テディベアを「編み出す」3Dプリンター。カーネギーメロンとディズニーより登場

カーネギーメロン大学の研究者とDisney Researchが、布製のテディベア人形を作ることのできる3Dプリンターを開発した。製作にかかる時間は数時間だとのこと。3Dプリンターはついにサンタクロース的な役割も担い始めたのかもしれない。素材は毛糸で、糸を撚りあわせることで表面をフェルト状にして形を作り出す。

カーネギーメロン大学のHuman-Computer Interaction Instituteに所属するScott E. Hudsonによるリサーチペーパー(PDF)に詳細な仕組みが記述されている。この論文によれば、世に普及しつつあるプラスチック素材を使う3Dプリンターのように、どのような形のものでも作り出すことができるようだ。縫いこんだ糸を、針を使って形を整えていくような仕組みとなっている。

上に掲載しているビデオを見ればわかるように、できあがりは完全に立体的なテディベアとなるわけではないらしい。片面が平面となった、ブローチのような形状のものができあがる。しかし繊維素材はあとで組み合わせるのも簡単だ。すなわちいくつかのパーツを組み合わせるという手法を使えば、ふつうのぬいぐるみのような形も作れるし、服やキルトのようなものを作ることもできるだろう。

もちろん糸を撚ってフェルト化したものなので、一般のぬいぐるみなどと比べれば、耐久性には劣る面もあるだろう。しかし毛糸の柔らかさが、身につけたり、あるいは抱きしめたときの良い感触を与えてくれるというメリットもある。

「素材的には、肌に接するようなところで使うのに適しているように思います」とHudsonは言っている。「3Dプリントで使える素材のバラエティを増やしていくことで、可能性を広げていくことに繋がると考えています」。

プリンター制御に使っているのは標準的なオープンソースソフトウェアだ。上のビデオから一目瞭然であるように、子供向けプロダクトの可能性を拓くものということができよう。

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(翻訳:Maeda, H


ディズニー、Techstarsとの協力で独自のスタートアップアクセラレータープログラムを開始

ウォルト・ディズニーがインキュベーションビジネスに乗り出すこととなった。その名もThe Disney Acceleratorというのだそうだ。

まずは10社ほどを対象としたい考えで、コンシューマーメディアおよびエンターテインメント関連のプロダクトを扱うスタートアップを育てていきたいとのこと。選ばれたスタートアップは12万ドルの出資を受け、ディズニー社および各部門のリーダーたち(Pixar、Marvel、Lucasfilm、ESPN、およびWalt Disney Imagineeringなど)や、ディズニーのCEOであるBob Igerからの指導を受けることができることになる。

ディズニーの説明によると、このインキュベーションプログラムは「powerd by Techstars」であるようだ(他にもBarclaysMicrosoft、およびSprintなどがTechstarsと協力してインキュベーションプログラムを展開している)。ディズニーのコーポレートディベロップメント部門エグゼクティブ・バイスプレジデントであるKevin Mayerによると、Techstarsと密に連携しながらアクセラレーターとしての活動を展開していきたいとのこと。ディズニーとしては経営資源、知的財産などの各種リソースの活用も行っていく予定であるそうだ。

ディズニーのアクセラレーター活動のゴールは金銭的なものなのか、それとも企業戦略的なものなのかについてMayerにたずねてみた。「革新的アイデアを持つスタートアップの企業戦略策定に協力し、またメンターとしての活動を行いつつ、メディア関連およびエンターテインメント関連ビジネス全体の成長を促していくことが大きな目的です」とのこと。

「尚、ディズニーは1928年に音声と画像がきちんと同期したアニメを世界最初に送り出しました。また1932年には最初のフルカラーアニメを世に出しています。そして1937年には長編カラーアニメ映画を公開し、1955年にはテーマパークというものを、他に先駆けて開園しました。エンターテインメント関連テクノロジー開発の面でもトップを走り続け、マルチプレーンカメラ、オーディオアニマトロニクス、サークルビジョン360°、およびファンタサウンド方式などを世に送り出してきました。Disney Acceleratorはこうした伝統に続くものとして、メディアおよびエンターテインメントの世界の中で、さまざまなクリエイティブな発想を現実化し、イノベーションを生み出せるようにしたいと考えているのです」とも語ってくれた。

昨年末にはTwitterおよびSquareの共同ファウンダーであるJack Dorsey(Twitterのチェアマンであり、SquareのCEOである)を取締役に迎えるなど、ディズニーとテック業界との接近ぶりはあちこちで見ることができるようになっている。取締役メンバーには他にもFacebookのCOOであるSheryl Sandbergや、前Sybase CEOのJohn S. Chenなども名を連ねている。

アクセラレータープログラムは、本拠をロサンゼルスに構える。4月16日まで応募を受け付け、そして6月30日よりインキュベーション活動を開始したい考えだ。投資家向けのデモデーは9月に予定されている。

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(翻訳:Maeda, H


注目のプライベート・ソーシャルネットワーク分野にディズニーが参入。写真やビデオを編集共有する「Story」、米国で公開中

大規模ソーシャルネットワークであるFacebookに対抗する形で、プライベートな情報共有を実現しようとするサービスがまた登場してきた。但し今回は「スタートアップ」ではない。メディア界の巨人であるディズニーが参入してきたのだ。ディズニーはそもそも「ストーリー」との親和性が高いと言えるだろう。そうしたイメージも背景に、ゲームやサイト、「Where’s My Water?」、「Temple Run: Brave」、「Club Penguin」などの仮想現実風アプリケーションで注目を集めるディズニーのInteractive部門が、名前もそのままずばりのStoryという思い出管理ツールをリリースした。

このアプリケーションは、まずiPhoneアプリケーションとして登場してきた(訳注:今のところ、日本では扱っていないようです)。iPhoneで撮影した写真やビデオをアルバム化して、友だちと共有できるようにするアプリケーションだ。但し、初期状態ではすべてのデータがプライベートとして扱われる。また、共有する前にキャプション、説明文、一連のデータに適用するテーマやレイアウトを指定することもできる。コンテンツはiCloudにも保存することができるので、所有する他のAppleデバイスで処理することも簡単に行える。

尚、写真や動画をアルバム化するアプリケーションは、これまでにもいろいろなものが登場してきている。実際のところ、Appleの標準アプリケーションでもある種のアルバム化を行うことができる。ただ、ディズニーのアプリケーションを利用すれば、撮影の時間と場所を判断して、自動的に分類してくれるのだ。

デジタルで保存した記録には、日付や時刻、そして位置情報なども付随していることが多い。Colorは少々データの扱いを間違ってしまった感じがあるが、FlockClusterTracksFlayvrMoment.meEverpixなど多数がさまざまな機能を提供して人気を集めている。

また、Storyには付随するデジタル情報を活用するだけでなく、いろいろと情報を付け加えたりするカスタマイズ機能も搭載されている。その点で言えばMosaicSimplePrints、あるいはKeepShotなどと似ているとも言える。現在のところ、Storyでは作成したアルバムの印刷をオーダーすることはできない。しかしDisney InteractiveでEngineering部門のSenior Directorを務めるScott Gerlachは、将来的には何らかのサービスを追加する予定であると述べている。

「Storyのベータテスト段階時点から、綺麗に印刷したアウトプットがあれば、保管用ないしプレゼント用などにぜひ購入したいという声がありました」とGerlachは言っている。「さまざまな目的に利用できるように、いろいろなオプションを考えて行きたいと思っています」とのこと。写真を使ったガジェットのようなものも想定しているようだ。

そうしたオプションを備えれば、さまざまなアイテムがアプリケーション内販売の形で提供さえっることになるのだろう。その他にも様々なテーマを利用できる有料オプションなどの準備も進めている様子。とりあえず現在のところは無料で、広告表示もない形で提供されている。

Storyの使い方は非常に簡単だ。Storyが自動的に作成したアルバムの編集作業は、ボタンタップひとつで行える。写真、ビデオ、テキスト情報を追加したり、またはアルバムのテーマを変更したりすることもできる。登録済みの写真などをクリックすると、そこにキャプションを加えたり、サイズの変更を行ったり、あるいは削除してしまうこともできる。さらにドラッグ&ドロップで画像の位置などを変更することもできる。これはKleiner Perkinsが出資していたErlyがウェブ上で展開していたサービスにおけるインタフェースを思い起こさせるものだ。ちなみにErlyは2012年3月、Airtimeに売却されている。

Storyで「ストーリー」の作成が完了すれば、メールで家族や友人に通知することができる。あるいはFacebookに投稿して共有することもできる。またウェブに埋め込むこともできるようになっている。

不満があるとすれば、いくらでも投入できる資源がありそうなのに、やや中途半端な段階でリリースしたという点についてだろう。たとえばStoryはiPadで使った方が楽しめると思う。しかしiPad版やAndroid版はまだ存在しないのだ。またプリントアウトサービスの提供や、他のアプリケーションには標準で搭載されていることの多い写真加工機能やステッカー機能などがないのも寂しい。

しかしDisneyも不備については重々承知で、Storyを徐々に家族ないし親しい友人間向けの「マイクロソーシャルネットワーク」ツールとして進化させていこうと考えている。「ソーシャル面やコラボレーションの面での進化を考えています」とGerlachも言っている。コメント機能や「いいね!」風の機能、ないし共有アルバムなどを実装して、FamiliarTweekabooなどのような機能も加えていくのだろう。

とりあえず今のところは、このStoryも他の類似アプリケーションに比べて大いに優れているというわけでもない。いずれの面でも突出した機能を実現しているわけでもない。フォトブックを作ろうと考えたり、プライベートな、家族で利用するソーシャルネットワークが欲しいと考えているのなら、他にもいろいろと使い勝手の良い物がありそうだ。今後に期待したい。

Storyはこちらから入手できる。

(訳注:日本語版はまだありませんが、注目分野へのディズニーの参入ということで訳出しておきました)。

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(翻訳:Maeda, H)


ディズニー、ルーカスアーツを買収後わずか154日で閉鎖

わがゲーマーの友たちよ、今夜はGold Guyに一献を。業界の聖なる柱が倒れた。

Lucasfilmから40億ドルでLucasArtsを買収してからわずか154日、Disneyはこの伝統的ビデオゲーム開発会社を消滅させた。

今日(米国時間4/3)からDisneyは、LucasArts作品(即ち〈スターウォーズ〉)のライセンス供与は継続するが、社内プロジェクトの開発をすべて中止する。いくつかのプロジェクト(例えばあの驚くべきStar Wars 1313は、他の開発会社に行き先を見つけるかもしれないが、その状況も現在は宙に浮いている。

この動きは予想されていなかったわけではないが(同社の最近のいくつかのゲームは必ずしも成功しておらず、買収以来プロジェクトの閉鎖が噂されていた)、それでも今日のニュースによる落胆が和らげられることはない。私の子供時代、いやあらゆる世代のゲーマーの子供時代の一部は、LucasArtsと共にあった。

今日解雇されたであろう150名の人たちと、これまでLucasArtsの歴史を作ってきた人たちに感謝したい。

ガイブラッシュ・スリープウッドとモンキーアイランドの世界にぼくたちを送り出してくれてありがとう。

マニアックマンションとデイオブザテンタクルは、ビデオゲームに「ユーモア」を持ち込めることを証明したゲームだった。

グリムファンダンゴとフルスロットルにありがとう。みんなが10年以上待ち望んでいる続編を見ることはもうないだろうが、これらのゲームはプロジェクトリーダーのTim Schaferにゲームの世界を紹介し、彼が自分の会社、Double Fine Productionを作るきっかけになった(この会社は、Psychonauts、Brütal Legend、およびKickstarters史上最大級のヒットを生んだ)。

The Digをありがとう。このゲームは、小学校3年生でひどいインフルエンザにかかった私を慰め、当時萎えかけていた私のコンピューターへの興味を再び燃え上がらせてくれた。

Sam and Maxをデジタルワールドに連れてきてくれてありがとう。彼らはTelltale Games(Double Fineと同じく、LucasArats出身者が立ちあげたチーム)の中に住んでいるが、Sam and Maxに単なるインディーズ・コミック以上のポテンシャルを見出したのはLucasArtsだった。

Star Wars: Battlefront(Pandemic Studiosと共作、この会社も消えた)、The Force UnleashedX-Wingシリーズ、そしてKnights Of The Old Republicへの関わりをはじめとする数えきれない思い出をありがとう。

LucasArtsにはヒットも外れもあったが、その遺産はどのゲームやブランドやシリーズだけにも留まらない。彼らのゲームは新たなジャンルを生みだし、LucasArtsが90年代を通じて育て上げた多くの才能は、業界全体を動かす力となった。

さらば、LucasArts。そしてあのSCUMMのすべてに感謝している。

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(翻訳:Nob Takahashi)