ドコモ、タイヤの跡が広告になる自転車を開発

国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」達成のための取り組みは無数に存在するが、その中でもNTTドコモが本日発表した施策がとてもユニークだったので紹介したいと思う。

NTTドコモは3月19日、走ったタイヤの跡が広告になる「STAMP BIKE」という自転車を開発したと発表。

ドコモは2011年より自転車シェアリングサービス「docomo bike share」を提供しており、同サービスで通常使用している自転車に“特殊なタイヤとポンプ”を装着したのがSTAMP BIKEだ。

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ポンプから組みだされた水がタイヤに噴射されることでタイヤが常に濡れた状態になり、濡れたタイヤの跡がスタンプの様に地面に残る仕組みになっている。

タイヤは3Dプリンタを用いたエアレスタイヤを使用しており、会社の選定、テストなどに時間がかかり、完成するまでに半年もの期間を要した。タイヤ面をフラットにすることで地面との設置面積を増やしたり、スタンプ部分のゴムの硬度の検証をするなどの試作を幾度となく重ねた。

そのタイヤが残す“スタンプ”にはチンパンジーやパンダ、シロクマなど地球温暖化の影響を受けている動物たちを描いたデザインを採用。自転車が走った跡が残るように、動物たちの姿を未来に残していこうという思いを込め、「しぜんをのこそう」というコピーもタイヤにはデザインされている。

このSTAMP BIKEは3月19日の1日限定で渋谷ストリーム稲荷橋広場で披露された。開発に半年も費やしたものの、今後、他の場所で披露される予定はないのだという。

だが、同社はプレスリリースで「docomo bike shareには広告媒体としての役割もあり、今回のSTAMP BIKEは新しい広告の取り組みの一つでもある」とし、今後も「(顧客や企業にとって)有益な広告にチャレンジしてまいります」とコメントしている。

政府は2018年6月、環境負荷の低減と健康増進を目的とし、2020年度に向け“シェアサイクル用駐輪場”を全国1700カ所に倍増させる計画を発表している。ドコモいわく2018年度のdocomo bike shareの利用回数は年間800万回となる見込みだ。

今後、同社はシェアサイクルを活用しどのような新しい広告を生み出すのだろうか。