ゲーマー向けコミュニティプラットフォームGauGが4000万円のシード調達、マーケティングや開発人材強化

ゲーマー向けのコミュニティプラットフォーム「GauG」(ゴーグ)を運営するGauGは11月24日、第三者割当増資による総額4000万円の資金調達を行ったと発表した。引受先はマネックスベンチャーズ。調達した資金はGauGのサービス向上のため、eスポーツ大会主催を含む新規顧客獲得のためのマーケティング強化と、開発人材・インターンの採用強化にあてる。

GauGは、ゲーマーもしくはチームとしてのプロフィール作成・管理ができるほか、掲示板でフレンドやチームメンバーの募集、配信・イベント告知などが可能なプラットフォーム。ゲームのオンラインプレイデータを反映することで、プロフィール情報を充実させることも可能。11月には、新サービスとして大会の主催・運営が行えるトーナメント機能をリリースし、データ連携を通じた自動集計も提供している。

2021年10月設立のGauGは、メンバー全員がハードコアゲーマーというスタートアップ。ゲーマーにとって使いやすい、またワクワク感を得られるコミュニティプラットフォームとすべく、GauGの開発を進めている。eスポーツ大会「GGT」(GauG Tournament)の主催なども実施しているそうだ。

ゲーム仲間を簡単に見つけて、上手さも可視化する「e-mode」開発中のクロスシェアがシード資金調達

写真左より、クロスシェアCEOの荒木稜介氏と、同COOの佐野奨太氏

e-Sportsプレイヤー向けのWebサービス「e-mode」を開発するクロスシェアは3月19日、NOWとインキュベイトファンドからシード資金を調達したと発表した。調達額は非公開。

同社が開発するe-modeは、e-Sportsの大会などで採択されるゲームタイトルをプレイする人々が一緒にプレイする仲間を見つけるためのサービスだ。まだ開発中のサービスということもあり、詳細は不明だが、Twitterへの「フレンド募集」と書かれた投稿を利用したり、そのプレイヤーの強さを可視化するという機能が利用できるサービスだという。

クロスシェア代表取締役の荒木稜介氏は、サービス開発の背景について「日本のe-Sports業界が盛り上がるためには、そのタイトルをプレイする一般ゲーマーが、一緒に競い合える仲間を簡単に見つけられる環境を作る必要がある。そうすれば、おのずとプロシーンのレベルも高まる」と話す。

そのため、e-modeではプロ選手/上位ランカーや有名ストリーマーだけでなく、人口の多くを占めるライトゲーマーが気軽に使えるサービスを目指すという。同サービスは2019年4月頃にリリース予定だ。

同社の設立は2018年11月。同社のCEOを務める荒木稜介氏と同COOの佐野奨太氏は共に10代後半の学生起業家だ。

アカツキがプロリーグ設立でe-sports業界に参入、FCバルセロナや東京ヴェルディなど参加

エンターテイメント業界でモバイルゲームを中心に複数の事業を展開するアカツキは、8月22日(日本時間)に開催された「gamescom 2018」において、e-sportsプロリーグの「LPE」を設立すると発表した。本リーグの設立と運営は、アカツキが300万ユーロ(約3億8000万円)かけて子会社化したスペインのPELを通して行われる(株式総数の65%を取得)。

LPEは、サッカーなどの他のスポーツでクラブチームを所有する団体のみが参加できるリーグとなる予定。同社の発表によれば、現時点でLPEへの参加を表明しているのは、サッカーの名門クラブであるFCバルセロナ(スペイン)、アヤックス(オランダ)、ガラタサライ(トルコ)、サントスFC(ブラジル)、ビジャレアル(スペイン)など。日本からは同じくサッカークラブの東京ヴェルディが参加予定だ。

既存スポーツのプロチームしか参加できないというルールを採用した理由として、e-sports事業の責任者でシリアルアントレプレナーの熊谷祐二氏は、「LPEのバリューは多様性、透明性、プロフェッショナリズム。これはe-sportsがスポーツとして認知されるのに必要な要素だ。既存スポーツでプロチームをもつクラブは、それらの要素をすでに備えている」と話す。

加えて、LPEでは強い暴力表現を含むゲームタイトルは採用しないことで、ゲームをより健全で、よりポジティブなものとして捉えられるようなリーグ運営を目指す。パブリッシャーによる制限を設けず、複数のタイトルを公平に採用する方針だという。

また、既存スポーツのプロチームが持ち合わせている選手育成のノウハウもe-sportsの発展に欠かせないと熊谷氏は語る。それらのチームがもつ栄養学、運動生理学などに基づいた育成システムをe-sportsにも適応することで、子ども達があこがれる“e-sports界のリオネル・メッシ”を生むことこそ、e-sportsがスポーツとして市民権を得るために必要なのだと彼はいう。

「家族でe-sportsの試合を観に行き、子どもがスター選手に憧れ、練習をし、それを親が応援する。そんな世界をつくりたい」(熊谷氏)

LPEは2018年秋からプレシーズンマッチを開始し、2019年にはファーストシーズンの開幕を目指す。このシーズンではまず、総額約50万ドル(約5000万円)の賞金をかけた大会が開催される予定だ。

日本でeスポーツは流行らない? ならばモバイル賞金付きゲームで世界を狙う「ワンダーリーグ」

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欧米で流行するe-Sports(eスポーツ)が、日本で独自の発展を見せるかもしれない。

eスポーツとは、複数のプレイヤーで対戦するビデオゲームを競技として楽しむジャンルを総称したものだ。人気ゲームになると世界大会が開催され、テレビやウェブで中継されることもある。TechCrunchでもお伝えしたが、昨年7月に行われた「Dota 2」の世界大会は賞金総額が11億円に上り話題となった。

海外ではPCメーカーや飲料メーカーがスポンサーするほどの盛況ぶりだが、日本はそれほどの熱量はない。主な競技種目である、PCゲームの人口が少ないためだ。ならば、日本が強いスマートフォンを舞台に盛り上げようとしているのが、「世界初のモバイルeスポーツ」をうたうワンダーリーグだ。本日、iPhoneとAndroidアプリを正式リリースした。

1位と100位のランキング獲得者に毎日賞金

アプリ上では日替わりでカジュアルゲームのスコアを競い合い、毎日1位と100位のランキング獲得者が賞金5000円を入手できる。欧米で人気のPCゲームをモバイルで再現するのではなく、スマホが普及した日本ならではの、スキマ時間の暇つぶし感覚で楽しめる脳トレやパズルゲームを揃えているのが特徴だ。

プレイ回数は1日5回まで。友達招待やSNS投稿をすれば、無料で追加プレイができる。それでも足りなければ、課金で追加プレイが可能。この課金と広告費がワンダーリーグの収益となる。

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賞金の元手は広告費だ。といっても、ワンダーリーグが得る広告費ではなく、支払う広告費を抑えて賞金に回している。

同社の北村勝利社長によれば、開発費が数億円かかるようなモバイルゲームの多くは、アプリのダウンロードと引き換えにAmazonギフト券などの報酬を与える、いわゆる「ブースト」に多大な金額を投じていると指摘。「そういった広告費をユーザーに還元すれば、自ずと人気が出る」と見ている。

超定番ゲームを次々と招致

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「糸通し」は2005年の公開以降、「究極の暇つぶし」というキャッチフレーズとともに数多くのシリーズを展開している

ワンダーリーグは有名ゲームを招致する興行主のようなポジションだ。

まずは累計1500万ダウンロードの「糸通し」や、累計700万ダウンロードの「Touch the Numbers」といった定番ゲームを3カ月にわたって配信。期間中にトータルでトップスコアを獲得したユーザーには、ゲーム開発会社が10万円を進呈する賞金イベントも併催する。

近日中にパックマンを配信することも決まっている。ちなみにパックマンは、バンダイ・ナムコの人気タイトル17作品を日本のクリエイターに開放し、二次創作を許可する「カタログIPオープン化プロジェクト」の一環。ワンダーランドは二次創作者として採用されたかたちだ。

ゲーム会社に対してはライセンス料を支払うか、レベニューシェア契約を結ぶ。ゲームはいずれもワンダーリーグ向けにカスタマイズして組み込む「インゲーム方式」を採用していて、ユーザーは1つのアプリで、複数のゲームを日替わりで楽しめる。ゲーム会社としては、過去にヒットしたタイトルで収益を得られるメリットがある。

カジュアルゲームに国境はない、2020年に世界大会を

運営元のワンダーリーグは昨年6月に設立。今年2月にはアドウェイズ、サイバーエージェント・ベンチャーズ、B Dash Venturesの3社から1億円の資金を調達している。

今年50歳を迎える北村勝利社長は過去に、モバイルコンテンツ事業のアイフリークやゲーム事業のバタフライなどでイグジットを経験した起業家だ。2012年8月まで社長を務めたバタフライでは、パチンコ・パチスロ店舗の実機をシミュレーションできるアプリ「モバ7」を手がけ、700万ダウンロードのヒットを飛ばした。「パチンコ・パチスロ人口の3人に1人が利用するほどの人気だった」。

ワンダーリーグの北村勝利社長

ワンダーリーグの北村勝利社長

なぜ、カジュアルゲームで起業したのか。北村氏はバタフライの社長退任後、世界で勝負できる事業を探していて出会ったのがeスポーツだったと振り返る。「実際に業界研究してみると、モバイル分野では誰もやっていない。我々はスタートアップで資金力がないのでカジュアルゲームで勝負するしかないが、独自のイベントを絡めれば新たな市場を作れると思ったので、やるしかないなと」。

年内には、海外で人気のカジュアルゲームを揃えた英語版もリリースする。日本と同様のタイトルに加え、海外でヒットしたゲームの開発企業とも交渉していく。賞金は海外送金手数料を抑えるために、PayPalとBitCoinのどちらかで送金する。「カジュアルゲームに国境はないので十分に勝機はある」と北村氏。2020年にはワンダーリーグの世界大会を開催したいと展望を語っている。