DropboxがIPOを前にしてSalesforceの深い統合を発表、エンタープライズの評価アップをねらう

Dropboxはこのところ忙しい。2週間前にはIPOを発表した。ついこないだの先週には、Googleとの大型パートナーシップを発表し、そして今日(米国時間3/9)は、Salesforceとのより深い統合のニュースが飛び込んできた。

DropboxとSalesforceは共にクラウド企業だから、過去に多少の関わりはあったが、しかし今日の発表はもっと大きい。たとえば、DropboxのフォルダがSalesforce Commerce CloudとMarketing Cloudに埋め込まれて、それらがあたかも、軽量版のデジタルアセット管理ソリューションのような様相になる。

たとえば、企業を顧客とするクリエイティブエージェンシーなら、写真などマーケティングキャンペーン用の素材を作り、それらの一部をSalesforceのマーケティングクラウドに保存するだろう。しかしそのフォルダは完全に統合化されているから、マーケティングとは無縁な現場のクリエイターがそれらのアセットの一部を自分たちのDropboxのフォルダでアップデートしても、マーケティングのための素材が入っているSalesforceのフォルダも自動的にアップデートされる。両者は物理的には同一のフォルダだから。

このような統合化によって、ユーザーの、あれをしたらこれをして、というステップが省略できる。Dropboxをオープンしてそのフォルダへ行き、アップデートされているアセットを見つけたらそれらを手作業でSalesforceにも持っていく、…こんな手間が、一発で済むようになる。

Salesforce本体だけでなく、同社が2016年に7億5000万ドルで買収したコラボレーション型ワードプロセッサQuipとも、同様に統合化される。それは、先週発表されたGoogleのG Suiteの統合の場合と同じく、エンドユーザーが自分のコンテンツに、どこで仕事をしていてもアクセスできるようにするためだ。

しかしQuipの場合は、双方向の統合になる。DropboxのフォルダがQuipに埋め込まれるのは、MarketingやCommerceのCloudの場合と同じだが、逆にQuipのドキュメントにDropboxの中でアクセスして仕事ができるようにもなる。これもまたユーザーが、そのとき使いたいツールや、アクセスしたい場所を自由に選べるためだ。

このようなパートナーシップは一見わかりにくいが、DropboxのSVP Quentin Clarkが先週、G Suiteの統合のとき言ったように、すべてはユーザーを楽にし、自由にするためだ。

“仕事の性質や都合などで、そのときどきの、ベストのツールは変わってくる。でもそんなとき、今の仕事のコンテンツに、そのときのベストのツールでアクセスできると便利だ。ツールや場所を変えても、そこに仕事がついて来る。それが、いちばん気楽だ”、と彼は語る。

今後はこのパートナーシップをさらに進めて、SalesforceはクラウドストレージにDropboxを使い、Dropboxは社内でSalesforceを活用する、という状態にしていく。Salesforcは前にも、G Suiteの統合Office 365ツールの統合に際して、同様の発表をしている。

Dropboxは、パートナーシップの発表はIPOと何の関係もない、と言うだろう。でも今や、同社のあらゆることがIPOと関係している。IPO申請のS-1ファイルで、売上の大半が消費者サイドからと言っている同社は、エンタープライズからの信任をできるかぎり厚くしてからIPOに臨みたい。今回のパートナーシップもそのことに寄与するはずだが、まだまだ実際の数字は薄い。

先週のG Suiteの統合パートナーシップと同じく、今回のSalesforceの統合も、まだ発表だけであり、ローンチはない。ローンチはたぶん、今年の後半だろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

駆け足で振り返るDropboxの歴史

Dropboxが初めてスタートアップシーンに登場したのは、2007年の夏の、Y Combinator Demo Dayでのことだった。その後同社は成長を続け、何億人ものユーザーを抱え、その評価額も100億ドルを超えた。このことで皆が期待してきたIPOのための機は熟したのだ。

しかし、このクラウドストレージ企業は、成功への道のりで沢山の競合相手を打ち負かしながら、どのように勝ち残ってきたのだろうか?Dropboxの歴史を駆け足で振り返ってみよう。

1/13:YCでDropboxがデビュー

CrunchbaseではDropboxの設立は2007年6月となっているが、このスタートアップが最初にTechCrunchのレーダーに補足されたのは、8月に開催されたYC Demo Dayでのことだ。このとき私たちはDropboxを以下のように紹介している:「デスクトップファイルをウェブ上に同期し、ファイルのバックアップを行い、任意の場所からのアクセスを提供し、ファイル共有を簡単にするための、(Mac/Win用の)透過的なファイル管理システムを開発している」。

2/13:成長の始まり

2007年の末に、DropboxはSequoiaから、程よい金額の120万ドルのシード資金を調達した。しかし私たちは2008年の春までは同社についてあまり耳にすることはなかった。そして人びとが競合相手であるBox.net(現在のBox)やMozyなどよりも、Dropboxが実際に選ばれるものの1つだと囁き始め、同社の快進撃が始まった。

共同創業者でCEOのDrew Houstonは後に、Disruptの前身であるTechCrunch50の壇上に招待されている。

3/13:100万人のユーザー

Dropboxは2008年にSequoiaが主導したシリーズAで、さらに600万ドルを調達した。しかしテクノロジー関係のプレスはそのことについて丸1年の間知らないままだった。CEOのDrew Houstonは、当時TechCrunchに対して、ユーザー数が25%増えたと語っている、その理由の一部は同社が公開した新しいiPhoneアプリのおかげだった。

2009年の春に、同社の会員数は100万人に達した。

4/13:更なる発展と大物の雇用

Dropboxは1年足らずで会員数を4倍にし、有名テクノロジー企業からの雇用を開始した。例えばSalesforceからはAdam Grossをマーケティングとセールス担当副社長として迎え入れている。

5/13:大金が投入された

2011年9月、TechCrunchはDropboxが多額の資金注入を行おうとしているという記事を書いた。このときの企業評価額は40億ドルで、Index Venturesに主導されたシリーズBで2億5000万ドルが調達された。

TechCrunchの情報源から伝えられるところでは、かつてAppleは同社に対して「9桁(億)」での買収を提案したという。CEOのDrew Houstonにとって、スティーブ・ジョブズに対して「No」ということは簡単ではなかったことだろう、but look where it got him.

6/13:DropboxがCrunchiesを受賞

Crunchiesはもう行われていないが、その歴史は残されている。これは今はもう存在していない年次のシリコンバレーアワードで、最大のテクノロジー企業や創業者たちが壇上に登った。2012年には、Dropboxの共同創業者のDrew HoustonとArash Ferdowsiが、同年のBest Overall Startupを受賞した。

さらにDropboxは”Best Cloud Service”(最高のクラウドサービス)でCrunchiesを受賞し、Houstonも”Founder of the Year in 2012″(2012年の創業者)の次点に入った。

7/13:Dropboxはさらに人気を博した

それまでに調達した資金のおかげで、Dropboxは膨大な数のメンバーをクラウドファイルの世界に引き込むことができた。2012年11月には1億人のユーザーがいた。その1年後にはサイズは倍増し、2億人となった。同社はGoogle、Facebook、その他の大手テクノロジー企業のトップタレントたちをヘッドハンティングしはじめた。

8/13:Dropboxはさらに資金を得た

Dropboxが、その急成長する競合相手のBoxを打ち負かすために、BlackRockその他から3億5000万ドルという巨額の資金を調達したことで、2014年の1月にはさらに多額の現金が流入した。

ウォール・ストリート・ジャーナルとRecodeの両者は、その当時同社に対して100億ドルの評価額を付けた。

9/13:Dropboxがリスクを取って、5億ドルを借り入れ

2014年の後半にはJPMorganがDropboxに5億ドルを貸し付けた。その当時、BoxがIPOを目指しており、Dropboxはそのクラウドストレージ競合相手と歩調を合わせるために、資金を必要としていたのだ。

10/13:Dropboxのキャッシュフローが黒字に

2016年、Dropboxは重要なファイナンシャルマイルストーンを達成したと発表した。キャッシュフローが黒字へと転じたのだ。「自分の目的を決めることができるようになったということです」とHoustonは語った。彼はまた、同社は株式公開を急いでいないことを強調した。

11/13:Dropboxは10億ドルの収益が予想できることを発表した

Dropboxは2017年の収益が、10億ドルに達する見込みであることを発表した。これはIPO前の企業としては、特にそのほとんどのユーザーがプロダクトに対して支払いを行わい企業としては、大きな数字である。エンタープライズユーザー向けに成長しているDropbox Businessカテゴリが、この大きな販売マイルストーンを達成するために役立っている。

12/13:そして新たな資金借入

前回の借入から3年後の2017年3月に、DropboxはJPMorgaから新たに6億ドルの借入れを行った。これにより同銀行に対する負債額は11億ドルとなった。

スタートアップ(とまだ呼ぶことができるのなら)の評価額は、100億ドルにとどまっている。

13/13:DropboxがIPOを申請

Dropboxは2018年2月に、待望のIPOを申請したことを明らかにした。同社にによれば、現在5億人の登録ユーザがおり、そのうちの1100万人が有償でサービスを利用しているということである。2017年の同社の収益は11億ドルとなり、損失として1億1200万ドルが計上されている。同社の公開は3月後半になる予定だ。

[原文へ]

(翻訳:sako)

Dropbox、Googleと提携してG Suiteを正式サポートへ

Drpoboxにとって盛りだくさんな一週間だった。金曜日(米国時間2/23)に同社はついに上場することを発表した。しかし、それだけではなかった。今日(米国時間3/1)同社はGoogleとの提携によって、G SuiteをDropboxに統合すると発表した。

Dropboxユーザーの半数以上がG Suiteアカウントをもっている、という事実がある —— Gmail、Google Drive、Docs、Sheets、Slidesなどだ。これまでG Suiteのファイルを直接Dropboxに保存する方法はなかった。DrpoboxとGoogleという不思議な組み合わせの協業が生まれたのは顧客がそれを望んでいたからだ、とDropboxの技術、製品、デザイン担当SVPのQuentin Clarkは言う。

「Dropboxは顧客が使いたいと思うプラットフォームはなんでも使えるように協業を進めてきた。この提携はその目標に向けたステップのひとつ」とClarkがTechCrunchに話した

Clarkは、過去数年間Dropboxが、Microsoft、Autodesk、Adobeらと提携してきたことを説明した。Googleとの提携で、これまで(目立って)欠けていたコンテンツタイプがサポートされることになる。

両社は現在統合の方法について作業を進めているところだが、今年中には完了する予定だ。完成した暁には、Dropboxの中でG Suiteドキュメントを直接開けるようになる。「統合の結果がどんなルックアンドフィールになるかを両社で検討している」とClarkは言った。

ClarkはかつてMicrosoftとSAPで働いていたことがあり、企業のニーズよりユーザーのニーズに集中することがDropboxのようなメーカーの責任であることを学んだという。オンラインストレージサービスを売る両社が協力する理由はそこにある。「これは最善の組み合わせであり、人はある仕事のためにひとつのプロダクトを使い、別の仕事のためには別のプロダクトをつかうことを結果だ。そのためには平和的な関係を築く必要がある」と彼は言った。

このタイミングはIPOの発表にかなり近いと感じるが、実際には提携にむけた作業はかなり前から進められていた。Dropboxとしては大企業からの評価を高めるためにIPO前に発表したかったところだが、法的に決められた上場前の沈黙期間中は公表できなかった。

なお、これはGoogleがサードパーティーのストレージと提携する初めてのケースではない。Google Cloudの責任者、Dian Greeneは、2016年のBoxworksカンファレンスで、BoxをGoogleコンテンツのストレージパートナーにすると発表した。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ついにDropboxがIPOを申請、プライベート時代の評価額を上回るか?

いよいよ本物。DropboxのIPO申請書類がこれだ

上場はDropboxにとって大きな節目であり、それはここ数年間、もっとも期待されたIPOのひとつだ。このクラウドストレージ企業は2007年に創業され、これまでに6億ドルあまりを調達してきた

申請はすでに非公開で行われていたが、同社は今日(米国時間2/23)それを公開し、実際のIPOが近いことを匂わせた。たぶん、3月の後半だろう。

同社によると、ねらっている資金調達額は5億ドルだが、しかしこの数字は単なるプレースホルダーであることが多い。

その申請書類はDropboxの昨年の売上を11億ドルとしている。前年は8億4500万ドル、そして2015年は6億400万ドルだった。

同社はまだ利益を計上しておらず、昨年で損失が1億1200万ドル近い。しかし2016年は2億1000万ドル、2015年は3億2600万ドルの損失だから、大きな改善だ。

Dropboxは2016年以来、キャッシュフローでは黒字だ。

Dropboxはフリーミアムで、有料ユーザーは1100万人/社と公表している。無料の登録ユーザーは5億以上いるから、1100万はその小部分でしかない。

有料ユーザー一人/社あたりの平均売上は、111ドル91セントだ。

同社はプライベート市場で100億ドルの評価額を達成しているが、これからの公開市場ではどうなるか? その予測には、2015年に上場したBoxの推移が参考になるかもしれない。

趣意書は競合環境を警戒している:

“コンテンツコラボレーションプラットホームの市場には競合があり、急速に変化している。われわれのプラットホームの一部の機能は、クラウドストレージの市場で、AmazonやApple、Google、Microsoftが提供している製品と競合し、そしてコンテンツコラボレーションの市場ではAtlassian, Google, そしてMicrosoftが提供している製品と競合する。また大企業によるデプロイメンツに関しては、クラウドストレージ市場でBoxと、より限られた範囲で競合している”。

BoxのCEO Aaron Levieが、本誌のポッドキャスト“Equity”で、競合相手のDropboxのIPO申請に対する、その直後の反応をシェアしている。

〔訳注: ここにポッドキャストの起動インタフェイスがない場合は、原文を見てください。〕

申請を見ると、最大の株主はSequoia Capitalで、すべての発行済株の23.2%を保有している。それは大きな持ち分であり、対してAccelは全体で5%だ。

ファウンダーでCEOのDrew Houstonは、同社の25.3%を保有している。

同社はNasdaqに上場され、チッカーは“DBX”になる。

上場を志向している他社は、Dropboxのパフォーマンスに注目するだろう。投資家たちはこの“IPOの窓”を重視し、最近のデビューを、テクノロジー企業に対する投資‘食欲’の試金石と見ている。

Spotifyも同じ時期に上場するが、資金調達をしない上場により、伝統的なIPO過程を避けるだろう。

この記事は、事態の進展に伴い、今後のアップデートがありえる

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

Dropbox、非公開で上場申請書を提出

Dropboxは密かに株式上場を準備しているとBloombergが報じた。

TechCrunchもこのクラウド・サービスの有力企業が2018年に株式を上場する計画だという情報は得ていた。Dropboxにコメントを求めているがまだ回答がない。

Dropboxは2007年にサンフランシスコで創立されて以後速いペースで規模を拡大してきた。何年も前から株式の上場に近づいているという噂が出ていた。しかし会社評価額が100億ドルにアップしたことで、上場へのハードルも上がった。同社はこの評価額に見合う実質を得るまで上場を見合わせていた。

Dropboxは年間売上で10億ドルを達成しキャッシュ・フローも黒字だと述べている。

Bloombergによれば、Goldman SachsとJPMorganが上場業務を扱っているという。

ライバルのBoxは2015年に上場し、それ以後株価は50%上昇している。

JOBS法の成立で上場申請を非公開で行うことができるようになった。つまり証券取引委員会に上場申請書を提出してもそれが一般公開されずにすむ。多くのテクノロジー企業はこの新しい条項を利用して秘密に上場申請を行っている。この申請書に公開義務が生じるのはロードショー(投資家に対する上場説明会)の15日前となる。

Dropboxから上場申請書が公開されれば、上場まで数週間というわけだ。

Spotifyも最近、非公開で上場申請をしている

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DropboxがAutodeskを統合、大きな設計ファイルのコラボレーションがクラウドを意識せずにできる

Dropboxが今日(米国時間11/14)、Autodeskのユーザーが大きな設計ファイルに、より容易にアクセスし共有できるための、二つのプロダクトを発表した。ひとつはDropboxに保存しているAutodeskのファイルをAutodeskのソフトウェアからオープンしセーブするためのデスクトップアプリケーション、もうひとつはAutodeskがなくても設計ファイルを見ることができるアプリケーションだ。

Dropboxでデベロッパーユーザーのお世話を担当しているRoss Piperによると。今DropboxにはAutodeskのファイルが15億あり、毎月8500万ずつ増えている。数も驚異的だが、設計ファイルはファイルサイズが大きい。大きくて複雑なファイルが毎日たくさん生成されるからこそ、クラウドストレージが何よりもありがたい。だからAutodeskの統合はDropboxにとって、とっくにやっているべき課題だった。

両社は互いにパートナーになることによって、これらのファイルをもっと扱いやすくしよう、と決心した。

Dropboxのデスクトップアプリケーションは今日から可利用になり、ユーザーはAutoCadアプリケーションから直接に、クラウド上(==Dropbox上)の.dwg設計ファイルをオープン/セーブできる。ユーザーはAutoCadの中で直接これらのファイルを開ける。その感覚は通常のファイルと同じで、Dropboxから取り出していることを意識しない。作業を終えたファイルの保存も、自動的にDropbox上へ行われる。

DropboxがAutoDeskを直接統合。写真提供: Dropbox

もうすぐ提供される単独のビューワーアプリケーションは、設計ファイルをAutodeskのないユーザーとも共有できる。しかも、それらの人びとがファイルにコメントできるので、役員や顧客、協力企業などが変更を要望するなど、設計に容易に‘参加共有’できる。

たとえば、設計者が描いた図面を見て、その中のひとつの部屋や領域をセレクトすれば、その部分に関するコメントを見たり書いたりできる。

写真提供: Dropbox

Dropboxが提供するこれらのツールは、AutodeskのAutoCad App Storeからダウンロードできる。そして、インストールすればすぐに使える。

今回の発表は、Autodeskのような有力なサードパーティパートナーとDropboxの深い統合が、今後もいろいろありえることを示している。各種ビジネスアプリケーションのユーザーは、いちいちDropboxからファイルをダウンロード/アップロードしなくても、仕事用のメインのソフトウェアを使いながら、その中で、必要なファイルのオープン/セーブがごく自然に、できるようになるのだ。

実はBoxも、Autodeskとのこのようなパートナーシップを、2年前から結んでいる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa

新アカウントタイプDropbox Professionalはフリーランサーやクリエイティブに便利な機能を揃える

Dropboxには大きなストレージのPlusアカウントがあり、いろんな機能を揃えたBusinessアカウントがある。しかしこれまでなかったのは、一部の高度な機能はほしいけどBusinessにグレードアップする理由はないという個人事業主や小企業のためのサービスだ。今日(米国時間10/17)同社は、この宙ぶらりんのユーザーを対象とする新しい種類のアカウントDropbox Professionalを発表した。

この月額19ドル99セントのアカウントには、単なる多めのストレージ以上のおまけ機能がある。Dropbox Plusと同じくストレージは1テラバイトだが、それだけではない。Dropboxにストレージがあるのは当たり前だ、ストレージ屋さんだからね。問題は、それ以外の機能だ。

ずば抜けて最大の機能は、Dropboxがショーケース(showcase)と呼ぶ、コンテンツをパッケージする新しい方法だ。それはマーケティングのための一揃いのコンテンツ・セットだったり、金融サービスならカスタマイズされたアプリケーション、あるいは各クライアントとシェアする広告のポートフォリオだったりする。

たとえばそういうコンテンツをPDFでまとめておけば、クライアントにそれを渡して簡単にちょっとしたプレゼンができる。それはAdobeが何年も前から提供しているマルチドキュメントPDFとそれほど変わらないが、Dropboxがユーザーのコンテンツをパッケージされた形式で保存してくれるのは、今回が初めてなのだ。

Dropbox Showcaseの例。写真提供: Dropbox

ProfessionalアカウントにはSmart Syncもある。これは従来、Businessアカウントだけだったが、ユーザーはコンテンツ(ファイルまたはフォルダー)を、ローカルにのみ保存/Dropboxのクラウドに保存/その両方に保存、のどれかに決める。たとえばローカルなハードドライブを節約したいクリエイティブの人は、Dropboxにアーカイブしたコンテンツをまるでローカルみたいに利用するだろう。

さらに、OCRの機能もある。これによりPDFなどのドキュメントをスキャンしたテキストを読んで、ドキュメントの方は守秘性などの理由で廃棄してもよい。機密ドキュメントをクライアントとシェアしたり、知財がらみのRFPを送るときなどに便利だろう。

Dropbox Professionalには、Businessのようにアドミンのためのバックエンド的機能はない。でも、それほど高くない費用で高度な機能がいくつかある。Businessバージョンに投資するほどではないが、Plusでは物足りないという個人事業主や小企業には魅力的だろう。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

DropboxのコラボレーションツールPaperがドキュメントのプレビュー機能などを加えてアップデート

大企業を相手に一挙に大量のユーザーを獲得したいDropboxは、そのためにプロダクトのチューンナップを続けている。今日(米国時間8/30)のアップデートではコラボレーションツールPaperに、ドキュメントをプレビューしてからロードする機能などを加えた。

シリコンバレーでデザイナーに話を聞くと、みんなPaperの使いやすさをほめる。プロダクトをデザインし構築する過程を、ネット上の呼吸する生き物のような、情報の流れにしてくれるからだ。この製品のユーザーをだいじにすべきだ、と気づき始めたDropboxは、ユーザーの要望に応えて、徐々徐々にプロダクトのアップデートをするようになった。

今日のアップデートをまとめるとこうなる: (1)モバイルデバイス上にフォルダーを作ってPaperのドキュメントを移動〜保存できる。(2)スマートフォン上でPaperのドキュメントを削除したりアーカイブできる。(3)Paperのドキュメントを開く前にプレビューできる。いずれもささやかなアップデートのようだが、Dropboxはかねてからプロダクトの単純性を頑固に守り、機能満載にはしない主義だから、これだけでもすごいことなのだ。

デベロッパー向けには、彼らのアプリケーションの中でPaperドキュメントの作成編集ができる、という機能、すなわちAPIが提供される。いわばDropboxの外で、Dropboxの機能を使えるようになるのだ。また、アプリケーションがそれらのドキュメントを操作しなければならない場合には、このやり方のほうがずっと便利だ。

このようなコラボレーションツールないしコラボレーションの機能は、そのほかの大型製品にもかねてからあるが、Dropboxのねらいは、多くのユーザーの多様なニーズにいちいち対応して複雑怪奇な製品になってしまうことではなく、むしろ、汎用的で抽象レベルの高い製品を維持するところにある。

いよいよ機が熟したと言われている同社のIPOを成功させるためにも、それは重要なことだ。その際、投資家たちは必然的に、同社をBoxやMicrosoftのような企業と比較すると思われるが、消費者製品を起源とするDropboxが彼らに訴求していくためには、Boxなどにはない独自の姿勢が必要なのだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropbox、独自ネットワークの運用開始――パフォーマンス向上とコスト半減を期待

昨年、DropboxがAWSから離れ、独自のデータセンターを建設する計画を明らかにしたとき、Dropboxのネットワーク自体も大幅に改革されるはずだ推測された。今日(米国時間6/19)、Dropboxは世界のネットワークの大きなアップデート計画を発表した。これによりユーザーは同期速度が大きくアップし、Dropboxにとってはコストが節減されるという。

この大胆なプランにはいくつかの側面がある。一つはGoogle、Amazon、Facebookのような世界的インターネット企業のものに似たカスタムメイドのデータセンターの建設だ。しかしDropboxのようなサービスの場合、ハードのインフラの整備だけでは十分ではない。ストレージ処理をスピードアップするためにはできるだけユーザーに近い場所でサービスを提供できるようにする必要がある。これはコンピューティングをネットワークのエッジに近づける手法と呼ばれている。

Dropboxによれば同社はすでに3大陸、7カ国、 14都市でネットワーク拡張の努力を開始している。 Dropboxのエンジニア、Raghav Bhargavaは同社のブログで、「〔迅速なサービスを実現するために〕われわれは地域的、世界的なISPと契約して数百ギガビットものインターネット接続を追加してきた。またISPを通さず直接データをやり取りするピア・パートナーも数百に上る」と書いている。

同社はこの努力を次のレベルに進めることとし、オープンソース・ソフトを全社的に採用してカスタム・プロキシを開発した。 「エッジ・プロキシはサーバーのスタックでユーザー側から見た最初のゲートウェイとなり、TLS/TCPのハンドシェイクを実行する。これはPoP(point of presence)に導入され、ユーザーが世界中どこにいてもDropboxへのアクセスのパフォーマンスを向上させる」とBhargavaは書いている。

このタイプのネットワーク・アーキテクチャは通常AkamaiのようなCDN(Content Delivery Network)によって提供されることが多かった。しかしDropboxの規模でサービスが提供されるようになると、独自の必要に対応するカスタム・ソリューションを開発する必要があると認められた。

イラスト: Dropbox

今日からDropboxはアメリカのデータセンターでカスタム・プロキシの運用を開始するが、今後世界のデータセンターに導入していく。まずシドニー、マイアミ、続いて第3四半期にはパリ、第4四半期にはマドリッドとミラノが予定されており、今年の末までに4カ国25カ所の施設すべてに導入される。

このネットワークのアップグレード計画には2つの理由がある。一つはユーザー体験の改良で、ユーザーが世界のどこにいようと処理スピードをアップさせる。Dropboxによればユーザーの75%はアメリカ国外からアクセスしているという。したがってコンピューティングをユーザーが存在する場所に可能な限り近付けるエッジ・プロキシの手法は、Netflixも採用しているが、きわめて重要となる。ネットワークのアップグレードが完了し、PoP数も大幅に増加すれば、多数のユーザーを抱える地域でのパフォーマンスの向上が期待できる。

第2の理由は、独自のハード、ソフトを構築することにより大幅なコストの削減が可能になる点だ。同社によればこのアプローチはネットワーク・コストを半減させるという。そうであればDropboxの経営に大きな影響を与える節約となるだろう。

Dropboxには上場の噂が絶えない。ネットワークのインハウス化の進展によるサービスの向上とコストの削減は投資家に対するアピールとして有効だろう。.もちろんユーザーにとってのメリットも大きいはずだ。

画像: download.net.pl/Flickr UNDER A CC BY-ND 2.0 LICENSE

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Dropbox Businessのアドミンダッシュボードがデザイン一新、時間制限など機能を増強

Dropboxは消費者市場でスタートしたが、最近では企業ユーザーにとって使いやすいサービスにするための多大なる努力を傾注している。今やDropbox Businessのユーザー企業は20万社を超え、彼らはそのクラウドストレージサービスの上で社員たちが機密性のあるファイルや情報にアクセスするときのための、より高度でより細かい管理機能とセキュリティをますます求めるようになっている。

今日(米国時間6/13)同社は、アドミンダッシュボード上の機能をさらに増やした。それは同社の、AdminXイニシアチブと呼ばれる大きなプロジェクトの一環だ。このプロジェクトは、アドミンのユーザー体験の向上が目的で、社員のアカウントを作ったり、誰は何にアクセスできる/できないといった細かいコントロールするのが彼らの日常の仕事だ。

最初に同社は、アドミンコンソールのデザインを一新して、シンプルで使いやすくした。その単純さは消費者体験に近いものになり、しかし同時に企業が求める堅牢さとセキュリティを確保した。

またWeb上の(各人の)セッションコントロールにより、ログインしてファイルにアクセスしている時間に制限を設けられるようにした。またアドミンは、一部のチームに対してサブドメインの検証ができるようになった。特定のアカウントやユーザーをサブドメインの下に置くと、企業のDropboxアカウントにアクセスしてよい/いけない人を細かく管理できる。

パスワードの作り方やアップデートの仕方にも、改良を加えた。これからは、ユーザーがパスワードを作ったり変えたりするたびにその“強度”を評価し、弱いパスワードを使わないよう勧めることができる。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropbox、6億ドル融資枠確保との報道

大型ユニコーン企業の一つ、Dropboxは素早いキャッシュ調達を必要としているようだ。Bloombergの最新の記事によれば、同社は6億ドルの融資枠を確保したという。これはDropboxが上場する前の最後の「資金調達」になるかもしれない。

Bloombergによれば、Dropboxは今年末の上場を計画しているという。ただし、 われわれの得ている情報ではこのスケジュールはまだ確定したものではない。

いずれにせよ、この6億ドルの使いみちはというと、まず第一には資金繰りに余裕をもたせることだろう。Dropboxが深刻なライバルに成長しそうな相手を買収するなど突然の資金需要が生じた場合に備えてのことだ。

次に、上場における選択肢を拡大できる。Dropboxは融資枠の確保により、上場を多少先延ばしできる。早めの上場を行えば融資枠に手を付けずにすむかもしれない。

どちらにせよ、Dropboxはフリー・キャッシュ・フローを増大させることができる。同社は通年ベースで10億ドルの収入を見込んでいるという。これは悪くない数字だ―驚異的ともいえる。

Dropboxは大企業をユーザーとして有利な契約を得つつ、独自のクラウド・インフラを構築してコストの削減に努めている。同社は以前はインフラとしてAWSに大きく依存していた。その後Dropboxは独自のデータセンターを建設している

Snapはこれと反対のアプローチを取り、Googleのクラウド・インフラに向こう5年間で20億ドルを支出する予定だ。Snapの上場申請書にこの点はリスクとして記載されていた。Dropboxが独自のインフラを所有することは同社に対する投資家にとって有利な条件となる。

Dropboxは融資の一部をインフラ投資に充てることもできる。自らインフラを所有することは有利だが、巨大な資金を必要とする事業だ。

JPMorgan、Bank of America、Deutsche Bank、Goldman Sachs、Macquarie、Royal Bank of Canadaなどの銀行が今回の融資枠を提供する。上場にあたってはこれらの金融機関のどれかが幹事を務めることになるかもしれない。Dropboxとしては有利な条件を交渉中なのだろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

DropboxやG Suiteなど複数のクラウドサービスを一括サーチ ― Swiftypeが新プロダクトを発表

swiftype-mobile-client-1

今日紹介するSwiftypeは元々、TechCrunchなどのニュースサイトで利用するサーチシステムを開発していたスタートアップだ。しかしその後、同社はカスタマーサポートやEコマースの分野の企業にもシステムを提供するようになった。そして今日、Swiftypeはこれまで以上に大きな飛躍をすることとなった。同社が新しいエンタープライズ向けのサーチプロダクトを発表したのだ。

中小規模向けに開発されたSwiftypeの新プロダクトを利用すれば、さまざまなクラウドサービスからお目当てのファイルを見つけ出すことが可能だ(先日にはGoogleもCloud Searchの提供を開始しているが、その検索対象となるのはGoogle製のサービスに限られる)。

「ソースがバラバラに存在しているせいで、企業の中に存在するナレッジもバラバラに保管されてしまっています」と共同創業者のMatt Riley氏は語る。

Swiftypeの検索対象は、Dropbox、Office 365、GoogleのG Suite、Zendeskなどのサービスだ(同社はAPIも提供していて、それを利用すればカスタマイズされたデータソースにも対応することができる)。またRiley氏は、単一のインターフェイスで様々なサービスに保管されたファイルを検索できるようにすることは、ビジネスの現場には欠かせない機能だという。

面白いのは、このサービスには人工知能も搭載されている点だ。その人工知能がクラウドサービスに保管されたデータを解析して、共同創業者兼CTOのQuin Hoxie氏が呼ぶところの「エンタープライズ・ナレッジグラフ」を作成する。そして、そのグラフがSwiftypeのサーチ体験を向上させている。

その1つとして、Swiftypeは単なるキーワード型のサーチシステムではなく、ユーザーから与えられた複雑なクエリを理解することもできる点が挙げられる ― 例えば、ユーザーが「連絡先ファイル」や「最近のドキュメント」を探している場合、探しているドキュメントにその言葉が含まれていなくても目当てのものを見つけ出すことが可能なのだ。

また、Swifttypeはデータを利用しやすいかたちに構造化することもできる ― ユーザーがある企業について検索すると、その企業についてのあらゆる情報をまとめた要約カードを見ることができる。加えて、あるドキュメントを検索すると、それぞれのドキュメントに関連する情報も一緒に確認することができるので、複数のドキュメントを1つ1つ開いて確認する必要がなくなる。

これは特に重要な機能の1つである。なぜなら、Swiftypeが提供しているのはデスクトップPCで利用できるサーチシステムだけではないからだ。同社はSlackと統合して利用できるモバイルアプリも開発している。私たちは、たくさんのフィルターを設定したり、複数のページをブラウズする時間がないこともある。そういう状況下では、サーチシステムは複雑なクエリを理解し、ドキュメントから最も重要な情報を抽出する必要がある。

また、Swiftypeはブラウザ用のプラグインも提供している。先ほど紹介した関連情報を一覧表示する機能は、ここで生きてくる ― 例えば、営業やカスタマーサービス部門に所属する社員のプロフィールを開くと、それと同時に、その社員に関連するさまざまなドキュメントがポップアップ表示されるのだ。Swiftypeを一度も開かずに情報を取得できるのが理想的だ、とRiley氏は語る。

swiftype-sources-management

加えて彼は、Swiftypeを導入するまでにかかる時間は従来のエンタープライズ向けサーチシステムに比べて大幅に少ないと語る。Swiftypeを導入するためには、まずはアドミニストレーターが企業で利用中のクラウドサービスとSwiftypeを連携し、あとは個々の従業員が自分のアカウントを登録するだけだ。

もちろん、企業内に存在するあらゆるドキュメントを1つの場所から検索できるようにするとセキュリティに関する懸念が生まれる。Hoxie氏によれば、Swifttypeでは社員ごとのアクセス権限を細かく設定することが可能だという ― オフィスネットワーク内からのアクセスに限定することも、社員の個人デバイスからアクセスできるようにすることも可能だ。

ここで明確にしておくべきなのは、SwiftypeはWebサイトで利用するサーチシステムの提供を停止したわけではないということだ。Hoxie氏によれば、開発チームはすべてのSwiftypeプロダクトで「同じコアテクノロジー」を利用するという目標を達成するために大変な苦労をしたという。しかし、そうすることで、あらゆるユーザーがすべてのSwiftypeプロダクトの恩恵を受けることができるという考えだ。

同社は、エンタープライズ向けサーチシステムによって、これまでのSwiftypeプロダクトよりも大きな市場を狙うことができると考えている。Hoxie氏は、「(エンタープライズ向けサーチシステム市場は)これまでよりも大きな市場です。ただ、どの点を考えてもこのプロダクトがもつ市場の方が大きいというわけではありません。マーケットにはサイトサーチの方が適している企業がたくさんあり、だからこそ、これまで私たちは成長してきました。しかし、エンゲージメントという面を考えると世界はがらりと変わります。TechCrunchで利用されているようなサイトサーチでは、検索するときにSwiftypeと向き合っているユーザーはおそらく1人でしょう。しかし、このプロダクトでは、すべてのユーザーが私たちのプロダクトと交流することになるのです」。

[原文]

(翻訳: 木村  拓哉 /Website /Facebook /Twitter

Dropbox、年間売上予測は10億ドルと発表

panzarino-drew-houston-dropbox-4

今日(米国時間1/30)サンフランシスコで行われたイベントで、Dropboxはメモ帳アプリのPaper、およびSmart Syncの新機能を発表した。CEOのDrew Houstonは、同社の売上成長と、セルフサービス・ビジネスモデルについて話した。

Houstonによると、現在Dropboxは年間売上予測10億ドルのペースにあり、フリーキャッシュフローも黒字で、2017年後半に噂されるIPOに向けて順調に計画を進めている。

過去を振返ってみよう。18ヵ月前Dropboxは、登録ユーザー数は4億人以上で、1日当たり12億件のファイルが同期されていると語った。昨年夏に管理ツールのAdminXを公開した際、同社はユーザー数5億人以上、Dropbox Businessの企業ユーザーは20万社以上だと語った。

Dropboxは、エンタープライズ用ツールキットに様々な改訂を加え、News Corp、Spotify、Expedia等の大会社の要望に答えてきた。こうした積み重ねの結果、大企業が熱望するエンラープライズ製品が生まれ、Dropboxは投資家らが何年も先だと思っていたような会社へと転換した。

Dropboxは、当初のシンプルなオンラインファイル共有ツールを購入し、成長を支えてきた中小企業にも報いたいと考えているに違いない。しかし今同社は、大企業に対してDropboxが一人前のエンタープライズ向け企業であることを説得し、Microsoftのツールを捨てさせなくてはならない場面に直面している。

たしかに年間売上予測10億ドルは印象的な数字だ。しかし、ライバルのBoxは直近の四半期だけで1.028億ドルを売上げてる。Boxは当初からエンタープライズ志向で、そのためのブランド作りをしてきた。CEO Aaron Levieの下、エンタープライズ向けソフトウェアに特化している。その結果、強力な消費者ブランドとして名の通っているDropboxよりも、Boxは大企業に強い。

もちろん年間予測売上10億ドルは、Dropboxの仕事が終ったことを意味しない。同社が強力なエンタープライズ製品の開発を急ぐ中、SalesforceはQuipを7.5億ドルで買収し、Dropboxのメモ帳アプリPaperを打ち負かそうとしている。

Googleは、GSuiteをはじめとするエンタープライズ・コラボレーションツールを積極的に拡大しており、もはや趣味プロジェクトではなくなった。MicrosoftはCEO Satya Nadellaの下、事実上ツール類をクラウドベースに転換し、Office製品を様々なプラットフォームに展開している。

Dropboxにとって最大の問題は、今後も大型顧客を捕えつつ、新たなツール群で中小ビジネスの要望に答えていけるかどうかだ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

DropboxのSmart Syncを使うと、クラウドにあるファイルを直接アクセスできる

right-click-menu_mac

今日(米国時間1/30)DropboxはSmart Syncを発表した。Dropboxのクラウド上に保存されたファイルを、ローカルに保存することなく直接アクセスできる機能だ。

Smart Syncは従来Dropbox Infiniteと呼ばれていたもので、巨大なファイルをデスクトップに保存する必要なくアクセスする方法を提供する。このしくみは、連日やってくる大きなファイルでローカルPCのディスクが一杯になってしまうのは困るが、同僚とファイルを共有したい、という企業ユーザーの要望から生まれた。ファイルはデスクトップにあるのと同じように振舞う ― 写真はプレビューで写真として見える、等々。

「チームや会社全体で必要なファイルはすべてデスクトップで扱える」とグループ製品マネージャーのGenevieve Sheehanは言う。「ユーザーは山ほどの情報を扱っているが、全部がパソコン上にある必要はない。しかし、アクセスできなくてはいけない。このツールを使えばウェブアプリを介することなく、すぐに必要なファイルを使える。チーム作業は容易にかつ強力になりオーバーヘッドも減る」。

ファイルは写真や動画のように「ストリーミング」されるわけではない。パソコン上の同期されたファイルを開き、編集した結果がクラウドに戻され、その後ローカルのファイルは削除される。

当然インターネット接続が必要だが、デモを見る限りかなりシームレスに動いていた。大きなファイル(数百メガやギガバイト単位)では違ってくるかもしれないが、目的はローカルディスクを満杯にしないことにある。Smart Syncでは、ファイルの基本情報だけを見ることも可能で、その場合スペースはほとんど費さない。

dropbox smart sync

重要なのは、全社員が複数の環境に渡って協業できるようにすることだとSheehanは強調する。例えば、Windowsユーザーが管理しているファイルは、同期されたMac上でも全く同じように見える。Smart Syncは既存のカーネルエクステンションを利用しており、セキュリティーは万全だとSheehanは語った。

「デバイスも場初も異なる人たちとチームを組める」とSheehanは言う。「WindowsやMacの同じバージョンを使うために全員がアップグレードする必要はない。全員が同じ機能を同じように利用できる」。

Smart SyncはDropbox Businessおよびエンタープライズのユーザーに今日から早期提供される。管理者がファイルをローカルに保存する必要があると考える場合には、Smart Syncを適用しないことも可能だ。

[原文へ]

(翻訳:Nob Takahashi / facebook

Dropbox Businessが企業ユーザーのためのセキュリティを多面的に強化、ソフトウェア管理のオンプレミス並を目指してSymantecとパートナー

dropbox-image

最近のDropboxは、同社のDropbox Businessプロダクトに力を入れていて、今日は同社の企業向け製品を大企業によりアッピールするための広範なアップデートの一環として、セキュリティベンダSymantecとのパートナーシップを発表した。

Dropboxの企業プロダクト担当部長Rob Baesmanによると、今回アドミンツールをアップデートする理由は、ユーザーに一定のコントロール能力を提供するとともに、企業が今すでに使っているセキュリティツールを併用できるようにするためだ。しかも全体の使い勝手は、Dropboxの消費者製品並に使いやすいものでなければならない。

Dropboxがその企業用バージョンをローンチした2014年には、すでに消費者ユーザーが2億7500万いた。今では全ユーザー5億のうち、20万が企業顧客だ。もちろん企業プロダクトをローンチするときも、消費者間における人気をうまく利用するつもりだったのだが、しかし実際にはいろんな問題にぶつかった。

企業のIT部門の多くが、Dropboxの消費者製品はセキュリティに問題がある、と見ていた。彼らは、社員たちが自分個人のアカウントで会社の仕事をシェアすることを嫌った。一方社員たちは、会社にいないときにはもっと簡単に素早くファイルにアクセスしたい、と願っていた。モバイル化がどんどん進んでいる中で、楽に仕事をしたいという彼らの願望を非難するのは無理だ。

企業世界に商機あり、と見たDropboxは、Dropbox Businessを立ち上げた。今日(米国時間11/16)の発表はそのプロダクトのさらなる成熟を表すもので、とくに、パートナーシップとより高度な管理機能によって、Dropbox BusinessをITにとってより魅力的な製品にしようとしている。彼らIT部門が、会社におけるDropboxの利用を強力に制御し、管理するためのツールを、提供するのだ。

今のDropboxは30以上のセキュリティ関連パートナーシップを結んでおり、それらは、データ喪失防止(data loss prevention,DLP)や、エンタープライズモバイル管理(enterprise mobility management, EMM), アイデンティティとアクセスの管理、データの移行(マイグレーション)、eDiscoveryとアナリティクスなど、多岐にわたる。それらの中で今日とくにスポットライトを当てたのがSymantecで、Symantecの企業顧客担当VP Peter Doggartを講演者として招いたほどだ。

Symantecとのパートナーシップは、エンタプライズ顧客がDropbox Businessを安全に使えるようにするとともに、クラウド上のソフトウェアに対するコントロールを、これまでの自社のオンプレミスソフトウェアに対するのと同じぐらいに厳しくするためだ。“長年オンプレミスのDLPを使ってきた顧客は、それとまったく同じポリシーをDropboxに対して適用して、クラウド/オンプレミスの統合を真に強力かつ堅牢にしたいのだ”、とDoggartは説明する。

また、Dropbox自身のネットワークアドミンツールも強化され、企業のネットワークの上でDropboxの企業トラフィックと個人トラフィックを厳密に区別し、管理できるようになった。また、社員による公私混用を認めない企業では、そういう設定もできる。

このようにDropboxは、企業のIT部門の心をつかもうと努力している。20万社の企業顧客は、数として多いように見えるが、しかし5億の消費者ユーザーに比べると大海の一滴だ。今日のようなセキュリティ強化策の発表は、同社が企業分野でのプレゼンスを、もっともっと大きくしていきたいという、願いと努力の表れだ。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Mac用のデスクトップクライアントがOS Xのセキュリティを侵しているという批判にDropboxが答える

dropbox_-_log_in

Dropboxが、同社のクラウドストレージサービスの、Apple MacOS用のデスクトップクライアントの実装をめぐる懸念に答え、またその統合化機能や、OSにリクエストしているパーミッションに関しては、もっとユーザーとコミュニケーションすべきだった、と反省を述べた。

Dropboxでデスクトップクライアントを担当するチームのBen Newhouseが、こう述べる: “DropboxのOSとの統合について、もっとよく伝えるべきだったことは明らかだ。パーミッションは一回求めているが、何をどうしているのかを説明しなかった。それは、直さなければならない”。

Dropboxのデスクトップクライアントに関する懸念は今日(米国時間9/10)Hacker NewsTwitterに載ったが、それらはAppleのhelpのブログにあった最近の二つの記事がきっかけだ。その記事の筆者は、DropboxによるOS Xのセキュリティのハック、という言い方をして、それを詳しく説明している。AppleHelpWriterの記事には、Dropboxが“TCCデータベースに対するSQL攻撃を使ってAppleの認証ポリシーを迂回している”、と書かれている。

その申し立ては、Dropboxが偽のダイアログボックスを作って、ユーザーのパスワードが正しくないと騙そうとしている、というものだが、さらに続けて、OS XのセキュリティダイアログボックスのDropboxによる実装は、ユーザーを騙してアドミンのパスワードを入力させ、DropboxがMacのアクセスパーミッションリストからシステムにrootアクセスするためだ、と批判している。

//platform.twitter.com/widgets.js

Newhouseは、デスクトップクライアントが必要とするパーミッションのスコープに対する批判に対してこう言う: “実際に使う特権しか求めていない。でも残念ながら一部のパーミッションは、われわれが望むような細かい粒度ではない”。

“アクセシビリティのAPIをDropboxのバッジ(Officeの統合)や、そのほかの統合(ウィンドウを見つけるなどのUIの対話的操作)に使っている”。

“内蔵のファイルシステムAPIで不十分なときは、上位のアクセスを使っている。このような依存性を取り除くよう、今Appleと協働しており、もうすぐわれわれが必要とする状態になるだろう”。

Newhouseは、Macユーザーのアドミンパスワードを見たり保存したりはしていない、と断言した。

“アドミンパスワードは絶対に見ないし保存しない。表示されるダイアログボックスはネイティブのOS X API(Appleが作ったもの)だ”、と彼は語る。

ではなぜそもそも、Dropboxはアドミン特権を必要とするのか? 彼は言う、“最初に特権をチェックしセットする。そのねらいは、Dropboxが正しく機能し、OSの複数のアップデートにも対応できるためだ。人びとを心配させたり、彼らの選択を無視するためではない”。

“今うちでは、全員がこの問題に取り組んでいる。われわれが起こしてしまった怒りや不安や混乱については、お詫び申し上げたい。こういう問題では、今後はもっと良いやり方をしなければならない、と自覚している”。

でも結局DropboxはAccessibilityを利用してrootアクセスを獲得しているわけだから、一部の批判者は納得しない。

Newhouseの声明に対してHacker Newsのコメンターriobardが書いている: “現時点では、Dropboxがそのような迂回路を必要とする理由について、十分な説得力のある技術的な詳細説明が得られないかぎり、非難はやまないし、壊れた信頼を再建することもできないだろう”。

“あなた(Newhouse)のレスに挙げられている、Accessibility APIを必要とする理由は、かなり曖昧である。とくに、Microsoft製品を持っていないMacユーザーにとっては、自分のシステムを汚されたことになる。ぼくは、DropboxをMacから削除した。リーズナブルな説明と対策が得られるまで、二度と再インストールしないだろう”。

おなじくHacker Newsのコメンターkybernetykは、パーミッションの粒度が大きいというNewhouseの説明を、“何でもできる(catch all)パーミッションを、やわらかくぼかして言ってるだけだ”、という。

“これからはマルウェアがDropboxのスクリプトをターゲットにして、ユーザーのシステムにタダ乗りするだろう”、とHacker Newsのユーザーpartycoderは書いている。

Dropboxのやり方に納得しなかったMacユーザーや、アプリケーションにrootアクセスを認めることにセキュリティの不安を感じる方は、AppleHelpWriterのこの記事を読んでみよう。DropboxをOS Xの Accessibilityのプリファレンスから削除するやり方が、詳しく書かれている。

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropboxの2012年の事件では社員のパスワード再利用により6000万あまりのユーザー認証情報が盗まれていた

adobe_dropbox_ipad-3

【抄訳】
Dropboxが今週初めに開示したところによると、同社の大量のユーザーの、2012年に取得された〔==盗まれた〕認証情報が、闇のWebを放浪している。しかしその実際の数は、最初に考えられたものよりも、はるかに大きかったかもしれない。

最初にMotherboardが報じ本誌TechCrunchの情報筋が確認したところによると、6000万あまりのアカウントの認証情報が盗まれた。今回Dropboxがパスワードの侵害を開示したことは、2012年の事件のときの同社の態度に比べると、進化している。そのとき同社は、ユーザーのメールが唯一の盗まれたデータだ、と言った。

2012年のときのブログ記事は、こんなだ:

盗まれたパスワードは、プロジェクトのドキュメントやユーザーのメールアドレスのあるDropboxの社員のアカウントにアクセスするためにも使われた。この不正なアクセスが、スパムに導いたものと思われる。これに関しお詫び申し上げるとともに、新たなコントロール要素を加えることによって確実な再発防止を図ったことを、ご報告申し上げたい。

このブログ記事によると、Dropboxは2012年に、社員のパスワードが取得されてメールアドレスのあるドキュメントへのアクセスに使われた、と開示した。しかしその窃盗行為によって複数のパスワードが取得されたことは、開示しなかった。Dropboxはユーザーのパスワードを暗号化しソルトして保存しており、そのことは技術的にも正確であり、したがってハッカーは暗号化されているファイルを取得できただけであり、その上のパスワードを解読することはできない、と思われる。しかし、最初に開示したものよりも多くの情報が盗まれていたにもかかわらず、その侵害の開示にこんなに長い時間〔ほぼ4年〕がかかったことは、奇異である。

Dropboxの筋によると、最初に2012年に開示したユーザーのメールに加えて、それらのメールに結びついている一群の暗号化されたパスワードも盗まれた。その侵害の時点ではDropboxは、当時の標準アルゴリズムである暗号化アルゴリズムSHA-1の使用をやめて、より堅牢なbcryptに代えようとしていた。盗まれたパスワードの一部はSHA-1で暗号化され、3200万はbcryptで暗号化されていた、とMotherboardは報じている。パスワードはまた、暗号化を強化するためのランダムなデータ列、いわゆるソルト(salt, 塩)で守られていた。これらのパスワードは今、ネット上に投げ捨てられているが、それらを保護している暗号がこじ開けられた形跡はない。

2012年11月のForbes誌のインタビューでDropboxのCEO Drew Houstonは、ユーザー数は1億、前年同期より倍増、と述べた。いちばん最近の発表では、登録ユーザー数は5億であるが、各月のアクティブユーザー数は公表されていない。ハックが起きたときのユーザー数もほぼ1億なら、その3/5が侵害の被害者だから、ものすごい数だ。

社員のパスワードを使ったハッカーは、それをLinkedInの侵害から再利用して、Dropboxの社内ネットワークにアクセスし、ユーザーの認証情報を盗んだ、と情報筋は言っている。だから責任の100%がDropboxにあるわけではないが、企業内のセキュリティが破られたことは事実であり、パスワード再利用の危険性と、その被害が企業環境の内部にも及びうることを示している。

Dropboxは、社員が自分の企業アカウントのパスワードを再利用しないために、すべての社員に対してパスワード管理サービス1Passwordをライセンスし、ユニークで強力なパスワードを使うよう奨励している。同社セキュリティ担当のPatrick Heimによれば、これらに加えて、すべての社内システムで二要素認証を必須にしている。

【後略】

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropbox、パスワード再設定を求める―対象は2012年半ば以降変更していないユーザー

dropbox-blueprint

Dropboxは今日(米国時間8/25)の午後、2012年半ば以降一度もパスワードを変更していないユーザーにパスワードの変更を求める。

2012年6月にLinkedInがハッカーに侵入され、その際盗まれたみられる1億1700万のアカウントのパスワードが今年5月にネットにアップされた。この事態を受けて2012年半ばという時期が決定されたとみられる。最近、過去の大規模なハッキングで盗難にあったパスワードや個人情報がネット上で発見される例が続いている(また今年5月にはMySpaceが大規模にハックされた)。

こうしたデータはいずれもかなり古いものだが、パスワードを変更しないまま長期間放置しているユーザーが多い。また複数のサービスでのパスワードの使い回しも広く行われている。

情報源によれば、Dropboxのインテリジェンス部門は暗号化されないパスワード多数を含むファイルを発見したという。このファイルにはLinkedInのハッキングに関連するとみられるパスワードが含まれていた。「この問題への対処は密かに進められてきた思われるが、ここに来て公の問題となった」と情報源は語った。Dropboxは2012年のLinkedInのハッキングが明らかになった時点で、漏洩したとみられるユーザー名、パスワードを利用して一部へのアカウントにアクセスが試みられたことをブログに掲載している。

これまでのところDropboxではアカウントへの不正なアクセスが成功した例はないと述べている。2012年の事件の際、漏洩によって得られたと見られるアカウント名を含むファイルを用いた攻撃がDropbox社員のアカウントに向けられたことがあった。このアカウント名ファイルの存在に関連してDropboxはユーザーに対し、既存パスワードの変更を求めた。

大規模なパスワードの再設定にはそれなりのデメリットも伴うものの、保管しているデータを保護し、さらなるハッキングを防止するためにはやむを得ない効果的な措置であると考えられている。【略】

また今回のDropboxの決定は、ユーザーに2段階認証を利用する よう呼びかけるよい機会だ。2段階認証はログインンの際に手間が増えるという欠点がある。しかしアカウントのセキュリティーを守る上では最良の手法の一つだ。利用している複数のサービスのセキュリティーが一挙に破られないようする自衛策としては、2段階認証を有効にすることとパスワードの使い回しを止めることが有効だろう。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+

Dropboxのロスレス画像圧縮ソフトウェアLeptonは、あの‘middle-out’アルゴリズムを使っている

lepton-14

Pied Piperではないが、でも似ている。

“middle-out”(ミドルアウト)アルゴリズムは、テレビドラマ「シリコンバレー(Silicon Valley)」のもっとも劣悪な(そしてたぶんもっともおかしい)シーンで有名になったが、Dropboxが最近作ったクールなロスレス画像圧縮ソフトウェアLeptonでは、それがフィクションではなくて本物だ。

Leptonは、JPEGで圧縮した画像のファイルサイズのほとんどをさらに最大22%縮小するが、それでいてオリジナルのビットを一つも失わない。どうやれば、それが可能なのか?…ミドルアウトを使うのだ。

本当は、話はもっと複雑で、Leptonのサイズ節減のある部分は、JPEGではきわめて画一的に保存される明度の値を、より効率的にエンコードする。その詳細はふつうの人には(ぼくみたいなブロガーにも)難しすぎるが、このブログ記事に書かれている。

ミドルアウトされたビットは、解凍されたビットの終端にある。このアルゴリズムは、JPEGが作る8×8ピクセルのブロック2つの境界を見る。そのとき、片方のブロックはすでにデコードされている。まだデコードされていない方のブロックはその明度が、それの中央部(middle)からの…middleからoutにかけての…グラデーションに合っている傾向がある。そこでアルゴリズムは、その前提に従って明度値を予測する。そして、その予測値と実値のデルタのみを保存する。VP8コーダーの演算に適した形式で。

lepton-13

中央(middle)から……..外(out)へ。

この方法でエンコードされた明度係数は、Dropboxのチームが遭遇した画像の平均約8%で正しいが、彼らはその8%を約61%縮めることにより、この方法だけで全体的なファイルサイズの5%を縮減した。22%のうちの残る17%は、そのほかのさまざまなテクニックで実現しているが、あなたがぼくを信じてくれるならば、それらのお話はそれほどおもしろくはない。

しかもユーザーがそれらのどれかに気づくことはない。Leptonによる圧縮はDropboxのサーバー上でのみ行われ、そのデータはコールドストレージに保存される。ユーザーが画像をリクエストするとLeptonはその逆の仕事を(しかも高速に)して、ユーザーにはふつうのJPEGを渡す。しかしDropboxの上では、数ペタバイトものスペースが節約される。

Leptonはオープンソースで、DropboxはそのコードをGithubに置いている。それをいじくるのは自由だし、この記事を最後まで読めた人なら、きっと遊びたくなるだろう!

[原文へ]
(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))

Dropboxがアップデート―iOSアプリにOCRが追加されアナログ文書が簡単に検索、利用できる

2016-06-23-dropbox-doc-scanner

今日(米国時間6/22)、Dropboxはビジネス・ユーザー向けアップデートをリリースした。新たに追加された多数の新機能には企業での利用を促進する狙いが含まれている。

もっとも興味ある新機能は、モバイル・アプリを利用するユーザーがドキュメントをスキャンして直接Dropboxにアップロードできるようになったことだろう。ビジネス・ユーザーが日々取り組んでいる現実の仕事は非常に多様であり、その多くはまだデジタル化されていない。Dropboxは新たな機能を開発してサービスを使いやすく拡張する努力を続けている。

Dropboxのプロダクト責任者、 Todd Jacksonは「われわれは今でもアナログ・ツールが好きだ。あちこちに接着剤つき付箋を貼るし、ホワイトボードに図を描く。また文書をプリントアウトして読んでいる。Dropboxではユーザーがアナログ情報を手軽に取り込めるようにしようと努力している。そしてDropboxで簡単に検索し、利用できるようにするのが目標だ」と述べた。

ユニークなのは、Dropboxはモバイル・アプリにOCR〔光学文字読み取り〕システムを追加した点だ。OCRはユーザーが撮影した文書をスキャンして文字に変換する。Dropboxの主張どおりならこれによってアナログ文書を内容によって検索できるようになる。

「われわれは現実の世界における仕事の複雑さを認識し、それをシンプル化しようとしている。たとえば〔OCRスキャン機能は〕他社から送られてきた文書をDropboxにアップロードして利用できるようにする」とJacksonは述べている。

新機能には多様なユースケースが考えられる。メディアやカンファレンスには日々有用な情報が現れる。Droboxが画像をスキャンして文字化できるなら、これまで死蔵されていた情報が簡単に活用できるようになる。これがDropboxが主張するようにシームレスにできるなら、従来は重たく大きいフラットベッドスキャナを利用していた作業の大半が不要となるかもしれない。フラットベッドスキャナどころかロッカーを占領していたバインダーの書類も新しいテクノロジーで置き換えられる可能性がある。

OCRを始めとする新機能は当初iOS版が利用可能となる。Android版の登場はまだのようだ。Dropboxに問い合わせたが、Android版のスケジュールについて詳しい回答はなかった。

ビジネス・ユーザー向けの新機能は多数あるが、その一つはアプリ下部に表示される大きなプラス(+)ボタンだ。Instagramアプリだと写真のシャッターボタンに当たる位置だが、Dropboxアプリでは新しいOffice文書を作成するボタンになっている。ユーザーはアプリ内からWord、PowerPoint、Excelのドキュメントを作成できる。ユーザーはスキャンして取り込んだ文書をOffice文書にインポートすることもできる。

dropbox Plus button

今日リリースされた新機能には、過去のバージョンのさまざまな文書をプレビューする機能がある。文書を開こうとするといちいち新しいバージョンにアップデートするよう促され、時間を食ってしまうものだ。新しいプレビュー機能によれば、ユーザーはたくさんの文書をアップデートすることなく、必要な文書をすばやく見つけてることができる。その文書だけをアップデートすればいいので大いに時間の節約になる。また近く、一定地域のユーザーに共有されるコメントや閲覧のみのフォルダーの」共有なども実現するという。

単なるオンライン・ストレージはコモディティ化してきた。AppleとGoogleは日々無料ストレージの容量を拡張している。こうした中でDropboxのような企業にはある種のピボットが求められることになる。

しかし適切なバランスを発見するのはなかなか困難な作業だ。強力なライバルは多数存在する。 Boxは共同作業ツールに優れており、Microsoftのクラウド化した。Dropboxが新たなエンタープライズ・ユーザ-を獲得し、つなぎ止めるのは容易ではない。【略】

Jacksonは「Dropboxには登録ユーザーが5億人おり、最大級の企業にも多数のユーザーがいる」ことを指摘した。 Dropboxによればエンタープライズ向けプランを契約しているユーザーは15万社に上るという。またJacksonによれば、Fortune
500企業の大半はDropboxをなんらかの形で利用しているとされる(無料版ユーザーも含まれる)。

大企業は新しいテクノロジーの採用に関してきわめて動きが鈍いことで知られている。Dropboxのような企業にはトップダウンととボトムアップの両方の戦略が求められる。Dropboxの新ツールはこの点で採用の広がりを期待しているのだろう。【略】

Google、Apple、Microsoftなどが参入する中で、Dropboxのファウンダー、 CEOのドルー・ハウストンが長期間維持可能な強力なオンライン・ストレージ企業を築いていけるかは今後の課題であり、大きなクエスチョンマークだ。ハウストンは今月開催されたBloombergテクノロジー・カンファレンスでDropboxはキャッフローが黒字になったことを発表した。シリコンバレーの専門家の間ではこの発言における定義をさらに詳しく調べようとする動きが広がっている。

[原文へ]

(翻訳:滑川海彦@Facebook Google+