Uberがアルコール宅配サービスのDrizlyを約1150億円で買収へ、Uber Eatsの収益性アップを狙う

Uber(ウーバー)は米国時間2月2日、アルコールデリバリーサービスのDrizlyを買収する計画を発表した。約11億ドル(約1150億円)の買収には株式と現金が含まれており、2021年前半に完了する見込みだ。計画では、DrizlyのマーケットプレイスがUber Eatsアプリに直接組み込まれる予定だが、同社は当面の間Drizlyのスタンドアロンアプリの提供も維持するとしている。

確かに、両社のマーケットプレイスには適合性がある。Uberは基本的なライドシェアと配送技術を提供しているが、Drizlyは同社がUber Eatsをさらに収益性の高いサービスに発展させるのを助けることができる。

「Cory Rellas(コリー・レラス)CEOと彼のすばらしいチームは、Drizlyを信じられないほどのサクセスストーリーに育て上げ、前年比300%以上の利益を上げています」と、UberでCEOを務めるDara Khosrowshahi(ダラ・コスロシャヒ)氏はリリースで語った。「DrizlyをUberファミリーに取り込むことでDrizlyをUberの利用者に知ってもらい、数年後にはそのプレゼンスをグローバルな拠点に拡大することでその軌跡を加速できます」。

このサービスは米国全土の市場で着実に展開されているが、現地の酒類に関する法律が拡大のハードルとなっている。2021年1月にはアトランタをサービスリストに加え、地元の十数軒の市場や酒屋と提携して配達地域を拡大した。Uber Eatsのように、Drizlyはサービスを提供する市場で地元の小売店と提携している。Drizlyによると、同社のサービスは北米の1400以上の都市におよんでいるという。パンデミックに関連したロックダウンも、アルコールデリバリーの魅力を拡大するための一助となっていることは間違いない。

Crunchbaseによると、2012年に設立されたボストンを拠点とするDrizlyは現在までに1億2000万ドル(約130億円)弱の資金を調達している。その中には、2018年後半のシリーズCで調達した3450万ドル(約36億円)が含まれている。最近では、同サービスはデータ漏洩に見舞われた。2020年7月に公開されたこの出来事では、最大250万件のアカウントが影響されたとみられている。

Uberによると、Drizlyの株主への支払いの約90%はUberの株式で行われ、残りは現金で支払われると予測されている。この買収は、規制当局の承認待ちとなる。

カテゴリー:シェアリングエコノミー
タグ:UberDrizly買収

画像クレジット:Getty Images

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(文:Brian Heater、翻訳:塚本直樹 / Twitter