E3 2019のベストはProject Scarlettか?Gooigiか?

今年のE3の記事はどれもソニーの不在で始まるけど、これもまさにそうだ。ゲームの「ビッグスリー」のひとつが欠けていることはこの催し全体に大きな影を落とし、展示会場の空間感覚も何かがおかしい。

XboxのチーフPhil Spencer氏も同社の最大のコンペティターの不在を嘆き、ライブのストリーミングでは「ソニーがいないのは悲しいね」と言った

でもショウは滞りなく行われ、まるで大きなビーチのように、ゲーム産業の大小さまざまな波が打ち寄せ、そして引いた。ソニーも次世代コンテンツの隠し玉をたくさん用意していることは確実だから、その健康を疑う者は一人もいない。

一方、マイクロソフト(Microsoft)は元気はつらつ。膨大な量のゲームを披露し、トレーラーは全部で数十篇もあった。重要なニュースが二つあったはずだが、何もかもその盛大なゲームの発表に飲み込まれてしまい、肝心の次世代8KコンソールProject Scarlettや、同社のストリーミングサービスProject xCloudは時間が足りなくなった。

結局、そのサービスの詳細は週の後半になり、同社のコンソールへのストリーミングは無料で、より広範なxCloudの提供物ではないことになった。

マイクロソフトはいろいろ気にして(時間も足りなくて)xCloudやGame Passをステージで詳しく紹介しなかったが、しかしE3全体では明らかにストリーミングが最大の話題だった。その原因の一部は、Google(グーグル)が予定外の記者発表を行ってStadiaのトレーラーを見せたせいでもあるだろう。

任天堂の役員は取材に対して、ストリーミングは研究中と言ったが、具体的な話は何もなかった。任天堂がストリーミングを気にしていることは確実だが、E3では最新のどうぶつの森を見せ、次のゼルダのちょい見せをした。ちょっとした驚きはルイージのクローンとしてグーイジが登場したこと。でも個人的に興奮したのは、夢をみる島のリマスターが決まったことだ。

スクウェア・エニックスのビッグイベントはあまりパっとしなかったが、アベンジャーズのプレビューを見た。Ubisoft(ユービーアイソフト)はデモがクールで、「Watch Dogs: Legion」(ウォッチドッグス レギオン)や、「Assassin’s Creed」(アサシン クリード)のストーリーモードなどがあった。Ubisofotは、独自のストリーミングサービスをGoogle Stadiaの助けを借りてやるらしい。一方Bethesda(ベゼスダ)はFallout 76の新しいモードでバトロワ商戦に参戦するようだ。Fall Guysのほうがずっとかわいいが。

そのほか、Razerのエナジードリンク、Operaのゲーム用ブラウザーあり、ゲーム・オブ・スローンズ原作者の新しいゲームあり、It’s Always Sunnyのスターの登場もあり、そして任天堂Wiiのダンスゲームもあった。SwitchでもWii Uでもない、ただのWiiだ。まあまあだったかもしれない、E3 2019は。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

テスラの車載ディスプレイがYouTube対応

Tesla(テスラ)は、同社の車載タッチスクリーン式インフォテインメントシステムに次々とソフトウェアを追加している(中には多くの人が頭をかきむしるものもある)。米国時間6月13日にロサンゼルスのE3イベントで行われたスペシャルQ&Aセッションで、テスラCEOのElon Musk(イーロン・マスク)氏は、近いうちにTeslaの車載ディスプレイがYouTubeを正式サポートすることを明らかにした。

テスラのCEOが同社の車にYouTubeがやってくることを予告したのはこれが初めてではない。マスク氏は昨年8月にTwitterでファンからの質問に答えて、車載ソフトウェアのバージョン10でサードパーティー製ビデオストリーミングに対応すると発言した。同社は昨年車載ソフトウェアのバージョン9を公開した。

マスク氏は今日のE3イベントで具体的にYouTubeの名前を挙げた。ほかにもBethesdaのFallout 3が同社のインフォテインメントシステムにやってくることを公表し、AndroidゲームのBeach Buggy RacerがTesla Model 3のディスプレイで動いているデモビデオを紹介した。

最近のポッドキャストでマスク氏は、アプリやゲームのサードパーティー開発者向けにプラットフォームを開放することを検討すると語った。これまで同社は、独自のアプリや「イースターエッグ」を車載ディスプレイに載せてきたが、本格的なプラットフォームとして公開するのは、ずっと積極的なやり方だ。

車の中にストリーミングビデオのような注意を引くアプリを載せることは明らかに直感に反することだが、少々テスラを擁護して言うなら実際には多くのドライバーがスマートフォンをカーナビとして使っており、その気になればいつでもYouTubeを見ることができる。マスク氏の気持ちはテスラ車が完全自動運転になる日に飛んでいるのかもしれない。つい最近も、今後数年のうちにそうなるだろうと発言していた。

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(翻訳:Nob Takahashi / facebook

ゲームストリーミングに関して任天堂は目下評価中

ゲームのストリーミングはE3の最大の話題にまで肥大した。先週はGoogleのStadia、これにMicrosoftのGame Passが加わり、Ubisoftの発表に次いで今度はNetflixまでも。明らかにこれは、ゲーム産業大異変の前兆だ。

もちろん任天堂は、その話にほとんど参加していない。それも当然で、同社は常に我が道を行くの企業だ。業界の大きなトレンドよりも独自のビジョンを重視する。その姿勢は、モバイルの出遅れのように裏目に出ることもあるが、ほとんどの場合はゲームのプラットホームやタイトル、それに知財において業界最大の人気製品を作ってきた。

ゲームの歴史における同社の分厚い業績を見るかぎり、Netflix的なコンテンツの提供も任天堂には向いている。マリオやゼルダなど同社の30年の蓄積を月額10ドルで提供するビジネスも、それほど苦労なく作れるだろう。しかし、任天堂にとって重要なのは、そんな供給サイドの話ではなくて、ダウンロードに金を払うという方式をゲーマーたちが本当に好むかという需要サイドの問題だ。

E3会場でTechCrunchは、Nintendo of Americaの役員であるCharlie Scibetta氏にインタビューした。彼によると、そのコンセプトは前から検討している、という。彼によると「任天堂もそれには注目しているし、採算ベースなどの評価もしている。しかしその技術の採用については、現時点では何も発表すべきことがない。うちの主力はあくまでも、フィジカルな製品とeShopからのデジタルのダウンロードだ」とのこと。

Nintendo of AmericaのCEOを務めるDoug Bowser氏も、The Hollywood Reporterに同じことを言っている。「さまざまなテクノロジーが、ゲームの新しい楽しみ方を可能にすることに関しては常に注目している」。

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(翻訳:iwatani、a.k.a. hiwa

任天堂が「ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド」続編の製作を発表

Nintendo Directのプロモーションで幕を開けた任天堂のE3だが、さらに思いがけない発表があった。今や任天堂の定番ゲームとなっている「ゼルダの伝説」シリーズで「ブレス オブ ザ ワイルド」の続編が製作されているという。具体的な情報は乏しく、実際のところ公式に発表されたのは「製作中」ということだけだ。しかし私としてはこれが確認されただけでうれしい。

ここしばらく任天堂はプレスカンファレンスよりビデオストリーミングを重視してきたが、同社のゲームクリエイターで企画製作本部長を務める高橋伸也氏はオフレコで「我々は今日の予告編以外にもタイトルを製作している。正式に紹介できる火が来るのを楽しみにしている。Directのデモの最後に、あるものを見てもらう予定だ」と述べていた。

ゲーマーならこの予告編は「ブレス オブ ザ ワイルド」に関連しているとすぐ気づいただろう。スーパーゲーマーだったら、ぬめぬめした緑色の奇妙な物体の這う跡を見ただけで正体を悟ったかもしれない。やがてゼルダ本人がアップになり、あらゆる疑問は払拭される。ボーイッシュなショートヘアになっているのだ! ゼルダと主人公の勇者、リンクは連れ立ってある種のダンジョンへ旅するようだ。

2人は奇妙なミイラや恐ろしい敵に出会う。悪のボスは主人公たちの存在に気づくと目赤く光り、そこから発せられるオーラだけでも強い魔力を持っていることが感じられる。危機一髪のシーンのフラッシュバックが挿入される。地上の情景も含まれれており、ハイラルの城が地下に沈んでいき、大地震が起きるらしい。どんな惨事が起きたのか不明だ。

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド 続編開発中」という字幕が表示されてトレーラーは終わる。

トレーラーを見た限りでは、続編は前作よりダークで危険に満ちたものになりそうだ。前作は地上が舞台で自由と開放感に溢れていた。続編の予告編は地下が舞台で、暗く、閉じ込められており、さらに危険が増している雰囲気だ。

ゼルダとリンクは地底の古き魔物を覚醒させたのかもしれない。封じ込められたガノンドロフがまず復活したらしい。

これは何を意味するのだろう?前作「ブレス オブ ザ ワイルド」は大ヒットとなったが、「ダンジョンのシーンが足りない」という批判が出ていた(なるほど寺院内のシーンはあったが、非常に短かかった)。

私は続編で地上に匹敵するような巨大な地底世界が繰り広げられるのではないかと楽しみにしている。洞窟、寺院、秘密、闇、そして生き残りの秘密を隠すアイテムの数々!

任天堂はこれまでの強みを生かしたゲーム作りを続けつつ、ゲーマーの要望にも耳を傾けているようだ。続編がどういうゲームになるのか今のところ情報はほとんどないが、ともあれ開発中であることが正式に確認されたのは素晴らしい。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook

任天堂がE3で今年発表のDirectゲームを一挙紹介

今年のE3では、Microsoftが6月9日の日曜日に発表を行い、ソニーはイベントをすっかりパスしたが、任天堂はいつもどおりだ。今回もNintendo Directをプロモーションするライブストリーミングに全力を挙げている。

今年はメジャーなハードウェアの発表は予期されていないが、Switchのバージョンアップに踏み切る可能性はある。しかし「どうぶつの森」(Animal Crossing)始め重要なゲームシリーズに新しいタイトルが追加されるのは間違いない。

「スーパーマリオメーカー2」と「ポケットモンスター ソード・シールド」はすでに任天堂がDirectイベントで発表している。今回はシミュレーションRPGの「ファイアーエンブレム」と、「ルイージマンション3」の紹介に重点が置かれる。E3 2019関連の噂についてはこちらを参照

画像:Jon Russell/ Flickr CC 2.0

【Japan編集部追記】元記事ビデオは米国向けの英語ナレーション版なので日本語版と入れ替えてある。なお「ゼルダの伝説」についても公式発表がある。

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(翻訳:滑川海彦@Facebook