiの動作や人との関わり方にはまだ多くの課題があり、WDIではすぐにパークに設置することは予定していない。

しかし、今の時点でも、ディズニーがフィギュアに求めている「存在感」という定義の難しい特性を見事に放っていることは、エンジニアリングの驚くべき成果だと言えるだろう。

これまでの道のり

Project Kiwiの責任者であるイマジニアリングの研究開発部門代表Scott LaValley(スコット・ラヴァリー)氏とアドバンスド・デベロップメント・スタジオのエグゼクティブSVP、Jon Snoddy(ジョン・スノディ)氏に、この数年の間にプラットフォームがどのようにしてできあがったのかを聞くことができた。

「Project Kiwiは、小さなキャラクターを実際のスケールで本物らしく表現する方法を研究するために、3年前に始まった」と、ラヴァリー氏はいう。そして「今は二足歩行ロボットにとってエキサイティングな時代であり、すばらしいチームとテクノロジー、芸術性、魔法の組み合わせによって、キャラクターに命を吹き込んでいる。ディズニー以外では起こり得ないことだ」と、同氏は続ける。

イマジニアリングのユニークなプロセスについては、以前、ディズニーがどのように反応型ロボット自律型スタントボット、さらにはパーク全体を構築しているのかという記事で少し触れている。イマジニアリングの仕事のやり方は、解決すべき問題が見つかれば、それを解決するために他の部署を巻き込んでいくという点で、スタートアップによく似ている。WDIが実際に解決策を見つける方法には、驚くほどエゴがないのも特徴だ。重要な部品を既製品で見つけることもあれば、自社で設計・開発し、特許を取得することもある。

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ライドデザイン、ショーシステム、特殊効果、アニマトロニクス部門、テックスタジオR&D、ディズニーリサーチなどのイマジニアリングの各部門が相互に連携していることは、社内全体でソリューションを共有していることを意味している。

もちろん、これらすべてを方向づけているものは、ストーリーテリングだ。同社の指針はプロセスのすべてのレベルに展開され、プロジェクトを正しい方向、つまり、ストーリーを伝え、ゲストを魅了するより良い方法へと導いている。

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

Kiwiの最終的な目標は明確だ。自分で歩くことができ、パークのゲストと交流できるキャラクターだ。しかし残念ながら、Kiwiは、小型化と歩くという複雑な要求のため「既製の」プラットフォームでは対応できなかった。実際のところ、本当に物になりそうな二足歩行ロボットのプラットフォームは、世界でもほんの一握りしかない。そして、そのほとんどが産業用として開発されている。「ヒューマンスケール」のソリューションもわずかであり、しかも真に自律的なシステムではなく、マーケティング用のセットとして設計されている。

この目標を達成するために、イマジニアリングは研究開発とラヴァリー氏のチームの支援に注力した。ラヴァリー氏は、Boston Dynamics(ボストン・ダイナミクス)で二足歩行ロボットAtlas(アトラス)の初期バージョンの開発に携わった後、ディズニーに入社した。

このプロジェクトは、パークのゲストとの自律的な交流や、ジェスチャーや表情が表現できるようにプログラムされたバッテリー駆動の二足歩行ロボットを目指して始められた。チームは、それから3年かけて必要なものを作っていったが、その多くは後述するようにカスタムメイドだった。

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

Kiwiの内部にオペレーターがいないことは、一見して明らかだ。人間の脳は、人が入るには狭すぎる空間であることを本能的に察知するのに長けている。この小さなサイズを実現するために、チームはまず、Kiwiに搭載するすべてのモーターとアクチュエーターが50度の自由度を確保できるカスタムの骨格を作る必要があった。また同時に、数々のキャラクターに「着せ替え」できるように人間の形状を維持しなければならなかった。

まずは、フレームだ。3Dプリンターでポリマー製の部品を試作し、最終的には工業用3Dプリンターで金属製の部品をカスタムメイドした。重要な部品を収納するために必要な骨組みや部品は、切削や鋳造では複雑すぎたためだ。巧妙に3Dプリントされた金属製の骨格は全体的に中空になっており、モーターやアクチュエーターを冷却するための空気が「骨髄導管」を通ってボディ全体を巡っている。現在のKiwiのプロトタイプでは、空気はスーツの襟の部分から取り入れられ、骨格に組み込まれたファンによって体全体に流れ、本体の下方から排出されている。最終的には、衣服を覆いとして利用し、足元から空気を排出することになる。

多少の騒音はあるが、初期の段階でもそれは非常に小さく、スピーカーから音声を流して会話をすることができる。

上に掲載した開発時のオリジナル動画からもわかるように、まず下半身が作られている。オフィスでの初期のテストでは、脚と胴体だけがイマジニアリングの中をこっそりと、または弾んだりシャッフルしたりしながら歩いている様子が映し出されている。ランチを取っている間に、胴体の下半分がオフィスの前を素通りしても、気に留められないという職場は、おそらく世界でもここだけだろう。

Kiwiのプラットフォームには、膨大な量の完全にオリジナルのロボット工学が適用されている。筆者が見たデモでは、幼いグルートには安全用のワイヤーとライブプログラミング用のコントロールケーブルが接続されていたが、本体自体には何の支えも必要なく、搭載されたバッテリーのパワーだけで自由に動き回っていた。ラヴァリー氏によると、現在は45分程度だが、最終バージョンではもっと長く使えるようにしたいという。実際、より軽く、より効率的な次世代の骨格の開発もすでに始まっている。

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

脚部には、動的なカウンターバランスを取るシステムが採用されている。そのことにより、前に動こうとする力と支えるために脚を踏み出す力が相殺され、より効率的で素早い動作が可能となる。開けやすくするためにバネが付けられた重いゲートを思い浮かべるといい。ただ、バネはなく、ゲートの代わりにロボットの手足がある。

足をリアルに踏み出すのは、実際にフィギュアを支えなければならないという非常に単純な理由による。これにより、外部から支えられたフィギュアが足を踏み出したような「見せかけ」では得られない、さらなる信憑性を与えている。ラヴァリー氏は、軽く押したり、肩に手を置いたりしても、ロボットが問題なく歩き続けられることをデモしてくれた。このようなセルフバランスは、人間が無意識のうちにいつも行っていることだが、歩行ロボットではそれをプログラムとして組み込まなければならない。

このロボットの開発では、多くの特許性のある発明を伴っている。その1つが、関節間でエネルギーを伝達する巧みな歯車のシステムで、これによって膝や手首のような関節の間でもモーターを共有できるようになっている。そのため、部品点数が減り、モーターやアクチュエーターのパッケージを小型化し、目的にかなう形で収めることが可能となった。

配線は常に障害の主要な要因となるため、Kiwi全体の配線量を最小限に抑えられるように、チームは折り紙のような回路基板を作成し、基板と統合されたフレックスケーブルで接続した。一般的なコンピューターの回路基板を分割して、中空の「骨」の外側に取り付けたようなものだ。制御システムや制御対象のモーターをローカルなグループにまとめて、手足やその他の体の部分を包み込み、関節や全身に分散させる必要のあるハーネスの量を減らしている。

手足の動かし方を決める部品であるアクチュエーターは、チームが必要とする機能を備えたものが存在しなかったため、一から作り直した。ある時、ラヴァリー氏が筆者に手渡してくれたリングには、何度も何度も繰り返し使われたいくつかのアクチュエーターエレメントが付いていた。何年分ものエンジニアリング、実験、失敗、そして進歩の証が、端を撚り合わせただけのシンプルなワイヤーに込められていた。

Project Kiwiの次の課題は、動的にトルクを加えることができる新しいアクチュエーターのセットに加えて、不整地や外部からの作用に対する安定性と反応を高めるためのセンサー機能を追加することだ。自由に動き回れるキャラクターを見つければ、人々が一緒に写真を撮りたがることは容易に想像できるし、子どもたちが思わず駆け寄ってハグしたくなることもあるだろう。そのような場合でも自然な姿で立ち続けるために、骨格はこれらの突然の外部入力を感知し、迅速かつスムーズに反応しなければならない。

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

純粋なIK(インバースキネマティクス)システムから完全なトルクセンシングシステムに移行することで、プラットフォームは、足場の状況や、他のパフォーマーやゲストとの相互作用を補正するための調整を即時に行えるようになる。

チームがギア、モーター、アクチュエーターのカスタマイズに取り組んだ結果、Kiwiの腕や脚の動きは非常にスムーズで自然なものとなった。手を振ったり、肩をすくめたり、リズムを取ったり、ボクシングのジャブを打ったりと、少しおとなし目かもしれないが、まるで本物の生き物のように見える。

また、チームは、独自に開発したパフォーマンスソフトウェアのデモも行った。このソフトウェアにより、Kiwiにパーソナリティのレイヤーを持たせることができ、さまざまな足取りを表現できる。基盤となるレイヤーはIKスタイルの歩行システムで、Kiwiを直立させたり歩かせたりするが、その上にパーソナリティのレイヤーを重ねることで、安定性を保ちつつ、歩行に個性を加えることができる。弾むような軽快な歩き方、足を引きずるような歩き方、悲しげな歩き方、うなだれた歩き方などすべて、腕や頭の他の動きも含めて、常に重心と運動量を変化させている。水面下でアヒルの足を漕ぐのは、外部入力を受け取り、それを自然に歩行に統合する歩行システムだ。

現在のプロトタイプソフトウェアでは、一通りの動作が設定されており、その動作の制御をトグルしたり制御カーブを調整したりして新しい動作やアクションをプログラムできるタイムラインを備えている。ソフトウェアで一連の調整を行えば、その変化はすぐに明らかになり、グルートの「気分」がすぐに歩き方に現れてくる。

楽しそうに腕を振っていたかと思えば、次の瞬間、腕を落とし、頭を垂れ、とぼとぼと歩いている。明らかに、楽しいことが終わったことを悲しんでいる。驚くべきパフォーマンスソフトウェアだ。

表情豊かな目はすでに印象的だが、まだチームはやり遂げたわけではない。次の課題は、Kiwiが周りの世界をより深く理解し、人やその顔を識別できるようにするための感覚パッケージだ。アイコンタクトは、感情に訴え、相手の心をつかむ強力なツールとなるため、これは重要な意味を持つ。

センシングソフトウェアがなくても、この約80センチメートルのグルートが目を合わせ、笑顔で手を振ってくれた瞬間は、言い知れない感動を覚えた。デモを見ている間に、ロボットであることをすっかり忘れてしまうことが何度もあった。

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

最初に述べたように、Project Kiwiプラットフォームは、パークに登場するまでにはまだ多くの課題が残されている。しかし、ステージでのパフォーマンスや写真撮影、そして最終的にはパーク内で自由に歩き回ることなど、実現に向けての道筋はすでに見えている。

それが真のビジョンだ。スノディ氏によると、目標は、私たちが愛してやまないディズニーのキャラクターたちをゲストの目の前へ解き放ち、1回の乗り物やアトラクションだけではなく、パーク全体をライブな夢の国へと昇華させることだという。そして、そういったフィギュアをあるべき大きさで実現することで、ゲストを夢の国へ惹き込むことができる。このようなプラットフォームがあれば、乗り物のように厳格にコントロールされた環境ではなく、パーク全体をキャラクターたちが生き生きと暮らす「ホーム」にすることができるかもしれない。

このイマジニアリングの旅の軌跡には、常にロボットの足跡が伴っている。「リンカーン大統領との偉大なひと時」から、ダークライド型のアトラクションの中に固定されたナビィ・シャーマンのような驚くほど表現力豊かなキャラクター、そして十分な照明の中でも通用するキャラクターなどがそうだ。Project Kiwiは次のフロンティアであり、キャラクターたちを台座から立ち上がらせ、ゲストの世界へ歩き出させることができる。

現在、ロボット工学において最も魅力的な分野の1つがHRI(ヒューマンロボット・インタラクション)だ。人間とロボットのコミュニケーションを向上させるためのこのような学際的な取り組みでは、産業現場での安全性や認知性に焦点が当てられることが多い。しかし、筆者は以前から、この分野で最も興味深い研究開発はイマジニアリングで行われていると主張してきた。ディズニーパークには、年間1億人以上の人々が訪れ、ロボットのキャラクターと触れ合う機会が年々増えている。また、Kiwiのようなプロジェクトも控えており、この分野は新しいタイプのデータや機械学習で爆発的に発展するだろう。

そしてもちろん、私たちの大好きなキャラクターたちが、現実の世界では見たこともないようなリアルな姿で動き回るのを見ることができるはずだ。

カテゴリー:ロボティクス
タグ:Disneyコラム

画像クレジット:Walt Disney Imagineering R&D Inc.

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(文:Matthew Panzarino、翻訳:Dragonfly)

HIKKY主催VRイベント「バーチャルマーケット5」にVR来店できる「ディズニーストア」がオープン

HIKKY主催VRイベント「バーチャルマーケット5」にVR来店できる「ディズニーストア」が期間限定オープン

©Disney

VR法人「HIKKY」は12月14日、VR空間上で行う世界最大級のイベント「バーチャルマーケット5」において、ウォルト・ディズニー・ジャパンのディズニーストアが期間限定でオープンすると発表した。実際の店舗で販売されているアイテムの3D展示のほか、そのままディズニー公式オンラインストア「shopDisney」(ショップディズニー)に移動して商品を購入できる。バーチャルマーケット5は、2020年12月19日~2021年1月10日の23日間にわたり開催予定。

今回の取り組みは、日本発のバーチャルディズニーストアに、世界中からアクセスし、ディズニーストアの世界観を体験できるというもの。

記念すべきオープン初日の2020年12月19日から25日までは、店外にクリスマスツリーをあしらい、ディズニーストアのクリスマスグッズが並べるという。12月26日以降は、お正月グッズの「ETO DISNEY」にチェンジ。全期間通して「UniBEARsity」(ユニベアシティ)、「THE ARISTOCATS 50 YEARS」「101 Dalmatians」商品のVR展示も実施する。

巨大なユニベアシティが店舗内に登場。 ©Disney ©2020 MARVE

巨大なユニベアシティが店舗内に登場。 ©Disney ©2020 MARVE

オススメグッズを展示 ©Disney

オススメグッズを展示 ©Disney

バーチャルディズニーストア店舗内には、「マーベル」エリアと「ディズニー ツイステッドワンダーランド」エリアも用意。「ディズニー ツイステッドワンダーランド」エリアでは、寮ごとに精巧にモデリングしたイメージアクセサリーを展示。「マーベル」エリアでは、中央にBANDAI SPIRITSの受注販売フィギュアである「アイアンマン マーク6」を等身大で展示。また、こちらのエリアではディズニーストアとTHRASHERの共同企画品である「スパイダーマン」Tシャツの展示も行う。

「ディズニー ツイステッドワンダーランド」エリア ©Disney

「ディズニー ツイステッドワンダーランド」エリア ©Disney

マーベルヒーローたちのパネルがずらりと並べられている中、中央には等身大の「アイアンマン マーク6」を展示 © 2020 Marvel

マーベルヒーローたちのパネルがずらりと並ぶ中、中央には等身大の「アイアンマン マーク6」を展示 © 2020 Marvel

バーチャルマーケットとは、VR空間上にある会場で、出展者と来場者が、アバターなどのさまざまな3Dアイテムや、リアル商品(洋服、PCなど)を売り買いできるイベント。その他、バーチャル空間上で乗り物に乗ったり、映像を見たり、来場者間でコミュニケーションを楽しむことなどが可能。

VR機器やPCから気軽に誰でも参加でき、開催期間中は24時間運営することから、日本はもとより世界中から70万人を超える来場者が集まる、世界最大のバーチャルイベントとなっている。

また「バーチャルマーケット5」では国内外から通信、メーカー、小売り、アパレル、エンタテインメントなど、様々な業種から有名企業・アーティスト・団体の出展が決定。出展企業は自社ブランドと親和性の高いデザインや仕掛けを施した特別ブースを展開。ブース内では、さまざまな商品の売買、試乗・試遊体験や一流の店員からの接客まで、まるで実際のお店に来たかのような体験・コミュニケーションをいつでも誰でもどこからでも楽しむことが可能。

  • 名称:Virtual Market5(バーチャルマーケット5)
  • 主催:VR法人HIKKY
  • 会期:日本時間 2020年12月19日11:00~2021年1月10日23:00(計23日間)
  • 会場:特設会場(バーチャル空間)。後日URL発表

HIKKYは、エンタテインメントVRを牽引する注目のクリエイター達をメンバーとして、業界の発展やクリエイターの発掘・育成を目標に2018年5月に設立。VR/AR領域において大型イベントの企画・制作・宣伝、パートナー企業との合同新規事業開発を主業務とし、バーチャル世界の生活圏・経済圏を発展させ、クリエイターがより活躍できる場を支えていく。

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カテゴリー:VR / AR / MR
タグ:Disney / ディズニー(企業)バーチャルマーケットHIKKYファッション(用語)日本(国・地域)

ディズニーが新たな動画配信ブランドStarを国際的に拡大すると発表

開始から1年あまりで既に8600万人以上の加入者を獲得しているオンデマンド・ストリーミング・サービス「Disney+」が、より多くの国際市場に進出する準備を整えた。

米国時間12月10日に開催された年次投資家向け説明会で、このアメリカの大手エンターテイメント企業は、ABC、FX、20世紀スタジオのコンテンツを提供する新しいストリーミングブランド「Star」を発表した。

ヨーロッパ(未訳記事)、カナダ、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなど一部の市場で、Starは2021年2月20日から、Disney+アプリ内の新しいハブとして、顧客に公開される予定だという。同年内にさらに多くの市場に拡大していくということだが、具体的な地域名は明らかにされなかった。

ただしStarは顧客にさらなる金銭的負担を強いることになるだろう。ディズニーによると、Disney+の月額利用料金は、ヨーロッパでは6.99ユーロ(約880円)から8.99ユーロ(約1130円)に引き上げられるとのこと。同社によると、Disney+の加入者がStarにアクセスできる他の市場でも、同様の調整(値上げ)が行われるという。

画像クレジット:Disney

中南米では、Starは独立したストリーミングサービスとして「Star+」というブランド名で提供される。サービスは2021年6月に開始され、一般的なエンターテイメント映画やテレビ番組のほか、サッカーやテニスなどのスポーツ中継も(ESPNのおかげで)見られる予定だ。

今回の発表によると、ディズニーが所有する別のストリーミングサービスで、約3900万人の加入者を集めているHuluに関しては、国際的に展開する意思はないように思われた。

ディズニーはまた、現在インドとインドネシアで提供しているオンデマンド・ストリーミング・サービス(未訳記事)「Disney+ Hotstar」をより多くの市場に拡大する計画があることをほのめかしたが、それらがどの市場であるかは明らかにしなかった。同社によると、Disney+ HotstarはDisney+の加入者数の約30%を占めているというので、ざっと計算すると約2600万人ということになる。同社は先月、9月末時点でDisney+ Hotstarの加入者数は約1800万人と発表していた。

Hotstarは、今年初めにディズニーがインドでサービスをリブランドする以前、数百万人の加入者を抱えていた。このストリーミング・サービスは、Hotstarを運営するStar Indiaの親会社である21世紀フォックスをディズニーが買収したことにより、ディズニーの傘下に入った(Star+とは別の「Star Plus」は、Star Indiaがインドで運営する数十のテレビチャンネルだが、こちらも現在はディズニーの傘下だ)。

ディズニーは、既存の地域特性や業界の提携を利用して国際市場に進出するという同様の戦略を、これまでに他の市場でも採ってきた。例えば、フランスではCanalと、スペインではMoviestarと提携してサービスを提供している。

Disney+ Hotstarの利用料は、インドでは年間20ドル(約2080円)。ディズニーは、9月に終了した四半期に、インドでユーザー1人あたり2.17ドル(約226円)の平均収益を上げたと先月発表している。これに対し米国では、同時期にDisney+の加入者からユーザー1人あたり5.3ドル(約551円)の平均収益を上げている。

カテゴリー:ネットサービス
タグ:Disney、動画配信、インド、インドネシア、ヨーロッパ

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(翻訳:TechCrunch Japan)

Disney+が今後数年以内にスター・ウォーズシリーズ10作品とマーベル・シリーズ10作品の独占配信を発表

Disney(ディズニー)は米国時間12月10日、Disney+、Hulu、ESPN+、Hotstar / Starなど、消費者に直接配信するストリーミング事業の計画について投資家向け説明会で発表した。

この説明会ではまず、同社のストリーミング事業全体で1億3700万人を超える加入者を獲得していることが発表された。その内訳は、Disney+が8680万人(そのうち約30%はインドの既存ストリーミングサービスを活用[未訳記事]したDisney+ Hotstarの加入者)、Huluが3880万人、ESPN+が1150万人だ。

メディア&エンターテイメント配信部門のKareem Daniel(カリーム・ダニエル)会長は、説明会の最初の段階で、すでに「数年後」に向けた大きな計画をほのめかした。

2019年11月よりサービスが始まったDisney+の初年度は、注目度の高いオリジナル作品は「The Mandalorian(マンダロリアン)」と「Hamilton(ハミルトン)」にほぼ限られていたが、ダニエルズ氏によると、マーベル・シリーズ10作品、スター・ウォーズシリーズ10作品、ディズニーアニメーション / ディズニー実写/ ピクサーシリーズ15作品、ディズニーアニメーション / ディズニー実写 / ピクサーの長編映画15作品を、Disney+で独占配信する計画があるとのこと。

同時にダニエル氏は、ディズニーは今後も様々な配給戦略、特に「メジャーフランチャイズを確立するための劇場興行」に力を入れていくと述べた。

また、ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ製作の映画「Raya and the Dragon(ラーヤと龍の王国)」が、今秋の「Mulan(ムーラン)」と同様の配給戦略を採用することも発表された。同作品は劇場と同時にDisney+で追加料金が必要なプレミアアクセス作品として公開される予定だ。

今回の説明会では、Hotstar / Starブランドがディズニーの国際的な成長計画の鍵となる(未訳記事)ことも明らかにされた。中南米では、独立したStar+サービスの開始が計画されており、ヨーロッパなどの他の市場では、Disney+アプリ内の新しいStarセクションが「一般的なエンターテインメント」コンテンツ(基本的には米国の視聴者がHuluで見るようなコンテンツ)のホームになるとのことだ。

Starセクションの追加は、これまで家族向けコンテンツに限定されていたDisney+に大人向けコンテンツを導入することを意味する。そのため、ディズニーは加入者が大人向けコンテンツへのアクセスをオン / オフできるようにする新しいペアレンタルコントロールの簡単なデモンストレーションを披露した。この機能によって、たとえばマーベルのセクションにR指定の映画「LOGAN(ローガン)」を追加するなど、Disney+の他のセクションでも新たなコンテンツの公開が可能になるはずだ。

ディズニーの異なるストリーミングサービス間の統合も期待できる。たとえばStar+にはESPNのコンテンツが含まれ、HuluにはESPN+のコンテンツを直接アプリ内で定額視聴できる機能が導入される予定だ。

またDisney+、Hulu、ESPN+を組み合わせた月額12.99ドル(約1350円)のDisneyバンドルに加入している場合は、広告なしのHuluを月額6ドル(約624円)追加で利用できる新プランの導入も1月に計画されている。

【更新】さらに新しい作品についての情報が明らかになった。スター・ウォーズに関しては、「マンダロリアン」のエグゼクティブプロデューサーを務めたJon Favreau (ジョン・ファヴロー)とDave Filoni(デイブ・フィローニ)による2つのシリーズが含まれる。「Rangers of the New Republic」と、最近「マンダロリアン」で実写化された「クローン・ウォーズ」で人気が高いキャラクター、Ahsoka Tano(アソーカ・タノ)に焦点を当てたスピンオフ作品だ。ルーカスフィルムのKathleen Kenned(キャスリーン・ケネディ)氏は、3つの作品が「最高潮の物語的イベント」になると述べている。

また、すでに発表されている「Rogue One: A Star Wars Story(ローグ・ワン)」のキャラクターであるCassian Andor(カシアン・アンドール)と Obi-Wan Kenobi(オビ=ワン・ケノービ)に(未訳記事)焦点を当てた作品も準備されている。後者ではEwan McGregor(ユアン・マクレガー)だけでなく、前日譚の3部作でAnakin Skywalker(アナキン・スカイウォーカー)を演じたHayden Christiansen(ヘイデン・クリステンセン)も復帰することになっている。さらに、Lando Calrissian(ランド・カルリジアン)のシリーズや、「Russian Doll(ロシアン・ドール:謎のタイムループ)」のLeslye Headland(レスリー・ヘッドランド)が手がける「The Acolyte」も予定されている。

ケネディ氏はまた、スター・ウォーズの次の劇場公開作品は、「Wonder Woman(ワンダーウーマン)」の Patty Jenkins(パティ・ジェンキンス)監督による「Rogue Squadron」で、2023年のクリスマスに公開予定であることも発表した。

スター・ウォーズ以外にも、ルーカスフィルムはJon M. Chu(ジョン・M・チュウ)との「Willow(ウィロー)」シリーズや、Tomi Adeyemi(トミ・アデイェミ)原作の「Childen of Blood and Bone」の映画化も進めている。来春には James Mangold(ジェームズ・マンゴールド)が監督を務め、Harrison Ford(ハリソン・フォード)が復帰する「Indiana Jones(インディ・ジョーンズ)」第5作の撮影も開始する計画だ。この映画の製作は長らく遅れていたが、2022年7月の公開が予定されている。

マーベルでもスター・ウォーズでもないDisney+の実写作品も計画されている。Emilio Estevez(エミリオ・エステベス)とLauren Graham(ローレン・グレアム)が出演する「Mighty Ducks(飛べないアヒル)」の続編、「Turner and Hooch(ターナー&フーチ / すてきな相棒)」のリメイク、そして「Battlestar Galactica(宇宙空母ギャラクティカ)」のリメイクで高評価を得たRon Moore(ロナルド・D・ムーア)とチュウによる「Swiss Family Robinson(スイスファミリーロビンソン)」のリメイクなどだ。

HuluとFXも同様に、「The Handmaid’s Tale(ハンドメイズ・テイル / 侍女の物語)」の第5シーズンや、Noah Hawley(ノア・ホーリー)による「Alien(エイリアン)」シリーズなど、いくつかの発表を行った。

ディズニーはまた、名作アニメの復活も継続する。Disney+ Originalsでは、Robert Zemeckis(ロバート・ゼメキス)監督、Tom Hanks(トム・ハンクス)主演の「Pinocchio(ピノキオ)」の新バージョン、「Peter Pan and Wendy(ピーターパンとウェンディ)」の新バージョン、Whoopi Goldberg(ウーピー・ゴールドバーグ)主演の「Sister Act 3(天使にラブ・ソングを 3)」などが含まれる。

ピクサーは3つのシリーズをDisney+に提供している。まずは2021年秋に「Up(カールじいさんの空飛ぶ家)」のスピンオフ作品「Dug Days」から始まり、「Car(カーズ)」シリーズや「Win or Lose」と呼ばれるオリジナル作品が続く。

そしてマーベル系では、2021年1月15日に「WandaVision(ワンダヴィジョン)」がスタートし、3月には「The Falcon and the Winter Soldier(ファルコン&ウィンター・ソルジャー)」の公開を予定。この作品について、マーベルのKevin Feige(ケヴィン・ファイギ)氏は「6つのエピソードで構成されたマーベル・スタジオの映画」と表現している。そして5月には「Loki(ロキ)」、来年には「Ms. Marvel(ミズ・マーベル)」(このキャラクターは「Captain Marvel 2[キャプテン・マーベル2]」にも登場する。ファイギ氏がテレビ番組と映画の「相互接続性」と呼んでいるものの例証だ)、来年末には「Hawkeye(ホークアイ)」が公開になる予定だ。また、Tatiana Maslany(タチアナ・マスラニー)が出演し、Mark Ruffalo(マーク・ラファロ)がハルク役で復帰する「She-Hulk(シー・ハルク)」と「Moon Knight(ムーンナイト)」も予定されている。

ファイギ氏はまた、Disney+シリーズの「Secret Invasion」(人気クロスオーバーストーリーをベースに、Samuel L. Jackson[サミュエル・L・ジャクソン]がニック・フューリー役で復帰)、「Ironheart(アイアンハート)」と、 Don Cheadle(ドン・チードル)が手がける「Iron Man(アイアンマン)」関連作品の「Armor Wars(アーマー・ウォーズ)」も発表。また、2022年のクリスマスには、James Gunn(ジェームズ・ガン)が脚本・監督を務める「Guardians of the Galaxy(ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー)」のホリデー・スペシャルも予定されているという。

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(翻訳:TechCrunch Japan)

ディズニーの微妙な表情も表現する3D技術は「不気味の谷」を越えられるかも

現在、顔の3Dレンダリングは映画やゲームの重要な部分を占めている。しかしレンダリングをキャプチャして自然なアニメーションにする作業は非常に難しい。ディズニーグループのDisney Researchではこのプロセスの強化に取り組んでいる。中でもいわゆる「不気味の谷」に転落せず自然な表情を見せる3Dの顔を生成する機械学習ツールの開発は注目だ。

その昔、人工的な表情はこわばっておりディテールも限られていた。もちろんこのテクノロジーはその後、大きく進歩した。高解像度で説得力のある3Dの表情を短時間でアニメーション化できるようになった。しかし人間の表現の微妙さは多様であるだけでなく、わずかの差が大きな違いになりやすい。

たとえば笑顔を考えてみよう。具体的な顔全体の変化には個人差があるが、その人が「本当に」笑ったのか「つくり笑い」をしたのか私たちは判別できる。人工の表情でそのレベルのディテールをどのように表現」したらいいのか?

現在の「線形モデルによるシミュレーションは表情の微妙さを単純し、『うれしさ』や『怒り』を細かく調整できるようにしている。精度を犠牲にして、すべての可能な顔を表現することはできないが、容易に不可能な顔を作り出すことができる。一方、最近研究されているニューラルモデルは、表現の要素を相互接続させてモニターすることで複雑な表情を学習させる。しかし他のモデルと同様、その結果は多義的で制御が難しい。またそうして学習した特定の表情を超えて一般化することができない。映画やゲームのアーティストははるかに高度なレベルで表情を制御したい(人間は表情から微妙なニュアンスを検出するのが非常に得意だ)のでこの方式の有効性も限られる。

これに対してディズニーの研究者チームは、双方の長所を生かした「セマンティック・ディープフェイスモデル」という新しい手法を提案する。テクノロジーの詳細には立ち入らないが、簡単にいえば「部分的表情要素が顔全体にどのように影響するかを学習するニューラルモデル」だ。これは単一の顔を超えて一般化できる。また演繹的に要素を操作するリニアモデルではない。部分が全体と相互作用することにより、極めて高い柔軟性がもたらされる。

このように考えてもいいだろう。リニアモデルを使用して、100種類の3Dの顔に表情(笑顔になる、キスするなど)を生成できるとしよう。しかしその結果には極めて非現実的なものが混じってしまう。ニューラルモデルを使用すると、学習によって100種類のリアルな表情を生成できるが、学習に利用した特定の顔でしか利用できない。これに対してディズニーが開発しているモデルは、どんな3Dの顔に対しても100種類の自然なニュアンスを生成できる。これは単純化しすぎだが、おおよそそういうこととなる。

画像クレジット:Disney Research

結果は非常に強力だ。さまざまな顔つき、肌色の顔を1000種類作り、そのすべてに簡単に同じ表情のアニメーションを作ることができる。つまり何回かクリックするだけで「いっせいに驚く」群集をCGで作れるわけだ。また個別に手作りすることなく、アルゴリズムによってゲームのキャラクターにリアルな表情をさせることもできるだろう。

この手法は万能ではなが、リアルな表情を生成するためにアーティストやエンジニアが行っている膨大な努力の一部をなすだろう。TechchCrunchでもディズニーの「デジタル顔交換テクノロジー」を紹介している。また人物が顔に丸印などマーカーを貼っていないビデオからの表情の取得や、皮膚や目の動きのさらなるリアル化なども重要な部分だ。

Disney Researchから発表された論文は、3D視覚についての国際会議で発表された。興味があれがこちら(PDF)で全文を読める。

関連記事:ディズニー・リサーチがニューラルネットワークを活用した顔交換技術を開発、高解像度映像を作成可能に

カテゴリー:人工知能・AI
タグ:Disney機械学習

画像クレジット:Disney Research

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

ディズニーがストリーミングに重点を置く戦略的組織改編を発表、Disney+の大成功を受け直接視聴者にコンテンツ販売する戦略を加速

米国10月12日、The Walt Disney Companyはメディアとエンターテインメント事業の全面的な組織再編を発表した(The Walt Disney Companyリリース)。これにより同社はコンテンツの公開の舞台をストリーミングと放送に集中することとなる。発表によれば、メディア、広告、配信の各ビジネスおよびスタート早々成功を収めているDisney+は今後すべて単一の事業部の下に統合される。

この再編計画は「物言う株主」として著名なDan Loeb(ダン・レーブ)氏が「配当計画を中止し、さらに多額の資金をストリーミング事業に投ずべきだ」と主張した数日後に発表された。Third Point Capitalヘッジファンドを率いるレーブ氏は同社の大株主だ。

株式市場はすでに後の再編計画に好意的な反応を見せており、立会終了後の市場外取引で株価は6%近くアップした。

ディズニー映画の劇場公開スケジュールはパンデミックから大きな悪影響を受けており、再編計画はその結果だろう。新型コロナウイルスの流行にともない同社の劇場配給事業および劇場公開を前提とする映画の公開スケジュールは壊滅的な影響を受けた。その一方で、ストリーミング事業は予想外の大成功を収めた。こうした状況が、米国が新型コロナウイルス流行の抑制に十分な効果を上げられなかったことと合わせ、今回の再編促進に繋がったとみられる。

ディズニーの劇場公開映画のフラッグシップとなるべきマーベル・コミックを原作とする「ブラック・ウィドウ」は公開が大幅に先送りされた。一方で「ムーラン」はDisney+で予定通りストリーミング公開された。Pixarの「ソウルフル・ワールド」も予定を変えてストリーミングで公開される。

ディズニーの新しいコンテンツのIPはスタジオ製作映画、一般エンターテインメント、スポーツの3部門に大別される。発表によれば、各事業のトップはスタジオがAlan F. Horn(アラン・F・ ホーン)とAlan Bergman(アラン・バーグマン)、エンタメがPeter Rice(ピーター・ライス)、スポーツがJames Pitaro(ジェームズ・ピタロ)の各氏で変更はない。

統合後の3部門という巨大組織のトップとなるのは消費者向けプロダクト、ゲーム、出版事業を指揮していたKareem Daniel(カリーム・ダニエル)氏で、CEOのBob Chapek(ボブ・チャペック)氏の直属となる。

「Disney+が驚くべき成功を収めたことにより、直接コンシューマーにコンテンツを販売する戦略を加速することとした。我々はコンテンツビジネスにおいて優位な位置を占める戦略を推進し、業績の拡大を効果的にサポートし、株主にとっての企業価値を増大させる。

コンテンツの製作とその公開を明確に分離することにより、ディズニーはコンシューマーが望む公開方式に従来よりよりすばやく柔軟に対処することができるようになる。 コンテンツチームは世界的なレベルでトップクラスとなるようなシリーズ製作という最も得意とする分野に専念し、今回編成されたグルーバルな流通チームは、Disney+、Hulu、ESPN+およびインドを手始め(mint記事)に世界的なストリーミングサービスとして展開されつつあるStarなど、あらゆるプラットフォームを通じてコンテンツの公開と収益化に集中し、その最適化を図る」と再編発表時の声明で、チャペック氏は述べている。

新組織のスタジオ部門はWalt Disney Animation Studios、Pixar Animation Studios、Marvel Studios、Lucasfilm、20th Century Studios、Searchlight Picturesなどすべての実写、アニメ製作の公開を担当する。一般エンタテインメント部分は20th Television、ABC Signature、Touchstone Televisionに加えてDisney channels、Freeform、FX、National Geographicのコンテンツを担当する。

スポーツ部門はESPN中心とし、 ESPN+やABCなど従来ケーブルテレビ向けに配信されていたライブ中継、台本なしの各種スポーツイベントを担当するという。

新組織における収益化、配信、運営、セールス、広告、データおよびテクノロジーのインフラ管理は同社で長い経験をもつ幹部ダニエル氏が担当する。同氏はDisney ImagineeringをIP管理部門からテーマパーク、リゾートを含む一大エンターテインメント王国に改編した。その後、消費者向けプロダクト、ゲーム、出版企業のトップとなった。

またチャペック氏はダニエル氏を新事業の責任者とした理由について「ダニエル氏は並外れた才能と先見性を持つリーダーであり、コンテンツの国際的配信と収益化、運営において優れた実績を残してきた。コンテンツをコンシューマーに直接販売するビジネスを急速に成長させようとしている【略】現在、ダニエル氏以上の適任者を考えることはできない。豊富な経験により、我々の配信、広告、マーケティング、セールス事業を効果的に推進することができるだろう【略】」と述べている。

この組織再編は直ちに発効する。新組織に基づいた決算報告が行われるのは2021年の第1四半期からとなる見込みだ。

ディズニーは12月10日に投資家向けのバーチャル説明会を準備しておりここで消費者に直接影響を与えるプロダクト戦略の詳細が発表されるはずだ。

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画像クレジット:Patrick T. Fallon / Bloomberg / Getty Images

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(翻訳:滑川海彦@Facebook