Googleがドメインの登録に使っているNomulusをオープンソース化して一般公開へ

DUBLIN, IRELAND - APRIL 19:  (FRANCE OUT) A general view the Google European headquarters, on April 19, 2016 in Dublin, Ireland.  (Photo by Vincent Isore/IP3/Getty Images)

Googleが今日、Nomulusリリースした。このJavaで書かれたクラウドサービスは、ユーザーに代わってトップレベルドメインの登録や管理を行う。Google自身も、.googleや.fooなどのTLDをこれで管理している。

Googleによると、同社がNomulusの開発に着手したのは、2012年に同社が数多くのジェネリックなTLDsの申請や運用を開始したときだ。それまでは、ドメインネームはもっぱら.comと.netや、国別を表す.deや.ukなどに限られていた。しかしICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が.app, .blog, .guruなどのいわゆるジェネリックなTLD(generic TLDs)を認めて以来、Googleは.googleをはじめ数多くのTLDを申請してきた。

Googleは、ドメインの登録データのすべてをNomulusのプラットホーム上で管理している(たとえばblog.google)。またこのプラットホームは、ドメインの購入や変更、移送などの事務も行う。GoDaddyなどのドメインサービスを利用してドメインネームを買っておられる方も多いと思われるが、その場合はそのサービスが、Nomulusのやることを人力でやっているのだ。

NomulusはApache 2.0のライセンスでオープンソースになっているが、同時にこれはGoogle Cloud Platformのれっきとした一員でもある。それはApp Engineでも使われ、またバックエンドのデータベースとしてはGoogle Cloud Datastoreを使っている。

Googleによると、Nomulusは、300あまりのジェネリックTLDを保有しているDonutsのコードも利用しており、近く一般公開バージョンのテストバージョンの提供を開始する。

〔参考ドキュメント: NomulusのGitHubページより:〕

Overview

Nomulus is an open source, scalable, cloud-based service for operating top-level domains (TLDs). It is the authoritative source for the TLDs that it runs, meaning that it is responsible for tracking domain name ownership and handling registrations, renewals, availability checks, and WHOIS requests. End-user registrants (i.e. people or companies that want to register a domain name) use an intermediate domain name registrar acting on their behalf to interact with the registry.

Nomulus runs on Google App Engine and is written primarily in Java. It is the software that Google Registry uses to operate TLDs such as .GOOGLE, .HOW, .SOY, and .みんな. It can run any number of TLDs in a single shared registry system using horizontal scaling. Its source code is publicly available in this repository under the Apache 2.0 free and open source license.

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

「女子中高生の2人に1人が使っている」動画共有サービスMixChannelがマネタイズ開始

先日ご紹介したスマートフォンアプリ向けの動画広告プラットフォーム「FIVE」。ユーザーの操作で動画広告を表示・非表示できる作りはすごかったのだけれども、今回紹介するのはその記事で少しだけ触れたDonutsの10秒動画共有サービス「MixChannel」での動画広告の話だ。Dountsでは、「MixChannel プレミアム動画広告 powered by FIVE」の名称でMixChannel上で動画広告を展開。マネタイズを本格化させる。

MAUは380万人、月間再生回数は5億回に

MixChannelは2013年12月のスタート。サービスを担当する福山誠氏は、ランチを軸にしたマッチングサービス「ソーシャルランチ」を手がけるシンクランチを上村康太氏(現在はグロービス・キャピタル・パートナーズのベンチャーキャピタリスト。福山氏と上村氏はもともとグーグルで一緒に働いていた)とともに創業。同社のM&Aにより2012年12月にDonutsに参画した。

「Instagramが注目を集めた2011年くらいから、『画像の次は動画だろう』と思っていたし、周囲でも『(動画ブームが)来るぞ来るぞ』と言われていて数年経った。だが2013年にVineが登場して短い尺で、オートプレイで動画を(無理矢理にでも)見せる、というサービスが登場した。それがある種の革命になったのだと思う。それで日本らしい動画サービスの開発を考えた」(福山氏)

さてそんなMixChannel、僕のような30代の人間なんかが知らないうちにぐんぐん成長。現在はMAU(月間アクティブユーザー)380万人、月間の動画再生回数は5億回。

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ユーザー属性を見ると10代が9割、男女比では女性は約8割という、とくに女子中高生に特化した大きなサービスになった。その仕掛け作りには、10代に人気の読者モデルに利用を促すような施策もしていたと聞くが、何より大事にしたのは「コミュニティ的な運用」だそうだ。

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「はじめから面白い動画があったわけでもないし、カップル動画(MixChannelで人気なのは、カップル動画とおもしろ動画だそう)をいきなりみんながアップする訳ではない。そこはコンテストを開催したり、象徴的なユーザーをプッシュしたりして、じわじわと女子高生の話題になるようなモノを集めてきた。スーパースターの投稿者がいるんじゃなくて、同世代の『可愛い』とか『面白い』が集まっている」(福山氏)

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今後の課題はアクティブ率や外部連携

MAUで380万人を達成しているが、同社の資料を見る限りその成長は鈍化しているようにも見える。だが福山氏は、「すでに10代の女子中高生をある程度カバーするようになった結果」だと語る。統計などを見ると年齢ごとの人口は10代で大体120万人前後。ユーザーの中心となる13 〜18歳の女性に限定すればざっくり360万人という規模になる。

福山氏によるとスマートフォンアプリだけのMAUでも150万人ということで、きわめてざっくりした計算にはなるが、「女子中高生の2人に1人が使っている」(福山氏)と言える状況だ。「一定のクラスタにリーチできるサービスにはなった。今後はどうアクティブ率を上げていくか、そしてどう外部のサービスと繋いでいくかを考える」(福山氏)

プレミアム動画広告とインフィード広告でマネタイズ

今回開始した動画広告は、MixChannelのトップ画面最上部に表示される。金額はグロスで250万円、100万再生(iOSとAndroidに配信。OS別配信には対応しない)となっている。実は3月にもリクルートグループが試験的に広告を導入しているそうで、「数字は申し上げられないが、いい結果を出している」(福山氏)という。今後はインフィード広告なども導入し、さらなる収益化を図るとしている。

NagisaがDonutsから1億円調達、多ジャンルのアプリ提供で1億ダウンロードを目指す

スマートフォンアプリを続々とリリースするNagisa。同社は5月15日、Donutsを引受先とする1億円の第三者割当増資を実施したと発表した。

かつてはLINE対抗のメッセージングサービス「Balloon」などを手がけてきたNagisaだが、現在は複数の写真を組み合わせてスライド動画を作成する「SLIDE MOVIES」や日記アプリ「Livre」、カジュアルゲーム「49人目の少女」などアプリを続々と提供。現在までに累計500万ダウンロードを達成したという。4月単月で100万ダウンロードを達成するなど、急速な成長を遂げているという。

これらのアプリ群は、1つがずば抜けてダウンロードされているというわけではないが、それぞれディレクターとエンジニアの2人といった比較的少人数な体制で開発。SLIDE MOVIESで140万ダウンロードを達成するなどスマッシュヒットを続けているとのことだ。そのアプリ上で広告や課金をすることで「すでにプロフィッタブルな状況」(Nagisa代表取締役社長の横山佳幸氏)だという。

そんなNagisaだが、収益を成長のために投資に回し、さらに資金調達をすることで、人材採用や経営基盤の強化を図り、事業を一気に加速するとしている。「今後2年以内にAppStore、Google Playの全てのカテゴリーにおける上位にランクインできるアプリを企画、開発していき、『全てのスマホにNagisaのアプリを』というポートフォリオを組んでいく。LINEがコミュニケーションアプリを1つのプラットフォーム、ユーザープールにしているが、Nagisaはたくさんのアプリをユーザープールにしていく」(横山氏)。直近にはオフィス移転を決定し、現在20人体制のスタッフを一気に40〜50人まで拡大していくことを予定するほか、SNSやCtoC、ファッションEC、ゲームなど幅広い領域でアプリをリリースしていくという。今後は2016年3月末までに合計数1億ダウンロードを目指す。

Nagisaに出資するDonutsは、「暴走列伝 単車の虎」、「Tokyo 7th シスターズ」といったゲームや、10秒動画投稿コミュニティの「MixChannel」などを展開している。ランチを軸にしたマッチングサービス(現在は就職活動する学生向けにサービスを特化させている)「ソーシャルランチ」運営のシンクランチ買収でも話題になった。

シンクランチの共同創業者でもあり、現在Donutsの経営企画室室長兼ヒューマンリソース部部長を務める上村康太氏。出資の意図について「シナジーとIPOによるキャピタルゲインを狙う」と語る。上村氏は「ブーストなどの広告施策の効果が薄れてゆく中で、Nagisaのアプリが抱えるユーザープールは今度の新作ゲーム立ち上げのタイミングで大きな威力を発揮すると判断した」と続けるが、直近ではまず、ゲームに次ぐ主力事業として注力するMixChannelにおいて、NagisaのSLIDE MOVIESとの連携や他アプリを含めての相互送客などを進める。


ダックダイブ、ローカルガイドのマーケットプレイスMeetripをDonutsへ事業譲渡 – ローンチから1年2ヶ月で

昨年のTechCrunch Tokyo スタートアップバトルに出場したダックダイブは同社が運営するローカルガイドのマッチングサービス「Meetrip」をソーシャルゲームなどを手がけるDonutsの子会社であるDonuts Bangkokへ事業譲渡することを発表した。サービス開始から約1年2ヶ月での事業譲渡となる。なお、金額に関しては明らかにされていない。

Meetripは海外旅行者と旅行先の現地住民をマッチングするサービスで、現地住民がガイド役となり、単に観光スポットを見て回るだけでは味わえない体験を提供しようとするものだ。ガイドブックには載っていない地元の名店や現地の人との交流を楽しむことができる。

昨年9月のβ版ローンチ以降、Meetripに関してのニュースはあまり聞いていなかったが、ダックダイブのCEO貴山敬氏はFacebook上で今年8月末に過去最高の予約件数を更新し、9月はさらにその倍のペースを見込んでいるとポストしているから順調に成長しているようだ。

今後MeetripはDonuts Bangkokの拠点であるタイ・バンコクで運営されることになる。バンコクには年間1,600万人もの旅行者が訪れるそうで、バンコクで成長を加速させていきたいとのこと。

なお、ダックダイブには今年9月にクックパッドが買収したコーチ・ユナイテッド(Cyta.jpを運営)代表取締役の有安伸宏氏も共同創業者として参画しており、Cyta.jpで培ったCtoCマーケットプレイスのノウハウが活かされているという。