AmazonのApple Watchアプリは、腕の上でショッピングができる


オンライン小売業のAmazonは、今週Appleが新ウェアラブルデバイス、Apple Watchにもうすぐやってくると紹介した多くのアプリケーションには入っていなかったが、実は同社もApple Watchバージョンのモバイルショッピングアプリを開発中であると本誌は理解している。このアプリは消費者が商品の検索から実際の購入までを、Amazonの1クリック注文システムを使って腕の上で行うことができる。

もちろん、Amazonが迫り来るモバイルプラットフォームに対応するのは当然だ ― つまるところこの会社は、自社製Kindleハードウェアだけでなく、ほぼあらゆるモバイルあるいはネットにつながるプラットフォームにショッピングアプリを提供する傾向にある。しかもAndroid Wear(=スマートウォッチ)バージョンのショッピングアプリは既に公開されているので、Apple Watchにも作るのは理にかなっている。

実際、本誌に入った情報によると、Apple Watch用アプリは、現行のAndroid Wear版Amazonアプリと同じように機能する。つまり、音声で検索して商品をAmazonのほしい物リストに保存し、さらにAmazonの1クリック注文を使ってすばやくチェックアウトすることまでできる(おっと、何て危険な!)。

ただし、小売の巨人はまだこのApple Watchアプリを正式に認めておらず、そのようなものを開発中であるとしか言っていない。同社の広報担当者は本誌に下記の声明を送ってきた。

「Amazonは顧客のために常にイノベーションを続けている。われわれは顧客が買いたいと思う場所ならどこにでも現れることを約束している。そこにはウォッチも入っている。われわれにはAndroid Wear版のAmazonショッピングアプリがあり、それを他のデバイスにも拡大していくつもりだ。

「他のデバイス」は、行間を読めばもちろん、AmazonのApple Watchアプリ計画を事実上認めている。

(注:上の画像はモックアップ)

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook


FacebookとInstagramのコメント欄でショッピングができるサービス、Soldsieが400万ドル調達

マーチャントがFacebookのファンとInstagramのフォロワーにコメント欄を通じて商品を直接販売できるeコマース・サービスのSoldsie〔ソルジーと発音する〕は今朝(米国時間5/15)、First Round Capital他からシリーズAラウンドで400万ドルの資金を調達したと発表した。SoftTech VC、Lerer Ventures、Correlation Ventures、Great Oaks Ventures、e.Ventures、500 Startupsに加えて何人かの個人のエンジェル投資家も今回のラウンドに参加している。

このスタートアップは2012年5月、Facebook上の通販(一部ではf-commerceと呼ばれる)が成功するものかまだ疑問視されている時期に創立された。

SoldsieのFacebookページにマーチャントは商品の写真と説明を投稿する。ファンは通常の投稿と同様、これに感想をコメントしたり「いいね!」を押したり、シェアしたりできる。しかしSoldsieがユニークなのは、コメント欄にファンが“SOLD”と入力すると商品購入プロセスがスタートする点だ。

消費者はSoldsieアプリケーションをインストールするときに一度だけ登録の手続きをすればよい。これによってマーチャントはユーザーのプロフィール・データとメールアドレスを入手する。Soldsieはマーチャントに支払い請求、販売管理、在庫管理などのサービスをi提供する。売り手はSOLDと入力したユーザーにメールで請求書を送る。ユーザーはPayPalまたはクレジットカードで支払いを行う。下はSoldsieが制作したデモビデオだ。

昨年11月にSoldsieは同様のシステムをInstagramにも導入した。ユーザーはアップロードされた写真に対してコメント欄にSOLDというキーワードとメールアドレスを入力する。

現在、Soldsieでは1500のマーチャントが延べ2500万ドルの売上を記録、昨年同期の数字に比べて3倍になっているという。Soldsieではマーチャントに対して取引毎の少額の手数料と毎月150ドルからの出店料を課金しているが、ビジネスモデルについてはさらに検討を重ねるとしている。

Soldsieの共同ファウンダー、CEOのChris Bennettによるとコメント欄にSOLDと書いたユーザーの70%が実際に商品を購入し、支払いを行っているという。購入手続きの60%はSOLDを記入してから30分後に行われ、70%の購入手続きがモバイルからだという。多くのユーザは通勤の生き返りの交通機関の中などでSOLDと記入し、手が空いたときに購入手続きに移るのではないかとBennettは推測している。

今回調達した資金でSoldsieは新たな人員を採用し、さらに2つのソーシャルメディアをプラットフォームとしてサポートする計画だ。現在社員は13人だが、今年の末までに25人に増員される。

ソーシャルメディアを利用するeコマースの分野でSoldsieのライバルとなるのスタートアップにはChirpifyやInstagramのショッピング・サイトHashbagなどがある。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


小規模eコマースにAmazonなみのレビューシステムを提供するOrankl

【抄訳】

顧客が投稿するレビューは、Amazonなどのサイトにとって重要な柱だ(それらはインターネット上のもっとも機知に富んだ笑い話集でもある)。でもマイナーなネットショップが顧客からフィードバックを得るのは、なかなか難しい。そこで、Y Combinatorで育ったOranklは、すべてのeコマース企業に、彼らの巨大ライバルが持っているのと同じツールを与えようとする。

同社の最初のプロダクトであるレビューシステムは、それをすでにサポートしているShopifyなどのプラットホームではワンクリックでインストールできるし、また一般ユーザは数行のコードをコピペするだけで導入できる。フィードバック(レビュー入力)のフォームは自動的に、そのサイトのスタイルに合わせられ、顧客にレビューをお願いするメールも自動的に送られる(Amazon等と同様に☆マークがレビューフォームへのリンクになっている)。同社によると、こうやってレビューシステムを導入したサイトは売上が15~20%伸びるそうだ。

Oranklの協同ファウンダJoão Batalhaによると、同社はすでに、レビューシステムのほかにメールを使うマーケティングのプラットホームを立ち上げたし、今はリコメンデーションエンジンを開発中だ。つまり同社が目指すものは、小規模なeコマースサイト用の高度なツール集合の自作直売デパートだ。

Oranklを創った4人…João/Luís Batalha兄弟、Micael Oliveira、Craig Kochis…はMITの学生時代に出会い、卒業後にJoão BatalhaとKochisはソーシャルコマースサイトLockerzで仕事をした。そこで彼らは、ユーザのエンゲージメントと売上の増加にとってレビューが重要であることを学んだ。

“レビューの重要性を分かっていない人が多い。AmazonがAmazon Vineのようなレビューに対する報償システムを設けているのは、同社がレビューをとても重視している証拠だ。Amazonには毎秒35件のレビューが寄せられ、大量の売上に貢献している”、とBatalhaは語る。

それに、Amazonには大量のレビューがあるから、多くの買い物客が最初に訪れるサイトになっている。そして、無名サイトでもっと安く売っていても、Amazonで買ってしまう人が多い。Batalhaは、小さなeコマースサイトでもレビューがあると顧客は安心感を抱く(自分も文句や感想を言えるので)、と言う。しかも店側にとってレビューは、すぐれたCR(customer relation)ツールにもなるのだ。Oranklのユーザ企業の中には、レビューシステムを、顧客調査や、顧客とのプライベートなメッセージングシステムとして利用しているところもある。そんな成功例の一つが、ヘッドフォーンを売っているHeadRoomだ。

また同社のメールによるマーケティングシステムも、レビューを利用することによって、メールへの顧客/見込み客の関心度を高めている。

【後略】

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(翻訳:iwatani(a.k.a. hiwa))


Mt. Goxの退場はもっとまともな第二世代のBitcoin起業家の時代を開く

2013年に私がBitcoinのエコシステムを調べ始めたとき、出会うファウンダーたちの半分が少々奇妙な人たちであることに気づいた。

「自分は心理的に『雇用不適格』なんだ」とBitInstantのCEO、Charlie Shremは電話インタビューで私に言った。Shremはイギリスのウェールズ在住の自閉症のハッカー、Gareth Nelsonと共同でBitInstantのシステムを作ったのだという。2人はリアルでは一度も顔を合わせたことがないそうだ。インタビューの間中、Shremは不快なカチカチいう音をさせ続け、話はすぐに横道に逸れた。彼にはあきらかにある種のパラノイアがあった。「誰も信用できない。自分のチームだって信用できない」とShremは私に語った。

次に昨年11月、TechCrunch Japanのイベントで東京を訪れたときに、私は渋谷でMt. Goxのチームに会った。

ファウンダーのMark KarpelesGonzague Gay-Boucheryは弁護士を通じて私に答えた。一時は世界最大のBitcoin交換所だったMt. Goxだったが、BTC ChinaヨーロッパのBitstamp のような強力なライバルに追い上げられ、以前のパートナーのCoinLabを訴える一方でアメリカ政府に500万ドルを差し押さえられていた。

「われわれが何を言っても発言を歪曲されてしまう」とKarpelesは私に言った。(バランスボールの上に座ってロイターの記者の質問に答えているのがKarpeles

残念ながら私は何一つ質問に答えてもらえなかった。私はBitcoinで支払いできるカフェになっているロビーを通って渋谷の街に出た。

それからこうしたBitcoinスタートアップは一つまた一つと失敗していった。

先月、ShremはニューヨークのJFK空港でマネーロンダリングの容疑で逮捕された。昨夜、Mt. Goxのウェブサイトは消滅した。Mt. Goxはマルウェアの攻撃によって75万Bitcoinを喪失したという(これは流通しているBitcoin総額の6%にあたる)。KarpelesもShremもBitcoinの普及と運用ガイドラインの制定に務める世界的NPO、Bitcoin Foundationから脱退しいている。

これまでにもBitcoinは詐欺と盗難の波乱の歴史をたどってきたが、Mt. Goxスキャンダルはその中でも最大のものになりそうだ。1年以上にわたってMt. GoxはBitcoin最大の取引所であり、もっとも目立つ存在だった。

4億ドル相当の資金が行方不明というのはその金額だけでメインストリーム・メディアの大見出しになるニュースだ。Bitcoinの初期には詐欺や不正が発覚すると熱烈な信者の群れが弁護を買って出たものだ。しかしこのスケールの不正となれば、マーチャントや投資家の目に映るBitcoinのイメージは致命的に破壊されただろう。少なくとも数年の後退を余儀なくされたことは間違いない。

今朝のBitcoin相場は490ドルから540ドルあたりで底を打ったようだ。.

東京の起業家とBitcoinのコミュニティーでは「Mt. Goxに不正を働く意図はなかったにせよ、その無能さは重大な過失と評価されるべきだ」だと考えられているようだ。

つまりMt. GoxはBitcoin版のFriendsterということになるのだろうか? Friendsterはソーシャル・ネットワークのパイオニアとして登場したもののスケールに失敗して、後発のFacebookに王座を奪われた。

Bitcoinスタートアップの次世代のファウンダーたちは、もっとまともでウォール・ストリートやワシントンの政治の世界でも受け入れられやすそうだ。彼らは過激なリバタリアンでもないし、見境なく貪欲でもない。

Bitcoinの第一世代とは違い、次世代ははぐれ者のアウトサイダーではない。CircleのCEO、Jeremy Allaireは企業を上場させた経験がある。 彼のBitpayはシリコンバレーでもっとも尊敬されているベンチャーキャピタリスト、Accel、Andreessen Horowitz、Founders Fundから出資を受けている。積極的なBitcoinのエンジェル投資家、Barry Silbertは未公開企業の株式の取引所、SecondMarketを創立し、現在のような有力な存在に育てた。Silbertは独自のBitcoin取引所の設立を準備している。Mt. Goxのもともとのファウンダーで後にKarpelesとGay-Boucheryに売却したJed McCalebも新たな取引所を創立しようとしているという。

アメリカ議会は、昨年驚くほどBitcoinに好意的なところを見せたが、近く資金移動免許を持たないBitcoin業者について調査を始めるという。これは良いことだ。

「短期的には(こうしたスキャンダルは)Bitcoinのイメージにネガティブな影響を与えるだろうが、 システムは次第に成熟しつつあり、運営に透明性を欠いていたり、金融関係の規制に触れたりしたようなプレイヤーは排除されていく」とCoinbaseとBTCJamに出資しているRibbitCapitalのMicky Malkaは言う。

一部の「腐ったりんご」が捨てられ、Bitcoinスタートアップの新しいファウンダーたちの時代が来ようとしている。

–Jonathan Shieberが取材に協力

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AmazonのiOSアプリにカメラによる商品検索機能搭載―リアル店舗のショールーム化いよいよ進行

消費者は現在でもリアル店舗を訪れるとスマートフォンを使ってさかんに価格比較をしているが、店舗にとって状況はさらに悪化しそうだ。

Amazonは「カメラでショッピング」機能をメインのiOSアプリに追加した。これまでは棚に並んでいる商品のバーコードを読み取る必要があったが、これからは写真を撮るだけでAmazonその他のeコマースサイトとの価格比較ができる。

Amazonにとっては商品の画像認識は新しいテクノロジーではない。Amazonはすでに傘下のA9(オンライン検索および広告事業部)からFlowというスタンドアロン・アプリを提供している。

今回はこのツールがメインのアプリに統合されたわけだが、ここでもFlow機能と呼ばれている。スタンドアロン・アプリが公開されたのは2年と少し前だが、AmazonはメインのiOSアプリに統合する前に十分な時間をかけてテストを繰り返してきたわけだ。

FlowのiOSアプリ(将来はAndroidにも)の発端はAmazon A9がSnapTellを買収したときに遡る。このスタートアップは画像による商品検索テクノロジーの開発を行っていた。SnapTellで商品(正確にはCD、DVD、ゲームのジャケット、書籍の表紙)の写真を撮ると、Amazon,だけでなくGoogle、eBayその他主要なeコマースサイトの価格を検索することができた。

AmazonのiOSアプリに統合されたFlowの検索対象はオリジナルより広い。CDやDVDのパッケージや本の表紙だけでなく、ロゴやキャラクターなど特徴ある画像を幅広く認識できる。さすがに箱から出してしまった商品、たとえば居間に転がっているヘッドホンの写真では検索できないが、ショッピングの際の価格比較用には問題ないだろう。

正確さと幅広さでは商品のバーコードをスキャンするのが一番だが、商品を棚から取り出してひっくりかえさねばならないこともあるし、印刷位置がわかりにくい商品もあるのでやはり多少面倒だ。パッケージの写真をぱちりと撮るだけいいというのはやはり使い勝手がいい。.

カッコーが他の鳥の巣に卵を産み付けるように、Amazonはライバルの現実店舗を自社のショールーム代わりに使うという寄生虫作戦を取っている。画像認識機能の追加で、この作戦はますます効果的になるだろう。

〔日本版:このバージョンのAmazonアプリは現在は日本のApp Storeからはダウンロードできない。アメリカのApp Storeで有効なIDが必要〕

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Amazon以後のeコマースでも10億ドルビジネスは作れる―家具・インテリア通販のWayfairの成功の秘密

eコマースの分野でAmazonの向こうを張ろうとうするのは無駄な試みに思える。しかしそれでもこの分野でAmazon以後に10億ドルのビジネスを作ることに成功した会社はいくつか存在する。ボストンに本拠を置く比較的無名の企業、Wayfairがその一つだ。

Wayfairは2002年に大学の同級生Niraj ShahとSteve Conineによって操業された。当初の名前はCSN Storesだったが、2011年の現在のWayfairに改められた。ShahとConineは連続起業家で、1998年に最初の会社SpinnersをXMLに売却することに成功している。

ShahとConineの会社のすごいところは家具・インテリアその他家庭用品のオンライン通販という競争の激しい分野で着実に10億ドルのビジネスを作り上げ、来年か再来年の株式上場を準備するところまで来たことだ。

Wayfairは高級品志向ではなく、ミッドレンジの商品をターゲットにしている。つまりMacy、Overstocks、Target、Bed Bath and Beyondsといった名だたるライバルがひしめく市場だ。さらにOne Kings Lane(高級インテリア用品のフラッシュセールス)、Joss & Main(高級家具)などもWayfair.comのライバルだ。

私の取材に対してShahが説明したところでは、同社は派手なマスコミ向けPRはできるだけ控えてきたという。最近では初期のTwitterへの投資で知られるSpark CapitalやBattery Ventures、HarbourVest Partners、Great Hill Partnersなどの有力な投資家がWayfairを支援しているが、それ以前の9年間はほとんど自己資金でまかなってきた。2011年にWayfairは外部資金を調達して事業拡大を加速することを決め、上記の投資家から2億ドルを集めた。

Wayfairのサイトには8000の供給会社による1万2000のブランドの700万アイテムの家庭用品と家具が登録されている。2013年の実績は注文ベースで10億ドル、売上で9億ドルを記録した。これは2012年の6億ドルからの大幅なアップだ。

Wayfairはユーザーが関心を持ったアイテムPinterest風に貼り付けられるクリップボードなどユーザーの購買意欲をかきたてるような仕組みを数多く用意している。実際、Wayfairは300人のデータサイエンティストとエンジニアを雇ってユーザーデータを解析し、サイトをそれぞれのユーザーにマッチさたカスタマイズを行っている。TargetやWalmartなどの伝統的企業も最近、ユーザー別カスタマイズのテクノロジーの重要性にやっと気づいて模索を始めているようだ。

アメリカの家具、インテリアその他の家庭用品市場は2000億ドルで、そのうちオンラインでの売上はわずか5%に過ぎない。他の分野同様にオンライン化が進めばWayfairのビジネスもそれにつれて拡大されるだろう。ShahによればWayfairはオンラインの家具、家庭用品市場の約1%のシェアを握っているという。AmazonもQuidsiの買収などによってこの分野に力を入れ始めているが、Shahは十分に競争していけると自信を見せた。

Shahはeコマースにおいて、家具インテリア、宝飾、ファッションといった分野では1社の一人勝ちが不可能だと考えている。本や家電、エレクトロニクス製品、生鮮食品などの分野と違い、家具や宝飾、ファッション分野ではユーザーはそれぞれに独自性を求めているからだ。

Shahは株式上場を計画していることを明言しており、最近Warner Music Groupの会長、Michael FleisherをCFOとしてスカウトした。

この分野の数多くのライバルもテクノロジーの積極的な利用などによってシェアの拡大を図るだろうから、2014年には競争は一層激化するだろう。Wayfairの今後には引き続き注目していきたい。

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スマートフォンに最適化したサイトの売上が大幅上昇―ブラックフライデーが87%、サンクスギビングデーが258% アップ(対前年比)

オンラインショッピングのモバイル部分が増加中だ。IBM Benchmarkによると、今年のブラックフライデーの場合、スマートフォンは全オンライントラフィックの4分の1を、オンラインショッピングの売上高の7.2%を占めた。

しかし当然ながらスマートフォンに最適化されたサイトの増加率はトラフィック、売上ともに平均を上回っているー。2013年のブラックフライデーの場合、対前年比で、スマートフォン最適化サイトの訪問者は75.65%、セールスは75.65%も上回っている。

このデータはモバイルサイトのデザインを行う世界的なeコマース・プラットフォームBranding Brand上で収集されたものだ。このプラットフォームの利用者にはAmerican Eagle Outfitters、Costco、Ralph Lauren、Sephora、Calvin Klein、Crate &Barrel、Nasty Gal、Kate Spade、Bath&Body Works、Brookstoneなどなどの大企業を始め200社が含まれる。

同社のMobile Commerce Indexはアパレル、ヘルスケア、美容、家庭用品などのクライアントのカテゴリーごとにサンプルを抽出し、デスクトップ版のままのサイトとスマートフォン最適化を行ったサイトとのパフォーマンスの差異を分析している。BrandingBrandのインデックスはスマートフォン最適化の影響の調査としては世界最大規模だ。

Branding Brandによれば、ブラックフライデーに152箇所のスマートフォン最適化サイトへの930万の訪問者のうちiOSからが 66.62%、Androidからが32.97%だったという。この訪問から17万4111の注文が発生し、その平均単価は93.2ドルで、対前年同日比22.08%のアップだった(BrandingBrand Indexの対象とするスマートフォン最適化サイトも昨年の46箇所から大幅に増えた。Branding Brand自身もこの間、950万ドルの資金を調達している)。

また同インデックスによれば、クライアントのeコマースサイトへのブラックフライデーの全トラフィックのうち、スマートフォンの割合は34.36%だった。一方、IBMBenchmarkが800箇所のeコマースサイトから集したデータよるたスマーフォンの割合は25%だった。ただしBranding Brandにはスマートフォン最適化を行うクライアントが集中しているわけだからこの結果は当然といえる。

Brand’s Indexによれば今年スマートフォン最適化サイトは対前年同日比で訪問者を69%増やし、売上も258.18%増えた。ただし平均注文単価は92.55と昨年とほぼ同額だった。

Branding Brandのデータは他の業界統計ともおおむね一致する。たとえばモバイル・アプリのパフォーマンス管理を専門とするCrittercismが最近サードパーティー(Dimensional Research)に委託して行った調査でも同様の傾向が見られた。

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会員1000万人のファッション通販のFancyが東京など世界100都市 で当日配送開始―伊勢丹も参加して日本に本格進出へ

ソーシャル・ファッション通販のFancyはPinterest本家が通販を始める前から、いわば「お買い物ができるPinterest」だった。そのFancyがこのほど世界100都市でモバイル、ウェブサイトからの注文による即日配送サービスをスタートさせた。消費者が正午までに注文すると当日の午後5時までに配送される。Fancyによればアメリカ61都市、アジア、ヨーロッパ、中東の31都市、合計100都市にサービスを展開したという。Fancyはニューヨークでこの夏に即日配達のテストを開始していた。

Fancyの説明によれば、即日配送をサポートしている地域では正午までに注文すれば即日、地域外からの注文の場合は翌日に配送される。また正午過ぎの注文も翌日配送となる。

即日配送を可能にするロジスティクスについては、世界各地のパートナーと提携しながらネットワークを拡充しつつあるということだ。

ただし即日配送の料金はそう安くない。グッチのジッパー・バックパックやNike+ スポーツウォッチをその日のうちに手に入れたいなら1件あたり30ドルの配送料を払う必要がある。Fancyは常にハイエンドの顧客をターゲットに最大限に吟味されたハイエンドの商品を販売してきたからこの点はあまり問題にならないのかもしれない。

われわれの取材に対してはFancyは「この夏、限定的にテストをした結果、即日配送サービスに対するユーザーの反応は好意的だった。 われわれのサイトで毎日のようにショッピングする顧客にはこのようなサービスが必要だと判断した。ときおりFancyを利用するユーザーについても即日配達によって利用の頻度が増えること期待している」と答えた。

最近は即日配送を提供するサービスが増えている。WalmartはWalmart To Goで生鮮食品を含む商品の即日配送を“行っている。Google Shopping ExpresseBay Nowのような大手のサービスもある。TaskRabbitPostmatesInstacartWunWunのようなスタートアップも即日配送サービスに参入している。

Fancyは現在1000万人の登録ユーザーを有していると発表している。今年始めには800万人だった。この夏Fancyは5300万ドルの資金調達を行い、現在、毎日の売上が10万ドルに達しているという。即日配送サービスを開始した後、1日20万ドルという過去最高の売上を記録したとしている。

Fancyのサイトは世界に散らばっているため、サードパーティーの調査によってこれらの数字の裏付けを取るのは難しい。アメリカ国内だけの調査だが、SimilarWebによるとFancyのオンライン訪問者は100万に届かないようだ。AppAnnieの調査ではFancyアプリのアメリカでのダウンロード数はライフスタイル・カテゴリーの400位台だ。今月に入って世界の6カ国程度でライフスタイルのトップ100に入ったが、アメリカだはまだトップ100に入っていない。

とはいえ、Fancyの顧客ベースが数量的にはさほど巨大ではなくとも売上は潤沢にあるようだ。5000ドル以上のバッグや2000ドルのコートが売れていれば、比較的少数の常連顧客だけでFancyが発表しているような売上を達成することは十分可能だろう。

〔日本版〕 東京で即日配達可能な商品はこちら日本語版トップページ。また10月23日、伊勢丹がFancyへの出店を発表した。Fancyの伊勢丹ページはこちら。インテリア・空間デザイナー尾方釿一氏×仙台の伝統工芸「東北工芸」の「BEAN STOOL」やグローバルのステンレス包丁など日本らしい製品が出品されている。

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Facebook、サードパーティー・サービスの支払情報の自動補完機能をテスト中(AllThingsDの「PayPal的サービス」というのは誤報)

Facebookがテスト中の新しい機能はPayPalのライバルになるようなものではなく、ユーザーの支払情報を自動的に補完入力して買い物を便利にする機能だと判明した。

今日(米国時間8/15)、AllThingsDは「Facebookはサードパーティー・アプリ向けに新機能をテストしている。これはPayPalのライバルになるようなサービスだ」と報じたが、詳細は明らかにしなかった。

現在テストされている機能は、ユーザがサードパーティーのモバイル・アプリ内で買い物をするといにクレジットカード情報、住所などの情報を自動的に入力してくれるというものだ。この情報はFacebookないでGifts機能やゲーム内購入などの機能を利用して支払いをしたときにユーザーが入力したものを利用する。この機能の利用を許可した後は数クリックで買い物が完了できる。いらいらさせられるモバイル・デバイス上での入力をしないですむ。

Facebook自身が支払いを仲介処理するわけではないのでPayPalのライバルになるというのは誤報だった。 この機能を使っても実際の支払いはPayPal、Braintree、Stripeその他、既存のサービスを経由する。この機能の利用は無料。

Facebookの狙いは、Facebook広告がクリックされた際に実際に購入行動に結びついたかどうかについて情報を得ることだ。これによってFacebookは広告主に対していっそう正確な費用対効果を示すことができる。

さらに詳細な情報は Facebook PaymentのテストはPayPalのライバルではなく入力情報の自動入力というわれわれの記事を参照。

われわれはFacebookに取材中なので、新しい情報が入り次第アップデートする。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


オンラインショップサービスのBASEがキュレーションモール型のiOSアプリをリリース

手軽にオンラインショップを開設できるBASEStores.jpは共に昨年のリリース直後から店舗を増やし、両者ともに現在は約3万店舗が登録されている。今年4月にStores.jpが段ボール、名刺、ロゴを無料でストア開設者に対して提供すると発表した際には本誌でも取り上げたが、その直後にBASEも同様のサービスを提供するなど、スタートアップ界隈ではこの2つのサービスの競争は話題になることが多い。

そしてBASEは今日、モバイルのユーザービリティの向上のため、iOSアプリをリリースした。アプリはここからダウンロードできる。BASEはデスクトップ版ではストアをまとめて掲載するようなモールはこれまで提供してこなかったが、アプリではカテゴリーごとにいくつかのストアをピックアップして掲載し、買い手側を主に対象ユーザーとしているようだ。

「ファッション」、「ハンドメイド」、「リーズナブル」など7つのカテゴリーを用意し、それぞれ約30店舗がまとめられており、アプリ内からそのまま商品を購入できる。また、ストア開設者の管理画面や出品機能も付いており、ストアの運営もこのアプリから可能だ(アドオン機能のいくつかはアプリからは設定不可)。

BASE代表取締役社長の鶴岡裕太氏によると、今でもトラフィックの約6割がモバイルからで、とりわけソーシャルメディア経由のアクセスが多いそうだ。だから、今まで良いモノを売っていながらソーシャルメディアでアクセスを上手く集めることができなかったストア運営者には嬉しい場となるだろう。

BASEはiPhoneユーザーが多いため、iOSアプリを先行してリリースしたようだが、Androidアプリも近いうちに提供予定だそうだ。

気になる直近のデータだが、店舗数は既述の通り3万以上、月間100万UU(ユニークユーザー)、流通額は月間数千万円で、店舗は1日に約500ほど増えているそうだ。人気のあるストアでは1カ月の売上が400万円から500万円ほどまで成長してきており、この規模のストアは少しずつ増えてきていると鶴岡氏はいう。

プレミアムアカウントでの課金により、すでに黒字化しているStores.jpに対し、BASEは今のところ積極的に収益化には動いていない。将来的には手数料やテーマのプレミアムテンプレートの販売などを考えているようだが、今年はあまり大きくマネタイズはしない方針なのだそうだ。


日本の楽天、ロジスティックスのWebgistixを買収―アメリカでAmazon Primeなみのサービス提供へ

日本の巨大eコマース企業、楽天はアメリカの有力なロジスティクス・サービス、Webgistixを買収する。同社はeコマース業者に対して商品の保管、受注、発送などを代行するいわゆるフルフィルメント・サービスを提供している。楽天にとってWebgistixは日本国外でのロジスティクス関連の買収としては2件目になる。買収金額等の詳細は明らかになっていない。

Webgistixは2001年に創立された。提供するサービスは受注処理から在庫管理、配送の最適化までeコマースのロジスティックス全般に及ぶ。同社はアメリカ国内に戦略的に配置された独自のフルフィルメント・センターのネットワークを構築しており、アメリカのeコマースの顧客の98%に対して1-2日で配送を実行することができる。

一言でいえば、WebgistixはアメリカにおけるAmazon Primeに対する楽天の回答だ。Webgistixは利益をあげており、過去に1度だけ外部資金を調達している(金額は不明)。

楽天はウェブとモバイルでさまざまなサービスを提供しているが、メインとなるのは日本最大のオンライン通販サービス、楽天市場だ。楽天は売上高で世界最大のeコマース企業の一つであり、アメリカを含む20カ国で活動している。

ここ数年、同社はいくつかの興味あるM&Aと投資を実施してきた。イギリスのPlay.com、Buy.com(現在Rakuten.com)、Kobo、そして今年はGrommetを買収している。昨年、楽天はPinterestの1億ドルの資金調達ラウンドのリーダーを務めた。

ロジスティクスとフルフィルメントのインフラを構築するのはeコマース企業にとってきわめて優先度が高い。2012年8月、楽天物流は楽天市場の出店者向けに「楽天スーパーロジスティクス」の提供を開始した。これは受注処理、商品仕入れ、在庫管理、梱包、出荷、顧客サポート、さらには販促活動まで提供する総合的なフルフィルメント・サービスだ。2012年11月に楽天は倉庫のオートメーション・システムを提供するフランスの企業、Alpha Direct Servicesを買収し、ヨーロッパと日本でのロジスティクスの機能強化を図った。

楽天の三木谷浩史会長は「アメリカのRakuten.comの出店企業に対し、今後はWebgistixが倉庫の管理とフルフィルメント・サービス全般を提供していく。われわれの目標は出店者が世界のどこにでも商品を配送できるようなネットワークの構築だ。出店者に最大限の能力を与えることを楽天は重視している。だから楽天市場では出店企業が自社のページを自由にカスタマイズできる。次に強化を必要とする部分はロジスティクスだと考えている」と語った。

Webgistixのファウンダー、CEOのJoseph DiSorboは「われわれはアメリカ全土に2日以内に配送を実施できる。このサービスはAmazon Primeの直接のライバルだ。われわれが参加することによってRakutenのプラットフォームはAmazon Primeに匹敵する能力を獲得することになる。Amazonが強力な競争相手であることは確かだが、世界市場を考えた場合、まだ勝敗は決まっていない。楽天はAmazonとは異るアプローチで出店企業にメリットを与える」と述べた。

三木谷浩史率いる楽天がAmazonと互角に戦えるかどうか、今後に注目だ。しかし楽天がアメリカでの市場シェアとテクノロジーを獲得することにアグレッシブであるのは確かだ。昨年の楽天の売上は50億ドルでモバイル分野での成長も目覚ましい。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+


ストリーム内決済を実現したRibbon、サービス提供開始から1時間でTwitterによりサービス停止へ

Ribbonというスタートアップが、Twitterを使った「ストリーム内課金」サービスを開始したという記事を掲載した。Twitter.comのサイトから離れることなく、ツイートに付加されているボタンをクリックすることで支払いを行えるという仕組みだ。しかし記事掲載から数時間、Twitterはこの機能を使えなくしてしまっている。リリースとほぼ同時にシャットダウンされるという事態となった。

Ribbonの共同ファウンダーであるHany RashwanもTwitterがサービスを停止してしまったことを確認している。同社は現在Twitterとの話し合いの場を設けようとしているところなのだそうだ。TechCrunchもまた、Twitterに対して質問を投げかけているところだ。返信があれば記事をアップデートしたい。

もしかするとRibbonによるTwitter Cards(Player Card)を使った支払いシステムの実装方法に、何らかの規約違反があったということなのかもしれない。詳細はまだわからないが、Twitterのリアクションの速さには少々驚きを感じた。Twitterは、どのようにして違反行為ないし問題点を認知し、そしてそれに基づく行動を発動する仕組みになっているのだろうか。それはそれで興味深いところだ。

少しRibbonの内容を振り返っておこう。簡単に言うと「bit.lyの支払いシステム版」というような感じだ。これまではTwitter上にリンクを掲載して、クリックすると別ページに飛んで、そこで簡単に決済を行うことができるようになっていた。しかしこの度、Twitter Cardの機能を使って、Twitter.com内で決済プロセスが完了するように進化したのだった。

すなわちツイートを「開いた」状態で「Buy Now」をクリックすると、その場に決済画面(カード)が表示されるようになっていたのだ。メールアドレス、クレジットカード情報を入力して「Pay」ボタンをクリックすれば、その場で支払を完了することができた。PayPalでは、別のサイトに飛んで決済を行うことになるが、その手間を省いたエクスペリエンスを提供していたわけだ。売り手側のコンバージョンレートを上げることを狙いに開発されたものだ。

しかしTwitterによるサービス停止を受け、現在は「view on web」というボタンが表示され、Ribbon.coのサイトに飛ばされて、そこで決済を行うようになっている。双方の違いを示すスクリーンショットを以下に貼っておこう。

サービス稼働中:

サービス停止後:

アップデート 1:20 pm PT:Ribbonがブログ記事を投稿している。

11:00 AM PSTにTwitterのストリーム内で支払い処理を行うことのできるサービス提供を開始しました。TechCrunch、Mashable、GigaOM、The Next Web、その他の有名メディアでも取り上げていただきました。さらにニュースを読んだ方からも何百件もツイートを頂くこととなりました。多くの方に、面白そうなサービスであると期待してもらえたようでした。

しかし12:24 PM PSTになって、事前の通知もなく、Twitter Cardsを用いてストリーム内で提供していた機能が停止されてしまいました。RibbonのリンクはRibbon.coにリダイレクトされることとなってしまい、Twitter.com内での支払い完了ができなくなってしまっています。

本機能のリリース前にはTwitter Cardによる機能実装(下にスクリーンショットを掲載しています)が利用規約に違反していないことを何度も確認したつもりです。すべて条件をクリアしていると判断しました。事前にTwitter側とも話をしています。ぜひまた私たちの実装した機能を使えるようにしたいと考えています。利用できるようになれば、Twitterおよび世界中のTwitter利用者の方々にとっても有益なサービスになるはずと確信しています。

サービスを提供できるよう、現在鋭意調整中です。

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(翻訳:Maeda, H)


eコマースの未来は日本から―Marketplace 3.0を出版した楽天の三木谷浩史インタビュー[ビデオ]


eコマースの未来や如何に? 日本を代表する富豪であり、日本の巨大eコマース企業、楽天のファウンダー、CEOのミッキーこと三木谷浩史によればオンライン・ストアの成否を決めるのはホスピタリティにあるという。新著〔英文による出版〕、Marketplace 3.0; Rewriting the Rules of Borderless Business(Marketplace 3.0―ボーダーレス・ビジネスのルールを書き換える)で三木谷は小売業の将来ビジョンを描いている。今回のインタビューで三木谷は「小売業はオンライン化によって従来のマスプロ、大量流通の定型的体験からもっとカスタマイズされた体験にシフトする」と語った。

三木谷はeコマースが社会のデジタル化のトレンドの中で革新的存在であり続けるためにはホスピタリティ・モデルを採用しなければならないと説く。 「オンラインストアはもっと礼儀正しく、親切にならなければいけない」という主張は、私には「もっと日本化しなければいけない」ということのようにも思えた。

いずれにせよ、三木谷と楽天は侮りがたい存在である。時価総額150億ドルの楽天はBuy.comやeブックのKoboを買収し、1億ドルをPinterestに投資している。デジタル・ビジネスにおいて今やRakutenは本物のグローバル・プレイヤーだ。ミッキー・ミキタニと1万人のRakuten社員はボーダーレス・ビジネスのさまざまなルールの書き換えに励んでいる。eコマースの未来は事実、ここにあるのかもしれない。

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(翻訳:滑川海彦 Facebook Google+