Disrupt SF 2019のStartup BattlefieldはRenderが優勝

選抜された20社のスタートアップが2日間の熾烈な戦いを繰り広げ、今年の勝者が決まった。

Startup Battlefieldは競争の激しいピッチコンテストなので、参加を申し込んだ時点ですでにふるいにかけられる。そして選ばれた20社が複数のVCグループとテクノロジー業界のリーダーたちの前でプレゼンテーションを行い、10万ドルの賞金と優勝カップを争った。

審査員たちは何時間も評議し、その後TechCrunchが彼らのメモを集めて検討し、5社に絞り込んだ。決勝に進んだのは、OmniVisOrbit FabRenderStrattyX、そしてTrapticだ。

これら5社のスタートアップが、新しい審査員団の前で決勝のデモを披露した。審査員は、Kleiner PerkinsのMamoon Hamid(マムーン・ハミッド)氏、Sound VenturesのAshton Kutcher(アシュトン・クッチャー)氏、SequoiaのAlfred Lin(アルフレッド・リン)氏、Lumi LabsのMarissa Mayer(マリッサ・メイヤー)氏、Floodgate VenturesのAnn Miura-Ko(アン・ミウラ-コー)氏、そしてTechCrunch編集長のMatthew Panzarino(マシュー・パンツァリーノ)だ。

優勝:Render

Renderは、マネージドクラウドのプラットホームを開発。同社は、AWSやAzure、GCPなど従来のクラウドプロバイダーとは異なるサービスを目指し、特にデプロイの自動化やHerokuを思わせるアプリケーション管理の抽象化などによる、より管理の容易なインフラストラクチャを提供している。

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準優勝:OmniVis

OmniVisは、コレラなどの病原体の検出を妊娠検査のように迅速かつ簡単、そして安価にチェックできる。スマートフォン上での検査なので、大量の人命を救えると期待されている。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

Disrupt SF 2019のStartup Battlefieldファイナリスト5社が決定

米国時間10月2日、3日の2日間、Disrupt SFのステージで20社が競い、ビジョンを語り、技術をデモり、エキスパートの集団である審査員の質問に答えた。彼らは世界中から集まり、そしてコレラの検出から軌道上の給油までの、さまざまな課題に挑戦した。

そして審査の結果、5社のファイナリストが決まった。その5社が米国時間10月4日には、新しい審査員たちにプレゼンを行う。そして最終勝者は、株式の提供義務のないシード資金10万ドルと優勝杯を持ち帰る。優勝杯の所有権期間は向こう1年だ。

Disrupt SFの決勝戦はTechCrunchのウェブサイトで太平洋時間13時15分(日本時間10月5日午前6時15分)から見られる。では早速、5社を紹介しよう。

OmniViz

OmniVisは、コレラなどの病原を、妊娠検査のように迅速簡単安価に見つける。検出にはスマートフォンを使うので、大量の人命を救える。

関連記事:OmniVis could save lives by detecting cholera-infected water in minutes rather than days

Orbit Fab

Orbit Fabは、宇宙でロボットによる燃料補給を行う。今年の初めに同社は国際宇宙ステーションに水を供給する最初のスタートアップになった。

関連記事:Orbit Fab raises $3M to make orbital refueling easier, cheaper and more accessible

Render

Renderは、マネージドクラウドのプラットホームを作った。そこには、オブジェクトストレージのサービスもある。それは、ストレージをユーザーが簡単に増やすことができる。

関連記事:Render announces object storage service at TechCrunch Disrupt

StrattyX

StrattyXは、ユーザーが作った複雑なルールに基づいて株の売買を行う。同社の狙いは自動化株取引ソフトウェアの大衆化だ。プロでないトレーダーもプロもどちらも利用できる。

関連記事:StrattyX lets you buy and sell shares using automated rules

Traptic

小麦やトウモロコシの収穫はとっくに機械化されているが、イチゴなどフルーツは収穫の機械化が難しい。Trapticは3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームを使って、熟れたイチゴだけを摘み取る。

関連記事:3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームでイチゴの収穫を自動化Trapticの記事

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

コンピュータービジョンでごみ処理を改善するGreyparrot

英国ロンドン拠点のGreyparrot(グレイパロット)は、ごみ処理の改善を目指している。とくに同社は、ごみ処理の各段階における選別を、コンピュータービジョンを利用して効率化する。GreyparrotはTechCrunch Disrupt SFで、Startup Battlefieldのワイルドカードに選ばれた。

同社は機械学習のモデルを訓練して、ガラスや紙、段ボール、新聞、紙、プラスチックなどを見分ける。プラスチックはPET、HDPEなど、その素材も識別する。

そしてGreyparrotはシンプルなカメラをコンピューターに接続し、個々のごみを一瞬で選別する。

このような技術にはいろいろなユースケースがあるが、特に有望なのはごみの分別施設だ。分別施設はすでに多くの機械を使って、ごみの大小や、金属とプラスチックの違いなどを分別しているが、でも最終的には人間の目が、機械が犯す間違いを修正している。

分別を100%正しく行うことは不可能だが、できる限り100%に近づきたいものだ。分別施設ではPETプラスチックの巨大なキューブを作って地球の裏側の国々に送り、そこでいろんなものに加工されている。

そのキューブが、汚れていることがよくある。そこでたとえばインドネシアなどは頻繁に、ごみのコンテナを米国やヨーロッパに送り返している。

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  2. Greyparrot

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Greyparrotは、分別工程の特に最後の段階を助ける。そのプロダクトは、コンベアベルトの汚れをチェックできる。また問題のあるオブジェクトを見つけた場合は分別ロボットを調整して、不純物や汚れたごみを自動的に拾い上げるようにする。同社はそのソリューションを、英国と韓国でテストしてきた。資金はこれまで、120万ドルを調達している。

Greyparrotには、今後の新しいユースケースのアイデアがある。例えば、ごみ集積容器がその技術を組み込めば、最初の時点でごみを自動的に分類できる。また、自動販売機の隣りにある空き瓶空き缶返還器をGreyparrot化すれば、ユーザーのアカウントにごみの種類に応じてお金が入るだろう。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

3Dのコンピュータービジョンと特製のロボットアームでイチゴの収穫を自動化

近い将来Traptic(トラプティック)のロボットは、もっといろんな種類の作物を収穫できるだろう。でも今のところ、このサウスベイに拠を置くチームはもっぱらイチゴにフォーカスしている。

米国では、果物の約88%がカリフォルニアで穫れる。その中でもイチゴ類はディスラプトの機会が大きい。労働力の不足に移民政策の引き締めが加わって、畑には大量の未収穫作物が放置されている。人手不足のために農家は、実った作物の約5分の1を失っている。

もちろん今すでに、さまざまな主要商品作物にオートメーションが適用されている。小麦やトウモロコシの収穫は、相当前から機械化されている。しかし、イチゴなどのフルーツには、独特の難しい側面がある。あまりにも繊細なので機械化に向かず、ピッカーと呼ばれる人間の摘果労働者の器用な手を必要とする。

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しかし今年のDisrupt Battlefieldに出たTrapticは、専用機のロボットでこの問題に挑戦している。ロボットアームは一般市販品だが、グリッパーとソフトウェアは自社製で、同社のそのデバイスはもっぱらイチゴの収穫作業の介助が目的だ。

アームはカートの上部のスペースに、そのスペースを囲むように5ないし6本ある。視覚系は3Dカメラとニューラルネットワークを利用してイチゴを見つけ、その熟度を判断する。そしてイチゴの位置を1mmの精度で判断して摘み取る。

でもこのロボットの最もユニークな部分は特製のグリッパー(Gripper、つかむ部分)だろう。ロボット用のグリッパーも、今ではいろんな市販品がある。でも上述の理由により、Trapticはイチゴの摘み取りに厳密に適したグリッパーを必要とした。それは正確であると同時に、熟したイチゴをキズつけない優しさも必要だ。

そこで同社が最終的に到達したのは、完全に厳密でもなく、完全に柔軟でもないグリッパーだ。爪が収まる金属製の基部はゴムバンドで覆われて、一定性のない果実の形に適応する。しかしそれと同時に果実をぴったりと保持して、植物本体から取り去る。

Trapticの現在のマシンはケレス(Ceres)と呼ばれ、トラクターの後ろに取り付けて牽引される大きな箱だ。現在、カリフォルニアの北部と南部の農家がテストしているが、極端に違う両方の気候でうまく行けば、イチゴ農家が年間を通して利用できるだろう。

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同社は当面、ロボットが人間ピッカーをリプレースするのではなく、彼らを助けると定義している。でも最終的にはこんなデバイスが人間の労働者をリプレースするのだろう。Trapticがマシンのリース料金を人間労働者の賃金と同じく収量ベースにしているのも、そんな未来を展望しているからだ。しかし労働力不足と言いながら人口は増加している現状では、それはまだまだ遠い未来の話だ。

Trapticは今後、オレンジやメロン、トウガラシなど、そのほかの作物の自動収穫機も開発していくつもりだ。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

TechCrunch Disrupt SF 2019開幕、ライブ中継あり

今年もTechCrunch Disruptの季節がやってきた。起業家、投資家、メディア、テクノロジー信奉者が何千人もDisruptに参加するためにサンフランシスコのモスコーニセンター・ノースに集結中だ。

初日のメインスステージはBlue OriginのCEOであるBob Smith(ボブ・スミス)氏とのファイアサイド・チャットで幕を開けた。これにBattery VenturesのNeeraj Agrawal(ニーラジ・アグラワル)氏、 HarnessのJyoti Bansal(ジョティ・バンサル)氏、HelloSignの Whitney Bouck(ホイットニー・ブック)氏らによる10億ドル級のSaaSスタートアップを作るにはどうすればいいかというパネルが続いた。

そのほか、Dennis Croweley(デニス・クロウリー)氏、Aaron Levie(アーロン・レヴィ)氏、Jennifer Tejada(ジェニファー・テハダ)氏、YouTubeのNeal Mohan(ニール・モーハン)氏などが講演し、 著名人では俳優、起業家のジョゼフ・ゴードン=レビット氏が登壇した。ウィル・スミス氏と台湾出身の監督、アン・リー氏も映画の当たららしいかたちについて話をする。

スタートアップの真剣勝負であるDisrupt Battlefieldでは特に選ばれた20社がメインステージでそれぞれ新たなプロダクトを発表する。著名な専門家によるパネルが審査し、最優秀グループにはDisrupt杯と賞金10万ドルが贈られて栄誉を称える。

素晴らしい1日を世界中の誰もが共有できるようにTechchCrunchではライブ中継を行っている。

開催概要はこちら。ぜひ楽しんでほしい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

クソロボット製作者のシモーネ・ギールツがDisrupt SFに登壇

来月は楽しいゲストがやってくる。クソロボット(Shitty Robots)で有名なSimone Giertz(シモーネ・ギールツ)氏が、米国サンフランシスコのMoscone Center(もスコーン・センター)で10月2日から4日まで行われるDisrupt SFに登場するのだ。

彼女は米国に住むスウェーデン人の発明家で、YouTubeのチャンネル登録者が192万人もいる。テクノロジーとアートの結びつきを奇抜なレンズを通していろんな角度から実験しまくる、創意豊かなDIYビデオが好評だ。

ギールツ氏は自称クソロボットの制作で有名なだけでなく、いろんな発明がある。スープと朝食を食べさせてくれたり、クリスマスカードを描いてくれたり、口紅を塗ってくれるアームは、出来不出来の落差が大きくて笑えた。もっと最近の口コミで広まった傑作は、電動工具を持ち出して自分のTesla車をピックアップトラックに変えてしまったやつだ。

サンフランシスコのステージで見せてくれる作品の中には、毎日カレンダーのようなすごく面白いものがあるだろう。このLED点灯カレンダーは昨年Kickstarterで60万ドルを集めたもので、ユーザーがいい習慣を身につけることが目的だ。瞑想、必ずデンタルフロスで歯を磨く、ブログを書く、あるいは、チューロ(メキシコ風揚げパン)を食べるとか。

Disrupt SFには、ギールツ氏のほかにもおもしろいゲストがいっぱい。キティホークのSebastian Thrun(セバスチアン・スラン)氏や、元国家安全保障局長官のMike Rodgers(マイク・ロジャーズ)氏、遺伝子編集技術CRISPRのRachel Haurwitz(レイチェル・ハウルウィッツ)氏、そしてSalesforceのMarc Benioff(マーク・ベニオフ)氏やBoxのAaron Levie(アーロン・レヴィ)氏などなど、数十名が登壇する。

今からチケットを買いたい人は、ぜひここで!。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

ロッキード・マーティンCEOが米有人宇宙飛行計画をDisrupt SFで語る

TechCrunch最大のイベント、Disrupt SFは10月2日から4日かけてサンフランシスコで開催される。チケットの早割は今月一杯なのでチェックしておこう。

TechCrunchでは宇宙関連のビジネス、テクノロジーについてもたびたび取り上げているが、我々は米国が宇宙競争にカムバックするという情報をつかんだ。ただし当面、月よりもう少し近いところが目的地だ。

あの悲劇をきっかけにスペースシャトルが2011年に引退してから8年たつ。この空白を埋めるべく、アメリカ民間企業が有人衛星を打ち上げる計画を進めている。その1つがロッキード・マーティンだ。米国を代表する宇宙企業、ULA(ユナイテッド・ローンチ・アライアンス)は、ロッキード・マーティンとボーイングの合弁事業。ULAは宇宙開発の一環としてOrion有人宇宙往還機計画を進めている。この7月に開発計画を実施に移す準備が完了したと発表し重要な一歩を踏み出した。

この計画のまさに核心部分を担うのがロッキード・マーティンだ。同社のCEOであるマリリン・ヒューソン氏(写真)がTechCrunch Disrupt SF 2019に参加し、サンフランシスコでキーノート講演をしてくれることになった。ヒューソン氏はロッキード・マーティン社の事業だけでなく、NASAの努力も含めて、アメリカが有人宇宙飛行にカムバックする計画全般について話す予定だ。これには有人月旅行やそれ以後のビジョンも含まれる。

Orionスペースクラフトが最初の有人宇宙飛行(これは来年実施の予定)を実現した後、ロッキード・マーティンはさらに野心的な計画に取り掛かる。これは月軌道プラットフォームゲートウェイ(Lunar Orbital Platform-Gateway)と呼ばれる大型月周回衛星で、太陽光発電を行い、通信施設、科学実験区、短期居住区、探査車保管庫など各種の区画が設置される。ゲートウェイは各種の宇宙探査の恒久的な基地となる。フルスケールのゲートウェイを建造する前に、NASAではまず「初期ゲートウェイ」と呼ばれるプロトタイプを月軌道に投入する計画だ。

 

ロッキード・マーティンは1950年代から宇宙開発事業に携わってきたが、近年、宇宙ビジネスにおける民間企業の役割が飛躍的に増大している。 われわれはヒューソン氏からロッキード・マーティンの低軌道衛星事業を始め、近年ますます重要性を増している商用宇宙利用の実態を詳しく聞くことができるものと期待している。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook