クラウド上のデザインツールFigmaがプラグインとそのAPIをローンチ

デザインツールをクラウドに置くFigmaは米国時間8月1日、ユーザーが自分のワークフローをリセットして掃除できるプラグインを発表した。

Figmaの共同創業者でCEOのDylan Field(ディラン・フィールド)氏によると、このプラグインは同社の立ち上げ以来、最も要望の多かった機能だ。そこでチームは昨年、2018年3月にローンチしたFigmaのAPIにプラグインの機能性を構築することに注力した。その際、3つのプライオリティを掲げた: 安定性、スピード、そしてセキュリティだ。

同社がプラグインのテストを始めてからかなり経つ今日、40個のプラグインがローンチOKとなった。それらの中で、とくに目立つのを以下にご紹介しよう。

ユーティリティとしては、まずRename Itは、デザイナーが今自分がやっているレイヤーを自動的にリネームして編成できる。一方Content Buddyは、適当なプレースホルダーとしてのテキストを置く(電話番号、名前など)。それらはあとで自動的に見つけて内容を入れ替えられる。StarkColorBlindはどちらもアクセシビリティのためのプラグインで、自分の仕事がWCAG 2.0のコントラストの指針に合ってるか確認できる。そのために、8段階の色弱を疑似体験できるレンズが提供されている。

そのほかに、アニメーションを加えるFigmotion、テーマを変えるThemer、デザインに地図を加えるMap Makerなどのプラグインがある。

だれでもFigmaのプラグインを作って一般公開できるが、企業など用にプライベートなプラグインも作れる。例えばMicrosoft(マイクロソフト)のある社員は、WordやOutlookなどMicrosoft製品をベースとするテーマに変えられるプラグインを作った。

microsoft themes final

今のところ、プラグインで収益を得る計画はない。むしろプラグインを加えたのは顧客の幸福と満足に寄与するため、とField氏は言う。しかもFigmaのウェブサイトへ行くと、そこにはこのプロダクトが顧客と共に急速に進化する仕組みがある。個々の機能をそれぞれ別に作るのではなくて、今のFigmaはプラットホームをパワーユーザーに開放して、好きなものでウェブページを作れるようにしている。

Crunchbaseによると、Figmaはこれまで8300万ドル近くの資金を調達している。半年前のSequoiaがリードする4000万ドルのラウンドでは、調達後の評価額が4億4000万ドルだった。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

トップクラスのVC ThielのUC20(20歳未満)事業で育ったDylan Fieldが$3.8Mを調達–起業家の低年齢化が進む

子どもたちはわれわれの未来であり、そしてVCたちはその未来を招来するために子どもたちにキャッシュを与える。そんな中で、Dylan FieldはPeter Thielのフェロー(fellow, 研究員)事業20-Under-20(20歳未満を20名)の一人だが、SECの提出書類によると、このほど彼のスタートアップFigmaのために380万ドルを調達した。FieldはFigmaについて話したがらないが、Thiel Fellowshipのサイトによると、それはブラウザ上で使う写真編集ツールらしい。

この資金調達のタイミングは、ファウンダたちの平均年齢が23歳というSnapchatがシリーズBで6000万ドルを獲得し、加えて自社株売却で2000万ドルを得た時期と符合する。シリコンバレーは、ガキどもとの恋に落ちたようだ。しかしJosh Millerのエッセイ“Tenth Grade Tech Trends”(高1から始まるテク起業)が大きな話題になってからは、若者たちの、テクノロジの世界の変化を予測する能力を、業界はますますあてにするようになっている。

Dylanはまだ若いが、すでに業界経験はきわめて豊富だ。カリフォルニア生まれの彼はこれまで、Flipboard、O’Reilly Media、Indinero、Microsoft Research、LinkedInなどで働いた経験がある。彼は今、ブラウン(Brown)大学を休学中だが、専攻はコンピュータ科学と数学だ。

Dylanが着目した商機は、クリエティビティのためのツールのアクセス性を良くすることだ。カメラ付き携帯をはじめ、誰もがメディア作品を作れる時代になり、平凡な写真をアートに変えるInstagramのようなアプリが栄えている。でもまだ、高度な写真編集ツールはもっぱらプロのもの、あるいはせいぜいマニア的ホビイストのものであり、しかもそれらは、使いづらいデスクトップソフトウェアが多い。

でも、Dylanがインタビューを断り、まだ話す段階ではないと言っているのを見ると、Figmaはもっと違うものになるのかもしれない。しかし昨年の8月にToday Showに出演したときには、こんなことを言っていた:

“つまりぼくがやりたいのは、誰もが自分をネット上でクリエイティブに表現できるようになることだ。誰もが、自分の中に一人のアーチストを抱えている。しかしスキルのレベルが低くて誰も相手にしないから、そのアーチストはなかなか芽が出ない。でもその落差は、テクノロジの力で小さくなると思う。今実際に作っているのは、ブラウザの中で写真編集ができるツールだ。”

今のFigmaがもしもそれなら、PixlrGoogle+の写真エディタなど、強敵が多い。でも手元に新株発行による380万ドルがあれば、大人たちをビックリさせるものを彼なら作れるだろう。

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))